説明

硬化膜の形成方法

【課題】インクジェット用インクの着弾後の広がりが少なく、高精細なパターンを形成できる硬化膜の形成方法が求められている。
【解決手段】所定の化合物を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、硬化膜の形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット用インクを用いた硬化膜の形成方法に関し、具体的には、プリント配線基板などを製造するために用いられるインクジェット用インクを用いた硬化膜の形成方法に関する。さらに本発明は、上記形成方法により硬化膜が形成された電子回路基板、及び該電子回路基板を有する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
パターン化された硬化膜は、例えば、カバーレイ、エッチングレジストなど、電子回路基板の多くの部分で使用されており、これまでに多くの硬化性組成物がこの用途に提案されてきた。たとえば光硬化性組成物を用いてパターン化された硬化膜を形成する方法としては、所望のパターンを有するマスクを介して紫外線を照射し、紫外線の当たっていない部分を現像により除去する、フォトリソグラフィ法が一般的である。
しかしながら、この方法では露光機、現像機等を備えた専用ラインが必要であり、設備投資も大きな金額になる。
【0003】
このような状況の下、近年では設備投資金額が少ない、現像液を使用しない、材料の使用効率が高い等の長所を持つインクジェット法が提案され、これに使用する組成物(インクジェット用インク)も提案されている(例えば、特開2003−302642号公報(特許文献1)を参照)。また、インクジェット法に使用される光硬化性インクジェト用インクも提案されている(例えば、WO2004/099272号パンフレット(特許文献2)を参照)。さらに、インクジェット法に適した粘度、ジェッティング温度も提案されている(例えば、特開2004−188857(特許文献3)を参照)。
【0004】
しかしながら、これらの文献に記載されたインクジェットインク及びインクジェット法を用いてパターニング(描画)すると、インクジェットヘッドから吐出された液滴が基板に着弾した後に基板上で広がってしまい、解像度が低下して高精細のパターンを形成するのが難しかった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−302642号公報
【特許文献2】WO2004/099272号パンフレット
【特許文献3】特開2004−188857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の状況の下、例えば、インクジェットヘッドから吐出された液滴の着弾後の広がりが少なく、高精細なパターンを形成できる硬化膜の形成方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、特定の構造を有する化合物を含有し、所定の粘度を有するインクジェット用インクを、インクジェットヘッドから所定の吐出温度で吐出させる工程を含む硬化膜の形成方法を用いることで、高精細なパターンを形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は以下のような硬化膜の形成方法を提供する。なお、本明細書中、アクリレートとメタクリレートの両者を示すために「(メタ)アクリレート」のように表記することがある。
【0009】
[1] 下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、硬化膜の形成方法。
【化9】

(式(1)中、R1は炭素数1〜100の有機基であり、R2およびR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル、フェニル、任意の水素が炭素数1〜5のアルキルで置き換えられたフェニル、または任意の水素がフェニルで置き換えられたフェニルであり、R2とR3が結合して環状基を形成していてもよく、nは1〜10の整数であり、pおよびqはそれぞれ独立して、0又は1である。)
【化10】

(式(2)中、R4は水素またはメチルであり、R5は環状構造を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレンであり、tは1〜30の整数である。)
【0010】
[2] 一般式(1)で表される化合物から選ばれる1つ以上及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、上記[1]に記載の硬化膜の形成方法。
【0011】
[3] 下記一般式(3)で表される化合物、及び下記一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、硬化膜の形成方法。
【化11】

(式(3)中、R1は炭素数1〜100の有機基であり、nは1〜10の整数である。)
【化12】

(式(4)中、R4は水素またはメチルであり、R5は環状構造を有していてもよい炭素数2〜8のアルキレンである。)
【0012】
[4] 一般式(3)で表される化合物から選ばれる1つ以上及び一般式(4)で表される化合物から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、上記[3]に記載の硬化膜の形成方法。
【0013】
[5] インクジェット用インクが、さらに光重合開始剤を含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0014】
[6] インクジェット用インク全量を基準として、常圧における沸点が300℃以下の溶媒を、0〜10重量%含有するインクジェット用インクである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0015】
[7] 光重合開始剤がビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである、上記[5]又は[6]に記載の硬化膜の形成方法。
【0016】
[8] インクジェット用インク全量を基準として、上記一般式(1)で表される化合物及び(2)で表される化合物の合計重量又は上記一般式(3)で表される化合物及び(4)で表される化合物の合計重量が50〜100重量%、前記溶媒が0〜10重量%、及び前記光重合開始剤が0〜20重量%、「他のラジカル重合性モノマー」及び「オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物からなる群から選ばれる化合物」の合計重量が0〜50重量%を含有するインクジェット用インクである、上記[5]〜[7]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0017】
[9] R1がラジカル重合性二重結合を有する炭素数1〜100の有機基である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0018】
[10] R5がエチレン、プロピレン又はブチレンである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0019】
[11] 上記一般式(3)の化合物が、下記一般式(5)、(6)、(7)または(8)である、上記[3]又は[4]に記載の硬化膜の形成方法。
【化13】

(式(5)中、a、b及びcはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、3つのR6のうち1〜2個は式(5-1)で表される基であり、残りは式(5-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【化14】

(式(6)中、a、b及びcはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、3つのR6のうち1〜2個は式(6-1)で表される基であり、残りは式(6-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【化15】

(式(7)中、a、b、c及びdはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、4つのR6のうち1〜3個は式(7-1)で表される基であり、残りは式(6-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【化16】

(式(8)中、a、b、c、d、e及びfはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、6つのR6のうち1〜5個は式(8-1)で表される基であり、残りは式(8-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【0020】
[12] インクジェット用インクの25℃での粘度が150〜300mPa・sである、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0021】
[13] 吐出温度が90〜140℃である、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0022】
[14] 吐出温度が100〜130℃である、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【0023】
[15] 上記[1]〜[14]の硬化膜の形成方法を用いて形成された硬化膜。
【0024】
[16] 上記[1]〜[14]の硬化膜の形成方法を用いて形成されたパターン化された硬化膜。
【0025】
[17] 基板上に上記[15]又は[16]の硬化膜が形成された電子回路基板。
【0026】
[18] 上記[17]に記載された電子回路基板を有する電子部品。
【発明の効果】
【0027】
本発明の好ましい態様に係る硬化膜の形成方法によれば、高精細なパターンを形成することが可能であり、例えば電子回路基板用の硬化膜形成方法として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
1 硬化膜の形成に使用されるインクジェット用インク
硬化膜の形成方法に使用されるインクジェット用インクは、上記一般式(1)及び(2)で表される化合物からなる群から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sのインクである。該インクの25℃での粘度は、好ましくは150〜1,000mPa・s、より好ましくは150〜500mPa・s、さらに好ましくは150〜300mPa・sである。
上記インクジェット用インクは、以下詳細に説明する各成分を適当な量で混合、攪拌し、例えば孔径1μmのメンブレンフィルター等で濾過することにより得ることができる。メンブレンフィルターの目の粗さは、細かい方がコンタミが少なくなり、例えばインクジェットノズルの目詰まりなどを防止できるなど、インクに求められる仕様により選択することができるが、好ましくは孔径0.2〜10μm、より好ましくは孔径0.2〜5μm、さらに好ましくは孔径0.5〜3μmである。
インクジェット用インクは、無色であっても、有色であってもよい。一般的に「インク」とは、筆記や印刷などに用いる有色の液体を意味することが多く、本発明におけるインクジェット用インクもこの意味の用途として用いてもよいが、例えば、電子回路基板用の硬化膜を形成する用途に用いる場合には、特に有色である必要はなく無色であってもよい。
【0029】
1.1 一般式(1)で表される化合物
上記インクジェット用インクは、上記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0030】
1における「炭素数1〜100の有機基」は、好ましくは炭素数4〜90の有機基であり、より好ましくは炭素数10〜80の有機基であり、さらに好ましくは炭素数15〜70の有機基である。また、ラジカル重合性二重結合を有する有機基であることが好ましく、ラジカル重合性二重結合とは炭素−炭素二重結合であり、具体的には、アクリロイル、メタクリロイル、スチリル、マレイミド、ビニル、アリルなどの二重結合が挙げられ、特にアクリロイルが好ましい。
【0031】
2及びR3における「炭素数1〜20のアルキル」は、好ましくは炭素数2〜12のアルキルであり、より好ましくは炭素数3〜8のアルキルであり、さらに好ましくは炭素数4〜6のアルキルである。具体的には、エチル、プロピル、ブチル、ヘプチル、ヘキシル、オクチルなどが挙げられる。
2及びR3における「任意の水素が炭素数1〜5のアルキルで置き換えられたフェニル」は、アルキルの置換数について、好ましくは1〜3個であり、より好ましくは1〜2個であり、さらに好ましくは1個であり、置換位置について、オルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、好ましくはメタ位、パラ位であり、より好ましくはメタ位であり、「炭素数1〜5のアルキル」について、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘプチルなどが挙げられる。また、「任意の水素が炭素数1〜5のアルキルで置き換えられたフェニル」として、具体的には、3−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3−プロピルフェニルなどが挙げられる。
2及びR3における「任意の水素がフェニルで置き換えられたフェニル」は、フェニルの置換数について、好ましくは1〜3個であり、より好ましくは1〜2個であり、さらに好ましくは1個であり、置換位置について、オルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、好ましくはメタ位、パラ位であり、より好ましくはメタ位である。また、「任意の水素がフェニルで置き換えられたフェニル」として、具体的には、3−フェニルフェニル3,4−ジフェニルフェニルなどが挙げられる。
また、R2とR3が結合して環状基を形成していてもよいが、この具体例としては下記式の構造を挙げることができる。
【化17】

【0032】
nは1〜10の整数であり、好ましくは1〜8の整数であり、より好ましくは1〜7の整数であり、さらに好ましくは1〜6の整数である。
pおよびqはそれぞれ独立して、0又は1であり、好ましくはpは0であり、qは1である。
【0033】
一般式(1)で表される化合物は、好ましくは上記一般式(3)で表される化合物であり、より好ましくは上記一般式(5)、(6)、(7)又は(8)で表される化合物である。
【0034】
式(3)におけるR1及びnは、上記式(1)のものと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
【0035】
式(5)におけるa、b及びcは、それぞれ独立して、好ましくは0〜10の整数であり、より好ましくは0〜3の整数であり、さらに好ましくは0〜1の整数である。
式(5)における3つのR6は、1又は2個の式(5-1)で表される基と2又は1個の式(5-2)で表される基とから構成されるが、好ましくは1個の式(5-1)で表される基と2個の式(5-2)で表される基とから構成される。
式(5-1)及び式(5-2)におけるR7は、水素又はメチルのいずれであってもよいが、好ましくは水素である。
【0036】
式(6)におけるa、b及びc、R6を構成する式(6-1)で表される基と式(6-2)で表される基の割合、R7については、上記式(5)のものと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
【0037】
式(7)におけるa、b、c及びdは、それぞれ独立して、好ましくは0〜10の整数であり、より好ましくは0〜3の整数であり、さらに好ましくは0〜1の整数である。
式(7)における4つのR6は、1〜3個の式(7-1)で表される基と3〜1個の式(7-2)で表される基とから構成されるが、好ましくは1〜2個の式(7-1)で表される基と3〜2個の式(7-2)で表される基とから構成され、より好ましくは1個の式(7-1)で表される基と3個の式(7-2)で表される基とから構成される。
式(7-1)及び式(7-2)におけるR7は、水素又はメチルのいずれであってもよいが、好ましくは水素である。
【0038】
式(8)におけるa、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、好ましくは0〜10の整数であり、より好ましくは0〜3の整数であり、さらに好ましくは0〜1の整数である。
式(8)における6つのR6は、1〜5個の式(8-1)で表される基と5〜1個の式(8-2)で表される基とから構成されるが、好ましくは1〜4個の式(8-1)で表される基と5〜2個の式(8-2)で表される基とから構成され、より好ましくは2〜4個の式(8-1)で表される基と4〜2個の式(8-2)で表される基とから構成され、さらに好ましくは4個の式(8-1)で表される基と2個の式(8-2)で表される基とから構成される。
式(8-1)及び式(8-2)におけるR7は、水素又はメチルのいずれであってもよいが、好ましくは水素である。
【0039】
式(5)で表される化合物の一例としては、昭和高分子(株)製HFA−3003(式(5)において、a=0、b=0、c=0、式(5-1)で表される基が1個、式(5-2)で表される基が2個である化合物)として市販されている。
また、式(8)の化合物は、昭和高分子(株)製HFA−6127(式(8)において、a=1、b=1、c=1、d=1、e=1、f=1、式(8-1)で表される基が4個、式(8-2)で表される基が2個である化合物)として市販されている。
【0040】
これらの化合物を含有するインクジェット用インクは、例えばポリイミドや銅箔などの基板上での接触角が高く、したがってインクジェットヘッドから吐出された液滴が着弾後に基板上で広ることがなく、高精細なパターンを形成するのに有利である。特に、分子中にアクリロイルを有していると、硬化膜を高温で加熱してもブリードアウトすることがなく、基板との密着性、耐薬品性が良好である。
【0041】
1.2 一般式(2)で表される化合物
上記インクジェット用インクは、上記一般式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0042】
4は、水素又はメチルのいずれであってもよいが、好ましくは水素である。R5における「環状構造を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレン」は、炭素数について、好ましくは炭素数2〜17のアルキレンであり、より好ましくは炭素数2〜12のアルキレンであり、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキレンである。また、「環状構造」の具体例としては、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ビシクロ環などである。「環状構造を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレン」として、具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、下記式の構造などが挙げられる。
【化18】

tは1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜4の整数であり、さらに好ましくは1である。
【0043】
一般式(2)で表される化合物は、好ましくは上記一般式(4)で表される化合物であり、より好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。
【0044】
式(4)におけるR4及びR5は、上記式(2)のものと同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
【0045】
これらの化合物を含有するインクジェット用インクは、例えばポリイミドや銅箔などの基板上での接触角が高く、したがってインクジェットヘッドから吐出された液滴が着弾後に基板上で広ることがなく、高精細なパターンを形成するのに有利である。また、分子中にヒドロキシを有しているので、得られる硬化膜は上記基板との密着性が高い。
【0046】
1.3 光重合開始剤
上記インクジェット用インクは、光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤を含有したインクジェット用インクに光を照射することで、インクジェットヘッドから吐出された液滴が着弾後に基板上で広る前に固化させることができるので、高精細なパターンを形成するのに有利である。
【0047】
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
【0048】
これらのなかでもビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどはリン原子を有する光重合開始剤であり、これらを使用すると得られる硬化膜の銅箔への密着性が向上するので好ましい。
【0049】
1.4 溶媒
上記インクジェット用インクは、例えば使用する用途に合わせた粘度に調整するために、溶媒を含んでもよい。この溶媒としては沸点が100〜300℃の溶媒が好ましく、沸点が150〜200℃の溶媒がより好ましく、沸点が200〜300℃の溶媒がさらに好ましい。
【0050】
上記溶媒の具体例としては、水、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、アニソール、ガンマブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、またはジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
【0051】
1.5 インクジェット用インクの各主要成分の含有量
上記インクジェット用インクは、一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる1つ以上を含有する他に、任意に、光重合開始剤や溶媒を含有していてもよく、これらの主要成分の含有量については以下のとおりである。なお、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、光重合開始剤、及び溶媒は、それぞれ、1種の化合物であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。
【0052】
インクジェット用インクに、式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物を含有させると、ポリイミド上および銅箔上での接触角が高くなるので好ましく、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物の合計重量(又は、式(3)で表される化合物及び式(4)で表される化合物の合計重量)は、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは55〜95重量%であり、さらに好ましくは60〜90重量%である。また、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を共に含有する場合、各化合物の割合(重量基準)は、好ましくは1対10〜2対1であり、より好ましくは1対5〜2対1であり、さらに好ましくは1対3〜2対1である。
【0053】
インクジェット用インクに含有させる光重合開始剤の量は、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%であり、さらに好ましくは1〜10重量%である。この範囲で使用すると、少ない紫外線の照射量で硬化させることができるので好ましい。
【0054】
インクジェット用インクに含有させる溶媒の量は、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜10重量%であり、より好ましくは0〜5重量%であり、さらに好ましくは0重量%である。この範囲で使用すると、ジェッティング時の粘度変化が小さく、安定した吐出ができるので好ましい。
【0055】
また、上記インクジェット用インクには、以下に示す、他のラジカル重合性モノマー、オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物、エポキシ硬化剤、界面活性剤、カップリング剤、着色剤、重合禁止剤などを、本発明の目的に沿った範囲において添加することができる。これらの他の添加剤(「他のラジカル重合性モノマー」以外)は、上記主要成分がもたらす効果にまったく又はほとんど影響を与えることがない量で添加され、上記主要成分を補って全成分の合計の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように添加される。なお、他のラジカル重合性モノマーを添加する場合には、上記説明した式(1)及び式(2)で表される化合物の一部分として補助的に添加することができる。
【0056】
1.6 他のラジカル重合性モノマー
上記インクジェット用インクは、例えば得られる硬化膜の耐熱性、接着性または柔軟性などを高めるために、上記一般式(1)〜(4)で表される化合物ではない、他のラジカル重合性モノマーを含有してもよい。他のラジカル重合性モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、p−ビニルフェニル−3−エチルオキセタ−3−イルメチルエーテル、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸−(2−モノ(メタ)アクリロイルオキシ)エチル、3−シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフタルイミドエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、無水イタコン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、4−アクリロイルモルホリン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、;KAYARAD TC−110S(商品名:日本化薬(株)製);、ビスコート#193、ビスコート#320、ビスコート#2311HP、ビスコート#220、ビスコート#2000、ビスコート#2100、ビスコート#2150、ビスコート#2180、ビスコート3F、ビスコート3FM、ビスコート4F、ビスコート4FM、ビスコート6FM、ビスコート8F、ビスコート8FM、ビスコート17F、ビスコート17FM、ビスコートMTG(それぞれ商品名:大阪有機化学(株)製);M−101、M−102、M−110、M−113、M−117、M−120、M−5300、M−5600、M−5700、TO−850、TO−851、TO−1248、TO−1249、TO−1301、TO−1317、TO−1315、TO−981、TO−1215、TO−1316、TO−1322、TO−1342、TO−1340、TO−1225(それぞれ商品名:東亜合成(株)製)、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0057】
これらのなかでも、得られる硬化膜の「耐熱性」を高める観点からは、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、N−フェニルマレイミド、又はN−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
また、得られる硬化膜の「接着性」を高める観点からは、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、又はマレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]が好ましい。
また、得られる硬化膜の「柔軟性」を高める観点からは、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又はKAYARAD TC−110Sが好ましい。
また、インクジェット用インクの「光硬化性」を高める観点からは、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、これらを用いればより少ない紫外線の照射量で固化させることができる。
【0058】
他のラジカル重合性モノマーは、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。他のラジカル重合性モノマーの含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜50重量%であり、より好ましくは0〜30重量%であり、さらに好ましくは0〜15重量%である。
【0059】
1.7 オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物
上記インクジェット用インクは、例えば得られる硬化膜の耐薬品性を高めるために、オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物を含有してもよい。オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物としては、特に耐薬品性が良好な硬化膜を得ることができるエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の具体例としては、商品名「エピコート807」、「エピコート815」、「エピコート825」、「エピコート827」、「エピコート828」、「エピコート190P」、「エピコート191P」(それぞれ商品名:油化シェルエポキシ(株)製);「エピコート1004」、「エピコート1007」、「エピコート1256」(それぞれ商品名:ジャパンエポキシレジン(株)製);「アラルダイトCY177」、「アラルダイトCY184」(それぞれ商品名:日本チバガイギー(株)製);「セロキサイド2021P」、「EHPE−3150」(それぞれ商品名:ダイセル化学工業(株)製);「テクモアVG3101L」(商品名:三井化学(株)製)などを挙げることができる。これらのなかでもエピコート1004、アラルダイトCY184、テクモアVG3101L、セロキサイド2021Pは、耐熱性、耐薬品性が高いので好ましい。
【0060】
オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物の含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜50重量%であり、より好ましくは0〜30重量%であり、さらに好ましくは0〜15重量%である。
【0061】
1.8 エポキシ硬化剤
上記インクジェット用インクは、例えば硬化膜の耐熱性を向上させるためにエポキシ硬化剤を含んでもよい。エポキシ硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤、および触媒型硬化剤などが挙げられるが、耐熱性の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
【0062】
酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、イタコン酸無水物、またはスチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらのなかでも耐熱性が特に優れたトリメリット酸無水物またはヘキサヒドロトリメリット酸無水物などが好ましい。
【0063】
エポキシ硬化剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。エポキシ硬化剤の含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜15重量%であり、より好ましくは0〜10重量%であり、さらに好ましくは0〜5重量%である。
【0064】
1.9 界面活性剤
上記インクジェット用インクは、例えば基板への濡れ性、硬化膜の膜面均一性を向上させるために、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤などが用いられる。具体的には、シリコン系界面活性剤として、例えばByk−300、Byk−306、Byk−335、Byk−310、Byk−341、Byk−344、またはByk−370(それぞれ商品名:ビック・ケミー(株)製)など;アクリル系界面活性剤として、例えばByk−354、ByK−358、またはByk−361(それぞれ商品名:ビック・ケミー(株)製)など;その他、DFX−18、フタージェント250、またはフタージェント251(それぞれ商品名:ネオス(株)製)を挙げることができる。
【0065】
界面活性剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。界面活性剤の含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜1重量%であり、より好ましくは0〜0.5重量%であり、さらに好ましくは0〜0.2重量%である。
【0066】
1.10 カップリング剤
上記インクジェット用インクは、例えば基板との密着性を向上させるために、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系およびチタネート系の化合物を用いることができる。具体的には、シラン系化合物として、例えば3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、または3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど;アルミニウム系化合物として、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなど;チタネート系化合物として、例えばテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなどを挙げることができる。これらのなかでも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。
【0067】
カップリング剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。カップリング剤の含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜10重量%であり、より好ましくは0〜5重量%であり、さらに好ましくは0〜2重量%である。
【0068】
1.11 着色剤
上記インクジェット用インクは、例えば基板との識別を容易にして硬化膜の状態を検査するために、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、耐熱性が良好であるため顔料が好ましい。着色剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。着色剤の含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜10重量%であり、より好ましくは0〜7重量%であり、さらに好ましくは0〜5重量%である。
【0069】
1.12 重合禁止剤
上記インクジェット用インクは、例えば保存安定性(インクの粘度変化など)を向上させるために、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤の具体例としては、4−メトキシフェノール、ヒドロキノン、またはフェノチアジン等を挙げることができる。これらのなかでも、フェノチアジンが長期の保存においても粘度の変化が小さいために好ましい。重合禁止剤は1種の化合物であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。重合禁止剤の含有量は、基本的には上述するように上記主要成分を単独で補って又は他の添加剤と共に補って全成分の含有量がインクジェット用インクの100重量%となるように調整されるが、インクジェット用インクの全重量を基準として、好ましくは0〜1重量%であり、より好ましくは0〜0.5重量%であり、さらに好ましくは0〜0.2重量%である。
【0070】
2. 硬化膜の形成方法
硬化膜の形成方法としては、例えば、上記インクジェット用インクを、基板上に80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出し、加熱することにより、高精細なパターン化した硬化膜を形成することができる。吐出温度が90〜140℃であると高精細なパターンと吐出の安定性が両立できるのでより好ましく、100〜130℃であるとより一層好ましい。吐出後の加熱は、例えばオーブンまたはホットプレート等で行うことができる。また、そのときの加熱温度及び時間は、加熱装置やインクジェット用インクの含有成分、得ようとする硬化膜の物性などにより決定することができ、例えば160〜300℃で5〜90分間の加熱が好ましく、180〜280℃で10〜60分間の加熱がより好ましく、200〜260℃で15〜40分間の加熱がさらに好ましい。
【0071】
また、上記説明した光重合開始剤と式(2)の化合物を共に含有する場合、あるいは、光重合開始剤と上記説明した他のラジカル重合性モノマーを共に含有する場合は、インクジェット用インクを基板上に吐出した後、該インクに紫外線や可視光線等を照射することにより硬化膜を形成することができる。吐出されたインクにおいて光が照射された部分はR1が重合性二重結合を有している式(1)の化合物、式(2)の化合物又は他のラジカル重合性モノマーの重合により高分子量化して硬化する。これにより、インクの広がりを効果的に抑えることができるので、高精細なパターンの描画が可能になる。照射する光として紫外線を用いた場合には、照射する紫外線の量は、インクジェット用インクの含有成分、得ようとする硬化膜の物性などにより決定することができ、ウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定して、1〜1,000mJ/cm2程度が好ましく、5〜500mJ/cm2がより好ましく、10〜300mJ/cm2がさらに好ましい。さらにオーブンまたはホットプレートにより加熱、焼成すると、耐熱性、耐薬品性が向上するので好ましい。この際の加熱温度及び時間は、例えば160〜300℃で5〜90分間の加熱が好ましく、180〜280℃で10〜60分間の加熱がより好ましく、200〜260℃で15〜40分間の加熱がさらに好ましい。
【0072】
本明細書中、「基板」は、インクジェット用インクが塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状であってもよい。また、基板の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜2mm程度であり、使用する目的により適宜調整されるが、15〜500μmが好ましく、20〜200μmがさらに好ましい。さらに、基板の硬化膜を形成する面には、必要によりコロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理等の易接着処理を施したり、易接着層を設けてもよい。
また、基板の材質は特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルム、セロハン、アセテート、金属箔、ポリイミドと金属箔の積層フィルム、目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、あるいはポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙、ガラスなどを挙げることができる。なお、これらの基板を構成する材料には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、さらに、顔料、染料、酸化防止剤、劣化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤および/または電磁波防止剤等の添加剤を含んでもよい。
【実施例】
【0073】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0074】
[実施例1]
一般式(1)で表される化合物として、リポキシHFA−6127(商品名;昭和高分子(株)製;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物、一般式(2)で表される化合物として、4−ヒドロキシブチルアクリレート(以下、「4HBA」という)、光重合開始剤として、DAROCUR TPO(商品名;チバスペシャリティーケミカルズ(株)製;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド;以下、「TPO」という)、及び重合禁止剤としてフェノチアジンを下記組成にて混合溶解し、孔径1μmのフッ素樹脂製のメンブレンフィルターでろ過し、インクジェット用インク1を調製した。このインクの25℃での粘度は171mPa・sであった。
HFA−6127 12.00g
4HBA 10.00g
TPO 0.50g
フェノチアジン 0.01g
【0075】
次に、インクジェット用インク1をインクジェットカートリッジに注入し、インクジェット装置DMP−2811(商品名、Dimatix社製)に装着し、ポリイミドフィルムであるカプトン(登録商標)(商品名、東レ・デュポン(株)製、150μm厚、Hタイプ;以下、「カプトン基板」という)上に描画した。このとき、ラインの幅を20μmから10μm刻みに200μmまで段階的に変え、それに合わせてライン間のスペースの幅も20μmから10μm刻みに200μmまで段階的に変えるように描画条件を設定した。(以下、「ライン&スペースパターン」という)塗布回数は1回で、ラインの長さは50mm、ノズルからのジェッティング速度は10滴/s、ジェッティング温度は105℃とした。
【0076】
描画後の基板に、波長365nmの紫外線を30mJ/cm2照射後、200℃で30分間焼成し、ライン&スペースパターンを形成したカプトン基板を得た。この基板を顕微鏡で観察したところ、ライン幅(スペース幅)が20μmのパターンはライン幅が広がってスペースがつぶれていたが、ライン幅(スペース幅)が30μm以上のライン&スペースパターンが描画できていた。すなわち、微細なパターンまで作製することができた。
【0077】
[比較例1]
下記組成にて、実施例1と同様の方法で、インクジェット用インク2を調製した。このインクの25℃での粘度は16mPa・sであった。
HFA−6127 2.00g
4HBA 10.00g
TPO 0.27g
フェノチアジン 0.01g
【0078】
このインクジェット用インク2を、ジェッティング温度を25℃とした以外は実施例1と同様の方法で評価したところ、ライン幅(スペース幅)が180μm以上のライン&スペースパターンでなければ描画できなかった。すなわち、微細なパターンを作製することができなかった。
【0079】
[比較例2]
下記組成にて、実施例1と同様の方法で、インクジェット用インク3を調製した。このインクの25℃での粘度は522mPa・sであった。
【0080】
HFA−6127 16.00g
4HBA 8.00g
TPO 0.65g
フェノチアジン 0.01g
【0081】
このインクジェット用インク3を、170℃のオーブンで1時間加温したところ、インクは固化した。インクジェット用インクを高温で吐出する場合、ノズル部分だけを加温してもインクは所定の温度にならないため、ノズルへの供給部分やインクカートリッジ全体を加温する必要があり、インクが高温に晒される時間は長くなる。このような高温で吐出するインクジェット用インクは少なくとも吐出する温度で1時間加熱しても粘度変化がないことが必要である。したがって、170℃での吐出はできないと判定した。
【0082】
[比較例3]
下記組成にて、実施例1と同様の方法で、インクジェット用インク4を調製した。このインクの25℃での粘度は166mPa・sであった。
【0083】
ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート
(東亜合成(株)製)アロニックス(商品名)M210) 10.00g
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10.00g
ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 4.00g
TPO 0.65g
フェノチアジン 0.01g
【0084】
このインクジェット用インク4を、ジェッティング温度を100℃とした以外は実施例1と同様の方法で評価したところ、ライン幅(スペース幅)が80μm以上のライン&スペースパターンでなければ描画できなかった。すなわち、微細なパターンを作製することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の硬化膜の形成方法によると、インクジェット法による高精細なパターンを形成することが可能であり、電子回路基板用の硬化膜形成方法として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、硬化膜の形成方法。
【化1】

(式(1)中、R1は炭素数1〜100の有機基であり、R2およびR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル、フェニル、任意の水素が炭素数1〜5のアルキルで置き換えられたフェニル、または任意の水素がフェニルで置き換えられたフェニルであり、R2とR3が結合して環状基を形成していてもよく、nは1〜10の整数であり、pおよびqはそれぞれ独立して、0又は1である。)
【化2】

(式(2)中、R4は水素またはメチルであり、R5は環状構造を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレンであり、tは1〜30の整数である。)
【請求項2】
一般式(1)で表される化合物から選ばれる1つ以上及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、請求項1に記載の硬化膜の形成方法。
【請求項3】
下記一般式(3)で表される化合物、及び下記一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、硬化膜の形成方法。
【化3】

(式(3)中、R1は炭素数1〜100の有機基であり、nは1〜10の整数である。)
【化4】

(式(4)中、R4は水素またはメチルであり、R5は環状構造を有していてもよい炭素数2〜8のアルキレンである。)
【請求項4】
一般式(3)で表される化合物から選ばれる1つ以上及び一般式(4)で表される化合物から選ばれる1つ以上を含有し、25℃での粘度が150〜3,000mPa・sであるインクジェット用インクを、80〜150℃の吐出温度でインクジェットヘッドから吐出させる工程を含む、請求項3に記載の硬化膜の形成方法。
【請求項5】
インクジェット用インクが、さらに光重合開始剤を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項6】
インクジェット用インク全量を基準として、常圧における沸点が300℃以下の溶媒を、0〜10重量%含有するインクジェット用インクである、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項7】
光重合開始剤がビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである、請求項5又は6に記載の硬化膜の形成方法。
【請求項8】
インクジェット用インク全量を基準として、上記一般式(1)で表される化合物及び(2)で表される化合物の合計重量又は上記一般式(3)で表される化合物及び(4)で表される化合物の合計重量が50〜100重量%、前記溶媒が0〜10重量%、及び前記光重合開始剤が0〜20重量%、「他のラジカル重合性モノマー」及び「オキシランまたはオキセタンを2つ以上有する化合物からなる群から選ばれる化合物」の合計重量が0〜50重量%を含有するインクジェット用インクである、請求項5〜7のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項9】
1がラジカル重合性二重結合を有する炭素数1〜100の有機基である、請求項1〜8のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項10】
5がエチレン、プロピレン又はブチレンである、請求項1〜9のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項11】
上記一般式(3)の化合物が、下記一般式(5)、(6)、(7)または(8)である、請求項3又は4に記載の硬化膜の形成方法。
【化5】

(式(5)中、a、b及びcはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、3つのR6のうち1〜2個は式(5-1)で表される基であり、残りは式(5-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【化6】

(式(6)中、a、b及びcはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、3つのR6のうち1〜2個は式(6-1)で表される基であり、残りは式(6-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【化7】

(式(7)中、a、b、c及びdはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、4つのR6のうち1〜3個は式(7-1)で表される基であり、残りは式(6-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【化8】

(式(8)中、a、b、c、d、e及びfはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、6つのR6のうち1〜5個は式(8-1)で表される基であり、残りは式(8-2)で表される基であり、R7は水素またはメチルである。)
【請求項12】
インクジェット用インクの25℃での粘度が150〜300mPa・sである、請求項1〜11のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項13】
吐出温度が90〜140℃である、請求項1〜12のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項14】
吐出温度が100〜130℃である、請求項1〜12のいずれかに記載の硬化膜の形成方法。
【請求項15】
請求項1〜14の硬化膜の形成方法を用いて形成された硬化膜。
【請求項16】
請求項1〜14の硬化膜の形成方法を用いて形成されたパターン化された硬化膜。
【請求項17】
基板上に請求項15又は16の硬化膜が形成された電子回路基板。
【請求項18】
請求項17に記載された電子回路基板を有する電子部品。

【公開番号】特開2009−51931(P2009−51931A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219591(P2007−219591)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】