説明

硬表面用液体洗浄剤組成物

【課題】油洗浄力、肌マイルド性及び低温安定性に優れた液体洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(a)陰イオン界面活性剤、(b)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、(c)高級脂肪酸モノエタノールアミドアルキレンオキサイド付加物及びアルキルポリグルコシドからなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の非イオン界面活性剤、(d)高級脂肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物、及び(e)アルカリ土類金属塩を含有し、
(f) (a)重量%/(d)重量%比が0.2以上1.2未満であり、
(g) 25℃におけるpHが3以上6未満である液体洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に食器、シンクなどに好適な液体洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、油洗浄力、肌マイルド性及び低温安定性に優れた硬表面用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、食器等に用いる硬表面用液体洗浄剤組成物は、アニオン界面活性剤と両性界面活性剤又は半極性界面活性剤とを含有し、これらがコンプレックスを形成することにより油洗浄力を向上することができる。液体洗浄剤組成物のpHを下げる等の手段により、両性界面活性剤/半極性界面活性剤のカチオン化が促進され、さらに油洗浄力を向上させることができる。例えば、特許文献1には、陰イオン界面活性剤、モノ直鎖アルキル第3級アミンオキシド、水溶性無機塩、水溶性研磨剤を含有する、洗浄力、研磨力、手肌マイルドな研磨剤含有洗浄剤組成物が開示されている。
しかし、液体洗浄剤組成物のpHを下げると油洗浄力は向上する一方で、低温安定性が悪くなるという問題がある。
従来、低温安定性を改善するためにアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ハイドロトロープを適宜、組み合わせて使用してきた。例えば、特許文献2では、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸またはその塩を添加、配合することにより低温安定性を改善している。特許文献3では、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、アミンオキシド型界面活性剤を含有することにより低温安定性を改善している。
これらの各文献に記載される液体洗浄剤組成物等は、必ずしも低温安定性、肌マイルド性、さらには油洗浄力を同時に満たすとは言えない。
【0003】
【特許文献1】昭63-41598号公報
【特許文献2】特開2003-96490号公報
【特許文献3】特開2003-138292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、油洗浄力、肌マイルド性及び低温安定性に優れた液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(a)陰イオン界面活性剤、(b)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、(c)高級脂肪酸モノエタノールアミドアルキレンオキサイド付加物及びアルキルポリグルコシドからなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の非イオン界面活性剤、(d)高級脂肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物、及び(e)アルカリ土類金属塩を含有し、
(f) (a)重量%/(d)重量%比が0.2以上1.2未満であり、
(g) 25℃におけるpHが3以上6未満であることを特徴とする液体洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、油洗浄力、肌マイルド性、低温安定性に優れた食器、シンクなどに好適な液体洗浄剤組成物を提供することができる。本発明の液体洗浄剤組成物はまた、シンクの水垢成分である炭酸カルシウムの溶解性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(a)成分 陰イオン界面活性剤
本発明において用いられる陰イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、石鹸、アミドエーテルカルボン酸塩等があげられる。これらは単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。好ましくは、洗浄力の面から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(好ましくは炭素数 8〜18、EO平均付加モル数 0.5〜5のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩)、アルキル硫酸エステル塩(好ましくは炭素数 8〜18のアルキル硫酸エステル塩)、アルカンスルホン酸塩(好ましくは炭素数 8〜18のアルカンスルホン酸塩)、α−オレフィンスルホン酸塩(好ましくは炭素数 8〜18のα−オレフィンスルホン酸塩)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(好ましくは炭素数 8〜18のアルキルベンゼンスルホン酸塩)の使用が望ましい。中でも、炭素数 10〜16、EO平均付加モル数 1〜4のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数 10〜16のアルキル硫酸エステル塩、炭素数 10〜16のα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物における(a)成分の含有量は、組成物の全質量を基準にして、好ましくは2〜30%、より好ましくは3〜20%、更に好ましくは8〜16%である。(a)成分含有量が2%未満であると、油洗浄力、泡立ち性が低下する場合がある。30%を越えると、肌マイルド性が悪化、ハンドリング性が低下する場合があり、好ましくない。
【0008】
(b)成分 半極性界面活性剤
本発明において用いられる半極性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド(アルキル基の炭素数:8〜16)、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド(アルキル基の炭素数:8〜16)、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物等があげられる。
【0009】
【化1】

【0010】
〔式中、R1は炭素数8〜16のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシルアミドアルキル基、アルキルフェニル基から選らばれ、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは0〜3、R2及びR3は、同一又は異なっていても良く、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基から選らばれる。〕
【0011】
【化2】

【0012】
〔式中、R4は炭素数8〜16の直鎖アルキル基又はアルケニル基であり、R6、R7はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。R5は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Xは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基である。〕
この中で特に好ましいのは、油洗浄力の点からアルキルジメチルアミンオキシドである。さらに特に、アルキル基の炭素数が10-14のアルキルジメチルアミンオキシド及びアルキル基の炭素数が10-14のアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドが好ましい。
【0013】
(b)成分 両性界面活性剤
本発明において用いられる両性界面活性剤としては、下記一般式(III)、(IV)で示される両性界面活性剤があげられる。
【0014】
【化3】

【0015】
〔式中、R8は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、Yは−SO3-又は−COO-を示し、R1、R2及びR3は、上記一般式(I)に示すものと同じものを示す。〕
【0016】
【化4】

【0017】
〔式中、R4は上記一般式(II)に示すものと同じものを示し、R2及びR3は、上記一般式(I)に示すものと同じものを示し、R8及びYは上記一般式(IV)に示すものと同じものを示す。〕
例えば、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインがあげられる。この中で特に好ましいのは、油洗浄力の点からラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインである。
本発明の液体洗浄剤組成物における(b)成分の含有量は、組成物の全質量を基準にして、好ましくは1〜10%、より好ましくは1〜8%、更に好ましくは2〜5%である。(b)成分含有量が1%未満であると、洗浄力が低下する場合があり、10%を越えると、低温安定性が悪化する場合がある。
(b)成分としては、洗浄力の点からアルキルジメチルアミンオキシドが最も好ましい。
【0018】
(c)成分 高級脂肪酸モノエタノールアミドアルキレンオキサイド付加物
本発明において用いられる高級脂肪酸モノエタノールアミドアルキレンオキサイド付加物としては、下記式(IV)で表される化合物があげられる。
【化5】

【0019】
式(IV)において、R9は、炭素数8〜16のアルキル基またはアルケニル基であり、好ましくは炭素数12〜14である。また、R9は直鎖又は分岐鎖であってもよく、飽和または不飽和であってもよく、さらにヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでいてもよい。AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、EOはエチレンオキサイドである。mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数である。m、nはそれぞれ0〜5の数であり、m+nは1〜6である。m=0であり、n=2−5であるのが好ましい。
具体的には、ポリオキシプロピレン(1)ラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレン(1)ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(5)ミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレン(2)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシプエチレン(2)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等があげられる。これらは、1種単独で含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
特に低温安定性と油洗浄力のバランスに優れる点で、R9は炭素数12のアルキル基、mは0〜1、nは1〜3が好ましい。最も好ましいのはポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミドである。
【0020】
(c)成分 アルキルポリグルコシド
本発明において用いられるアルキルポリグルコシドとしては、下記式(VI)で表される化合物があげられる。
R4−(OR5)n−Zm (VI)
〔式中、R4、R5は上記一般式(II)に示すものと同じものを示し、Zは炭素数5〜6の還元糖に由来する残基を示し、nはその平均値が0〜5、好ましくは1〜4となる数を示し、mはその平均値が1〜10、好ましくは1〜6となる数を示す。〕
好ましい式(VI)のアルキルポリグルコシドとしては、具体的には、R4=C10〜12アルキルであり、n=2、m=1.5である化合物や、R4=C12〜14アルキル、n=4、m=1.1である化合物等があげられる。
本発明の液体洗浄剤組成物における(c)成分の含有量は、組成物の全質量を基準にして、好ましくは1〜15%、より好ましくは3〜10%、更に好ましくは5〜10%である。(c)成分含有量が1%未満であると、泡立ち、泡持続性の低下する場合があり、15%を越えると低温安定性が悪化する場合がある。
(c)成分としては、C12アルキルポリグルコシドよりもポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの方が低温安定性の点から好ましい。
【0021】
(d)高級脂肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物
本発明において用いられる高級脂肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物としては、下記一般式(VII)で示されるアルキレンオキシドがあげられる。
R1−O(R2O)m−(R3O)nH (VII)
式中、R1は炭素数8〜18、好ましくは8〜16、更に好ましくは10〜14の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基である。R2は炭素数2の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。R3は炭素数3の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示す。
m、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、0〜30(ただしm及びnが同時に0になることはない)、好ましくは5〜15である。m、nが5未満だと低温安定性が低下する場合があり、平均付加モル数が30を超えると洗浄力の低下する場合がある。m>nの場合、特に肌マイルド性に優れ、m≦nの場合、特に油洗浄力に優れる。
R2O及びR3Oを付加する場合は、ランダム付加でもブロック付加でも良い。
具体的には、ポリオキシエチレン(7)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)プロピレン(1)ラウリルエーテル等があげられる。
本発明の液体洗浄剤組成物における(d)成分の含有量は、組成物の全質量を基準にして、好ましくは10〜25%、より好ましくは10〜20%、更に好ましくは12〜20%である。(d)成分の含有量が10%未満だと泡持続性が低下したり、低温安定性が悪化したりする場合があり、25%を越えるとゲル化することがある。
【0022】
(e)アルカリ土類金属塩
本発明において用いられるアルカリ土類金属塩としては、硬表面洗浄剤組成物中に溶解したときに生成するアルカリ土類金属イオンを生成する化合物であれば特に制限なく使用することができる。
具体的には、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウム、次亜燐酸カルシウム、硝酸カルシウム及びそれらの水和物等があげられる。硫酸マグネシウム又は塩化マグネシウム水和物として配合することが安定性の面から最も好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物における(e)成分の含有量は、組成物の全質量を基準にして、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.5〜2質量%である。(e)成分の含有量が0.01%未満だと洗浄力が低下する場合があり、10%を越えると低温安定性の悪化する場合がある。
【0023】
(f)(a)/(d)
(a)成分と(d)成分との配合比(AI重量%)は、(a)/(d)=0.2〜1.2、好ましくは(a)/(d)=0.3〜1.0、更に好ましくは(a)/(d)=0.7〜1.0である。(a)/(d)=0.2未満だと油洗浄力が劣ることがあり、(a)/(d)=1.2以上だと肌マイルド性が劣ることがある。
【0024】
(g)25℃におけるpH
本発明の液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは3.0〜6.0未満であり、好ましくは4.0〜6.0未満、更に好ましくは5.0〜6.0未満である。pHが6.0以上であると油洗浄力、炭酸カルシウム溶解性が低下する場合があり、3.0未満であると低温安定性が悪化する場合がある。
【0025】
溶媒としては、好ましくは水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等)であり、更に、低級アルコール、グリコールなどのような他の液体溶剤も使用することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、通常、食器等の硬表面用液体洗浄剤組成物に使用されている成分を更に含むことができる。このような成分としては、上記(c)、(d)以外の非イオン界面活性剤、クエン酸などのキレート剤、無機塩などのビルダー、芳香族スルホン酸塩などのハイドロトロープ剤、粘度調整剤、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、薬効成分及び香料があげられる。
本発明の液体洗浄剤組成物において、界面活性剤の総量(合計含有量)は、30〜50%の範囲にあるのが好ましい。上記総量が30%未満であるとコンパクトタイプの液体洗浄剤として油洗浄力及び泡持続力が低下する場合があり、50%を越えるとゲル化する場合がある。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)〜(e)成分と、必要によりその他の任意成分を混合することにより製造することができる。
【実施例】
【0026】
〔実施例1〜9及び比較例1〜5〕
下記表1に示される配合組成の各種液体洗浄剤組成物を調製し、下記の試験方法により油洗浄力、ウォータースポット洗浄力(炭酸カルシウム溶解性による評価)、肌マイルド性、低温安定性について評価した。
これらの結果を表1に示す。なお、表1中の配合量は質量%〔全量は100質量%(残部は精製水で調製)であり、各組成物は1N水酸化ナトリウムによりpHを調整したものである。
【0027】
(油洗浄力評価方法)
牛脂1gを10cm×15cmのタッパ容器に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水表面汚垢とした。11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに38gの水道水と2gの硬表面洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、この汚染したタッパ容器を25℃の水道水で通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、水道水でよくすすぎ、その時のタッパ容器の汚染されていた表面を手で触ったときの触感で、洗浄力を下記評価基準に基づき評価した。
評価基準:
◎:タッパ容器のいずれの部位を触っても、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられない。
○:タッパ容器の底面及び側面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、角の部位には僅かにぬるつきが残っている。
△:タッパ容器の底面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、側面や角の部位にぬるつきが残っている。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
【0028】
(肌マイルド性評価方法)
組成物1質量%を含有する希釈水道水3リットルを入れた桶に1日30分、手を手首まで浸漬させた。この操作を3日間繰り返し、次の日に手の荒れ具合を下記の判定基準に従って自己判定した。
判定基準:
5点:全く手荒れしない
4点:やや手荒れした
3点:手荒れした
2点:かなり手荒れした
1点:非常に手荒れした
【0029】
(低温安定性評価方法)
各液体洗浄剤組成物100gをガラス瓶に密閉し、50℃および−5℃で1ヶ月間静置したときの外観の変化を下記評価基準にて評価した。
評価基準:
○:沈殿、液分離を生じない
△:わずかに濁ったり、微少な析出物が認められる。
×:沈殿または液の分離が生じる
【0030】
(炭酸カルシウム溶解性評価方法)
0.02%炭酸カルシウム分散水溶液(イオン交換水)50mlに硬表面洗浄剤組成物を1g添加、30分間攪拌した後、溶液の白濁度合いを目視で判定した。
判定基準:
◎:無色透明
○:やや白く濁っているがほとんど透明に近い
△:やや白く濁っている
×:白く濁っている
【0031】
【表1】

【0032】
表1中の各成分の詳細を以下に示す。
AES:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(平均EO付加モル数2モル)
AS:C12アルキル硫酸ナトリウム(ライオン(株) サンノールLM−1130)
AOS:αオレフィン(C14)スルホン酸ナトリウム(ライオン(株) リポランLB−440)
LPB:ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ライオン(株)エナジコールL−30B)
DDAO:ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキシド(ライオン・アクゾ(株) アロモックスDM12D-W(c))
APAO:アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド(川研ファインケミカル(株) ソフタゾリンLAO−C)
LME(2):ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド(平均EO付加モル数2モル)(川研ファインケミカル(株) アミゼット2L-Y)
CME(5):ポリオキシエチレン(5)椰子脂肪酸モノエタノールアミド(平均EO付加モル数5モル)(川研ファインケミカル(株) アミゼット5C)
CME(0):椰子脂肪酸モノエタノールアミド(川研ファインケミカル(株) アミゾールCME)
APG:C12〜14アルキルポリグルコシド(Dow Chemical(株) TRITON CG−110)
AE:ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル(ライオン(株)レオックスLC−150)
MgSO4:硫酸マグネシウム7水和物(純正化学(株) 試薬特級)
CaCl2:塩化カルシウム2水和物(純正化学(株) 試薬特級)
CA:クエン酸(扶桑化学工業(株) 精製クエン酸(無水))
PTS:パラトルエンスルホン酸(テイカ(株) テイカトックス300)
SB:安息香酸ナトリウム((株)伏見製薬)
エタノール:(純正化学(株) 試薬特級)
ゼラチン:(ゼライス(株) ゼラチンBLUE)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)陰イオン界面活性剤、(b)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、(c)高級脂肪酸モノエタノールアミドアルキレンオキサイド付加物及びアルキルポリグルコシドからなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の非イオン界面活性剤、(d)高級脂肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物、及び(e)アルカリ土類金属塩を含有し、
(f) (a)重量%/(d)重量%比が0.2以上1.2未満であり、
(g) 25℃におけるpHが3以上6未満であることを特徴とする液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2007−169438(P2007−169438A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368536(P2005−368536)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】