説明

磁束バランスがとれた誘導加熱ワークコイルを使用した誘導加熱のためのシステム、装置および方法

装置は、2つの外側脚の間に配置された内側脚を集合的に有する1又はそれ以上の磁性コア(206, 326, 336, 356, 386, 396a-396b)を含む。脚は、1又はそれ以上の接続部分に結合される。装置はまた、内側脚に周りに巻き付けられる1又はそれ以上の伝導コイル(204, 324, 334, 354, 384, 394)を含む。1又はそれ以上の伝導コイルが励起されたとき、1又はそれ以上の磁性コアおよび1又はそれ以上の伝導コイルは、ロール(119, 212, 404)内に実質的にバランスがとれた磁束を生成するように構成される。また、1又はそれ以上の磁性コアおよび1又はそれ以上の伝導コイルは、磁束によってロールに誘発された電流によって生成される熱がロールの表面に安定した状態の熱的プロファイルを生成するように構成される。安定した状態の熱的プロファイルは、ロールに関するコントロールゾーン内に落ちる一つのピークを有する。1又はそれ以上の磁性コアは、単一の磁性コアまたは複数の磁性コアを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願についてのクロス・リファレンス>
[0001] この開示は、2008年4月15日に出願された(ドケット番号:H0019078-0108)「SYSTEM AND METHOD FOR REDUCING CURRENT EXITING A ROLL THROUGH ITS BEARINGS(そのベアリングによるロールを出る電流を減少させるためのシステムと方法)」とタイトルが付けられたシリアル番号12/103,195、および、2008年4月15日に出願された(ドケット番号:H0019526-0108)「SYSTEM, APPARATUS, AND METHOD FOR INDUCTION HEATING USING FLUX-BALANCED INDUCTION HEATING WORKCOIL(磁束バランス調整された(FLUX-BALANCED)
誘導加熱ワークコイル(WORKCOIL)を使用した誘導加熱のためのシステム、装置および方法)」とタイトルが付けられたシリアル番号12/103,239によってリファレンスとしてここに組み入れられる米国特許出願と関連する。
【0002】
[0002] この開示は、一般にロールを使用している紙生産システムおよびその他システムに関する。より具体的には、この開示は、磁束バランスがとれた誘導加熱ワークコイルを使用した誘導加熱に関するシステム、装置ならびに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 紙生産システムおよび他の種類のウェブシステムは、しばしば多くの大きい回動ロールを含む。例えば、逆回転するロールのセットが、形成されている紙シートを圧縮するために紙生産システムにおいて、使うことができる。逆回転するロールにより提供される圧縮の量は、誘導加熱装置の使用によって、しばしば制御される。誘導加熱装置はロールに電流を引き起こし、それはロールの表面を暖める。熱またはそれの欠如によって、ロールに拡張および縮小が生じ、それは形成される紙シートに適用される圧縮の量を制御する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] この開示は、磁束バランスがとれた誘導加熱ワークコイルを使用した誘導加熱に関するシステム、装置ならびに方法を提供する。
[0005] 第一の実施形態では、装置は、2つの外側脚の間に配置された内側脚を集合的に備えた1又はそれ以上の磁性コアを含む。脚は、1又はそれ以上の接続部分に結合される。装置はまた、内側脚付近に巻き付けられた1又はそれ以上の伝導コイルを含む。1又はそれ以上の磁性コアおよび1又はそれ以上の伝導コイルは、1又はそれ以上の伝導コイルが励起されるとき、実質的にバランスがとれた磁束を生成するように構成される。1又はそれ以上の磁性コアおよび1又はそれ以上の伝導コイルは、磁束によってロールに誘発された電流によって生成された熱がロールの表面に安定状態の熱的プロファイルを生成するように構成される。安定状態の熱的プロファイルは、ロールに関するコントロールゾーン内に落ちる一つのピークを有する。
【0005】
[0006] 特定の実施形態では、実質的に殆どの磁束が、ロールに関するコントロールゾーン内に生成される。
[0007] 他の特定の実施形態では、1又はそれ以上の磁性コアが、単一の磁性コアを表す。単一の磁性コアは、内側および外側脚を結合する単一の接合部分を含む。
【0006】
[0008] 更に別の特定の実施形態では、1又はそれ以上の磁性コアは、2つの磁性コアを表す。各磁性コアは、2つの脚を含み、内側脚は磁性コアの各々から1つの脚を含む。
[0009] さらに他の特定の実施形態では、装置は更に、1又はそれ以上の伝導コイルの周りに巻き付けられた第2のコイルを含み、1又はそれ以上の磁性コア、及び/又は、1又はそれ以上の伝導コイルを冷却するように構成される。
【0007】
[0010] 更に特定の実施形態では、装置はまた、1又はそれ以上の伝導コイルが励起されたときに生成される熱エネルギをリリースするように構成され、コアに取り付けられたヒートシンクを含む。装置は更に、1又はそれ以上の磁性コア、及び/又は、1又はそれ以上の伝導コイルからヒートシンクに熱エネルギを提供するように構成された熱的シャントを含む。
【0008】
[0011] 第2の実施態様では、システムは、導電材料から形成されるロールを含み、ロールは軸を中心に回転するように構成される。システムはまた、1又はそれ以上の磁性コアおよび1又はそれ以上の伝導コイルを備えた誘導加熱ワークコイルを含む。1又はそれ以上の磁性コアは、2つの外側脚の間に配置される内側脚を集合的に含み、脚は1又はそれ以上の接続部分に結合される。1又はそれ以上の伝導コイルは、内側脚の周りに巻き付けられる。1又はそれ以上の磁性コアおよび1又はそれ以上の伝導コイルは、ロール内に磁束を生成させるように構成され、空間的に合計されたとき磁束が、実質的にヌルの瞬間的磁束ベクトルを有する。
【0009】
[0012] 第3の実施形態では、方法は、ロールの付近に誘導加熱ワークコイルを配置することを含む。誘導加熱ワークコイルは、1又はそれ以上のコアおよび1又はそれ以上のコイルを含む。1又はそれ以上の磁性コアは、2つの外側脚の間に配置された内側脚を集合的に含み、1又はそれ以上の伝導コイルが内側脚の周りに巻き付けられる。ロールは、軸を中心に回転するように構成される。方法はまた、ロール内に電流を生成することを含み、電流は、実質的にヌルの瞬間的な電流ベクトルを集合的に有し、ロールの軸に対して実質的に平行に流れる。
【0010】
[0013] 他の技術的特徴は、以下の図、説明および特許請求の範囲から当業者にとって容易に明らかであろう。
[0014] この開示のより完全な理解のために、添付の図面と一緒に以下の記述を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[0015] 図1は、この開示による実施形態の紙生産システムを例示する。
【図2】[0016] 図2は、この開示によるロールに関する誘導加熱ワークコイル(workcoils)の実施形態の方位を例示する。
【図3A】[0017] 図3Aは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3B】図3Bは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3C】図3Cは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3D】図3Dは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3E】図3Eは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3F】図3Fは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3G】図3Gは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3H】図3Hは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図3I】図3Iは、この開示による実施形態の誘導加熱ワークコイルを例示する。
【図4】[0018] 図4は、この開示によるロールに関する誘導加熱ワークコイルの構成の実施形態を例示する。
【図5】[0019] 図5は、この開示による誘導加熱アプリケーションのベアリングを介してロールを出る電流を低減させるための方法を例示する、
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0020] 以下に議論する図1乃至5ならびにこの特許書類における本発明の原理を用いた種々の実施形態は、例示のものであり、本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。当業者は、本発明の原理が最適に配列された装置またはシステムのいかなるタイプにもおいて実装されることができると理解する。
【0013】
[0021] 図1は、この開示による実施形態の紙生産システム100を例示する。図1に示される紙生産システム100の実施形態は、説明だけのためにある。紙生産システム100の他の実施形態を、この開示の範囲内において、使うことができる。
【0014】
[0022] 図1に示すように、紙生産システム100は、抄紙機102、コントローラ104およびネットワーク106を含む。抄紙機102は、紙製品を生産するために用いるさまざまな構成要素を含む。この例では、さまざまな構成要素は、連続用紙ウェブ、または、リール110で集められたシート108を生産するために用いることができる。コントローラ104は、システム100の動作をモニタして、制御し、それは抄紙機102により生産される紙シート108の品質を維持するかまたは増大させるのを助けることができる。
【0015】
[0023] この例では、抄紙機102は、連続可動ワイヤスクリーンまたはメッシュ113上に機械全体に一様にパルプ・サスペンションを配布するヘッドボックス(headbox)112を含む。ヘッドボックス112に入っているパルプ・サスペンションは、例えば、0.2-3%の木繊維、充填材、および/または、水であるサスペンションの剰余を有する他の材料を含むことができる。ヘッドボック112は希釈アクチュエータのアレイを含むことがで、それはシート全体のパルプ・サスペンションに、希釈水または異なる組成物のサスペンションを配布する。希釈水は、結果として生じる紙シート108が、より同一のベース重量またはシート108全体のより同一の組成物を有することを確実にするのを助けるために用いることができる。ヘッドボックス112はまた、スライスリップアクチュエータのアレイを含むことができ、それは可動ワイヤスクリーンまたはメッシュ113上にヘッドボックス112を出すパルプ・サスペンションから機械全体のスライス開口部を制御する。スライスリップアクチュエータのアレイはまた、紙のベース重量またはシート108全体の紙の繊維方位角度の分布を制御するために用いることができる。
【0016】
[0024] 真空ボックスのようなドレナージエレメント114の列は、できるだけ多くの水を除去する。蒸気アクチュエータ116のアレイは紙シート108を透過して、紙シート108に蒸気の潜熱を放つホットスチームを生成し、それにより、シート全体の断面の紙シート108の温度を増やす。温度の増加は、紙シート108から追加的な水のより簡単な除去を可能にすることができる。rewetシャワー・アクチュエータ118のアレイは、紙シート108の一方または両方の表面上へ、水の小さい液滴を加える(空気噴霧であってもよい)。rewetシャワー・アクチュエータ118のアレイが、紙シート108の水分プロファイルを制御するために使うことができ、紙シート108の過乾燥を低減させまたは防止し、紙シート108のいかなる乾燥縞も修正し、または、(カレンダ操作のような)次の表層の処理の効果を強化する。
【0017】
[0025] 紙シート108は、次いで、しばしば、逆回転するロール119のいくつかのニップを有するカレンダに通される。誘導加熱ワークコイル120のアレイは、これらのロール119のさまざまなものの表層を暖める。各々のロール面が局所的に加熱するにつれて、ロール直径は局所的に拡大され、それゆえに、ニップ圧力が増大し、それは順番に局所的に紙シート108を圧縮して、熱エネルギーをそれへ移す。誘導加熱ワークコイル120のアレイは、したがって、紙シート108のキャリパー(厚み)プロファイルを制御するために用いることができる。カレンダのニップはまた、空気シャワーまたは蒸気シャワーのアレイのような他のアクチュエータアレイを備えていることができ、それは、紙シートの平滑性プロファイルまたは光沢プロファイルを制御するために用いることができる。
【0018】
[0026] 2つの追加的なアクチュエータ122-124を、図1に示す。厚いストックフローアクチュエータ122は、ヘッドボックス112で受け取られる流入ストックの濃度を制御する。蒸気フローアクチュエータ124は、乾燥シリンダ123から紙シート108に移転される熱量を制御する。アクチュエータ122-124は、例えば、それぞれ、ストックおよび蒸気の流れを制御するバルブに相当することができる。これらのアクチュエータが、紙シート108の水分および乾燥した重量を制御するために使うことができる。紙シート108を処理するのに、(紙シートの厚み、平滑性および光沢を改善するための)スーパーカレンダー装置または、(平滑性および紙シートの印刷可能性を改良するために紙の表面にcoatantの層を各々適用する)一つ以上のコーティング・ステーションのような追加的な構成要素を更に用いることができる。同様に、追加的なフローアクチュエータは、異なる種類のパルプおよび厚いストックの充填材材の比率を制御し、ストックに混入されるさまざまな添加物(例えば保持エイドまたは染料)の量を制御するために用いることができる。
【0019】
[0027] これは、紙製品を生産するのに用いられるあるタイプの抄紙機102の簡単な記載を示す。この種の抄紙機102に関する追加的な詳細は、従来技術において、周知で、この開示の理解のために必要とされない。また、これは、システム100で使うことができるある特定のタイプの抄紙機102を表す。紙製品を生産するためのいかなる他のまたは追加的な構成要素も含む他の機械または装置を使うことができうる。加えて、この開示は、紙シートを生産するシステムでの利用に限られておらず、紙シートを加工するシステム、若しくは、他の製品又は(プラスチック・シートまたはアルミホイルのような薄い金属フィルムのような)連続ウェブの材料を生産するかまたは処理するシステムで使用されうる。
【0020】
[0028] 製紙プロセスを制御するために、紙シート108の一つ以上の特性は、連続的にまたは繰り返し測定されることができる。シート特性は、製造プロセスの一つまたはさまざまな段階で測定されることができる。この情報は、次いで、抄紙機102の範囲内のさまざまなアクチュエータを調整することのように、抄紙機102を調整するために用いることができる。これは所望の目標からシート特性のいかなるバリエーションも補償するのを助けることができ、シート108の品質を確実にするのを助けることができる。
【0021】
[0029] 図1に示すように、抄紙機102は、一つ以上のセンサを含むことができるスキャナ126を含む。スキャナ126は、紙シート108を走査することができ、紙シート108の一つ以上の特徴を測定することができる。例えば、スキャナ126は、重量、水分、キャリパー(厚み)、光沢、色、平滑性または紙シート108のいかなる又は追加的な特徴をも測定するためのセンサも含むことができる。スキャナ126は、(センサのセットまたはアレイのような)紙シート108の一つ以上の特徴を測定または検出するためのいかなる適切な構造も含む。
【0022】
[0030] コントローラ104は、スキャナ126から測定データを受け取り、システム100を制御するためにデータを使用する。例えば、紙シート108が所望の特性で、又はその近くで、特性を有するように、コントローラ104は、抄紙機102のさまざまなアクチュエータを調整するために測定データを用いることができる。コントローラ104は、少なくともシステム100の一部の動作を制御するために、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの組み合わせを含む。また、1台のコントローラがここで示されると共に、多数のコントローラは抄紙機102を制御するために用いることができる。
【0023】
[0031] ネットワーク106は、コントローラ104および(アクチュエータおよびスキャナのような)システム100のさまざまな構成要素に連結する。ネットワーク106は、システム100の構成要素間の通信を容易にする。ネットワーク106は、適切なネットワーク、または、システム100のコンポーネント間の通信を容易にしているネットワークの組合せを表す。ネットワーク106は、例えば、イーサネット・ネットワーク、電気信号ネットワーク(例えばHARTまたはFOUNDATION FIELDBUSネットワーク)、空気制御信号ネットワーク若しくは他の又は追加的なネットワークであってもよい。
【0024】
[0032] 動作の一態様において、誘導加熱ワークコイル120は、1またはそれ以上のロール119の表面に電流を起こすことによって、作動できる。ある在来のシステムでは、ロールに引き起こされる電流は、そのベアリングを通ってロールを出ることができる。これらのいわゆる「ベアリング電流」(また、「シャフト電流」ともいう)は、ロールを支えているベアリングに、早期の摩擦および損傷を導く。例えば、ベアリングは時々小距離によって、分かれることがあり、ベアリングの中を流れている電流はベアリングに穴をあけるかさもなければ損傷を与えるスパークを引き起こす。このため、ベアリングは、より短期間または所望より頻繁に交換されることを必要とする。これは、システム100のダウンタイムおよび金銭的損失に至る。絶縁されたベアリングが利用でき、使うことができるが、絶縁されたベアリングはしばしば従来のベアリングと比較して全く高価である。この開示によれば、それらのベアリングを介してロール119から流出する電流の量を低減させるか又は最小の量にするように、誘導加熱ワークコイル120は設計されるかまたは構成される。これは、ロール119の範囲内で誘導加熱ワークコイル120の各々によってつくられる磁束をバランスさせることによってなされる。これはベアリングに対する損傷または摩擦の低減に至り、使用の増大および交換の減少という結果になる。追加的な詳細を、以下に説明する。
【0025】
[0033] 図1は紙生産システム100の1つの実施形態を例示するけれども、さまざまな変化を図1にすることができる。例えば、他のシステムは、紙シートまたは他の製品を生産するために用いることができる。また、さまざまな構成要素および単一のコントローラ104を有する単一の抄紙機102を含むとして示されると共に、プロダクション・システム100は適切な構造も有するいかなる数の抄紙機または他の生産機械を含むことができ、システム100はいかなる数のコントローラを含むことができる。加えて、図1は、誘導加熱ワークコイル120または他のワークコイルが一つ以上のロールのベアリングの中を流れる電流を減らすように用いることができるある作動環境を例示する。この機能性は、他のいかなる適切なシステムでも用いられうる。
【0026】
[0034] 図2は、この開示によるロールに関する誘導加熱ワークコイルの例示の方位200を図示する。図2に示すように、誘導加熱ワークコイル202は、コイル204及びコア206を含む。コイル204は、一般に、コイルに巻かれた、または、コア206の少なくとも一部の周辺に巻きつけられた適切な伝導材料をあらわす。コイル204は、例えば、リッツワイヤまたはコア206の周りに巻きつけられた他の伝導性のワイヤを表す。コア206は、一般に、コイル204を介して流れる電流によってつくられる磁場を導くことができるかまたは集中させることができる構造を表す。コア206は、例えば、フェライトを表す。ターミナルワイヤ208は、電力源210にコイル204を結合する。一つ以上のワークコイルと一つ以上の電力源との組合せは、誘導加熱アクチュエータを形成する。電力源210は、一般に、コイル204を介して流れる電気エネルギー源を表す。電力源210は、例えば、特定の周波数(例えば16kHzまたは他の周波数)で作動する交流(AC)源を表す。AC信号は、コイル204の中を流れ、磁束を生成する。
【0027】
[0035] この例では、誘導加熱ワークコイル202は、ロール212に近接して配置され、それは軸214を中心に回転する。磁束が、誘導加熱ワークコイル202によってロール212に生成され、ロール212の表面に電流を生成し、ロール212の表面を暖める。この例では、磁束はロール212の軸214に対して実質的に垂直にはしり、電流は一般的には、磁束に対して直角(垂直)方向に流れる。電流の製造は、ロールの表面の熱の量を制御するように調整され、それはまた、紙シートまたは他の製品にロール212により適用される圧縮の量を制御する。
【0028】
[0036] この実施形態では、誘導加熱ワークコイル202は、バランスのよいワークコイルを表し、それは、個々のワークコイル202が、実質的にゼロサム空間ベクトルを生成するように互いに効果的にキャンセルする磁束を生成することを意味する。これは、バランスを失ったワークコイルと反対であり、それは、かなりの非ゼロサム空間ベクトルを有する磁束を生成する。この実施形態では、バランスのよい誘導加熱ワークコイル202は、実質的にヌルの瞬間的な電流ベクトルを生成し、それは、軸214に対して並行な電流、並びに、その端でそのベアリングを介してロール212から出る電流がほとんどないか全くないことを意味する。(ロール212に面しているワークコイル202の表面が回転する方法に関係なく)誘導加熱ワークコイル202がロール212に向かって方位付けされる方法に関係なく、これは真実である。後述するように、ロール212の異なる領域または領域のように、多数の誘導加熱ワークコイルを用いることができる。一般に、空間的に合計されるとき、ロール212に生成される磁束ベクトルの長さが、実質的にヌルの瞬間的な磁束ベクトルを生成する限り、誘導加熱ワークコイルのいかなる組合せも用いられうる。
【0029】
[0037] 図3A乃至3Iは、この開示による例示の誘導加熱ワークコイルを示す。図3Aおよび3Bは、更に詳細に図2からの誘導加熱ワークコイル202を例示する。ここで示されるように、コア206は、取付部分302および取付部分304から伸びる3本の脚304を含む。3本の脚304は、一般に、取付部分302の幅にわたって、取付部分302から離れて伸びる。この構成では、コア206は、実質的にE形の断面(断面図は、取付部分302および全ての3本の脚304を通過する平面を使用してとられる)を有する。取付部分302および脚304が、各々いかなる適切なサイズもおよび形状を有し得る点に注意する。たとえば、直角として示されると共に、コア206の取付部分302は、矩形のような他の形状を有し得る。また、脚304は、取付部分302から離れたいかなる適切な距離にも延びることができ、距離は全ての脚304に関して同じである必要はない。加えて、コア206の脚部304はいかなる適切な同等であるか非同等の形状を有することができるけれども、内側脚304は、より広いものとしてここで示される。
【0030】
[0038] この例では、コイル204は、コア206の内側脚304周辺に巻回されるワイヤ306を含む。ワイヤ306は、その端でターミナル308-310を有し、ターミナル308-310は(ターミナルワイヤ208を介した電力源210のような)外部コンポーネントにコイル204を結合させることを容易にする。ここで、ワイヤ306は、3層のコア206の内側脚304に巻付けられる。しかし、ワイヤ306は、任意の適当な数のターンまたは層を有することができ、いかなる適切な方向にも巻回され得る。ここで(脚304に関連する)用語「内側」および「外側」は、脚の相対的な位置を意味し、必ずしも取付部分のそれらの位置を意味するというわけではないことに注意すべきである。
【0031】
[0039] 図3Cは、コア206の脚部304がどのように異なる形状またはサイズを有することができうるかについて説明する。この例では、内側脚は2つの外側脚部より短い。また、外側脚部は、面取りされ又は角度が付けられたエンド312を有する。これによって、脚304がより密接にロール212の湾曲面に続くことができ、誘導加熱ワークコイル202は、ロール212により近く配置されることができる。
【0032】
[0040] ワークコイルの過熱は、ある状況では問題である。図3Dは、図3A-3Bに示すのと同様な構成のコア326およびコイル324を有するワークコイル 322を例示する。ワークコイル 322もまた、第1のコイル324周辺に巻きつけられる第2のコイル328を含む。この例で第2のコイル328は、水またはその他の流体または材料が通過できるチューブまたは他の中空構造を表す。これにより、熱エネルギーをコイル324および/またはコア326から遠ざけることが可能である。このような方法で、冷却材料は、コイル324周辺を進行することができ、作動中、ワークコイル322を冷やすことを助けるために、ワークコイル322のオープンフェイス上も進行することができる。第2のコイル328は、PTFEのような非金属の材料、非強磁性のような、いかなる適切な材料からも形成され得る。
【0033】
[0041] 図3Eは、コイル334およびコア336を備えたワークコイル332を例示する。ワークコイル332はまた、コア336の後面に取り付けられるか、または、コア336の後面と関連する。ヒートシンク338は、この例では、コア336から熱エネルギーを除去できるフィン構造を含む。次いで、熱エネルギーは、ヒートシンク338によって、周囲の環境に放出される。ヒートシンク338は、いかなる適切な材料からも形成されることができ、いかなる適切なサイズおよび形状をも有することができる。加えて、この例でワークコイル332は、ワークコイル332を支持フレームまたは他の支持構造に結合できるバネ・マウント340を含む。バネ・マウント340は、ロールがその通常の操作の位置から突然移動するときのような、ショックダメージを低減させまたは除去するのを助けることができる。
【0034】
[0042] 図3Fは、コイル354およびコア356を備えたワークコイル352を例示する。ワークコイル352はまた、ヒートシンク358および熱シャント360を含む。ヒートシンク358は、コイル354および/またはコア356から熱エネルギーを除去し、熱シャント360は、コイル354および/またはコア356からヒートシンク 358に熱を移動させる。熱シャント360は、(アルミニウム窒化物セラミックのような)非金属、非強磁性材料のような、いかなる適切な材料からも形成され得る。この例では、ワークコイル352はまた、ワークコイル352へ再配置された一部の制御/電動エレクトロニクスを含む。特に、ワークコイル352は、共振コンデンサのような2つのコンデンサ362を含む。これらのコンデンサ362は、ワークコイル 352上またはその中、そのエンクロージャに、若しくは、ヒートシンク358に隣接するように、いかなる適切な位置に配置されることができる点に注意すべきである。ワークコイル352上またはその付近にコンデンサ362を配置することにより、コイル354を電力源に結合する導体(ターミナルワイヤ)のサイズを減らすことができ得る。図示しないが、着脱可能な伝導コネクタは、ワークコイル352をそのパワー/制御電子装置に結合するのに用いることができ得る。
【0035】
[0043] 図3Gは、図3A-3Fに示す特徴の種々のものを備えたワークコイル372を例示する。ワークコイル372はまた、ワークコイル372からのバネ・マウントまたは他のマウントが嵌入される、湾曲したスロットを備えた取付プレート374を含む。湾曲したスロットは、(例えばワークコイルの回転を可能にすることによって)ワークコイルの位置または方位の調整を可能にする。これは、所望の熱膨張反応を提供するために、オペレータによって、ロールの範囲内で磁束パスを調整するかまたは最適化することができる。とりわけ、これは改良された又は最適な紙キャリパー制御を可能にする。ワークコイル372はまた、補強材料376および/または保護エンクロージャ378を含む。補強材料376は、コアの端周辺に配置され、例えばショックからのダメージを低減するのを助けるように、コアを補強するか又は強化するのを助ける。補強材料376は、ケブラー・ファブリックまたは補強部材またはフレームのような、いかなる適切な材料から形成されることができる。保護エンクロージャ378は、同様に、ワークコイル372のコアおよびコイルを保護し、補強する。保護エンクロージャ378は、エポキシ・ポッティングまたはカプセル化、ニス・コーティング、若しくは、密封容器のような、いかなる適切な材料から形成されることができる。加えて、補強材料376および/または保護エンクロージャ378は、コアおよびコイルから離れ、且つ、ヒートシンクの方に向かって熱エネルギーの伝導率を増やすことができる充填材粉または他材料を含み得る。
【0036】
[0044] 図3Hおよび3Iは、修正されたE形の横断面を備えた他の可能な誘導加熱ワークコイルを例示する。図3Hでは、誘導加熱ワークコイル382は、コイル384およびコア386を含む。コア386は、取付部分および3本の脚(形状が円柱状である1つの内部脚と、湾曲した2つの外部脚)を包含する。また、コア386は、(取付部分およびコア386の全ての3本の脚部を通過する平面使用してとられる)E形の横断面を有する。各脚および接続部分のサイズ及び形状は単なる例示であるということに注意すべきである。コイル384は、コア386の内側脚周辺で巻きつけられる。ここで、コイル384は任意の適当な数のターンまたは層を有することができるけれども、コイル384は、内側脚周辺に5層に巻きつけられる。
【0037】
[0045] 図3Iでは、誘導加熱ワークコイル 392は、コイル394および2つのコア396a-396bを含む。各々のコア396a-396bは、取付部分によって、分離される2本の脚を含む。また、コア396a-396bは、(例えば、ヒンジを使用して)互いに結合されることができ、各々が次に配置され得る。このような方法で、2つの異なるコア396a-396bからの脚は、(取付部分、および、コア396a-396bの脚部を通過する平面をもちいて得られる)E形断面のより大きい内側脚を集合的に形成できる。各々のコアおよび各々の脚のサイズおよび形状は単なる例示に過ぎないことに注意すべきである。コイル394は、コア396a-396bの2つの隣接した脚部の回りに巻きつけられる。コイル394は、任意の適当な数のターンまたは層を有することができる。
【0038】
[0046] 図3A乃至3Iに示される誘導加熱ワークコイルは、バランスのとれたワークコイルであり、実質的にゼロサム空間ベクトルを生成するために、互いに効果的にキャンセルする磁束を各々生成することを意味する。これは、実質的にヌルの瞬間的な電流ベクトルに結果としてなり、電流の低減されまたは最小の量は、ロール212の軸214と平行して流れる。これは、ロール212のベアリングを介してベアリング電流を減らすかまたは最小化するのを助けることができる。
【0039】
[0047] ここで見られるように、さまざまな誘導加熱ワークコイルが、E形断面を有するように設計され得る。各々のこれらの誘導加熱ワークコイルは、(1つまたは複数のコアに)少なくとも3つの脚を含み、中央または内側脚は、2つの外側または他の脚の間に位置する。E形断面は、一般に、脚(脚が同じ角度で突出するかどうかは関係なく)を結合する接続部から突出する3つの脚を含み得る。
【0040】
[0048] ここでE形のコアは、いかなる適切なサイズも有することができる。例えば、コアは長さ150ミリメートル、高さ93.5ミリメートルおよび、幅50ミリメートルのであってよい。外側脚部は、厚さ12.5ミリメートルであってよく、取付部分から81ミリメートル外へ延びる。
【0041】
[0049] これらのワークコイルのいずれかは、ロールに磁束を生成できる。適切に正しい方位に置かれるとき、実質的に全ての磁束は、ロールの単一のコントロールゾーンの中に残る。また、1つの熱的ピークだけが、単一のコントロールゾーンに存在する。「コントロールゾーン」は一般に、(ロール軸に対して双方垂直の)ロールの2つの断面の間の空間エリアをあらわし、ワークコイルは、コントロールゾーンと関係しており、ロールによって接触するウェブ材料の一部に(水分、光沢、キャリパーおよび/または温度のような)一つ以上のウェブ特性を最適化または制御するために調整される。熱的ピークは、ロールに誘発される電流により生成される安定した状態の熱的プロファイルを使用して決定され得る。コントロールゾーンに関するコントロールゾーン境界の中の安定した状態の熱的プロファイルは、1つの最大および2つの最小を有し得る(最小は、最大の対向側に位置する)。
【0042】
[0050] 図2はロールに関する誘導加熱ワークコイルの方位200の一例を示すけれども、さまざまな変化を図2になすことができる。例えば、任意の適当な数の誘導加熱ワークコイルが、ロール212と一緒に用いることができうる。図3A乃至3Iは誘導加熱ワークコイルの実施形態を例示するけれども、さまざまな変化を図3A乃至3Iになすことができる。たとえば、任意の適当な数のコアおよびコイルが、ワークコイルに用いられ得る。また、コアは、いかなる適当なサイズおよび形状を有し、コイルは任意の適当な数のターンまたは層を有し得る。更に、他のいかなる機構も、ワークコイルを冷却するために用いることができる。加えて、図3A乃至3Iに示される1またはそれ以上のワークコイルの特徴は、図3A乃至3Iに示される他のワークコイルに用いられ得る。
【0043】
[0051] 図4は、この開示によるロールに関して誘導加熱ワークコイルの例示の構成400を示す。図4に示すように、構成400は、ロール404の表面全体のエンド-to-エンドの仕方で互いに隣接して配置される多数の誘導加熱ワークコイル402を含む。誘導加熱ワークコイル402は、誘導加熱ワークコイル50ミリメートルごとのような、適切な間隔を有することができうる。構成400もまた、誘導加熱ワークコイル402の多数の列を含む。異なる列の誘導加熱ワークコイル402は、オフセットできるかまたはオフセットされることができず、列は適切な間隔を有しうる。
【0044】
[0052] 誘導加熱ワークコイル402は、異なる領域の電流またはロール404の伝導シェル406のゾーンを生成するように作動する。伝導のシェル406は、一般に、紙シートまたは形成されている他の製品と接触するロール404の部分を表す。伝導シェル406またはロール404は、いかなる適切な材料(例えば金属的強磁性材料)からも形成されることができる。電流はまた、異なる領域または回転404(例えばロール404が固い時)の領域において生成されうる。ゾーンによる流れる電流の量は、(電力源210の制御を介して)誘導加熱ワークコイル402のコイル内に流入しているエネルギー量を調整することにより制御されうる。この制御は、例えば、図1の紙生産システム100のコントローラ104により提供されうる。
【0045】
[0053] シャフト408を介して、並びに、ロール404のベアリング・ハウス410のベアリングを介して流れる電流を減らすかまたは最小化するために、誘導加熱ワークコイル402は、図3A乃至3Iに示すようなバランスのとれたワークコイルを示し、個別に実質的にヌルのフラックスベクトルを生成する。その結果、低減されまたは最小化された電流の量が、ロール404のベアリングの中を流れる。
【0046】
[0054] 図4はロールに関する誘導加熱ワークコイルの構成400の1つの実施形態を例示するけれども、さまざまな変化を図4になすことができる。例えば、構成400は、均一または不均一の空間で、誘導加熱ワークコイル402のいかなる数の列を含み得る。また、各々の列は、均一または不均一の空間で、いかなる数の誘導加熱ワークコイル402を含み得る。
【0047】
[0055] 図5は、この開示による誘導加熱アプリケーションにおけるそのベアリングによるロールを出た電流を低減させるための例示の方法500を示す。図5に示すように、一つ以上の誘導加熱ワークコイルは、ステップ502でロールに近接して配置される。例えば、これは紙カレンダのロールの近くに1つまたは多数の誘導加熱ワークコイル202を配置することを含むことができる。任意の適当な数の誘導加熱ワークコイルは、ロールの近くに配置され、誘導加熱ワークコイルは、いかなる適切な装置または構成をも有することができ得る。特定の実施形態では、バランスのとれた誘導加熱ワークコイルはロールの近くに個々に配置され、その一方で、均衡を失った誘導加熱ワークコイル202は、ロールの近くのグループに配置される。
【0048】
[0056] 誘導加熱ワークコイルは、ステップ604で正しい位置に置かれる。所望の熱的プロファイルをロール212に提供するように、例えば、誘導加熱ワークコイル202を正しい方位に置くことを含む。しかしながら、誘導加熱ワークコイル202が釣り合うので、誘導加熱ワークコイル202は、いかなる方位の実質的にヌルの空間的な合計を有する磁束を生成することができる。
【0049】
[0057] 一旦装置されて、正しい位置に置かれると、ロールは、ステップ506で紙シートまたは他の連続ウェブ製品の生産中に回転でき、電流がステップ508でロールによって生じる。電流は、誘導加熱ワークコイルのコイル204に、AC信号を出力することによって生成される。さらに、誘導加熱ワークコイルが実質的にヌルの空間合計を有する磁束を生成するので、電流の低減または最小化された量はロールのベアリングの中を流れる。
【0050】
[0058] 図5は、誘導加熱アプリケーションのそのベアリングを介してロールを出る電流を低減させるための1つの例示の方法を示すけれども、さまざまな変化を図5になすことができる。例えば、一連のステップとして示されると共に、図5に示されるさまざまなステップはオーバーラップさせることができ、平行に生じさせることができ、異なる命令で生じさせることができ、または、複数回生じさせることができる。
【0051】
[0059] この特許文献の全体にわたって使用する特定の語句の定義を記載することは有益であろう。用語「結合」およびそれから派生するものは、2つまたはそれ以上のエレメントの間を直接または間接的に接続することを意味し、それらのエレメントが互いに物理的に接しているかいないかにかかわらない。用語「含む」および「からなる」並びにそれらから派生するものは、限定することなく包含するという意味である。用語「または」は、および/または、を意味する。フレーズ「関連した」および「それに関して」並びにそれらから派生したものは、相互接続、包含、接続、結合、通信、協同、インターリーブ、並列する、近縁、縛り、有する、特徴を備えた等という意味である。用語「コントローラ」は、デバイス、システムまたは、少なくとも一つの動作を制御するそれらの一部を意味する。コントローラは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたは、少なくとも2つの同じものの組合せで実装されうる。特定のコントローラと関連する機能性を、ローカル又はリモートのいずれであっても、集中できまたは分配され得る。
【0052】
[0060] この開示は、特定の実施形態および全体的に関連した方法を記載しているけれども、これらの実施形態および方法の変更および他の実施形態は、当業者には明らかであろう。したがって、例示の実施形態の上記の説明は、この開示を拘束しない。以下の特許請求の範囲で規定される本願発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の変更、置換、および、他の実施形態もまた可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの外側脚の間に配置された内側脚を集合的に有する1またはそれ以上の磁性コア(206, 326, 336, 356, 386, 396a-396b)であって、前記脚が1またはそれ以上の接続部分に結合されることを特徴とする、磁性コアと、
前記内側脚の周りに巻きつけられた1またはそれ以上の伝導コイル(204, 324, 334, 354, 384, 394)と、
を有することを特徴とする装置であって、
前記1またはそれ以上の伝導コイルが電源に電気的に接続されたとき、前記1またはそれ以上の磁性コアおよび前記1またはそれ以上の伝導コイルが、ロール(119, 212, 404)内に実質的にバランスがとれた磁束を生成するように構成され、
磁性によってロールに誘発された電流によって生成された熱がロールの表面に安定した状態の熱的プロファイルを生成するように、前記1またはそれ以上の磁性コアおよび前記1またはそれ以上の伝導コイルが構成され、前記安定した状態の熱的プロファイルが、前記ロールに関連したコントロールゾーン内におちる一つのピークを有する、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
1またはそれ以上の磁性コアが単一の磁性コアであり、前記単一の磁性コアが、内側および外側脚に結合される単一の接合部分を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
1又はそれ以上の磁性コアが、2つの磁性コアからなり、各磁性コアが、2つの脚を有し、内側脚が磁性コアの各々から1つの脚を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
伝導材料からなるロール(119, 212, 404)であって、軸(214)を中心に回転するように構成されたことを特徴とするロールと、
誘導加熱ワークコイル(202, 322, 332, 352, 372, 382, 392)であって、
2つの外側脚の間に配置された内側脚を集合的に有する1またはそれ以上の磁性コア(206, 326, 336, 356, 386, 396a-396b)であって、該脚が1またはそれ以上の接続部分に結合されることを特徴とする磁性コアと、
内側脚に巻き付けられる1またはそれ以上の伝導コイル(204, 324, 334, 354, 384, 394)と
を備える誘導加熱ワークコイルと、
を有し、
1またはそれ以上の磁性コアおよび1またはそれ以上の伝導コイルがロール内に磁束を生成させるように構成され、前記磁束がロールの軸に対して実質的に垂直にはしり、空間的に合計されたとき前記磁束が実質的にヌルの瞬間的な磁束ベクトルを有することを特徴とする、システム。
【請求項5】
ロール(119, 212, 404)の近位に誘導加熱ワークコイル(202, 322, 332, 352, 372, 382, 392)を配置するステップであって、前記誘導加熱コイルが1又はそれ以上の磁性コア(206, 326, 336, 356, 386, 396a-396b)および1またはそれ以上の伝導コイル(204, 324, 334, 354, 384, 394)を備え、1又はそれ以上の磁性コイルが2つの外側脚の間に配置された内側脚を集合的に備え、1又はそれ以上の伝導コイルが前記内側脚に巻き付けられ、前記ロールが軸(214)を中心に回転するように構成されることを特徴とする、配置するステップと、
前記ロール内に電流を生成させるステップ(508)であって、前記電流が実質的にヌルの瞬間的電流ベクトルを集合的に備え、前記ロールの軸に対して実質的に平行に流れることを特徴とする、電流を生成させるステップと、
を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−520218(P2011−520218A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505071(P2011−505071)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/038869
【国際公開番号】WO2009/129046
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】