説明

磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法

【課題】溶融樹脂材料の充填圧力によるインサート金具3の変形や、これによる溶融樹脂材料の充填不足等の発生を防止して、品質の安定したスポイラー等、磁気ディスク装置用合成樹脂部品を得る。
【解決手段】インサート金具3を金型1のキャビティ2内に拘束し、このキャビティ2内にゲート23を介して溶融樹脂材料を充填して硬化させることにより、インサート金具3を一体的にインサートした合成樹脂成形品を得る方法において、インサート金具3に、予め貫通孔31と、エンボス加工によるを複数の突部32を形成する。貫通孔31は、インサート金具3をキャビティ2内に位置決め固定した時にゲート23の開口23aと部分的に重合する位置にあり、突部32は、曲面状の先端面が、金型内面1aと当接するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂成形品の成形方法であって、例えばハードディスク・ドライブ装置(HDD)装置等、磁気ディスク装置に装着される合成樹脂部品の製造に有用な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク・ドライブ装置においては、複数のディスクが高速で回転することに伴い、装置内部に空気流が発生しており、この空気流によって、磁気ヘッドがディスクの表面から僅かな隙間をもって浮上するようになっている。しかし、この空気流に乱流があると、ディスクの振動や、磁気ヘッドをディスクの任意のトラックへ位置決めするアクチュエータ系の振動が発生したり、ディスクからの磁気ヘッドの浮上が不安定になるため、この種のハードディスク・ドライブ装置には、ディスク間の空気流を整流するための整流翼を有するスポイラーが取付けられている。
【0003】
図9は、スポイラーの一例を示す斜視図である。すなわち、この種のスポイラー100は、磁気ディスク200,200間に平行に挿入されるように配置された複数枚の整流翼101と、それを支える支持板102からなる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】実公平6−48639
【0004】
従来、スポイラー100は金属で構成されていたが、近年のローコスト化の要求に伴って、合成樹脂材料での製造が検討されている。しかしながら、合成樹脂は金属と比較して剛性が低いため、ハードディスク・ドライブ装置本体への外部衝撃があった場合には、スポイラー100の整流翼101がディスク200の表面に干渉してディスク200が破壊されるおそれがある。
【0005】
スポイラー100を合成樹脂で製作する場合、整流翼101及び支持板102の強度を確保するためには、その厚みを増大させることが考えられるが、充分な厚みとすることは、スペースの制約上難しい。また、合成樹脂の中でもポリエーテルイミド,ポリイミド,ポリアミド等のように弾性係数の高い材料を用いて成形することが考えられるが、これだけでは、外部衝撃入力時に整流翼101がディスク200と干渉するのを確実に防止することは困難である。
【0006】
合成樹脂製スポイラー100の整流翼101及び支持板102の強度を確保するための他の方法としては、合成樹脂材料にカーボンやガラス等のフィラーを混合することによって、弾性係数を上昇させることも有効であると考えられる。しかし、この場合は、表面からのフィラーの脱落によって、パーティクルが発生するおそれがある。そしてこのようなパーティクルは、ディスク200の表面と磁気ヘッド(不図示)との間の僅かな隙間に介入して、磁気ヘッドやディスク200に損傷を与える原因になる。
【0007】
また、合成樹脂製スポイラー100の整流翼101及び支持板102の強度を確保するための他の方法としては、支持板102に補強用のインサート金具103をインサートすることが有効であると考えられる。ここで、合成樹脂成形においては、溶融樹脂材料を成形用キャビティに流し込むためのゲートを必要とするが、ゲートカット面からのパーティクルの発生が懸念されるため、スポイラー100のようなハードディスク・ドライブ装置の部品の成形では、ディスク200と近接する整流翼101や、支持板102におけるディスク200側の面にゲートを設けることは好ましくない。また取付精度の確保上、取付座面や、取付のためのネジ締結部104にも、ゲートを設けることは望ましくない。したがって、ゲートを設けることが可能な位置は、支持板102におけるディスク200と反対側を向いた面(背面)102aに限定される。
【0008】
図10は、図9のようなインサート金具103をインサートした合成樹脂製スポイラー100を成形する従来の技術による方法を示す説明図、図11は、この方法によるインサート金具103の変形発生状況を示す説明図である。図中の参照符号300は、スポイラー100と対応する形状のキャビティで、すなわち整流翼成形部301と、支持板成形部302とを有し、支持板102の背面102aに相当する支持板成形部302の内面に、ゲート303が開口している。インサートするインサート金具103は、支持板成形部302内に配置されると共に、金型内面に設けられた拘束部304,304によって固定されている。
【0009】
ところが、この場合、図10に白抜き矢印で示されるように、ゲート303から高圧で溶融樹脂材料がキャビティ300に射出されると、この溶融樹脂材料は、まず支持板成形部302におけるゲート303側とインサート金具103の間の空間302aに充填されるので、この時の充填圧力Pによって、図11に示されるように、インサート金具103が拘束部304,304の間で曲げ変形を受ける。このため、整流翼成形部301側の空間302bの一部が狭くなって溶融樹脂材料の充填不足を生じるばかりでなく、変形したインサート金具103の復元力によって、スポイラー100に歪を生じるおそれがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、溶融樹脂材料の充填圧力によるインサート金具の変形や、これによる充填不足等の発生を防止して、品質の安定したスポイラー等、磁気ディスク装置用合成樹脂部品を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法は、インサート金具を金型のキャビティ内に固定し、このキャビティ内にゲートを介して溶融樹脂材料を充填して硬化させることにより、前記インサート金具を一体的にインサートした合成樹脂部品を得る方法において、前記インサート金具に、予め貫通孔又は切欠を形成し、この貫通孔又は切欠が、前記インサート金具を前記キャビティ内に位置決め固定した時に前記ゲートの開口と部分的に重合する位置にあるものである。
【0012】
この成形方法によれば、金型のキャビティ内に位置決め固定したインサート金具には、ゲートの開口と部分的に重合する貫通孔又は切欠が形成されているため、ゲートからキャビティ内へ流入した溶融樹脂材料は、インサート金具の前記貫通孔又は切欠の縁で分岐して、ゲート側の空間と、その反対側の空間へ廻り込む2系統の流れとなる。このため、溶融樹脂材料の圧力がインサート金具の両側から作用するので、インサート金具の撓みが防止され、溶融樹脂材料の円滑な流れが確保される。
【0013】
請求項2の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法は、請求項1に記載の方法において、インサート金具に、金型内面と当接する複数の突部を予め形成するものである。
【0014】
すなわちこの場合、インサート金具の前記貫通孔又は切欠の縁で分岐して、ゲート側の空間と、その反対側の空間へ廻り込んだ溶融樹脂材料の圧力が不均衡であっても、インサート金具に形成された複数の突部が金型内面と当接することによって支持されるので、溶融樹脂材料の円滑な流れが確保される。
【0015】
請求項3の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法は、請求項2に記載の方法において、突部がエンボス加工により形成されるものである。
【0016】
すなわち、エンボス加工による突部の形成は、インサート金具への貫通孔又は切欠の打ち抜き形成あるいはインサート金具の成形加工と同時に行うことができる。
【0017】
請求項4の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法は、請求項2又は3に記載の方法において、突部の先端を曲面状に形成するものである。
【0018】
突部の先端を曲面とすることによって、金型内面と突部先端の間に薄バリが生じるのを防止する。このため、突部の先端の曲面を、特に、SR<1とすることが、一層好ましい。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法によれば、溶融樹脂材料の圧力がインサート金具の両側から作用するので、インサート金具の撓みが防止されると共に、溶融樹脂材料の円滑な流れが確保される。したがって溶融樹脂材料の充填不足による成形不良や、インサート金具の変形による成形品の歪が防止され、製品の品質を向上することができる。
【0020】
請求項2の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法によれば、ゲート側の空間と、その反対側の空間へ廻り込んだ溶融樹脂材料の圧力が不均衡であっても、インサート金具に形成された複数の突部が金型内面と当接することによって支持されるので、インサート金具の撓みが防止されると共に、溶融樹脂材料の円滑な流れが確保される。したがって溶融樹脂材料の充填不足による成形不良や、インサート金具の変形による成形品の歪が防止され、製品の品質を向上することができる。
【0021】
請求項3の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法によれば、請求項2の突部を、エンボス加工によって、貫通孔又は切欠の打ち抜き形成あるいはインサート金具の成形加工と同時に行うことができるので、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0022】
請求項4の発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法によれば、金型内面と突部先端の間に薄バリが生じるのを防止して、磁気ディスク装置用部品としての品質を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法の好ましい実施の形態を示す説明図、図2は、この形態におけるキャビティ内の溶融樹脂材料の流れを示す説明図、図3は、図1の形態により成形されるスポイラーを示す斜視図である。
【0024】
まず、この形態の成形方法により成形されるスポイラー(請求項1に記載された合成樹脂部品に相当する)について説明すると、図3に示されるように、このスポイラー100は、互いに平行な薄板状の複数枚の整流翼101と、それを支える支持板102とを有する。支持板102には、外部衝撃等に対する機械的強度を補償するために、金属の薄板からなるインサート金具3が一体的にインサートされている。
【0025】
次に、図1において、参照符号1は樹脂成形用金型、2は、この金型1を構成する複数の分割型(パーティング面は図示を省略してある)間に画成されたキャビティである。キャビティ2は、図3に示されるようなスポイラー100を成形するための空間であり、すなわち、スポイラー100の整流翼101と対応する形状の整流翼成形部21と、スポイラー100の支持板102と対応する形状の支持板成形部22とを有し、前記支持板102の背面102aに相当する支持板成形部22の金型内面1aに、ゲート23が開口している。
【0026】
図3に示されるスポイラー100の支持板102にインサートされるインサート金具3は、キャビティ2における支持板成形部22内に位置決め配置されると共に、金型内面に設けられた複数の拘束部24,24によって拘束される。このとき、インサート金具3の板面は、ゲート23が開口した金型内面1aとほぼ平行であって、言い換えれば、ゲート23とほぼ直交するように拘束される。
【0027】
インサート金具3には、貫通孔31が開設されている。図4は、インサート金具3の貫通孔31と、ゲート23の開口23aとの関係を示す説明図で、(A)はゲート23を通りインサート金具3と直交する平面で切断した部分断面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。この図4に示されるように、貫通孔31は、インサート金具3を図1に示されるようにキャビティ2(支持板成形部22)内に位置決め固定した状態において、ゲート23の開口23aと部分的に重合する位置に開設されている。この場合、ゲート23の開口23aがインサート金具3に掛かっている部分(図4(B)に破線で示される部分)の面積は、この開口23aの面積に対して70〜95%にすることが望ましい。
【0028】
なお、インサート金具3には、貫通孔31の代わりに、切欠を形成しても良い。図5は、この場合のインサート金具3の切欠33と、ゲート23の開口23aとの関係を示す説明図で、(A)はゲート23を通りインサート金具3と直交する平面で切断した部分断面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。この図5に示されるように、切欠33は、インサート金具3を図1に示されるようにキャビティ2(支持板成形部22)内に位置決め固定した状態において、ゲート23の開口23aと部分的に重合する位置に開設されている。そしてこの場合も、ゲート23の開口23aがインサート金具3に掛かっている部分(図5(B)に破線で示される部分)の面積は、この開口23aの面積に対して70〜95%にすることが望ましい。
【0029】
インサート金具3には、複数の突部32が形成されている。突部32はエンボス加工によって打ち出し形成されたもので、ゲート23が開口している側の金型内面1aへ向けて突出しており、先端が、この金型内面1aと当接又は近接対向している。また、突部32の先端は、R状の凸面をなしている。
【0030】
図3に示されるスポイラー100の成形に際しては、図2に示されるように、金型1のキャビティ2における支持板成形部22内に、インサート金具3を位置決め配置して拘束部24,24で拘束し、型締めしてから、ゲート23を通じてキャビティ2内へ溶融樹脂材料4を圧入し、充填する。
【0031】
このとき、インサート金具3に貫通孔31(又は切欠33)が開設されていること、及びこの貫通孔31(又は切欠33)がゲート23の開口23aと部分的に重合する位置にあることから、ゲート23からキャビティ2内へ流入する溶融樹脂材料4の流れは、図2に白抜き矢印で示されるように、貫通孔31(又は切欠33)を通過してキャビティ2における整流翼成形部21側へ向かう流れと、貫通孔31(又は切欠33)の縁に干渉して、キャビティ2における支持板成形部22のうち、インサート金具3とゲート23が開口した金型内面1aとインサート金具3との間の賦形空間22aへ向かう流れに分岐する。したがって、整流翼成形部21側へ流入する溶融樹脂材料4の充填圧力P1と、前記賦形空間22aへ流入する溶融樹脂材料4の充填圧力P2が、インサート金具3にその厚さ方向両側から作用するので、インサート金具3が拘束部24,24の間で曲げ変形を受けるようなことがない。
【0032】
また、ゲート23からキャビティ2内へ流入する溶融樹脂材料4の流れは、貫通孔31(又は切欠33)を通過してキャビティ2における整流翼成形部21側へ向かうものが圧倒的に多いため、ゲート23の開口23aがインサート金具3に掛かっている部分(図4(B)に破線で示される部分)の面積を、この開口23aの面積に対して70〜95%にすることによって、整流翼成形部21側からの圧力P1が、賦形空間22a側からの圧力P2よりも、若干大きい程度とすることができる。このため、インサート金具3は、差圧(P1−P2)によってゲート23側の金型内面1aへ向けて押圧され、この押し付け力で各突部32が前記金型内面1aに押し付けられてインサート金具3を支持する。
【0033】
したがって、溶融樹脂材料4の充填圧力P1,P2によるインサート金具3の撓みを生じることがなく、ゲート23側の金型内面1aと、インサート金具3との間には、溶融樹脂材料4が流入して賦形されるための所要の賦形空間22aが確実に保持されるので、この部分での溶融樹脂材料4の充填不足による成形不良や、インサート金具3の変形応力による成形品の歪の発生等を、有効に防止することができる。
【0034】
ここで、本発明において、インサート金具3の貫通孔31を、ゲート23の開口23aと部分的に重合する位置に開設した優位性について、比較形態を用いて説明する。図6は、比較形態によるキャビティ内の溶融樹脂材料の流れを示す説明図、図7は、比較形態によるインサート金具の変形状態を示す説明図である。
【0035】
すなわち図6の比較形態は、インサート金具3をキャビティ2の支持板成形部22内に位置決め固定した状態において、貫通孔31が、ゲート23の開口23aと完全に重合する位置に開設されたものである。このため、ゲート23からキャビティ2内へ流入する溶融樹脂材料4は、図6に白抜き矢印で示されるように、まず貫通孔31を通過してキャビティ2における整流翼成形部21側へ充填される。したがって、溶融樹脂材料4の充填圧力Pは、インサート金具3をゲート23側へ押圧するように作用し、その結果、図7に示されるように、拘束部24,24の間で曲げ変形され、ゲート23側の金型内面1aとの間の賦形空間22aが狭まって、充填不足による成形不良が起こりやすくなる。
【0036】
そしてこの場合、図1と同様にエンボス加工による突部32を形成しても、充填圧力Pによる押圧力が大きいので、薄肉のインサート金具3にエンボス加工した突部32は、潰れてしまいやすい。したがって、図1のように、ゲート23からキャビティ2内へ流入する溶融樹脂材料4の流れを2系統に分岐させて、溶融樹脂材料の充填圧力P1,P2を、インサート金具3にその厚さ方向両側から作用させることで、成形不良やインサート金具3の変形を防止して、安定した成形を行うことができるのである。
【0037】
次に、突部32の先端面の形状について考察する。図8は、突部32の形状例を示す拡大断面図で、(A)(B)は比較例、(C)は実施例のものを示す。すなわち、比較例(A)の突部32は、先端面が緩い曲率(SR≧1)の曲面状に形成されたものであり、比較例(B)の突部32は、断面が略台形をなすものであり、実施例(C)の突部32は、小さな曲率半径(SR<1)の曲面状に形成されたものである。
【0038】
比較例(A)のように、突部32の先端面が緩い曲率をなすものや、比較例(B)のように、突部32の先端面が平坦なものは、溶融樹脂材料4の圧力で金型内面1aに押し付けられた時に、金型内面1aに対して面接触となって、この金型内面1aとの間に、脱落の可能性のある薄バリ4aが形成されてしまう。そして、このような薄バリ4aが、ハードディスク・ドライブ装置等の内部で脱落すると、磁気ヘッドやディスクの破損の原因になる。この点、実施例(C)のように、SR<1としたものは、先端面が金型内面1aに対してほぼ点接触となるので、このような薄バリ4aの発生を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法の好ましい実施の形態を示す説明図である。
【図2】図1の形態におけるキャビティ内の溶融樹脂材料の流れを示す説明図である。
【図3】図1の形態により成形されるスポイラーを示す斜視図である。
【図4】図1の形態におけるインサート金具の貫通孔と、ゲートの開口との関係を示す説明図である。
【図5】他の形態におけるインサート金具の切欠と、ゲートの開口との関係を示す説明図である。
【図6】比較形態によるキャビティ内の溶融樹脂材料の流れを示す説明図である。
【図7】比較形態によるインサート金具の変形状態を示す説明図である。
【図8】突部32の形状例を示す拡大断面図で、(A)(B)は比較形態、(C)は本形態である。
【図9】ハードディスク・ドライブ装置用スポイラーの一例を示す斜視図である。
【図10】従来の技術により図9の合成樹脂製スポイラー100を成形する方法を示す説明図である。
【図11】従来の技術によるインサート金具の変形発生状況を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
100 スポイラー(合成樹脂部品)
101 整流翼
102 支持板
1 金型
1a 金型内面
2 キャビティ
21 整流翼成形部
22 支持板成形部
22a 隙間
23 ゲート
23a 開口
24 拘束部
3 インサート金具
31 貫通孔
32 突部
33 切欠
4 溶融樹脂材料
4a 薄バリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサート金具(3)を金型(1)のキャビティ(2)内に固定し、このキャビティ(2)内にゲート(23)を介して溶融樹脂材料を充填して硬化させることにより、前記インサート金具(3)を一体的にインサートした合成樹脂部品(100)を得る方法において、前記インサート金具(3)に、予め貫通孔(31)又は切欠(33)を形成し、この貫通孔(31)又は切欠(33)が、前記インサート金具(3)を前記キャビティ(2)内に位置決め固定した時に前記ゲート(23)の開口(23a)と部分的に重合する位置にあることを特徴とする磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法。
【請求項2】
インサート金具(3)に、金型内面(1a)と当接する複数の突部(32)を予め形成することを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法。
【請求項3】
突部(32)がエンボス加工により形成されることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法。
【請求項4】
突部(32)の先端を曲面状に形成することを特徴とする請求項2又は3に記載の磁気ディスク装置用合成樹脂部品の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−27038(P2006−27038A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208101(P2004−208101)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】