説明

移動オブジェクトの位置情報を管理するための方法および装置

【課題】保管した商品の位置を発見するためのシステムおよび技術を提供する。
【解決手段】複数の固定非接触識別装置がエリア内に展開している。各固定装置は、離れた距離から読み取ることができる固定装置識別子を備える。エリア内の位置は、その位置で検出した固定装置識別子の組合せへのマッピングを通して識別される。さらに、複数の移動非接触識別装置は、保管され検索される商品と関連を有する。各移動装置は、移動装置識別子を備え、移動非接触識別装置の位置は、移動装置識別子を受信した時に受信した固定装置識別子の組合せを識別することにより発見することができる。位置情報は独立して使用することもできるし、または他の手段により入手した予測位置情報への補助として使用することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、商品の比較的効率的な保管および検索の改善に関する。より詳細には、本発明は、移動オブジェクトの位置情報を管理するために、離れた距離から検出することができる識別情報を提供し、識別情報を処理するための電子装置を使用するための改良形システムおよび技術に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫保管作業は、多くの場合、識別したプラットフォームまたはコンテナの積み込みおよび検索を含む。この場合、各プラットフォームまたはコンテナは、プラットフォーム上に置かれたまたは詰め込んだ、またはコンテナ内に保管した識別した商品と関連している。商品を積み込み検索するために通常使用するプラットフォームはパレットである。複数の各パレットの識別が格納され、商品がパレット上に積まれると、これらの商品の識別は、パレットの格納している識別と関連付けられる。商品をパレットから取り出すと、パレットとの商品の関連も消去される。このようにして、商品の位置の追跡は、商品が積まれているパレットの位置を追跡することにより行われる。
【0003】
パレットの位置の記録はデータベースに格納される。パレットが必要な場合には、フォークリフトまたは他の検索および搬送装置が、パレットの予測位置に移動する。パレットが予測した位置に存在しなかった場合には、探索を行わなければならない。倉庫内での典型的な作業の場合には、パレットの検索および交換は連続的に行われる。それ故、ある頻度でパレットが正しくない位置に置かれたり、パレットの位置を間違って記録する恐れがある。そのため、パレットの位置情報を修正したり、間違って置かれたパレットを発見し、置き直すのにかなりの努力と費用がかかることになる。パレットの位置の正しい記録を維持し、その正しい位置にパレットを置くためにかなりの努力をしても、パレットを間違った位置に保管したり、パレットの位置を間違って記録する恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
倉庫システムは、多くの場合、パレットおよびパレットを置くことができる位置を表示するのにバーコードを使用する。このようなシステムでのパレットの位置情報を正確に管理するには、通常、パレットを置いたり、検索したり、移動したりまたは交換する度に、パレット・ラベルおよび位置ラベルを走査しなければならない。走査を怠ったり、または間違いに気が付かないで走査によりパレットのバーコードを読み取るのに失敗した場合には、位置情報が不正確なものになる。さらに、バーコード・システム自身は、オペレータがパレットを検索しなければならない位置、またはパレットを戻さなければならない位置に近づいている場合に、オペレータに簡単で便利な通知を行うことができないし、またある位置にオペレータを案内する機能を持たない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの態様を有するが、本発明は、固定および移動非接触識別装置のシステムを提供することでこのような問題を解決する。各固定および移動非接触識別装置は、装置を一意に識別する情報を提供する。この情報は、離れた距離から適切に読み取ることができ、好適には視線に沿って読み取らなくてもよいものであることが好ましい。固定装置が提供した情報は、便宜上、固定装置識別子と呼ぶことにし、移動装置が提供した情報は、便宜上、移動装置識別子と呼ぶことにする。固定装置は、設計またはプログラミングの点で移動装置と同じものであってもよいが、「固定」および「移動」という用語を使用するのは、これらの装置が配置され使用される方法の点でこれらの装置を区別するための便宜上のものである。固定装置は、通常、倉庫内の棚またはラックのような特定の移動しない保管位置に取り付けられる。移動装置は、パレットのような移動オブジェクトに取り付けられる。それ故、移動装置は、移動することができる。何故なら移動装置は移動オブジェクトに取り付けられているからである。
【0006】
固定および移動非接触識別装置は、都合のよいことに、無線周波識別(RFID)タグとして実施することができるが、視線に左右されずに離れた距離から読み取ることができる情報を提供することができる任意の装置を使用することができる。固定識別装置および移動識別装置は、離れた距離から読み取ることができる。本発明の一実施形態の場合には、複数の固定非接触識別装置のうちの1つが複数の各パレットに取り付けられている。各固定非接触識別装置は、固定装置を一意に識別する固定装置識別子を提供する。
【0007】
各移動非接触識別装置は、商品を保管および検索するために使用するパレットまたはコンテナと関連付けられる。商品の特定の表示または識別は、各パレットまたはコンテナと適切に関連付けられ、そのため商品が関連するパレットまたはコンテナの位置を発見することにより、商品の位置を知ることができる。固定非接触識別装置に関連する固定装置識別子データは、例えばデータベースに格納され、また移動装置に関連する移動装置識別子データも格納される。さらに、固定非接触識別装置の位置情報も、固定装置識別子と関連して格納することができる。
【0008】
パレットのような移動オブジェクトの位置は、移動オブジェクトに関連する移動装置識別子を受信するのと同時に受信した固定装置識別子を検出することにより決定することができる。ロケータは、例えば、固定および移動非接触識別装置が送信する識別信号を連続的に受信しながら、倉庫内を移動することができる。異なる位置において、ロケータは、装置識別子の異なる組合せを受信する。何故なら、固定装置の異なる組合せが、ロケータの範囲内に存在するからである。さらに、ロケータが異なる経路に沿って移動すると、固定装置識別子の異なるシーケンスが受信される。本発明の一実施形態の場合には、固定非接触識別装置の位置は、データが蓄積されるにつれてますますはっきり識別される。そのため、ほとんどまたはすべての移動非接触識別装置の場合には、装置および装置が取り付けられているパレットの位置は、ロケータが受信した固定装置識別子の記録をチェックすると同時に、移動非接触識別装置が送信した移動装置識別子と同時に検出した固定装置識別子の組合せをチェックすることにより決定することができる。
【0009】
固定装置識別子および移動装置識別子を受信することにより収集した情報を使用して、移動装置識別子に関連するパレットのような移動オブジェクトの本当の位置を決定することができる。パレットが正しい位置に位置していないかどうかを判定するために、実際の位置情報を格納している予測位置情報と比較することができる。さらに、いつ指定の非接触識別装置、すなわちこの装置が取り付けられているパレットがロケータの近くに位置したのか検出するために、ロケータはその近くの移動非接触識別装置を読み取ることができ、それ故、オペレータに報知することができる。さらに、パレットへの経路を識別し、それをユーザに知らせるために、所望のパレットに関する位置情報と一緒に、ロケータに関する計算した位置情報を使用することができる。経路は監視することができ、もとの経路からずれた場合には、新しい経路を計算し、提示することができる。
【0010】
本発明の他の態様によれば、固定装置識別子を使用することにより提供した位置情報は、このような高度の精度を提供する必要はなく、移動装置に関する位置情報の提供に依存しない。代わりに、固定装置識別子が提供した情報をゾーンを定義するために処理することができる。移動装置識別子を検出したゾーンを、他の手段により入手し格納している予測位置情報と比較することができる。例えば、パレットの保管および検索を含むシステムの場合には、パレットに対する各格納位置をバーコードと関連付けることができ、各パレットをバーコードと関連付けることができる。パレットが検索されまたは保管される度に、適当なラベルから位置バーコードおよびパレット・バーコードを読み取ることにより正確な位置情報が入手される。同時に、倉庫の作業が進行するにつれて、固定および移動非接触識別装置が提供した情報が絶えず受信され処理される。各移動装置を検出したゾーンが記録され、ゾーン内の保管位置と比較される。移動装置がその指定の保管位置を含むゾーンの外に位置することが分かった場合には、不一致が検出され記録される。実際の位置と予測位置の間の不一致のこの検出と記録は、オペレータの介入を全然必要としない。さらに、ロケータが移動非接触識別子を探索することができるようにロケータを設計することができる。ユーザがパレットの予測位置に行き、パレットがその予測位置に存在しなかった場合には、ユーザは、移動非接触識別装置をロケータの範囲内で検出することができるか否かを表示するように、適当に設計したロケータに指示することができる。この機能により、紛失パレットの探索が容易になり、固定非接触識別子から情報を収集するためにロケータを使用していてもいなくてもこの機能を実行することができる。この情報は位置情報を生成するのに使用される。
【0011】
下記の詳細な説明を読み、添付の図面を見れば、本発明および本発明の他の機能および利点をよりよく理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明のある態様による移動オブジェクト位置管理を使用する環境である。図の例示としての環境は倉庫100である。倉庫100は、複数のパレット保管位置102A〜102Oを含む。位置102A〜102Oは、この場合はそれぞれ固定RFIDタグ104A〜104Oの形をしている固定非接触識別装置により識別される。固定タグ104A〜104Oは、例えば、一連番号のような識別情報を含む固定装置識別子を提供する。各固定タグ104A〜104Oからの固定装置識別子は、タグの設計、タグを使用する環境、ロケータ106A〜106Cの設計、位置および向きのような要因および他の要因で決まる、タグからある距離離れて位置するロケータ106A〜106Cのような1つまたは複数のロケータにより読み取ることができる。図には3つのロケータ106A〜106Cしか示していないが、任意の数のロケータを使用することができることを理解することができるだろう。図のRFIDタグは、ロケータ106A〜106Cの質問に応答し、例えば反射後方散乱を通して情報を提供する受動タグである。このようなタグのコストは安価で、消費電力は低い。しかし、本発明を実施するために、離れた距離から受信することができる識別情報を放射することができる任意の装置を使用することができることを理解することができるだろう。
【0013】
ロケータ106A〜106Cは、倉庫100内での商品の通常の保管および検索期間中、倉庫100内を移動する。ロケータ106A〜106Cは、通常、多くの異なる経路内を移動するので、ロケータ106A〜106Cがタグの異なる組合せの範囲内の位置を通して移動すると、固定タグ104A〜104Oの種々の組合せから多数の異なる信号の組合せを受信することが予測される。以下にさらに詳細に説明するように、各ロケータ106A〜106Cが、タグを検出し、その識別子を受信すると、ロケータは任意の特定の時間に受信した識別子の組合せをサーバ(この図には示していないが、図2に示し以下に説明する)に送信する。この場合、固定タグ104A〜104Oの異なる組合せから受信した識別子と識別子のこれらの組合せを検出する倉庫100内の位置との間に相互関係を確立するために情報を分析することができる。
【0014】
例えば、ロケータ106Aが位置108に位置すると仮定しよう。位置108において、ロケータ106Aは、固定タグ104A、104F、104Bおよび104Gから信号を受信する。次に、ロケータ106Aは、位置110に移動し、そこで固定タグ104B、104C、104Gおよび104Hから固定装置識別子を受信し、次に位置112に移動し、そこで固定タグ104Lおよび104Mから固定装置識別子を受信する。任意の特定の時点のロケータ106Aの位置は、その時点で自分が検出する識別信号の組合せを識別し、信号のこの組合せを信号の組合せ対位置の格納しているマップまたはテーブルと比較することにより分離することができる。ロケータ106Bおよび106Cは、通常、同時に異なる経路に沿って移動し、その位置は類似の方法で決定することができる。ロケータ106A〜106Cの位置は、ロケータ、倉庫環境および種々のタグの設計により、より高い精度またはより低い精度で計算することができる。ロケータ106A〜106Cの位置計算の精度およびオペレータの介入が所望の程度のような種々の他の設計の選択肢および制限に従って、ロケータが提供する位置情報を商品の検索および位置発見のために使用することができ、または保管位置に関連するバーコードの読取りのような何らかの他の方法により収集した位置情報を補助として使用することができる。
【0015】
商品は倉庫100に保管されるが、その場合、商品の集合体は、通常、パレット上に置かれ、次に、パレットは位置102A〜102Oのうちの1つに保管される。図はパレット114A〜114Oを示しているが、パレット114A〜114Oは、最初、位置102A〜102Oにそれぞれ保管される。各パレット114A〜114Oは、パレットに取り付けられている移動非接触識別装置を有する。各移動非接触識別装置は、装置を一意に識別する情報を含む移動装置識別子を送信する。図の例示としての実施形態の場合には、各移動非接触識別装置は、RFIDタグの形をしていて、RFIDタグ116A〜116Oは、それぞれパレット114A〜114Oに取り付けられている。タグ116A〜116Oは、これらのタグを固定タグ104A〜104Oと区別するために便宜上パレット・タグと呼ぶことができる。種々の各パレット114A〜114Oは、保管位置102A〜102Oのうちのある位置または他の位置から検索しそこに保管することができ、パレット・タグ116A〜116Oが提供した移動装置識別子を検出することができ、種々の各固定タグ104A〜104Oも検出することができる。フォークリフト118A〜118Cのような複数の搬送装置は、それぞれロケータ106A〜106Cを備えることができ、動作中ロケータ106A〜106Cを、範囲内に入った異なる各パレット・タグ116A〜116Oを検出するために、またその近傍の固定タグを検出するために使用することができる。別の方法としては、例えば、手でまたはカートのような手動搬送装置で運ぶ商品を検索するために、あちこち移動するオペレータは、1つまたは複数のロケータ106A〜106Cまたは類似のロケータを手で持ち運ぶことができる。もう1つの別の方法としては、自動または遠隔操作による搬送装置の運動を案内するためにロケータ106A〜106Cまたは類似のロケータを使用することができる。ロケータが決定した位置情報と一緒に検出したパレット・タグを、倉庫作業の管理を容易にするために使用することができる。例えば、オペレータがパレットを交換している場合、パレットの指定保管位置をオペレータが携行するロケータの位置と比較することができる。オペレータがパレットの正しくない保管位置に近づいている場合には、オペレータに正しい保管位置を知らせることができる。
【0016】
パレット・タグの検出は、特定の時間に動作しているパレットに取り付けられているタグの検出に限定する必要もなければ、好適にはこのように限定しないことが好ましい。代わりに、その近傍の固定タグの組合せと一緒のパレット・タグの検出および記録は、パレット位置の連続的自動監査を行うために好適には連続的に行うことが好ましい。
【0017】
図2は、本発明のある態様による位置情報処理センタ200である。センタ200は、図1の倉庫100内に設置することが好ましいが、別の方法としてはセンタ200と図1のロケータ106A〜106Cのようなロケータとの間で通信を行うことができる通信リンクが確立している場合には、遠隔地に設置することもできる。
【0018】
好適には、センタ200は、倉庫100内で行われる作業の管理の際に使用する情報を格納し処理するためのデータ処理サーバ202を含むことが好ましい。好適には、サーバ202は、プロセッサ204、高速メモリ206、ハード・ドライブ208のような長期記憶装置を含むことが好ましい。サーバ202は、キーボード212と、ディスプレイ214と、プリンタ216とを備えるオペレータ・インタフェース210を含む。サーバ202は、図1のロケータ106A〜106Cおよび他の類似のロケータとの通信を管理するために、ロケータ・インタフェース218に接続している。ロケータ・インタフェース218は、情報をアップロードおよびダウンロードするためにロケータと接続することができる有線コネクタ220、および例えばロケータを倉庫100内の作業中に使用する場合に、ロケータと無線で通信することができる無線インタフェース222を含む。ロケータ・インタフェース218は、サーバ206に内蔵させることもできるし、直接接続することもできるし、またはローカル・エリア・ネットワーク224のような仲介接続を通してサーバ206と通信することもできる。
【0019】
サーバ202は、位置分析および管理モジュール225に対してホストとしての働きをする。好適には、モジュール225は、必要に応じて、プロセッサ204が使用できるように高速メモリ内に転送されるハード・ドライブ208上に常駐するソフトウェアの形をしていることが好ましい。サーバ202は、また、ハード・ドライブ208上に常駐していて、必要に応じて、高速メモリ206内へおよびから転送される多数のデータベース226〜232に対してホストとしての働きをする。データベース226〜232は、モジュール225により使用され維持される。データベース226〜232は、固定タグ・データベース226、パレット・タグ・データベース228、信号の組合せと倉庫内の物理的位置との間の関係を決定する際に使用する倉庫モデル230、および位置マップへの信号の組合せ232を含む。
【0020】
固定タグ・データベース226は、固定タグに関連する情報を格納し、図1の固定タグ104A...104Oに対するエントリ250A...250Oをそれぞれ有する。各エントリ250A...250Oは、タグの物理的位置を識別する位置情報と一緒に、関連するタグ内に格納している識別子の記録を含む。図はエントリ250Aを詳細に図示していて、タグの一連番号および一組の位置座標を含む。好適には、モデル230も位置座標を使用することが好ましい。
【0021】
パレット・タグ・データベース228は、それぞれ図1のパレット・タグ116A〜116Oのためのエントリ252A...252Oを含む。各エントリは、関連するパレット・タグの識別子、タグに関連するパレットの指定位置を示す位置データ、およびパレット・タグの指定位置の近くの固定タグの識別子の記録を含む。各エントリは、またパレット・タグの実際の位置の記録を含むことができる。必要に応じて、記録はその位置がどこであろうとも、パレット・タグの実際の位置を反映することができる。別の方法としては、パレットがその指定位置の外に位置するという表示がない場合には、実際の位置の記録は空白であってもよいが、パレットが指定位置以外の位置に位置することが分かった場合には、パレットの実際の位置を示すデータを含むことができる。好適には、各エントリは、また、パレット上に積まれたアイテムの表示を含んでいることが好ましい。この表示は、商品のタイプおよび数量の一般的な表示であってもよい。しかし、より詳細に説明すると、貴重なアイテムの場合には、表示は、1つまたは複数のアイテムの1つまたは複数の一連番号のような商品の特定の識別を含むこともできる。図はエントリ252Aを詳細に示す。
【0022】
倉庫モデル230は、指定のパレット保管位置、保管位置のサイズおよび保管位置内のタグの配置のリストのような倉庫100のレイアウトを定義する記録を含む。好適には、モデル230は、また、位置間の距離、位置間の相対的方向、保管位置間の通路の配置、倉庫100内の空間の使用を定義するのを容易にする他の情報のような情報を含むことが好ましい。サーバ202は、固定タグから受信した信号を容易に解釈するために倉庫モデル230を使用する。例えば、ロケータ106Aは、3つの固定タグから識別子を受信することができる。タグが取り付けられている保管位置間の距離を定義する倉庫モデルの情報による識別子の分析、および保管位置間の相対的な距離の分析により、信号の組合せを受信する位置の識別が容易になる。
【0023】
位置マップ232への信号の組合せが生成され、ロケータ106A〜106Cおよび類似のロケータからの情報によりさらに精密なものになる。ロケータが、例えば正しく置かれたパレットの位置のような既知の位置に到着すると、ロケータは、サーバ202に位置および位置で受信した信号の記録を送信する。例えば、ロケータは、ユーザが自分がある位置に到着し、パレットを検索したことを記録することができるようにする。ユーザは、予測位置と実際の位置との間の不一致がないことをはっきりと記録することができる。別の方法としては、不一致の記録なしでの検索の表示を、不一致が存在しないことを示していると仮定することができる。ロケータが、自分がその位置で受信した信号と一緒に既知の位置にいる表示を送信する度に、位置分析および管理モジュール225は、位置マップ232への信号の組合せをより精密なものにするためにこの情報を使用することができる。
【0024】
パレット114A〜114Oの検索および保管は、例えば、図1のフォークリフト118A〜118Cのような搬送装置で行うことができる。ロケータは各搬送装置に適切に取り付けることもできるし、搭載することもできる。この例示の場合には、ロケータ106A〜106Cは、それぞれフォークリフト118A〜118C上に位置する。各ロケータは、移動中サーバ202と通信することができる。ロケータが固定タグ104A〜104Nのうちの1つから信号を検出した場合には、ロケータはタグから受信した識別子を送信することができ、それが検出されている間は引き続き識別子を送信することができる。2つ以上の識別子を検出した場合には、受信した時にすべての識別子を送信することができる。この情報は、進行ベースで信号マップ232を形成し、より精密なものにするための固定タグ・データベース226およびモデル230と一緒に使用される。信号マップ232は、位置をその位置で検出した信号の組合せに関連付ける。
【0025】
ロケータが既知の位置に位置する場合には、ロケータ106A〜106Cのうちの1つは特に有用な情報を提供する。例えば、その予測位置に位置するパレットを検索するためにフォークリフト118Aを使用した場合には、ロケータがパレットの位置に位置する時に、ロケータ106Aの位置をはっきりと知ることができる。この時点で、ロケータ106Aは、サーバ202に位置およびその位置で受信した信号の記録を送信することができる。例えば、ロケータ106Aは、ユーザが、ある位置に自分が到着し、パレットを検索したことを記録できるようにすることができる。ユーザは、予測位置と実際の位置との間の不一致がないことをはっきりと記録することができる。別の方法としては、不一致の記録なしでパレットが検索中であるという表示を、不一致が存在しないことを示していると仮定することができる。
【0026】
ロケータが、自分がその位置で受信した信号と一緒に既知の位置にいる表示を送信する度に、位置分析および管理モジュール225は、位置マップ232への信号の組合せを生成しまたはより精密なものにするためにこの情報を使用することができる。位置マップ232への信号が生成されると、受信した信号の組合せを、各ロケータ106A〜106Cの位置の識別のために使用することができる。さらに、時間の経過中に受信した信号の組合せを追跡することにより、ロケータ106A〜106Cの経路を追跡することができる。ロケータの経路を追跡することにより、曖昧な位置計算を解決するのが容易になる。
【0027】
ロケータ106A〜106Cおよび他のロケータも、ロケータが倉庫100内を移動する際にパレット・タグ116A〜116Oから信号を受信する。ロケータにより各パレット・タグ116A〜116Oが検出されると、ロケータはサーバ202に検出したパレット・タグの識別子、および同時に検出した固定タグ104A〜104Oのすべての識別子を送信する。ある固定タグからの信号を喪失し、他の信号を入手した場合には、サーバへの送信は新しい情報を反映するように変化する。このようにして、ロケータは、サーバ202にどの固定タグの近くにどのパレット・タグが位置するのかを示す情報を提供することができる。
【0028】
パレット・タグの位置が識別されると、検出した位置がパレット・タグ・データベース228内の位置と比較される。パレットが正しい位置に位置していない場合には、そのことおよびパレットの位置を記録し報告することができる。例えば、位置の不一致データベース252をコンパイルし、格納することができる。データベース252をチェックし、周期的に報告を作成することができる。別の方法としては、またはさらに、パレット・タグの実際の位置をパレット・タグ・データベース228に格納することができる。パレットの正しくない交換はデータベース228をチェックし、タグの実際の位置をその指定の位置と比較し、不一致を報告することにより識別することができる。特定の位置にパレットを保管するのが重要でないもう1つの他の例の場合には、パレットの指定の位置の記録を、パレットの実際の位置を反映するために簡単に更新することができる。
【0029】
さらに、ロケータおよびパレットの位置を、作業を進めるのに使用することができる。例えば、パレットの正しい位置にオペレータを案内することができ、または正しくない位置にパレットを保管しようとしている場合に注意することができる。さらに、ロケータの位置を監視することができ、トラヒック・ボトルネックのオペレータに警告することにより、トラヒックの衝突を防止するためにこの情報を使用することができる。さらに、パレットの位置、オペレータの位置、他のオペレータおよび装置の位置を、経路指定命令を提供するために使用することができ、最短距離およびトラヒックの回避を考慮して、オペレータをその位置に案内することができる。
【0030】
位置分析および管理モジュール225は、分析を行い、ユーザが必要とする情報を提供する目的で、種々のデータベース226〜232および252のうちの1つまたは複数をチェックするために動作する。例えば、モジュール225は、間違って置かれたパレットを識別し、間違って置かれたパレットを識別する報告を作成するために、データベース228および252を周期的にチェックする。好適には、報告は、間違って置かれた各パレットおよび間違って置かれたパレットの実際の位置および予測位置を識別することができるものであることが好ましい。
【0031】
必要に応じて、位置の不一致データベース252は、各不一致を発見した時間を記録することができ、その発見の時間を不一致の記録の一部として格納することができる。便宜上、不一致を修正した場合には、不一致データベース252を更新することができる。しかし、倉庫100の動作を理解してもらうために、不一致の履歴データベース254も維持することができる。不一致の履歴データベース254は、もしある場合には、各発見した不一致、発見時間、および修正時間の記録を含む。モジュール225は、不一致およびその修正の報告を作成するために、不一致データベース252および不一致の履歴データベース254をチェックすることができる。ユーザは、報告に記載する時間の周期および倉庫100の区画を定義するパラメータを提出することができ、モジュール225は、これらのパラメータに適合する不一致のリストを作成するために、データベース252および254をチェックする。
【0032】
センタ200は、また間違って置かれたまたは正しく置かれたパレットの位置を知る際に、または保管するパレットの正しい位置を識別する際に、ユーザを案内するための情報を提供することもできる。パレットを検索し交換する作業をしているユーザは、所望のパレットの識別子を入力するためにロケータ106Aを使用することができる。ロケータ106は、センタ200に識別子を送信し、センタ内では識別子がモジュール225に渡される。モジュール225は、識別したパレットの位置を発見するために、パレット・データベース228および不一致データベース252を探索する。ユーザが作業を行っている間に、ロケータ106Aがその受信した信号をセンタ200に送信した場合には、センタ200は、例えば、ロケータ送信バッファ256にこれらの送信を格納することができ、ロケータ106Aの位置を発見するために、信号対位置テーブル232を使用して受信信号を分析することができる。次に、モジュール225は、ロケータ106Aの位置と識別したパレットの位置との間の経路を決定し、ロケータ106Aへの方向を送信するために倉庫モデル230を使用する。モジュール225は、また、方向を生成する際にトラヒック事情を考慮に入れるために、ロケータ106Bおよび106Cの位置および経路を決定することができる。
【0033】
同様に、パレットを検索するユーザは、ロケータ106Aまたは他のロケータを使用してパレットの識別子を入力することができる。ロケータ106Aは、センタ200にパレットの識別を送信し、モジュール225はパレットの保管位置を識別し、保管位置への方向を計算し、送信する。
【0034】
ユーザによるパレットの識別の他の例またはもう1つの例の場合には、検索するパレットのリストを各ロケータ106A〜106Cに送信するかまたは他の方法で提供することができる。必要に応じて、同じリストをすべてのロケータに送信することができる。この場合、パレットが検索される度にすべてのロケータに対してリストが更新される。パレットを発見した場合には、ユーザは、識別したパレットを発見したことを示すために、「located」キーを押すというような適当な選択を行うことができる。以下にさらに詳細に説明するように、ロケータ106A〜106Cは、ユーザにリストをナビゲートするための多数の他の方法を提供する。
【0035】
上記説明においては、パレットの位置を計算するために、またオペレータに位置情報を提供するためにシステム100が独立して使用される場合を説明した。しかし、他の方法で収集し格納した位置情報を提供するために、別の方法で種々のタグおよびロケータ、およびサーバ202を使用することができる。例えば、パレットの位置はパレットおよびパレット保管位置上のバーコード化ラベルにより追跡することができる。さらに、上記固定タグのような複数の固定非接触識別子をあるエリア内に設置することもできるし、上記移動タグのような移動非接触識別子を各パレットに取り付けることもできる。しかし、固定タグおよび移動タグから収集した情報を情報の補助ソースとして使用する場合には、固定タグおよび移動タグから収集した情報により、正確な位置情報を計算する必要はない。このようなシステムの場合には、サーバ202は、また予測位置情報データベース258に対してホストとしての働きをすることができる。この例示としての実施形態の場合には、予測位置情報データベース258は、各保管位置に関するバーコード情報を格納する。各保管位置に関するバーコード情報は、その位置に保管されているパレットに関するバーコード情報に関連して格納される。保管位置およびパレットに関するバーコード情報は、パレットを保管または検索する度に、バーコード・リーダで適当な走査を行うことにより、保管位置バーコードおよびパレット・バーコードの手動読取りのような従来の方法で収集することができる。この場合、サーバ202は、また、バーコード相関データベース260への移動装置識別子に対してホストとしての働きをする。データベース260により、パレットの移動装置識別子を検出した場合に、パレットのバーコード識別子の検索を容易に行うこともできるし、またはその逆を行うこともできる。
【0036】
バーコード・システムのような位置情報を収集する他のシステムへの補助としての非接触識別子の使用および分析により入手した位置情報を使用するために、パレット・タグ・データベース228は、必ずしも正確な位置情報を含む必要はなく、代わりに、例えば、パレット・タグを発見したゾーンのような各パレット・タグの位置に関する情報のもっと広い分類を含むことができる。別の方法としては、この情報をパレット・タグ・データベース228に格納することはできないが、代わりに、位置の不一致データベース252に格納することはできる。そのような場合、サーバ202は、タグに関連する移動装置識別子の検出の報告を受信する度に、パレット・タグが位置していたゾーンを識別する。予測位置データベース258との比較が行われる。タグが取り付けられているパレットの予測位置が、タグを検出したゾーン内に含まれていない場合には、位置の不一致データベース252を参照する。位置の不一致データベースがまだ不一致を含んでいなかった場合には、データベース252が更新される。
【0037】
図3は、ロケータ106Aの追加の詳細図である。ロケータ106Bおよび106Cは図示していないが、これらロケータは類似のロケータである。ロケータ106Aは、表示スクリーン302、キーパッド304、タグ通信インタフェース306、およびサーバ通信インタフェース308を含む。サーバ通信インタフェース308は、無線インタフェース310および入出力ポート312を含む。ロケータ106Aは、また、プロセッサ314、高速メモリ316および長期記憶装置318を含む。長期記憶装置は、以下にさらに詳細に説明するように、タグ通信モジュール320、サーバ通信モジュール322、オペレータ・インタフェース・モジュール324、およびトランスポート・インタフェース・モジュール326に対してホストとしての働きをする。ソフトウェア・モジュール320、322、324および326は、必要に応じて、高速メモリ316に転送され、プロセッサ314により実行される。
【0038】
キーパッド304は、数字パッド328、カーソルキー330Aおよび330B、「enter」キー332、「located」キー334および「not found」キー336のような種々の制御キーを含む。
【0039】
ロケータ106Aは、タグ104A,...,104Oのような固定タグおよびパレット・タグ116A,...,116Oから識別メッセージを受信するために、タグ通信インタフェース306を使用する。通信は、タグ通信モジュール320の制御の下で適切に行われる。通信インタフェース306は、例えば、受動RFIDタグに対する質問信号のような問合せ信号を送信することができ、コストの安い受動RFIDタグをタグ104A,...,104Oおよびタグ116A,...,116Oとして使用することができる。通信インタフェース306は、タグから識別メッセージを受信し、次に、このメッセージはメモリ316に格納され、タグ通信モジュール320により分析される。分析が行われると、センタ200への適当なメッセージの作成および送信が、サーバ通信インタフェース308を使用してサーバ通信モジュール322により指示される。好適には、サーバ通信モジュール322は、適切な間隔で受信したタグ識別子の送信を指示することが好ましい。この場合、各タグ識別子を受信した時間が送信の一部として図2のセンタ200に送信される。すでに説明したように、図2のモジュール225は、ロケータ106Aおよびその識別子を受信したパレット・タグの位置を決定するために、ロケータ106および他の類似のロケータから受信した情報を使用する。
【0040】
ロケータ106Aは、例えば、キーパッド304上の数字パッド328および制御キーを使用してユーザが行った入力またはセンタ200から受信した送信により、検索するパレットの選択および識別子を受信する。例えば、検索するパレットのリストを、センタ200との無線接続を通して送信することもできるし、ロケータ106Aとセンタ200の間の直接または仲介有線接続を通してロケータ106Aにダウンロードすることもできる。
【0041】
1つまたは複数の識別子が入力または受信されると、識別子のリスト338はメモリ316に格納される。入力した識別子のリスト340はディスプレイ302上に表示される。図の例の場合には、リスト338は表示のために設計されたディスプレイ302より長く、それ故、表示されたリスト340は格納しているリスト328の一部に過ぎない。ユーザは、所望の任意の識別子を見るために、必要な場合には、表示されているリスト340を通してスクロール・アップおよびダウンを行うことができ、キーパッド304上の適当なキーを使用して表示リスト340上のエントリを選択することができる。ユーザが検索するパレットを入力または選択するか、または他の方法で検索するパレットを識別した場合には、オペレータ・インタフェース・モジュール324は、指定のパレットの識別子を記録し、この識別子は、サーバ通信モジュール322によりこのパレットが検索対象のパレットであるという表示と一緒にセンタ200に送られる。センタ200は、センタ200に送信したタグ識別子によりロケータ106の位置を識別し、識別したパレットの位置を識別し、ロケータ106への方向を送信する。これらの方向はサーバ通信モジュール322により受信されるが、これらの方向はオペレータ・インタフェース・モジュール326の制御の下でフォーマットされ、ディスプレイ302上に表示される。
【0042】
パレットを検索した場合、ユーザは適当なキーパッド入力によりパレットが検索済みであることを表示することができる。ユーザは、センタ200へのパレットが検索済みであるという表示の送信を指示するために、「located」キー334を押すことができる。この表示は、検索が表示された時点で信号を受信していたタグ、特に固定タグの識別子により適切に行われる。別の方法としては、パレットがユーザが指示した位置に存在しない場合には、ユーザは、パレットがその位置に存在しないことを示すために、「not found」キー336を押すことができる。次に、センタ200のモジュール225は、この情報を反映するために不一致データベース252およびパレット・データベース228を更新することができる。
【0043】
不一致データベース252およびパレット・データベース228を更新する追加のまたは他の方法として、その予測位置に位置していないパレットに関連する非接触識別装置を探索するために、ロケータ106Aは独立して動作することができる。ユーザが「not found」キー336を押すと、ロケータ106Aは、範囲内で検出したすべての装置識別子をチェックすることができ、任意の装置識別子が発見できなかったパレットに関連する移動装置識別子と一致するか否かを判定するために、パレット・データベース228にアクセスすることができる。装置識別子を検出した場合には、ロケータ106Aは、メッセージを表示することができ、またはそうでない場合、紛失パレットが近傍に位置するという警報を出すことができる。この動作モードは所望の任意の方法で実施することができる。例えば、紛失パレットの予測位置のすぐ近くで探索を行うこともできるし、またはユーザが別の動作モードを選択するまでこの探索を続行することもできる。継続して探索を行うことにより、ユーザは、パレットが近傍に位置する場合に表示を行うロケータ106Aに依存して、またこのような表示を受信した場合だけもっと集中的な探索を行って、紛失パレットを検出するためにこのエリアを通して移動することができる。非接触識別装置からの情報が、バーコードの読取りのようなある他の方法で収集した位置情報の補助としてだけ使用される場合には、この動作モードは特に役に立つ。このような場合、パレットの予測保管位置に移動するようにユーザに指示が行われ、パレットが発見されなかった場合には、ユーザは、紛失パレットに関連する非接触識別装置の範囲内で探索を行うために、ロケータ106Aを使用することができる。
【0044】
ディスプレイ302により識別子および指示を表示する他のまたは追加の方法として、ロケータ106Aは、トランスポート・インタフェース・モジュール326の制御の下で動作する搬送装置インタフェース342を含むことができる。搬送装置インタフェース342は、自動または遠隔操作による搬送装置に内蔵されている係合インタフェースと適切に接続しているか、無線で通信し、装置が必要とする情報およびコマンドを提供し、装置が提供する情報を受信する。この情報はロケータ106とセンタ200の間で無線で送ることができる。例えば、ロケータ106は、センタ200から、特定のパレットの位置を発見し、特定のパレットを検索するために移動する経路を示す移動方向を受信することができる。ロケータ106は、搬送装置インタフェース342を通して無人搬送装置に移動コマンドを送信する。
【0045】
図4は、本発明のある態様による商品位置管理のプロセス400のステップを示す。プロセス400は、図1のシステム100のようなシステムにより適切に実行することができる。ステップ402において、複数の固定非接触識別装置が、説明の都合上、倉庫であると見なしてよいエリア内に展開する。非接触識別装置としては、RFIDタグのような低コストの受動装置が適しているが、識別信号を送信することができる任意のタイプの装置も使用することができる。ステップ404において、倉庫内の位置と固定装置が送信した固定装置識別子とを結合するためにデータ構造マッピングが行われる。データ構造は、特にロケータが既知の位置に位置している場合に、ロケータをある位置から他の位置に移動し、ロケータの移動中に受信する固定装置識別子を記録することにより形成することができる。例えば、位置と信号の組合せの関係を計算するために、固定非接触識別装置が展開している倉庫に関する既知の情報、および識別子が送信する信号の性質を使用するデータ構造の他の形成方法も使用することができる。
【0046】
ステップ406において、複数の移動非接触識別装置が、エリア内の定義された位置に格納し、そこから検索される移動オブジェクトと関連付けられる。移動非接触識別装置は、商品を置くことができるコンテナまたはプラットフォームに取り付けることができる。例えば、各パレットに移動非接触識別装置を取り付けた状態で、複数のパレットを倉庫内で使用することができる。各移動非接触識別装置の記録はデータベースに格納される。便宜上、以降の説明においては、移動非接触識別装置はパレットに取り付けられているものと仮定する。
【0047】
ステップ408において、移動非接触識別装置が取り付けられているパレットは、倉庫内の指定の位置に置かれる。各パレットを、それが置かれる位置と関連付けることができ、それ故、移動非接触識別装置もその位置と関連付けられる。このようにして、指定のパレットが発見されることが予測される記録のリストが作成されるが、この場合、パレットの存在はそのパレットに関連する移動非接触識別装置が送信する信号により検出することができる。ステップ410において、1つまたは複数のロケータが、例えばパレットの検索および保管中に倉庫内を移動する。各ロケータが移動すると、各ロケータは、固定装置識別子を受信し、ロケータの位置および異なる時点でロケータが移動した経路を識別するために受信した固定装置識別子が識別され、処理される。同じ期間中、ロケータは、移動非接触識別装置が送信した移動装置識別子から信号を受信する。移動装置識別子を受信すると、ロケータの計算した位置である同時に受信した固定装置識別子の組合せが記録される。この情報は、移動装置識別子を送信している移動非接触識別装置の位置を識別するために分析される。
【0048】
ステップ412において、検索するパレットを識別した場合、パレットの位置がユーザに提供される。位置への方向も提供することができる。同様に、その位置に戻すパレットを識別した場合、位置の識別および位置への方向を提供することもできる。
【0049】
ステップ414において、パレットがその指定の位置から検索されるか、その指定の位置に戻される度に、またはパレットが不適切な位置で発見されたか、またはその予測位置で発見されなかった場合は、パレットを発見するために検索、保管または失敗の表示が記録され、位置および比較情報を更新するために使用される。特にパレットをその指定の位置の外側で発見した場合には、パレットを発見または交換した実際の位置を提供することができる。
【0050】
ステップ416において、移動識別子の実際の位置、これら識別子が関連するパレットがその予測位置と比較され、不一致が記録される。ステップ418において、実際の位置情報と予測位置情報との比較が必要に応じて報告される。例えば、間違って置かれたパレットの周期的報告を作成することができる。さらに、全倉庫内または倉庫の指定のエリア内の指定の時間内の間違って置かれたパレットの割合の評価を作成することができる。
【0051】
好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、通常の当業者であれば、上記説明および添付の特許請求の範囲を読めば、本発明を種々の様々な方法で実施することができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のある態様によるオブジェクト位置管理を使用する環境である。
【図2】本発明のある態様による位置情報処理センタである。
【図3】位置情報を決定する際に使用した信号を検出し、アイテムの位置を決定するために信号および他の情報を使用するために使用するロケータである。
【図4】本発明のある態様による位置決定のプロセスである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるエリア内の種々の位置に保管し検索するオブジェクトに関する位置情報を管理するための位置情報処理センタであって、
固定装置識別子を含むデータベースを格納するためのメモリであって、各固定装置識別子が固定非接触識別装置と関連し、各固定非接触識別装置が、離れた距離から検出することができる固定装置識別子を示し、前記データベースが、固定装置識別子を前記エリア内の位置と関連付けるマッピング情報をさらに含むメモリと、
移動非接触識別装置から移動装置識別子を読み取るために動作する移動ロケータからメッセージを受信するための通信インタフェースであって、各移動非接触識別装置が移動装置識別子を示し、前記移動ロケータが固定非接触識別装置から固定装置識別子および前記固定非接触識別装置の近傍の移動非接触識別装置から移動装置識別子を読み取り、移動非接触識別装置の識別子および前記移動非接触識別装置の近傍の固定非接触識別装置の識別子を含む前記位置情報処理センタにメッセージを送信するために動作する通信インタフェースと、
移動非接触識別装置の識別子および前記移動非接触識別装置の近傍の固定非接触識別装置の識別子を含むメッセージに基づいて、前記移動非接触識別装置の位置を識別するためのプロセッサとを備える位置情報処理センタ。
【請求項2】
前記データベースが、前記位置で検出された固定装置識別子の組合せへの複数の各位置をマッピングする、請求項1に記載の位置情報処理センタ。
【請求項3】
前記メモリが、前記エリア内を移動中に前記ロケータが検出した固定装置識別子を識別する経路情報を格納しているデータベースに対してさらにホストとしての働きをし、前記プロセッサが、前記ロケータが前に検出した固定装置識別子をチェックすることにより計算した経路情報と一緒に、特定の時点で前記ロケータが検出した前記固定装置識別子の組合せに基づいて前記ロケータの位置を計算する、請求項2に記載の位置情報処理センタ。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記ロケータが移動非接触識別装置が送信した信号を受信した時点で前記ロケータの計算した位置に基づいて、前記移動非接触識別装置の位置を計算する、請求項3に記載の位置情報処理センタ。
【請求項5】
前記メモリが、移動非接触識別装置の計算した位置を格納するデータベースに対してホストとしての働きをし、前記プロセッサが、指定の移動非接触識別装置に対する位置情報を要求するロケータによる要求を受信した場合に、指定の移動非接触識別装置の位置を識別するメッセージの送信をロケータに指示する、請求項4に記載の位置情報処理センタ。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記ロケータによる要求を受信した場合に、ロケータの計算した位置から指定の移動非接触識別装置の位置への方向を計算する、請求項5に記載の位置情報処理センタ。
【請求項7】
前記移動非接触識別装置に関連するオブジェクトに関する予測位置情報を格納しているデータベースをさらに備え、前記プロセッサが、前記移動非接触識別装置がロケータと遭遇した場合に、各非接触識別装置に関する位置情報を連続的に計算するために動作し、前記プロセッサが、移動非接触識別装置の計算した位置情報を、前記移動非接触識別装置と関連する前記オブジェクトに関する予測位置情報と比較し、前記計算した位置情報と前記予測位置情報との間の不一致を記録するためにさらに動作する、請求項4に記載の位置情報処理センタ。
【請求項8】
前記通信インタフェースが、同時に動作している複数のロケータから信号を受信するために動作し、前記プロセッサが、他のロケータに影響を与える状態に基づいて1つまたは複数のロケータに対するメッセージを作成するために動作する、請求項4に記載の位置情報処理センタ。
【請求項9】
他のロケータに影響を与える前記状態が、移動非接触識別装置が取り付けられているオブジェクトの1つのロケータによる検索を含み、前記メッセージが、前記複数のロケータが共有しているリストから検索したオブジェクトに取り付けられている移動非接触識別装置の識別子の削除を含む、請求項8に記載の位置情報処理センタ。
【請求項10】
前記メモリが、移動非接触識別装置が取り付けられているオブジェクトの予測位置のデータベースをさらに格納し、前記プロセッサが、非接触識別装置が取り付けられている前記オブジェクトがその予測位置に位置していないことを示す位置情報が前記非接触識別装置に対して計算される度に、オブジェクトに関する不一致情報を記録し、格納する、請求項1に記載の位置情報処理センタ。
【請求項11】
それぞれが移動装置識別子を備える移動非接触識別装置が取り付けられているオブジェクトの位置を発見する際に使用するためのロケータであって、
前記移動装置識別子を読み取るための識別子通信インタフェースと、
前記移動装置識別子の記録を格納しているデータ処理サーバと通信するためのサーバ通信インタフェースと、
指定の移動装置識別子が前記ロケータの近傍に位置するか否かを判定するために、前記ロケータの近傍で読み取った移動装置識別子を処理するための制御ユニットとを備えるロケータ。
【請求項12】
前記識別子通信インタフェースが、また、固定非接触識別装置が備える固定装置識別子を読み取り、前記サーバ通信インタフェースが、また、前記固定装置識別子の記録を格納しているデータ処理サーバと通信し、前記制御ユニットが、移動非接触識別装置の位置を識別するために、移動装置識別子を受信した前記移動非接触識別装置の近傍で前記移動非接触識別装置から受信した移動装置識別子および固定装置識別子を処理するためにさらに動作する、請求項11に記載のロケータ。
【請求項13】
前記ロケータが、前記ロケータがある位置から他の位置に移動した場合に、前記データ処理サーバに固定装置識別子を送信する、請求項12に記載のロケータ。
【請求項14】
前記ロケータが、移動装置識別子を受信した前記移動装置の近傍の固定非接触識別装置から読み取った固定装置識別子を前記データ処理センタに送信する、請求項13に記載のロケータ。
【請求項15】
前記ロケータが、位置を発見するオブジェクトを指定する選択を前記データ処理サーバに送信し、前記サーバから方向情報を受信し、前記方向情報が、前記サーバが受信した固定装置識別子を示す現在および履歴情報から計算した前記ロケータの位置、および前記オブジェクトに取り付けられている移動非接触識別装置の計算した位置に基づいている、請求項14に記載のロケータ。
【請求項16】
オブジェクトの位置を管理するための方法であって、
それぞれが離れた距離から読み取ることができる一意の固定装置識別子を備える複数の固定非接触識別装置をエリア内に展開するステップと、
それぞれが離れた距離から検出することができる一意の移動装置識別子を備える移動非接触識別装置を前記エリア内に保管する移動オブジェクト上に設置するステップと、
検出した固定装置識別子および移動装置識別子に基づいて、指定の移動非接触識別装置の位置を計算するステップとを含む方法。
【請求項17】
前記固定非接触識別装置を展開する前記ステップの後で、前記エリア内の位置に固定装置識別子の組合せをマッピングするステップが行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記エリア内の位置に固定装置識別子の組合せをマッピングする前記ステップが、前記エリア内を移動しながら種々の位置で受信した固定装置識別子の組合せを格納するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
指定の移動非接触識別装置の位置を計算する前記ステップが、移動装置識別子を受信する前に受信した固定装置識別子の履歴記録と一緒に、前記移動装置識別子と同時に受信した固定装置識別子の組合せを記録するステップを含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−161485(P2007−161485A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327434(P2006−327434)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(592089054)エヌシーアール インターナショナル インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】NCR International,Inc.
【Fターム(参考)】