説明

移動体検出装置

【課題】コスト上昇や大型化を抑制しつつ異常検出機能を追加する。
【解決手段】異常検出モードにおける制御部13は、発振信号を位相検波部10のみに入力させたときの位相検波部10の出力と、発振信号を送波器3と位相検波部10にそれぞれ入力させたときの位相検波部10の出力とを比較する。そして、各出力の信号レベルの変化(差分)が所定のしきい値を超えていれば、送波器3及び受波器4に異常なしと判断され、信号レベルの変化がしきい値未満であれば、送波器3又は受波器4に異常有りと判断される。したがって、従来例とは異なり、1種類の発振信号のみで異常発生の有無を検出することができるので、コスト上昇や大型化を抑制しつつ異常検出機能を追加することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波や電波などの連続エネルギ波を監視空間に放射し、監視空間内の物体の移動により生じる反射波の周波数偏移を検出することにより、監視空間内において移動する物体の存在を検出する移動体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動体検出装置として、特許文献1記載のものがある。特許文献1記載の従来例は、図2に示すように第1及び第2の発振回路1a,1b、周波数選択回路2、送波器3、受波器4、位相検波回路5、ローパスフィルタ6、コンパレータ7、演算回路8a、閾値回路8b、制御回路9を備える。第1の発振回路1aは、周波数faの送波信号を発振し、第2の発振回路1bは、送波信号と異なる周波数fbの基準信号を発振する。送波器3は、第1の発振回路1aから出力される送波信号を受けて監視空間に超音波を送波し、受波器4は、超音波が監視空間に存在する物体Oに反射して生じる反射波を受波して受波信号を出力する。位相検波回路5は、送波信号又は基準信号の何れか一方の信号と受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る。周波数選択回路2は、位相検波回路5に入力される送波信号及び基準信号を切り換える。ローパスフィルタ6は、位相検波回路5が出力するドップラー信号から不要な高調波成分を除去する。コンパレータ7は、ローパスフィルタ6から出力されるドップラー信号を所定の基準値と比較することで2値信号に変換する。演算回路8aは、コンパレータ7から出力される2値信号を演算処理し、閾値回路8bは、演算回路8aの演算結果に基づいて監視空間における物体Oを検知して検出信号を出力する。制御回路9は、移動体Oを検出する移動体検出モード及び装置が正常に動作しているか否かを検出する異常検出モードを有し、移動体検出モードでは送波信号を位相検波回路5に入力するとともに異常検出モードでは基準信号を位相検波回路5に入力するように周波数選択回路2を制御する。
【0003】
制御回路9が移動体検出モードで動作する場合、第1の発振回路1aからの周波数faの送波信号を受けて送波器3から同周波数の超音波が監視空間に送波され、監視空間内に存在する物体Oに超音波が反射して生じる周波数f'aの反射波を受波器4で受波し、同周波数の受波信号を位相検波回路5に出力する。位相検波回路5は、第1の発振回路1aから周波数選択回路2を介して出力される送波信号と受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を出力する。位相検波回路5から出力されたドップラー信号は、ローパスフィルタ6において不要な高調波成分が除去された後にコンパレータ7で2値信号に変換され、該2値信号は演算回路8aに出力される。演算回路8aでは、2値信号を演算処理して物体Oの移動速度を求め、得られた移動速度が所定値を超えた場合に監視空間内に移動体Oが存在すると閾値回路8bにおいて判断して検出信号を出力する。
【0004】
ここで、移動体検出モードにおいて物体Oが監視空間に存在しない、若しくは物体Oが静止している場合には、位相検波回路5で混合される受波信号及び送波信号の周波数が同一であるためにドップラー信号を得ることができない。そこで、上記従来例では、制御回路9を異常検出モードで動作させ、送波信号と異なる周波数fbの基準信号を位相検波回路5に入力するように周波数選択回路2を制御する。それにより、位相検波回路5において互いに異なる周波数の信号を混合して擬似ドップラー信号を得て、擬似ドップラー信号を演算回路8aで演算処理した結果を所定の閾値と比較することで装置が正常に動作しているか否かを検出することができる。すなわち、擬似ドップラー信号の演算結果が所定の閾値と一致する場合には装置が正常に動作していると判断でき、擬似ドップラー信号の演算結果が所定の閾値と一致しない場合には、装置を構成する回路の何れかの箇所で断線等の異常があると判断できる。
【0005】
なお、この従来例では第1の発振回路1a、第2の発振回路1b、周波数選択回路2、演算回路8a、閾値回路8b、制御回路9がマイコンで構成され、マイコンにおいてプログラムを実行することで上記各回路の機能が実現されている。したがって、マイコンに組み込まれたタイマ機能を利用することで第1及び第2の発振回路1a,1b、並びに周波数選択回路2が実現できるので、ハードウェアを大幅に変更せずにソフトウェアを変更するだけで上記の異常検出機能を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−281890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例では異常検出機能を実現するために発振周波数が異なる2つの発振回路1a,1bが必要となる。あるいは、発振回路1a,1b等がマイコンで実現される場合、周波数が異なる2つの信号(送波信号と基準信号)を出力するためにマイコンに搭載されている複数のタイマのうちの2つのタイマが占有されてしまう。
【0008】
このように特許文献1記載の従来例では、同一機能のハードウェア(発振回路1a,1bあるいはマイコンのタイマ)が複数必要であるため、異常検出機能の追加に伴ってコストが上昇したり、装置の大型化を招くといった問題の生じる虞がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、コスト上昇や大型化を抑制しつつ異常検出機能を追加することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の移動体検出装置は、所定周波数の発振信号を出力する発振手段と、前記発振手段から出力する発振信号により振幅が周期的に変化する連続エネルギ波を監視空間に送波する送波手段と、前記連続エネルギ波が前記監視空間に存在する物体に反射して生じる反射波を受波して受波信号を出力する受波手段と、前記発振信号と受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る位相検波手段と、前記ドップラー信号を信号処理して前記監視空間における移動体を検知して検出信号を出力する検知手段と、前記各手段を制御し、移動体を検出する移動体検出モードと異常発生の有無を検出する異常検出モードを択一的に切り換える制御手段とを備え、前記制御手段は、前記移動体検出モードにおいては前記発振信号を前記送波手段と前記位相検波手段にそれぞれ入力させて前記位相検波手段から前記発振信号と前記受波信号の周波数差に応じたドップラー信号を出力させ、前記異常検出モードにおいては前記発振信号を前記位相検波手段のみに入力させたときの前記位相検波手段の出力と、前記発振信号を前記送波手段と前記位相検波手段にそれぞれ入力させたときの前記位相検波手段の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することを特徴とする。
【0011】
この移動体検出装置において、前記制御手段は、前記異常検出モードにおいて、前記発振信号を前記送波手段と前記位相検波手段にそれぞれ入力させているときの前記位相検波手段の出力と、前記送波手段への前記発振信号の入力を停止させて前記位相検波手段のみに前記発振信号を入力させたときの前記位相検波手段の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することが好ましい。
【0012】
この移動体検出装置において、前記位相検波手段は、前記発振信号と前記受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る第1位相検波ブロックと、前記発振信号の位相が移相手段によってシフトされた第2発振信号と前記受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る第2位相検波ブロックとを有することが好ましい。
【0013】
この移動体検出装置において、前記移相手段は、前記発振信号と前記第2発振信号の位相差が略π/2となるように位相をシフトすることが好ましい。
【0014】
この移動体検出装置において、前記制御手段は、前記異常検出モードにおいて、前記第1位相検波ブロックの出力と第2位相検波ブロックの出力の二乗和を求め、前記二乗和を比較することで異常発生の有無を検出することが好ましい。
【0015】
この移動体検出装置において、前記制御手段は、前記異常検出モードにおいて、前記位相検波手段のみに前記発振信号を入力させたときの前記位相検波手段の出力と、前記位相検波手段に前記発振信号及び前記受波信号の何れも入力させないときの前記位相検波手段の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することが好ましい。
【0016】
この移動体検出装置において、前記発振手段はマイコンで構成され、前記マイコンに搭載されているタイマを用いて前記発振信号を発振させることが好ましい。
【0017】
この移動体検出装置において、前記制御手段は、前記移動体検出モードに切り換える前に前記異常検出モードにおける異常検出の処理を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の移動体検出装置は、コスト上昇や大型化を抑制しつつ異常検出機能を追加することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る移動体検出装置を示し、(a)はブロック図、(b)はミキサの回路図である。
【図2】従来例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係る移動体検出装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では、従来例と同様に連続エネルギ波として超音波を用いているが、超音波の代わりに電波を用いる場合においても本発明の技術思想が適用可能である。また、従来例と共通の機能を有する構成要素には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0021】
本実施形態の移動体検出装置は、図1(a)に示すように発振回路1、送波器3、受波器4、位相検波部10、移動体判定部11、移相回路12、制御部13を備える。発振回路1は、数十キロヘルツの発振信号を2つの出力端より各別に出力することができる。送波器3は、発振回路1の他方の出力端から出力される発振信号を受けて発振周波数(数十キロヘルツ)に等しい周波数の超音波を監視空間に送波する。受波器4は、監視空間から到来する超音波を受波して電気信号(受波信号)に変換し、変換した受波信号を位相検波部10に出力する。移相回路12は、発振信号の位相をπ/2だけシフトさせるものである。なお、移相回路12で位相シフトされた発振信号を第2発振信号と呼ぶことにする。
【0022】
位相検波部10は、ミキサ20、フィルタ21、増幅回路22からなる第1位相検波ブロックと、ミキサ30、フィルタ31、増幅回路32からなる第2位相検波ブロックとを有する。ミキサ20は、発振信号と受波信号を混合(乗算)することにより、2つの信号の周波数の差と和の成分(信号)を出力する。同様にミキサ31は、第2発振信号と受波信号を混合(乗算)することにより、2つの信号の周波数の差と和の成分(信号)を出力する。ミキサ20,30は、例えば、図1(b)に示すように受波信号から直流成分をカットするコンデンサC1、コンデンサC1の出力側に抵抗Rを介してコレクタが接続され且つエミッタが接地されたnpn型のバイポーラトランジスタTRからなる。そして、バイポーラトランジスタTRのベースに発振信号(又は第2発振信号)が入力され、抵抗RとコンデンサC1の接続点から混合された2種類の信号(周波数差成分と周波数和成分)が出力される。
【0023】
フィルタ21,31はローパスフィルタからなり、ミキサ20,30から出力される2種類の信号のうちで発振信号と受波信号及び第2発振信号と受波信号の周波数差成分の信号(ドップラー信号)のみを通過させる。増幅回路22,32は、フィルタ21,31を通過したドップラー信号を増幅する。なお、図1(a)では図示を省略しているが、フィルタ21,31と増幅回路22,32との間に直流カット用のコンデンサC2が挿入されている。
【0024】
移動体判定部11は、増幅回路22,32で増幅されたドップラー信号の信号レベルが移動成分によるものと判定したときに監視空間に移動体Oが存在すると判断(検知)して検出信号を出力する。なお、移動体判定部11から出力される検出信号は、例えば、自動車のECU(電子制御装置)に送られ、ECUが警報音(クラクション音)を鳴動させるなどして車内への不審者の侵入を報知する。
【0025】
制御部13は、各部及び各回路を制御し、移動体を検出する移動体検出モードと異常発生の有無を検出する異常検出モードを択一的に切り換える。移動体検出モードにおいて、制御部13は発振回路1から送波器3と位相検波部10のそれぞれに発振信号を入力させ、位相検波部10から出力されるドップラー信号によって移動体判定部11に移動体を検出させる。
【0026】
ここで、自動車の車内のように密閉された空間では窓ガラスやドアなどの静止物に反射された超音波(反射波)が受波器4で受波されたり、さらに、送波器3から送波される超音波の一部が直接受波器4で受波される。そして、監視空間に移動体が存在しなければ、受波信号の周波数が発振信号(送波信号)の周波数に一致し、発振信号(又は第2発振信号)と受波信号の周波数差の成分がゼロとなる。故に、フィルタ21,31からは発振信号(又は第2発振信号)と受波信号の位相差に応じた直流成分の信号のみが出力される。つまり、送波器3又は受波器4の少なくとも一方が故障して動作しない場合、ミキサ21,31から出力される信号は発振信号(又は第2発振信号)の位相のみに応じたレベルの直流信号となる。なお、この直流信号は、移動体検出モードにおいては不要な信号であるためにコンデンサC2でカットされる。しかしながら、ミキサ20,30に入力される信号の位相差が変化してフィルタ21,31から出力される信号のレベルが変化したときには、レベル変化に応じた信号が増幅回路22,32から出力されることになる。
【0027】
したがって、発振信号を位相検波部10のみに入力させたときの位相検波部10の出力と、発振信号を送波器3と位相検波部10にそれぞれ入力させたときの位相検波部10の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することができる。
【0028】
そこで、異常検出モードにおける制御部13は、まず、発振信号を位相検波部10のみに入力させたときの位相検波部10の出力を移動体判定部11から取得する。さらに、位相検波部10の出力変化が落ち着いた後、制御部13は、発振信号を送波器3と位相検波部10にそれぞれ入力させたときの位相検波部10の出力を移動体判定部11から取得し、先に取得していた出力との間で信号レベルの比較を行う。そして、信号レベルの変化(差分)が所定のしきい値を超えていれば、送波器3及び受波器4に異常なしと判断され、信号レベルの変化がしきい値未満であれば、送波器3又は受波器4に異常有りと判断される。あるいは、発振信号を送波器3と位相検波部10にそれぞれ入力させているときの位相検波部10の出力と、送波器3への発振信号の入力を停止させて位相検波部10のみに発振信号を入力させたときの位相検波部10の出力とを比較しても構わない。なお、制御部13は異常有りと判断したら、異常検出信号を外部(例えば、自動車のECUなど)に出力する。
【0029】
上述のように本実施形態は、従来例とは異なり、1種類の発振信号のみで異常発生の有無を検出することができるので、コスト上昇や大型化を抑制しつつ異常検出機能を追加することができる。また、本実施形態では発振信号と第2発振信号との間にπ/2の位相差が設定されている。そのため、何れか一方の位相検波ブロックに入力される発振信号と受波信号の位相差がゼロになっても、他方の位相検波ブロックに入力される発振信号と受波信号の位相差はゼロにならず、確実に異常発生を検出することができる。なお、発振信号と第2発振信号との位相差は必ずしもπ/2である必要は無いが、π/2とすることで最小(2つ)の位相検波ブロックでも異常発生の有無を確実に検出することができる。
【0030】
また、第1位相検波ブロック又は第2位相検波ブロックの何れか一方の出力のみで異常発生の有無を検出することも可能である。しかしながら、異常検出モードにおいて各ブロックの出力の二乗和を求め、二乗和を比較することで異常発生の有無を検出すれば、より確実に異常発生の有無を検出することができる。
【0031】
ところで、制御部13は、異常検出モードにおいて、位相検波部10のみに発振信号を入力させたときの位相検波部10の出力と、位相検波部10に発振信号及び受波信号の何れも入力させないときの位相検波部10の出力とを比較しても構わない。すなわち、受波信号が入力されない状態でミキサ20,30のバイポーラトランジスタTRのベースに発振信号(又は体2発振信号)が入力されると、発振信号に応じてミキサ20,30から出力される直流電圧のレベルが変化する。したがって、受波信号が入力されず且つ発振信号のみが位相検波部10に入力されるときと入力されないときの位相検波部10の出力を制御部13で比較することにより、位相検波部10における異常発生(故障)の有無を検出することができる。
【0032】
なお、制御部13は、移動体検出モードに切り換える前に異常検出モードにおける異常検出の処理を行うことが好ましい。つまり、本実施形態は自動車の駐車中に移動体を検出するので、運転者が自動車を駐車して降車した後、移動体検出モードで移動体の検出処理を実行する前に異常検出モードで異常発生検出の処理を行うことで移動体の検出ミスを減らすことができる。
【0033】
また本実施形態も従来例と同様に、発振回路1、位相検波部10、移動体判定部11、移相回路12、制御部13をマイコンで構成し、マイコンが所定のプログラムを実行することで各機能を実現させることができる。つまり、マイコンに搭載されているタイマを用いて発振信号を発振させることができるが、従来例のように発振信号を発振させるために複数のタイマが占有されることがない。故に、従来例では、異常発生の有無を検出するためにタイマ数が多いマイコンに変更しなければならない場合があったが、本実施形態ではマイコンを変更せずに異常発生の有無が検出できる可能性が高くなる。
【符号の説明】
【0034】
1 発振回路(発振手段)
3 送波器(送波手段)
4 受波器(受波手段)
10 位相検波部(位相検波手段)
11 移動体判定部(検知手段)
13 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定周波数の発振信号を出力する発振手段と、前記発振手段から出力する発振信号により振幅が周期的に変化する連続エネルギ波を監視空間に送波する送波手段と、前記連続エネルギ波が前記監視空間に存在する物体に反射して生じる反射波を受波して受波信号を出力する受波手段と、前記発振信号と受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る位相検波手段と、前記ドップラー信号を信号処理して前記監視空間における移動体を検知して検出信号を出力する検知手段と、前記各手段を制御し、移動体を検出する移動体検出モードと異常発生の有無を検出する異常検出モードを択一的に切り換える制御手段とを備え、前記制御手段は、前記移動体検出モードにおいては前記発振信号を前記送波手段と前記位相検波手段にそれぞれ入力させて前記位相検波手段から前記発振信号と前記受波信号の周波数差に応じたドップラー信号を出力させ、前記異常検出モードにおいては前記発振信号を前記位相検波手段のみに入力させたときの前記位相検波手段の出力と、前記発振信号を前記送波手段と前記位相検波手段にそれぞれ入力させたときの前記位相検波手段の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することを特徴とする移動体検出装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記異常検出モードにおいて、前記発振信号を前記送波手段と前記位相検波手段にそれぞれ入力させているときの前記位相検波手段の出力と、前記送波手段への前記発振信号の入力を停止させて前記位相検波手段のみに前記発振信号を入力させたときの前記位相検波手段の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することを特徴とする請求項1記載の移動体検出装置。
【請求項3】
前記位相検波手段は、前記発振信号と前記受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る第1位相検波ブロックと、前記発振信号の位相が移相手段によってシフトされた第2発振信号と前記受波信号とを混合することで両信号の周波数差に応じたドップラー信号を得る第2位相検波ブロックとを有することを特徴とする請求項1又は2記載の移動体検出装置。
【請求項4】
前記移相手段は、前記発振信号と前記第2発振信号の位相差が略π/2となるように位相をシフトすることを特徴とする請求項3記載の移動体検出装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記異常検出モードにおいて、前記第1位相検波ブロックの出力と第2位相検波ブロックの出力の二乗和を求め、前記二乗和を比較することで異常発生の有無を検出することを特徴とする請求項3又は4記載の移動体検出装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記異常検出モードにおいて、前記位相検波手段のみに前記発振信号を入力させたときの前記位相検波手段の出力と、前記位相検波手段に前記発振信号及び前記受波信号の何れも入力させないときの前記位相検波手段の出力とを比較することで異常発生の有無を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の移動体検出装置。
【請求項7】
前記発振手段はマイコンで構成され、前記マイコンに搭載されているタイマを用いて前記発振信号を発振させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の移動体検出装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記移動体検出モードに切り換える前に前記異常検出モードにおける異常検出の処理を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の移動体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−79855(P2013−79855A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219786(P2011−219786)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】