説明

移動体通信端末

【課題】WEBコンテンツの要約情報が更新されているか否かをチェックするような制御を行っていないサーバからRSSフィードを受信した場合でも、利用者に要約情報が更新された旨の誤報知を抑制することができる移動体通信端末を提供する。
【解決手段】サーバから取得したRSSフィードのチャンネル要素やアイテム要素に記述されている更新日情報に基づいて、取得したRSSフィードが更新されているか否かを判断している。これにより、キャッシュ機能を用いたHTTP処理に対応してないWEBサーバから、更新されてない要約情報のRSSフィードを受信したときに、要約情報が更新された旨を利用者に誤報知してしまうのを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク上のサーバから提供されるコンテンツの要約情報を取得可能な携帯電話機等の移動体通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、WEBコンテンツの要約情報を移動体通信端末たる携帯電話機で受信して表示するソフトウェアが記載されている。このWEBコンテンツの要約情報のデータは、携帯電話機からの取得要求に応じてRSSと呼ばれるフォーマットで送信される。このRSSは、WEBサーバ(WEBサイト)で提供されるWEBコンテンツの見出し、要約、更新情報等のメタデータを構造化して記述するXML(Extensible Markup Language)ベースのフォーマットである。RSSはいくつかのバージョン(RSS0.9X, RSS1.0, RSS2.0, Atom)が存在し、バージョンごとに「Rich Site Summary」、「Really Simple Syndication」、「RDF Site Summary」という正式名称で呼ばれている。このRSSフォーマットで記述された文書は「RSSフィード」と呼ばれ、上記RSSフィードを受信して表示するソフトウェアは「RSSリーダ」と呼ばれている。WEBコンテンツが更新されると、携帯電話機からの取得要求に応じて、更新後のWEBコンテンツの要約情報を反映したRSSフィードが携帯電話機に送信される。
【0003】
【非特許文献1】「携帯ポータルアプリ」、[online]、QUEST-COM株式会社、[2006年3月3日検索]、インターネット(URL:http://rsseye.qusco.cc/)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来からWEBコンテンツ情報を取得するために、WEBブラウザが用いられている。WEBブラウザは、ホームページの表示速度を向上させたり、インターネット上のトラフィックを軽減させたりするため、次のようなHTTP通信処理を行っている。すなわち、一度参照した接続先情報としてのURI(Uniform Resource Identifier)と接続先のコンテンツ情報とをメモリに記憶しておくキャッシュ機能を持っておく。そして、WEBブラウザは、コンテンツ情報取得要求時にサーバにコンテンツ情報の更新の有無を指示する指示情報たるIf-Modified-Sinceヘッダを取得要求(HTTPリクエスト)に付加してサーバへ送信する。サーバは、取得要求にIf-Modified-Sinceヘッダが付加されていた場合、If-Modified-Sinceヘッダで指定された日付以降に取得要求先のコンテンツ情報の更新がなされているか否かをチェックする。コンテンツ情報の更新がなされていない場合は、サーバは、取得応答(HTTPレスポンス)のStatus-Codeにコンテンツ情報の更新がなされていない旨を示すコード(304 Not Modified)を送信する。WEBブラウザは、サーバ側からコンテンツ情報の更新がなされていない旨を示すStatus-Code(304 Not Modified)を受信した場合、上記キャッシュメモリに記憶されているコンテンツ情報を表示する。
一方、コンテンツ情報の更新がなされている場合、サーバは、Status-Code:200 OKで、更新されたコンテンツ情報を送信する。WEBブラウザは、受信したコンテンツ情報をキャッシュメモリに記憶して、受信したコンテンツ情報を表示する。
【0005】
上記RSSリーダも、インターネット上のトラフィックを軽減させるために上述のキャッシュ機能を用いたHTTP通信処理を用いて、RSSフィードの取得要求をしていた。すなわち、取得要求にIf-Modified-Sinceヘッダを付加して送信し、更新がなされたRSSフィードのみサーバから受信するようにしたのである。そして、RSSフィードをWEBサーバから受信したら、未読の旨を示すピクト画像を表示するなどして、利用者に要約情報が更新された旨を報知していた。
【0006】
しかし、If-Modified-Sinceヘッダを受信したときに取得要求先のコンテンツ情報の更新がなされているか否かをチェックするような制御をサーバ側が行っていない場合は、取得要求にIf-Modified-Sinceを付加しても、更新されてないRSSフィードをサーバは送信する。このため、携帯電話機は、更新されてないRSSフィードを受信する場合がある。その結果、実際は、RSSフィードが更新されていないにもかかわらず、RSSフィードが更新されたと判断して、利用者に要約情報が更新された旨を誤報知してしまう問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コンテンツの要約情報の更新がなされているか否かをチェックするような制御を行っていないサーバから要約情報を受信した場合でも、利用者に要約情報が更新された旨の誤報知を抑制することができる移動体通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、通信ネットワーク上のサーバから提供されるコンテンツの要約情報を要求する取得要求を前記サーバに送信することにより前記要約情報を取得する取得手段を備えた移動体通信端末において、前記取得手段で取得した要約情報内に記述された更新日情報に基づいて、前記取得した要約情報が更新されたか否かを判断する判断手段と、前記判断手段で前記要約情報が更新されたと判断した場合にその旨を報知する報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の移動体通信端末において、前記サーバから提供されるコンテンツについて受信した要約情報の取得応答のヘッダに該要約情報の更新日情報が記述されている場合には、その更新日情報を、該サーバでの該要約情報の更新確認に用いられるように該要約情報の次回取得時における取得要求のヘッダに記述することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の移動体通信端末において、前記サーバから提供されるコンテンツについて受信した要約情報の取得応答のヘッダに該要約情報のバージョン情報が記述されている場合には、そのバージョン情報を、該サーバでの該要約情報の更新確認に用いられるように該要約情報の次回取得時における取得要求のヘッダに記述することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の移動体通信端末において、前記要約情報は、WEBコンテンツの見出し情報、要約情報および更新情報であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至4の発明によれば、サーバから取得した要約情報内に記述された更新日情報に基づき、その要約情報が更新されていると判断した場合にその旨を報知する。これにより、コンテンツの要約情報の更新がなされているか否かをチェックするような制御を行っていないサーバから要約情報を受信した場合でも、利用者に要約情報が更新された旨の誤報知を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態に係る通信システム全体の概略構成の一例を示す説明図である。この通信システムは、移動体通信端末としての携帯電話機10と、移動体通信事業者によって管理されている通信ネットワークとしての携帯電話通信網20とを用いて構成されている。携帯電話通信網20は、基地局201や図示しない交換機(回線交換機、パケット交換機)等を備え、図示しないゲートウェイサーバを介してインターネット30等の他の通信ネットワークに接続されている。また、携帯電話通信網20及びインターネット30には、WEBコンテンツを提供するWEBサーバ41が接続されている。WEBサーバ41は、各種WEBコンテンツのほか、そのWEBコンテンツの要約情報も提供する。また、WEBサーバ41は携帯電話通信網20側に設けてもよい。これらのサーバから携帯電話機10にコンテンツをダウンロードするときには、ネットワークの各階層において所定の通信プロトコルが用いられる。例えば、WEBサーバからWEBページをダウンロードするときのアプリケーション層の通信プロトコルとしては、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)が用いられる。
【0011】
図2は、上記WEBサーバ41のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。このWEBサーバ41は、システムバス400、CPU401、内部記憶装置、外部記憶装置404、入力装置405、出力装置406、及びインターネット用通信装置407を備えている。上記内部記憶装置は、RAM402やROM403等で構成されている。上記外部記憶装置は、ハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ等で構成されている。上記入力装置405は、マウスやキーボード等で構成されている。上記出力装置406は、ディスプレイやプリンタ等で構成されている。上記通信装置407は、所定の通信プロトコルにより、携帯電話通信網20を介して他の携帯電話機や他のサーバと通信したり、インターネット30上の各種クライアント端末や他のサーバと通信したりするための装置である。
【0012】
上記CPU401やRAM402等の構成要素はお互いに、システムバス400を介して、データやプログラムの命令等のやり取りを行っている。このサーバ41を所定の手順に従って動作させるためのプログラムはROM403や外部記憶装置404に記憶されており、必要に応じてCPU401やRAM402上の作業エリアに呼び出されて実行される。
【0013】
また、上記WEBサーバ41はそれぞれ一部又は全体を専用の制御装置として構成してもいいし、一部又は全体を汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、WEBサーバ41はそれぞれ、1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。
【0014】
図3は、WEBサーバ41の構成例を示す機能ブロック図である。WEBサーバ41は、記憶手段415と受信手段416と送信手段417とを備えている。このWEBサーバ41は、CPU等からなるハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、上記各手段の機能を実現している。上記記憶手段415は、上記内部記憶装置や外部記憶装置で構成され、携帯電話機10で受信可能な各種WEBコンテンツのデータや、そのWEBコンテンツの要約情報のデータを記憶している。上記受信手段416は、上記CPU401や通信装置407等で構成され、上記記憶手段415に記憶されている複数種類のWEBコンテンツやそのWEBコンテンツの要約情報を要求する取得要求を携帯電話機10から受信する。上記送信手段417は、上記CPU401や通信装置407等で構成され、上記取得要求に基づいて選択されたWEBコンテンツのデータや、そのWEBコンテンツの要約情報のデータを移動体通信端末10に送信する。
【0015】
上記WEBコンテンツの要約情報のデータは、RSSのフォーマットで携帯電話機へ送信されており、携帯電話機は、このRSSのフォーマットで記述された文書(RSSフィード)を受信して表示するソフトウェアであるRSSリーダを備えている。WEBコンテンツが更新された場合は、その更新後のWEBコンテンツの要約情報を反映したRSSフィードが作成される。この更新後のRSSフィードが、携帯電話機からの取得要求に応じて送信される。RSSフィードの一例としては、一般ニュース、音楽情報、ブログ、天気予報、CDや映画などの売り上げランキング等のコンテンツの要約や更新情報が挙げられる。
【0016】
図4は携帯電話機10の一構成例を示す外観図であり、図5は、その携帯電話機10のハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。携帯電話機10は、クラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス100、CPU101、RAM102やROM103等の記憶装置、入力装置104、出力装置105及び携帯電話通信網用通信装置106を備えている。CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いに各種データやプログラムの命令等のやり取りを行っている。
【0017】
上記CPU101は、上記記憶装置から所定のプログラムを読み込んで実行することにより、ネイティブ側の電話機プラットフォームの基本ソフト(OS)上で、音声通話機能や、アプリケーションソフト(以下「アプリケーション」という。)による各種機能を実現することができる。このアプリケーションによる機能としては、RSSリーダ、WEBブラウザ、メーラー、外部装置とのデータ送受信、アドレス帳管理、スケジューラ、メモ帳等がある。
【0018】
また、上記CPU101は、上記記憶装置から所定のプログラムを読み込んで実行することにより、ネイティブ側の電話機プラットフォーム上でアプリケーションを実行するためのアプリケーション実行環境を構築することができる。そして、このアプリケーション実行環境上で、携帯電話機10にプリインストールされているアプリケーションや、利用者がダウンロードして登録したアプリケーション等の各種アプリケーションを実行することができる。
【0019】
上記入力装置104は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)11、通話開始キー12、終話キー13、スクロールキー14、多機能キー15、マイク16等から構成されている。この入力装置104のテンキー11、通話開始キー12、終話キー13等により、利用者が操作可能な操作部が構成される。この操作部を操作することにより、利用者は、携帯電話機10に対してコンテンツ取得先のURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、利用者は上記操作部を操作することにより、上記WEBサーバ41から、アプリケーションプログラム等のコンテンツをダウンロードして登録することができる。
【0020】
上記出力装置105は、表示手段である液晶ディスプレイ(LCD)17、音出力手段であるスピーカ18等から構成されている。上記液晶ディスプレイ(LCD)17やスピーカ18等からなる出力装置等で構成されている出力部は、携帯電話通信網20を介して受信したWEBページを液晶ディスプレイ(LCD)17に表示したり、携帯電話通信網20から情報を着信した旨を利用者に知らせたりするときに用いられる。具体的には、その情報を着信すると、出力部の液晶ディスプレイ(LCD)17に着信報知画像を表示したり、スピーカ18から着信音を出力させたりする。なお、上記スピーカ18は、通話中の音声を聞くための受話器用スピーカ(レシーバ)と、着信音や音楽などを出力する外部出力用スピーカとを別々に設けて構成してもいいし、これらの受話器用スピーカ及び外部出力用スピーカを兼用するように一つのスピーカで構成してもよい。
【0021】
上記携帯電話通信網用通信装置106は、変復調器、シンセサイザ、周波数変換器,高周波増幅器などにより構成され、携帯電話通信網20を介して他の携帯電話機や上記サーバ41等と通信するときに用いられる。この携帯電話通信網用通信装置106は、携帯電話通信網20を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話通信網20からゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取り等を行ったりするための通信手段として用いられる。更に、この携帯電話通信網用通信装置106は、携帯電話通信網20を介して、サーバ41が提供する各種コンテンツをダウンロードしたり、現在位置の位置情報を含む配信情報を受信したりする情報受信手段としても用いられる。
【0022】
携帯電話機10は、RSSリーダのほかに、例えば、メディアコンテンツの再生を行うアプリケーションもWEBコンテンツの要約情報であるRSS(RDF Site Summary)フィードを表示する機能を備えている。また、サービス参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広げることを目的に開設されたコミュニティサービス(ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS))を利用するためのアプリケーションなどもWEBコンテンツの要約情報であるRSSフィードを表示する機能を備えている。メディアコンテンツの再生を行うアプリケーションは、音楽情報、CDの売り上げランキング、着うたランキングなどのRSSフィードが表示されるようになっている。また、上記コミュニティサービスを利用するためのアプリケーションは、コミュニティサービス利用者のブログの更新情報などのRSSフィードが表示されるようになっている。
【0023】
図6は、本実施形態に係る携帯電話機10の主要な機能を抽出して示した機能ブロック図である。この携帯電話機10は、通信手段110と表示手段111と記憶手段112と表示制御手段113と更新処理手段114とを有する。
【0024】
上記通信手段110は上記通信装置106等で構成され、HTTP等の所定の通信プロトコルを用いて携帯電話通信網20を介した通信を行う。この通信手段110は、接続情報としてのURI(Uniform Resource Identifier)に基づいて通信ネットワーク上のWEBサーバ41にアクセスし、そのWEBサーバ41から前述のRSSフィードを取得する取得手段として用いられる。また、この取得手段は、所定の時間毎にURI(Uniform Resource Identifier)に基づいて通信ネットワーク上のWEBサーバ41にアクセスし、そのサーバからRSSフィードを自動的に取得できる機能を有している。
【0025】
上記表示手段111は上記ディスプレイ等で構成され、RSSフィードの表示を行うアプリケーションを起動したときに、通信ネットワーク上のWEBサーバ41から受信した前述のRSSフィードを表示することができる。
【0026】
上記記憶手段112は上記RAM102やROM103等の記憶装置により構成され前述のRSSフィードを記憶している。RSSフィードのデータは、フォルダ形式で記憶手段112に保存されている。フォルダは、カテゴリ別に複数設けられており、例えば、RSSが、「ニュース」に関するものの場合は、ニュースカテゴリのフォルダに保存され、「ブログ・日記」に関するものの場合は、ブログのカテゴリのフォルダに保存される。
また、この記憶手段112には、通信手段110が参照可能なキャッシュ領域を設け、このキャッシュ領域に、要約情報を含んだ取得応答のヘッダに記述された更新日情報(Last-Modified)や要約情報のバージョン情報(Etag:Entity tag)を記憶している。このキャッシュ領域に記憶された情報は、キャッシュ機能を用いたHTTP通信処理を行うときに使用される。
【0027】
上記表示制御手段113は上記CPU101等で構成され、前述のRSSフィードを取得して表示するように制御する。また、RSSフィードが未読の場合に、待ち受け画面などのピクト領域に、未読のRSSフィードがある旨のピクト画像を表示するように制御する。
【0028】
上記更新処理手段114は、上記CPU101等により構成され、携帯電話機10の要約情報の取得要求(HTTPリクエスト)に対する取得応答(HTTPレスポンス)の更新日情報に基づいて、取得した要約情報が更新されたか否かを判断する判断手段としての機能を有している。また、更新処理手段114は、取得した要約情報が更新されていると判断したときに要約情報が更新された旨を報知する報知手段としての機能も有している。この場合、更新処理手段114は、例えば、未読のRSSフィードがある旨のピクト画像を表示するように表示制御手段113に指示し、表示手段111に上記ピクト画像を表示させる。上記報知手段の機能としては、スピーカ18から音を出力させたり、振動デバイスを起動させて携帯電話機を振動させたりするようにしてもよい。
【0029】
図7は、要約情報であるRSSフィードの構成要素を示す一例である。図では、RSS0.9、1.0バージョンの構成要素を示している。図に示すように、RSSフィードは、チャンネル要素と、複数のアイテム要素とによって基本的に構成されている。チャンネル要素は、このRSSフィードのタイトルや、概要などの基本情報が記述されている。また、チャンネル要素内には、dc:date要素を記載してもよく、このdc:date要素にはRSSフィードの更新日情報が記述される。アイテム要素は、コンテンツの要約情報や更新情報が記述されており、そのアイテム要素内にも、dc:date要素を記載してもよい。アイテム要素内のdc:date要素には、そのコンテンツ先の更新日情報が記述される。
【0030】
なお、RSSがRSS0.9X, RSS2.0のバージョンの場合、RSSフィードの更新日情報は、チャンネル要素内のpubDate要素もしくはdc:date要素に記述されており、コンテンツの更新日情報は、アイテム要素内のpubDate要素もしくはdc:date要素に記述される。また、RSSが、Atom0.3バージョンの場合、RSSフィードの更新日情報は、フィード要素内のmodified要素もしくはupdate要素に記述され、コンテンツの更新日情報は、エントリー要素内のmodified要素もしくはupdate要素に記述される。
【0031】
図8は、上記RSSリーダ起動時の携帯電話機の画面遷移の一例を示す図である。利用者が携帯電話機のディスプレイ17に表示された図示しないメニュー選択画面から、「RSSリーダ」を選択すると、図8(a)に示すような、カテゴリ選択画面がディスプレイ17に表示される。このカテゴリ選択画面は、上記フォルダと対応しており、例えば、画面の「ニュース」は、ニュースカテゴリのフォルダに対応しており、「ブログ・日記」は、ブログのカテゴリのフォルダに対応している。また、フォルダに保存されたRSSに未読のRSSがある場合は、メニュー選択画面のピクト領域に例えば、図に示すような「NEW」のピクト画像が表示される。
【0032】
利用者が、ニュースのカテゴリを選択すると、図8(b)に示すように、携帯電話機10によってニュースのカテゴリに分類され、ニュースカテゴリのフォルダに保存されたRSSフィードのタイトルリストが表示される。なお、利用者が、図8(a)のテレビのカテゴリを選択した場合は、テレビカテゴリのフォルダに保存されたRSSフィードのタイトルリストが表示され、ブログ・日記のカテゴリを選択した場合は、ブログ・日記のカテゴリのフォルダに保存されたRSSフィードのタイトルリストが表示される。
また、このRSSリスト表示画面においても、未読のRSSがある場合は、このRSSフィードに対応する画面のピクト領域に図に示すような「NEW」のピクト画像を表示する。
【0033】
図8(b)のRSSフィードのタイトルリストから、○×新聞社を選択すると、図8(c)に示すような、○×新聞社が提供しているWEBページの要約情報のタイトル一覧(RSSフィードのアイテムタイトルリスト)が表示される。このWEBページの要約情報のタイトル一覧画面を表示すると、携帯電話機10は、このRSSが既読されたと認識し、上記ピクト画像を消灯させる。また、図中上部のRSSフィードのタイトル(○×新聞社)には、リンクが張られており、利用者が図中上部のRSSフィードのタイトルをクリックすると、例えば、○×新聞社のホームページへアクセスするなど、特定のURIに接続して、特定のWEBページが表示される。
【0034】
利用者が、「○×国の首相来日」の要約情報のタイトルを選択すると、携帯電話機10は、図8(d)に示すように、ディスプレイ17にこの要約情報のタイトルに対応する要約情報を表示する。図中上部の要約情報のタイトル(○×国の首相来日)には、リンクが張られており、利用者が図中上部の要約情報のタイトルをクリックすると、この要約情報に対応するWEBページをWEBサーバ41から取得し、表示する。
【0035】
本実施形態の携帯電話機は、記憶手段113に記憶されたRSSフィードに対して、次のような更新制御を行っている。すなわち、記憶手段113に記憶されたRSSフィードが、更新されているか否かをWEBサーバに定期的に問い合わせている。そして、RSSフィードが更新されている場合は、記憶手段に記憶されたRSSフィードを更新されたRSSフィードに上書きするとともに、RSSフィードが更新された旨をディスプレイに表示したり、音を出力したり、携帯電話機を振動させたりして、RSSフィードが更新された旨を利用者に報知する更新制御である。
【0036】
以下に上述の更新制御について、具体的に説明する。
図9は、RSSフィードの更新制御の制御フロー図である。以下の説明では、RSSのバージョンがRSS0.9、RSS1.0の場合について、説明する。
図に示すように、WEBサーバに対して、RSSフィードの取得要求(HTTPリクエスト)を送信し、WEBサーバからRSSフィードを含んだ取得応答(HTTPレスポンス)を受信して、図7に示すようにRSSフィードのチャンネル要素内に更新日情報(dc:date要素)が記述されているか否かをチェックする(S1)。RSSフィードのチャンネル要素内に更新日情報(dc:date要素)が記述されていない場合は(S1のNO)、図7に示すようにRSSフィードの各アイテム要素内に更新日情報(dc:date要素)が記述されているか否かをチェックする(S2)。そして、RSSフィードのチャンネル要素、RSSフィードのアイテム要素のいずれにも更新日情報がない場合は(S2のNO)、取得したRSSフィードを「更新あり」と判断して、更新処理を行う(S4)。具体的には、記憶手段に記憶されているRSSフィードに取得したRSSフィードを上書きし、RSSリスト表示画面のこのRSSフィードに対応する画面のピクト領域に「NEW」のピクト画像を表示する。また、待ち受け画面のピクト領域に、RSSフィードが更新された旨を示すピクト画像を表示してもよい。さらに、スピーカ18から音を出力したり、振動デバイスを起動させて携帯電話機を振動させたりして、RSSフィードが更新された旨を報知する。
【0037】
一方、HTTPヘッダ、RSSフィードのチャンネル要素、RSSフィードのアイテム要素のいずれかに更新日情報がある場合(S1のYESまたはS2のYES)、取得応答によって取得した更新日情報の更新日が、記憶手段に記憶されているRSSフィードの更新日以降か否かをチェックする(S3)。取得した更新日が、記憶されているRSSフィードの更新日以降の場合(S3のYES)、取得したRSSフィードは、更新されているので、更新制御を行う(S4)。
一方、取得した更新日が、記憶されているRSSフィードの更新日以降でない場合(S3のNO)、取得したRSSフィードは、更新されてないので、取得したRSSフィードを破棄する(S5)。
【0038】
以上のように、本実施形態においては、更新確認をした際にRSSフィードを受信したら、一律に「更新あり」と判断して更新処理を行うのではなく、更新確認をした際に受信したRSSフィードに対して、RSSフィードのチャンネル要素やアイテム要素に記述されている更新日情報に基づいて、取得したRSSフィードが更新されているか否かを判断している。これにより、更新されてないRSSフィードを受信したときに、更新された旨を利用者に誤報知してしまうのを抑制することができる。よって、キャッシュ機能を用いたHTTP処理に対応してないWEBサーバから更新されてないRSSフィードを受信しても、利用者に更新された旨を誤報知してしまうのを抑制することができる。
【0039】
なお、WEBコンテンツの要約情報を提供するWEBサーバの中には、前述のようにキャッシュ機能を用いたHTTP処理に対応しているWEBサーバがある。かかるWEBサーバから要約情報を取得する場合は、携帯電話通信網のトラフィックの負荷増大を防止すべく、前回の取得時に得られた要約情報の更新日情報やバージョン情報を取得要求(HTTPリクエスト)のヘッダに記述するようにしてもよい。前回の取得時に取得応答のLast-Modifiedヘッダの値として得られた更新日情報は、次回の取得要求のIf-Modified-Sinceヘッダの値として記述される。また、前回の取得時に取得応答のE-tagヘッダ項目の値として得られたバージョン情報は、次回の取得要求のIf-None-Matchヘッダ項目の値として記述される
【0040】
図10は、RSSフィードの更新制御の変形例を示す制御フロー図である。
図に示すように、まず、記憶手段112のキャッシュ領域にRSSフィードのLast-Modified(更新日)が保存されているか否かをチェックする(S11)。Last-Modified(更新日)がある場合は(S11のYES)、If-Modified-Sinceヘッダを用いた更新問い合わせを行い(S12)、WEBサーバからの取得応答(HTTPレスポンス)のStatus-Codeが304(Not-Modified)の場合は(S13のYES)、RSSフィードが更新されてないので、そのまま終了する。
【0041】
一方、Last-Modified(更新日)がない場合は(S11のNO)、記憶手段112のキャッシュ領域にRSSフィードのETag(バージョン情報)が保存されているか否かをチェックする(S14)。ETag(バージョン情報)がある場合は(S14のYES)、If-None-Matchヘッダを用いた更新問い合わせを行い(S15)、WEBサーバからの取得応答(HTTPレスポンス)のStatus-Codeが304(Not-Modified)の場合は(S16のYES)、RSSフィードが更新されてないので、そのまま終了する。
【0042】
また、上記Last-Modified(更新日)及びETag(バージョン情報)のいずれも記憶されてない場合は(S14のNO)、更新処理を行うRSSフィードは、キャッシュ機能を用いたHTTP処理に対応していないWEBサーバから取得したRSSフィードであるので、WEBサーバに対して取得要求を送信して(S17)、RSSフィードを受信する(S18)。
【0043】
次に、If-Modified-Sinceヘッダを用いた更新問い合わせやIf-None-Matchヘッダを用いた更新問い合わせなどを行った結果、Status-Codeが200(OK)(S13のNO、S16のNO)で、RSSフィードを受信したら(S18)、取得応答(HTTPレスポンス)のHTTPヘッダに、Last-Modified(更新日)が記述されているか否かをチェックする(S19)。Last-Modified(更新日)がある場合は(S19のYES)、キャッシュ機能を用いたHTTP処理が行われているので、更新処理を実行する(S24)。
【0044】
また、取得応答(HTTPレスポンス)のヘッダに、ETag(バージョン情報)が記述されている場合も(S20のYES)、キャッシュ機能を用いたHTTP処理が行われているので、更新処理を実行する(S24)。
【0045】
一方、取得応答(HTTPレスポンス)のHTTPヘッダに、Last-Modified(更新日)やETag(バージョン情報)が記述されていない場合は(S19のNO、S20のNO)、キャッシュ機能を用いたHTTP処理が行われていない。よって、前述の図9の場合と同様に、取得したRSSフィード内のチャンネル要素またはアイテム要素に記述された更新日情報に基づいて、取得したRSSフィードが更新されたRSSフィードか否かの判断を行う(S21〜S23)。更新されていないRSSフィードを受信したと判断した場合は(S23のNO)、受信したRSSフィードを破棄する(S25)。一方、更新されたRSSフィードを受信したと判断した場合は(S22のNO、S23のYES)、要約情報が更新されている旨を知らせる更新報知処理を実行する(S24)。
【0046】
このように、キャッシュ機能を用いたHTTP処理に対応したWEBサーバに対しては、If-Modified-SinceヘッダやIf-None-Matchヘッダを用いて、サーバに対して前回RSSフィードを取得したときから更新されたRSSフィードのみを送信するように指示する。これにより、RSSフィードが更新されてない場合、サーバは、RSSフィードを送信しない。よって、更新確認をするたびにRSSフィードが送信されるものに比べて、携帯電話機網のトラフィックを低減することができる。
【0047】
なお、上述では、RSSがRSS0.9, RSS1.0のバージョンの場合について説明したが、これに限られず、RSS0.9X, RSS2.0, Atom0.3のバージョンにも適用することができる。RSSのバージョンがRSS0.9X, RSS2.0の場合は、チャンネル要素内の更新日情報および各アイテム要素内の更新日情報は、それぞれの要素内のpubDate要素もしくはdc:date要素をチェックする。また、RSSのバージョンがAtom0.3の場合は、フィード要素内のmodified要素もしくはupdate要素、および、一番初めのエントリー要素内のmodified要素もしくはupdate要素をチェックする。
【0048】
また、本発明は、携帯電話機に限定することなく、表示手段を備えたものであれば様々な移動体通信端末に適用することができる。すなわち、本発明における「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)方式の一つであるTD−SCDMA(MC:Multi Carrier)方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機、固定電話機等の通話機能を有する電話機が挙げられる。また、この「移動体通信端末」としては、上記電話機のほか、通話機能を有するPDA(Personal Digital Assistance)等の通信端末も挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成図。
【図2】WEBサーバのハードウェア構成のブロック図。
【図3】WEBサーバの機能ブロック図。
【図4】携帯電話機の外観図。
【図5】携帯電話機のハードウェア構成のブロック図。
【図6】携帯電話機の機能ブロック図。
【図7】RSSフィードの構成要素の一例を示す図。
【図8】(a)〜(d)はRSSリーダ起動時の携帯電話機の画面遷移の一例を示す図。
【図9】RSSフィードの更新制御の制御フロー図。
【図10】RSSフィードの更新制御の変形例を示す制御フロー図。
【符号の説明】
【0050】
10 携帯電話機
20 携帯電話通信網
30 インターネット
41 WEBサーバ
110 通信手段(取得手段)
111 表示手段
112 記憶手段
113 表示制御手段
114 更新処理手段
415 記憶手段
416 受信手段
417 送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上のサーバから提供されるコンテンツの要約情報を要求する取得要求を前記サーバに送信することにより前記要約情報を取得する取得手段を備えた移動体通信端末において、
前記取得手段で取得した要約情報内に記述された更新日情報に基づいて、前記取得した要約情報が更新されたか否かを判断する判断手段と、前記判断手段で前記要約情報が更新されたと判断した場合にその旨を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体通信端末において、
前記サーバから提供されるコンテンツについて受信した要約情報の取得応答のヘッダに該要約情報の更新日情報が記述されている場合には、その更新日情報を、該サーバでの該要約情報の更新確認に用いられるように該要約情報の次回取得時における取得要求のヘッダに記述することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の移動体通信端末において、
前記サーバから提供されるコンテンツについて受信した要約情報の取得応答のヘッダに該要約情報のバージョン情報が記述されている場合には、そのバージョン情報を、該サーバでの該要約情報の更新確認に用いられるように該要約情報の次回取得時における取得要求のヘッダに記述することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の移動体通信端末において、
前記要約情報は、WEBコンテンツの見出し情報、要約情報および更新情報であることを特徴とする移動体通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−299273(P2007−299273A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127743(P2006−127743)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】