説明

移動式タグを利用した拡張現実提供装置及び方法

【課題】移動式タグを利用した拡張現実提供装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、有線/無線通信網を通じてサーバと接続可能な端末での移動式タグを利用した拡張現実提供方法であって、タグ生成が要求されることによって、生成するタグの内容を作成する段階と、生成するタグの位置情報を設定する段階と、生成されたタグが移動式タグである場合、作成されたタグの位置情報を変更可能な状態に設定し、タグの移動情報を設定する段階と、タグの内容、位置情報及び移動設定情報を含む移動式タグ情報をサーバに伝送する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張現実提供システムに係り、より詳細には、現実に存在する客体についての情報であるタグを利用した拡張現実提供装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実(augmented reality、AR)とは、現実の環境に仮想の事物や情報を合成して、元の環境に存在する事物のように見せるコンピュータグラフィックス技法を言う。
【0003】
拡張現実は、仮想の空間と事物のみを対象とする既存の仮想現実とは異なって、現実世界をベースに仮想の事物を合成して、現実世界のみでは得にくい付加的な情報等を補強して提供することを特徴とする。このような特徴のために、拡張現実は、単純にゲームのような分野に限定された適用が可能な既存の仮想現実とは異なって、多様な現実環境における応用が可能であり、特に、ユビキタス環境に適した次世代ディスプレイ技術として脚光を浴びている。
【0004】
例えば、観光客がロンドンの街でカメラとGPSセンサなど多様な技術が搭載されている携帯電話のカメラなどを特定方向に示すと、現在移動中である街に位置する飲食店やセールを実施中の商店についての情報等の拡張現実情報を実際の街の映像と重畳して携帯電話の画面にディスプレイする方法が挙げられる。
【0005】
ところが、このような従来技術においては、移動通信端末機が拡張現実サービスを実行する場合、端末機のカメラの撮影方向と範囲とに符合する撮影映像に含まれる客体(オブジェクト)に関連した情報である固定式タグ情報のみを提供していた。すなわち、従来技術においては、撮影映像に含まれない客体についてのタグ情報は提供することができないという限界があった。したがって、従来は、ユーザが特定のタグ情報を得るためには、タグを提供可能な撮影場所に移動しなければならず、不便であるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ユーザの位置に関係なく提供可能な移動式タグを利用した拡張現実提供装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、有線/無線通信網を通じてサーバと接続可能な端末での移動式タグを利用した拡張現実提供方法であって、タグの生成を要求されると、生成するタグの内容を作成する段階と、前記生成するタグの位置情報を設定する段階と、前記生成するタグが移動式タグである場合、前記生成するタグの位置情報を変更可能な状態に設定し、タグの移動情報を設定する段階と、前記タグの内容、位置情報及び移動設定情報を含む移動式タグ情報をサーバに伝送して登録要求する段階と、を含む。
【0008】
本発明は、有線/無線通信網を通じて少なくとも一つ以上の端末と接続可能なサーバでの移動式タグを利用した拡張現実提供方法であって、一つ以上の端末の位置情報及び一つ以上の移動式タグの位置情報をモニタリングする段階と、移動式タグと端末とが衝突または一定範囲以内に近接した場合、移動式タグの移動方向及び移動速度を算出する段階と、前記算出された移動方向及び移動速度に基づいて移動式タグの位置を変更する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、移動式タグを用いて拡張現実を提供することにより、端末の撮影映像に含まれる固定式タグにとどまらない多様な情報を提供することができる。
【0010】
また、本発明による移動式タグは、広告やゲームなどと親和性が高く、そうした分野において積極的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による移動式タグを利用した拡張現実情報提供のための通信システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態によって移動式タグを利用した拡張現実情報提供端末装置の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態によって移動式タグを利用した拡張現実情報提供サーバの構成図である。
【図4】本発明の一実施形態による移動式タグの生成方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による移動式タグの移動を制御する方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態による移動式タグの移動について説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態によるサーバにおける移動式タグを評価する過程を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による移動式タグを利用したゲーム方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して説明される実施形態を通じて、本発明を当業者が容易に理解して再現できるように詳しく記述する。
【0013】
本発明を説明するにあたって、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明については、説明することによって、かえって本発明の実施形態の要旨を不明確にする恐れがあると考えられる場合には省略する。
【0014】
本発明を説明するのに先立ち述べておくと、明細書の全般にわたって使われる用語は、本発明の実施形態での機能を考慮して定義された用語であるが、ユーザまたは運用者の意図、慣例などによって十分に変形される余地がある用語のため、用語の定義については、本発明の明細書全般の内容に基づいてなされなければならない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態による移動式タグを利用した拡張現実情報提供のための通信システムの構成図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明が適用される通信システムは、一つ以上の拡張現実情報提供端末装置(以下、「端末」と称する)110と、端末110に拡張現実サービスのための情報を提供する拡張現実情報提供サーバ装置(以下、「サーバ」と称する)130とが有線/無線通信網を通じて接続されている形態を有する。また、付加的に端末110またはサーバ130は、位置判別システム120から端末110の位置情報を通信網を通じて提供されてもよい。
【0017】
端末110は、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、ナビゲーション端末機などの移動通信端末機だけではなく、デスクトップコンピュータ、ノート型パソコンなどの個人用コンピュータであってもよく、映像に含まれている客体を認識し、該認識した客体に対応するタグ情報をディスプレイすることができるあらゆる装置であってもよい。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態による端末の構成図である。
【0019】
映像獲得部210は、現実世界を撮影した映像を獲得して制御部260に出力するものであって、例えば、カメラやイメージセンサである。また、映像獲得部210は、映像撮影時に制御部260の制御によって映像を拡大または縮小したり、自動または手動で回転したりすることが可能なカメラであってもよい。
【0020】
表示部220は、外部から入力される映像を出力する手段であって、本発明の実施形態によって、映像獲得部210によって獲得された現実世界を撮影した映像と、サーバ130から受信された映像とに含まれる客体に関連したタグ情報をオーバーラップさせて出力する。この際、タグが移動式タグである場合、制御部260は、サーバ130から受信されたタグ位置移動情報に応じた対応をするために、前記表示部220にタグ位置の移動に合わせた出力がされるように制御することができる。また、本発明の実施形態による表示部220は、ユーザが着用することができるスクリーンメガネの形態として実現されてもよく、移動式タグをゲームに活用させてもよい。こうした形態を利用すれば、ゲームのようなサービスにおいて、多様な機能を実現するためには、端末を手に取って煩雑な操作によりサービスを利用しなければならない不便さを画期的に改善することができる。このとき、スクリーンメガネは、単純な文字情報のみを提供するか、またはイメージ及び複雑なデータを提供してもよい。
【0021】
位置情報獲得部230は、端末の位置情報を前記位置判別システム120から受信して出力するものであって、例えば、GPS衛星が送信するカメラの位置情報信号を受信するGPS受信機または位置情報サービス(Location Based Service:LBS)のシステムであってもよい。本発明の望ましい実施形態によれば、制御部260は、前記位置情報獲得部230によって獲得された位置情報を通信部250を通じてサーバ130に提供してもよい。
【0022】
本発明の望ましい実施形態によれば、端末110が、サーバ130に当該端末110ないしそのユーザの位置情報を提供する場合には、2通りの利用方法があってもよい。
【0023】
第1に、端末110が現実世界の撮影映像を伝送することによって、撮影位置情報として端末110の位置情報をサーバ130に伝送して、現実世界の映像に含まれた客体に対応するタグ情報検索のための情報として提供してもよい。
【0024】
第2に、端末110のリアルタイム位置情報をサーバ130に提供して、これを移動式タグとの衝突の有無を判断するための情報として提供してもよい。第2の場合、端末110は、予め位置情報の提供に端末110のユーザが同意することをサーバ130に通知してもよい。サーバ130は、端末110から位置情報の提供についての同意を受信することによって、位置情報を利用したサービスを提供することができ、例えば、通信料金割引や、各種のクーポンなどが提供されてもよい。
【0025】
操作部240は、ユーザからの情報入力を受け付けるインターフェース手段であって、一例として、キーボタンの押圧ごとにキー情報を発生させるキー入力部や、タッチセンサ、マウスなどが含まれてもよい。本発明の実施形態において、操作部240を通じて、タグ生成情報、移動式タグの移動設定情報、及びタグ評価情報のうち少なくとも一つを入力されてもよい。
【0026】
通信部250は、有線/無線通信網を通じて外部から受信した信号を処理して制御部260に出力し、制御部260からの内部出力信号を処理して有線/無線通信網を通じて伝送されるように処理する機能を有する周知の構成である。
【0027】
制御部260は、前述したような各構成要素を制御して、本発明による移動式タグを利用した拡張現実情報を提供するものであって、そのためのハードウェアプロセッサまたはこのハードウェアプロセッサで実行されるソフトウェアモジュールであってもよい。制御部260の動作説明は、後述する移動式タグを利用した拡張現実情報提供方法の説明箇所で詳説する。
【0028】
図3は、本発明の望ましい実施形態によるサーバの内部構成図である。
【0029】
通信部310は、有線/無線通信網を通じて外部から受信された信号を処理して制御部350に出力し、制御部350からの内部出力信号を処理して有線/無線通信網を通じて伝送されるように処理する機能を有する周知の構成である。
【0030】
また、本発明の望ましい実施形態において、保存部は、大きく固定式タグ情報保存部320と、移動式タグ情報保存部330とを含む。
【0031】
固定式タグ情報保存部320は、特定の場所に関連した情報または特定の場所に位置する客体に関連した情報である固定式タグ情報を保存する。前記固定式タグ情報は、タグの位置情報及びそのタグの位置に関連した情報、タグの大きさなどを含む。移動式タグ情報保存部330は、位置に関係なく提供されうる移動式タグ情報を保存するが、移動式タグ情報だけではなく、タグ移動設定情報を含んでもよい。前記タグ移動設定情報には、タグの移動イベント発生条件情報、移動方式情報、移動可能な移動地域範囲情報、タグの個数等が含まれてもよい。
【0032】
移動イベント発生条件情報として、例えば、移動式タグの移動条件を端末と衝突した場合、または端末と近接した場合とした情報が含まれてもよい。近接した場合の移動イベントが発生する範囲は、移動式タグ情報を登録した作成者によって設定しうる。
【0033】
移動方式情報は、移動式タグがどのように移動するかについての設定情報であって、例えば、タグが端末と衝突した場合に、タグの移動方向を衝突した端末が移動する方向とし、タグの移動速度は端末の移動速度として設定してもよい。
【0034】
また、移動式タグを端末の移動と連動させて移動させてもよい。
【0035】
一例として、移動式タグを端末に従って移動させる形態において、他の例として、移動式タグを広報の目的で用いる場合、広報しようとする目的地に端末が移動することを誘導するために、移動式タグをあらかじめ設定された目的地に移動させてもよい。このような場合、移動式タグの目的地情報が移動方式情報として設定されてもよい。
【0036】
前記移動地域範囲情報は、例えば、20代女性が主に使う特定の化粧品の広告を目的としてタグを用いる場合、多くの20代女性が生活する都心地域をタグの移動地域範囲として設定することにより、タグ利用の効率を高めることができる。
【0037】
地域設定時に、ユーザの便宜のために最適化されたタグの大きさ、設定地域範囲、端末との近接範囲及び衝突半径などの情報を共に提供して、より便利で迅速な設定を可能にしてもよい。また、移動式タグの移動に対する条件を設定してもよい。例えば、頻繁に移動イベントが発生する地域では、移動式タグの移動速度を調節し、移動イベント発生回数に応じて移動イベントを認識させるように設定して利用が可能である。このように最適化されたタグ設定情報を提供し、移動地域の設定を可能にすることによって、人口密集地域における移動式タグの必要以上の移動を防止して、より自然な移動を誘導し、人口の少ない地域においては、頻繁な移動を誘導する効果がある。
【0038】
また、同じ移動式タグは、二つ以上生成されてもよく、該生成される移動式タグの個数情報は、移動式タグの作成者によって設定されてもよい。また、それぞれの移動式タグの初期位置も、作成者によって設定されてもよい。
【0039】
また、同じ二つの移動式タグが互いに衝突する場合、そのうちの一つに合わせてその大きさを拡大させることもでき、一つの移動式タグが周期的に二つ以上のタグに分割されるように設定することもできる。
【0040】
また、サーバ130は、マップ情報保存部340を含んでもよく、マップ情報保存部340に保存されるマップの座標は、位置情報サービス(Location Based Service:LBS)で利用する座標と同様に構成されている。サーバ130は、このようなマップの座標を用いて移動式タグの位置及び移動を管理する。この際、移動式タグが位置することができない区域を陰影地域と定義し、これを管理することで移動式タグの移動を制限する要素を除去する。ここで、陰影地域とは、位置測定が不可能な建物の内部や、川、湖、海などの端末が位置することができず、それ以上の移動式タグの移動がのぞめない地域を意味する。もっとも、建物の内部であっても、位置判別システム120によって端末110の位置情報を獲得可能な建物の内部、例えば、大型建物、デパート、病院などは、サーバ130が端末110及び移動式タグの位置を活用することができるため、陰影地域から除外される。
【0041】
制御部350は、前述したような各構成要素を制御して、本発明による移動式タグを利用した拡張現実提供を行うものであって、そのためのハードウェアプロセッサまたはこのハードウェアプロセッサで実行されるソフトウェアモジュールであってもよい。
【0042】
本発明の望ましい実施形態によって、制御部350は、タグ登録モジュール352と、タグ移動管理モジュール354と、タグ評価モジュール356とを含む。
【0043】
タグ登録モジュール352は、一つ以上の端末110から伝送される固定式タグ情報または移動式タグ情報を受信して該当する保存部320、330に保存する。
【0044】
タグ移動管理モジュール354は、リアルタイムで獲得される一つ以上の端末110の位置情報と移動式タグ情報保存部330に登録された移動式タグの位置とを比較して、移動式タグの移動制御を行う。このようなタグ移動管理モジュール354は、移動式タグとの衝突の有無を当該端末110に提供することができる。また、タグ移動管理モジュール354は、移動式タグがマップ情報保存部340に保存された陰影地域に進入しようとする場合、これを衝突イベントの発生として処理することもできる。
【0045】
タグ評価モジュール356は、タグのフィルタリング機能を果たすものであって、タグを利用した回数情報またはタグを通じて拡張現実情報を提供された一つ以上の端末110からタグ使用についての追記情報を収集し、該収集されたタグ利用回数またはタグ使用についての追記情報によってタグの増殖及び消滅を管理する。例えば、特定のタグを利用した回数が所定回数以上であるか、肯定的なタグ使用についての追記情報が所定回数以上である場合、当該移動式タグをあらかじめ設定した個数分増やすことができる。逆に、特定のタグを利用した回数が所定回数以下であるか、否定的なタグ使用についての追記情報が所定回数以上である場合、当該タグを消滅させることができる。これは、有用ではない移動式タグの無分別な氾濫を防止し、有用な移動式タグを増やして他のユーザに利用することができる機会をさらに多く提供するためである。このようなフィルタリング機能は、サーバ130でだけではなく、各端末110でも行われる。
【0046】
次いで、前述したような構成を有するシステムで行われる移動式タグについての拡張現実情報提供方法を、図4ないし図6を参照して説明する。
【0047】
図4は、本発明の望ましい実施形態による移動式タグを生成するための端末の動作を説明するためのフローチャートである。ところが、ここでは、移動式タグを端末によって生成されるものと説明するが、移動式タグは、サーバで生成されてもよく、その場合、図4はサーバの動作であってもよい。
【0048】
図4を参照すると、端末の制御部260は、ステップ410で操作部240を通じてユーザからタグ生成要求が入力されることによって、ステップ420でユーザとのインターフェース情報を通じてタグ内容を入力される。そして、制御部260は、ステップ430でタグ位置を設定する。このとき、タグ位置は、現在タグを生成する端末の位置に設定されてもよく、操作部240を通じてユーザが指定した位置に設定されてもよい。また、タグは、複数個生成されてもよく、複数個のタグの位置がそれぞれ異なるように設定してもよい。
【0049】
そして、制御部260は、ステップ440において、前記生成されたタグが移動式タグであるか否かを判断する。すなわち、操作部240を通じてユーザから情報を入力されることにより、タグが移動式であるか否かの判断することができる。
【0050】
前記ステップ440の判断の結果、前記生成されたタグが移動式タグである場合、制御部260は、ステップ450でタグの位置情報を変更可能な状態に設定する。そして、制御部260は、ステップ460でタグの移動設定情報を入力されるが、移動設定情報は、前述したように、移動イベント発生条件情報、移動方式情報、及び移動可能な移動地域範囲情報が含まれてもよい。
【0051】
一方、前記ステップ440の判断の結果、前記生成されたタグが移動式タグではない場合、制御部260はステップ470に進行する。
【0052】
制御部260は、ステップ470でタグ情報をサーバ130に伝送して登録要求をする。タグが移動式タグである場合には、タグ内容、タグ位置及びタグ移動設定情報を含むタグ情報がサーバ130に伝送され、タグが固定式タグである場合には、タグ内容及びタグ位置を含むタグ情報がサーバ130に伝送される。
【0053】
そして、図面には図示していないが、サーバ130のタグ登録モジュール352は、端末110から受信されたタグ情報を保存するが、タグが固定式タグである場合には、固定式タグ情報保存部320に保存し、タグが移動式タグである場合には、移動式タグ情報保存部330に分離保存させる。
【0054】
図5は、本発明の望ましい実施形態による移動式タグの移動を制御する方法を説明するためのフローチャートである。
【0055】
図5を参照すると、サーバの制御部350は、ステップ510で通信部310を通じて一つ以上の端末110の位置情報を獲得する。この際、端末110の位置情報を獲得する方法は、端末110が位置情報獲得部230を通じて獲得した位置情報を受信してもよく、位置判別システム120から端末110の位置情報を獲得してもよい。このとき、制御部350は、端末110の位置情報を各端末110ユーザの同意のもとで使用してもよい。
【0056】
そして、制御部350は、ステップ520で一つ以上の端末位置と移動式タグ保存部330に保存されている一つ以上の移動式タグの位置とをリアルタイムでモニタリングする。
【0057】
制御部350は、前記モニタリング結果に基づいて、ステップ530で移動式タグの移動イベントが発生したか否かを判断する。すなわち、移動式タグと端末とが衝突するか、移動式タグと端末とがあらかじめ設定された範囲内に近接したか否かを判断する。前記ステップ530における判断の結果、移動式タグの移動イベントが発生した場合、制御部350は、ステップ540で衝突または近接した端末が移動式タグを利用できるように移動式タグの移動イベント発生報知メッセージ及びタグ情報を伝送する。
【0058】
そして、制御部350は、ステップ550で移動式タグ情報保存部330に保存された当該移動式タグの移動方式情報を参照して移動方式を決定する。
【0059】
移動式タグの移動は、端末の移動と連動してもよい。前記移動方式は、前述したように、端末の移動と連動し、端末と衝突して端末と反対方向に移動する方式と、端末の移動と連動して同一方向へと移動する方式とがあってもよい。端末の移動と連動して移動する方式は、移動式タグを生成した作成者によってあらかじめ設定されてもよく、移動イベント発生報知メッセージを受信した端末によって設定してもよい。
【0060】
すなわち、移動式タグの移動イベント発生報知メッセージを受信して移動式タグについての情報を受信した端末は移動式タグの移動が端末の移動と連動するように要求してもよい。
【0061】
そして、移動式タグを端末の移動と連動させる実施形態としては、多様な実施形態が可能である。一実施形態として、移動式タグの位置を端末によって移動させてもよい。すなわち、端末に移動式タグを所持させてもよい。他の実施形態として、移動式タグがあらかじめ設定された目的地に端末の移動を誘導してもよい。端末は、このような移動式タグの案内に従って目的地に到着する場合、それに相応するサービスを提供されてもよい。
【0062】
そして、制御部350は、ステップ560で前記決定された移動方式によって移動式タグが移動するように制御する。
【0063】
前記移動方式のうちから衝突によって移動式タグを端末の反対方向に移動させる場合を、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
図6を参照すると、制御部350は、ステップ610で衝突した端末の移動方向及び速度を把握する。そして、ステップ620で把握された端末の移動方向及び速度に基づいて、移動式タグの移動方向及び速度を計算する。制御部350は、ステップ630で移動式タグの移動方向及び速度計算結果値を移動式タグ情報保存部330に保存する。そして、ステップ640で前記計算された結果値によって移動式タグの位置を一定速度で徐々に変更してもよい。すなわち、本発明の望ましい実施形態による移動式タグの移動は、単純に演算された結果値により特定の位置に瞬間的に変わるのではなく、速度を持って徐々に、継続的に移動することにより実行されてもよい。したがって、端末は、移動式タグを表示部220に出力する際に、このように移動式タグが徐々に移動する様子を示してもよい。
【0065】
一方、サーバ130は、端末110のプレビュー画面で移動式タグ情報を提供されるユーザの位置と移動式タグの位置とを考慮して、移動式タグの大きさが調節されるように制御することによって、移動式タグとユーザの位置との距離を直観的に把握できるように提供してもよく、数値として提供してもよい。このようなタグの大きさまたは数値として移動式タグとユーザとの距離を提供することによって、ユーザの意図的な移動式タグとの近接及び衝突を可能にする。
【0066】
一方、図面には図示していないが、移動式タグの移動イベントは、移動式タグと端末との衝突または近接によらずに、移動式タグ同士の衝突または近接によって発生してもよい。このとき、同じ移動式タグ同士が互いに衝突した場合には、制御部350は、二つの移動式タグの大きさ及び内容を合わせて一つの移動式タグを生成してもよい。すなわち、移動式タグの大きさを増加させ、それを利用するユーザが容易に認知できるようにし、移動式タグによって提供される内容及びサービスを二倍に増加して、ユーザをして移動式タグの利用選好度を増加させる効果が得られる。
【0067】
次いで、図7を参照してサーバによる移動式タグを評価する過程を説明する。
【0068】
図7を参照すると、制御部350は、一つ以上の移動式タグのそれぞれに対する利用回数または移動式タグを利用した一つ以上の端末110から移動式タグの利用についての追記情報(postscripts information)を収集して、移動式タグ情報保存部330に保存する。
【0069】
そして、制御部350は、収集された情報から移動式タグについて肯定的な評価がされているかを判断する。すなわち、移動式タグの利用回数をカウントし、移動式タグの利用回数が所定個数以上になるか、肯定的な移動式タグの利用についての追記情報が所定個数以上あるかにより、移動式タグについて肯定的な評価がされているかを判断する。
【0070】
前記ステップ720の判断結果、当該移動式タグに肯定的に評価されている場合、制御部350は、当該移動式タグを増加させるが、増加の方法としては、当該移動式タグの個数を増やすか、または当該移動式タグの大きさを大きくしてもよい。
【0071】
一方、前記ステップ720の判断結果、当該移動式タグについて肯定的に評価されていない場合、制御部350は、当該移動式タグを消滅させる。
【0072】
図8は、本発明の一実施形態による移動式タグを利用したゲーム方法の一例を説明するための図である。
【0073】
サーバは、サービス加入者またはユーザの位置情報を定期的に受信して管理及び活用する。また、ゲーム及びイベントの生成者によって地域設定、移動式タグの性質及び近接、衝突範囲の設定、固定式タグまたは移動式タグからなるゴールイン地点がまず設定されなければならない。このような設定事項に対して、ユーザの便宜のために、簡単な初期条件のみを入力する時、サーバまたはサービスは、最適化された環境設定を例示として提供し、すぐに設定可能なようにする。
【0074】
このような前提条件の下でサービスに加入または接続したユーザは、移動式タグを取得するか、移動式タグをゴール地点に移動させれば、目標を達成する方式でゲーム及びイベントを進行できる。この際、ユーザが端末の表示部を通じて移動式タグの性質、移動式タグとユーザとの距離などを見ることができ、ゴール地点をイメージ、アラーム、マップなどを通じて提供することができる。それらの情報を用いてサービス利用者は、移動式タグへの意図的な接近を可能にし、ゴール方法の認識を可能にする。また、移動式タグのゴールへの移動を最も多く誘導したユーザの情報を、サーバはゲーム及びイベント生成者に提供することによって、移動式タグを誘導したユーザに対してサービスを与えることができる環境を提供する。また、移動式タグの消滅の機能を適用してイベント取得または目標達成に使われた移動タグは消滅されて、イベント取得及び目標達成人数を制限して、さらにユーザの興味を喚起する進行が可能である。
【0075】
なお、ここでは、説明の便宜上、本発明で提案することを拡張現実提供端末装置と拡張現実提供サーバとが通信網を通じて接続可能な形態で構成されたシステム上で実現される例として説明するが、これは、本発明の一実施形態にすぎず、本発明の範囲はこれに限定されない。すなわち、本発明は前記端末とサーバとを連動した動作方法が一体に構成される装置に適用可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、移動式タグを利用した拡張現実提供装置及び方法、その他関連の技術分野に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線/無線通信網を通じてサーバと接続可能な端末での移動式タグを利用した拡張現実提供方法であって、
タグ生成が要求されることによって、生成するタグの内容を作成する段階と、
生成するタグの位置情報を設定する段階と、
前記生成されたタグが移動式タグである場合、前記作成されたタグの位置情報を変更可能な状態に設定し、タグの移動情報を設定する段階と、
前記タグの内容、位置情報及び移動設定情報を含む移動式タグ情報をサーバに伝送する段階と、を含むことを特徴とする移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項2】
さらに、前記サーバに前記タグの登録を要求する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項3】
前記タグ位置は、
前記タグを生成するユーザの端末の位置または前記ユーザが指定した位置に設定されることを特徴とする請求項1に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項4】
前記移動設定情報は、
前記移動式タグの移動を発生させる移動イベント発生条件情報と、前記移動式タグの移動方式情報及び前記移動式タグが移動可能な移動地域範囲情報のうち一つ以上が含まれることを特徴とする請求項1に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項5】
前記サーバから前記移動式タグとの衝突又は近接の有無を知らせるメッセージを受信する段階と、
前記衝突又は近接した前記移動式タグの情報を受信してディスプレイする段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項6】
前記移動式タグの移動を前記端末の移動と連動させることを前記サーバに要求する段階をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項7】
前記移動式タグは、前記端末の移動方向と同一方向へと移動することを特徴とする請求項6に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項8】
前記移動式タグは、前記端末の移動方向と反対方向へと移動することを特徴とする請求項6に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項9】
前記移動式タグの利用についての追記情報を前記サーバに伝送する段階をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項10】
有線/無線通信網を通じて少なくとも一つ以上の端末と接続可能なサーバでの移動式タグを利用した拡張現実提供方法であって、
一つ以上の前記端末の位置情報及び一つ以上の前記移動式タグの位置情報をモニタリングする段階と、
前記移動式タグと前記端末とが衝突し又は一定範囲以内に近接した場合、前記移動式タグの移動方向及び速度を算出する段階と、
前記算出された移動方向及び速度に基づいて前記移動式タグの位置を変更する段階と、を含むことを特徴とする移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項11】
前記移動式タグの位置の変更は、継続的に行われることを特徴とする請求項10に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項12】
前記端末の位置情報は、
前記端末から受信された位置情報であるか、又は、有線/無線通信網を通じて接続可能な位置情報システムから獲得された位置情報であることを特徴とする請求項10に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項13】
前記移動式タグと前記端末とが衝突し又は一定範囲以内に近接した場合、前記端末に前記移動式タグの移動イベント発生報知メッセージ及びタグ情報を伝送する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項14】
前記端末から前記移動式タグの移動を前記端末の移動と連動させるように要求する信号を受信する段階と、
前記移動式タグの位置を前記端末の位置と同様に移動させる段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項15】
前記端末から前記移動式タグの移動を前記端末の移動と連動させるように要求する信号を受信する段階と、
前記移動式タグを特定目的地に案内するように移動させる段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項16】
同じ移動式タグ同士が互いに衝突する場合、前記移動式タグの大きさ及び内容を合わせて一つの移動式タグを生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項17】
一つ以上の移動式タグのそれぞれに対する利用回数の情報又は前記移動式タグを利用した一つ以上の端末から前記移動式タグの利用についての追記情報を収集する段階と、
収集された前記情報から前記移動式タグを評価する段階と、
前記評価結果によって選択的に前記移動式タグの個数または大きさを増加させるか、又は減少させる段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供方法。
【請求項18】
現実世界を撮影した映像を獲得する映像獲得部と、
前記映像獲得部によって獲得された前記現実世界を撮影した映像を出力する表示部と、
サーバとの有線/無線通信網を通じる送受信信号を処理する通信部と、
ユーザからタグ生成情報を入力される操作部と、
前記操作部を通じてタグ生成が要求されることによって、生成するタグの内容及び生成するタグの位置情報を入力され、前記生成されたタグが移動式タグである場合、前記作成されたタグの位置情報を変更可能な状態に設定し、前記タグの移動設定情報を入力され、前記タグの内容、位置情報及び移動設定情報を含む移動式タグ情報を前記通信部を通じて前記サーバに伝送して登録要求する制御部と
を含むことを特徴とする移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項19】
前記タグ位置は、
前記タグを生成する前記ユーザの端末の位置または前記ユーザが指定した位置に設定されることを特徴とする請求項18に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項20】
前記移動設定情報は、
前記移動式タグの移動を発生させる移動イベント発生条件情報と、前記移動式タグの移動方式情報及び前記移動式タグが移動可能な移動地域範囲情報のうちの一つ以上が含まれることを特徴とする請求項18に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項21】
前記ユーザの位置情報を獲得して出力する位置情報獲得部をさらに含み、
前記制御部は、
前記ユーザの位置情報をリアルタイムで前記通信部を通じて前記サーバに伝送することを特徴とする請求項18に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項22】
一つ以上の端末と有線/無線通信の送受信信号を処理する通信部と、
移動式タグ情報及びタグ移動設定情報を保存する移動式タグ情報保存部と、
一つ以上の前記端末の位置情報及び一つ以上の移動式タグの位置情報をモニタリングし、前記移動式タグと前記端末とが衝突し又は一定範囲以内に近接した場合、前記移動式タグの移動方向及び速度を算出し、前記算出された移動方向及び速度に基づいて前記移動式タグの位置を変更する制御部と、を含むことを特徴とする移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項23】
前記端末の位置情報は、
前記端末から受信された位置情報であるか、有線/無線通信網を通じて接続可能な位置情報システムから獲得された位置情報であることを特徴とする請求項22に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項24】
前記制御部は、
前記移動式タグと前記端末とが衝突し又は一定範囲以内に近接した場合、前記端末に前記移動式タグの移動イベント発生報知メッセージ及びタグ情報を伝送することを特徴とする請求項22に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項25】
前記制御部は、
前記端末から前記移動式タグの移動を前記端末の移動と連動させるように要求する信号を受信し、前記移動式タグの位置を前記端末の位置変化と同様に変化させるように移動することを特徴とする請求項22に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項26】
前記制御部は、
前記端末から前記移動式タグの移動を前記端末の移動と連動させるように要求する信号を受信することによって、前記移動式タグを特定目的地に移動させることを特徴とする請求項22に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項27】
前記制御部は、
同じ移動式タグ同士が互いに衝突する場合、前記移動式タグの大きさ及び内容を合わせて一つの移動式タグに生成することを特徴とする請求項22に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。
【請求項28】
前記制御部は、
一つ以上の前記移動式タグのそれぞれに対する利用回数または前記移動式タグを利用した一つ以上の前記端末から前記移動式タグの利用についての追記情報を収集し、該収集された情報に基づいて前記移動式タグを評価した結果によって選択的に前記移動式タグの個数または大きさを増加させるか、減少させることを特徴とする請求項22に記載の移動式タグを利用した拡張現実提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−89133(P2012−89133A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227994(P2011−227994)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】