説明

移動無線通信方法及びそれに使用する移動無線通信装置

【課題】ユーザーに所有された複数の携帯端末機に基づき通信網の使用数の低減が図れる。
【解決手段】第1携帯電話機1が通信を開始する場合において、通信相手の通信端末機の通信事業者が第2携帯電話機2の通信事業者と同一か否かを第1携帯電話機1が判断し、通信相手の通信端末機の通信事業者が第2携帯電話機2の通信事業者と同一でない場合には、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2を経由することなく通信相手としての第1通信事業者対応携帯電話機21または別通信事業者対応携帯電話機23に通信可能に接続し、通信相手の通信端末機の通信事業者が第2携帯電話機2の通信事業者と同一である場合には、第1携帯電話機1が第1ブルートゥース送受信部5、第2ブルートゥース送受信部13、第2携帯送受信部12、第2通信事業者通信網16を経由して通信相手の第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーが所有する複数の携帯端末機に基づき通信網の使用数を低減できる移動無線通信方法及びそれに使用する移動無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されたように、一人のユーザーが複数の携帯端末機を所持することは知られている。以下、ユーザーと称する場合は、一人のユーザーを意味する。
【0003】
図11は、ユーザーが複数の携帯端末機として第1携帯電話機1と第2携帯電話機2とを所持した場合の移動無線通信方法及びそれに使用する移動無線通信装置を示す。図11において、第1・第2携帯電話機1;2は、それぞれの使用可能な通信事業者を異にする。よって、第1携帯電話機1の使用可能な通信事業者を第1通信事業者と称し、第2携帯電話機2の使用可能な通信事業者を第2通信事業者と称する。第1通信事業者の所有する第1通信事業者通信網15と第2通信事業者の所有する第2通信事業者通信網16とは、関門交換機20によって互いに通信可能に接続される。
【0004】
又、通信相手の通信端末機は、ユーザーが通信を開始しようとする通信端末機である。通信相手の通信端末機としては、第1通信事業者対応携帯電話機21と第2通信事業者対応携帯電話機22とを例示する。第1通信事業者対応携帯電話機21は、第1通信事業者通信網15で使用可能な携帯電話機である。第2通信事業者対応携帯電話機22は、第2通信事業者通信網16で使用可能な携帯電話機である。
【0005】
そして、ユーザーが第1携帯電話機1を操作して第1通信事業者対応携帯電話機21と通信を開始しようとする場合、第1携帯電話機1が無線によって第1通信事業者通信網15を経由して第1通信事業者対応携帯電話機21に通信可能に接続される。これに対し、ユーザーが第1携帯電話機1を操作して第2通信事業者対応携帯電話機22と通信を開始しようとする場合、第1携帯電話機1が無線によって第1通信事業者通信網15から関門交換機20及び第2通信事業者通信網16を経由して第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0006】
又、ユーザーが第2携帯電話機2を操作して第2通信事業者対応携帯電話機22と通信を開始しようとする場合、第2携帯電話機2が無線によって第2通信事業者通信網16を経由して第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。これに対し、ユーザーが第2携帯電話機2を操作して第1通信事業者対応携帯電話機21と通信を開始しようとする場合、第2携帯電話機2が無線によって第2通信事業者通信網16から関門交換機20及び第1通信事業者通信網15を経由して第1通信事業者対応携帯電話機21に通信可能に接続される。
【0007】
つまり、図11では、第1携帯電話機1と第2携帯電話機2とが互いに通信事業者の異なる複数の携帯端末機であるため、例えばユーザーが第1携帯電話機1を操作して第2通信事業者対応携帯電話機22と通信を開始しようとした場合、第1携帯電話機1は第1通信事業者通信網15に発呼し、第1通信事業者通信網15は発呼先が第2通信事業者網16であることから関門交換機20を介して第2通信事業者通信網16に接続する。第2通信事業者通信網16は発呼先である第2通信事業者対応携帯電話機22であることを認識して第2通信事業者対応携帯電話22を呼び出す。この呼び出しに第2通信事業者対応携帯電話22の使用者が応答することにより、第1携帯電話機1と第2通信事業者対応携帯電話機22が通信可能となる。このように第1携帯電話機1が第2通信事業者対応携帯電話22に通信した場合、第1通信事業者通信網15と第2通信事業者通信網16の2つの通信網を経由することになる。このため、2つの通信網の夫々に通信料金がかかることになり、ユーザーにとって通信費がかさむという欠点がある。
【0008】
また、ユーザーが通信相手の携帯電話機の使用可能な通信事業者を把握していれば、それに合わせて、所有する複数の携帯電話機を使い分けることもできる。しかしながら、ユーザーの通信相手は、数十人以上と多数存在するのが一般的である。そのため、ユーザーが多数の通信相手の携帯電話機の使用可能な通信事業者を適切に記憶しておくには無理がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−55752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明が解決しようとする問題点は、ユーザーが所持する複数の携帯端末機に基づき通信網の使用数を低減することができないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る移動無線通信方法は通信事業者を異にする複数の携帯端末機のうちの1つの携帯端末機が通信を開始するように操作された場合、通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一か否かを当該1つの携帯端末機が判断し、通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一でない場合には、当該1つの携帯端末機が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機を経由することなく相手側の通信端末機に通信可能に接続し、通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一である場合には、当該1つの携帯端末機が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機を経由して相手側の通信端末機に通信可能に接続することを最も主要な特徴とする。本発明に係る移動無線通信方法に使用する移動無線通信装置は、通信事業者を異にする複数の携帯端末機が互いに携帯制御部と携帯送受信部と機器間無線送受信部とを備え、複数の携帯端末機のうちの少なくとも1つの携帯端末機が通信事業者判定部と通信事業者特定情報とを備え、当該1つの携帯端末機が通信を開始するように操作された場合、当該1つの携帯端末機の通信事業者判定部は通信事業者特定情報に基づいて通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一か否かを判断しかつその判断結果を当該1つの携帯端末機の携帯制御部に出力し、その携帯制御部は上記通信事業者判定部からの判断結果に基づいて当該1つの携帯端末機における携帯送受信部または機器間無線送受信部を制御し、携帯送受信部が制御された場合は当該携帯送受信部が相手側の通信端末機に通信可能に接続し、機器間無線送受信部が制御された場合は当該機器間無線送受信部が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の機器間無線送受信部に接続し、その1つの携帯端末機以外の携帯端末機の機器間無線送受信部が1つの携帯端末機以外の携帯端末機の携帯制御部を制御し、その携帯制御部が1つの携帯端末機以外の携帯端末機の携帯送受信部を制御し、その携帯送受信部が相手側の通信端末機に通信可能に接続することを最も主要な特徴とする。本発明に係る移動無線通信方法に使用する移動無線通信装置は、複数の携帯端末機のうちの少なくとも1つの携帯端末機が通信事業者判定部と通信事業者特定情報と経路特定部と課金テーブルとを備え、経路特定部が課金テーブルから通信事業者ごとにおける電話番号の入力の時刻と料金とに基づき低額の通信事業者による通信経路を特定し、通信事業者判定部が経路特定部で特定された低額の通信事業者による通信経路を優先しつつ通信事業者判定部は通信事業者特定情報に基づいて通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一か否かを判断するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る移動無線通信方法及びそれに使用する移動無線通信装置は、ユーザーに所持された複数の携帯端末機のうちの1つの携帯端末機が通信を開始するように操作された場合、通信相手の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外のユーザーに所持された携帯端末機の使用可能な通信事業者と同異に応じて上記1つの携帯端末機が1つの携帯端末機以外のユーザーに所持された携帯端末機を経由するかしないかのいずれかによって通信相手の通信端末機に通信可能に接続するので、ユーザーに所持された複数の携帯端末機に基づき通信網の使用数を低減することができるという利点がある。低額の通信事業者による通信経路を優先しつつ通信事業者判定部は通信事業者特定情報に基づいて通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の使用可能な通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一か否かを判断すれば、低額の利用をユーザーに所持された複数の携帯端末機の有効な活用に取り入れることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係る移動無線通信方法及びそれに使用する移動無線通信装置を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態1に係るフラッシュメモリの内部構成を示す模式図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信事業者判定処理を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施の形態1に係る通信経路の具体例を示す図表。。
【図5】a図は本発明の実施の形態2に係る通信事業者が複数のドメインを有することを示す図表、b図は本発明の実施の形態2に係るフラッシュメモリの内部構成を示す模式図。
【図6】a図は実施の形態3に係る通信事業者が複数のドメインを有することを示す図表、b図は実施の形態3に係るフラッシュメモリの内部構成を示す模式図。
【図7】本発明の実施の形態4に係るフラッシュメモリの内部構成を示す模式図。
【図8】本発明の実施の形態4に係る通信事業者判定処理を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施の形態5に係るフラッシュメモリの内部構成を示す模式図。
【図10】本発明の実施の形態5に係る通信事業者判定処理及び経路特定処理を示すフローチャート。
【図11】従来の移動無線通信方法及びそれに使用する移動無線通信装置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
「実施の形態1」
図1を参照し、先ず、移動無線通信装置について説明し、次に、移動無線通信装置を使用した移動無線通信方法について説明する。移動無線通信装置としては、ユーザーの所持する複数の携帯端末機として第1携帯電話機1と第2携帯電話機2とを例示する。第1・第2携帯電話機1;2は、PHS(Personal Hndyphone System)で使用可能な携帯電話機やそれ以外の通信システムで使用可能な携帯電話機で構成される。第2携帯電話機2は、単数に限定されるものではなく、複数であってもよい。
【0015】
第1携帯電話機1は、携帯容器に、携帯制御部としての第1携帯制御部3、携帯送受信部としての第1携帯送受信部4、機器間無線送受信部としての第1ブルートゥース送受信部(図1に第1Bluetooth(登録商標)送受信部と表記)5、図外の電源部、図外のマイク、図外のスピーカ、図外のキーボード、図外のディスプレイを備える。
【0016】
第1携帯制御部3は、第1携帯制御部3に内蔵したコンピュータのCPU6がフラッシュメモリ7に格納されたプログラムにしたがいRAM8を使用しながら通信ネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作して、発呼処理、後述する通信事業者判定処理や送受信処理あるいは送受信切換処理などを実行し、その実行結果として第1携帯送受信部4又は第1ブルートゥース送受信部5を制御する。
【0017】
第1携帯送受信部4は、第1携帯制御部3の送信処理を受けた出力信号(TX信号)又は図外のマイクから入力された音声信号を符号化して図外のアンテナから送信したり、アンテナで受信した受信信号(RX信号)を復号化して図外のスピーカ又は第1携帯制御部3の受信処理を受けるように第1携帯制御部3に出力したりする。
【0018】
第1ブルートゥース送受信部5は後述する第2ブルートゥース送受信部13と無線通信することにより、第1携帯電話機1と第2携帯電話機2とを無線で互いに通信できるようにするためのものである。第1ブルートゥース送受信部5は、例えば、機器と機器との近接した距離の間を2.4GHzの周波数帯の電波で通信するための無線通信規格に則って動作するものであって、ブルートゥースチップやブルートゥースモジュールと呼ばれる半導体装置で構成される。第1ブルートゥース送受信部5で用いられる周波数帯は、2.4GHzに限定されるものではない。第1ブルートゥース送受信部5は、図外のアンテナを備える。この第1ブルートゥース送受信部5の送受信用のアンテナは、第1携帯送受信部4の送受信用のアンテナと別のもとして独立して存在する。
【0019】
第1ブルートゥース送受信部5が通信可能な距離つまり、機器と機器との近接した距離は、電波強度の違いによって、1m、10m、100mにクラス分けされている。通信可能な距離は何れでもよいが、ユーザーが第1;第2携帯電話機1;2を所持する態様であれば、通信可能な距離が1mであれば、電波強度が1mWと弱くなるという利点がある。
【0020】
フラッシュメモリ7は、フラッシュROMを構成する。フラッシュメモリ7には、通信事業者判定部9、電話帳10、図外の無線通信モジュール製造番号のような固有情報が記録されている。通信事業者判定部9は、フラッシュメモリ7に格納されたプログラムによって具現化される。電話帳10には、氏名、電話番号、メールアドレスのような個人情報が記録される。これらの個人情報は、ユーザーが第1携帯電話機1のディスプレイの表示を見ながらキーボードを操作して電話帳10に書き込まれる。
【0021】
第2携帯電話機2は、携帯容器に、携帯制御部としての第2携帯制御部11、携帯送受信部としての第2携帯送受信部12、機器間無線送受信部としての第2ブルートゥース送受信部(図に第2Bluetooth送受信部と表記)13、図外の電源部、図外のマイク、図外のスピーカ、図外のキーボード、図外のディスプレイを備える。
【0022】
第2携帯制御部11は、第2携帯制御部11に内蔵したコンピュータの図外のCPUが図外のフラッシュメモリに格納されたプログラムにしたがい図外のRAMを使用しながら通信ネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作して、通信事業者判定処理や送受信処理あるいは送受信切換処理などを実行し、その実行結果として第2携帯送受信部12又は第2ブルートゥース送受信部13を制御する。
【0023】
第2携帯送受信部12は、第2携帯制御部11の送信処理を受けた出力信号(TX信号)又は図外のマイクから入力された音声信号を符号化して図外のアンテナから送信したり、アンテナで受信した受信信号(RX信号)を復号化して図外のスピーカに出力したり又は第2携帯制御部11の受信処理を受けるように第2携帯制御部11に出力したりする。
【0024】
第2ブルートゥース送受信部13は、機器と機器との近接した距離の間を2.4GHzの周波数帯の電波で通信するためのブルートゥースと呼ばれる無線通信規格に則って動作するものであって、ブルートゥースチップやブルートゥースモジュールと呼ばれる半導体装置で構成される。第2ブルートゥース送受信部13で用いられる周波数帯は、2.4GHzに限定されるものではないが、第1ブルートゥース送受信部13で用いられる周波数帯と同じ周波数帯である。第2ブルートゥース送受信部13は、図外のアンテナを備える。この第2ブルートゥース送受信部13の送受信用のアンテナは、第2携帯送受信部12の送受信用のアンテナと別のものとして独立して存在する。
【0025】
第1・第2携帯電話機1;2は、互いに使用可能な通信事業者が異なる。第1携帯電話機1の使用可能な通信事業者を第1通信事業者とする。第2携帯電話機2の使用可能な通信事業者を第2通信事業者とする。第1・第2通信事業者とは互いに経営を異にする。第1・第2通信事業者と経営の異なる通信事業者を別通信事業者とする。別通信事業者は単数又は複数存在する。
【0026】
以下、第1通信事業者の所有する通信網を第1通信事業者通信網15と称する。第2通信事業者の所有する通信網を第2通信事業者通信網16と称する。別通信事業者の所有する通信網を別通信事業者通信網17と称する。別通信事業者が複数の場合、別通信事業者通信網17は別通信事業者ごとに別々の通信網を構成する。
【0027】
そして、第1通信事業者通信網15と第2通信事業者通信網16とは、図外の関門交換機によって互いに通信可能に接続される。第1通信事業者通信網15と別通信事業者通信網17とは、関門交換機18によって互いに通信可能に接続される。第2通信事業者通信網16と別通信事業者通信網17とは、関門交換機19によって互いに通信可能に接続される。
【0028】
第1通信事業者対応携帯電話機21は、第1通信事業者通信網15で使用可能な携帯電話機である。第2通信事業者対応携帯電話機22は、第2通信事業者通信網16で使用可能な携帯電話機である。別通信事業者対応携帯電話機23は、別通信事業者通信網17で使用可能な携帯電話機である。
【0029】
図1を参照し、移動無線通信装置を使用した移動無線通信方法について説明する。第1・第2携帯電話機1;2における図外の電源スイッチがユーザーによってオン操作され、第1・第2携帯制御部3;11が電気的に起動したスリープ状態において、ユーザーが通信を開始するように第1携帯電話機1のキーボードを操作して通信する通信相手の電話番号を入力すると、第1携帯制御部3による図1の右下に表示したフローチャートによる処理が始まる。
【0030】
上記フローチャートの処理によると、先ず、ステップ101において通信相手の電話番号の入力に伴う発呼処理が始まった後、ステップ102及びステップ103において通信事業者判定部9が後述する通信事業者特定情報に基づいて通信相手の通信端末機の使用可能な通信事業者がユーザーの所持する第1携帯電話機1以外の携帯端末機つまり第2携帯電話機2の使用可能な通信事業者と同一か否かを判断しかつその判断結果を第1携帯制御部3に出力する。
【0031】
即ち、ステップ102では第1通信事業者であるか否かを判断し、ステップ103では第2通信事業者であるか否かを判断し、それらの判断結果としてステップ104又はステップ105に進む。
【0032】
例えば、ユーザーが第1携帯電話機1を用いて第1通信事業者対応携帯電話機21を通信相手として通信を開始する場合、ステップ102において通信事業者判定部9は通信事業者が同一であると判断し、ステップ102がYESとなり、ステップ104において、第1携帯電話機1の第1携帯制御部3が第1携帯送受信部4を制御することにより、第1携帯電話機1は第1通信事業者通信網15に発呼する。この発呼を受けた第1通信事業者通信網15は、通信相手の第1通信事業者対応携帯電話機21へ無線通信回線を繋ぐ。
【0033】
又、ユーザーが第1携帯電話機1を用いて別通信事業者対応携帯電話機23を通信相手として通信を開始する場合、ステップ102及びステップ103において通信事業者判定部9は通信事業者が異なると判断し、ステップ102及びステップ103が共にNOとなり、ステップ104において、第1携帯電話機1の第1携帯制御部3が第1携帯送受信部4を制御することにより、第1携帯電話機1は第1通信事業者通信網15に発呼する。この発呼を受けた第1通信事業者通信網15は、関門交換機18及び別通信事業者通信網17を経由して通信相手の別通信事業者対応携帯電話機23へ無線回線を繋ぐ。
【0034】
又、ユーザーが第1携帯電話機1を用いて第2通信事業者対応携帯電話機22を通信相手として通信を開始する場合、ステップ103において通信事業者判定部9は通信事業者が同じであると判断し、ステップ103がYESとなり、ステップ105において、第1携帯電話機1の第1携帯制御部3が第1ブルートゥース送受信部5を制御することにより、第1ブルートゥース送受信部5が第2ブルートゥース送受信部13にブルートゥースと呼ばれる無線通信規格による無線回線で通信可能に接続される。その第1・第2ブルートゥース送受信部5;13の接続を第2ブルートゥース送受信部13が第2携帯制御部11に通知し、第2携帯制御部11が第2携帯送受信部12を制御し、第2携帯送受信部12が第2通信事業者通信網16を使用して第2通信事業者対応携帯電話機22へ無線回線を繋ぐ。
【0035】
以上のように、図1の移動無線通信方法によれば、ユーザーの所持する通信事業者の異なる複数の携帯端末機のうちの第1携帯電話機1が通信を開始するように操作された場合において、通信開始操作の対象である通信相手の通信端末機の使用可能な通信事業者が第2携帯電話機2の使用可能な通信事業者と同一か否かを第1携帯電話機1が判断する。そして、通信開始操作の対象である通信相手の通信端末機の使用可能な通信事業者が第2携帯電話機2の使用可能な通信事業者と同一でない場合には、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2を経由することなく通信相手の通信端末機に通信可能に接続する。逆に、通信開始操作の対象である通信相手の通信端末機の使用可能な通信事業者が第2携帯電話機2の使用可能な通信事業者と同一である場合には、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2を経由して通信相手の通信端末機に通信可能に接続する。よって、ユーザーが所持する第1・第2携帯電話機1;2に基づき通信網の使用数を低減することができ、ユーザーに対する通信費が安くなるという利点もある。
【0036】
図1において、第2携帯電話機2が通信を開始するように操作された場合でも、第1携帯電話機1が通信を開始するように操作された場合のように利用できる。その場合、通信事業者判定部9に相当する通信事業者判定部や電話帳10に相当する電話帳が第2携帯電話機2の図外のフラッシュメモリに設けられる。そして、上記第1携帯電話機1が通信を開始するように操作された場合の説明中の第1携帯電話機1を第2携帯電話機2と読み替え、第2携帯電話機2を第1携帯電話機1と読み替えることによって、第2携帯電話機2が通信を開始するように操作された場合の移動無線通信方法を第1携帯電話機1が通信を開始するように操作された場合の移動無線通信方法のように利用できることは理解できるであろう。
【0037】
図2を参照し、通信事業者特定情報に基づいて通信相手の通信端末機の使用可能な通信事業者がユーザーの所持する第1携帯電話機1以外の携帯端末機の使用可能な通信事業者と同一か否かを通信事業者判定部9が判断するたにメールアドレスのドメインを使用するフラッシュメモリ7の内部構成について説明する。
【0038】
フラッシュメモリ7には、通信事業者特定情報を記録する部分として第2携帯用通信事業者欄25が設けられる。通信事業者特定情報は、第2携帯電話機2(図1参照)の使用可能な第2通信事業者を特定するため情報である。第2携帯用通信事業者欄25には、第2携帯電話機2のメールアドレスのドメインとして例えば「vyz.ne.jp」が記録されている。第2携帯用通信事業者欄25にメールアドレスのドメインを記録するには、例えば、ユーザーが第1携帯電話機1のキーボードを操作してメールアドレスのドメインを第2携帯用通信事業者欄25に記録させる。
【0039】
電話帳10の氏名欄には、Aさん、Bさん、Cさんの氏名がユーザーによる第1携帯電話機1のキーボードの操作で記録される。電話帳10の電話番号欄には、Aさんの電話番号、Bさんの電話番号、Cさんの電話番号がユーザーによる第1携帯電話機1のキーボードの操作で記録される。電話帳10のメールアドレス欄には、Aさんのメールアドレス、Bさんのメールアドレス、Cさんのメールアドレスがユーザーによる第1携帯電話機1のキーボードの操作で記録される。又、第1携帯電話機1の自電話番号やメールアドレスも電話帳10に記録される。
【0040】
このように通信事業者判定部9が通信事業者特定情報とし第2携帯用通信事業者欄25に記録されたメールアドレスのドメイン(以下、メールアドレスのドメインをドメインと称する)を使用する場合、通信事業者判定部9が入力された電話番号を電話帳10に照合し、電話帳10から電話番号に対応して抽出されたメールアドレスのドメイン(以下、メールアドレスのドメインをドメインと称する)と第2携帯用通信事業者欄25に記録されたドメインとを使用して通信事業者の同一か否かを判定すれば、ユーザーが電話番号を変更せずに通信事業者を変更する電話番号ポータビリティの運用下でも、通信事業者の同一か否かの判断が的確になるという利点がある
【0041】
図3を参照し、ドメインによって、通信事業者の同一か否かを判断する通信事業者判定処理について説明する。この通信事業者判定処理は、図2の通信事業者判定部9が行う。図3のステップ106乃至108の処理は図1のステップ101の処理に相当し、図3のステップ102乃至ステップ105の処理は図1のステップ102乃至ステップ105の処理と同じである。
【0042】
図3において、通信事業者判定処理が始まると、ステップ106では電話番号の入力か否かを判断する。通信相手の電話番号の入力が完了すると、ステップ106がYESとなり、ステップ107に進む。ステップ107では、入力された通信相手の電話番号を図2の電話帳10に照合し、電話帳10から入力された通信相手の電話番号に対応するドメインを抽出し、ステップ108に進む。ステップ108では、抽出されたドメインから通信相手の通信事業者を特定し、ステップ102に進む。
【0043】
図3のステップ106乃至ステップ108の処理において、例えば、通信相手が図2に示すAさんの場合はドメイン「pdx.ne.jp」が通信事業者を特定する情報として抽出され、例えば、通信相手が図2に示すBさんの場合はドメイン「xyz.ne.jp」が通信事業者を特定する情報として抽出され、例えば、通信相手が図2に示すCさんの場合はドメイン「ghi.ne.jp」が通信事業者を特定する情報として抽出される。
【0044】
次に、図4を参照し、通信事業者判定処理によって通信経路の形成される場合の具体例(1)乃至具体例(3)について説明する。
【0045】
具体例(1)は、第1携帯電話機1として図2の電話帳10に記録された自分のドメインが「pdx.ne.jp」であり、第2携帯用通信事業者欄25に記録されたドメインが「xyz.ne.jp」であり、図3のステップ107で抽出された通信相手のドメインが「pdx.ne.jp」である場合である。よって、第2携帯用通信事業者欄25のドメイン「xyz.ne.jp」と通信相手のドメイン「pdx.ne.jp」とが異なるもの、通信相手のドメイン「pdx.ne.jp」と自分のドメイン「pdx.ne.jp」とが同じである。その結果、第1携帯電話機1が第1通信事業者通信網15だけを経由して第1通信事業者対応携帯電話機21に通信可能に接続される。
【0046】
具体例(2)は、自分のドメインが「pdx.ne.jp」であり、第2携帯用通信事業者欄25に記録されたドメインが「xyz.ne.jp」であり、図3のステップ107で抽出された通信相手のドメインが「xyz.ne.jp」である場合である、よって、第2携帯用通信事業者欄25のドメイン「xyz.ne.jp」と通信相手のドメインが「xyz.ne.jp」とが同じである。その結果、第1携帯電話機1が第1ブルートゥース送受信部5から第2ブルートゥース送受信部13と第2携帯送受信部12及び第2通信事業者通信網16を経由して通信相手であるBさんの第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0047】
具体例(3)は、自分のドメインが「pdx.ne.jp」であり、第2携帯用通信事業者欄25に記録されたドメインが「xyz.ne.jp」であり、図3のステップ107で抽出された通信相手のドメインが「ghi.ne.jp」である場合である。よって、第2携帯用通信事業者欄25のドメイン「xyz.ne.jp」と通信相手のドメイン「ghi.ne.jp」とが異なり、かつ、通信相手のドメイン「ghi.ne.jp」と自分のドメイン「pdx.ne.jp」とが異なる。その結果、第1携帯電話機1が第1携帯送受信部4から第1通信事業者通信網15と関門交換機18及び別通信事業者通信網17を経由して通信相手であるCさんの別通信事業者対応携帯電話機23に通信可能に接続される。
【0048】
「実施の形態2」
図5において図1乃至図4に示す実施の形態1と異なる事柄は、通信事業者が複数のドメインを有することである。図5のa図に示すように、例えば、通信事業者が「xyz.ne.jp」及び「dxyz.ne.jp」なるドメインを所有し、通信事業者Yが「ghi.ne.jp」及び「fghi.ne.jp」なるドメインを所有する場合を例示する。
【0049】
そして、図5のb図に示すように、ユーザーが、第1携帯電話機1のキーボードを操作してフラッシュメモリ7の第2携帯用通信事業者欄25に「xyz.ne.jp」及び「dxyz.ne.jp」なるドメインを記録させる。又、電話帳10には、Dさんの氏名、Dさんの電話番号、Dさんのメールアドレスが追加して記録されている。
【0050】
よって、図5のb図において、例えば、ユーザーが第1携帯電話機1のキーボードを操作してBさん又はDさんの電話番号を入力した場合、通信事業者判定部9が第2携帯用通信事業者欄25に記録されたドメイン「xyz.ne.jp」又はドメイン「dxyz.ne.jp」から通信事業者として第2通信事業者を特定し、その結果、図1に示す第1携帯電話機1が第1ブルートゥース送受信部5から第2ブルートゥース送受信部13と第2携帯送受信部12及び第2通信事業者通信網16を経由して通信相手であるBさん又はDさんの第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0051】
「実施の形態3」
図6において図1乃至図4に示す実施の形態1と異なる事柄は、1つの通信事業者が複数のドメインを有し、それら複数のドメインを一つに統一した統合ドメインを有することである。図6のa図に示すように、例えば、ドメイン「xyz.ne.jp」及びドメイン「dxyz.ne.jp」を所有する通信事業者が統合ドメイン「xxy.ne.jp」を所有し、ドメイン「ghi.ne.jp」及びドメイン「fghi.ne.jp」を所有する通信事業者Yが統合ドメイン「ggh.ne.jp」を所有する場合を例示する。
【0052】
そして、図6のb図に示すように、ユーザーが第1携帯電話機1のキーボードを操作してフラッシュメモリ7の第2携帯用通信事業者欄25に統合ドメイン「xxy.ne.jp」を記録させる。又、ユーザーが、電話帳10のメールアドレス欄にBさんのメールアドレスやDさんのメールアドレスを記録する場合に、図6のa図に示す図表から統合ドメインを確認しつつ、統合ドメイン「xxy.ne.jp」を含むBさんのメールアドレス「abc@xxy.ne.jp」を記録させ、統合ドメイン「xxy.ne.jp」を含むDさんのメールアドレス「abc@xxy.ne.jp」を記録させる。
【0053】
例えば、図6のb図において、ユーザーが第1携帯電話機1のキーボードを操作してBさん又はDさんの電話番号を入力した場合、通信事業者判定部9が第2携帯用通信事業者欄25に記録された統合ドメイン「xxy.ne.jp」から通信事業者として第2通信事業者を特定し、その結果、図1に示す第1携帯電話機1が第1ブルートゥース送受信部5から第2ブルートゥース送受信部13と第2携帯送受信部12及び第2通信事業者通信網16を経由して通信相手であるBさん又はDさんの第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0054】
「実施の形態4」
図7において図1乃至図4に示す実施の形態1と異なる事柄は、1つの通信事業者が複数のドメインを有し、それぞれの統合ドメインを有する場合において、フラッシュメモリ7にドメイン設定部26とドメインテーブル27とが設けられたことである。ドメイン設定部26は、フラッシュメモリ7に格納されたプログラムによって具現化される。ドメインテーブル27は、通信事業者とドメインと統合ドメインとの関係を規定したデータテーブルである。
【0055】
ドメインテーブル27としては、例えば、通信事業者に対するドメイン欄にドメイン「xyz.ne.jp」及びドメイン「dxyz.ne.jp」が記録され、通信事業者に対する統合ドメイン欄に統合ドメイン「xxy.ne.jp」が記録され、通信事業者Yに対するドメイン欄にドメイン「ghi.ne.jp」及びドメイン「fghi.ne.jp」が記録され、通信事業者に対する統合ドメイン欄に統合ドメイン「ggh.ne.jp」が記録されている場合を例示する。
【0056】
そして、ユーザーがフラッシュメモリ7の第2携帯用通信事業者欄25にドメイン「xyz.ne.jp」又はドメイン「dxyz.ne.jp」を記録しようとして第1携帯電話機1のキーボードを操作すると、ドメイン設定部26がキーボードの操作によって入力されたドメイン「xyz.ne.jp」又はドメイン「dxyz.ne.jp」をドメインテーブル27に照合してドメインテーブル27からドメイン「xyz.ne.jp」及びドメイン「dxyz.ne.jp」を一つに統一した統合ドメイン「xxy.ne.jp」を抽出して第2携帯用通信事業者欄25に記録させる。
【0057】
又、ユーザーがフラッシュメモリ7の第2携帯用通信事業者欄25にドメイン「ghi.ne.jp」又はドメイン「fghi.ne.jp」を記録しようとして第1携帯電話機1のキーボードを操作すると、ドメイン設定部26がキーボードの操作によって入力されたドメイン「ghi.ne.jp」又はドメイン「fghi.ne.jp」をドメインテーブル27に照合してドメインテーブル27からドメイン「ghi.ne.jp」及びドメイン「fghi.ne.jp」を一つに統一した統合ドメイン「ggh.ne.jp」を抽出して第2携帯用通信事業者欄25に記録させる。
【0058】
例えば、図7に示すように統合ドメイン「xxy.ne.jp」が第2携帯用通信事業者欄25に記録された状態において、ユーザーがBさん又はDさんに電話をかけようとして第1携帯電話機1のキーボードを操作してBさん又はDさんの電話番号を入力した場合、通信事業者判定部9が電話帳10のメールアドレス欄からBさんのドメイン「xyz.ne.jp」又はDさんのドメイン「dxyz.ne.jp」に基づきドメインテーブル27から統合ドメイン「xxy.ne.jp」を抽出する。
【0059】
そして、ドメイン設定部26から抽出された統合ドメイン「xxy.ne.jp」と第2携帯用通信事業者欄25に記録された統合ドメイン「xxy.ne.jp」とから通信事業者として第2通信事業者を特定し、その結果、図1に示す第1携帯電話機1が第1ブルートゥース送受信部5から第2ブルートゥース送受信部13と第2携帯送受信部12及び第2通信事業者通信網16を経由して通信相手であるBさん又はDさんの第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0060】
図8を参照し、統合ドメインによって、通信事業者の同一か否かを判断する通信事業者判定処理について説明する。この通信事業者判定処理は、図7の通信事業者判定部9が行う。図8のステップ102乃至ステップ105とステップ106及び107の処理は、図3のステップ102乃至ステップ105とステップ106及び107の処理と同じであり、図8のステップ109とステップ110とが新設された処理である。ステップ109は、図7のドメインテーブル27から統合ドメインを抽出する処理である。ステップ110は、図3のステップ108に代わり、統合ドメインから通信事業者を特定する処理である。
【0061】
図8において、通信事業者判定処理が始まり、通信相手の電話番号の最後の入力が完了してステップ106がYESとなる。そして、ステップ107では、入力された通信相手の電話番号を図7の電話帳10に照合し、電話帳10から入力された通信相手の電話番号に対応するドメインを抽出し、ステップ109に進む。ステップ109では、抽出されたドメインを図7のドメインテーブル27に照合し、ドメインテーブル27から統合ドメインを抽出し、ステップ110に進む。ステップ110では抽出された統合ドメインから通信相手の通信事業者を特定し、ステップ102に進む。以降の処理は図3と同様なので説明は省略する。
【0062】
図8のステップ106乃至ステップ110の処理において、例えば、通信相手が図7に示すBさん又はDさんの場合はドメインテーブル27から統合ドメイン「xxy.ne.jp」が通信事業者を特定する情報として抽出され、例えば、通信相手が図7に示すCさんの場合はドメインテーブル27から統合ドメイン「ggh.ne.jp」が通信事業者を特定する情報として抽出される。
【0063】
「実施の形態5」
図9において図6に示す実施の形態4と異なる事柄は、経路特定部28と課金テーブル29とをフラッシュメモリ7に設けたことである。経路特定部28は、フラッシュメモリ7に格納されたプログラムによって具現化される。課金テーブル29は、通信事業者と時刻と通話料金との関係を規定したデータテーブルである。課金テーブル29には、例えば、ユーザーが第1携帯電話機1のキーボードを操作して通信事業者名と時刻と通話料金とを記録させる。
【0064】
課金テーブル29には、例えば、通信事業者に対する時刻21時から9時までは同一通信事業者の場合に30秒間20円で別の通信事業者の場合に30秒間18円と記録され、通信事業者に対する時刻9時から21時までは同一通信事業者の場合に30秒間30円で別の通信事業者の場合に30秒間33円と記録され、通信事業者Yに対する時刻21時から9時までは同一通信事業者の場合に30秒間18円で別の通信事業者の場合に30秒間19円と記録され、通信事業者Yに対する時刻9時から21時までは同一通信事業者の場合に30秒間32円で別の通信事業者の場合に30秒間35円と記録されている場合を例示する。
【0065】
そして、図9に示すように統合ドメイン「xxy.ne.jp」が第2携帯用通信事業者欄25に記録された状態において、ユーザーが第1携帯電話機1のキーボードを操作してBさん又はDさんの電話番号を入力した場合、通信事業者判定部9が第2携帯用通信事業者欄25に記録された統合ドメイン「xxy.ne.jp」から通信事業者Xを特定する。又、経路特定部28が課金テーブル29から通信事業者ごとにおける上記電話番号の入力の時刻と料金とに基づき通信経路を特定する。
【0066】
課金テーブル29を参照すると、例えば、電話番号の入力の時刻が21時乃至9時の間である場合、通信事業者は同一通信事業者料金が30秒間20円で別の通信事業者料金が30秒間18円であり、通信事業者Yは別の通信事業者料金が30秒間19円である。よって、経路特定部28は、通信事業者における同一通信事業者料金が30秒間20円及び別の通信事業者料金の30秒間18円と通信事業者Yにおける別の通信事業者料金の30秒間19円とを比較し、低額の通信事業者として通信事業者Xを通信経路として特定する。
【0067】
その結果、通信事業者判定部9で特定された通信事業者Xと経路特定部28で特定された通信事業者Xとが一致するので、図1に示す第1携帯電話機1が第1ブルートゥース送受信部5から第2ブルートゥース送受信部13と第2携帯送受信部12及び第2通信事業者通信網16を経由して通信相手であるBさん又はDさんの第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0068】
又、課金テーブル29を参照し、例えば、電話番号の入力の時刻が9時乃至21時の間である場合、通信事業者は同一通信事業者料金が30秒間30円で別の通信事業者料金が30秒間33円であり、通信事業者Yは別の通信事業者料金が30秒間29円である。よって、経路特定部28は、通信事業者における同一通信事業者料金が30秒間30円及び別の通信事業者料金の30秒間33円と通信事業者Yにおける別の通信事業者料金の30秒間29円とを比較し、低額の通信事業者として通信事業者Yを通信経路として特定する。
【0069】
なお、この課金テーブル29は、第1携帯電話機1の工場出荷時にフラッシュメモリ7に登録され、第1携帯電話機1の使用者が、都度、手操作により更新するようにしてもよいし、第1携帯電話機1の工場出荷時にはフラッシュメモリ7に登録されておらず、使用者が、都度、手操作により入力してもよい。さらに、課金テーブル29の更新は、上述のように手操作による更新のほか、例えば第1携帯電話機1を登録する通信事業者のホームページよりオンラインで一括ダウンロードするようにしてもよい。
【0070】
そして、通信事業者判定部9で特定された通信事業者Xと経路特定部28で特定された通信事業者Yとが異なるものの、通信経路として特定された低額の通信事業者Yを優先する結果、図1に示す第1携帯電話機1が、第1携帯送受信部4から第1通信事業者通信網15と関門交換機18と別通信事業者通信網17と関門交換機19及び第2通信事業者通信網16を経由して通信相手であるBさん又はCさんの第2通信事業者対応携帯電話機22に通信可能に接続される。
【0071】
図10を参照し、統合ドメインによって、通信事業者の同一か否かを判断する通信事業者判定処理及び経路特定処理について説明する。通信事業者判定処理は図9の通信事業者判定部9が行い、経路特定処理は図9の経路特定部28が行う。図10のステップ102乃至ステップ105とステップ106の処理は図3のステップ102乃至ステップ105とステップ106の処理と同じであり、図10のステップ110の処理は図8のステップ110の処理と同じであり、図111のステップ111及びステップ112が新設された処理である。
【0072】
図10において、通信事業者判定処理が始まり、通信相手の電話番号の最後の入力が完了してステップ106がYESとなる。そして、ステップ110では、入力された通信相手の電話番号を図7の電話帳10に照合し、電話帳10から入力された通信相手の電話番号に対応する統合ドメインを抽出する。次に、ステップ112では、経路特定処理が始まり、図9の課金テーブル29から通信事業者ごとにおける電話番号の入力の時刻と料金とに基づき低額の通信事業者による通信経路を特定する。その後、経路特定処理で特定された低額の通信事業者による通信経路を優先しつつ、ステップ102乃至ステップ105の通信事業者判定処理が行われる。この通信事業者判定処理は、図3と同様の処理なので説明は省略する。
【0073】
なお、実施の形態において、第1携帯電話機1と第2携帯電話機2との通信接続についてブルートゥースチップを用いたブルートゥース通信方法で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1携帯電話機1と第2携帯電話機2とを通信接続する技術として、近距離での遠隔操作可能な無線通信方法であればよい。
【符号の説明】
【0074】
1は第1携帯電話機、2は第2携帯電話機、3は第1携帯制御部、4は第1携帯送受信部、5は第1ブルートゥース送受信部、6はCPU、7はフラッシュメモリ、8はRAM、9は通信事業者判定部、10は電話帳、11は第2携帯制御部、12は第2携帯送受信部、13は第2ブルートゥース送受信部、14は欠番、15は第1通信事業者通信網、16は第2通信事業者通信網、17は別通信事業者通信網、18は関門交換機、19は関門交換機、20は関門交換機、21は第1通信事業者対応携帯電話機、22は第2通信事業者対応携帯電話機、23は別通信事業者対応携帯電話機、24は欠番、25は第2携帯用通信事業者欄、26はドメイン設定部、27はドメインテーブル、28は経路特定部、29は課金テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信事業者を異にする複数の携帯端末機のうちの1つの携帯端末機が通信を開始するように操作された場合、通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の所属する通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の所属する通信事業者と同一か否かを当該1つの携帯端末機が判断し、通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の所属する通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の所属する通信事業者と同一でない場合には、当該1つの携帯端末機が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機を経由することなく相手側の通信端末機に通信可能に接続し、通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の所属する通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の所属する通信事業者と同一である場合には、当該1つの携帯端末機が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機を経由して相手側の通信端末機に通信可能に接続することを特徴とする移動無線通信方法。
【請求項2】
通信事業者を異にする複数の携帯端末機が互いに携帯制御部と携帯送受信部と機器間無線送受信部とを備え、複数の携帯端末機のうちの少なくとも1つの携帯端末機が通信事業者判定部と通信事業者特定情報とを備え、当該1つの携帯端末機が通信を開始するように操作された場合、当該1つの携帯端末機の通信事業者判定部は通信事業者特定情報に基づいて通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の所属する通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の所属する通信事業者と同一か否かを判断しかつその判断結果を当該1つの携帯端末機の携帯制御部に出力し、その携帯制御部は上記通信事業者判定部からの判断結果に基づいて当該1つの携帯端末機における携帯送受信部または機器間無線送受信部を制御し、携帯送受信部が制御された場合は当該携帯送受信部が相手側の通信端末機に通信可能に接続し、機器間無線送受信部が制御された場合は当該機器間無線送受信部が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の機器間無線送受信部に接続し、その1つの携帯端末機以外の携帯端末機の機器間無線送受信部が1つの携帯端末機以外の携帯端末機の携帯制御部を制御し、その携帯制御部が1つの携帯端末機以外の携帯端末機の携帯送受信部を制御し、その携帯送受信部が相手側の通信端末機に通信可能に接続することを特徴とする請求項1に使用する移動無線通信装置。
【請求項3】
複数の携帯端末機のうちの少なくとも1つの携帯端末機が通信事業者判定部と通信事業者特定情報と経路特定部と課金テーブルとを備え、経路特定部が課金テーブルから通信事業者ごとにおける電話番号の入力の時刻と料金とに基づき低額の通信事業者による通信経路を特定し、通信事業者判定部が経路特定部で特定された低額の通信事業者による通信経路を優先しつつ通信事業者判定部は通信事業者特定情報に基づいて通信開始操作の対象である相手側の通信端末機の所属する通信事業者が当該1つの携帯端末機以外の携帯端末機の所属する通信事業者と同一か否かを判断することを特徴とする請求項2記載の移動無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−166473(P2010−166473A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8628(P2009−8628)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】