説明

移動通信装置用引込み可能回転可能なカメラ・モジュールおよびその操作方法

【課題】カメラ・モジュールを有する移動通信装置、およびカメラ・モジュールを有する移動通信装置を操作する方法を提供する。
【解決手段】移動通信装置100は、主本体110、および主本体110に結合され、主本体110に対して引込めた位置と露出した位置の間で移動し、露出した位置で少なくとも1つの回転軸の周りで回転可能に構成されたカメラ・モジュール200を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信を対象とし、より詳細には、移動通信装置用引込み可能回転可能なカメラ・モジュールおよびその操作方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
移動電話など移動通信装置は、単に言語の通信だけでなく、ますます広範に使用されている。移動通信装置のユーザは、メッセージング・サービス、データ通信、電子メール、またはファックス・サービスなど多様な用途に使用することができる。
【0003】
デジタル・イメージング装置の継続的な開発により、今日では、移動通信装置にデジタル・カメラを手ごろな価格で装備できるようになり、新しいマルチメディア・サービスのホストが提供されている。こうしたデジタル・カメラにより、一通話者がデジタル写真を撮り、その写真を周知のマルチメディア・メッセージ・システム(MMS)によって他方に送信することができるようになった。それぞれカメラが装備されていれば、2つの移動通信装置の間でテレビ電話をかけることも可能である。ディスプレイは、デジタル写真の場合は表示機能、またはテレビ電話の場合は通話者どうしが相手を見ることができる機能のためのものであり、こうした応用例には切り離せない部分である。
【0004】
その結果起こる問題は、カメラに対して異なる構成のディスプレイが、同じ装置でデジタル写真およびテレビ電話などのサービスをサポートするために必要とされることである。より具体的には、デジタル写真では、ディスプレイとカメラが反対方向に向き、テレビ電話では、同じ方向に向かなければならない。
【0005】
この問題は、1つはディスプレイの方向と同じ向きで他方は反対向きの2つのカメラを移動通信装置に装備することによって解決することができる。2つのカメラを単一の移動通信装置で使用することは、たとえば、Kurodaの米国特許出願第2003/0036365号の名称「Portable Communications Terminal with Camera Capable of Taking Pictures」に教示されている。しかし、2つのカメラを使用することによって、移動通信装置が、かなりコスト高で複雑になる。
【0006】
したがって、当技術分野に必要とされることは、移動通信装置にデジタル写真とテレビ電話の両方の機能をより低コストで提供する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0036365号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、デジタル写真またはテレビ電話など、様々な用途またはサービスに柔軟に使用することができるイメージング手段を備えた移動通信装置を提供することによって、従来技術の上記の欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来技術の上記の欠点に対処するため、本発明は一態様で、カメラ・モジュールを有する移動通信装置、およびカメラ・モジュールを有する移動通信装置を操作する方法を提供する。一実施形態では、この移動通信装置は、(1)主本体、および(2)主本体に結合され、主本体に対して引込めた位置と露出した位置の間で移動し、露出した位置で少なくとも1つの回転軸の周りで回転可能であるように構成されたカメラ・モジュールを備える。
【0010】
本発明は、他の態様で、移動通信装置を提供する。一実施形態では、この移動通信装置は、(1)カメラ・モジュールを取り付ける取付手段を有する主本体、および(2)主本体への補助取付手段を有して、カメラ・モジュールが主本体に対して引込めた位置から露出した位置まで可動であり、露出した位置で少なくとも1つの回転軸の周りで回転可能であるようになされたカメラ・モジュールを備える。
【0011】
本発明は、他の態様で、カメラ・モジュールを提供する。一実施形態では、このカメラ・モジュールは、(1)カメラ・モジュールを移動通信装置の補助取付手段に取り付ける取付手段、および(2)取付手段に結合され、移動通信装置の主本体に対して引込めた位置から露出した位置まで可動であり、少なくとも1つの回転軸の周りで回転可能であるカメラを備える。
【0012】
本発明は、他の態様で、引込み可能で回転可能なカメラ・モジュールを操作する方法を提供する。一実施形態では、この方法は、(1)カメラ・モジュールが引込めた位置から露出した位置まで移動通信装置の主本体に対して移動するように、ユーザが解放可能な保持装置を解放することによってカメラ・モジュールを展開すること、および(2)カメラ・モジュールを少なくとも1つの回転軸の周りで回転させることを含む。
【0013】
上記は、当業者が以下の本発明の詳細な説明をより良く理解されるように、本発明の好ましい形態および代替形態の特徴についてやや大まかに概要を述べたものである。本発明のさらなる特徴を以下に述べるが、これは本発明の特許請求の範囲の主題をなすものである。当業者には理解されるように、開示した概念および特定の実施形態は、本発明の同じ目的を実施するため、他の構成を設計し、または変更を加えるための基礎として容易に使用することができる。当業者はまた、こうした等価の構成は本発明の広範な形態において本発明の精神および範囲から逸脱しないことも理解されたい。
【0014】
本発明をより完全に理解するため、添付の図面と併せて、以下の説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】1つの回転軸の周りで回転可能な引込み可能なカメラ・モジュールを備え、本発明の原理に従って構成された移動通信装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】AおよびBはカメラ・モジュールが正面(図2A)および背面(図2B)位置にある、図1の移動通信装置を示す概略右側面図である。
【図3】2つの回転軸の周りで回転可能であり、本発明の原理に従って構成されたカメラ・モジュールの第2の実施形態を示す拡大概略側面図である。
【図4】本発明の原理に従って実施される移動通信装置のための引込み可能回転可能なカメラ・モジュールを操作する方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に図1を参照すると、引込み可能かつ回転可能なカメラ・モジュール200を装備した移動電話100が示されている。使用の際は、カメラ・モジュール200は図1で示した露出した位置にある。カメラ・モジュール200と結合されたカメラを使用しない場合は、カメラ・モジュール200は移動電話100の主本体110内に引込み可能である。この引込めた位置を参照番号210で示す。
【0017】
この実施形態では、カメラ・モジュール200は、フラッシュ124、およびセルフタイマ(図示せず)を備えており、セルフタイマは、発光ダイオード(LED)126に接続されて、セルフタイマの遅延時間の経過を示す。
【0018】
カメラ・モジュール200は、移動電話100の正面に面したカメラ・モジュール200のレンズ122を備えているところが示してあり、この正面はその上にディスプレイ112およびキーパッド114が配置された移動電話100の側面として画定されている。これは、テレビ会議などの用途に適した通常の位置である。カメラ・モジュール200を約180°回転させることによって、カメラ・モジュール200は移動電話100の背面に向く。これはデジタル写真を撮るのに適した位置である。
【0019】
カメラ・モジュール200は、図1では、移動電話100の上面に取り付けられたところが示されている。カメラ・モジュール200は当然、移動電話100の側面または任意の位置に取り付けることができ、上記のように、その位置で、カメラ・モジュール200を回転させて移動電話100の正面または背面に向けることができる。
【0020】
当然、本発明は移動電話に限定されるものではなく、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、または移動デジタル・アシスタント(MDA)、あるいは任意の他の従来技術または最近開発された移動通信装置に使用することもできる。
【0021】
次に図2Aおよび2Bに移ると、図1の移動電話100が左側から示されており、カメラ・モジュール200の回転運動がさらに示されている。図2Aでは、カメラ・モジュール200は正面の位置にある。図2Bでは、カメラ・モジュール200が約180°回転され、カメラ・モジュール200が移動電話100の背面に向くようになされている。
【0022】
次に図3に移ると、カメラ・モジュール200の他の実施形態が示されている。この実施形態では、カメラ・モジュール200は、本質的に互いに垂直の2つの回転軸の周りで回転可能である。こうするとカメラ・モジュール200を、図1、2A、および2Bで示したように、垂直軸の周りで単に回転させることはできないが、傾斜させて、水平の回転軸の周りで回転させることができる。カメラ・モジュールを前方および後方に傾ける位置をそれぞれ参照番号220および230で示す。
【0023】
図3は、任意選択のばね310も非常に概略的な形で示しており、このばねによって、カメラ・モジュール200を自動的に押し出し、露出した位置に移動させることができる。この目的で、任意選択のユーザが解放可能な保持装置320を設けて、ユーザがばねを解放するまで、ばねを圧縮した位置に保持することができる。代替形態では、電磁石、またはモータ、あるいはユーザが手で引き出すことによって、カメラ・モジュール200を自動的に取り出すことができる。最後に、カメラ・モジュール200が図1の移動電話100から完全に取外し可能になった場合に、取付手段330をカメラ・モジュール200に結合する。取付手段330は、移動電話100の上または中に配置された対応する取付手段と解放可能に係合する。
【0024】
次に図4に移ると、本発明の原理に従って実施される移動通信装置のための引込み可能回転可能なカメラ・モジュールを操作する方法の一実施形態の流れ図が示されている。この方法は、開始の工程410で開始され、ユーザはカメラを展開して、デジタル写真を撮ること、またはテレビ電話をかけることを望むことができる。
【0025】
この方法は、工程420に進み、ユーザは、ユーザが解放可能な保持装置を解放することによってカメラを備えたカメラ・モジュールを展開する。これに応答してばねが延びて、カメラ・モジュールを、移動通信装置の主本体に対して引込めた位置から露出した位置まで移動させる。
【0026】
次に工程430で、ユーザは、カメラ・モジュールを少なくとも1つの回転軸の周りで回転させる。次いで、任意選択の工程440で、検出器、具体的には電子的検出器が、恐らくカメラ・モジュールの回転方向を含む、移動通信装置の主本体に対するカメラ・モジュールの位置を検出する。次いで、カメラ・モジュールの電源のスイッチが自動的に入る。また、移動通信装置のディスプレイを、デジタル写真またはテレビ電話など、特定の用途のために構成することもできる。
【0027】
次に、任意選択の工程450で、ユーザがデジタル写真を撮ろうとする場合に、フラッシュを始動させることができる。セルフタイマを使用して、自動的に写真を撮る前の遅延時間を計ることができる。遅延時間の経過は、LEDなど適切な表示器で示すことができ、遅延時間中に点滅の頻度を徐々に上げることができる。この方法は、終了の工程460で終了し、ユーザは表面的にカメラ・モジュールを主本体内の引込めた位置に戻す。
【0028】
本発明を詳細に説明したが、当業者には理解されるように、本発明の広範な形態において、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な変更、置き換え、および修正を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信装置であって、
カメラ・モジュールを取り付ける取付手段を有する主本体であって、前記取付手段が、電気エネルギーを用いて前記カメラ・モジュールを引込めた位置から露出した位置まで自動的に動かすための手段を有する、主本体と
前記主本体への補助取付手段を有するカメラ・モジュールであって、前記カメラ・モジュールが、前記主本体に対して前記引込めた位置から前記露出した位置まで可動であり、前記移動通信装置から全体的に検出可能であり、そして、前記露出した位置で少なくとも1つの回転軸の周りで回転可能である、カメラ・モジュールとを備える移動通信装置。
【請求項2】
前記主本体の取付手段は、前記露出した位置で少なくとも1つの回転軸の周りで前記カメラ・モジュールを回転させるための手段を含む、請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項3】
前記主本体に対する前記カメラ・モジュールの位置を検出するための電子検出器をさらに備える請求項1に記載の移動通信装置
【請求項4】
少なくとも1つの記憶されたプログラムを有するメモリと、前記プログラムを実行するマイクロプロセッサとをさらに備える請求項3に記載の移動通信装置であって、
前記プログラムが、前記検出された位置に基づいて、デジタル写真又はテレビ電話のいずれかについて前記移動通信装置のディスプレイを自動的に構成するようになっており、
前記プログラムが、前記カメラ・モジュールの電源スイッチをいれるようになっている、請求項3に記載の移動通信装置。
【請求項5】
前記カメラ・モジュールは、前記露出した位置で、少なくとも正面位置から背面位置へ回転可能であり、
前記ディスプレイは、前記カメラ・モジュールが前記背面位置にあると検出された場合に前記デジタル写真用に構成され、前記カメラ・モジュールが前記正面位置にあると検出された場合に前記テレビ電話用に構成される、請求項4に記載の移動通信装置。
【請求項6】
前記テレビ電話がテレビ会議電話である、請求項5に記載の移動通信装置
【請求項7】
前記プログラムが、前記検出された位置に基づいて、前記移動通信装置を録画用に自動的に構成するようになっている、請求項4に記載の移動通信装置。
【請求項8】
前記プログラムが、前記検出された位置に基づいて、前記移動通信装置をアプリケーション用に自動的に構成するようになっており、
前記アプリケーションは、前記移動通信装置のユーザによりプログラムされるものである、請求項4に記載の移動通信装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの回転軸は、前記カメラ・モジュールが前記主本体に対して移動する方向に本質的に垂直である、請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項10】
前記カメラ・モジュールは、前記露出した位置で少なくとも2つの回転軸の周りで回転可能であり、前記少なくとも2つの回転軸は互いに垂直である、請求項1に記載の移動通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−137763(P2012−137763A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287066(P2011−287066)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2005−117934(P2005−117934)の分割
【原出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】