説明

移載装置

【課題】荷物の側方に進出し後退することで荷物の取り込みを行うフォークを備える移載装置であって、荷物の検出の確実性が向上された移載装置を提供すること。
【解決手段】荷物を載置するための荷台21と、荷物の側方まで進出した後に後退する出退動作によって荷物を荷台21の上面に取り込むフォーク22とを備える移載装置20であって、モータに回転駆動される主ピニオン30と、主ピニオン30と噛み合って回転する第一副ピニオン31と、第一副ピニオン31と噛み合うとともに、第一副ピニオン31が回転することでフォーク22の出退動作を駆動するラックギア25と、主ピニオン30の上方かつ第一副ピニオン31の側方であって、荷台21の上面とフォーク22との間の空間を光軸36が通過するように配置されたセンサ35とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の移載を行う移載装置に関し、特に、荷物の側方に進出したフォークを後退させることで当該荷物を取り込む移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物をある場所から他の場所へ搬送する搬送機器として、例えばスタッカクレーンおよび無人搬送車などが存在する。
【0003】
これら搬送機器には、例えば荷物を保持するための棚と、当該搬送機器との間で荷物を移載するための移載装置が備えられている。
【0004】
このような移載装置に採用される移載方式としては、櫛歯式フォークで荷物をすくい上げて移載する方式、ピックアップベルトで荷物をずり動して移載する方式、荷物を両側から挟んで保持し移載する方式、および出退するフォークに設けられた爪により荷物の押し出しおよび引き込みを行うことで荷物を移載する方式などを例示することができる。
【0005】
このような移載装置には、荷物の移載についての高い正確性、安全性および効率性が求められており、これらを実現するための技術も開示されている。
【0006】
例えば特許文献1に記載の移載装置は、荷物を側方から挟持し、かつ、出退する一対のフォークを本体に備える。また、本体の上面には、フォークの出退方向と同方向に荷物を移動させるコンベアが備えられている。
【0007】
当該移載装置によれば、荷物を棚から受け取る場合、フォークにより本体上の所定位置まで引き込んだ荷物を、本体に備えられたコンベアによってさらに引き込む。
【0008】
つまり、当該移載装置では、荷物の側面に接触するフォーク側に、コンベアおよびコンベアを駆動させるプーリが不要である。そのため、移載対象の荷物が収納される収納棚における、移載のために必要な作業空間を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−138949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、従来の移載装置には、荷物の移載作業を確実に実行するために、例えば自身が有する荷台に荷物が存在するか否かを確認するためのセンサが備えられている。
【0011】
図6は、従来の移載装置の構成概要を示す側面図である。
【0012】
図6に示す従来の移載装置120は、荷物の移載のための一対のフォーク122を備えている。移載装置120は、当該一対のフォーク122で荷物を側方から挟持する、または、当該一対のフォーク122が有する爪により荷物の押し出しおよび引き込みを行うことで荷物の移載を行う装置である。
【0013】
具体的には、移載装置120は、荷台121と、フォーク122と、センサ135とを備えている。
【0014】
また、フォーク122は、ピニオン130と噛み合うラックギア125を有し、モータによりピニオン130が回転することで、フォーク122の出退動作が駆動される。
【0015】
このような構成を有する移載装置120は、図6において、例えば、前方(例えば、図6における左方)にフォーク122を進出させた後に後退させることで、移載装置120の前方に存在する荷物を荷台121に取り込むことができる。
【0016】
また、この荷物の取り込みの際、センサ135により形成されている光軸136が当該荷物に遮断される。これにより、当該荷物が荷台21に取り込まれたことが検出される。
【0017】
しかしながら、従来の移載装置120では、例えば背の低い荷物の検出を行えない場合がある。
【0018】
具体的には、例えば移載装置120による前後双方への荷物の移載を可能とするために、図6に示すように、ピニオン130を、荷台121におけるフォーク122の出退方向の中央近傍に配置することが望ましい。
【0019】
また、移載装置120に前後双方向から取り込まれた荷物を確実に検出するためには、センサ135は、図6に示すように、ピニオン130の上方に配置することが望ましい。
【0020】
しかしながら、センサ135をピニオン130の上方に配置する場合、荷物以外の物体であるピニオン130、フォーク122、および、フォーク122をスライド自在に保持するフレーム(図示せず)などに光軸が遮断されないように、これらの上方にセンサ135が配置される。
【0021】
そのため、例えば平板状の荷物など背の低い荷物が、センサ135によって検出されない可能性がある。
【0022】
もちろん、例えば荷台121の上面の、一対のフォーク122の間に、センサ135を構成する投光器および受光器を配置することで、荷台121の上面近傍に光軸を形成させることも考えられる。しかしながら、この場合は、荷台121における荷物の載置可能領域が狭められるため、このような位置にセンサ135を配置することは現実的ではない。
【0023】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、荷物の側方に進出し後退することで荷物の取り込みを行うフォークを備える移載装置であって、荷物の検出の確実性が向上された移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記従来の課題を解決するため、本発明の一態様に係る移載装置は、荷物を載置するための荷台と、前記荷物の側方まで進出した後に後退する出退動作によって前記荷物を前記荷台の上面に取り込むフォークとを備える移載装置であって、モータに回転駆動される主ピニオンと、前記主ピニオンと噛み合って回転する第一副ピニオンと、前記第一副ピニオンと噛み合うとともに、前記第一副ピニオンが回転することで前記フォークの前記出退動作を駆動するラックギアと、前記主ピニオンの上方かつ前記第一副ピニオンの側方であって、前記荷台の上面と前記フォークとの間の空間を光軸が通過するように配置されたセンサとを備える。
【0025】
この構成によれば、主ピニオンは、第一副ピニオンを介してラックギアの直線運動を駆動する。これにより、フォークの出退動作が実行される。また、このように第一副ピニオンを備えることで生じる、主ピニオンの上方かつ第一副ピニオンの側方であってフォークと荷台との間の空間に、荷物検出のための光軸を通過させている。
【0026】
従って、例えば、荷台の上面に極めて近い位置に、荷物の載置可能領域を狭めず、かつ、フォーク等の構成要素に遮断されないように、荷物検出のための光軸を形成させることができる。そのため、例えば荷台上面からフォークの上端までの高さよりも背の低い荷物であっても確実に検出することができる。
【0027】
このように、本態様の移載装置は、荷物の側方に進出し後退することで荷物の取り込みを行うフォークを備える移載装置であって、荷物の検出の確実性が向上された移載装置である。
【0028】
また、本発明の一態様に係る移載装置は、さらに、前記主ピニオンと噛み合って回転するとともに、前記ラックギアと噛み合う第二副ピニオンを備え、前記センサは、前記第一副ピニオンと前記第二副ピニオンとの間に光軸が形成されるように配置されているとしてもよい。
【0029】
この構成によれば、第一副ピニオンと同じく、主ピニオンに回転駆動され、かつ、ラックギアと噛み合う第二副ピニオンが、第一副ピニオンとともに備えられる。つまり、これら副ピニオンは、フォークの出退方向に並ぶように配置される。
【0030】
そのため、主ピニオンの位置を基準とした場合の、フォークの出退動作における双方向へのストロークを、ともに荷物の移載が可能な程度まで長くすることができる。つまり、フォークの出退方向を前後方向とした場合に、例えば、当該移載装置の前後双方に対する荷物の移載が可能となる。
【0031】
また、センサの光軸は、第一副ピニオンと第二副ピニオンとの間の空間を通過するため、光軸がこれら副ピニオンに遮断されることはない。
【0032】
また、本発明の一態様に係る移載装置において、前記主ピニオンは、前記荷台における前記フォークの出退方向の中央近傍であって、前記荷台の上面よりも下方を通過する回転軸を中心に回転するとしてもよい。
【0033】
この構成によれば、例えば、センサを、その光軸がフォークの出退方向と直交し、かつ、荷台の上面に極めて近い位置であって荷台の中央を横切るように配置することが可能となる。
【0034】
そのため、例えば、本態様の移載装置が前後双方から荷物を取り込む場合において、荷物の検出の確実性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、荷物の側方に進出し後退することで荷物の取り込みを行うフォークを備える移載装置であって、荷物の検出の確実性が向上された移載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態における移載装置を備える自動倉庫の外観を示す図である。
【図2】実施の形態における移載装置による荷物の取り込み動作の概要を示す図である。
【図3】実施の形態における移載装置の構成概要を示す図である。
【図4A】実施の形態の移載装置におけるフォークが進出した状態を示す第一の図である。
【図4B】実施の形態の移載装置におけるフォークが進出した状態を示す第二の図である。
【図5】実施の形態における移載装置の構成概要の別の一例を図である。
【図6】従来の移載装置の構成概要を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の実施の形態における移載装置について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施の形態における移載装置を備える自動倉庫の外観を示す図である。
【0039】
図1に示す自動倉庫10は、本発明の移載装置の一例である移載装置20を有するスタッカクレーン12を備える。自動倉庫10では、スタッカクレーン12によって、荷物60が保管棚50に自動で収納され、また、収納された荷物60が自動で搬出される。
【0040】
自動倉庫10は、スタッカクレーン12、スタッカクレーン12の移動のための走行レール16、スタッカクレーン12の通路に沿って設けられた保管棚50、および、入出庫の際に物品が置かれるステーション51を備えている。
【0041】
スタッカクレーン12は、走行レール16上を移動し、移載装置20が備えられた昇降台15を昇降させる。また、移載装置20は、荷台21と一対のフォーク22とを有し、保管棚50の任意の棚の前方で一対のフォーク22を出退させる。これにより、保管棚50と移載装置20との間で荷物を移載することができる。
【0042】
また、移載装置20は、ステーション51との間でも荷物の移載を行うことができる。これにより、スタッカクレーン12は、例えば、保管棚50から取り込んだ荷物を、ステーション51に載置することができ、かつ、ステーション51から取り込んだ荷物を、保管棚50に載置することができる。
【0043】
図2は、実施の形態における移載装置20による荷物の取り込み動作の概要を示す図である。
【0044】
なお、図2および後述する図3〜図5では、移載装置20の特徴を明確に説明するために、フォーク22等の移載装置20の主要な構成要素のみを図示し、フォーク22を支持するフレーム等の構成要素の図示および説明は省略する。
【0045】
図2に示すように、移載装置20に備えられた一対のフォーク22のそれぞれは、出退方向の一端に爪23を備え、他端に爪24を備えている。
【0046】
以下に、移載装置20が保管棚50から荷物60を取り込む場合の動作について説明する。なお、説明の明確化のために、一対のフォーク22のうちの一方のフォーク22の動作に着目して説明するが、他方のフォーク22も同じ動作を行う。
【0047】
移載装置20が保管棚50から荷物60を取り込む場合、まずフォーク22が荷物60の側方に進出し、爪23が荷物60の後端(図2における荷物60の上端)を越えた時点で、爪23が内方に回動する。その後、爪23が荷物60の後端に接触しながらフォーク22が後退することで、荷物60は、荷台21の上面に取り込まれる。
【0048】
なお、荷台21上の荷物60を保管棚50に送り出す場合は、例えば、一旦フォーク22を後退させた後に、爪23を用いて荷物60を保管棚50の内方の所定の位置まで送り出す。または、例えば、爪24で荷物60を保管棚50の方向に移動させた後に、一旦フォーク22を後退させて、爪23を用いて保管棚50の内方の所定の位置まで荷物60を移動させる。
【0049】
また、図2では、移載装置20の前方(図2における上方)にのみ保管棚50が配置されている。しかし、移載装置20において、フォーク22が後方(図2における下方)に対して出退することで、移載装置20の後方に対しても同様に荷物の載置を行うことができる。
【0050】
つまり、移載装置20は、後方に保管棚50等の荷物の載置場所が存在する場合、当該載置場所からの荷物の取り込み、および、当該載置場所への荷物の送り出しを行うことができる。
【0051】
また、移載装置20には、図2に示すように、投光器35aおよび受光器35bを有するセンサ35が備えられている。具体的には、センサ35は、光電センサの一種であり、投光器35aが受光器35bの方向に照射する光により形成される光軸36が、荷台21におけるフォーク22の出退方向のほぼ中央を横切るように配置されている。
【0052】
そのため、例えば、移載装置20が前後のいずれから荷物60を取り込んだ場合であっても、荷台21の中央近傍の光軸36の位置に荷物60が到達することで、光軸36が荷物60に遮断され、これにより、荷物60が荷台21上に取り込まれたことが検出される。
【0053】
また、より詳細には、光軸36は、荷台21の上面に極めて近い位置であって、フォーク22等の、荷物以外の構成要素に遮断されない位置に形成されている。
【0054】
図3は、実施の形態における移載装置20の構成概要を示す図である。
【0055】
図3に示すように、移載装置20は、上述の、荷台21、フォーク22、およびセンサ35に加え、主ピニオン30と、第一副ピニオン31と、ラックギア25とを備える。
【0056】
主ピニオン30はモータに回転駆動され、主ピニオン30と噛み合う第一副ピニオン31は、主ピニオン30の回転に伴って回転する。
【0057】
また、ラックギア25は、第一副ピニオン31と噛み合うとともに、第一副ピニオン31が回転することでフォーク22の出退動作を駆動する。
【0058】
つまり、実施の形態の移載装置20において、モータに回転駆動される主ピニオン30は、第一副ピニオン31を介してラックギア25の直線運動、すなわち、フォーク22の出退動作を駆動している。
【0059】
これにより、主ピニオン30の上方かつ第一副ピニオン31の側方であって、荷台21の上面とフォーク22との間に、光軸36を通過させるのに十分な空間を設けることができる。
【0060】
そのため、図3に示すように、荷台21の上面に極めて近い位置に光軸36が形成されるように、センサ35を配置することができる。
【0061】
また、図2で示したように、センサ35の投光器35aおよび受光器35bは、それぞれ、両側のフォーク22の外側に配置することができる。つまり、少なくとも荷台21における荷物の載置可能領域を狭める位置にセンサ35を配置する必要がない。
【0062】
また、図3に示すように、実施の形態の移載装置20にはさらに、第二副ピニオン32が備えられている。
【0063】
第二副ピニオン32は、第一副ピニオン31と同じく、主ピニオン30と噛み合い、主ピニオン30が回転することで回転する。また、第二副ピニオン32は、ラックギア25とも噛み合い、第一副ピニオン31とともに、ラックギア25の直線運動を駆動する。
【0064】
また、図3に示すように、第一副ピニオン31と第二副ピニオン32とは、フォーク22の出退方向に並んで配置されている。また、ラックギア25は、第一副ピニオン31および第二副ピニオン32の少なくとも一方と噛み合う範囲で出退できる。
【0065】
従って、主ピニオン30の位置を基準とした場合の、ラックギア25の前後方向(図3における左右方向)の稼動範囲は、第二副ピニオン32が存在しない場合よりも長くなる。
【0066】
その結果、フォーク22の出退動作における前後双方向のストロークを、ともに荷物の移載が可能な程度の長さとすることができる。
【0067】
図4Aは、実施の形態の移載装置20におけるフォーク22が進出した状態を示す第一の図であり、図4Bは、実施の形態の移載装置20におけるフォーク22が進出した状態を示す第二の図である。
【0068】
例えば、図4Aおよび図4Bにおいて、左側を移載装置20の前方と想定する。この場合、図4Aに示すように、フォーク22は、図3に示す位置から前方に進出し、第二副ピニオン32との噛み合いが外れた場合でも、第一副ピニオン31と噛み合う状態を維持できる限り前方に進出できる。
【0069】
また、図4Bに示すように、フォーク22は、図3に示す位置から後方に進出し、第一副ピニオン31との噛み合いが外れた場合でも、第二副ピニオン32のみと噛み合う状態を維持できる限り後方に進出できる。
【0070】
また、図3、図4Aおよび図4Bに示すように、主ピニオン30は、荷台21におけるフォーク22の出退方向の中央近傍(中央と、中央の近傍とを含む範囲)であって、荷台21の上面よりも下方を通過する回転軸を中心に回転する。
【0071】
従って、フォーク22の出退動作における前後双方向のストロークを、ともに荷物の移載が可能な程度の長さとすることができる。
【0072】
具体的には、予め規定された範囲内の寸法の荷物を、爪23(図2参照)で取り込むことが可能な位置までフォーク22を進出させることができ、かつ、爪23を用いて、当該荷物の少なくとも一部を荷台21上面の中央にまで到達させることが可能な位置までフォーク22を後退させることができる。
【0073】
さらに、当該荷物が移載装置20の後方にある場合も同様である。すなわち、爪24(図2参照)により、当該荷物を取り込み、かつ、当該荷物の少なくとも一部を荷台21上面の中央にまで到達させることが可能な位置までフォーク22を出退させることができる。
【0074】
また、主ピニオン30の上方の、センサ35の光軸36を通過させる空間も、荷台21におけるフォーク22の出退方向の中央近傍に設けられることになる。
【0075】
すなわち、センサ35を、光軸36がフォーク22の出退方向と直交し、かつ、荷台21の上面に極めて近い位置であって荷台21の中央を横切るように配置することが可能となる。
【0076】
そのため、例えば平板状の荷物のような背の低い荷物が移載装置20の前後のいずれから取り込まれた場合であっても、当該荷物を確実に検出することができる。
【0077】
以上、本発明の移載装置について、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0078】
例えば、本実施の形態において、移載装置20は、2つの副ピニオン(第一副ピニオン31および第二副ピニオン32)を備えるとした。しかし、移載装置20は副ピニオンを1つ備えていればよい。
【0079】
図5は、実施の形態における移載装置20の構成概要の別の一例を図である。
【0080】
例えば図5に示すように、移載装置20は、主ピニオン30とラックギア25との間に介在する副ピニオンとして、第一副ピニオン31のみを備えていてもよい。
【0081】
この場合であっても、図5に示すように、主ピニオン30の上方であって荷台21の上面に極めて近い位置に光軸36が形成されるように、センサ35を配置することができる。
【0082】
すなわち、移載装置20が、副ピニオンとして第一副ピニオン31のみを備えた場合であっても、移載装置20に取り込まれた荷物に対する検出の確実性は維持される。
【0083】
また、本実施の形態では、移載装置20の移載方式として、フォーク22が備える爪23および爪24により、荷物の押し出しおよび引き込みを行うことで荷物を移載する方式が採用されている。
【0084】
しかしながら、移載装置20は、例えば、荷物を両側から挟んで保持し移載する方式を移載方式として採用してもよい。つまり、移載装置20は、荷物の側方に進出し後退することで荷物の取り込みを行うフォークを用いた移載方式を採用していれば、上述の、荷物の検出の確実性の向上効果は発揮される。
【0085】
また、フォーク22は、出退方向の前端部と後端部に1つずつ爪(爪23および爪24)を備えるとした。しかし、フォーク22は、出退方向に並べられた3つ以上の爪を備えてもよい。
【0086】
例えば、フォーク22の出退方向の中央近傍に第三の爪を備え、かつ、移載装置20の前方に、取り込むべき荷物が存在する場合を想定する。この場合、当該荷物が小さいことにより、爪23では荷台21の上面の中央まで引き込めない場合であっても、第三の爪により、当該荷物を荷台21の上面の中央まで引き込むことができる。
【0087】
具体的には、爪23により、当該荷物を例えば荷台21の上面の前端辺りまで引き込んだ後に、フォーク22を一旦前進させ、第三の爪を当該荷物の後端(荷物の移動方向についての後端)に接触させた状態で、フォーク22を後退させる。これにより、当該荷物を荷台21の上面の中央まで引き込むことができる。
【0088】
また、本実施の形態では、ラックギア25とフォーク22とが一体に設けられており、ラックギア25の移動距離とフォーク22の移動距離とは一致している。
【0089】
しかしながら、例えば、フォーク22が複数の部材から構成されるテレスコピック構造を有し、フォーク22が全体として伸縮することで、フォーク22の出退動作を実現してもよい。
【0090】
この場合、例えばリンク機構を利用することで、フォーク22の前端部の移動距離を、ラックギア25の前方への移動距離よりも長くすることができる。
【0091】
例えば、フォーク22を、ミドル部とトップ部の2段構造にし、ミドル部を、第一副ピニオン31および第二ピニオン32の少なくとも一方によって出退させる。さらに、トップ部がその出退に連動してミドル部に対する出退を行うように、ミドル部とトップ部とを例えばワイヤで連結する。
【0092】
このようにフォーク22が全体として伸縮する構造を採用することで、例えば、移載装置20に、より遠くの荷物またはより大きな荷物の移載を実行させることができる。
【0093】
また、センサ35は、光軸が荷物により遮断されることにより当該荷物を検出するとした。しかしながら、センサ35は、荷物からの反射光を検出することで、当該荷物を検出してもよい。
【0094】
この場合であっても、移載装置20であれば、センサ35から発せられ、荷物によって反射された光によって形成される光軸を、主ピニオン30の上方かつ第一副ピニオン31の側方であって、荷台21の上面とフォーク22との間の空間を通過させることができる。
【0095】
また、本実施の形態では、移載装置20は、スタッカクレーン12に備えられるとした。しかしながら、移載装置20は、例えば無人搬送車または天井走行車などの、スタッカクレーンとは異なる種類の搬送機器に備えられてもよい。
【0096】
また、移載装置20は、搬送機器などの移動体ではなく、通常は固定されて使用される機器において荷物の移載を行う装置として採用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明の移載装置は、荷物の側方に進出し後退することで荷物の取り込みを行うフォークを備える移載装置であって、荷物の検出の確実性が向上された移載装置である。従って、工場および物流倉庫等で荷物の移載を行う移載装置等として有用である。
【符号の説明】
【0098】
10 自動倉庫
12 スタッカクレーン
15 昇降台
16 走行レール
20 移載装置
21 荷台
22 フォーク
23、24 爪
25 ラックギア
30 主ピニオン
31 第一副ピニオン
32 第二副ピニオン
35 センサ
35a 投光器
35b 受光器
36 光軸
50 保管棚
51 ステーション
60 荷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を載置するための荷台と、前記荷物の側方まで進出した後に後退する出退動作によって前記荷物を前記荷台の上面に取り込むフォークとを備える移載装置であって、
モータに回転駆動される主ピニオンと、
前記主ピニオンと噛み合って回転する第一副ピニオンと、
前記第一副ピニオンと噛み合うとともに、前記第一副ピニオンが回転することで前記フォークの前記出退動作を駆動するラックギアと、
前記主ピニオンの上方かつ前記第一副ピニオンの側方であって、前記荷台の上面と前記フォークとの間の空間を光軸が通過するように配置されたセンサと
を備える移載装置。
【請求項2】
さらに、前記主ピニオンと噛み合って回転するとともに、前記ラックギアと噛み合う第二副ピニオンを備え、
前記センサは、前記第一副ピニオンと前記第二副ピニオンとの間に光軸が形成されるように配置されている
請求項1記載の移載装置。
【請求項3】
前記主ピニオンは、前記荷台における前記フォークの出退方向の中央近傍であって、前記荷台の上面よりも下方を通過する回転軸を中心に回転する
請求項1または2記載の移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−153508(P2012−153508A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15548(P2011−15548)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】