説明

移載装置

【課題】移載ベルトの一部を移載装置本体側に簡単に固定することができる移載装置を提供すること。
【解決手段】移載装置本体3と、移載装置本体3に後退位置と前進位置との間を移動自在に装着された支持プレート4と、支持プレート4を巻回するように設けられた移載ベルト8と、移載ベルト8の一部を移載装置本体3側に固定するための狭持手段60と、支持プレート4を後退位置と前進位置との間を往復移動させるための移動機構と、を備えた移載装置。狭持手段60は、移載装置本体3に固定された第1狭持部材64と、第1狭持部材64に揺動自在に装着された第2狭持部材66と、第2狭持部材66を狭持状態にロック保持するためのロック手段70と、を備え、移載ベルト8の一部は第1狭持部材64と第2狭持部材66との間に狭持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンバーグ半製品、パン生地、果物などの食品を移載する際に用いる移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品などの被移載物を移載する移載装置として、移載ベルトを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この移載装置は、移載装置本体を備え、この移載装置本体に支持プレートが後退位置と前進位置との間を移動自在に装着されている。移載ベルトは支持プレートを巻回するように配置され、この移載ベルトの一部が移載装置本体に固定機構を介して固定されている。固定機構は、移載装置本体に固定された固定部材と、この固定部材の表面側に配設された押え部材とを備え、移載ベルトが固定部材と押え部材との間に介在され、複数の固定ねじが押え部材及び移載ベルトを通して固定部材に螺着され、このように押え部材を固定することによって、移載ベルトの一部が固定部材と押え部材との間に挟持される。
【0003】
移載装置は、更に、支持プレートを往復移動させるための移動機構を備えている。被移載物を移載する際には、支持プレートが移動機構によって後退位置から前進位置に移動され、この移動の際には、移載ベルトの一部が固定部材に固定されている故に、移載ベルトは支持プレートの下面側から上面側に移動し、かかる移動を利用して被移載物が移載ベルトを介して支持プレートの上面に移載される。また、支持プレート上に移載した被移載物を移す際には、支持プレートが前進位置から後退位置に移動され、このときには上述したと反対に、移載ベルトが上面側から下面側に移動し、かかる移動を利用して被移載物が移載ベルトを介して支持プレートから移載面(例えば、テーブル面など)に移載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4406775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した移載装置には、次の通りの解決すべき問題がある。即ち、移送ベルトを固定するのに、複数の固定ねじを押え部材及び移載ベルトを通して固定部材に固定しなければならず、この固定作業が煩雑となる。移載ベルトは使用により汚れることがあり、特に食品関係の被移載物を取り扱うときには安全衛生上の面から汚れたときには交換する必要があり、この交換作業が煩雑となる問題がある。
【0006】
本発明の目的は、移載ベルトの一部を移載装置本体側に簡単に固定することができる移載装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、移載ベルトの交換を簡単に且つ容易に行うことができる移載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の移載装置は、移載装置本体と、前記移載装置本体に後退位置と前記後退位置から前方に移動した前進位置との間を移動自在に装着された支持プレートと、前記支持プレートを巻回するように設けられた移載ベルトと、前記移載ベルトの一部を前記移載装置本体側に固定するための狭持手段と、前記支持プレートを前記後退位置と前記前進位置との間を往復移動させるための移動機構と、を備え
前記狭持手段は、前記移載装置本体に固定された前記第1狭持部材と、前記第1狭持部材又は前記移載装置本体に揺動自在に装着された第2狭持部材と、前記第2狭持部材を狭持状態にロック保持するためのロック手段と、を備え、前記移載ベルトの一部は前記第1狭持部材と前記第2狭持部材との間に狭持されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の移載装置では、前記狭持手段の前記第1狭持部材に関連して、前記移載ベルトに張力を付与するための張力付与部材が設けられ、前記張力付与部材を前記第2狭持部材側に移動することによって、前記移載ベルトに張力が付与されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の移載装置では、前記移載装置本体には、移載ベルトロールが装着されており、前記移載ベルトロールから引き出された移載ベルトが前記支持プレートに巻回されることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の請求項4に記載の移載装置では、前記狭持手段に関連して、前記移載ベルトロールから引き出された前記移載ベルトを切断するためのカッタ手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の移載装置によれば、移載ベルトの位置部を移載装置本体側に固定するための挟持手段は、移載装置本体に固定された第1挟持部材と、第1挟持部材(又は前記移載装置本体)に揺動自在に装着された第2挟持部材と、第2挟持部材を挟持状態に保持するためのロック手段を備えているので、第2挟持部材を第1挟持部材側に揺動させて挟持状態に保った後にロック手段をロック状態に保持することによって、移載ベルトの一部を移載装置本体側に固定することができ、非常に簡単な操作でもって固定することができる。また、第1挟持部材と第2挟持部材によって移載ベルトを挟持するので、その挟持を確実に行うことができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の移載装置によれば、挟持手段の第1挟持部材に関連して張力付与部材が設けられているので、この張力付与部材を第2挟持部材側に移動させることによって、支持プレートに巻回された移載ベルトに所望の張力を付与することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の移載装置によれば、移載装置本体に移載ベルトロールが装着されているので、移載ベルトロールから引き出した移載ベルトを支持プレートに巻回することによって、移載ベルトの交換を行うことができ、この交換作業を簡単に且つ容易に行うことができる。
【0015】
更に、本発明の請求項4に記載の移載装置によれば、挟持手段に関連してカッタ手段が設けられているので、移載ベルトロールから引き出された移載ベルトをカッタ手段によって切断することができ、汚れた移載ベルトを切断して取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従う移載装置の第1の実施形態を示す簡略断面図。
【図2】図1の移載装置において支持プレートを前進位置まで移動させた状態を示す簡略断面図。
【図3】図1の移載装置を前面側から見たとこを一部断面で示す断面図。
【図4】図1の移載装置におけるロック手段及びそれに関連する構成を一部断面で示す断面図。
【図5】図4のロック手段をロック解除状態を一部断面で示す断面図。
【図6】図1の移載装置におけるプレート支持構造の一部を分解して示す斜視図。
【図7】図1の移載装置における支持プレート及びそれに関連する構成を示す平面図。
【図8】図7におけるVIII−VIII線よる断面図。
【図9】本発明に従う移載装置の第2の実施形態を示す簡略断面図。
【図10】図9の移載装置における移載ベルトロール及びそれに関連する構成を拡大して示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う移載装置の実施形態について説明する。まず、図1〜図8を参照して、第1の実施形態の移載装置について説明すると、図1及び図2において、図示の移載装置2は、移載装置本体3と、食品などの被移載物が移載される支持プレート4と、この支持プレート4を移載装置本体3に支持するためのプレート支持機構6と、支持プレート4を巻回するように配設された移載ベルト8と備えている。移載装置本体2は、前後方向(図1及び図2において左右方向)に延び、その下部に案内手段10(例えば、案内レールなどから構成される)が設けられ、この案内手段10が上記前後方向に延びている。
【0018】
この移載装置本体3には、更に、支持プレート4を移動させるための移動機構12が設けられている。図示の移動機構12は、ねじ軸及びナットの組合せからなるボールねじ機構(図示せず)と、このボールねじ機構のねじ軸を回動するための駆動源としての電動モータ14とを備え、ボールねじ機構が移載装置本体3に内蔵されている。この移載装置本体3は、その上部が移載ロボットのアーム(図示せず)などに取り付けられる。
【0019】
このように構成されているので、電動モータ14が例えば所定方向に回動すると、移動機構12を介して支持プレート4が前側(図1及び図2において右側)に移動され、この電動モータ14が例えば所定方向と反対方向に回動すると、移動機構12を介して支持プレート4が後側(図1及び図2において左側)に移動される。
【0020】
尚、この実施形態では、移動機構12としてボールねじ機構(図示せず)、電動モータ14を用いているが、例えば流体圧シリンダ機構(例えば、空圧シリンダ機構)などを用いるようにしてもよく、この場合、流体圧シリンダ機構が例えば伸張すると、支持プレート14が前側に移動され、流体圧シリンダ機構が例えば収縮すると、支持プレート14が後側に移動される。
【0021】
図1及び図2とともに図6〜図8を参照して、図示の支持プレート機構6は、移動部材16と、この移動部材16に装着された支持フレーム18とを備えている。移動部材16はブロック状部材から構成され、この移動部材16の上部が移載装置本体3側のボールねじ機構のナット(図示せず)に取り付けられる。この移動部材16は、移載装置本体3の案内手段10に往復移動自在に支持され、後述するように、後側に移動した後退位置(図1に示す位置)と、この後退位置から前側に移動した前進位置(図2に示す位置)との間を往復移動自在である。
【0022】
支持フレーム18は、フレーム本体20を備え、このフレーム本体20が移動部材16の下面に取り付けられる。フレーム本体20の一側端部(図7において左側端部)には左垂下壁22が設けられ、その他側端部(図7において右側端部)には右垂下壁24が設けられ、左垂下壁22の上端部には雌ねじ孔23が設けられ、右垂下壁24の上端部には雌ねじ孔25が設けられている。
【0023】
フレーム本体20の左垂下壁22は、その右垂下壁24よりも下方に突出しており、このことに関連して、右垂下壁24には、補助壁部材26が取り付けられる。補助壁部材26の上部には、上下方向に細長い長孔28が設けられ、その下端部には円形状の孔30が設けられている。また、補助壁部材26の両側端部には、内側に折曲することによって案内当接壁部27,29が設けられ、これら案内当接壁部27,29間の間隔は支持フレーム18の右垂下壁24の幅(前後方向の幅)に対応している。このように構成されているので、補助壁部材26の案内当接部27,29間に支持フレーム18の右垂下壁24を位置付けた状態にて、長孔28を通して取付ねじ32を右垂下壁24の雌ねじ孔25に螺着することによって、この補助壁部材26がフレーム本体20の右垂下壁24に取り付けられる。
【0024】
また、支持プレート4は、薄いプレート状部材から構成され、この支持プレート4がプレート取付部材34に固定されている。プレート取付部材34は、固定プレート36と、固定プレート36の一端部(図7において上側の端部)に設けられた左取付壁38と、この固定プレート36の他端部(図7において下側の端部)に設けられた右取付壁40とを有し、支持プレート4の後端部が固定プレート36の下面に溶接などにより固定される。
【0025】
この実施形態においては、プレート取付部材34の左取付壁38と右取付壁40との間に支持ローラ42が取り付けられる。プレート取付部材34及び支持ローラ42は、例えば、次の通りにして支持フレーム18に取り付けられる。プレート取付部材34の左取付壁38の後端側には、折曲当接壁部44が設けられ、その内面には突出当接壁部46が設けられ、両当接壁部44,46間の間隔は、支持フレーム18の左垂下壁22の幅(前後方向の幅)に対応している。このように構成されているので、プレート取付部材34の両当接壁部44,46間に支持フレーム18の左垂下壁22を位置付けた状態にて、この左垂下壁22に設けられた孔48を通して固定ねじ50を支持フレーム18の雌ねじ孔23に螺着することによって、プレート取付部材34の左取付壁38が支持フレーム18に取り付けられる。
【0026】
また、このプレート取付部材24の左取付壁38の下端部には取付孔52が設けられ、また支持ローラ42の一端面には雌ねじ孔(図示せず)が設けられ、取付ねじ(図示せず)を取付孔52を通して支持ローラ42の雌ねじ孔に螺着することによって、支持ローラ42の一端側がプレート取付部材24に取り付けられる。
【0027】
更に、プレート取付部材24の右取付壁40の下端部には、左取付壁38の取付孔52に対応して取付孔(図示せず)が設けられ、また支持ローラ42の他端面に雌ねじ孔54が設けられ、取付ねじ56を右取付壁40の取付孔(図示せず)、補助壁部材26の孔30を通して支持ローラ42の雌ねじ孔54に螺着することによって、プレート取付部材34の右取付壁40及び支持ローラ42の他端側が補助壁部材26を介して支持フレーム18に取付られる。
【0028】
支持フレーム18にプレート取付部材24を取り付けた状態においては、支持プレート4は、支持フレーム18の下方にて略水平状態にて前方に延びており、このような状態にて図1に示す後退位置と図2に示す前進位置との間を往復移動される。
【0029】
移載ベルト8は、次のようにして支持プレート4を巻回するように装着される。即ち、図1及び図2に示すように、この移載ベルト8は、支持プレート4の上面側から支持ローラ42の周面を通って支持プレート4の下側に至り、この支持プレート4の下側及び先端を通ってその上面側に至り、このようにして支持プレート4を巻回される。このような移載ベルト8は、柔らかいシート状ベルトから構成される。
【0030】
この移載ベルト8の一部は、挟持手段60によって移載装置本体3側に固定される。図1及び図2とともに図3及び図4を参照して、移載装置本体3の先端部には前取付プレート62が取り付けられ、この前取付プレート62は、支持プレート4側に下方に延びている。挟持手段60は、移載ベルト8を挟持するための第1挟持部材64及び第2挟持部材66を備え、第2挟持部材66の一端部(図4及び図5において右端部)が第1挟持部材64の一端部にピン68を介して揺動自在に連結され、この第1挟持部材64の長手方向(図4及び図5において左右方向)中央部が前取付プレート62の下端部に取り付けられている。第1及び第2挟持部材64,66は、移載ベルトの全幅を超えて延び、移載ベルト8は、第1挟持部材64と第2挟持部材66との間に位置し、移載ベルト8の全幅にわたって挟持する。尚、この形態では、第2狭持部材66を第1狭持部材64に連結しているが、移載装置本体3側に連結するようにすることもできる。
【0031】
挟持手段60は、更に、第2挟持部材66を挟持状態(図4に示す状態)にロック保持するためのロック手段70を備え、このロック手段70は、それ自体周知のものでよく、第1挟持部材64の他端部に取り付けられたロック本体72と、このロック本体70に装着された操作部材74と、第2挟持部材66の他端部に係止される係止部材76とを有している。第2挟持部材66の他端部には係止凹部78が設けられており、係止部材76を第2挟持部材66の係止凹部78に係止させた状態にてロック手段70の操作部材74を押圧操作することによってロック手段70がロック状態に保持される。このロック状態においては、第2挟持部材66が第1挟持部材64側に揺動されて両挟持部材64,66が圧接状態に保たれ、移載ベルト8は第1及び第2挟持部材64,66間に挟持され、このようにして移載ベルト8が移載装置本体3側に固定される、
尚、操作部材74を解除操作してロック手段70のロック状態を解除すると、図5に示すように、第2挟持部材66は、その自重によってピン68を中心として下方に揺動し、第1及び第2挟持部材64,66による挟持状態が解除される。
【0032】
図3をも参照して、挟持手段60の第1挟持部材64に関連して、移載ベルト8に張力を付与するための張力付与部材80が設けられている。張力付与部材80はプレート状部材から構成されその両端部に上下方向に延びる一対の長孔82が設けられ、一対の取付ねじ84を対応する長孔82を通して第1挟持部材64の前面に設けられた雌ねじ孔(図示せず)に螺着することによって、張力付与部材80が第1挟持部材64に装着される。この張力付与部材80は、上方に移動させて取付ねじ84が長孔82の下端部に位置する上昇位置(図3に一点鎖線で示す位置)と、下方に移動させて取付ねじ84が長孔82の上端部に位置する下降位置(図3に実線で示す位置)との間を移動自在に装着されている。
【0033】
張力付与部材80は、図3に示すように、移載ベルト8の幅を超えて設けられており、一対の取付ねじ84を緩めて張力付与部材80を支持プレート4に向けて下方に移動させた後締め付けて固定することによって、この張力付与部材80の下端部が第2挟持部材66の前面側にて移載ベルト8に作用し、このようにして移載ベルト8の全幅にわたって張力を付与して緊張状態に保つことができる。
【0034】
この移載装置2においては、次のようにして食品などの被移載物の移載に用いることができる。主として図1及び図2を参照して、被移載物を移載する際には、電動モータ14が所定方向に回動される。このように回動すると、移動機構12の作用によって支持プレート機構6(移動部材16及び支持フレーム18など)を介して支持プレート4が図1に示す後退位置から図2に示す前進位置に移動される。このとき、移載ベルト8の一部が挟持手段60を介して移載装置本体3側に固定されているので、支持プレート4の前方方向の移動に伴って、移載ベルト8が下側から上側に向けて(即ち、図1及び図2において反時計方向)に移動し、この移動を利用して、例えばテーブル(図示せず)上の被移載物を移載ベルト8を介して前方に移動した支持プレート4上に移載することができる。
【0035】
また、支持プレート4上に載った被移載物を例えば別のテーブル(図示せず)に移すときには、電動モータ14が所定方向と反対方向に回動される。このように回動すると、移動機構12の作用によって支持プレート機構6を介して支持プレート4が図2に示す前進位置から図1に示す後退位置に移動され、この支持プレート4の後方向の移動に伴って、移載ベルト8が上側から下側に向けて(即ち、図1及び図2において時計方向)に移動し、この移動を利用して、支持プレート4上の被移載物を移載ベルト8を介して別のテーブル(図示せず)上に移載することができる。
【0036】
この移載装置4においては、移載ベルト8の取換えを容易に行うことができる。即ち、ロック手段70によるロック状態を解除して挟持手段60を挟持解除状態に保つと、図5に示すように、第1挟持部材64と第2挟持部材66との間が開放され、支持プレート4の右前側(即ち、移載装置本体3の右前側)が開放された状態となる。また、取付ねじ56を取り外し、かかる状態にて取付ねじ32を緩めて補助壁部材26を上方に移動させると、支持プレート4の後右側’即ち、移載装置本体3の右後側)が開放される。従って、このような状態にすることによって、支持プレート4の右側(即ち、移載装置本体3の右側が開放され、この開放された空間を利用して支持プレート4に巻回された移載ベルト8を容易に取り外すことができ、また取り外した後に新しい移載ベルト8を容易に取り付けることができる。
【0037】
〔第2の実施形態〕
次に、図9及び図10を参照して、移載装置の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態においては、移載ベルトロールが設けられ、この移載ベルトロールから引き出して支持プレートに巻回するように構成されている。尚、この第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図9及び図10において、図示の移載装置2Aでは、移載装置本体3の前取付プレート62の前面に収容ハウジング102が設けられ、この収容ハウジング102内に移載ベルトロール104が収容されている。この形態では、収容ハウジング102内に円弧状の受け部材106が設けられ、この受け部材106に移載ベルトロール104が回動可能に受け入れられている。この収容ハウジング102の前壁108には引出し開口110が設けられ、この引出し開口110を通して移載ベルト8Aが引き出される。
【0039】
この形態では、移載ベルト8Aは、図10に矢印で示すように引き出されて支持プレート4に巻回される。即ち、移載ベルトロール104から引き出された移載ベルト8Aは、挟持手段60の第1及び第2挟持部材64,66の間を通って支持プレート4の上側を通り、支持ローラ42の周面を通って支持プレート4の下側に至り、更に、支持プレート4の下側及び先端を通って第2挟持部材66の下側(即ち、支持プレート4と第2挟持部材66との間)を通り、その後第1及び第2挟持部材64,66の間(具体的には、移載ベルトロール104から引き出された移載ベルト8Aと第2挟持部材66との間を通して前方側に延び、第1及び第2挟持部材64,66間にて重ね合わされて両者間に挟持固定される。
【0040】
この実施形態では、更に、挟持手段60の第2挟持部材66の前面にカッタ手段112が設けられている。カッタ手段112は前方に突出する切断部114を有し、例えば、図10に一点鎖線で示すように延びる移載ベルト8Aの部分116を斜め下方に引っ張ることによって、一点鎖線部分116を切断部114によって切断することができる。この第2の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一でよい。
【0041】
この第2の実施形態において、移載ベルト8Aを新しいものに交換するには、ロック手段70のロック状態を解除して挟持手段60の挟持状態を解除し、かかる挟持解除状態において、挟持手段60から前側に延びる移載ベルト8Aの前端部分(一点鎖線で示す部分116)を手で把持して前方に引っ張ればよい。かくすると、移載ベルトロール104から新しい移載ベルト8Aが引き出され。そして、この新しい移載ベルト8Aが支持プレート4の全周を巻回するまで引き出せばよく、かく引き出すことによって、新しい移載ベルト8Aに容易に交換することができる。
【0042】
新しい移載ベルト8Aに取り替わった後は、移載ベルト8Aを引っ張った状態にして緊張状態に保ち、この緊張状態においてロック手段をロック状態にして挟持手段60(第1及び第2挟持手段64,66)を挟持状態に保持すればよく、このようにして新しい移載ベルト8Aに容易に交換することができる。尚、挟持手段60から延びる古い移載ベルト8A(例えば、汚れた移載ベルト8A)は、カッタ手段112により切断して除去すればよい。
【0043】
以上、本発明に従う移載装置の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【符号の説明】
【0044】
2,2A 移載装置
3 移載装置本体
4 支持プレート
6 プレート支持機構
8、8A 移載ベルト
12 移動機構
18 支持フレーム
42 支持ローラ
60 挟持手段
64 第2挟持部材
66 第2挟持部材
70 ロック手段
80 張力付与部材
104 移載ベルトロール
112 カッタ手段











【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載装置本体と、前記移載装置本体に後退位置と前記後退位置から前方に移動した前進位置との間を移動自在に装着された支持プレートと、前記支持プレートを巻回するように設けられた移載ベルトと、前記移載ベルトの一部を前記移載装置本体側に固定するための狭持手段と、前記支持プレートを前記後退位置と前記前進位置との間を往復移動させるための移動機構と、を備え
前記狭持手段は、前記移載装置本体に固定された前記第1狭持部材と、前記第1狭持部材又は前記移載装置本体に揺動自在に装着された第2狭持部材と、前記第2狭持部材を狭持状態にロック保持するためのロック手段と、を備え、前記移載ベルトの一部は前記第1狭持部材と前記第2狭持部材との間に狭持されることを特徴とする移載装置。
【請求項2】
前記狭持手段の前記第1狭持部材に関連して、前記移載ベルトに張力を付与するための張力付与部材が設けられ、前記張力付与部材を前記第2狭持部材側に移動することによって、前記移載ベルトに張力が付与されることを特徴とする請求項1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記移載装置本体には、移載ベルトロールが装着されており、前記移載ベルトロールから引き出された移載ベルトが前記支持プレートに巻回されることを特徴とする請求項1又は2に記載の移載装置。
【請求項4】
前記狭持手段に関連して、前記移載ベルトロールから引き出された前記移載ベルトを切断するためのカッタ手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の移載装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−28410(P2013−28410A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163574(P2011−163574)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(511136980)株式会社馬場鐵工所 (2)
【Fターム(参考)】