説明

穀粒物洗滌機

【課題】洗滌水中の細菌や汚れの濃度の増加を防止し、浮水性穀粒物の表面に付着している細菌や汚れを除去する能力を向上させた穀粒物洗滌機を提供する。
【解決手段】浮水性穀粒物を乾式貯留槽110に貯留し、その底部に気泡水流ノズル123と加圧送水管124の入口との間に隙間125を設け、加圧噴水部120の気泡水流ノズル123で気泡水流を加圧送水管124の入口に向け打ち込む。隙間125に入り込んでいる浮水性穀粒物は気泡水流に巻き込まれて加圧送水管124内を上方へ噴き上げられる。水圧気泡水中で浮水性穀粒物が撹拌され、気泡が破裂すると細かい衝撃波が発生し、浮水性穀粒物を洗滌する。加圧送水管124から噴き出た気泡水流は、混合水回転装置130において周回容器の周回路を周回して流出路に到達した気泡水流を下方へ流し出す。混合水回転装置130より流れ出した浮水性穀粒物のみを篩分け排水部160により篩分けて取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米や小豆など水より比重が重い沈水性穀粒物や、胡麻や粟などの水より比重が軽く水に浮く浮水性穀粒物などの表面に付着している雑菌や汚れなどの付着物を除去するための穀粒物洗滌機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、穀粒物を水で撹拌洗滌し、穀粒物中に混入している微細な小石・砂・汚れなどの異物を除去する穀洗機が知られている。なお、従来型の穀洗機は、小豆や米など水より比重が重く水に沈む穀粒物を洗滌対象としたものが多く、比重の大きな穀粒物を貯留水中に沈め、その貯留水ごと撹拌するというものが多い。
【0003】
貯水式の穀粒物貯留槽を用い、上方へ穀粒物を噴き上げて再び落下して穀粒物貯留槽に戻ることを繰り返しながら洗滌水とともに穀粒物が循環することで洗滌する装置は多数知られている。例えば、特許文献1(特開平9−206608号公報)の洗滌機が知られている。
図22は特許文献1(特開平9−206608号公報)の構造例を示す図である。特許文献1に開示されている穀洗機は、穀粒物貯留槽2内の穀物を洗浄するための水が給水管12から穀粒物貯留槽2内に供給されるようになされており、給水管12の中途部には、制御手段80からの信号によって開閉される開閉弁60を備えており、洗浄開閉弁60が正常に開弁されると、ノズル部11を介して吐水口61から洗浄水が穀粒物貯留槽2内に吐出され、このように吐出された洗浄水は、図22の矢示aで示す如く吹き上げ筒9の内部を米とともに上方へと循環し、矢示bの如く吹き上げ筒9の外部へと吹き出され、反射板51に衝突した後、貯水式の穀粒物貯留槽2に落下して戻る。この洗浄水と米が穀粒物貯留槽2と吹き上げ筒9の循環経路を繰り返し往復することにより米の糠分が洗浄されるものである。洗滌水は繰り返し使用される循環型のものとなっている。また、特許文献1の洗滌機は、穀粒物を一定時間閉じ込めて噴き上げ筒9の噴き上げと反射板51への衝突により力ずくで洗滌するバッチ処理型の穀洗機であり、連続処理型のものではない。
【0004】
乾式の穀粒物貯留槽を用いた洗滌機も数少ないが知られている。例えば、特許文献2(特開昭52−135476号公報)の洗滌機が知られている。
図23は特許文献2(特開昭52−135476号公報)の構造例を示す図である。特許文献2に開示されている穀洗機は、米粒収納槽1の下底部分に送水口5と開口を設け、隙間を隔てて枡形の導米管6を配置し、導米管6の端部をらせんコイル状に廻巻形成して成る洗米管8に連結するとともに洗米管8の下端部に数個のノズル12と濾過板11にて形成した洗水装置10を連接配置したものとなっている。
【0005】
特許文献2で開示されている洗滌機は、米粒収納槽1に関して貯水式であるか乾式であるかの明文規定はない。乾式で稼働させた場合、この洗滌機の洗滌原理も、穀粒物は米粒収納槽1の下底部分の送水口5から噴き上げられた洗浄水に巻き込まれ、図23に示す如く導米管6の内部を米とともに上方へと循環し、洗米管8へと吹き出され、洗米管8に沿って旋回しつつ濾過板11にて穀粒物が篩いとられ、残水のみが下方に落下するものである。洗滌水自体は繰り返し使用される循環型のものとなっている。一方、穀粒物自体は濾過板11にて篩い取られるために米粒収納槽1に戻る構造とはなっておらず、連続処理が可能な構造となっている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−206608号公報
【特許文献2】特開昭52−135476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特開平9−206608号公報に示すようなバッチ処理型・洗滌水循環型の従来の穀洗機は、洗滌対象物が小豆や米のように水より比重の重い沈水性穀粒物に向いており、バッチ処理にて力ずくで洗滌する用途に向いたものである。しかし、特開平9−206608号公報に示すようなバッチ処理型・洗滌水循環型の従来の穀洗機では以下に示すような問題点がある。
【0008】
第1の問題は、特開平9−206608号公報に示すような従来の穀洗機では、バッチ処理が中心であり、連続処理ができないという問題があった。従来の穀洗機では、いわゆる洗濯機の原理で、大量の浮水性穀粒物を一気に洗滌槽などに投入しておき、しばらく撹拌体を回転させるなどの機械的洗滌処理を行った後、一気に排出するというバッチ処理タイプのものである。つまり、浮水性穀粒物を少量ずつ投入してゆく投入工程、投入された浮水性穀粒物を高い洗滌効果を持って洗滌する洗滌工程、洗滌した浮水性穀粒物と水を分離して浮水性穀粒物を取り出す排出工程などの各々の工程が同時に実行され、投入された少量の浮水性穀粒物が次々と次の工程に遷移して行くという、いわゆる連続処理タイプとなっていない。
【0009】
第2の問題は、洗滌水の汚染が蓄積しやすいという問題である。特開平9−206608号公報に開示されている穀洗機により連続処理を行うと洗滌工程において、穀粒物の表面から洗い出した細菌や汚れが移動した洗滌水が循環しつづけるため、細菌や汚れの濃度が上昇してしまい洗滌効果が減退することとなる。
【0010】
第3の問題は、胡麻など水に浮く浮水性穀粒物の洗滌処理ができないという問題である。特開平9−206608号公報に開示されている穀洗機は、穀粒物貯留槽2の中に洗滌水が張られた状態であり、投入工程はその水面上から投入するものとなっており、どうしても浮水性穀粒物は浮いてしまい、洗滌工程において十分な洗滌効果を得ることができないという問題が生じてしまう。胡麻や粟などの浮水性穀粒物が水に浮いてしまい、穀粒物貯留槽2の下底から水流で噴き上げても水面上に浮いて漂う穀粒物は噴き上げられず、洗滌処理がうまく行えない。
【0011】
特に、浮水性穀粒物の洗滌工程では水分吸収にバラツキが出るという問題も生じる。胡麻などの浮水性穀粒物にとって水分吸収率を制御することは重要であり、品質を保つためには洗滌工程における水分吸収をできるだけ回避しなければならない。しかし、上記従来型の穀洗機は、バッチ処理で浮水性穀粒物を洗滌するため洗滌工程において水と触れ合う時間が長く水分吸収が大きくなってしまうという問題がある。そこで、従来の穀洗機で無理に連続処理にて洗滌した場合、水槽内に投入された浮水性穀類のうち、偶然、先に排出工程に導かれた浮水性穀粒物の順序で排出されるため投入順に排出される事が確実ではなく、先に投入された浮水性穀粒物が滞留しつづけ、後から投入された浮水性穀粒物の方が先に排出される場合が生じてしまう。このような場合、洗滌工程の中で水と触れ合う時間にバラツキが出て洗浄処理後の浮水性穀類が吸収する水分が一定にならず、結果として浮水性穀粒物の品質が不均一になる。また、洗滌工程の時間を短くするために、大量の洗滌水を用いる場合、水槽内から溢れだす水の量が増加し、十分に洗浄がされていない状態での浮水性穀類の排出が行われてしまうという問題が生じる。
【0012】
特開昭52−135476号公報に示すような従来の連続処理型・洗滌水循環型の穀洗機では、洗滌対象物が小豆や米のように水より比重の重い沈水性穀粒物であっても胡麻や粟のように水より比重の軽い浮水性穀粒物であっても洗滌することは可能であるが、特開昭52−135476号公報に示すような従来の連続処理型・洗滌水循環型の穀洗機では以下に示すような問題点がある。
【0013】
第1の問題点は、やはり洗滌水循環型であるため洗滌水の汚染が蓄積しやすいという問題である。特開昭52−135476号公報に開示されている穀洗機により連続処理を行うと洗滌工程において、穀粒物の表面から洗い出した細菌や汚れが移動した洗滌水が循環しつづけるため、細菌や汚れの濃度が上昇してしまい洗滌効果が減退することとなる。
【0014】
第2の問題点は、従来の連続処理型の洗滌装置では装置が大きくなってしまう点である。前述した特開平9−206608号公報のバッチ処理型の洗滌装置では、上方に噴き上げられた穀粒物が米粒収納槽1の中に循環しても良いので装置サイズが小さくても良く、装置設置面積は、概ね米粒収納槽1の設置面積内に収めることができる。しかし、特開昭52−135476号公報に開示されている従来の連続処理型の洗滌装置では、洗滌された穀粒物と残水とを篩で分けた後、穀粒物および残水も米粒収納槽1には戻さずに米粒収納槽1の外に導き出さなければならない。そのため、装置設置面積は、米粒収納槽1の設置面積のみならず、濾過板11の設置面積が追加され、さらに、残水の排出経路を確保するため排水管の設置面積が必要となってしまう。特開昭52−135476号公報の例では、図23に示すように、米粒収納槽1の設置面積に加え、大きな洗米管8や貯水槽15の設置面積が必要なものとなっている。なお、米粒収納槽1の上方空間を活用してできるだけ装置設置面積を小型化しようとしても、濾過板から排出される残水を米粒収納槽1の外側に導くため、米粒収納槽1の外側に相応の排水管の設置面積が必要となってしまう。
【0015】
上記問題点に鑑み、本発明は、穀粒物の連続洗滌処理を可能とする穀洗機において、装置設置面積を小さくし、穀粒物貯留槽の設置面積程度で済む穀洗機を提供することを目的とする。
また、本発明は、残水を循環させない非循環式とし、一般の工業用水をそのまま用いても十分な洗滌効果を発揮することができる穀洗機を提供することを目的とする。
また、本発明は、胡麻や粟などの浮水性穀粒物であっても、水面上に浮いて漂うことなく、十分に水流中で水と触れ合うことができ、十分な洗滌効果を得られる穀洗機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の穀粒物洗滌機は、穀粒物を一時的に貯留する貯留槽と、前記貯留槽の底部付近に噴出孔を配設した気泡水流ノズルと、前記気泡水流ノズルの前記噴出孔から噴き出される水と気泡が混合された気泡水流を受け入れて上方に導く加圧送水管とを備え、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との隙間から前記貯留槽内に貯留された前記穀粒物を巻き込みつつ前記気泡水流と前記穀粒物の混合水流を噴き上げる加圧噴水部と、前記加圧噴水部により噴き上げられた前記気泡水流と前記穀粒物との混合水流を回転させつつ下方に導く混合水回転装置と、前記混合水回転装置より流れ出した前記混合水流から前記穀粒物のみを篩分け、残水のみを下方に落として前記穀粒物のみを通過させる篩分け排水部と、前記残水を前記貯留槽内側から前記貯留槽外側に前記貯留槽の壁面を貫通させて排水する排水管とを備え、前記加圧噴水部と、前記混合水回転装置と、前記篩分け排水部を前記貯留槽の上部に設けることにより装置設置面積を前記貯留槽の設置面積に抑えるとともに残水を前記貯留槽に還流させることがないことを特徴とする自動連続非循環型洗滌処理を可能とした穀粒物洗滌機である。
上記構成により、貯留槽の底部から上方にかけて気泡水流ノズル、加圧送水管、加圧噴水部を設け、さらに、貯留槽の上方空間に混合水回転装置と篩分け排水部を設けた上、排水管を貯留槽内側から貯留槽外側に貯留槽の壁面を貫通させるように設けることにより、設置面積を小さく抑えることができ、装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えることが可能となる。
【0017】
ここで、さらに、篩分け排水部により篩分けた穀粒物を取り出す穀粒物排出管を貯留槽内側から貯留槽外側に貯留槽の壁面を貫通させるように設けることにより、設置面積を小さく抑えることができ、装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えることが可能となる。
なお、以下のように、装置を上下方向に多段につなげる構成、横方向に多段につなげる構成も可能である。
【0018】
つまり、混合水回転装置を上下多段に接続した多段構成とし、上段の前記撹拌装置で撹拌され、下方に導かれた前記混合水流を下段の前記混合水回転装置で受けることにより、前記混合水流での前記穀粒物の撹拌を多段に行う構成とすることが可能であり、このように上下多段構成とした場合でも装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えることが可能となる。
【0019】
同様に、穀粒物洗滌機を横方向に二段以上多段につなげた多段構成とし、上段側の前記穀粒物洗滌機の前記篩分け排水部から取り出された前記穀粒物のみが下段側の前記穀粒物洗滌機の前記貯留槽内に投入され、前記篩分け排水部の残水が前記貯留槽に還流しないように外部へ排水されるように接続し、最下段の前記穀粒物洗滌機の前記篩分け排水部から取り出された前記穀粒物のみを洗滌済み穀粒物として装置外へ取り出す構成とすることが可能である。
【0020】
上記本発明の穀粒物洗滌機は、貯留槽に水を張って穀粒物を貯留するいわゆる貯水式のタイプであっても適用でき、また、貯留槽に水を張らずに穀粒物を貯留するいわゆる乾式のタイプであっても適用できる。
【0021】
貯水式のタイプの場合、上記本発明の穀粒物洗滌機は、貯留槽が水を張って前記穀粒物を一時的に貯留する貯水式の貯留槽であり、前記加圧噴水部が、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との隙間から前記貯留槽内に沈水状態で貯留された前記穀粒物を巻き込みつつ前記気泡水流と前記穀粒物の混合水流を噴き上げ、比重が水より重く沈んでいる前記沈水性穀粒物について自動連続非循環型洗滌処理を可能としたものとなる。例えば、穀粒物が水より比重が重く水に沈む沈水性穀粒物に対して適用することができる。
【0022】
乾式タイプの場合、上記本発明の穀粒物洗滌機は、前記貯留槽が水を張らずに前記浮水性穀粒物を一時的に貯留する乾式貯留槽であり、前記加圧噴水部が、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との隙間から前記乾式貯留槽内に貯留された前記浮水性穀粒物を巻き込みつつ前記気泡水流と前記浮水性穀粒物の混合水流を噴き上げ、前記排水管が、前記残水を前記乾式貯留槽内から前記乾式貯留槽外に前記乾式貯留槽を貫通させて排水し、比重が水より軽く浮いてしまう前記浮水性穀粒物について水を用いた自動連続非循環型洗滌処理を可能としたものとなる。穀粒物が水より比重が軽く水に浮く浮水性穀粒物に対して適用することができる。
【0023】
本発明の穀粒物洗滌機において、穀粒物を洗う混合水流が気泡を十分に含んだものとすることにより洗滌力を向上させることができる。本発明の穀粒物洗滌機において、乾式タイプであれば、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との間に隙間が設けられており、前記隙間から前記浮水性穀粒物とともに前記乾式貯留槽内の空気が巻き込まれて前記混合水流中に気泡を十分に含ませる構成とすることができる。気泡を含んだ混合水流で洗滌することにより気泡が破裂して発生した衝撃波によって前記穀粒物の表面に付着している細菌や汚れを弾き飛ばして除去することができる。
【0024】
なお、前記混合水回転装置が、前記加圧送水管から噴き出た前記気泡水流を受け、周回方向の回転力を与える回転支援体と、前記回転支援体から前記周回方向に回転する前記気泡水流を受け、周回路を周回させつつ流出路に到達した前記気泡水流を流し出す周回容器とを備えたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の穀粒物洗滌機によれば、上記構成により、貯留槽の底部から上方にかけて気泡水流ノズル、加圧送水管、加圧噴水部を設け、さらに、貯留槽の上方空間に混合水回転装置と篩分け排水部を設けた上、排水管を貯留槽内側から貯留槽外側に貯留槽の壁面を貫通させるように設けることにより、設置面積を小さく抑えることができ、装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えることが可能となる。
このように装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えた構成でありながら、また洗滌水を循環使用させることなく、貯留槽を貫通させて残水を下方に排出することができ、穀粒物の表面から洗い出した細菌や汚れが移動した洗滌水を、再び戻すことなく装置外部に排水することにより、洗滌により穀粒物の表面から移動した細菌や汚れの洗滌水中での蓄積を防止することができる。
また、本発明の穀粒物洗滌機によれば、装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えた構成でありながら、穀粒物の洗滌を連続処理とすることができる。つまり、穀粒物を少量ずつ次々と投入して連続処理し、順々に取り出すといういわゆる「先入れ先出し」処理が確保でき、浮水性穀粒物が洗滌工程の中で水と触れ合う時間にバラツキがなく、水分吸収率にバラツキがなく、品質を均一に保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の穀粒物洗滌機の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの構成例に限定されるものではない。
実施例1は、穀粒物洗滌機の基本構成例を示している。実施例2は、沈水性穀粒物洗滌機の基本構成例を示している。実施例3は、穀粒物洗滌機において混合水回転装置を上下連続式で複数段設けられている構成例(一例として2段垂直連続式の構成例)を示している。また、実施例4は、穀粒物洗滌機が水平連続式で複数段設けられている構成例(一例として2段水平連続式の構成例)を示している。
【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1に係る穀粒物洗滌機100について説明する。
この実施例1では乾式の穀粒物洗滌機の構成例である。洗滌する穀粒物は水よりも比重の軽い浮水性穀粒物とする。
図1は本発明の穀粒物洗滌機100の構成を模式的に示した図である。
図2は加圧噴水部120により打ち出した気泡水流が加圧送水管124の入り口に打ち込まれる様子を示す図である。
図3は貯留槽110の中に実際に浮水性穀粒物を投入し、気泡水流が周囲の浮水性穀粒物を巻き込みつつ打ち込まれる様子を示す図である。
【0028】
図1に示すように、実施例1にかかる穀粒物洗滌機100は、貯留槽110、加圧噴水部120、混合水回転装置130、篩分け排水部160、排水管170を備えている。
【0029】
貯留槽110は、穀粒物を貯留しておくタンクである。本実施例1では乾式タイプの穀粒物洗滌機100の例であるため、貯留槽110は、乾式貯留槽として水を張らずに浮水性穀粒物のみを投入してスタックしておく。貯留槽110の筐体の形は特に限定されないが、この構成例では下方に行くほど絞られた流線型をしている。このように下方に行くほど絞られた流線型をしている場合、内部に投入された穀物は貯留槽110内で重力により下方に移動し、底部の中心に向かって移動してゆくこととなる。図1などに示すように、底部の中心付近には気泡水流ノズル123が設けられている。
【0030】
加圧噴水部120は、この構成例では、水道設備121、水バルブ122、気泡水流ノズル123、加圧送水管124、隙間125、噴き出し口126を備えた構成となっており、気泡水流ノズル123と加圧送水管124との間に設けられている隙間125から入り込む貯留槽110内に貯留された浮水性穀粒物を巻き込みつつ、気泡水流と浮水性穀粒物との混合水流を噴き上げるものである。
この構成例では水道設備の水圧を利用することにより電気などの動力源を用いることなく水圧をかけた気泡水を生成する構成となっている。また、加圧送水管124から上に噴き上げられた混合水流は、その後、重力で落下するため、本発明の穀洗機は水道設備以外の電気などの動力源を用いることなく浮水性穀粒物の洗滌が可能となっている。
【0031】
水道設備111は、一般の水道設備でも良く、工業用の水道設備であっても良い。例えば、水圧がかけられて水が供給される水道蛇口などである。
【0032】
水バルブ112は加圧された水流に対する開閉弁であり、例えば、水道やポンプなど加圧された水源に導通しており、コックの開閉により水流の流入・遮蔽をコントロールするものである。構造や形状などは特に限定されない。
【0033】
気泡水流ノズル123は、水道設備111から供給される水を勢い良く放水するノズルであるが、外気を引き込む仕組みを持ち、放水する水流に対して空気が混ざるように構成されたノズルである。つまり、気泡水流ノズル123から発射される水流は気泡が多数混ざった混気状態で水圧のかかった気泡水となって吹き出す。
この構成例では気泡水流ノズル123の出射口が貯留槽110の底部にある加圧送水管124の入り口に向けて設けられており、気泡水流ノズル123から出射された水圧気泡水流が勢いよく加圧送水管124内に打ち込まれ、加圧送水管124を上昇してゆく仕組みとなっている。
【0034】
ここで、図1および図2に示すように、気泡水流ノズル123の出射口と加圧送水管124の入り口との間に隙間125が設けられている。この隙間125が設けられているため、気泡水流ノズル123の出射口と加圧送水管124の入り口との間が、貯留槽110の内部で開放された状態となり、気泡水流ノズル123と加圧送水管124の間に側方から浮水性穀粒物1が入り込む余地が生じることとなる。
いま、貯留槽110内に浮水性穀粒物1が投入されてスタックされている場合、重量により浮水性穀粒物1は底部に集まってくる。そのため、隙間125に対して浮水性穀粒物1が入り込むこととなる。
【0035】
ここで、図3に示すように、水圧気泡水流が気泡水流ノズル123から加圧送水管124の入り口に向けて打ち込まれると、貯留槽110内の底部において、水圧気泡水流が付近の浮水性穀粒物を巻き込みつつ上昇することとなる。なお、貯留槽110内には水が張られていないため、スタックされている浮水性穀粒物はそのまま重力で底部付近に集まり、次々と、水圧気泡水流により巻き込まれて上昇してゆく。ここで、加圧送水管124の入り口付近は、水圧気泡水流の上昇に伴って気圧が下がるため、浮水性穀粒物は次々と加圧送水管124の入り口付近に吸い寄せられ、かつ、水圧気泡水流に巻き込まれて加圧送水管124の中に打ち込まれてゆく。
【0036】
もし、従来技術の穀洗機を用いてタンクなどに貯水された水に対して単に上から投入するだけでは、胡麻や粟のように水より比重が軽い浮水性穀粒物は浮いて漂ってしまい、浮水性穀粒物の8〜9割が後段の工程で洗滌されることなく、排水とともに流出してしまい、歩留まりが悪いものとなる。
一方、本発明の穀粒物洗滌機100では、水と十分に触れ合いにくい浮水性穀粒物であっても、気泡水の水流の渦中の内部側へ直接に供給することができるという優れた効果が得られる。そのため、本発明の穀粒物洗滌機によれば、洗滌工程で浮水性穀粒物と水が触れ合う時間が短くすることができ、浮水性穀粒物の水分吸収を小さく抑えることができる。また、浮水性穀粒物を少量ずつ次々と投入して連続処理し、順々に取り出すといういわゆる「先入れ先出し」処理が確保できるため、浮水性穀粒物が洗滌工程の中で水と触れ合う時間にバラツキがなく、水分吸収率にバラツキがなく、品質を均一に保つことができる。
【0037】
次に、加圧送水管124は、気泡水流ノズル123から打ち込まれた水圧気泡水流と、貯留槽120内から巻き込まれて打ち込まれる浮水性穀粒物とを受け取り、上方へ噴き上げられる混合水流が通る管である。この構成例では、貯留槽110の底部付近から混合水回転装置130を貫通してその上部付近まで導通した管となっている。なお、後述するように、混合水回転装置130内部に開口135が設けられており、加圧送水管124と混合水回転装置130との間の隙間から、水圧気泡水によって洗滌された浮水性穀粒物と残水が落ちてゆく構造となっている。
【0038】
図2に示すように、加圧送水管124の入口は、貯留槽110の底部付近に設けられ、気泡水流ノズル123の出射口に対向するように設けられており、気泡水流ノズル123の出射口から水流が打ち込まれる。加圧送水管124の出口である噴き上げ口126は、図1に示すように、混合水回転装置130の上部の開口に接続されており、加圧送水管124の噴き上げ口126から噴水のように溢れ出した水流が外周方向に向けて流れ、混合水回転装置130の回転支援体131の上部からその壁面を沿うように落ちることとなる。
【0039】
ここで、水圧気泡水による浮水性穀粒物の表面の洗滌効果について述べる。
本発明の穀洗機100では、加圧噴水部120によって貯留槽110の中にスタックされている浮水性穀粒物を少量ずつ水圧気泡水に巻き込んで供給し、加圧送水管124内の上昇過程と後述する混合水回転装置での回転混合の過程において、浮水性穀粒物を水圧気泡水で洗滌する洗滌工程が行われるが、その洗滌工程の中で、撹拌状態の水圧気泡水中の気泡が破裂して発生した衝撃波により浮水性穀粒物の表面に付着している細菌や汚れを弾き飛ばして除去するという優れた効果が得られる。
【0040】
図4は、水圧気泡水中で胡麻などの浮水性穀粒物を撹拌し、水圧気泡水中の気泡が破裂して発生した衝撃波により浮水性穀粒物の表面に付着している細菌や汚れを弾き飛ばす原理を説明する図である。図4(a)に示すように、水圧気泡水中には微細な気泡が多数あり、胡麻などの浮水性穀粒物の表面近くにも気泡が存在する。気泡は撹拌されるうちに次第に破裂してゆくが、図4(b)に示すように、気泡が破裂するとその周囲には衝撃波が生じることとなる。生じる衝撃波は小さいものであるが、浮水性穀粒物の表面近くで破裂した場合、当該衝撃波が到達する。衝撃波は浮水性穀粒物の細かい表面の凹凸中にも到達するので、浮水性穀粒物の細かい表面の凹凸中に存する細菌を弾き飛ばすことができ、単なる水による洗滌では除去仕切れない細菌を効率良く除去することができる。
【0041】
次に、混合水回転装置130の構成部品の説明をする。
混合水回転装置130は、気泡水と浮水性穀粒物の撹拌状態の時間を長くとり、気泡水破裂の衝撃波による浮水性穀粒物表面の洗滌時間を確保する部分である。図5は、混合水回転装置130内部の構造例を示した図である。図5に示すように、混合水回転装置130は、回転支援体131、羽根板132、周回容器133を備えている。また、内部のキャビティ138内には異物捕捉体150が収められている。
【0042】
回転支援体131は、加圧送水管124から噴き出た気泡水流を受け、周回方向の回転力を与える部分である。図6は回転支援体131を取り出して示した図である。この構成例では傘状をしており、傘の中心に開口がありこの開口に加圧送水管124の出口が接続されている。加圧送水管124の出口から上方へ吹き上げられた浮水性穀粒物を包含する水流は、噴水のように溢れ出しつつ重力により外周下方向へ落ちてゆき、回転支援体131の外周壁上部に導かれるようになっている。なお、回転支援体131を覆うように蓋体139を被せておけば、回転支援体131の羽根板132等にぶつかって弾ける水滴が蓋体139の内壁で受け止められ飛び散らなくて済む。
【0043】
図6に示すように、この構成例では回転支援体131壁面に羽根板132が設けられている。羽根板132は、回転支援体131壁面を流れ落ちる気泡水に周回方向の回転力を与えるものである。この例ではいわゆるプロペラ状に板面が設けられており、このプロペラにより気泡水流には導水壁面の周回方向に回転力が与えられ、渦を巻くようにキャビティ138内の異物捕捉体150まで落ちて行く。
【0044】
図7は、回転支援体131の壁面を流れる気泡水流が羽根板132により回転力が与えられ、回転渦流となる様子を示す図である。図7(a)は導水壁面を流れる気泡水流が羽根板132により回転力が与えられる様子を模式的に示す斜視図である。図7(b)は平面から示した平面図である。加圧送水管124の出口126から上方へ溢れ出した水はそのまま重力で下に落ち、回転支援体131の壁面に沿って勢いよく流れ落ちるが、その過程で羽根板132により方向が曲げられ、羽根板132の導く方向に回りながら流れ、回転流となる。回転流となった気泡水流は、キャビティ138内の異物捕捉体150上に到達しても回転モーメントを持っているので、キャビティ138内の異物捕捉体150上を周回方向に回転する渦流として暫く滞留することとなる。図7(c)および図7(d)は回転支援体131を図示せずに周回容器133のキャビティ138における水流を模式的に示した図である。図7(c)および図7(d)に示すようにキャビティ138からオーバーフローした水流が内周壁137を超えて開口135から下方へ落ちて行くが、本発明では回転支援体131を流れ落ちて行く間に羽根板132により回転力が与えられるので、図7(c)および図7(d)に示すようにキャビティ138内の異物捕捉体150上を周回方向に回転する渦流として暫く滞留することとなる。
【0045】
ここで、穀粒物と異物には比重差があるため渦流の中に長く滞留し、移動距離が長くなれば穀粒物と異物との分離性能が向上する。つまり、回転支援体131の羽根板132の働きによって、浮水性穀粒物と異物を包含した気泡水流のキャビティ138内での滞留時間が長く、かつ、異物捕捉体150上を転がって移動する距離が長くなるように設計してことにより、穀粒物と異物との比重差に起因する動きの違いが鮮明となり、異物のみが下方に沈んで異物捕捉体150に捉えられやすくなる。
【0046】
次に、回転支援体131以外の混合水回転装置130の各構成例を述べておく。
周回容器133は、回転支援体131から周回方向に回転する気泡水流を受け、周回路を周回させつつ一時的に滞留させる容器である。なお、流出路に到達した気泡水流は下方に流し出される。図8は、周回容器133の一構成例を示した図である。図8に示した構成例では、中心に開口135を有する底板134と、底板134の外周縁に立設させた外周壁136と、底板134の開口135の縁に立設させた内周壁137と、底板134と外周壁136と内周壁137とで囲まれたキャビティ138を備えた構造となっている。後述するようにキャビティ138内を浮水性穀粒物と水の気泡水流が周回する。
【0047】
ここで、外周壁136に対して内周壁137の高さが低くなっており、回転支援体131をつたわってキャビティ138内に流入しつづける水流によりキャビティ138の容積を超えてオーバーフローした水は内周壁137を超えて開口135より下方へ落ちて行く構造となっている。なお、この構成例では開口135の内側に後述する加圧送水管124を受け入れる輪と、内周壁137との間を橋渡しして構造強度を持たせる橋梁部と、輪と内周壁との開口135を備えた構造となっている。
【0048】
異物捕捉体150は、周回容器133のキャビティ138内の底板134の上面に設けられた構造物である。図9は異物捕捉体150の一構成例を示す図である。図9に示した構成例では中心に開口121を持つドーナツ状の輪郭を持つ網状体152と、網状体152の上に立設した同心円状の壁面と放射状の壁面からなる枠体153を備えた構造となっている。
【0049】
図10は、図8に示した周回容器133と図9に示した異物捕捉体150を組み合わせる様子を示す図である。この例では、周回容器133のキャビティ138内の底板134の上面に異物捕捉体150を被せることにより簡単に設置できる構造例となっている。
また、図11は、周回容器133と異物捕捉体150を組み合わせた状態において、回転支援体131を取り付けた様子を示す図である。
さらに、図12は、周回容器133、異物捕捉体150、回転支援体131に対して加圧送水管124を組み合わせた様子を示す図である。
このように、図10から図12の手順により混合水回転装置130を組み上げる。
【0050】
図13は、周回容器133のキャビティ138に対して上方から浮水性穀粒物を包含した水が流れ込むことによりオーバーフローし、内周壁137を超えて開口135から下方へ落ちて行く様子を周回容器133と異物捕捉体150の断面において模式的に示す図である。
図13(a)は周回容器133のキャビティ138内の水流の流れを模式的に示した図、図13(b)は浮水性穀粒物と異物が異物捕捉体150の上を転がったり滑ったりしながら移動する様子を模式的に示した図である。
【0051】
なお、回転支援体131の壁面は傾斜がついており、その外周縁は、キャビティ138における外周壁面136近くにあるので、図13(a)に示すようにキャビティ138に対して上方から流れ込んだ水流は、後述するように異物捕捉体150の網状体152や枠体153の外周側に受けられたのち、網状体152や枠体153の外周側から内周側に移動しつつ最後に内周壁137を超えて開口135に落ちて行く。
ここで、図13(b)に示すように、水より比重が軽い浮水性穀粒物は水に浮くため、水面付近を浮いて移動するが、水より比重の重い異物は水に沈むため、周回容器133の底面を転がるように移動することとなる。
【0052】
次に、異物除去の原理について説明しておく。
図13(b)に示したように、周回容器133内で水圧気泡水と浮水性穀粒物との混合水が周回する状態では、水流にのった浮水性穀粒物は水面に浮く一方、異物は主に水よりも比重が大きいものが多く、周回容器133の中に沈む。そのため、周回容器133内を循環する間に浮水性穀粒物と異物が分離される。
上記のように、周回容器133の容積を越えた水は、オーバーフローして内周壁137を超えて開口135から下方へ落下してゆくが、周回容器133の底部に沈んでいる異物がオーバーフローする水の流れに乗って内周壁137を超えて開口135から下流側に流れて行かないように、周回容器133の底部において異物を捕捉する異物捕捉体150を付加する。
【0053】
周回容器133の中で、異物の比重は水の比重よりも大きいので水流にのりにくく、周回容器133の底面に配設した異物捕捉体150の網状体152や枠体153の表面を転がったり滑ったりしながら移動する。ここで、枠体153を構成する壁面同士の間隙154は、異物が嵌り得る大きさと幅を持ち、枠体153を構成する壁面の高さは異物よりも高いものであれば、異物が枠体153の間隙に嵌って捕捉され、異物が周回容器133から抜け出て下流側に流出することを防ぐことができる。
【0054】
また、浮水性穀粒物は外形が滑らかで固い曲面となっており網状体152および枠体153に対する摩擦力が小さく、突起などがないため当接して引っ掛かりによる抗力が生じることもないが、小石などの異物は外形がごつごつした突起や疎面となっており枠体153の構造に当接して引っ掛かって強い抗力を受け水流では動かなくなる場合が多い。このように、浮水性穀粒物と異物との表面状態や形状の違いにより異物捕捉体150に対する摩擦力の違いや引っ掛かりの有無が生じる。
つまり、異物は網状体152や枠体153との摩擦が大きいため、枠体153の間隙154から抜け出ることなく捕捉されやすい。このように、浮水性穀粒物は周回容器133から下流側に流れ出て行くが、異物は異物捕捉体150で捕捉されやすく、両者が分離される。
【0055】
次に、本発明の穀洗機100の工夫として、洗滌水を非循環とすることにより、細菌や汚れの汚染濃度を増加させない工夫について説明する。
本発明の穀洗機100は、篩分け排水部160および排水管170を工夫することにより、洗滌水を非循環として細菌や汚れの汚染濃度を増加させないようにしている。
【0056】
図14は篩分け排水部160の構成例を示す図である。図14に示すように、篩分け排水部160は、折り返し部161、篩体162、穀粒物取り出し路163、水路164を備えた構成となっている。篩分け排水部160は、混合水回転装置130より流れ出した気泡水流から浮水性穀粒物のみを篩分けて取り出し、残水を排水管170から貯留槽110の外に排水するものである。このように篩分け排水部160および排水管170により残水を乾式貯留槽110の外部に取り出して排水するという「非循環型洗滌」となっている。
【0057】
折り返し部161は、混合水回転装置130から流れ出た気泡水を受け、篩体162に向けて流れを変える部分である。
篩体162は、混合水回転装置130より流れ出した気泡水流から浮水性穀粒物のみを篩分ける部分である。例えば、金網など気泡水のうち浮水性穀粒物は通過せず、残水のみが通過する開口が設けられている篩などであれば良い。ここで、残水には細菌や汚れが混入している。
【0058】
穀粒物取り出し路163は、篩体162に隣接して設けられ、篩体162で篩分けられてそのままスライド移動してきた浮水性穀粒物を受け取り、次段に流す通路である。この構成例ではそのまま洗滌終了して浮水性穀粒物を取り出す構成となっている。
【0059】
水路164は、篩体162の下方に設けられ、篩体162を通過して落下してきた残水を受け取り、排水管170に流す通路である。図14(b)に示すように、浮水性穀粒物と水が混合した状態の混合水を折り返し部161(図示せず)から受け、篩体162により浮水性穀粒物と残水に篩分け、綺麗に洗滌された浮水性穀粒物は穀粒物取り出し路163から流し出し、細菌や汚れなどが混入した汚れた残水は水路164から排水管170に流し出す。
【0060】
排水管170は、上部排水路171と下部排水路172を備え、篩体162で下方に落ちてきた残水を貯留槽内110側から貯留槽外側110に貯留槽110の壁面を貫通させて排水するものとなっている。
下部排水路172は貯留槽110の壁面を貫通する形で、貯留槽110の内側から貯留槽110の外部に導かれており、排水にかかわる構造物もすべて貯留槽110の設置面積内に抑えつつ、細菌や汚れで汚染された残水は貯留槽110内に循環させることなく、そのまま穀粒物洗滌機100の外部へ排出する仕組みとなっている。
【0061】
次に、穀粒物洗滌機100の全体の動作を水流の流れに沿って説明する。
図15は、穀粒物洗滌機100全体の水流の流れを模式的に示した図である。
水バルブ112を開放して受け入れた水流は気泡水流ノズル123を介して加圧送水管124の入り口内に打ち込まれる。この際に乾式貯留槽110内の周囲の浮水性穀粒物が巻き込まれつつ打ち込まれ、浮水性穀粒物は気泡水流にのって加圧送水管124を上昇し、混合水回転装置130の上部まで上昇する。加圧送水管124の出口126から溢れ出た水流は回転支援体131の壁面に沿って流れ落ちて行く。その際に羽根板132により周回方向の回転力が付けられ、周回容器133のキャビティ138内で周回方向に回転する渦流が形成される。加圧送水管124および気泡水回転支援装置130内において気泡が破裂することによる衝撃波で浮水性穀粒物表面の細菌や汚れが弾き飛ばされる。キャビティ138内には異物捕捉体150があり、浮水性穀粒物は捕捉されず異物のみが捕捉される。気泡水はしばらく周回容器133内を周回した後、オーバーフローして内周壁137を超えて開口135から周回容器133の下方へ落ちて行く。下方は篩分け排水部160につながっており、気泡水は折り返し部161により流路が変えられ、篩体162の上を通過する。浮水性穀粒物は篩体162を通過できずそのままスライド移動して穀粒物取り出し路163へ流し出され、残水は篩体162を通過して落下し、下方にある水路164に受け取られて排水管170に向けて流し出される。排水管170は乾式貯留槽110の外部に導かれ、残水は非循環方式にて穀粒物洗滌機100の外部へ排水される。
【0062】
従来の穀洗機では、残水を乾式貯留槽110に戻して循環させて繰り返し洗滌するため、洗滌水が汚染されやすく、洗滌効果が充分得られない場合があった。
しかし、本発明の穀粒物洗滌機100では、残水を乾式貯留槽110に戻すことなく排水管170より装置外部に排水することにより洗滌水に細菌や汚れが蓄積することを防止している。
【0063】
また、本発明の穀粒物洗滌機100では、水と十分に触れ合いにくい浮水性穀粒物であっても、乾式貯留槽の底部に隙間を設けて気泡水流ノズルから洗滌水とともに一気に噴き上げ、気泡水の水流の渦中の内部側へ直接に供給することができるため、洗滌工程で浮水性穀粒物と水が触れ合う時間が短くすることができ、浮水性穀粒物の水分吸収を小さく抑えることができる。また、浮水性穀粒物を少量ずつ次々と投入して連続処理し、順々に取り出すといういわゆる「先入れ先出し」処理が確保できるため、浮水性穀粒物が洗滌工程の中で水と触れ合う時間にバラツキがなく、水分吸収率にバラツキがなく、品質を均一に保つことができる。
【0064】
次に、穀粒物の取り出しについて述べる。図1に示した構成例では、穀粒物取り出し路163はそのまま貯留槽110の上面を横方向に横切って排出される仕組みとなっているが、篩分け排水部160において、貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通させて取り出す穀粒物排出管173および174を設ける工夫も可能である。
図16は、穀粒物導出路165および穀粒物排出管173、174を設けた構成例を示す図である。図16に示すように、穀粒物取り出し路163において、残水を下方に導く水路164の先に、穀粒物を下方に導く穀粒物導出路165を設けた構成とし、穀粒物導出路165は穀粒物が通過できる大きさを持った開口または穀粒物が通過できる枠を持った網状態(図示せず)が設けられており、穀粒物導出路165まで流れてきた穀粒物が下方に導かれる仕組みとなっている。穀粒物導出路165は穀粒物排出管に接続されている。穀粒物排出管は、上部穀粒物排出管173と下部穀粒物排出管174を備え、貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通するように設けられている。
【0065】
篩体162により篩分けた穀粒物を、穀粒物導出路165を経て下方に落とし、上部穀粒物排出管173と下部穀粒物排出管174を介して貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通させて穀粒物を取り出す。
下部穀粒物排出管174は貯留槽110の壁面を貫通する形で、貯留槽110の内側から貯留槽110の外部に導かれており、穀粒物の取り出しにかかわる構造物もすべて貯留槽110の設置面積内に抑えつつ、貯留槽110の外に取り出すことができる仕組みとなっている。
【0066】
以上、実施例1にかかる本発明の穀粒物洗滌機100によれば、装置の設置面積を貯留槽の設置面積に抑えた構成でありながら、加圧噴水部と、混合水回転装置と、篩分け排水部を貯留槽の上部に設けることにより装置設置面積を貯留槽の設置面積に抑えるとともに、残水を貯留槽内側から貯留槽外側に貯留槽の壁面を貫通させて排水する排水管を備えることにより、貯留槽の設置面積内に抑えつつ、残水を貯留槽に還流させることがない。また、穀粒物についても貯留槽内側から貯留槽外側に貯留槽の壁面を貫通させて取り出す穀粒物排出管を備えることにより、貯留槽の設置面積内に抑えつつ、穀粒物を貯留槽の外に取り出すことができる。
このような設置面積の小さな装置において、穀粒物を少量ずつ次々と投入して連続処理し、順々に取り出すといういわゆる「先入れ先出し」処理を行って穀粒物の洗滌を連続処理とすることができる。
また、回転支援体131の羽根板132の働きによって、浮水性穀粒物と異物を包含した気泡水流のキャビティ138内での滞留時間を長く、かつ、移動距離を長く確保することにより、穀粒物と異物との比重差に起因する動きの違いを利用して異物除去率を向上せしめることができる。
また、混合水流は気泡水であり、気泡が破裂する際の衝撃波を利用して浮水性穀粒物表面の凹凸に入り込んだ細菌や汚れであっても弾き飛ばして洗滌することができ、また、水と浮水性穀粒物を篩分けて、残水を循環させることなく装置外に排水することにより細菌や汚れの蓄積を防止して汚染濃度が向上してしまうことがない。
【実施例2】
【0067】
実施例2の穀洗機100aは、混合水回転装置130が上下連続式で複数段設けられている構成例(一例として二段垂直連続式の構成例)である。実施例2の穀洗機100aは混合水回転装置130が上下連続式で複数段設けられているので、気泡水と浮水性穀粒物の撹拌時間を長く確保することができ、穀粒物と異物との比重差に起因する動きの違いを利用して異物除去率を向上させることができる。
【0068】
図17は、実施例2にかかる穀粒物洗滌機100aの外観を模式的に示した図である。図18は、実施例2にかかる混合水回転装置130aの内部構造を模式的に示した図である。
図17および図18に示すように、混合水回転装置130aは、実施例1に示した周回容器133、異物捕捉板150、加圧送水管124、回転支援体131のセットが上下2段に組まれている。説明上、上段のものには添字としてa1、下段のものには添字としてa2を付している。なお、加圧送水管124a1と加圧送水管124a2は上下に連続するので1つの加圧送水管124が貫かれていると見ることもできる。
【0069】
周回容器133a1、133a2、異物捕捉板150a1、150a2、加圧送水管124a1、130a2、回転支援体131a1、131a2の各構成部分は、実施例1におけるものと同様であり、ここで重複する説明は省略する。
図19は、実施例2にかかる穀粒物洗滌機100aの内部を循環する水流の流れを模式的に示した図である。
各構成での気泡水流の動きは実施例1と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0070】
このように、実施例2の穀洗機100aは混合水回転装置130が上下連続式で複数段設けられているので、気泡水と浮水性穀粒物の撹拌時間を長く確保することができ、穀粒物と異物との比重差に起因する動きの違いを利用して異物除去率を向上させることができる。
なお、本実施例2の穀洗機100aでも、実施例1と同様、残水は循環させないものとする。排水管170は乾式貯留槽110に接続されておらず、残水は非循環方式にて穀粒物洗滌機100の外部へ排水される。
なお、この実施例2の上下複数段設ける構造例においても、穀粒物排出管を貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通するように設ける構成も可能である。残水のみならず、篩体162により篩分けた穀粒物を、穀粒物導出路165を経て下方に落とし、上部穀粒物排出管173と下部穀粒物排出管174を介して貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通させて穀粒物を取り出すことにより、貯留槽の設置面積内に抑えつつ、穀粒物を貯留槽の外に取り出すことができる。
【0071】
以上、実施例2にかかる本発明の穀粒物洗滌機100aによれば、混合水回転装置を上下連続式で複数段設けた構成とすることにより、穀粒物洗滌機全体としての気泡水と浮水性穀粒物との撹拌時間を長く確保することができ、穀粒物と異物との比重差に起因する動きの違いを利用して異物除去率を向上させることができ、一段構成に比べてより確実に除去率を向上させることができる。
【実施例3】
【0072】
実施例3は、穀粒物洗滌機が水平連続式で複数段設けられている構成例(一例として二段水平連続式の構成例)である。この例では水平連続式の前段側の混合水回転装置130b1は実施例2と同様、上下二段連続式のものとなっており、後段側の混合水回転装置130b2は実施例1と同様、単体のものとなっている。
つまり、実施例1や実施例2で説明した異物除去処理を前段側と後段側の2回にわたって行うことができる。つまり、穀粒物と異物の比重差に起因する動きの違いを利用した異物除去処理を前段側と後段側の2回行うことができる。
【0073】
図20は、実施例3にかかる穀粒物洗滌機100bの外観を模式的に示した図である。
図20に示すように、水平連続式の前段側の混合水回転装置130b1は、実施例2と同様、上下二段連続式のものとなっており、周回容器133、異物捕捉板150、加圧送水管124、回転支援体131のセットが上下二段連続にて配されている。添字としてb1を用い、上段側はb11、下段側はb12を付している。水平連続式の後段側の混合水回転装置130b2は、実施例1と同様、加圧送水管124、回転支援体131、周回容器133、異物捕捉板150のセットが単体で配されている。添字としてb2を付している。なお、前段側の乾式貯留槽110b1と後段側の乾式貯留槽110b2間をつなぐ接続路は穀物取り出し路163となっている。
【0074】
加圧送水管124b11、130b12、130b2、回転支援体131b11、131b12、131b2、周回容器133b11、133b12、133b2、異物捕捉板150b11、150b12、150b2の各構成部分は、実施例1または実施例2におけるものと同様であり、ここで重複する説明は省略する。
【0075】
図21は、実施例3にかかる穀粒物洗滌機100bの内部の水流の流れを模式的に示した図である。
各構成での気泡水流の動きは実施例1、実施例2と同様であるのでここでの説明は省略する。
なお、この実施例3の横方向に複数段設ける構造例においても、穀粒物排出管を貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通するように設ける構成も可能である。残水のみならず、篩体162により篩分けた穀粒物を、穀粒物導出路165を経て下方に落とし、上部穀粒物排出管173と下部穀粒物排出管174を介して貯留槽110の内側から貯留槽110の外側に貯留槽110の壁面を貫通させて穀粒物を取り出すことにより、貯留槽の設置面積内に抑えつつ、穀粒物を貯留槽の外に取り出すことができる。
【0076】
以上、実施例3にかかる本発明の穀粒物洗滌機100bによれば、水平連続式で複数段設けた構成とすることにより、穀粒物洗滌機全体としての異物除去率が向上し、一段構成に比べてより異物除去の精度を高める事が出来る。
【0077】
以上、本発明の穀粒物洗滌機の構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の穀粒物洗滌機は、小さな設置面積の装置であっても、高い洗滌効果と高い異物除去率を得ることができる連続処理型の穀粒物洗滌機として広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の穀粒物洗滌機100の基本構成を模式的に示す図である。
【図2】加圧噴水部120により打ち出した気泡水流が加圧送水管124の入り口に打ち込まれる様子を示す図である。
【図3】気泡水流ノズル123により生成された水圧気泡水とともに乾式貯留槽110内の周囲の浮水性穀粒物が巻き込まれつつ加圧送水管124に打ち込まれる様子を示す図である。
【図4】水圧気泡水中の気泡が破裂して発生した衝撃波により浮水性穀粒物の表面に付着している細菌や汚れを弾き飛ばす原理を説明する図である。
【図5】混合水回転装置130内部の構造例を示した図である。
【図6】回転支援体131を取り出して示した図である。
【図7】回転支援体131の壁面を流れる気泡水流が羽根板132により回転力が与えられ、回転渦流となる様子を示す図である。
【図8】周回容器133の一構成例を示した図である。
【図9】異物捕捉体150の一構成例を示す図である。
【図10】図7に示した周回容器133と図8に示した異物捕捉体150を組み合わせる様子を示す図である。
【図11】周回容器133と異物捕捉体150を組み合わせた状態において、回転支援体131を取り付けた様子を示す図である。
【図12】周回容器133、異物捕捉体150、回転支援体131に対して加圧送水管124を組み合わせた様子を示す図である。
【図13】異物捕捉体150により異物が捕捉され、浮水性穀粒物は捕捉されない様子を分かりやすく模式的に示す図である。
【図14】篩分け排水部160の構成と、気泡水流からの浮水性穀粒物を取り出す様子を模式的に示した図である。
【図15】穀粒物洗滌機100全体の水流の流れを模式的に示した図である。
【図16】穀粒物導出路165および穀粒物排出管173、174を設けた構成例を示す図である。
【図17】実施例2の穀粒物洗滌機100aの外観を模式的に示す図である。
【図18】実施例2の穀粒物洗滌機100aの一部を取り出して模式的に示す図である。
【図19】実施例2の穀粒物洗滌機100aを循環する水流の流れを示す図である。
【図20】実施例3の穀粒物洗滌機100bの外観を模式的に示す図である。
【図21】実施例3の穀粒物洗滌機100bの内部の水流の流れを模式的に示す図である。
【図22】特許文献1の構造例を示す図である。
【図23】特許文献2の構造例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
100 穀粒物洗滌機
110 乾式貯留槽
120 加圧噴水部
121 水道設備
122 水バルブ
123 気泡水流ノズル
124 加圧送水管
125 隙間
126 噴き出し口
130 混合水回転装置
131 回転支援体
132 羽根板
133 周回容器
134 底板
135 開口
136 外周壁
137 内周壁
138 キャビティ
139 蓋体
150 異物捕捉体
160 篩分け排水部
161 折り返し部
162 篩体
163 穀粒物取り出し路
164 水路
170 排水路
171 上部排水路
172 下部排水路
173 上部穀粒物排出路
174 下部穀粒物排出路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒物を一時的に貯留する貯留槽と、
前記貯留槽の底部付近に噴出孔を配設した気泡水流ノズルと、前記気泡水流ノズルの前記噴出孔から噴き出される水と気泡が混合された気泡水流を受け入れて上方に導く加圧送水管とを備え、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との隙間から前記貯留槽内に貯留された前記穀粒物を巻き込みつつ前記気泡水流と前記穀粒物の混合水流を噴き上げる加圧噴水部と、
前記加圧噴水部により噴き上げられた前記気泡水流と前記穀粒物との混合水流を回転させつつ下方に導く混合水回転装置と、
前記混合水回転装置より流れ出した前記混合水流から前記穀粒物のみを篩分け、残水のみを下方に落として前記穀粒物のみを通過させる篩分け排水部と、前記残水を前記貯留槽内側から前記貯留槽外側に前記貯留槽の壁面を貫通させて排水する排水管とを備え、
前記加圧噴水部と、前記混合水回転装置と、前記篩分け排水部を前記貯留槽の上部に設けることにより装置設置面積を前記貯留槽の設置面積に抑えるとともに残水を前記貯留槽に還流させることがないことを特徴とする自動連続非循環型洗滌処理を可能とした穀粒物洗滌機。
【請求項2】
前記篩分け排水部により篩分けた前記穀粒物を前記貯留槽内側から前記貯留槽外側に前記貯留槽の壁面を貫通させて取り出す穀粒物排出管を備えたことを特徴とする穀粒物洗滌機
【請求項3】
前記穀粒物が、水より比重が重く水に沈む沈水性穀粒物であり、
前記貯留槽が、水を張って前記穀粒物を一時的に貯留する貯水式の貯留槽であり、
前記加圧噴水部が、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との隙間から前記貯留槽内に沈水状態で貯留された前記穀粒物を巻き込みつつ前記気泡水流と前記穀粒物の混合水流を噴き上げ、
比重が水より重く沈んでいる前記沈水性穀粒物について自動連続非循環型洗滌処理を可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の穀粒物洗滌機。
【請求項4】
前記穀粒物が、水より比重が軽く水に浮く浮水性穀粒物であり、
前記貯留槽が、水を張らずに前記浮水性穀粒物を一時的に貯留する乾式貯留槽であり、
前記加圧噴水部が、前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との隙間から前記乾式貯留槽内に貯留された前記浮水性穀粒物を巻き込みつつ前記気泡水流と前記浮水性穀粒物の混合水流を噴き上げ、
前記排水管が、前記残水を前記乾式貯留槽内から前記乾式貯留槽外に前記乾式貯留槽を貫通させて排水し、
比重が水より軽く浮いてしまう前記浮水性穀粒物について水を用いた自動連続非循環型洗滌処理を可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の穀粒物洗滌機。
【請求項5】
前記気泡水流ノズルと前記加圧送水管との間に隙間を設け、前記隙間から前記浮水性穀粒物とともに前記乾式貯留槽内の空気が巻き込まれて前記混合水流中に気泡を十分に含ませる構成とした請求項4に記載の穀粒物洗滌機。
【請求項6】
前記気泡水流中の気泡が破裂して発生した衝撃波により前記穀粒物の表面に付着している細菌や汚れを弾き飛ばして除去することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の穀粒物洗滌機。
【請求項7】
前記混合水回転装置が、前記加圧送水管から噴き出た前記気泡水流を受け、周回方向の回転力を与える回転支援体と、前記回転支援体から前記周回方向に回転する前記気泡水流を受け、周回路を周回させつつ流出路に到達した前記気泡水流を流し出す周回容器とを備えたものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の穀粒物洗滌機。
【請求項8】
前記混合水回転装置を上下多段に接続した多段構成とし、上段の前記撹拌装置で撹拌され、下方に導かれた前記混合水流を下段の前記混合水回転装置で受けることにより、前記混合水流での前記穀粒物の撹拌を多段に行う構成とした請求項1乃至7のいずれか1項に記載の穀粒物洗滌機。
【請求項9】
前記穀粒物洗滌機を二段以上多段につなげた多段構成とし、
上段側の前記穀粒物洗滌機の前記篩分け排水部から取り出された前記穀粒物のみが下段側の前記穀粒物洗滌機の前記貯留槽内に投入され、前記篩分け排水部の残水が前記貯留槽に還流しないように外部へ排水されるように接続し、
最下段の前記穀粒物洗滌機の前記篩分け排水部から取り出された前記穀粒物のみを洗滌済み穀粒物として装置外へ取り出すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の穀粒物洗滌機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−39526(P2013−39526A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178056(P2011−178056)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(509058704)
【Fターム(参考)】