説明

積層バランスフィルタ

【課題】小型化が容易であり、入出力間で所定のインピーダンス変換を行えるようにした積層バランスフィルタを構成する。
【解決手段】第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とが対向することによって不平衡側のキャパシタが構成される。誘電体層271には不平衡側コイル131が形成されている。誘電体層271,241,242には平衡側コイル141,142,143が形成されている。平衡側コイル141、142,143はヘリカル状に形成されており、かつ、各コイルの巻き方向も同じ方向となるように形成されている。この3つの平衡側コイル141,142,143のうち中央のコイル142は不平衡側コイル131に近接配置されることにより、中央のコイル142は不平衡側コイル131と電磁界結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の誘電体層と電極層との積層体を備えた積層バランスフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小型・低廉化に適した高周波の帯域通過フィルタは、誘電体層と電極層とを積層した積層体内に複数のLC共振器を設けることによって構成されている。このような積層帯域通過フィルタとして特許文献1が開示されている。特許文献1の積層帯域通過フィルタの構成を、図1を参照して説明する。
【0003】
図1は特許文献1の積層型バンドパスフィルタの回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、いずれも両端開放の1/2波長共振器40で構成され、並べて配置された3つの共振器40を有している。3つの共振器40のうち、最も不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、不平衡入力端2が直接接続されている。また、最も平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、平衡出力端3A,3Bが直接接続されている。入力共振器40Iと中間の共振器40Mは電磁結合され、中間の共振器40Mと平衡出力用1/2波長共振器41Aも電磁結合されている。また、3つの共振器40の各開放端とグランドとの間にはキャパシタCが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−45447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の積層帯域通過フィルタでは、両端開放のλ/2共振器を同一基板面上に複数配置して、共振器同士を結合させることによって、平衡−不平衡変換機能及びフィルタ特性を得ている。
【0006】
平衡−不平衡変換機能を有するフィルタは、一般にその平衡型端子側を平衡型で信号を入出力するICなどに接続することが多いが、その場合に、不平衡型端子と平衡型端子との間でインピーダンスを変換する必要がある。しかし、特許文献1に示されている構造では、ストリップライン結合によりバランス性能を得ているため、任意のインピーダンス設計ができない。
【0007】
また、1/2波長のストリップラインを用いているため、小型化できない。しかもインピーダンス変換のための回路を設ければ、そのインピーダンス変換回路部分の占有面積が更に増大することになり、全体に小型化できない。
【0008】
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して、小型化が容易であり、入出力間で所定のインピーダンス変換を行えるようにした積層バランスフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記問題を解決するために、この発明の積層バランスフィルタは、次のように構成する。
(1)複数の誘電体層と、複数の電極層と、前記誘電体層の厚み方向に貫通する複数の縦導通電極と、1つの不平衡端子と、2つの平衡端子と、グランド端子とを備え、前記電極層及び前記縦導通電極により、グランド電極と、平衡側インダクタと、不平衡側インダクタと、不平衡側キャパシタ電極とが構成された、積層バランスフィルタにおいて、
前記グランド電極は前記グランド端子に導通し、前記不平衡側インダクタの第1の端部は前記不平衡端子に導通し、前記不平衡側インダクタの第2の端部は前記グランド電極に導通し、前記不平衡側キャパシタ電極は、前記グランド電極と対向する位置に配置されて前記不平衡端子に導通し、前記平衡側インダクタは、3つ以上の奇数個のインダクタの直列回路で構成され、前記インダクタの直列回路の第1と第2の端部は前記2つの平衡端子にそれぞれ導通し、
前記奇数個のインダクタのうち中央のインダクタは、前記不平衡側インダクタと電磁界結合する位置に配置され、且つ、前記奇数個のインダクタは巻き方向が同じヘリカル状のコイルを含んで構成された、ことを特徴とする。
【0010】
このように、平衡側に3つ以上の奇数個のインダクタが形成され、平衡側インダクタの中央のインダクタが、前記不平衡側インダクタと互いに電磁界結合する位置に近接配置されることにより、インダクタ間の結合量によって通過帯域幅を設計できる。インダクタ間の結合はインダクタを構成するコイルの並走長、パターン間厚みによって定めることができ、通過帯域幅の設計が容易である。
【0011】
また、不平衡側のLC共振器と平衡側のヘリカルコイルとが部分結合することにより、平衡側の主結合でないコイルのインピーダンスを自由に設計することができ、平衡側ポートのインピーダンスの設計上の自由度が高い。
【0012】
また、ヘリカルコイルで平衡側コイルを構成できるため、小型でありながら所望のインダクタンスを有するQ値の高いコイルを構成でき、挿入損失が小さいフィルタが実現できる。
【0013】
(2)例えば、前記中央のインダクタを構成するコイルの少なくとも一部分は、前記平衡側インダクタが構成されている複数の電極層のうちの最上層または最下層に配置される。
このことにより、平衡側インダクタの中央のインダクタを構成するコイルを面方向に広げることなく配置できるため、素子がより小型化できる。
【0014】
(3)例えば、前記複数の電極層の積層方向に見て、前記中央のインダクタを構成するコイルは、前記不平衡側インダクタを構成するコイルに対して、少なくとも一部分で重なる位置に近接配置される。
【0015】
このことにより、誘電体の厚みまたはそれぞれのインダクタを構成する2つのコイルの重なり部分の面積を定めて、最適な電磁結合が得られる。また、厚み方向に結合させることで、積層体の面方向のサイズを小さくできる。
【0016】
(4)例えば、前記電極層の積層方向に見て、前記中央のインダクタを構成するコイルは前記平衡側インダクタの他のインダクタを構成するコイルの形成領域よりはみ出ていて、はみ出した部分に対する積層方向に前記不平衡側インダクタが近接配置されている。
【0017】
この構造により、平衡側インダクタの中央のインダクタと不平衡側インダクタとの結合を、それぞれのインダクタを構成するコイルの並走長とコイル間の誘電体層の厚みによって容易に定めることができる。
【0018】
(5)例えば、前記不平衡側インダクタを構成するコイルは前記複数の電極層で形成され、前記中央のインダクタを構成するコイルが形成された電極層は、前記不平衡側インダクタを構成するコイルが形成された前記複数の電極層によって挟まれている。
【0019】
この構造により、平衡側インダクタの中央のインダクタと不平衡側インダクタとの結合を強くでき、広帯域特性が得やすい。
【0020】
(6)例えば、前記中央のインダクタを構成するコイルは前記複数の電極層で形成され、前記不平衡側インダクタを構成するコイルが形成された電極層は、前記中央のインダクタを構成するコイルが形成された前記複数の電極層によって挟まれている。
【0021】
この構造により、平衡側インダクタの中央のインダクタと不平衡側インダクタとの結合を強くでき、広帯域特性が得やすい。
【0022】
(7)例えば、前記中央のインダクタを構成するコイルと前記不平衡側インダクタを構成するコイルとが同じ電極層の面内方向で電磁結合する位置に近接配置されている。
この構造により、誘電体層を挟む電極層間のずれによる結合量のずれがなく、安定した結合量が得られる。
【0023】
(8)例えば、前記複数の電極層で前記不平衡側インダクタを構成するコイルが形成され、前記不平衡側インダクタを構成するコイルは前記縦導通電極で接続されている。
この構造により、不平衡側のインダクタを小型化でき、素子の底面積を縮小化できる。
【0024】
(9)例えば、前記不平衡側インダクタは、前記複数の電極層の積層方向を軸とするスパイラル状のコイルで構成されている。
この構造により、不平衡側インダクタのインダクタンスを大きくでき、不平衡側のインピーダンスを高くできる。
【0025】
(10)例えば、前記グランド電極と対向する位置に配置されて、前記2つの平衡端子にそれぞれ導通する2つの平衡側キャパシタ電極が、前記複数の電極層のうちの所定の電極層で構成されている。
この構造により、平衡側キャパシタの容量の設定により所望の通過帯域を設計できる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、小型で、入出力間で所定のインピーダンス変換を行えるようにした小型の積層バランスフィルタが構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】特許文献1の積層型バンドパスフィルタの回路図である。
【図2】第1の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る積層バランスフィルタの外観斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る積層バランスフィルタの等価回路図である。
【図5】第2の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る積層バランスフィルタの外観斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る積層バランスフィルタの等価回路図である。
【図8】第3の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【図9】第4の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【図10】第5の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【図11】第6の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【図12】図12(A)、図12(B)、図12(C)は第6の実施形態に係る積層バランスフィルタの電気的特性図である。
【図13】第7の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る積層バランスフィルタについて図2〜図4を参照して説明する。
図2は第1の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
【0029】
図2に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,242,241,271,211,201,221を積層した積層体で構成されている。焼成により積層体が構成される場合には、それぞれに電極パターンが形成された複数の誘電体グリーンシートが積層され、加圧され、焼成される。そのため、焼成後の誘電体は一体となって、必ずしも層を成しているわけではない。但し、その場合でも、電極層と電極層の間には所定厚みの誘電体が存在するので、前記積層体は、誘電体層と電極層とが積層されたものと言える。このことは以降に示す他の各実施形態についても同じである。
【0030】
誘電体層211には、この発明の「不平衡側キャパシタ電極」に相当する第1のキャパシタ電極121が形成されている。このキャパシタ電極121は引き出し電極165を介して誘電体層211の左側の辺に引き出されている。誘電体層201にはグランド電極120が形成されている。このグランド電極120は引き出し電極161,162を介して誘電体層201の左右の辺に引き出されている。誘電体層221には第2のキャパシタ電極122及び第3のキャパシタ電極123がそれぞれ形成されている。第2のキャパシタ電極122は引き出し電極163を介して誘電体層221の右側の辺に引き出されている。第3のキャパシタ電極123は引き出し電極164を介して誘電体層221の左側の辺に引き出されている。
【0031】
第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とが対向することによって第1のキャパシタが構成される。第2のキャパシタ電極122とグランド電極120とが対向することによって第2のキャパシタが構成される。同様に、第3のキャパシタ電極123とグランド電極120とが対向することによって第3のキャパシタが構成される。
【0032】
誘電体層271には、不平衡側インダクタを構成するコイル(以降、「不平衡側コイル」という。)131が形成されている。
誘電体層271及び誘電体層211には、本発明に係る「縦導通電極」(以降、「ビア電極」という。)151が形成されている。誘電体層271の不平衡側コイル131の第1の端部と誘電体層201のグランド電極120とは、ビア電極151を介して導通接続されている。
【0033】
誘電体層271には、ビア電極152が形成されている。不平衡側コイル131の第2の端部と誘電体層211の第1のキャパシタ電極121とは、ビア電極152を介して導通接続されている。
【0034】
第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とで不平衡側キャパシタが構成される。この不平衡側キャパシタ、不平衡側コイル131及びビア電極151,152によってLC並列共振器が構成される。
【0035】
また、誘電体層271に平衡側インダクタを構成するコイル(以降、「平衡側コイル」という。)141、誘電体層241に平衡側コイル142、誘電体層242に平衡側コイル143がそれぞれ形成されている。誘電体層241にはビア電極153、誘電体層242にはビア電極154がそれぞれ形成されている。
【0036】
平衡側コイル141の第1の端部は引き出し電極166を介して誘電体層271の右側の辺に引き出されている。平衡側コイル141の第2の端部と平衡側コイル142の第1の端部とは、ビア電極153を介して導通接続されている。平衡側コイル142の第2の端部と平衡側コイル143の第1の端部とは、ビア電極154を介して導通接続されている。平衡側コイル143の第2の端部は引き出し電極167を介して誘電体層242の左側の辺に引き出されている。
【0037】
前記平衡側コイル141、142,143はヘリカル状に形成されており、かつ、各コイルの巻き方向も同じ方向となるように形成されている。この3つの平衡側コイル141,142,143のうち中央のコイル142は不平衡側コイル131に近接配置されることにより、不平衡側コイル131と電磁界結合する。
【0038】
図3は、第1の実施形態に係る積層バランスフィルタ11の外観斜視図である。
図2に示した各種電極パターンが形成された誘電体層251,242,241,271,211,201,221を積層することによって、図3のように積層体10を構成する。この積層体の4つの側面のうち対向する2つの側面に(端面に)グランド端子20、不平衡入力端子21、平衡出力端子22,23、空き端子24を設けることによって積層バランスフィルタ11を構成する。この積層体10の底面寸法は1.6mm×0.8mm、高さ寸法は0.5mmである。
【0039】
前記誘電体層の誘電体部分は、比誘電率が例えば6以上80以下の範囲内である。各誘電体層は、例えば酸化チタン、酸化バリウム、アルミナ等の成分のうち、少なくとも1つ以上の成分と、ガラス成分とで構成される、比誘電率εr=23.5の低温焼結セラミックス(LTCC)を用いて形成する。または液晶ポリマ(LCP)やポリイミドなどの樹脂を用いて形成する。
各誘電体層を形成する材料は、以降に示す別の実施形態についても同様である。
【0040】
図4は、図2・図3に示した積層バランスフィルタの等価回路図である。図4においてインダクタL1は、図2に示したビア電極151,152及び不平衡側コイル131で構成される不平衡側インダクタに相当する。図4において、インダクタL4は図2に示した3つの平衡側コイルのうち中央のコイル142に相当する。インダクタL2は、図2に示した平衡側コイル141及びビア電極153で構成されるコイルに相当する。同様に、インダクタL3は、図2に示した平衡側コイル142及びビア電極154で構成されるコイルに相当する。
【0041】
また、図4においてキャパシタC1は、第1のキャパシタ電極121とグランド電極120との間に生じる第1のキャパシタである。キャパシタC2は第2のキャパシタ電極122とグランド電極120との間に生じる第2のキャパシタである。同様に、キャパシタC3は第3のキャパシタ電極123とグランド電極120との間に生じる第3のキャパシタである。
【0042】
図4に示したインダクタL1とキャパシタC1とによってLC並列共振器を構成している。また、インダクタL4の中点を仮想接地とした場合、インダクタL4の半分、インダクタL2、及びキャパシタC2によってLC並列共振器を構成している。同様に、インダクタL4の半分、インダクタL3、及びキャパシタC3によってLC並列共振器を構成している。
【0043】
インダクタL1とインダクタL4との結合係数M14が、平衡−不平衡変換器として作用するための主要な結合である。インダクタL1とインダクタL2との結合、及びインダクタL1とインダクタL3との結合は、寄生的な結合であり、それらの結合係数はインダクタL1とインダクタL4との結合係数より充分に小さい。インダクタL2,L3とキャパシタC2,C3によってインピーダンス整合及びインピーダンス変換の回路として作用する。
【0044】
第1の実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(a)記3つの平衡側コイル141,142,143のうち中央のコイル142は不平衡側コイル131に近接配置されることにより、インダクタ間の結合量によって通過帯域幅を設計できる。
【0045】
(b)不平衡側のLC共振器と平衡側のヘリカルコイルとが部分結合することにより、主結合でないコイルのインピーダンスを設計することができる。またL1,L2とC2,C3との比を定めることにより、平衡側ポートのインピーダンスを定めることができるので、設計上の自由度が高い。
【0046】
(c)ヘリカルコイルで平衡側側コイルを構成できるため、小型でありながら所望のインダクタンスを有するQ値の高いコイルを構成でき、挿入損失が小さいフィルタが実現できる。
【0047】
(d)3つの平衡側コイル141,142,143のうち中央のコイル142は、積層体の平面視状態(各層の平面に対して垂直な方向を見た状態)で、平衡側コイルの他のコイル141,143の形成領域よりはみ出ていて、はみ出した部分に対する積層方向に不平衡側コイル131が近接配置されている。この構造により、平衡側コイルの中央のコイル142と不平衡側コイル131との結合を、この2つのコイルの並走長とコイル間の誘電体層の厚みによって容易に定めることができる。
【0048】
(e)平衡側コイルの中央のコイル142は、不平衡側コイル131に対して、電極層の積層方向に少なくとも一部分で重なる位置に近接配置されているため、誘電体の厚みまたは2つのコイルの重なり部分の面積を定めて、最適な電磁結合が得られる。また、厚み方向に結合させることで、積層体の面方向のサイズを小さくできる。
【0049】
(f)平衡側コイルのパターンは、積層体の平面視状態で、2つの平衡出力端子同士をむすぶ直線に直交する線を対称軸として線対称であるので、高い平衡特性が得られる。
【0050】
《第2の実施形態》
図5は第2の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
図5に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,242,241,271,242,211,201,221を積層した積層体で構成されている。
【0051】
図2に示した積層バランスフィルタと異なるのは、3つの平衡側コイルのうち中央のコイル142の中央が、引き出し電極171,172及びビア電極155を介して誘電体層242の左側の辺に引き出されている点である。
その他の構成については第1の実施形態と同様である。
【0052】
図6は、第2の実施形態に係る積層バランスフィルタ12の外観斜視図である。
図5に示した各種電極パターンが形成された誘電体層251,242,241,271,242,211,201,221を積層することによって、図6のように積層体10を構成するとともに、その4つの側面のうち対向する2つの側面に(端面に)グランド端子20、不平衡入力端子21、平衡出力端子22,23、電源供給端子25、及び空き端子24を設けることによって積層バランスフィルタ12を構成する。
【0053】
図7は、図5・図6に示した積層バランスフィルタの等価回路図である。図7においてインダクタL4は図5に示した平衡側コイルのうち中央のコイル142に相当する。このインダクタL4の中央が電源供給端子25に接続されている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0054】
第2の実施形態に係る積層バランスフィルタによれば、電源供給端子25から平衡端子22,23に接続される差動増幅回路(ICチップ)に対してバイアス電圧を印加することができる。
【0055】
《第3の実施形態》
図8は第3の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
図8に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,231,243,253,244,242,241,252,211,201,221を積層した積層体で構成されている。
【0056】
誘電体層211には第1のキャパシタ電極121が形成されている。このキャパシタ電極121は引き出し電極165を介して誘電体層211の左側の辺に引き出されている。誘電体層201にはグランド電極120が形成されている。このグランド電極120は引き出し電極161,162を介して誘電体層201の左右の辺に引き出されている。誘電体層221には第2のキャパシタ電極122及び第3のキャパシタ電極123がそれぞれ形成されている。第2のキャパシタ電極122は引き出し電極163を介して誘電体層221の右側の辺に引き出されている。第3のキャパシタ電極123は引き出し電極164を介して誘電体層221の左側の辺に引き出されている。
【0057】
第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とが対向することによって第1のキャパシタが構成される。第2のキャパシタ電極122とグランド電極120とが対向することによって第2のキャパシタが構成される。同様に、第3のキャパシタ電極123とグランド電極120とが対向することによって第3のキャパシタが構成される。
【0058】
誘電体層231には、不平衡側コイル131が形成されている。
誘電体層231,243,253,244,242,241,252,211には、ビア電極151が形成されている。また、誘電体層231,243,253,244,242,241,252には、ビア電極152が形成されている。不平衡側コイル131の第1の端部とグランド電極120とはビア電極151を介して導通接続されている。不平衡側コイル131の第2の端部と第1のキャパシタ電極121とはビア電極152を介して導通接続されている。
【0059】
第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とで不平衡側キャパシタが構成される。この不平衡側キャパシタ、不平衡側コイル131及びビア電極151,152によってLC並列共振器が構成される。
【0060】
また、誘電体層241に平衡側コイル141、誘電体層242に平衡側コイル142,144、誘電体層244に平衡側コイル145、誘電体層243に平衡側コイル143がそれぞれ形成されている。誘電体層242にはビア電極153、誘電体層242,244,253,243にはビア電極154、誘電体層244,253,243にはビア電極155がそれぞれ形成されている。
【0061】
平衡側コイル141の第1の端部は引き出し電極166を介して誘電体層241の右側の辺に引き出されている。平衡側コイル141の第2の端部と平衡側コイル142の第1の端部とは、ビア電極153を介して導通接続されている。平衡側コイル142の第2の端部と平衡側コイル143の第1の端部とは、ビア電極154を介して導通接続されている。平衡側コイル143の第2の端部と平衡側コイル144の第1の端部とは、ビア電極155を介して導通接続されている。平衡側コイル144の第2の端部と平衡側コイル145の第1の端部とは、ビア電極156を介して導通接続されている。平衡側コイル145の第2の端部は引き出し電極167を介して誘電体層244の左側の辺に引き出されている。
【0062】
前記平衡側コイル141〜145はヘリカル状に形成されており、かつ、各コイルの方向も同じ方向となるように形成されている。この5つの平衡側コイル141〜145のうち中央のコイル143は不平衡側コイル131に近接配置されることにより、中央のコイル143は不平衡側コイル131と電磁界結合する。
【0063】
この第3の実施形態に係る積層バランスフィルタの外部端子の並びは図3に示したものと同じである。
【0064】
第3の実施形態特有の効果は次のとおりである。
(a)平衡側コイルの中央のコイル143が、平衡側コイルの形成されている電極層のうち最上層(天地を反転すれば最下層でもある)に配置されているため、平衡側コイルの中央のコイルを面方向に広げることなく配置でき、全体に小型化できる。
【0065】
(b)平衡側コイルの中央のコイル143は、不平衡側コイル131に対して、電極層の積層方向に少なくとも一部分で重なる位置に近接配置されているため、誘電体の厚みまたは2つのコイルの重なり部分の面積を定めて、最適な電磁結合が得られる。また、厚み方向に結合させることで、積層体の面方向のサイズを小さくできる。
【0066】
(c)平衡側コイルの中央のコイル143が形成されている誘電体層243と、平衡側コイルの他のコイルが形成されている誘電体層(244等)との間に誘電体層253が挿入されているため、不平衡側コイル131は平衡側コイルの中央のコイル143と強く結合し、平衡側コイルの他のコイルとの不要な結合が抑制される。
【0067】
《第4の実施形態》
図9は第4の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
図9に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,231,271,253,247,246,245,244,243,242,241,252,211,201,221を積層した積層体で構成されている。
【0068】
誘電体層211には第1のキャパシタ電極121が形成されている。このキャパシタ電極121は引き出し電極165を介して誘電体層211の左側の辺に引き出されている。誘電体層201にはグランド電極120が形成されている。このグランド電極120は引き出し電極161,162を介して誘電体層201の左右の辺に引き出されている。誘電体層221には第2のキャパシタ電極122及び第3のキャパシタ電極123がそれぞれ形成されている。第2のキャパシタ電極122は引き出し電極163を介して誘電体層221の右側の辺に引き出されている。第3のキャパシタ電極123は引き出し電極164を介して誘電体層221の左側の辺に引き出されている。
【0069】
第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とが対向することによって第1のキャパシタが構成される。第2のキャパシタ電極122とグランド電極120とが対向することによって第2のキャパシタが構成される。同様に、第3のキャパシタ電極123とグランド電極120とが対向することによって第3のキャパシタが構成される。
【0070】
誘電体層231には、スパイラル状の不平衡側コイル131が形成されている。また、誘電体層271には、スパイラル状の不平衡側コイル132が形成されている。誘電体層231にはビア電極151が形成されている。
【0071】
不平衡側コイル131の外周端は引き出し電極168を介して誘電体層231の右側の辺の中央にまで引き出されている。従って、積層体の側面の外部電極を介して、グランド電極120と導通する。
【0072】
不平衡側コイル131の内周端はビア電極151を介して不平衡側コイル132の内終端と導通する。不平衡側コイル132の外周端は引き出し電極169を介して誘電体層271の左側の辺に引き出されている。従って、積層体の側面の外部電極を介して第1のキャパシタ電極121と導通する。
【0073】
第1のキャパシタ電極121とグランド電極120とで不平衡側キャパシタが構成される。この不平衡側キャパシタ、不平衡側コイル131,132及びビア電極151によってLC並列共振器が構成される。
【0074】
また、誘電体層241に平衡側コイル141、誘電体層242に平衡側コイル142、誘電体層243に平衡側コイル143、誘電体層244には平衡側コイル144,146、誘電体層245に平衡側コイル147、誘電体層246に平衡側コイル148、誘電体層247に平衡側コイル149、がそれぞれ形成されている。誘電体層242にはビア電極153、誘電体層243にはビア電極154、誘電体層244にはビア電極155、誘電体層245にはビア電極158、誘電体層246にはビア電極159、誘電体層247にはビア電極160、がそれぞれ形成されている。
【0075】
平衡側コイルは次のとおり順に導通している。引き出し電極166→平衡側コイル141→ビア電極153→平衡側コイル142→ビア電極154→平衡側コイル143→ビア電極155→平衡側コイル144→ビア電極156→平衡側コイル145→ビア電極157→平衡側コイル146→ビア電極158→平衡側コイル147→ビア電極159→平衡側コイル148→ビア電極160→平衡側コイル149→引き出し電極167。
【0076】
このようにして、平衡側コイル141〜149はヘリカル状に形成されており、かつ、各コイルの巻き方向も同じ方向となるように形成されている。この9つの平衡側コイル141〜149のうち中央のコイル145は不平衡側コイル131と積層方向に近接し、不平衡側コイル132と面方向に近接する。この構造により、中央のコイル145は不平衡側コイル131,132と電磁界結合する。
【0077】
この第4の実施形態に係る積層バランスフィルタの外部端子の並びは図3に示したものと同じである。
【0078】
第4の実施形態によれば、次のような特有の効果を奏する。
(a)不平衡側コイルが複数の層に形成されているため、不平衡側コイルの形成面積を縮小化できる。
【0079】
(b)不平衡側コイルが積層体の積層方向を軸とするスパイラル状に形成されているため、その形成面積を広げることなく不平衡側のインピーダンスを高めることができる。
【0080】
《第5の実施形態》
図10は第5の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
図10に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,271,253,247,246,245,244,243,242,241,252,211,201,221を積層した積層体で構成されている。
【0081】
第4の実施形態で図9に示した積層バランスフィルタと異なるのは、不平衡側コイル131が一層に形成され、平衡側コイルの中央のコイル145と同じ層に配置されていることである。その他の構成は第4の実施形態と同じである。
【0082】
第5の実施形態によれば、平衡側コイルの中央のコイル145と不平衡側コイル131が同じ電極層の面内方向で電磁結合する位置に近接配置されているため、誘電体層を挟んで電極層間が対向する場合のような、積みずれによる結合量のずれがなく、安定した結合量が得られる。
【0083】
なお、不平衡側コイル131の一部が不平衡側コイルと同一面に配置されてもよい。また、不平衡側コイルの一部が平衡側コイルの中央のコイルと同一面に配置されてもよい。
【0084】
《第6の実施形態》
図11は第6の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
図11に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,231,248,232,253,247,246,245,244,243,242,241,252,211,201,221を積層した積層体で構成されている。
【0085】
第4の実施形態で図9に示した積層バランスフィルタと異なるのは、平衡側コイルの中央のコイルと不平衡側コイルとの結合部分の構成である。図11に示す例では、誘電体層231に不平衡側コイル131、誘電体層232に不平衡側コイル132がそれぞれ形成されていて、この2つの誘電体層231,232の間の誘電体層248に平衡側コイルの中央のコイル145が形成されている。
その他の構成は第4の実施形態と同じである。
【0086】
第6の実施形態によれば、複数の不平衡側コイルで挟まれる位置に平衡側コイルの中央のコイルが配置されているので、平衡側コイルの中央のコイル145と不平衡側コイル131,132との結合を強くでき、広帯域特性が得やすい。
【0087】
図12(A)、図12(B)、図12(C)は第6の実施形態に係る積層バランスフィルタの電気的特性図である。ここでは、不平衡入力ポートをポートP1、平衡出力ポートをP2,P3としてポート番号を割り当てて、SパラメータのS11特性(入力ポート側反射特性),S21特性(平衡出力ポートP2−P3のディファレンシャルモードでの、ポートP1−ポートP2間の挿入損失),S31特性(平衡出力ポートP2−P3のディファレンシャルモードでの、ポートP1−ポートP3間の挿入損失),S22特性(出力ポート側反射損失)について表している。各ポートP1,P2,P3と等価回路との関係は図4に示したとおりである。
【0088】
図12(A)は前記S11、S21、S22のそれぞれの振幅特性である。図12(B)は、前記S21及びS31の振幅特性について横軸と縦軸を拡大したものである。図12(A)、図12(B)の縦軸は基準値を0[dB]とするデシベル単位である。図12(C)は前記S21、S31の位相特性である。
【0089】
図12(A)に現れているように、使用周波数帯域0.85GHzでS11,S22の減衰が大きく、不平衡入力ポートP1側も平衡出力ポートP2,P3についてもインピーダンス整合がとれていることがわかる。
【0090】
また、図12(B)に現れているように、使用周波数帯域0.85GHzでS21,S31の挿入損失が等しく、平衡出力ポートP2,P3のバランスがとれていることがわかる。
【0091】
また、図12(C)に現れているように、平衡出力ポートP2,P3の位相関係は、広い周波数帯域に亘って180度の位相差が保たれていて、広い周波数帯域に亘って平衡出力ポートP2−P3間で平衡信号が出力されることがわかる。
【0092】
《第7の実施形態》
図13は第7の実施形態に係る積層バランスフィルタの分解斜視図である。
図13に示すように、この積層バランスフィルタは、それぞれ所定の電極パターンを形成した複数の誘電体層251,249,231,248,253,247,246,245,244,243,242,241,252,211,201,221を積層した積層体で構成されている。
【0093】
第4の実施形態で図9に示した積層バランスフィルタと異なるのは、平衡側コイルの中央のコイルと不平衡側コイルとの結合部分の構成である。図13に示す例では、誘電体層248,249のそれぞれに平衡側コイルの中央のコイル145,146が形成されている。この2つのコイル145,146はビア電極154,155を介して並列接続されている。前記2つの誘電体層248,249の間の誘電体層231に不平衡側コイル131が形成されている。
その他の構成は第4の実施形態と同じである。
【0094】
第7の実施形態によれば、複数の平衡側コイルの中央のコイル145,146で挟まれる位置に不平衡側コイル131が配置されているので、平衡側コイルの中央のコイル145,146と不平衡側コイル131との結合を強くでき、広帯域特性が得やすい。
【0095】
《他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、不平衡端子を入力端子、平衡端子を出力端子として用いるように説明したが、平衡端子を入力端子、不平衡端子を出力端子として用いてもよい。
【0096】
また、以上に示した各実施形態では、単一のグランド電極を形成した例を示したが、不平衡側のキャパシタ電極が対向するグランド電極と、平衡側のキャパシタ電極が対向するグランド電極とを別に配置してもよい。
【符号の説明】
【0097】
P1…不平衡入力ポート
P2,P3…平衡出力ポート
10…積層体
11…積層バランスフィルタ
12…積層バランスフィルタ
20…グランド端子
21…不平衡入力端子
22,23…平衡出力端子
24…空き端子
25…電源供給端子
120…グランド電極
121…第1のキャパシタ電極
122…第2のキャパシタ電極
123…第3のキャパシタ電極
131,132…不平衡側コイル
141〜149…平衡側コイル
151〜160…ビア電極(縦導通電極)
161〜169…引き出し電極
171,172…引き出し電極
201…誘電体層
211…誘電体層
221…誘電体層
231,232…誘電体層
241〜249…誘電体層
251〜253…誘電体層
271…誘電体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層と、複数の電極層と、前記誘電体層の厚み方向に貫通する複数の縦導通電極と、1つの不平衡端子と、2つの平衡端子と、グランド端子とを備え、前記電極層及び前記縦導通電極により、グランド電極と、平衡側インダクタと、不平衡側インダクタと、不平衡側キャパシタ電極とが構成された、積層バランスフィルタにおいて、
前記グランド電極は前記グランド端子に導通し、
前記不平衡側インダクタの第1の端部は前記不平衡端子に導通し、前記不平衡側インダクタの第2の端部は前記グランド電極に導通し、
前記不平衡側キャパシタ電極は、前記グランド電極と対向する位置に配置されて前記不平衡端子に導通し、
前記平衡側インダクタは、3つ以上の奇数個のインダクタの直列回路で構成され、前記インダクタの直列回路の第1と第2の端部は前記2つの平衡端子にそれぞれ導通し、
前記奇数個のインダクタのうち中央のインダクタは、前記不平衡側インダクタと電磁界結合する位置に配置され、且つ、前記奇数個のインダクタは巻き方向が同じヘリカル状のコイルを含んで構成された、積層バランスフィルタ。
【請求項2】
前記中央のインダクタ構成するコイルの少なくとも一部分は、前記平衡側インダクタが構成されている複数の電極層のうちの最上層または最下層に配置された、請求項1に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項3】
前記複数の電極層の積層方向に見て、前記中央のインダクタを構成するコイルは、前記不平衡側インダクタを構成するコイルに対して、少なくとも一部分で重なる位置に近接配置された、請求項1又は2に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項4】
前記電極層の積層方向に見て、前記中央のインダクタを構成するコイルは前記平衡側インダクタの他のインダクタを構成するコイルの形成領域よりはみ出ていて、はみ出した部分に対する積層方向に前記不平衡側インダクタが近接配置された、請求項3に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項5】
前記不平衡側インダクタを構成するコイルは前記複数の電極層で形成され、前記中央のインダクタを構成するコイルが形成された電極層は、前記不平衡側インダクタを構成するコイルが形成された前記複数の電極層によって挟まれた、請求項3に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項6】
前記中央のインダクタを構成するコイルは前記複数の電極層で形成され、前記不平衡側インダクタを構成するコイルが形成された電極層は、前記中央のインダクタを構成するコイルが形成された前記複数の電極層によって挟まれた、請求項3に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項7】
前記中央のインダクタを構成するコイルと前記不平衡側インダクタを構成するコイルとが同じ電極層の面内方向で電磁結合する位置に近接配置された、請求項1又は2に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項8】
前記複数の電極層で前記不平衡側インダクタを構成するコイルが形成され、前記不平衡側インダクタを構成するコイルは前記縦導通電極で接続された、請求項1又は2に記載の積層バランスフィルタ。
【請求項9】
前記不平衡側インダクタは、前記複数の電極層の積層方向を軸とするスパイラル状のコイルで構成されている、請求項1乃至8の何れかに記載の積層バランスフィルタ。
【請求項10】
前記グランド電極と対向する位置に配置されて、前記2つの平衡端子にそれぞれ導通する2つの平衡側キャパシタ電極が、前記複数の電極層のうちの所定の電極層で構成された、請求項1乃至9に何れかに記載の積層バランスフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−124880(P2011−124880A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282130(P2009−282130)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】