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積層体
説明

積層体

【課題】フォトリソグラフィー技術に限定されることなくパターンの形成が可能であり、安価なパターン形成方法を使用できるためコストを抑制でき、また、配線パターンのサイズや形状を自由に設計できるため、製品応用への範囲が広く、大量生産が可能な、配線パターンの見えない積層体を提供すること。
【解決手段】可視光波長領域における屈折率が1.8以上、2.2以下の透明基板1と、透明基板1上の一部に形成された酸化亜鉛膜2とを備え、透明基板1の可視光領域の光の波長に対応する屈折率に対して、酸化亜鉛膜2の可視光領域の光の波長に対応する屈折率が、プラス5%およびマイナス5%の範囲内であり、透明基板1の裏面から入射されて、透明基板1のみを透過して出射される光の可視光領域における分光透過率に対して、透明基板1の裏面から入射されて、透明基板1および透明基板1の一部に形成された酸化亜鉛膜2を透過して出射される光の可視光領域における分光透過率が、プラス5%およびマイナス5%の範囲内であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明基板上の一部に酸化亜鉛膜が形成された、透明基板と酸化亜鉛膜の積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイや静電容量式タッチパネルに使用されている透明電極は、透明基板上の電極の一部を除去したパターンを形成しなければならないが、その際、透明電極がある場所とない場所で、見え方に差が生じないように、電極幅を数μm以内に小さくすることが知られている。
【0003】
また、透明電極がある場所とない場所で、見え方に差が生じないように、一度透明基板の全面に透明導電膜を形成したのち、電極パターンを必要としない部分に、酸素雰囲気中で、レーザーを照射し、電極パターンを必要としない部分を絶縁膜化して、同一屈折率を有する膜に導電部と絶縁部を形成する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−202126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電極幅を数μm以内に小さくするためには、微細フォトリソグラフィー技術を使用しなければならず、コスト高であるとともに、配線パターンのサイズや形状の自由度が小さく、製品応用への範囲が限定されていた。
【0006】
また、透明導電膜の一部を酸素雰囲気中で、レーザー照射し、電極パターンを必要としない部分を絶縁膜化する方法では、処理に多くの時間を要するため、大量生産することができなかった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、微細フォトリソグラフィー技術に限定されることなくパターンの形成が可能であり、安価なパターン形成方法を使用できるためコストを抑制でき、また、配線パターンのサイズや形状を自由に設計できるため、製品応用への範囲が広く、大量生産が可能な、配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜の積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜の積層体は、可視光波長領域における屈折率が1.8以上、2.2以下の透明基板と、前記透明基板上の一部に形成された酸化亜鉛膜とを備え、前記透明基板の可視光領域の光の波長に対応する屈折率に対して、前記酸化亜鉛膜の可視光領域の光の波長に対応する屈折率が、プラス5%およびマイナス5%の範囲内であり、前記透明基板の裏面から入射されて、前記透明基板のみを透過して出射される光の可視光領域における分光透過率に対して、前記透明基板の裏面から入射されて、前記透明基板および前記透明基板の一部に形成された前記酸化亜鉛膜のパターンを透過して出射される光の可視光領域における分光透過率が、プラス5%およびマイナス5%の範囲内であることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、透明基板上の形成された酸化亜鉛膜を、コストのかからない方法で、所望のサイズと形状を持ったパターンに加工できる。また、屈折率が1.8以上の透明基板に対して、屈折率がおよそ1.8から2.2を有する酸化亜鉛膜がある部分とない部分で、可視光領域での光の波長に対応する屈折率の差が小さく、同様に、酸化亜鉛膜がある部分とない部分で、可視光領域での光の波長に対応する透過率の差が小さいため、どのような色の光に対しても、どのような方向から見ても、酸化亜鉛膜がある部分とない部分の色味の差が小さくなり、酸化亜鉛膜のパターンを見え難くすることができる。
【0010】
また本発明は、配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛の膜積層体において、酸化亜鉛膜の膜厚が500nm以下であることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、酸化亜鉛膜による光の吸収が少なくなり、酸化亜鉛膜がある部分とない部分の色味の差をより小さくすることができ、酸化亜鉛膜のパターンをより見えにくくすることができる。
【0012】
本発明の配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜の積層体において、酸化亜鉛膜は、Gaが1.5以上10%以下添加されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、透明電極としての酸化亜鉛膜の抵抗を小さくすることができる。
【0014】
本発明の配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜の積層体において、酸化亜鉛膜のパターンの端面の形状が、前記透明電極面に対し、45度以下の傾きをもって形成されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、酸化亜鉛膜のパターンの段差による端面部の反射を抑制し、パターンの端面を見え難くすることにより、酸化亜鉛パターンをより、見え難くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フォトリソグラフィー技術に限定されることなくパターンの形成が可能であり、安価なパターン形成方法を使用できるためコストを抑制でき、また、配線パターンのサイズや形状を自由に設計できるため、製品応用への範囲が広く、大量生産が可能な、配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜の積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る透明基板と酸化亜鉛膜積層体の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る可視光領域での光の波長に対応する透明基板の屈折率と酸化亜鉛膜の屈折率の関係概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1と図2を参照して、配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜積層体について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る透明基板と酸化亜鉛膜積層体の模式図である。図2は、本発明の実施の形態に係る、可視光領域での光の波長に対応する透明基板の屈折率と酸化亜鉛膜の屈折率の関係概念図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態に係る配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜積層体は、透明基板1上に酸化亜鉛膜のパターン2が形成されている。前記透明基板1の可視光領域における光の波長に対応する屈折率は、1.8以上であり、例えば、図2に示すような、透明基板1の光の波長に対応する屈折率分布3を有している。一方、前記酸化亜鉛膜の可視光領域の光の波長に対応する屈折率分布4は、可視光領域の光の波長に対応する透明基板の屈折率分布に対して、プラス5%からマイナス5%の範囲内に入るように調整されている。
【0021】
ここで、前記酸化亜鉛膜の可視光領域の光の波長に対応する屈折率分布4は、可視光領域の光の波長に対応する透明基板の屈折率分布3に対して、プラス5%からマイナス5%の範囲内に入るように調整する方法を説明する。
【0022】
一般的に、材料の屈折率の波長依存性は、材料の分散によって変化することが知られているが、特に透明な正常分散を有する絶縁材料では、波長が小さいほど屈折率は大きく、波長が大きくなるにつれて屈折率は小さくなることが知られている。図1に示した透明基板1もそのような分布を持ったものを使用する。一方、酸化亜鉛膜の屈折率の波長依存性は、一般的には、酸化亜鉛膜も、正常分散を有し、屈折率の波長依存性は、波長が小さいほど屈折率は大きく、波長が大きくなるにつれて屈折率は小さくなることが知られている。しかし、その成膜方法や膜の組成等によって、その波長依存性が変化する。酸化亜鉛膜の成膜条件を最適化することにより、屈折率の波長依存性を制御することができる。
【0023】
酸化亜鉛膜は、圧力勾配型イオンプレーティング装置を使用して成膜することができる。酸化亜鉛膜を成膜したのち、酸化亜鉛の一部を平易な方法により除去し、酸化亜鉛膜のパターン2を形成する。可視光領域における屈折率が1.8から2.2の透明基板に、圧力勾配型のイオンプレーティング装置を使用して酸化亜鉛膜を成膜する場合、成膜条件として、例えば成膜時の基板温度を高くして行うと、可視光波長領域の酸化亜鉛膜の屈折率が大きくなる。また、基板温度を低くして行うと、可視光波長領域の酸化亜鉛膜の屈折率が小さくなる。
【0024】
また、例えば成膜時に添加する酸素の流量を増加させると、屈折率の波長依存性が小さくなり、酸素の流量を減少させると、屈折率の波長依存性が大きくなる。
【0025】
このようにして、酸化亜鉛膜を圧力勾配型イオンプレーティング装置を使用して成膜する際の成膜条件を最適化することにより、屈折率の絶対値と屈折率の波長依存性の大小を調整することにより、透明基板の屈折率の波長依存性に酸化亜鉛膜の屈折率の波長依存性をプラスマイナス5%以内に合わせこむことができる。
【0026】
また、本実施の形態に係る配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜積層体は、図1に示す、透明基板1の裏面から入射されて、透明基板1のみを透過する光Aの可視光領域における分光透過率に対して、透明基板1の裏面から入射されて、透明基板1および前記透明基板の一部に形成された酸化亜鉛膜のパターン2を透過して出射される光Bの可視光領域における分光透過率は、プラス5%からマイナス5%の範囲内になるように調整されている。
【0027】
また、上記した実施の形態において、酸化亜鉛膜の膜厚を500nmとした。こうすることにより、図1に示す、透明基板1の裏面から入射されて、透明基板1のみを透過する光Aの可視光領域における分光透過率に対して、透明基板1の裏面から入射されて、透明基板1および前記透明基板の一部に形成された酸化亜鉛膜のパターン2を透過して出射される光Bの可視光領域における分光透過率の差を小さくすることができる。
【0028】
また、上記した実施の形態において、酸化亜鉛膜に、Gaを1.5%〜10%添加した酸化亜鉛膜とした。こうすることにより、酸化亜鉛膜の抵抗率を小さくすることができる。
【0029】
また、上気した実施の形態において、酸化亜鉛膜のパターン2を形成するとき、酸化亜鉛膜のパターン2の端部の形状を、前記透明電極面に対し、45度以下の傾きをもって形成した。こうすることにより、酸化亜鉛膜のパターン2の端部での、光の乱反射を防ぎ、より、酸化亜鉛のパターンを見えにくくすることができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態に係る配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜積層体は、フォトリソグラフィー技術に限定されることなくパターンの形成が可能であり、安価なパターン形成方法を使用できるためコストを抑制でき、また、配線パターンのサイズや形状を自由に設計できるため、製品応用への範囲が広く、大量生産が可能な、配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜積層体を提供することができる。
【0031】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明は、フォトリソグラフィー技術に限定されることなくパターンの形成が可能であり、安価なパターン形成方法を使用できるためコストを抑制でき、また、配線パターンのサイズや形状を自由に設計できるため、製品応用への範囲が広く、大量生産が可能な、配線パターンの見えない透明基板と酸化亜鉛膜積層体に有用である。
【符号の説明】
【0033】
1 透明基板
2 酸化亜鉛膜のパターン
3 透明基板の光の波長に対応する屈折率分布
4 酸化亜鉛膜の可視光領域の光の波長に対応する屈折率分布
A 透明基板の裏面から入射されて、透明基板のみを透過する光
B 透明基板の裏面から入射されて、透明基板および前記透明基板の一部に形成された酸化亜鉛膜のパターンを透過して出射される光


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光波長領域における屈折率が1.8以上、2.2以下の透明基板と、前記透明基板上の一部に形成された酸化亜鉛膜とを備え、
前記透明基板の可視光領域の光の波長に対応する屈折率に対して、前記酸化亜鉛膜の可視光領域の光の波長に対応する屈折率が、プラス5%およびマイナス5%の範囲内であり、
前記透明基板の裏面から入射されて、前記透明基板のみを透過して出射される光の可視光領域における分光透過率に対して、前記透明基板の裏面から入射されて、前記透明基板および前記透明基板の一部に形成された前記酸化亜鉛膜を透過して出射される光の可視光領域における分光透過率が、プラス5%およびマイナス5%の範囲内であることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記酸化亜鉛膜の膜厚は、500nm以下であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記酸化亜鉛膜に、Gaが1.5以上10%以下添加されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の積層体。
【請求項4】
前記酸化亜鉛膜のパターンの端面の形状が、前記透明電極面に対し、45度以下の傾きをもって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の積層体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−158786(P2010−158786A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−701(P2009−701)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】