説明

積層単一チップ構造を備えた無線受信機

全地球測位システム(GPS)又はその他の無線周波数(RF)を適用した装置に使用するのに好適なモノリシック無線受信機(100)は、ミックスモード集積回路と積層メモリ装置とを含んでいる。ミックスモード集積回路は、共通のダイ上にデジタル部(104)とアナログ部(106)とを備えている。アナログ部はRF受信回路を実装し、デジタル部はRF受信機と通信する信号処理装置を含んでいる。メモリ装置は集積回路と適切に通信して、信号処理装置のための電子的な指令及びデータを記憶する。モノリシック受信機は、位置検出や他のRF機能を提供すべく、カメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等に簡単に組み付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には全地球測位システム(GPS)のような無線システムに関連し、特には積層単一チップ構造を備えた無線受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(PDA)、カメラ、双方向ページャなどの携帯電子機器がますます広まるにつれて、製造業者はそのような製品に新しい機能を付け加え続けている。特に、携帯電子機器は地理的な移動性に優れているため、カスタマイズされた地図サービス、カスタマイズされた道案内サービス、緊急時位置確認サービスなど、多くの一般的な持ち運び装置では以前は利用できなかった「位置情報」機能を、顧客は現在求めている。
【0003】
全地球測位システム(GPS)は、位置追跡など位置情報サービスを提供するために近年広く利用されている。米国国防総省によって運営されているGPSシステムは、現在静止軌道上に配置された24機の人工衛星を使い、地上で受信できるように常に時刻及び位置の情報を送信している。複数の衛星から送られてくる時刻及び位置の情報を総合して、GPS受信機は地球の表面における的確な位置を正確に求めることができる。GPS受信機は、イリノイ州シャウムブルグのモトローラ社を含む複数の業者が供給している。
【発明の開示】
【0004】
様々なタイプのGPS構成部品やGPSを可能にする装置を現在使うことができるが、複雑さ、大きさ、費用、及び多くのGPS受信機が内在するその他の制限のために、これらの部品や装置の多くは実際には携帯電話やPDA等に埋め込むことが比較的難しい。従って、多くの電話、PDA、及びその他の携帯装置では、位置情報機能は現在のところ提供されていない。そのため、単一の小型チップ或いは携帯装置で使用するのに適したその他の部品に実装できるGPS受信機を開発することが望ましい。それに加えて、最小の技術的なリスク、製品化に要する時間及び設計費用で、携帯製品に搭載することのできる無線受信機を開発することが望ましい。更に、空間と電力消費量に関して効率のよい無線受信機を開発することが望ましい。また更に、本発明の他の望ましい機能や特徴は、添付した図面及び発明の背景とともに、以下の発明の詳細な説明や添付した請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明を、図面を参照して以下に説明する。同じ符号は同じ要素を示す。
以下の本発明の詳細な説明は単なる例示であり、本発明あるいは本発明の適用や利用を制限することを意図しない。更に、前述した発明の背景での説明や以下に記載される図面の詳細な説明によって制限されることも意図してない。
【0006】
本発明における種々の例示した実施形態に従い、無線受信機(或いは送信機やトランシーバ等)は、単一のマイクロチップやその他の部品内に設けられる。内蔵型の受信機は外部処理装置や受信回路等に依存しないため、このような受信機は、電話、PDA、カメラ等の携帯製品に容易に搭載することができる。GPS受信機の場合、例えば、単一チップ受信機は、携帯装置が位置情報を容易に得ることができるようにし、それによって、その装置のための新規の位置情報機能を実現可能にする。位置情報機能の可能性としては、写真に時刻及び位置のスタンプを入れるカメラや、地図及びリアルタイムナビゲーションを提供するPDAや、装置の位置情報に基づき友人、家族、近所のレストランや店、他の興味ある地点等の位置確認ができるE−911準拠の携帯電話等がある。他の位置情報サービスとして、対象物の空間における位置を判定し、オプションでその位置を中央サーバや他の受信機に送ることができる、製品ラベリングアプリケーションがある。
【0007】
ここで用いられているように、「無線装置」という用語は、送信機、受信機、トランシーバ、或いは無線周波数(RF)信号を送信、受信及び/又は処理することができるその他の装置の何れをも包含することを意図している。ここでの議論では説明を容易にするため「受信機」を使うが、送信機、受信機、トランシーバ、及び/又はその他の無線装置の様々なタイプのものが同様に機能し得る、あるいは同様の回路や部品を含み得ることが理解できるであろう。
【0008】
本発明の様々な実施形態において、モノリシック無線受信機は、共通のダイ上にアナログ及びデジタルの両回路をサポートするミックスモード(mixed-mode)集積回路を適切に含んでいる。ダイは、共通のダイのデジタル部に実装された処理装置が利用する指令及び/又はデータを記憶するメモリ装置(例えば、スタティックあるいはダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(RAM)や、フラッシュメモリ等)と共に積層配置することが可能である。このようにして、GPS及び/又は他の無線システムに好適な「チップ上の受信機」を形成するために、ダイ及びメモリは共通のチップ又は他のパッケージ内に設けられることができる。
【0009】
図1では、積層構造を有する受信機100は、基板110上で互いに重なり合うミックスモードダイ(mixed-mode die)102とメモリ108とを備えている。ダイ102は、受信機100における信号の受信及び処理機能を実行するデジタル部104及びナログ部106を有している。メモリ108はデータや、ダイ102のデジタル部104に設けられる1つ以上の処理装置によって実行される命令を保存する。アナログ部106及びデジタル部104は、一般的な集積回路(IC)パッケージング技術を利用してメモリ108と積層化することのできるダイを共有しているので、受信機100全体を単一の部品やパッケージに容易に収めることができる。ダイ102及びメモリ108の積層構造は、電話、PDA、あるいはカメラ等に容易に組み込むことのできる新規な集積RF受信機を形成すべく、メモリスタック及び他の集積回路の製造に一般的に使用される組み立て及びパッケージング技術を適切に利用する。
【0010】
基板110はダイ102及び/又はメモリ108を機械的に支持することができる基盤部材である。基板110は、プラスチック、セラミック、金属又は他の一般的な材料からなる各種の回路基板やパッケージ基板等であればよい。基板110は適当な数のアドレスピン又はボール118を備え、それらは受信機100に対する外部インターフェイスを提供している。一実施形態では、基板110は、0.8mmのボール中心間距離を有する64ピン7×7mmのBGAパッケージ等の一般的なボールグリッドアレー(ball grid array)(BGA)基板であるが、別のサイズやタイプの基板又はチップ構造(例えば、「フリップチップ」、マルチチップモジュール(MCM)、チップオンボード(COB)等)が多彩な異なる実施形態として使用することができる。更に異なる実施形態では、ダイ102上のインターフェイス機能によって、ダイ102に大きな変更を加えることなく、異なる大きさの基板110上に受信機100の異なるモデルを形成することが可能になる。受信機100の製品版は64ピンの基板上に設けることができるが、例えば、類似のダイ102を用いた開発版は、プログラミング及び/又はテストの間において追加の機能を与えるべく、121ピンのBGAパッケージ(または別の基板)上に設けることができる。ダイ102のインターフェイス機能に関する更なる詳細について、以下に記載する。
【0011】
ダイ102は集積回路、チップ、ウエハー等、デジタル及びアナログ機能を搭載した任意のものである。以下により詳しく説明するが、ダイ102のデジタル部104及びアナログ部106は、シングルチップ上のRF受信機として機能するよう適切に相互に作用する。ダイ102はシリコン、ガリウムヒ化物又は一般的なIC製造技術を使ったその他の同様の材料等の適切な半導体材料から形成することができる。一実施形態では、ダイ102は、ニューヨーク州アーモンクのIBMコーポレーションから得られる0.25ミクロンのSiGe BiCMOS技術で設計されている。アナログ部106とデジタル部104とを実装及び分離する様々な技術が、図2〜図6で説明される。
【0012】
メモリ108は、ダイ102上の部品によって使用されるデータ及び/又は命令を格納することのできる、任意のスタティック、ダイナミック、フラッシュ、又は他のデジタルメモリである。例示した実施形態では、メモリ108はサムソンコーポレイション、ミクロンインコーポレイテッドや、その他の製造業者から提供されるダイ露出型(bare-die)スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)であるが、別のタイプのメモリ108も別の実施形態において利用することができる。メモリ108が保存できるデジタル情報量は任意でよいが、一実施形態では、メモリ108はサムソンコーポレイションから提供されるダイ露出型の256キロバイトのSRAMである。メモリ108をダイ102に重ねることにより、受信機パッケージの全体の大きさは大幅に縮小でき、その結果設置面積が小さくなり、携帯装置への組み込みが容易になる。
【0013】
ダイ102とメモリ108とは互いに接続され、且つ/又は基板110に適当な技術を使って接続されている。様々な部品が接続線(bond wires)116,112,114によって直接繋げられており、例えば受信機100の様々な部品間における電力の伝達及び信号の通信が可能となる。接続線112,114,116は、電気的又は光学的な導体(例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ガラス等)によって形成することができ、一般的なダイボンディング技術を使って、ダイ102、メモリ108及び/又は基板110と結合することができる。
【0014】
別の実施形態では、図1で示された様々な部品は別の方法で結合又は接続されることもできる。メモリ108は、例えばダイ102のデジタル部104、すなわち、受信機100の別の場所に装備することも可能である。更に別の実施形態では、ダイ102とメモリ108とは、基板110上のパッケージピン118を介して電気的に接続されている。更に、別の部品をダイ102及び/又はメモリ108に重ねることもできる。そのような実施形態として、マルチメモリ(multiple memories)(例えばSRAM及びフラッシュメモリ)、マルチダイ(multiple dies)(例えばGPS受信機を備えた第1ダイ及びブルートゥース又は他のRF装置を備えた第2ダイ)、又は必要に応じて、他の部品(例えば弾性表面波(SAW)フィルタ等のフィルタ、水晶発振子及び/又は類似のもの)をあげることができる。
【0015】
動作時には、受信機100は適切な周波数に同調したアンテナ(図2に示した)で無線周波数(RF)信号を適切に受信する。例示した実施形態では、受信機100は約1575.42MHzのL1 GPS周波数に同調させたGPS受信機であるが、別の実施形態は、L2 GPS(1227.6MHz)、ブルートゥース、Wi−Fi、無線電話又は他のRF周波数に同調させることができ、又は複数の信号周波数に反応させることができる。アンテナで受信した信号は、ダイ102にあるアナログ部106のRF受信回路に供給され、同信号は、搬送周波数から、中間周波数(IF)での抽出信号データに復調される。復調されたIF信号はダイ102にあるデジタル部104における信号捕捉モジュール(signal acquisition module)(例えばGPS捕捉モジュール(GAM))へ供給されて、更に同信号からGPS又は他の適切な情報が抽出される。抽出された情報はマイクロ処理装置、コントローラー、又はデジタル部104に設けられる他の処理装置で更に処理されて、外部の装置(例えば、PDA、電話、カメラ)へ信号ピン118を通じて適切な出力情報として供給されてもよい。デジタル部104のRF捕捉モジュール(RF acquisition module)、デジタル処理装置及び/又は他の部品によって処理されるデジタル命令及び/又はデジタルデータは、以下でより詳しく説明するように、メモリ110に保存することができる。
【0016】
ここで図2を参照すると、例示した受信機200は、システムバス207を通じて互いに及びメモリ108と通信するアナログ受信回路106、捕捉モジュール204及び処理装置216を含んでいる。受信機200は必要に応じて、割り込み制御装置218、起動モジュール210、非同期送受信機(UART)212及び/又はインターフェイスモジュール210のような周辺及び/又は入出力(I/O)モジュールを幾つか含むことができる。一般的に、受信回路106はRF信号をアンテナ205から適切に受け取り、シンセサイザー(synthesizer)208が生成した基準クロック信号を使って受信信号を復調してIF信号を生成する。そのIF信号は、デジタル制御発振器202及びバス207を通じて捕捉モジュール204に供給される。捕捉モジュール204はデータ(例えば、GPS位置及び/又は時刻情報)をIF信号から適切に抽出し、抽出したデータを処理装置216へバス207を通じて供給して、インターフェイスモジュール214を通じて外部ホストや外部装置に供給されるデータを抽出する。
【0017】
図2及びここで記載した様々なモジュールは、説明のみの目的でグループ化されている。多くの現実の実施形態では、ここで説明した様々なモジュール、機能及び特徴は、任意の態様で物理的及び/又は論理的に構成することができる。受信機200が担う信号処理機能は、例えば、DCO202、捕捉モジュール204及び/又は処理装置216間において任意の態様で共有又は分割することができる。従って、別の同等の実施形態では、アナログデジタル変換、IF信号からのデータの抽出及び/又は抽出データの処理は、ここでの説明とは異なる態様で、1つ以上の処理モジュールに結合することができる。同様にして、ここで説明した様々なI/O及び周辺装置も、任意の態様で削除、変更又は増加することができる。
【0018】
処理装置216は、受信機200を制御でき、アンテナ205で受け取ったデータを処理することができ、且つ/又は処理したデータを電話機やPDA等の外部装置に送り出すことができる任意の回路、装置及び/又はモジュールである。様々な実施形態において、処理装置216はここに記載した様々な機能を実行できる任意のマイクロ処理装置、制御装置、デジタル信号処理装置、プログラムトゲートアレイ(programmed gate array)等である。処理装置216は例えばカルフォルニア州サニーベイルのARM社によって公表されているARM仕様に従って製造されたマイクロ処理回路で実現されてもよい。テキサス州オースティンのモトローラ半導体製造部門から得られるARM7TDMI処理装置など、数多のメーカが供給している様々なARM処理装置が利用でき、また、別のタイプの処理又は制御回路も多彩な別の実施形態で利用できる。
【0019】
処理装置216はシステムバス207とインターフェイスモジュール214を通じて適切に結合されている。インターフェイスモジュール214は、クロックジェネレータ230、外部インターフェイス232、1つ以上のインターフェイスレジスタ234、アドレスデコーダ236及び/又はバスコントローラ238を、必要に応じて含んでいる。インターフェイスレジスタ234は、一般的な処理技術を使って処理装置216とデータ233の送受信を適切に行う。同様にして、アドレスデコーダ236は、処理装置216と、バス207に結合された様々なデジタルモジュールとの間でデータを転送できるように、処理装置216により生成されたアドレス情報を翻訳する。
【0020】
クロックジェネレータ230は、水晶振動子又は他の発振信号源(示していない)と適切に通信して、受信機200の1つ以上のデジタル部品に供給されるクロック信号(mclk)215を生成する。クロック信号125は、例えばバスシステム207の一部として供給されたり、又はそれとは別に供給されたりする。様々な実施形態において、クロックジェネレータ230は、受信機200の動作モードに適切な周波数のクロック信号を生成すべく、処理装置216からの状態コマンドに応答し得る。アナログ部106が休止状態のとき、例えば、受信機200がコンピュータとして機能する必要性は比較的小さいので、そのような間はクロック信号215は、バッテリ電力を節約するために比較的低い周波数で供給されればよい。同様にして、更なる電力が供給されるとき、又は更なる処理能力が望まれるときには、クロック信号215の周波数を増大することができる。クロックジェネレータ230のさらなる詳細は、図4と共に以下に説明する。
【0021】
外部インターフェイスモジュール214は、信号ピン118(図1)を通じて携帯装置又はその他の外部ホストへのインターフェイスを提供する。インターフェイスモジュール214にはタイミング回路及びラッチング回路が含まれており、外部データを取り込む、及び/又は外部デバイスにバスを知らせる。様々な実施形態において、インターフェイスモジュール214は、上で簡単に説明したように、複数のパッケージフットプリント(package footprint)と通信できるように、(例えば、ジャンパーピン、ソフトウェア制御等を通じて)設定の変更が可能である。そのような実施形態では、任意の数の信号ピン118にインターフェイスパッド(interface pad)等を提供することができ、選択したフットプリントのためのパッドのみが有効化される。このような実施形態では、シングルチップ設計は、パッケージングだけが異なる開発版及び利用版の両方で使われ得る。つまり、利用者用の構成で提供されているものと同じチップを、アドレッシング、プログラミング又はテスト等を行うための更なるインターフェイスピン118を必要とする開発版において、最小の変更のみで利用することができる。
【0022】
バスコントローラ238は、必要に応じてシステムバス207上のデータの流れを適切に制御及び制限する。システムバス207は、デジタル部104の様々な部品間のデータ転送を可能にする任意のシリアル、パラレル、又はその他の伝送方式である。例示した実施形態では、システムバス207は、データ及びアドレス情報、更には制御信号(例えば、mclk信号215)のための任意の数の伝送路を含む内部バス(IBUS)である。例示した実施形態では、システムバス206は16ビットバスであるが、8ビット、16ビット、23ビット又は他のバス構造を別の実施形態で使用することもできる。典型的には、各デジタル部品は、FPGAやその他の適切なインターフェイス回路を通じてシステムバス207に接続されている。様々な実施形態において、以下で更に詳述するように、各部品は、デジタル部104からアナログ部106を分離するのに役に立つように、システムバス207におけるmclk信号215及び/又は制御信号の立ち上がり又は立ち下りエッジに応答し得る。
【0023】
処理装置216はまた、必要に応じて、割り込み制御装置218と協調動作する。割り込み制御装置218は、必要に応じて、割り込み要求(IRQ)信号240を処理装置240に供給して、システムバス207を通じて様々なデジタル部品からの割り込みデータを処理する。別の実施形態においては、割り込み制御装置218の機能はバスコントローラ238の機能に統合されている。
【0024】
上記したように、捕捉モジュール204(図2でGPS捕捉モジュール(GAM)として示される)は、アナログ回路206から受信した復調信号からデジタルデータを適切に抽出する。GPSでの実施形態では、例えば、GAM204は受信回路106から受け取ったIF信号のデジタル表現を適切に受信し、そしてサンプリングされた信号からGPSデータ(例えば、位置及び/又は時刻)を抽出する。様々な捕捉モジュールを、一般的なデジタル信号処理回路及び技術を用いて提供することができる。GPS受信機で使用するのに好適な捕捉モジュールの一例が、米国特許第6583758号明細書に記載されているが、他の捕捉回路やモジュールも別の実施形態において利用可能である。
【0025】
様々な他の回路及び/又はモジュールが受信機200のデジタル部に実装できる。図2には、例えば、処理装置216に対してそれぞれ起動時間機能(boot-time functionality)及びプログラム可能なインターフェイスを提供する起動回路210及び非同期シリアルインターフェイス(asynchronous serial interface)212が示されている。起動回路210は典型的には論理ゲートアレイを含み、同論理ゲートアレイは、出力増強中(又は受信機200が「発見モード(discovery mode)」であるとき)に、シリアルインターフェイス及び/又はその他のI/Oモジュールに問い合わを行って、受信機200に接続される装置を特定し、それらの装置に対して適切なインターフェイス技術を決定する。同様にして、UART212は、処理装置216に対して、ファームウェア又はその他の実行可能なコードをシリアル又はパラレルデータ接続を通じてメモリ108から処理装置216及び/又は他の部品に適時ダウンロードさせるインターフェイスを提供する。受信機200の別の実施形態に設けられ得る別の部品は、タイマ回路、「ワンパルスパーセカンド(one pulse per second)」回路等を含み得る。受信機200はまた、処理装置216及び/又は捕捉モジュール204がデータ及び命令の保存及び検索を容易にできるようにするために、システムバス207及びメモリ108の間に別のバスを含んでもよい。
【0026】
受信機100のアナログ部106は、アンテナ205で受け取ったアナログ信号に対して「フロントエンド」を提供する。すなわち、アナログ部106はRF受信回路を含み、同RF受信回路は、シンセサイザー208が供給する基準信号を用いて受信信号を復調して、捕捉モジュール204へデジタル化して送られるIF信号を生成する。受信機200のアナログ部106について、図3と共に以下に詳細に説明する。
【0027】
様々なデジタルモジュール(図1のデジタル部104に対応)とアナログ受信回路106との間のインターフェイスは、信号のマスキング(masking)/ブランキング(blanking)を提供する自動レベル制御回路(ALC)206、回路106のためのクロック信号を生成する分数シンセサイザー(fractional synthesizer)208、及びデジタル制御発振器(DCO)202等によってもたらされる。ALC回路206は、範囲外の信号を防止すべくアナログ回路106の出力をフィルタリングし得る任意の回路である。ALC回路206はさらに、アンテナ205からのあらゆる不要な信号を「無効化(null out)」又はキャンセルすべく、アナログ回路に対して「ブランキング(blanking)」機能を提供し、それによってアナログ回路106を効果的にリセットする。ALC回路206はシステムバス207を通じて処理装置218から制御信号を適時受け取る。ALC回路の一例及びブランキング技術の一例が、2003年6月2日に出願された、「GPS受信機における周期的な妨害信号の検出及び減少とそのための方法(Detection and Reduction of Periodic Jamming Signals in GPS Receivers and Methods Therefor)」と題された米国特許出願第10/452753号明細書に記載されている。分数シンセサイザー208はアナログ部106のための適切な基準信号を生成できる任意の回路又は装置である。例示した実施形態では、シンセサイザー208は、約12MHzから約26MHzまでの様々なクロック周波数を提供する水晶振動子及び回路を含むが、別の周波数及び回路が異なる実施形態において提供されてもよい。
【0028】
動作中は、受信機200はアンテナ205で受け取った信号から情報を適切に受信、処理及び抽出する。信号はアナログRF受信回路106で復調され、システムバス207を通じて獲得モジュール204へ送られる。復調した信号から抽出したデータは、システムバス207を通じて処理装置206へ送られ、その後デジタル出力が携帯装置又は他のホストへインターフェイスモジュール214を通じて送られる。それ故、アナログ及びデジタル機能の両方が共通のダイ102(図1)に設けられることによって、コンパクトだが完全な機能を備えた受信機200が得られる。
【0029】
ホスト装置と提携するマイクロコントローラによって制御されるGPS受信機の一種が、米国特許第6,359,753号明細書に示されている。しかし、単一のパッケージ中に統合された無線装置を制作すべくデジタル部104の全処理機能をアナログ部106に統合することに困難が生じた。実際に、処理装置216、捕捉モジュール204及び他のデジタルモジュールで生じる何種類もの高周波クロック信号が、ダイのアナログ部で干渉するのがみられた。2つの回路が共通のダイ102に設けられるので、アナログ部106において不要なデジタル信号によって生じるノイズは、一般に、RF信号に対する感度の望ましくない減衰をもたらす。しかし、デジタル部104によって引き起こされる不要なノイズの量を大幅に減らすいくつかの技術が知られており、よって、デジタル及びアナログ回路を共通のダイに完全に統合することが可能である。これらの技術は、同相除去技術の利用、ブロックイネーブルフィルタリング(block enabled filtering)の利用、及びダイ102の機械的な設計の様々な変形を含む。更に、ダイ102の物理的なレイアウトは、最も高レベルのノイズを発生するデジタル回路(例えば、I/Oインターフェイス、メモリインターフェイスなど)が、デジタル部104の中で極力アナログ部106から空間的に離れるように、配置することができる。ノイズの減少及び/又は隔離のための様々な技術を以下に説明する。
【0030】
図3を参照すると、例示したアナログ部106のRF受信回路は、1つ以上の増幅器304,308,314、ミキサー310、発振回路334、及びアナログデジタル変換器(ADC)318を含む出力段を備えている。アンテナ205から受信された信号は、低ノイズ増幅器304によって適切に増幅され、必要な搬送周波数(例えば、1575.42MHzのGPS L1周波数)周辺の周波数帯にある信号を通過させるように調整されたバンドパスフィルタ306に供給される。受信したRF信号は微弱(例えば、屋内で受信したGPS信号)なことがあるので、増幅器304は一般的には約20dB程度の増幅率を受信信号に与えて、受信回路106の感度を増大させている。増幅及びフィルタリングされた回路は、可変利得増幅器308、アナログミキサー310、1つ以上の周波数整形フィルタ314及び/又は増幅器312,316を含むミキシング段(mixing stage)に供給される。図3に示したように、アナログ信号はアナログ部106の一部又は全体を通じて差分の形態で処理される。デジタル部104(図1)からの不要なノイズは一般的には差分信号(differential signal)の両側にほぼ均等に入り込むので、差分信号の比較により、一般的な同相除去技術を用いてノイズは適切に相殺される。
【0031】
フィルタ306からの差分信号は、捕捉モジュール204(図2)に送られて更に処理されるIF信号を作るために適切に処理される。図3に示される例示した実施形態では、信号は、同信号の増幅率をアナログ部106の出力からのフィードバックに基づき調整する可変利得増幅器308を用いて、望ましいレベルにまで増幅される。増幅された信号は、搬送波からの受信信号を復調すべく、発振回路334からの適切な信号と混合される。発振回路334は、ミキサー310で適切な復調信号309を生成するため及び/或いはADC318のための適切なクロック信号を生成するために、分数シンセサイザー(fractional synthesizer)208からの入力信号を受信して同信号を処理することが可能な任意の回路である。図3で示される実施形態では、発振回路334は約1570MHzの発振信号309、及び約16MHzのADC318へのクロック信号を適切に生成するが、実際の周波数や様々な周波数を生成するための技術は、実施形態に応じて広範囲に変更し得る。
【0032】
ミキサー310からの変調/混合信号は、適切にフィルタ314でフィルタ処理され、且つ増幅器312及び/又は316で増幅されて、IF信号を望ましい波形に整形する。ダイ102のデジタル部104からの不要なノイズの影響を更に減らすために、1つ以上の増幅器308,312及び/又は316は、図3で示したように、増幅器316の差分入力(differential input)の1つに結合されているブロックイネイブルトフィルタリング(block enabled filtering)330を含むことができる。各ブロックイネイブルトフィルタは、コンデンサ又は増幅器入力から高周波ノイズを除去できる部品を適切に含んでいる。図3では1つのコンデンサのみが示されているが、実際のフィルタは不要な信号をフィルタリング可能な幾つかの並列な(parallel)及び/又は抵抗性、容量性及び/又は誘導性を有する要素を含むことができる。フィルタ330は、高周波信号のための短縮された回路を効果的に形成すべく、アナログ増幅器と、処理装置216或いはデジタル部104上の他の回路に結合されている導電体332との間に電気的に設けられており、それによって、アナログ部106で高周波信号が増幅されることを防止している。フィルタ330は、従って、デジタル部106でのクロック信号等及びそれら信号の高調波から不要な信号を除去するように調整される。
【0033】
処理されたアナログIF信号はADC318により、デジタルな等価物に変換される。ADC318は、パイプラインタイプの変換器や、あらゆるレベルの分解能(例えば、4bit,8bit等)を有する類似の装置等の任意のアナログデジタル変換器である。デジタル等価信号(digital equivalent signal)は、一般的には、相又は遅延固定ループ(phase or delay locked loop)等を用いてアナログ部106のデジタル出力を同期させるデジタル制御発振器202を通じて、捕捉モジュール204(図2)に供給される。ADC318からのデジタル出力はまた、上述したように、ブランキング(blanking)及び/又はレベル制御機能を提供すべく、レベル制御回路206によって処理されてもよい。このような実施形態では、ALC206のデジタル出力は、一般的にはアナログ部106にあるアナログデジタル変換器(DAC)によってアナログ等価信号(analog equivalent signal)に変換され、アナログに変換された信号は可変利得増幅器308への制御入力として用いられる。
【0034】
従って、アナログ部106はアンテナ205で受信したアナログ信号を適切に受信、復調及び変換する。デジタル部104からの不要なノイズは、差分信号及び/又はブロックイネイブルトフィルタ330を使って適切に減少させられる。図3で示した回路は単なる例示であるが、任意の別のGPS、又は幾つかの別の更なる部品を有するRFフロントエンド回路(front end circuit)が多彩な同等の実施形態で用いられ得る。
【0035】
アナログ部106へのデジタルノイズの影響は、信号及び同信号の高調波がアナログ回路106によって処理される周波数帯の中に入らないように、デジタル部104中を伝えられる様々なクロック信号を調整することによって、更に減らすことができる。例えば、L1 GPS信号を処理する受信機では、受信機200は、約1575.42MHz若しくはそれのプラスマイナス約10MHzの周波数を有する入力信号を最初に処理する。この周波数帯は、フィルタ306によって、又はアナログ回路106の別の部品によって最初に規定される。デジタルベースバンドクロック信号及び同信号の高調波をこの範囲外に外すように設定することにより、クロック信号によって生じる不要なノイズをアナログ回路106から効果的にフィルタリングすることができる。クロック信号は様々な技術を通じてデジタル部104にて調整することができる。例えば、比較的緩やかなエッジ変化(edge rates)に応答し得る論理ゲートを用いることにより、ノイズを効果的に減少することができる。
【0036】
同様にして、クロック信号自身を、上述したように、所望のアナログ周波数帯の外に出るように選択することができる。図4を参照すると、様々な周波数のクロック信号215を生成する例示された回路400は、1つ以上の信号分割回路(signal divider circuits)410,412、1つ以上の同期回路(synchronizing circuit)404,406、及び同期マルチプレクサ(synchronous multiplexer)402を適切に含む。分割回路410,412は、水晶振動子又は他の基準源(ref_src_clk)から、及び/又は捕捉モジュール204(gam_src_clk)等から、クロック入力を適切に受信する。これらの信号は、処理装置216、捕捉モジュール204、クロックジェネレータ230、及び/又は分割器410,412への他の適切なソースから受信した分割器選択(divider select)(ref_clk_div_sel及びgam_clk_div_sel)信号に応答して、分割又は調整し得る。回路400はまた、内部又は外部から供給される、マルチプレクサ制御装置408に与えられる低周波のソースクロック信号(low_ref_src_clk)を受信する。例示した実施形態では、低周波のソースクロック信号は、リアルタイムクロック発振器から受信され、約32.768KHzの周波数を有するが、他のソース及び周波数を他の実施形態において用いても良い。
【0037】
マルチプレクサ制御装置408は、信号又は多重ビット制御信号をマルチプレクサ402に供給して、mclk信号ライン215上に適切なクロック信号を流す。制御装置408からの1つ以上の出力は、分割器412,410の出力を(各々)低周波基準クロック信号に同期させる同期回路404,406に供給されてもよい。例示した実施形態では、同期回路404,406は一般的なフリップフロップ又はラッチ回路である。同期マルチプレクサ402は、低周波ソース信号、分割器410,412の出力及び同期回路404,406の出力を適切に選択して、mclkライン215上に適切な出力クロック信号を流す。典型的な通常動作モード時には、処理装置218は一般的には約14MHzの速度で動作し、捕捉モジュール204は約70MHzのクロック速度で動作するが、他の値を別の実施形態で用いることもできる。更に、システムクロック215又は任意の他のクロック信号が、必要に応じて、1つ以上の外部供給信号の機能として生成され得る。そのような機能は、例えば回路400と共同して生成されてもよいし、或いは、クロックジェネレータやDCO202等(図2)によって提供されてもよい。例示した実施形態では、DCO202内の1つ以上のスイッチが、様々な外部供給クロック信号の切り替えを行うために用いられる。
【0038】
回路400は、通常動作時における高周波クロック信号及び/又は低電力動作用の低周波クロック信号を選択するためにも用いられ得る。低周波基準速度(例えば、約32.768KHz)で受信機200(図2)を動作させることにより、処理装置218は比較的低速度で動作し、その結果電力が節約される。処理装置218が低基準速度で動作している間、同処理装置218を一般的な「スリープモード」にしてもよく、その結果更に電力が節約される。処理装置218は、mclk信号215を加速する、処理装置218に適切な割り込み信号を送る、又は他の技術を使うことによって、スリープモードから出ることができる。更なる実施形態では、クロック信号が遅かったり停止したりした場合でもデジタル回路に値を保持させる高同期ゲート設計(highly synchronous gate design)を通じて、リセット不能なスリープモードを作るようにしてもよく、その結果スリープモードに入る前にデータを記憶する必要や、スリープモードから出た後にデータを再読み込みする必要がなくなる。
【0039】
デジタル部104の信号がアナログ部106においてノイズを発生するのを防止するための別の技術は、ダイ102の空間的なレイアウトの改良を必要とする。上で簡単に触れたように、最大のノイズを発生させるデジタル部104のモジュールは、ダイ102上において、物理的に可能な限りアナログ部106から離されて配置され得る。更に、追加の物理的な隔離が、デジタル部104の周りのグランドトレンチ(ground trench)及び/又はファラディケージによって提供される。図5を参照すると、例示されたダイ102は、デジタル部104とアナログ部106との間に形成されたトレンチ(trench)504を好適に含んでいる。トレンチ504は任意の一般的な技術(例えばソーイング(sawing)やエッチング等)を用いて形成することができ、金、銀、アルミニウム、銅等の導電体で充填されることができる。更なる実施形態では、トレンチ504はダイ102上の電気的接地に結合されて、トレンチ504に吸収された不要な信号をさらに減衰させる。可能な限り多くの信号がダイ102のアナログ部106に入ってくるのを防止するために、トレンチ504はダイ102の全てではないがほとんどに亘って適切に延びている。図6を参照すると、ファラディケージをデジタル部104の少なくとも一部の周りに形成することにより、デジタル部104で生じる信号を更に隔離し得る。ファラディゲージは、例えばスパッタリング、デポジッティング(depositing)、又はデジタル部104の外面に導体部604を形成するその他の方法によって、形成され得る。これらの導体部604は、アルミニウム、銅、金、銀、合金又はその他の伝導材料から形成し得る。導体部604は図6では「板」として示されているが、別の実施形態では、格子、網目、或いはその他のパターンが必要に応じて用いられ得る。
【0040】
ここで記載した様々な技術を用いることにより、RF/GPS受信機用のアナログ回路とデジタル回路との両方を、受信機の能力(performance)を犠牲にすることなく、共通のミックスモードダイ(mixed-mode die)102に組み込むことができる。ミックスモードダイ102をSRAM又は他のメモリ108に重ねて配置することによって、受信機をさらに小型に形成することができる。それ故、ここで記載した信号隔離技術は、積層シングルチップ構造で完全なRF/GPS受信機を形成することを可能にする。コンパクトな設計は、多彩な携帯電子装置及び他の製品に、位置情報サービスなどを含む幾つもの優れた機能を与えることを容易にする。
【0041】
少なくとも1つの実施形態が本発明の前述した詳細な説明で提示されたが、多くの変更例や均等物が存在することを理解するべきである。例えば、本発明の幾つかの態様がGPS受信機を参照して説明されたが、ここで開示した概念は、ブルートゥース、Wi−Fi或いは無線電話等を含む任意のタイプのRF又は他の無線通信で用いることができる送信機、トランシーバ及び/又は受信機のような、同等の回路や装置にも容易に適用できる。ここに含まれた実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲、適用又は構成をどのようにも制限することを意図していないことを理解すべきである。むしろ、前述した詳細な説明は、本発明の実施形態を実現するために好都合な指針を示している。例示した実施形態で説明した要素の機能や配置が、添付した請求の範囲に記載された発明の範囲及びその適法な均等物から外れることなく、様々に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】積層構造を備えたRF受信機の一例のブロック図。
【図2】無線受信機の一例のブロック図。
【図3】RF受信回路の一例の回路図。
【図4】クロック信号生成スキームの一例の論理図。
【図5】モノリシック集積回路のダイの一例の側面図。
【図6】モノリシック集積回路のダイの一例の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシック無線装置であって、
共通のダイ上にデジタル部とアナログ部とを有するミックスモード集積回路であって、前記アナログ部は無線周波数(RF)受信回路を備え、前記デジタル部は前記RF受信回路と通信する信号処理装置を備えることと、
前記ミックスモード集積回路と電子通信を行うメモリ装置であって、該メモリ装置が信号処理装置のための電子的な指令及びデータを記憶するように構成されることと
を備える無線装置。
【請求項2】
前記RF受信回路はある周波数帯域で動作し、前記デジタル部は前記信号処理装置に与えられるクロック周波数を有するクロック信号を備える請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記クロック周波数及び該クロック周波数の高調波が前記周波数帯域に入らないように、前記クロック周波数が設定される請求項5に記載の無線装置。
【請求項4】
前記RF受信回路は、前記アナログ部が伝達するアナログ信号から前記クロック周波数の高調波を除去するフィルタを備える請求項6に記載の無線装置。
【請求項5】
全地球測位システム(GPS)のためのモノリシック受信機であって、
基板と、
前記基板と結合され、共通のダイ上にデジタル部とアナログ部とを有するミックスモード集積回路であって、前記アナログ部はある周波数帯域で動作するRF受信回路を備え、前記デジタル部は前記RF受信回路と通信する信号処理装置を備え、前記デジタル部は前記信号処理装置に与えられるクロック周波数を有するクロック信号を備え、前記クロック周波数及び該クロック周波数の高調波が前記周波数帯域に入らないように、前記クロック周波数が選択されることと、
前記基板の反対側で前記ミックスモード集積回路に重ねられ、且つミックスモード集積回路と電子通信を行うように構成されたメモリ装置であって、該メモリ装置が信号処理装置のための電子的な指令及びデータを記憶するように構成されることと
を備える受信機。
【請求項6】
アンテナと接続されている、共通のダイ上に設けられた無線受信機であって、
前記共通のダイ上に設けられるシステムバスと、
前記システムバスに結合され、前記アンテナからアナログ信号を受信し且つ該アナログ信号のデジタル表現を供給するように構成された無線周波数(RF)受信回路を備えるアナログ部と、
前記システムバスを通じて前記RF受信回路と通信してアナログ信号の前記デジタル表現を受け取るように構成された獲得モジュールであって、該獲得モジュールはさらに、前記デジタル表現を処理して前記アナログ信号からデータを抽出するように構成されることと、
前記システムバスと結合される処理装置であって、該処理装置は、前記RF受信回路及び前記獲得モジュールを制御し且つ獲得モジュールからのデータを処理して、無線受信機の出力を供給するように構成されることと
を備える無線受信機。
【請求項7】
前記アナログ部を前記システムバスに結合する自動レベル制御(ALC)モジュールを更に備えており、該ALCモジュールは、前記システムバスを通じて前記処理装置から受け取った信号に応答して、RF受信機に対してブランキング及びレベル制御を行うように構成される請求項6に記載の無線受信機。
【請求項8】
複数の外部基準のうちの選択された1つの機能として、前記処理装置及び前記獲得モジュールのためのシステムクロック信号を生成するように構成されたクロック生成回路を更に備える請求項6に記載の無線受信機。
【請求項9】
メモリに重ねられ且つアンテナに電気的に結合された、無線受信機用のモノリシックダイであって、
前記モノリシックダイ上に設けられるシステムバスと、
前記システムバスに結合され、前記アンテナからアナログ信号を受信し且つ該アナログ信号のデジタル表現を供給するように構成された無線周波数(RF)受信回路を備えるアナログ部と、
前記システムバスを通じて前記RF受信回路と通信してアナログ信号の前記デジタル表現を受け取るように構成された獲得モジュールであって、該獲得モジュールはさらに、前記デジタル表現を処理して前記アナログ信号からのデータを抽出するように構成されることと、
前記システムバスと結合される処理装置であって、該処理装置は、前記RF受信回路及び前記獲得モジュールを制御し且つ獲得モジュールからのデータを処理して、無線受信機の出力を供給するように構成されることと
を備えるモノリシックダイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−506363(P2007−506363A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526941(P2006−526941)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/029488
【国際公開番号】WO2005/029718
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】