説明

積層型断熱シート

【課題】断熱シートの施工の容易化及び迅速化を図る。
【解決手段】積層された二以上の気泡シート10のうち少なくとも最外層の気泡シート10の表面にアルミ層15を形成し、気泡シート10は、筒状の対象物Pに巻き付けたときに層ごとに同心状の形状をなす形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に巻き付けて使用する断熱シートに関し、特に、複数の断熱シートを積層した積層型断熱シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物を保温・保冷することで周囲との断熱を行う種々の断熱材が提供されている。
このような断熱材によれば、周囲環境の湿度や温度変化によって生ずる結露を防止することができる。また、建材として用いた場合には、その保温・保冷効果によって冬は暖かく夏は涼しい空調を保持することができるため、環境面においても有用とされている。
ところで、断熱材には、シート状の断熱素材の表面にアルミニウムの薄膜を形成したもの(以下、断熱シートという。)がある。このような断熱シートによれば、アルミニウムの遮熱作用により、断熱効果を一層高めることができ、また、加工性・作業性にも優れた効果を発揮する。
例えば、特許文献1には、アルミ箔等からなる外包材とこの外包材に収納されるシート状繊維集合体とからなる断熱シートが開示されている。このような断熱シートによれば、断熱性の他、外表面の一部に軟質層を有するため、曲面加工性や施工性において優れた効果を奏する。
この他、多数のキャップ状の空気層を有するキャップシートと平坦なバックシートとからなる樹脂製の気泡シートにアルミ層を形成した断熱シートが提供されている。
【0003】
ところで、このような断熱シートは、通常、パイプやダクトなどの対象物に巻き付けて使用され、巻き回数を増やすことにより容易に断熱効果を高めることができる。
また、断熱性能を巻き回数によって調整することができるため、対象物に応じた的確な巻き回数を設定して施工することができる。
このため、対象物や周囲環境等を問わず的確に断熱処理を行うことができ、利便性・拡張性に優れた断熱材として利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−239764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、断熱シートは、巻き回数に比例して作業者の繰り返し作業が増加するため、特に巻き回数が多い場合には、作業性が大幅に低下する問題が生じていた。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、これまで作業者が繰り返し行っていた作業を簡略化することで、断熱シートの施工の容易化及び円滑化を可能とする積層型断熱シートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の積層型断熱シートは、積層された二以上の断熱シートのうち少なくとも最外層の断熱シートの表面に所定のアルミ層を形成し、前記断熱シートは、筒状の対象物に巻き付けたときに層ごとに同心状の形状をなすようにしてある。
このようにすると、従来のように、作業者が繰り返し行っていた断熱シートの巻き付け作業を大幅に削減することができる。
このため、作業者の負担を軽減し、容易にかつ円滑に断熱シートの施工を実施することができる。
【0008】
また、本発明の積層型断熱シートは、対象物に巻き付けたときの気泡シートにおける継ぎ目が段階的に異なる位置で各気泡シートが同心状の形状をなすようにすることができる。
このようにすると、熱漏れの進路を効果的に絶つことができ保温・保冷機能を向上させることができる。
また、本発明の積層型断熱シートは、対象物に巻き付けたときの断熱シートにおける継ぎ目が層ごとに交互に異なる位置で各気泡シートが同心状の形状をなすようにすることができる。
このようにすると、熱漏れを効果的に防ぐとともに、各断熱シートに摩擦力が作用するため、積層型断熱シートの形状を安定的に保つことができる。
【0009】
さらに、本発明の積層型断熱シートは、その一部に、隣接する他の断熱シートとの部分的な接着を行う接着部を備えるようにしている。
このようにすると、施工中に作業者が各断熱シートを押さえ込む必要がなく、また、対象物に応じて適切かつ容易に曲げ加工を行うことができる。
また、本実施形態の積層型断熱シートは、最外層の断熱シートの一方の端部に、対象物に巻き付けた状態を保持するための保持部を備えることもできる。
このようにすると、最外層の断熱シートの巻き付け作業を終わると同時にその巻き付け状態を保持することができるため、作業性をより一層向上させることができる。
また、対象物が、断面が円の筒体からなる場合には、円の直径D、断熱シートの厚みt、及び、断熱シートの積層数nとした場合、本発明の積層型断熱シートにおける各断熱シートの層ごとの長さLnが、Ln=π{D+(n−1)t}によって算出できるようにしている。
このため、所定の条件(直径D、厚みt、積層数n)さえ判れば、各断熱シートの長さを容易に求めることができ、適切な形状を円滑に形成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の積層型断熱シートによれば、断熱シートの施工の容易化と迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】断熱シートとして用いる気泡シートの断面図である。
【図2】アルミ層を備えた気泡シートの断面図である。
【図3】本実施形態に係る積層型断熱シートの一例を示す断面図である。
【図4】積層型断熱シートの保持部を説明するための説明図である。
【図5】積層型断熱シートの他の形態の一例を示す第一の断面図である。
【図6】積層型断熱シートの他の形態の一例を示す第二の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る積層型断熱シートは、対象物に巻き付けることで、その保温・保冷を行う点において従来の断熱シートと共通する。
ところが、本実施形態の積層型断熱シートは、所定の断熱シートを必要数積層し、対象物を巻き付けたときに各層が同心状になる点において従来の断熱シートと異なる。
このような形状からなる積層型断熱シートによれば、これまで作業者が繰り返し行っていた断熱シートの巻き付け作業を大幅に削減することができる。
対象物としては、配管やパイプなどの円筒体、ダクトなどの角筒体が挙げられるが、特に、このような対象物に限定するものではなく、例えば、住宅、貯水タンク等の断熱材として用いることもできる。
以下、本発明の積層型断熱シートの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(積層型断熱シートの積層構造)
積層型断熱シート20は、二以上の断熱シートが積層され、その少なくとも最外層の断熱シートの表面にアルミニウムの薄膜からなる層(以下、アルミ層15という。)を形成する。
断熱シートとしては、図1に示すように、樹脂材料を原料として生成されたキャップシート11及びバックシート12又はこれにライナーシート13が積層して形成された気泡シート10を用いることができる。樹脂材としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂を単独で、又は、二種以上を混合して用いることができる。
キャップシート11は、薄膜状の樹脂フィルムを多数のキャビティ孔が配列された成形ロールに巻き付け、キャビティ孔を真空吸引することで形成された空気層(キャップ)14を多数備える。
【0014】
そして、このキャップシート11のキャップ14の頂面側に平坦な樹脂フィルム(バックシート12)を融着することで図1(a)に示す2層の気泡シートを形成することができる。また、この2層の気泡シート10のキャップ14の底面側に平坦な樹脂フィルム(ライナーシート13)を融着することで図1(b)に示す3層の気泡シート10を形成することができる。
このような気泡シート10によれば、密閉された空気層が熱伝導を効果的に抑制するため、優れた断熱効果を奏することができる。
ただし、本実施形態の断熱シートは、気泡シートに限定するものではなく、曲面加工が可能な他の断熱材を用いることができる。例えば、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンなどの発泡系断熱材、その他繊維系断熱材等を用いることもできる。
【0015】
積層型断熱シート20は、このような気泡シート10を必要数積層して形成する。必要数は、断熱に必要十分な気泡シートの積層数である。例えば、対象物の表面温度、周囲温度、湿度、気泡シート単枚における断熱性能等にもとづき、公知の算式、手順、アルゴリズム又はプログラム等を利用して求めることができる。なお、この算式等は、本発明との直接的な関連性は低く、また、公知の技術手段であるため詳細な説明は省略する。
【0016】
アルミ層15は、アルミニウムの薄膜を気泡シート10の表面に蒸着させて形成してもよく、また、気泡シート10にアルミ箔を融着して形成してもよい。
なお、アルミ層15は、単層でもよく複層でもよいが、少なくとも最外層の気泡シート10の表面にアルミ層15を形成する。
アルミ層15を加えることにより、外部からの輻射熱を反射し、断熱性能を向上させることができる。
【0017】
具体的には、図2(a)に示すように、最外層の気泡シート10の表面にのみアルミ層15を形成してもよく、また、図2(b)に示すように、各気泡シート10の表面にアルミ層15を形成してもよい。また、必要な気泡シート10の両面にアルミ層15を形成することもできる(非図示)。
一般に、アルミ層15が多いほどその遮熱作用により断熱効果が向上し、アルミ層15が少ないほどコスト削減を図ることができる。
このため、係る作用効果を考慮しつつ、対象物、用途その他の条件に合わせてアルミ層15の積層数や積層構造を柔軟に設定することができる。
【0018】
(積層型断熱シートの形状)
次に、積層型断熱シートの形状について説明する。
本実施形態の積層型断熱シート20は、対象物Pに巻き付けたときに各気泡シート10の断面が層ごとに同心状の形状をなすようにしている。
このようにすると、従来、断熱シートを必要数巻き付けていた作業を、一回の作業で終了することができるため、作業性を大幅に改善することができる。
【0019】
以下、具体例を挙げて説明する。
図3(a)は、5層の気泡シートからなる積層型断熱シートの断面図であり、図3(b)は、この断層型断熱シートを対象物に巻き付けた様子を説明するための説明図である。
これらの図に示すように、積層型断熱シート20においては、第一層の気泡シート10aの断面を対象物Pの表面に沿って巻き付けたときに、その気泡シート10aが対象物Pの外周を丁度一周するとともに、第二層の気泡シート10bが第一層の気泡シート10aの外周を丁度一周する長さとしている。また、第三層〜第五層の気泡シート10c、10d、10eに関しても同様であり、それぞれがその内側の層の気泡シート10b、10c、10dの外周を丁度一周する長さとしている。
すなわち、本実施形態の積層型断熱シート20は、各層の気泡シート10の長さに固有の特徴を有する。
【0020】
各層の気泡シート10の長さは、演算により求めることができる。
ここでは、断面形状が直径Dの円からなる円筒体を対象物Pとし、気泡シート10の厚みtとして、各層の気泡シート10の長さLn(nは積層順を示す。)を求める方法について説明する。
【0021】
図3に示すように、第一層の気泡シート10aの長さL1は、対象物Pの表面の周長と一致するため、次式(1)の関係が成り立つ。
L1=πD ・・・・・(1)
また、第二層の気泡シート10bの長さL2は、L1の外周と一致するため、次式(2)の関係が成り立つ。
L2=π(D+2t) ・・・・・(2)
同様に第三層〜第五層の気泡シートの長さL3〜L5は、次式(3)〜(5)によって求めることができる。
L3=π(D+4t) ・・・・・(3)
L4=π(D+6t) ・・・・・(4)
L5=π(D+8t) ・・・・・(5)
【0022】
以上のことから、第n層における気泡シート10の長さLnを求める一般式は、次式(6)とすることができる。
Ln=π{D+(n−1)t} ・・・・・(6)
したがって、n層の気泡シートを有する積層型断熱シート20の各層における気泡シート10の長さLnは、式(6)によって求めることができる。
例えば、対象物Pが直径(D)100mmの円筒状のパイプ、気泡シート10の厚み(t)が7mm、気泡シート10の積層数を3とした場合、第一層の気泡シート10の長さL1が約314mm(=π×100)、第二層の長さL2が約358mm(=π×(100+2×7))、第3層の長さL3が約402(=π×(100+3×7))となる。
すなわち、気泡シート10の厚みtとその積層数n及び対象物Pの径(直径D)が条件として与えられることにより、各層の気泡シート10の長さを決定することができ、これらを反映した形状の積層型断熱シート20を形成することができる。
【0023】
このように、本実施形態の積層型断熱シート20によれば、これを対象物Pに巻き付けたときに、各層の気泡シート10の断面を同心状にして対象物Pを包み込むことができる。
このため、これまでは、断熱シートを複数巻き付ける必要がある場合においても、本実施形態の積層型断熱シート20によれば一回の巻き付け作業によって同様の処理を完了することができる。
また、積層型断熱シート20を対象物Pに巻き付けたときの各気泡シート10の端部における継ぎ目の部分における空隙を極力少なくすることができる。
すなわち、各気泡シート10が対象物Pの周りを丁度一周する長さにしているため、仮に短いとした場合に生ずる気泡シート10の継ぎ目における隙間がなく安定した断熱効果を奏することができる。また、仮に長いとした場合に継ぎ目を合わせることで生ずる弛みや、継ぎ目を重ねることで生ずる段差がなく、このような場合においても、安定した断熱効果を奏することができる。
【0024】
ところで、本実施形態の積層型断熱シート20は、図3に示すように、気泡シート10と他の気泡シート10とが接する面の一部に接着部Cを備えるようにしている。
接着部Cには、気泡シート10の積層状態を保持するための接着材が塗布されている。
このようにすると、施工中に作業者が各気泡シート10を押さえ込む必要がなく、また、対象物Pの大きさや気泡シート10の積層数に伴う曲率に柔軟に対応して曲げ加工を円滑に行うことができる。
また、必要に応じ平面状、又は、曲面状にすることができ、特に保管性に優れた効果を奏する。
なお、図3では、接着部Cを気泡シート10の一方の端部に配置しているが、他方の端部に配置してもよく、また、端部以外の一部領域に配置するようにしてもよい。
【0025】
また、積層型断熱シート20の施工を完了するには、これを対象物Pに巻き付けた状態を固定させる必要がある。
このため、図3に示すように、粘着テープなどのシール材Sを最外層の気泡シート10eの継ぎ目に貼付するとよい。
なお、シール材Sに限らず、例えば、タッカーなどの留め具を用いて最外層の気泡シート10を固定してもよく、また、気泡シート10の外周を結束バンドで巻き付けて固定するようにしてもよい。
ところで、このような方法によると、シール材S等の固定部材を別途準備する必要があり、また、この段階で気泡シート10を押さえ込む作業が必要となる。
そこで、本実施形態の積層型断熱シート20は、最外層の気泡シート10eの一方の端部に対象物Pに巻き付けた状態を保持するための保持部Hを備えるようにすることができる。
【0026】
具体的には、図4(a)に示すように、最外層の気泡シート10eの一方の端部においてその内層面に接着材Haを塗布又は積層した保持部Hを設け、対象物Pを巻き付けたときに接着材Haによって保持部Hと内層の気泡シート10dとが保持される。
接着材Haは、接着部Cにおける接着材と同等のものを使用することができる。
また、図4(b)に示すように、気泡シート10eの端部にその最表層となるアルミ層15などを突出させたものを保持部Hとし、この保持部Hの内層面に接着材Haを塗布又は積層するようにしてもよい。
このようにすると、最外層の気泡シート10の巻き付け作業を終わると同時にその巻き付け状態を保持することができるため、作業性を一層向上させることができる。
【0027】
(積層型断熱シートの他の形態)
図5は、積層型断熱シートの他の形態を示す第一の断面図である。
この積層型断熱シート20aは、各気泡シート10の端部が揃っておらずこの点において前述の積層型断熱シート20と異なる。
具体的には、図5(a)に示すように、各気泡シート10の端部がその積層順に応じ階段状にずらして積層するようにしている。
このような形状の積層型断熱シート20aを対象物Pに巻き付けると、図5(b)に示すように、それぞれの気泡シート10における継ぎ目が段階的に異なる位置で各気泡シート10が同心状の形状を構成することとなる。
【0028】
このため、仮に対象物Pから第一層の気泡シート10aの継ぎ目J1を経由して熱が漏れ出たとしても第二層の気泡シート10bの積層面によってその進路を断つことができ、さらに、第二層の気泡シート10の継ぎ目J2を経由して熱が漏れ出たとしても第三層の気泡シート10cの積層面によってその進路を絶つことができる。なお、第三層〜第五層における各継ぎ目(J3〜J5)についても同様である。
また、外気が内層側に入り込むことも防ぐこともできる。
したがって、このような形状からなる積層型断熱シート20aによれば、熱漏れを効果的に防ぐことができ保温・保冷機能を向上させることができる。
【0029】
図6は、積層型断熱シートの他の形態を示す第二の断面図である。
図6(a)に示すように、この積層型断熱シート20bは、各気泡シート10の端部が揃っていない点において図5に示す積層型断熱シート10aと同様であるが、各気泡シート10の端部が層ごとに交互するように積層されるところに特徴を有する。
このような形状の積層型断熱シート20bを対象物Pに巻き付けると、図6(b)に示すように、それぞれの気泡シート10における継ぎ目が層ごとに交互しつつ各気泡シート10が同心状の形状を構成するようになる。
【0030】
すなわち、積層型断熱シート20bによれば、気泡シート10の断面全体として櫛状の形状を構成しているため、各気泡シート10を対象物Pに巻き付ける際には、その端部を、内層側の気泡シート10と外層側の気泡シート10とによって形成される凹状の空間に収容することとなる。
このため、隣接する気泡シート10の積層面における静止摩擦力が相互に作用し、各気泡シート10を外れにくくすることができる。
したがって、熱漏れを防ぐだけでなく、施工後の完成した状態を安定的に保持することができ、耐久性及び信頼性の高い断熱材として提供することができる。
【0031】
以上、本発明について実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、対象物Pは、断面が矩形の筒体であってもよい。
このようにすると、ダクトなどの矩形管にも本発明の積層型断熱シート20を利用することができる。
なお、この場合、対象物Pの断面における矩形の横の長さx、縦の長さy、気泡シート10の厚みtとすると各層の気泡シート10の長さLn(nは積層順を示す。)は、次式(7)によって求めることができる。
Ln=2{x+2(n−1)t}+2{y+2(n−1)t}・・・(7)
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、気泡シートを用いた断熱材に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0033】
10 気泡シート
11 キャップシート
12 バックシート
13 ライナーシート
14 空気層(キャップ)
15 アルミ層
20 積層型断熱シート
P 対象物
C 接着部
S シール材
H 保持部
J 継ぎ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された二以上の断熱シートのうち少なくとも最外層の断熱シートの表面に所定のアルミ層を形成し、
前記断熱シートは、筒状の対象物に巻き付けたときに層ごとに同心状の形状をなすことを特徴とする積層型断熱シート。
【請求項2】
前記断熱シートは、
当該断熱シートを前記対象物に巻き付けたときに、その両端部からなる継ぎ目が層ごとに段階的に異なった位置で前記同心状の形状をなす請求項1記載の積層型断熱シート。
【請求項3】
前記断熱シートは、
当該断熱シートを前記対象物に巻き付けたときの前記継ぎ目が層ごとに交互に異なった位置で前記同心状の形状をなす請求項1記載の積層型断熱シート。
【請求項4】
前記断熱シートは、
当該断熱シートの一部に、隣接する他の断熱シートとの接着を行う接着部を備える請求項1〜3のいずれか一項記載の積層型断熱シート。
【請求項5】
前記最外層の断熱シートは、
当該断熱シートの一方の端部に、前記対象物に巻き付けた状態を保持するための保持部を備える請求項1〜4のいずれか一項記載の積層型断熱シート。
【請求項6】
前記対象物は、断面が円の筒体からなり、
前記円の直径D、前記断熱シートの厚みt、及び、前記断熱シートの積層数nとした場合、
前記断熱シートは、
層ごとの長さLnが、Ln=π{D+(n−1)t}によって算出可能な請求項1〜5のいずれか一項記載の積層型断熱シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−246950(P2012−246950A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116986(P2011−116986)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【出願人】(511127427)K.F.C有限会社 (1)
【Fターム(参考)】