説明

空気圧縮機

【課題】ピストンリングが使用限界磨耗量に達した場合、ピストンリングの交換が必要であることを使用者に報知することができる空気圧縮機を提供することにある。
【解決手段】
制御回路部9は、ピストンリング45a、45bが磨耗による使用限界に達した場合におけるタンク部5内の圧縮空気を基準圧力Prから許容最高圧力Pmまで圧力上昇させるために必要な圧縮部4の運転時間Tm(基準データ)を予め記憶しておく。運転監視時において、制御回路部9は、圧力センサ11によりタンク部5内の圧力Pが前記基準圧力Prから前記許容最高圧力Pmに上昇するまでの運転時間Ta(実測データ)を検出する。そして、実測データ(Ta)を上記基準データ(Tm)と比較することによって、実測データTaが基準データTmに達した場合に、警告回路部9aを制御し、視覚的あるいは聴覚的にピストンリング交換時期であること報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釘打機等の空気工具を駆動するために必要な圧縮空気を生成する空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気工具を駆動する空気圧縮機は、モータ等の駆動部における回転出力軸の回転運動を、圧縮空気生成部におけるクランク軸を介してシリンダ内のピストンの往復運動として変換し、ピストンの往復運動によって、シリンダの吸込弁から空気を吸入し、圧縮するように構成され、シリンダ内で圧縮された圧縮空気はシリンダの吐出弁からパイプを通して空気タンクに吐出され、このタンク内に貯留される。釘打機等の空気工具は、このタンク内に貯留された圧縮空気を利用して動作させるものである。このような空気圧縮機は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0003】
空気圧縮機では、圧縮空気を貯留するタンク内の圧力が上限である所定値(許容最高圧力)に達するとモータを停止させると共に、空気工具等の使用によりタンク内の圧力が下限である所定値よりも下がったときモータを再起動させるような機能をもっている。この機能は、空気タンク内の圧力を圧力センサで検出し、そのセンサからの信号に対応して駆動部のモータの電源をオン・オフ制御し、これによって圧縮空気生成部のピストンの往復運動をオン・オフ制御することにより実現している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−125237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来の空気圧縮機において、圧縮空気生成部を構成するピストンは、そのピストンヘッド外周に取り付けられたピストンリングによってピストンとシリンダの間を気密にシーリングした状態で、シリンダ内を往復動することにより圧縮空気を生成する。しかし、このピストンリングの外周部は、シリンダ内の往復運動によりシリンダ内周部を摺動するように接触するので、磨耗してしまうという問題がある。このため、空気圧縮機のメンテナンスは、圧縮空気生成部または駆動部の運転総時間を目安にオーバホールを行い、ピストンおよびシリンダを交換することが行われていた。
【0006】
しかし、本願発明者は、ピストンリングの磨耗量が増大するにつれて、圧縮空気を基準圧力(例えば、標準大気圧)より許容最高圧力(例えば、30MPa)までに上昇させる駆動部の運転時間(充填時間)が長くなり、この運転時間が所定の時間を超えると、ピストンリングの使用限界磨耗量を超えて、ピストン(ピストンヘッド)がピストンリングを介することなく、シリンダに直接的に接触し、ピストンおよびシリンダが損傷に至るという現象を見出した。
【0007】
このためピストンとシリンダが損傷する前にピストンリングを交換する必要があるが、従来の圧縮空気生成部の運転総時間を目安にしたオーバホール法では、ピストンリングのみを交換するための交換時期を明確に把握することが困難であり、しばしばピストンとシリンダを損傷するまで使用し続けてしまうという問題を招いていた。その結果、ピストンリングのみの交換にとどまらず、ピストンとシリンダも含めて圧縮空気生成部全体の部品を交換する事態となり、空気圧縮機の維持費が高額になってしまうという問題があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、ピストンリングが使用限界磨耗量に達した場合、ピストンリングの交換が必要であることを使用者に報知することができる警告回路部を備えた空気圧縮機を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、メンテナンス時にピストンリングのみを交換することによって、圧縮空気生成部全体の部品交換を防止して維持費用の低減を図った空気圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本願では、ピストンリングが使用限界磨耗量に達した後にピストンおよびシリンダが損傷するという事実に着目して発明を完成した。その代表的なものの特徴を説明すれば、次のとおりである。
【0011】
本発明の一つの特徴によれば、圧縮空気を貯留するタンク部と、シリンダに内装したピストンの往復運動により吸込弁を介して吸入した空気を圧縮して圧縮空気を生成し、前記タンク部に圧縮空気を供給するための圧縮空気生成部と、該圧縮空気生成部を駆動するためのモータを有する駆動部と、該駆動部を制御するための制御回路部と、前記タンク部内の圧縮空気の圧力を検出するための圧力センサとを具備し、前記ピストンのヘッド外周壁には該ピストンと前記シリンダとの間をシーリングするためのピストンリングが装着された空気圧縮機において、前記制御回路部は、前記ピストンリングが磨耗による使用限界に達した場合における、前記タンク部内圧縮空気を第1の基準圧力から第2の基準圧力(許容最高圧力を含む)まで、圧力上昇させるために必要な前記圧縮空気生成部の運転時間を表す基準データを予め記憶しておき、かつ、前記制御回路部は、前記圧力センサにより前記タンク部内の圧力が前記第1の基準圧力から前記第2の基準圧力に上昇するまでの運転時間を表す実測データを検出して前記基準データと比較することによって、前記実測データの運転時間が前記基準データの運転時間に達した場合に、視覚的あるいは聴覚的にピストンリング交換時期であることを報知する警告回路部を制御する。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、前記基準データおよび前記実測データは、前記第1の基準圧力から前記第2の基準圧力(許容最高圧力を含む)に達するまでの運転総時間で比較する。
【0013】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記基準データおよび前記実測データは、前記第1の基準圧力から前記第2の基準圧力に達するまでの単位時間当たりの圧力変化率で比較する。
【0014】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記基準データおよび前記実測データは、前記第1の基準圧力時より所定時間運転した時の前記タンク部内圧縮空気の圧力で比較する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の空気圧縮機によれば、ピストンリングが使用限界磨耗量に達した場合、ピストンリングの交換が必要であることを視覚または聴覚的に使用者に報知することができる。その結果、比較的安価なピストンリングのみの交換によって、高価な圧縮空気生成部全体の部品交換を防止できる。
【0016】
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴は、以下の本明細書の記述および添付図面よりさらに明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図1乃至図4を参照して詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
【0018】
図1は本発明の空気圧縮機の外観を示す正面図、図2は本発明の空気圧縮機に従う電気的系統及び機械的系統を示すブロック図である。
【0019】
図1および図2に示すように、本発明にかかる空気圧縮機1は、圧縮空気を貯留するタンク部5と、該タンク部5内の圧縮空気の圧力を検出するための圧力センサ11と、圧縮空気を生成する圧縮空気生成部(以下、単に「圧縮部」と称する場合がある)4と、該圧縮空気生成部4を駆動するためのモータ(図示なし)を有する駆動部3と、主電源スイッチ10と、駆動部3を構成するモータの起動・停止(オン・オフ)を制御する制御回路部9とを具備している。
【0020】
主電源スイッチ10は、空気圧縮機1に供給される商用交流電源をオン、オフするために設けられる。主電源スイッチ10を介して供給される交流電源は、直流電源に変換され、制御回路部9および駆動部3等の駆動電源として使用される。
【0021】
駆動部3を構成するモータは、例えば、直流モータから成り、その駆動回路(図示なし)は制御回路部9によって制御される。すなわち、制御回路部9によって駆動部3のモータがオン、オフ制御される。
【0022】
制御回路部9は、図示されていないが、マイクロコンピュータから構成され、演算、制御プログラムを実行する中央処理装置(CPU)、CPUの制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)、CPUの作業領域やデータの一時記憶領域などとして利用されるランダムアクセスメモリ(RAM)等の回路機能ブロックを含んでいる。
【0023】
図2に示されるように、制御回路部9のCPUは、タンク部5に取り付けられた圧力センサ11より圧縮空気の圧力検出信号を受け、モータを含む駆動部3を制御して、駆動部3の起動(オン)または停止(オフ)を実行する。また、後述するように、制御回路部9は本発明に従って設けられた警告回路9aを制御して、後述するピストンリング45a、45b(図3参照)の交換の必要性を報知する機能を有する。
【0024】
タンク部5は、例えば、紙面を横切る方向において並行に配置された一対の円筒状タンクより構成され、圧縮空気を貯留する。圧縮空気は圧縮空気生成部(圧縮部)4で生成され、その吐出口よりパイプ(空気流通路)6を通してタンク部5内に供給される。供給された圧縮空気は、タンク部5内で、例えば3.0〜4.2 MPaの圧力を有する。
【0025】
タンク部5の一部には安全弁(逃し弁)5a(図1参照)が取り付けられており、タンク部5内の圧力が異常に高くなったときに、その圧縮空気の一部を外部に吐出させて、万が一の異常な圧力上昇を防止している。また、タンク部5には、一対の圧縮空気取出口(カプラ)8aおよび8bが設けられており、それらカプラ8aおよび8bの各々には、ホースを介して釘打機等の空気工具15aおよび15b(図2参照)が接続される。
【0026】
タンク部5のカプラ8aおよび8b側には、減圧弁12aおよび12bがそれぞれ設けられており、タンク部5への圧縮空気の入口側(パイプ6側)の圧力の大きさにかかわらず、タンク部5のカプラ8a、8b側圧力を最高圧力以下に一定に抑える機能を持つ。従って、カプラ8aおよび8bには、タンク部5内の圧力にかかわらず、上記の最高圧力以下の圧力を持つ圧縮空気が得られる。
【0027】
カプラ8aおよび8bの近傍には圧力計7aおよび7bが取り付けられており、カプラ8aおよび8bの近傍の圧力をモニタできるように構成されている。
【0028】
圧縮部4は、図3に示されるように、シリンダ部41とピストン部42から構成される。駆動部3のモータ(図示なし)の回転運動は、クランクケース41aによって区画されたクランク軸43へ伝達され、クランク軸43の回転運動が連接棒44によってシリンダ41内に接触するピストン42の往復運動に変換される。
【0029】
ピストン42(ピストンヘッド)の外周部には一対のピストンリング45a、45bが嵌着され、ピストンリング45a、45bの外周部46a、46bがシリンダ部41の内周部41dを摺動するように接触し、結果的に、ピストンリング45a、45bは、圧縮室41bの圧縮中の空気がクランク室41cまたは外気へ抜けることを防止するように、圧縮室41bを気密にシーリングする。また、ピストンリング45a、45bは、ピストン42とシリンダ41が直接接触して互いに損傷することを防止する機能を有する。
【0030】
圧縮室41bの上壁部には、空気の吸込弁47と、圧縮空気の吐出弁48とが設けられている。これらの吸込弁47および吐出弁48は一方向のみに空気を流す逆止弁としての機能を有する。
【0031】
警告回路部9a(図2参照)は、本発明に従って設けられた報知回路で、ピストンリング45a、45bがシリンダ41内で長時間往復運動を行った結果、ピストンリング45a、45bの外周部46a、46b(シリンダ41の内周部41dとの接触部)が磨耗して使用限界磨耗量に達した時に発光ダイオード(LED)等の警告灯を点灯させ、またはブザー等による警告音を発生する回路であり、上記制御回路部9によって制御される。この警告回路部9aについては後述する。
【0032】
ピストン42の往復運動による圧縮空気の生成工程について概略的に説明するならば、まず、ピストン42がシリンダ41内の上死点から下死点へ下降運動する吸込工程において、外部空気(大気圧)が吸込弁47を介して圧縮室41b内に吸込みられる。
【0033】
次に、ピストン42がシリンダ41内の下死点から上死点へ上昇運動する圧縮工程において、ピストン42が圧縮室41b内の吸込み空気を圧縮し、圧縮空気を生成する。
【0034】
さらに、ピストン42が圧縮室41bの上死点へ達する吐出工程において、生成された圧縮空気は、吐出弁48からタンク部5に流通するパイプ6へ吐出される。
【0035】
以上の吸込工程、圧縮工程および吐出工程をピストンの往復運動により繰り返すことによって、圧縮空気生成部4よりタンク部5に、第1の基準圧力から、許容最高圧力以下である第2の基準圧力までの圧力範囲を持つ圧縮空気を供給することができる。タンク部5内の圧力が予め設定された許容最高圧力(第2の基準圧力)に到達すると、圧力センサ11の検出信号に基づいて制御回路部9から駆動部3へ停止信号が送信され、駆動部3のモータの運転が停止され、その結果、圧縮部4のピストン42の往復運動が停止されて圧縮空気の生成が停止される。
【0036】
上記圧縮部4におけるピストン42は、そのピストンヘッド外周に取り付けられたピストンリング45a、45bによってピストン42とシリンダ41の間を気密にシーリングした状態で、シリンダ41内を往復動することにより圧縮室41bに圧縮空気を生成する。しかし、このピストンリング45a、45bの外周部46a、46bは、シリンダ41内の往復運動によりシリンダ内周部41dを摺動するように接触するので、磨耗してしまうという問題がある。
【0037】
本願発明者は実験検討した結果、図4に示すように、ピストンリング45a、45bの磨耗量が増大するにつれて、タンク部5内の圧縮空気の圧力(タンク内圧力)Pを、第1の基準圧力Prから第2の基準圧力Pmまで上昇させるために必要な駆動部3(または圧縮部4)の運転時間(充填時間)tが長くなることを見出した。
【0038】
すなわち、図4に示す運転時間t対タンク内圧力P特性において、特性Aはピストンリングが新品である稼動初期時の特性(ピストンリング初期時)を示し、特性Bはピストンリングが長時間稼動により磨耗した限界磨耗時の特性(ピストンリング限界磨耗時)を示す。本願発明者は実験検討した結果、ピストンリング45a、45bの磨耗量が、特性A(ピストンリング初期時)から特性B(ピストンリング限界磨耗時)へと増大するにつれて、タンク部5内の圧縮空気を第1の基準圧力Pr(例えば、標準大気圧)より第2の基準圧力(許容最高圧力)Pm(例えば、30MPa)までに上昇させる駆動部3の運転時間(充填時間)tは、TfからTm(Tm>Tf)と長くなり、この運転時間tが所定の時間Tmを超えると、ピストンリング45a、45bの使用限界磨耗量を超えて、ピストンリング45a、45bの外周部46a、46bが磨耗し、ピストン(ピストンヘッド)42が、ピストンリング45a、45bを介することなく、シリンダ41の内周部41dに直接接触してピストン42とシリンダ41が互いに損傷に至るという現象を見出した。
【0039】
このためピストン42とシリンダ41が損傷する前にピストンリング45a、45bを交換する必要があるが、従来、ピストンリング45a、45bの適切な交換時期が明確に分からず、ピストン42とシリンダ41を損傷するまで使用し続けてしまうという問題を招いていた。
【0040】
そこで、本発明は、ピストンリング45a、45bが使用限界磨耗量に達した場合、ピストンリング45a、45bの交換が必要であることを報知する警告回路部9aを設け、制御回路部9によって制御するように構成した。
【0041】
本発明によれば、制御回路部9は、ピストンリング45a、45bが磨耗による使用限界に達した場合における、タンク部5内圧縮空気を上記第1の基準圧力Pr(図4参照)から上記第2の基準圧力(許容最高圧力)Pmまで圧力上昇させるために必要な圧縮部4(または駆動部3)の運転時間Tmを表す基準データを、制御回路部9のメモリ部(図示なし)に予め記憶しておく。この基準データは、ピストンリング45a、45bの使用限界磨耗量とタンク内圧力との関係を実験的に求めたものである。
【0042】
運転監視時において、制御回路部9は、図4の特性C(実測データ)に示すように、圧力センサ11によりタンク部5内の圧力Pが前記第1の基準圧力Prから前記第2の基準圧力(許容最高圧力)Pmに上昇するまでの運転時間Taを表す実測データ(時間Taまたは時間Taの関数)を検出する。そして、実測データ(時間Taまたは時間Taの関数)を上記基準データと比較することによって、実測データの運転時間Taが基準データの運転時間Tmに達した場合に、警告回路部9a(図2参照)を制御し、視覚的あるいは聴覚的にピストンリング交換時期であること報知する。警告回路部9aは、実測運転時間Taが基準運転時間Tmに対してTa≧Tmの時に、ブザー等を駆動し警告音で報知するか、または発光ダイオード等の警告灯を点灯または点滅させて報知する。
【0043】
かかる本発明によれば、空気圧縮機のメンテナンスは、ピストンリングのみの交換に留めることが可能となり、ピストンとシリンダも含めて圧縮部全体の部品を交換するという事態を防止し、維持費の低減化を可能とする。
【0044】
なお、上記実施形態において、第1の基準圧力Pr(図4参照)から第2の基準圧力Pmまで圧力上昇させるために必要な圧縮部4(または駆動部3)の運転時間Tmを表す基準データは、図4に示すように、運転総時間である時間(Tm)自体であってもよく、運転時間に対する圧力上昇率(ΔPm/ΔTm)または一定運転時間Tcにおけるタンク内圧力(Pcm)であってもよい。また、監視するピストンリングの運転時間Taを表す実測データ(時間Taまたは時間Taの関数)も前記基準データと同様なものであってよい。また、第2の基準圧力は、許容最高圧力に特定する必要がなく、第1の基準圧力より高く許容最高圧力より低い基準圧力に設定してもよい。
【0045】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る空気圧縮機の実施形態の外観を示す正面図。
【図2】図1に示した空気圧縮機の機能ブロック図。
【図3】図1に示した空気圧縮機の圧縮部を構成するピストン構造を示す断面図。
【図4】図1に示した空気圧縮機の動作を説明するためのタンク部内圧力変化図。
【符号の説明】
【0047】
1:空気圧縮機 2:電源コード 3:駆動部
4:圧縮部(圧縮空気生成部) 5:タンク部 5a:安全弁(逃し弁)
6:パイプ 7a、7b:圧力計 8a、8b:圧縮空気取出口(カプラ)
9:制御回路部 9a:警告回路部 10:主電源スイッチ
11:圧力センサ 12a、12b:減圧弁
15a、15b:空気工具(釘打機) 41:シリンダ
41a:クランクケース 41b:圧縮室 41c:クランク室
41d:シリンダ内周部 42:ピストン 43:クランク軸
44:連接棒 45a、45b:ピストンリング
46a、46b:ピストンリング外周部 47:吸込弁 48:吐出弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を貯留するタンク部と、シリンダに内装したピストンの往復運動により吸込弁を介して吸入した空気を圧縮して圧縮空気を生成し、前記タンク部に圧縮空気を供給するための圧縮空気生成部と、該圧縮空気生成部を駆動するためのモータを有する駆動部と、該駆動部を制御するための制御回路部と、前記タンク部内の圧縮空気の圧力を検出するための圧力センサとを具備し、前記ピストンのヘッド外周壁には該ピストンと前記シリンダとの間をシーリングするためのピストンリングが装着された空気圧縮機において、
前記制御回路部は、前記ピストンリングが磨耗による使用限界に達した場合における、前記タンク部内圧縮空気を第1の基準圧力から第2の基準圧力まで圧力上昇させるために必要な前記圧縮空気生成部の運転時間を表す基準データを予め記憶しておき、かつ、
前記制御回路部は、前記圧力センサにより前記タンク部内の圧力が前記第1の基準圧力から前記第2の基準圧力に上昇するまでの運転時間を表す実測データを検出して前記基準データと比較することによって、前記実測データの運転時間が前記基準データの運転時間に達した場合に、視覚的あるいは聴覚的にピストンリング交換時期であることを報知する警告回路部を制御することを特徴とする空気圧縮機。
【請求項2】
前記基準データおよび前記実測データは、前記第1の基準圧力から前記第2の基準圧力に達するまでの運転総時間で比較することを特徴とする請求項1に記載された空気圧縮機。
【請求項3】
前記基準データおよび前記実測データは、前記第1の基準圧力から前記第2の基準圧力に達するまでの単位時間当たりの圧力変化率で比較することを特徴とする請求項1に記載された空気圧縮機。
【請求項4】
前記基準データおよび前記実測データは、前記第1の基準圧力時より所定時間運転した時の前記タンク部内圧縮空気の圧力で比較することを特徴とする請求項1に記載された空気圧縮機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−280853(P2008−280853A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123080(P2007−123080)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】