説明

空気紡績装置及びこの空気紡績装置を備える紡績機

【課題】メンテナンスを行うための十分なスペースを確保でき、ノズルに詰まる繊維屑等を効率的に除去することが可能な空気紡績装置を提供する。
【解決手段】紡績装置9は、第1ノズル71と、第1ブロック91と、第2ノズル81と、第2ブロック92と、を備える。第1ブロック91は、第1ノズル71を支持する。第2ノズル81は、第1ノズル71より繊維走行方向の下流側に配置される。第2ブロック92は、第2ノズル81を支持し、第1ブロック91から離れる方向に移動することで、第2ノズル81を外部に露出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気紡績装置に関するものであり、詳細には、繊維走行方向に沿って配置された複数のノズルを用いて空気紡績を行う空気紡績装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
繊維走行方向に沿って、第1ノズルと第2ノズルとが直列に配置された空気紡績装置が従来から知られている。この種の空気紡績装置を開示するものとして、特許文献1及び特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−161171号公報
【特許文献2】特開平5−86510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような空気紡績装置においては、ノズルの先端に繊維の塊等の繊維屑が詰まり、正常な紡績ができなくなることがある。この場合は繊維屑を除去する必要があるが、第1ノズルは、ドラフトローラから送られてくる繊維束を効率的に吸引するためにドラフトローラ近傍に配置されており、このため、繊維屑の除去作業のために確保できるスペースは限られている。従って、狭いスペースで繊維屑のような小さな塊を除去する作業は非常に手間が掛かるものであり、メンテナンス性の向上という観点から改善の余地があった。
【0005】
なお、上記と同様の問題は、第2ノズルについても指摘することができる。特に、第2ノズルは、第1ノズルから搬送されてきた繊維束をその内部に導入するために第1ノズルの近傍に配置されている。このため、第2ノズルの先端は、第1ノズル及び第1ノズルを支持する支持部材によって隠れるような形となり、第2ノズルの先端に詰まった繊維屑の除去は非常に困難であった。加えて、第1ノズル及び第2ノズルの先端には、その内部で発生している旋回流による吸引作用が作用しており、繊維屑の除去を一層困難なものにしていた。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、メンテナンスを行うための十分なスペースを確保でき、ノズルに詰まる繊維屑等を効率的に除去することが可能な空気紡績装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下のように構成される空気紡績装置が提供される。即ち、この空気紡績装置は、第1ノズルと、第1支持部材と、第2ノズルと、第2支持部材と、を備える。前記第1支持部材は、前記第1ノズルを支持する。前記第2ノズルは、前記第1ノズルより繊維走行方向の下流側に配置される。前記第2支持部材は、前記第2ノズルを支持し、前記第1支持部材から離れる方向に移動することで、前記第2ノズルを外部に露出させることができる。
【0009】
これにより、第2ノズルを支持する第2支持部材が第1支持部材から離れるように移動するので、第2ノズルのメンテナンスを行うための十分なスペースを容易に確保することができる。従って、ノズルの詰まりの原因となる繊維屑等を効率的に除去することができる。
【0010】
前記の空気紡績装置においては、前記第1ノズルを通過した繊維が前記第2ノズルに到達するまでの経路は、紡績時には、外部から隔てられるように構成されることが好ましい。
【0011】
これにより、吸引効率が向上し、第2ノズル等に堆積する風綿量を効果的に減少させることができる。
【0012】
前記の空気紡績装置においては、紡績時の前記第2ノズル内の繊維走行経路は、前記第1ノズル内の繊維走行経路に対して傾斜するように配置されていることが好ましい。
【0013】
これにより、空気紡績装置を取り付ける装置の構造に柔軟に対応することが可能になる。
【0014】
前記の空気紡績装置においては、前記第1支持部材は、前記第1ノズルより繊維走行方向の上流側に配置されるドラフトローラから離間する方向に移動可能に構成されることが好ましい。
【0015】
これにより、第1ノズルのメンテナンスを行うための十分なスペースを確保することができ、空気紡績装置のメンテナンスの効率を一層向上させることができる。
【0016】
前記の空気紡績装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、空気紡績装置は、前記第1支持部材を前記ドラフトローラから離間する方向に移動させた所定位置で当該第1支持部材の移動を規制する規制部材を備える。前記第1支持部材は前記第2支持部材と機械的要素を介して連結されている。前記第2支持部材が前記ドラフトローラから離れる方向に移動すると、前記規制部材によってその移動が規制されるまで、前記第1支持部材は前記第2支持部材と一体的に移動する。
【0017】
これにより、第2支持部材を移動させるだけで、第1支持部材をドラフトローラから離間させるとともに、第1支持部材から第2支持部材を離間させることができる。
【0018】
前記の空気紡績装置においては、前記第1ノズルに圧縮空気を噴射可能に構成される第1ノズル用クリーニング装置を備えることが好ましい。
【0019】
これにより、第1ノズル用クリーニング装置によって噴射される圧縮空気によって、詰まりの原因となる繊維屑等を吹き飛ばして除去することができる。
【0020】
前記の空気紡績装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記第1ノズル内には、旋回流を発生させるための第1ノズル内空気噴出部が形成される。前記第1ノズル内空気噴出部に圧縮空気を供給する供給経路には、電磁弁が配置される。前記第1ノズル用クリーニング装置の動作時は、前記電磁弁を制御して圧縮空気の供給を停止する。
【0021】
これにより、紡績時は第1ノズル内に旋回流を発生させながら紡績することができる。一方で、クリーニング時には、第1ノズルへの圧縮空気の供給を停止させることで、旋回流の影響を受けることなく、クリーニング装置による繊維屑等の除去を効果的に行うことができる。
【0022】
前記の空気紡績装置においては、前記第2ノズルに圧縮空気を噴射可能に構成される第2ノズル用クリーニング装置を備えることが好ましい。
【0023】
これにより、第2ノズルを露出させた状態で、第2ノズル用クリーニング装置によって圧縮空気を噴射することで、ノズルの詰まりの原因となる繊維屑等を第2ノズルから外部に吹き飛ばして効率的に除去することができる。
【0024】
前記の空気紡績装置においては、以下のように構成されることが好ましい。前記第2ノズル内には、旋回流を発生させるための第2ノズル内空気噴出部が形成される。前記第2ノズル内空気噴出部に圧縮空気を供給する供給経路には、電磁弁が配置される。前記第2ノズル用クリーニング装置の動作時は、前記電磁弁を制御して圧縮空気の供給を停止する。
【0025】
これにより、紡績時は第2ノズル内に旋回流を発生させながら紡績することができる。一方で、クリーニング時には、第2ノズルへの圧縮空気の供給を停止させることで、旋回流の影響を受けることなく、第2ノズル用クリーニング装置による繊維屑等の除去を効果的に行うことができる。
【0026】
本発明の第2の観点によれば、前記の空気紡績装置を備える紡績機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る紡績機の全体的な構成を示す正面図。
【図2】ドラフト装置及び紡績装置の様子を示す側面図。
【図3】紡績装置の構成を示す拡大側面図。
【図4】紡績装置の電気的構成の一部を模式的に示すブロック図。
【図5】第1ブロックがフロントローラ及びフロントボトムローラから離間したときの紡績装置の様子を示す拡大側面図。
【図6】第2ブロックが第1ブロックから離間したときの紡績装置の様子を示す拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に発明の実施の形態について説明する。図1は、並設された多数の紡績ユニット(糸処理ユニット)2を備えた、繊維機械としての紡績機1を示している。
【0029】
図1に示すように、各紡績ユニット2は、ドラフト装置7と、紡績装置9と、糸貯留装置11と、巻取装置12と、を主要な構成として備えている。
【0030】
ドラフト装置7は紡績機1本体のフレーム6の上端近傍に設けられており、スライバ13を細く引き伸ばして繊維束8にするように構成されている。紡績装置9は、ドラフト装置7から送られてくる繊維束8を紡績する。紡績装置9で生成された紡績糸10は、糸の欠陥を検出するためのクリアラ52を通過した後、糸貯留装置11に送られる。糸貯留装置11を通過した後、紡績糸10は巻取装置12によって巻き取られ、パッケージ45を形成する。
【0031】
この紡績機1は、ブロアボックス101と、原動機ボックス102と、を備える。また、紡績機1は、紡績ユニット2が並べられる方向に走行可能に構成された糸継台車3を備えている。図1に示すように、本実施形態の糸継台車3は、スプライサ(糸継装置)43と、サクションパイプ44と、サクションマウス46と、を備えている。この糸継台車3は、ある紡績ユニット2で糸切れや糸切断が発生すると、フレーム6に固定されたレール47上を当該紡績ユニット2まで走行してその位置で停止する。そして、糸継台車3は、サクションパイプ44で紡績装置9側の糸端を捕捉するとともにサクションマウス46で巻取装置12側の糸端を捕捉し、サクションパイプ44及びサクションマウス46をそれぞれ回動させることで、捕捉した紡績装置9側の糸端と巻取装置12側の糸端をスプライサ43に案内する。スプライサ43に案内された紡績装置9側の糸端及び巻取装置12側の糸端は当該スプライサ43によって糸継ぎされる。これによって、紡績装置9側の糸端と巻取装置12側の糸端とが繋がれる形になり、巻取作業の再開が可能になる。
【0032】
また、紡績機1は、満巻きとなったパッケージを玉揚げするための玉揚台車(図面において省略)を備えており、この玉揚台車は、糸継台車とは独立に走行可能に構成されている。
【0033】
図2は、ドラフト装置7、紡績装置9、及び糸貯留装置11の拡大側面図である。図2に示すように、ドラフト装置7は、スライバ13を延伸して繊維束8にするための複数のドラフトローラを備える。前記ドラフトローラは、互いに対向して配置されるトップローラとボトムローラにより構成されている。
【0034】
前記トップローラは、バックローラ14、サードローラ15、トップ側エプロンベルト17を装架したミドルローラ16及びフロントローラ18の4つのドラフトローラから構成されている。一方、ボトムローラは、バックボトムローラ24、サードボトムローラ25、ボトム側エプロンベルト27を装架したミドルボトムローラ(エプロンベルト用ローラ)26、フロントボトムローラ28の4つのドラフトローラから構成されている。それぞれのボトムローラ24,25,26,28は、前記トップローラ14,15,16,18に対向するように配置されている。
【0035】
また、本実施形態のドラフト装置7の下方には吸引コレクタ60が配置されている。この吸引コレクタ60は、上方を開放したカップ状に形成され、その開口端には吸引口が形成されている。吸引コレクタ60の吸引口は、前記フロントボトムローラ28の下部の外周面に対面している。この吸引コレクタ60は、図略の負圧源に接続されており、吸引口近傍に吸引流を発生させることができるように構成されている。また、フロントボトムローラ28には、図略のパッド体が押し付けられており、回転駆動するフロントボトムローラ28に付着した繊維屑を当該パッド体によってかき取るようになっている。かき取られた繊維屑の一部は、吸引コレクタ60によって吸引除去される。
【0036】
以上の構成で、ドラフト装置7に送られたスライバ13は、ドラフトローラによって延伸されて繊維束8となり、紡績装置(空気紡績装置)9へと送られる。紡績装置9は、ドラフト装置7から送られてくる繊維束8を空気紡績する。空気紡績された繊維束8は、紡績糸10となって糸貯留装置11に送られる。なお、紡績装置9の詳細については後述する。
【0037】
糸貯留装置11は、紡績糸10に所定の張力を与えて紡績装置9から引き出す機能と、糸継台車3による糸継時などに紡績装置9から送出される紡績糸10を滞留させて糸の弛みを防止する機能と、巻取装置12側の張力の変動が紡績装置9側に伝わらないように張力を調節する機能と、を有している。図2に示すように、糸貯留装置11は、糸貯留ローラ21と、糸掛け部材22と、電動モータ23と、を主要な構成として備えている。
【0038】
糸掛け部材22は、紡績糸10に係合する(引っ掛ける)ことが可能に構成されている。また、糸掛け部材22は、糸貯留ローラ21に対して相対回転可能に支持されるとともに、適宜の付勢手段により糸掛け部材22が糸貯留ローラ21に対し相対回転するのに抗するトルクが発生するように構成されている。この抵抗トルクにより、糸掛け部材22は糸貯留ローラ21の回転に追従して回転し、結果として両者が一体的に回転できるように構成されている。一方、この抵抗トルクに打ち勝つような力が糸掛け部材22に加わった場合は、糸掛け部材22は糸貯留ローラ21に対して相対的に回転することができる。
【0039】
糸貯留ローラ21は、その外周面に紡績糸10を巻き付けて貯留できるように構成されている。この糸貯留ローラ21は、電動モータ23によって回転駆動される。以上の構成で、糸が係合した状態の糸掛け部材22が糸貯留ローラ21と一体的に回転すると、紡績糸10は糸掛け部材22によって振り回され、糸貯留ローラ21の外周面へ案内されて巻き付けられる。糸貯留ローラ21に巻き付けられた紡績糸10は、糸貯留ローラ21の基端側に順次巻き付けられる新たな紡績糸10によって糸貯留ローラ21の先端側へ送られる。そして、紡績糸10は、糸貯留ローラ21の先端側から引き出され、糸掛け部材22を通過した後、巻取装置12へ送られる。
【0040】
次に、糸貯留装置11の張力調節機能について説明する。糸貯留ローラ21に紡績糸10が巻き付いた状態で、糸掛け部材22に係合している紡績糸10を下流側に引っ張る力が与えられると、糸貯留ローラ21の先端側から紡績糸10を解舒するように糸掛け部材22を回転させようとする力が、糸掛け部材22に加わる。従って、糸貯留装置11の下流側の糸張力(糸貯留装置11と巻取装置12と間の糸張力)が前記抵抗トルクに打ち勝つほど強ければ、糸掛け部材22が糸貯留ローラ21と独立して回転することにより、糸貯留ローラ21の先端側から糸掛け部材22を介して紡績糸10が徐々に解舒される。
【0041】
逆に、糸貯留装置11の下流側の糸張力が前記抵抗トルクに打ち勝つほど強くない場合は、糸掛け部材22が糸貯留ローラ21と一体的に回転する。この場合、糸掛け部材22は、回転する糸貯留ローラ21の先端側から紡績糸10が解舒されることを阻止するように働く。
【0042】
このように、糸貯留装置11は、下流側の糸の張力が上がると糸を解舒し、糸の張力が下がる(糸が弛みそうになる)と糸の解舒を止めるように動作することで、糸の弛みを解消して適切な張力を付与することができる。
【0043】
次に、図3及び図4を参照して紡績装置9の構成について説明する。図3は、紡績装置9の構成を示す拡大側面図である。図4は、紡績装置9の電気的構成の一部を模式的に示すブロック図である。
【0044】
図3に示すように、本実施形態の紡績装置9は、2つに分割されたブロック、即ち第1ブロック91及び第2ブロック92により構成されている。第1ブロック91は、第2ブロック92よりもドラフト装置7に近い側(繊維束8の走行方向で見た場合、第2ブロック92よりも上流側)に設けられている。また、本実施形態の紡績装置9は、ユニット単位で紡績機1のフレーム6に取り付けられており、ユニット単位での着脱が可能になっている。以下に、紡績装置9を構成する各部について説明していく。
【0045】
まず、第1ブロック91について説明する。図3に示すように、第1ブロック91はアーム状に構成されており、後述の第1ノズル71を支持するハウジングとして機能している。この第1ブロック91は、回動軸99を中心に回動可能にフレーム6に取り付けられている。
【0046】
第1ブロック91の先端には、第1シャワーノズル72及び第1ノズル71が配置されている。図3に示すように、紡績中においては、第1ノズル71の先端がフロントローラ18及びフロントボトムローラ28のニップ点に対面するように、第1ブロック91の位置が固定されている。第1ブロック91の上方にはストッパ41が配置されており、紡績時には、前記ストッパ41が第1ブロック91に当たることによって第1ブロック91の位置決めが行われている。
【0047】
また、第1ブロック91の下方には、ドラフト装置7から離間する方向への回動を規制するストッパ(規制部材)42が配置されている。このストッパ42は、紡績時においては図3に示すように、第1ブロック91に接触しない。一方、第1ブロック91が紡績時の位置から所定の角度だけ回動すると、ストッパ42が第1ブロック91に当たることで、それ以上の回動を阻止するようになっている。
【0048】
このように、第1ブロック91は、第1ブロック91の上方に配置されるストッパ41と、下方に配置されるストッパ42と、の間に挟まれる形となっており、これらストッパ41,42によって第1ブロック91の回動ストロークが規定されている。なお、本実施形態のストッパ42は、第1ブロック91のみに接触するように、第2ブロック92を避けてその位置が設定されている。
【0049】
第1ノズル71は、ドラフト装置7から送られてくる前記繊維束8を挿通させながらその繊維束8に旋回流を作用させるためのものである。第1ノズル71には、繊維束8を通過させるための第1ノズル繊維通過経路(第1ノズル内の繊維走行経路)75が形成されている。そして、第1ノズル71の内部には、前記第1ノズル繊維通過経路75に出口端が開口される複数の第1ノズル内空気噴出孔(第1ノズル内空気噴出部)30が形成されている。これら第1ノズル内空気噴出孔30は第1ノズル繊維通過経路75の周囲に穿設された細長い孔からなり、この孔は第1ノズル繊維通過経路75の接線方向に形成されるとともに、その長手方向は糸送り下流側に若干傾斜して設けられている。
【0050】
また、紡績時において、第1ノズル71から第2ノズル81に吸引されていく繊維が通過する渡り部分としての繊維通過室61が第1ブロック91に形成されている。図3に示すように、紡績時の繊維通過室61は、第2ノズル81で蓋をされるような形になっており、外部から閉鎖された状態(渡り部分が密封された状態)となる。
【0051】
また、第1ブロック91には、この繊維通過室61に連通する第1ブロック内吸引経路62が形成されている。図3に示すように、この第1ブロック内吸引経路62は、第1ブロック91に接続されるフレキシブルなチューブ63及びパイプ(図面において省略)等を介して図略の負圧源に接続されており、これによって、第1ノズル71で噴射される圧縮空気流を排気するとともに、繊維通過室61内にたまった繊維屑を吸引除去できるようになっている。この第1ブロック内吸引経路62は、上述した吸引コレクタ60に分岐しており、吸引コレクタ60に吸引力を作用させるための経路にもなっている。繊維通過室61から吸引された繊維屑及び吸引コレクタ60によって吸引された繊維屑は、チューブ63及びパイプ等を通って図略の風綿ボックスに回収される。
【0052】
図4に示すように、第1ノズル71はソレノイドバルブ95等を介して紡績ノズル用圧空源94に接続されている。第1ノズル71は、この紡績ノズル用圧空源94から供給された圧縮空気を第1ノズル内空気噴出孔30から第1ノズル繊維通過経路75に噴射することで、第1ノズル繊維通過経路75内に旋回流を発生させることが可能になっている。
【0053】
第1シャワーノズル72(第1ノズル用クリーニング装置)は、第1ノズル71の先端に付着した繊維屑や埃等を除去するためのものである。図3に示すように、第1シャワーノズル72は、第1ブロック91の先端に固定されており、第1ノズル71の先端に圧縮空気を噴射できるように、その噴射口の向きが設定されている。
【0054】
図4に示すように、第1シャワーノズル72はソレノイドバルブ97等を介してクリーニング用圧空源96に接続されている。第1シャワーノズル72は、このクリーニング用圧空源96から供給された圧縮空気を第1ノズル71の先端に噴射することで、第1ノズル71の先端に付着した繊維屑や埃等を吹き飛ばすことが可能になっている。
【0055】
次に、第2ブロック92について説明する。第2ブロック92は、図3に示すようにアーム状に構成されており、後述の第2ノズル81を支持するハウジングとして機能している。第2ブロック92は、その回動中心が第1ブロック91の回動中心と一致するように、回動軸99を介してフレーム6に取り付けられている。そして、第2ブロック92の先端に、前記第2ノズル81及び第2シャワーノズル82が配置されている。
【0056】
上述したように、第1ブロック91には、第2ブロック92の一部を収容可能な収容スペースとしての繊維通過室61が形成されており、第2ブロック92は、第2ノズル81を含む一部が第1ブロック91に収容された状態で紡績を行う。従って、紡績時においては、第2ノズル81は第1ブロック91の内部に隠れた状態になる。
【0057】
図4に示すように、第2ブロック92には空気圧シリンダ80(図3において省略)が接続されており、この空気圧シリンダ80の駆動によって第2ブロック92を紡績時の位置から移動させることが可能になっている。
【0058】
また、第2ブロック92は、第1ブロック91と機械的要素を介して連結されている。本実施形態においては、第1ブロック91と第2ブロック92の回動中心を一致させつつ、捩りバネ等の付勢手段(上記の機械的要素に相当。図面において省略)を介して第1ブロック91と第2ブロック92とが連結されている。このように第1ブロック91が第2ブロック92に連結されているので、前述した空気圧シリンダ80を動作させることで、第2ブロック92とともに第1ブロック91を一体的に移動させることが可能になっている。
【0059】
第2ノズル81は、第1ノズル繊維通過経路75を通過してきた繊維束8に旋回流を作用させるためのものである。図3に示すように、本実施形態の第2ノズル81は、第1ノズル71に対してその糸道が傾斜するように配置されている。
【0060】
この第2ノズル81には、第1ノズル71と同様に、繊維束8を通過させるための第2ノズル繊維通過経路(第2ノズル内の繊維走行経路)85が形成されている。この第2ノズル繊維通過経路85は、紡績時において、その長手方向が第1ノズル繊維通過経路75の長手方向に対して傾斜するようになっている。従って、紡績装置9に供給された繊維束8は、紡績装置9内を屈曲しながら進むことになる。
【0061】
第2ノズル81の内部には、前記第2ノズル繊維通過経路85に出口端が開口される複数の第2ノズル内空気噴出孔(第2ノズル内空気噴出部)31が形成されている。これら第2ノズル内空気噴出孔31は第2ノズル繊維通過経路85の周囲に穿設された細長い孔からなる。そして、第2ノズル内空気噴出孔31は、第1ノズル71の第1ノズル繊維通過経路75で発生する旋回流とは向きが逆の旋回流を発生させるように、その開口の向きが設定されている。
【0062】
第2ノズル81は、第1ノズル71と同様に、ソレノイドバルブ95等を介して紡績ノズル用圧空源94に接続されている(図4を参照)。この紡績ノズル用圧空源94から供給された圧縮空気を第2ノズル繊維通過経路85に噴射することで、第2ノズル繊維通過経路85内に、第1ノズル繊維通過経路75内で発生する旋回流とは逆の向きの旋回流を発生させることができる。即ち、第1ノズル71の第1ノズル繊維通過経路75内で発生する繊維束8のバルーニングの向きと、第2ノズル繊維通過経路85内で発生する繊維束8のバルーニングの向きと、を逆にすることができる。
【0063】
第2シャワーノズル82(第2ノズル用クリーニング装置)は、第2ノズル81の先端に付着した繊維屑や埃等を除去するためのものである。この第2シャワーノズル82は、第2ノズル81の先端に圧縮空気を噴射できるようにその噴射口の向きが設定されている。図4に示すように、第2シャワーノズル82は、第1シャワーノズル72と同様に、ソレノイドバルブ97等を介してクリーニング用圧空源96に接続されている。
【0064】
また、本実施形態の紡績機1は、紡績ユニット2を制御するためのユニットコントローラ32を紡績ユニット2ごとに備えている。図4に示すように、ユニットコントローラ32はソレノイドバルブ95及びソレノイドバルブ97に電気的に接続されており、これらのバルブを開閉制御することができる。また、ユニットコントローラ32は、空気圧シリンダ80を伸縮させるための図略の電磁バルブにも電気的に接続されており、当該電磁バルブを開閉制御することができる。
【0065】
ソレノイドバルブ95は、ユニットコントローラ32からの動作信号を受信した時(通電時)に経路を閉鎖するように構成されている。このソレノイドバルブ95は、通常時(非通電時)は、第1ノズル内空気噴出孔30及び第2ノズル内空気噴出孔31に圧縮空気を供給するように、その経路を開放している。一方、ソレノイドバルブ97は、ユニットコントローラ32からの動作信号を受信した時(通電時)に経路を開放するように構成されており、通常時(非通電時)は経路を閉鎖している。なお、ソレノイドバルブ95及びソレノイドバルブ97の電磁弁の構成は、事情に応じて適宜変更することが可能であり、経路の開閉をユニットコントローラ32で制御できるものであれば、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0066】
この構成で、紡績装置9は、ドラフト装置7から送られてきた繊維束8を紡績する。より具体的には、第1ノズル71内の旋回流によって第1ノズル繊維通過経路75の入口付近に吸引流が発生し、この吸引作用によって、繊維束8が当該第1ノズル繊維通過経路75内に吸い込まれる。第1ノズル繊維通過経路75に吸引された繊維束8は下流側の第2ノズル繊維通過経路85に導入され、この第2ノズル繊維通過経路85内に発生する旋回流によって仮撚りされる。この仮撚りは、フロントローラ18及びフロントボトムローラ28のニップ点を通過した後の繊維の集束点まで伝播する。
【0067】
それとともに、この撚りが加わった繊維束8に、フロントローラ18及びフロントボトムローラ28を通過する際に分離した一部の繊維が、第1ノズル繊維通過経路75内の旋回流の作用によって、前記繊維束8の撚方向とは逆方向に巻き付く。このように、第2ノズル81で発生する旋回流の向きを第1ノズル71で発生する旋回流の向きと逆にすることで、第1ノズル71で繊維束8の撚方向と逆方向に巻き付いた繊維が、第2ノズルの作用で繊維束8を強く締め付けながら当該繊維束8に巻き付いていく。これによって、繊維束8を芯糸とした糸強力の高い結束紡績糸10が形成されることになる。このようにして繊維束8から紡績された紡績糸10は、糸貯留装置11を通過して巻取装置12側へ送られる。
【0068】
次に、図5及び図6を参照して、紡績装置9が備える第1ブロック91及び第2ブロック92の開放動作と、第1シャワーノズル72及び第2シャワーノズル82による自動クリーニングについて説明する。図5は、第1ブロック91がフロントローラ18及びフロントボトムローラ28から離間したときの紡績装置9の様子を示す拡大側面図である。図6は、第2ブロック92が第1ブロック91から離間したときの紡績装置9の様子を示す拡大側面図である。なお、自動クリーニングを行うタイミングは、事情に応じて適宜のタイミングとすることができる。例えば、オペレータが図略の操作手段を操作したタイミングで自動クリーニングを行う構成としてもよい。また、ユニットコントローラ32が定期的に自動クリーニングを行わせるように各部を適宜のタイミングで制御する構成としてもよい。
【0069】
自動クリーニングが開始されると、ユニットコントローラ32は、第2ブロック92をドラフト装置7から離間させるために、図略の電磁バルブに動作信号を送信する。動作信号を受信した電磁バルブは、第2ブロック92が下方(図5の矢印の向き)に回動するように空気圧シリンダ80を動作させる。また、上述したように第1ブロック91は第2ブロック92と図略の捩りバネによって連結されているため、第1ブロック91は、第2ブロック92に追従して一体的に下方へ回動する。
【0070】
図5に示すように、第1ブロック91の下面がストッパ42に接触する位置まで回動すると、ストッパ42によって当該第1ブロック91のそれ以上の下方回動は規制され、第1ブロック91はその位置(以下、開放位置と称することがある)で停止する。一方、第2ブロック92は前述したようにストッパ42には接触しないので、そのまま下方(図6の矢印の向き)に回動する。この結果、第2ブロック92が第1ブロック91から離間して第2ノズル81の先端が大きく露出し、図6に示す状態となる。
【0071】
また、ユニットコントローラ32は、自動クリーニングの制御が開始されると、ソレノイドバルブ95に動作信号を送信し、第1ノズル71及び第2ノズル81への圧縮空気の供給を停止する。そして、図6に示す位置まで第2ブロック92が移動したところで、ユニットコントローラ32はソレノイドバルブ97に動作信号を送信し、第1シャワーノズル72及び第2シャワーノズル82に圧縮空気を供給する。これによって、第1シャワーノズル72の噴射口から第1ノズル71の先端部に向けて、図6に矢印で示す方向の圧縮空気が吹き付けられる。同様に、第2シャワーノズル82の噴射口から第2ノズル81の先端部に向けて、図6に矢印で示す方向の圧縮空気が吹き付けられる。
【0072】
第1ノズル71の先端又は第2ノズル81の先端に付着していた繊維屑等は、第1シャワーノズル72又は第2シャワーノズル82から吹き付けられた空気の勢いによって紡績装置9の外部に吹き飛ばされ、除去される。なお、本実施形態の紡績装置9は、第1シャワーノズル72及び第2シャワーノズル82によるクリーニング処理を省略して、第1ブロック91及び第2ブロック92の開閉動作のみを行わせることも可能になっている。
【0073】
また、上述したように、紡績装置9は紡績機1のフレーム6にユニット単位で取り付けられている。そして、本実施形態の紡績機1は、上記の紡績装置9と、それとは構造の異なる紡績装置と、をユニット単位で交換できるように構成されている。なお、上記実施形態と異なる構造の紡績装置としては、例えば、ノズルとスピンドルとから構成される空気紡績装置とすることが考えられる。これによって、紡績装置9を取り付けるためのフレーム6を共通化することができる。従って、紡績機1に用いる紡績装置9を目的及び用途に応じて選択することが可能になるとともに、紡績機1の製造効率の効果的な向上が実現されることになる。
【0074】
以上に示したように、本実施形態の紡績機1が備える紡績装置9は、以下のように構成される。即ち、紡績装置9は、第1ノズル71と、第1ブロック91と、第2ノズル81と、第2ブロック92と、を備える。第1ブロック91は、第1ノズル71を支持する。第2ノズル81は、第1ノズル71より繊維走行方向の下流側に配置される。第2ブロック92は、第2ノズル81を支持し、第1ブロック91から離れる方向に移動することで、第2ノズル81を外部に露出させることができる。
【0075】
これにより、第2ノズル81を支持する第2ブロック92が第1ブロック91から離れるように移動するので、第2ノズル81のメンテナンスを行うための十分なスペースを容易に確保することができる。従って、ノズルの詰まりの原因となる繊維屑等を効率的に除去することができる。
【0076】
また、本実施形態の紡績装置9においては、第1ノズル71を通過した繊維が第2ノズル81に到達するまでの経路は、紡績時には、外部から隔てられるように構成される。
【0077】
これにより、吸引効率が向上し、第2ノズル81等に堆積する風綿量を効果的に減少させることができる。
【0078】
また、本実施形態の紡績装置9においては、紡績時の第2ノズル81内の第2ノズル繊維通過経路85は、第1ノズル71内の第1ノズル繊維通過経路75に対して傾斜するように配置されている。
【0079】
これにより、紡績装置9を取り付ける紡績機1の構造に柔軟に対応することが可能になる。
【0080】
また、本実施形態の紡績装置9においては、第1ブロック91は、第1ノズル71より繊維走行方向の上流側に配置されるフロントローラ18及びフロントボトムローラ28から離間する方向に移動可能に構成される。
【0081】
これにより、第1ノズル71のメンテナンスを行うための十分なスペースを確保することができ、空気紡績装置のメンテナンスの効率を一層向上させることができる。
【0082】
また、本実施形態の紡績装置9においては、以下のように構成される。即ち、紡績装置9は、第1ブロック91をフロントローラ18及びフロントボトムローラ28から離間する方向に移動させた所定位置で当該第1ブロック91の移動を規制するストッパ42を備える。第1ブロック91は、第2ブロック92と機械的要素を介して連結されている。第2ブロック92がフロントローラ18及びフロントボトムローラ28から離れる方向に移動すると、ストッパ42によってその移動が規制されるまで、第1ブロック91が第2ブロック92と一体的に移動する。
【0083】
これにより、第2ブロック92を移動させるだけで、第1ブロック91をフロントローラ18及びフロントボトムローラ28から離間させるとともに、第1ブロック91から第2ブロック92を離間させることができる。
【0084】
また、本実施形態の紡績装置9においては、第1ノズル71に圧縮空気を噴射可能に構成される第1シャワーノズル72を備える。
【0085】
これにより、第1シャワーノズル72によって噴射される圧縮空気によって第1ノズル71の詰まりの原因となる繊維屑等を吹き飛ばして除去することができる。
【0086】
また、本実施形態の紡績装置9においては、以下のように構成される。即ち、第1ノズル71内には、旋回流を発生させるための第1ノズル内空気噴出孔30が形成される。第1ノズル内空気噴出孔30に圧縮空気を供給する供給経路には、ソレノイドバルブ95が配置される。第1シャワーノズル72の動作時は、ソレノイドバルブ95を制御して圧縮空気の供給を停止する。
【0087】
これにより、紡績時は第1ノズル71内に旋回流を発生させながら紡績することができる。一方で、クリーニング時には第1ノズル71への圧縮空気の供給を停止させることで、旋回流の影響を受けることなく、第1シャワーノズル72による繊維屑等の除去を効果的に行うことができる。
【0088】
また、本実施形態の紡績装置9においては、第2ノズル81に圧縮空気を噴射可能に構成される第2シャワーノズル82を備える。
【0089】
これにより、第2ノズル81を露出させた状態で、第2シャワーノズル82によって圧縮空気を噴射することで、ノズルの詰まりの原因となる繊維屑等を第2ノズル81から外部に吹き飛ばして効率的に除去することができる。
【0090】
また、本実施形態の紡績装置9においては、以下のように構成される。即ち、第2ノズル81内には、旋回流を発生させるための第2ノズル内空気噴出孔31が形成される。第2ノズル内空気噴出孔31に圧縮空気を供給する供給経路には、ソレノイドバルブ95が配置される。第2シャワーノズル82の動作時は、ソレノイドバルブ95を制御して圧縮空気の供給を停止する。
【0091】
これにより、紡績時は第2ノズル81内に旋回流を発生させながら紡績することができる。一方で、クリーニング時には第2ノズル81への圧縮空気の供給を停止させることで、旋回流の影響を受けることなく、第2シャワーノズル82による繊維屑等の除去を効果的に行うことができる。
【0092】
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。
【0093】
第1シャワーノズル72及び第2シャワーノズル82の配置場所は、事情に応じて適宜変更することができる。例えば、第2シャワーノズル82を第1ブロック91の下面側に配置することもできる。
【0094】
また、紡績機1の構成は事情に応じて適宜変更することができる。例えば、上記実施形態の紡績機1が備える糸貯留装置11に代えて、1対のローラからなる糸送り装置を紡績装置9の下流側に配置する構成に変更することができる。
【0095】
また、本実施形態で用いられる圧空源及び圧空源から各部に圧縮空気を供給するための経路は、事情に応じて適宜変更することができる。例えば、紡績ノズル用圧空源94とクリーニング用圧空源96を共通化することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 紡績機
9 紡績装置(空気紡績装置)
30 第1ノズル内空気噴出孔(第1ノズル内空気噴出部)
31 第2ノズル内空気噴出孔(第2ノズル内空気噴出部)
42 ストッパ(規制部材)
71 第1ノズル
72 第1シャワーノズル(第1ノズル用クリーニング装置)
81 第2ノズル
82 第2シャワーノズル(第2ノズル用クリーニング装置)
91 第1ブロック(第1支持部材)
92 第2ブロック(第2支持部材)
95 ソレノイドバルブ(電磁弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノズルと、
前記第1ノズルを支持する第1支持部材と、
前記第1ノズルより繊維走行方向の下流側に配置される第2ノズルと、
前記第2ノズルを支持し、前記第1支持部材から離れる方向に移動することで、前記第2ノズルを外部に露出させることができる第2支持部材と、
を備えることを特徴とする空気紡績装置。
【請求項2】
請求項1に記載の空気紡績装置であって、
前記第1ノズルを通過した繊維が前記第2ノズルに到達するまでの経路は、紡績時には、外部から隔てられるように構成されることを特徴とする空気紡績装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気紡績装置であって、
紡績時の前記第2ノズル内の繊維走行経路は、前記第1ノズル内の繊維走行経路に対して傾斜するように配置されていることを特徴とする空気紡績装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の空気紡績装置であって、
前記第1支持部材は、前記第1ノズルより繊維走行方向の上流側に配置されるドラフトローラから離間する方向に移動可能に構成されることを特徴とする空気紡績装置。
【請求項5】
請求項4に記載の空気紡績装置であって、
前記第1支持部材を前記ドラフトローラから離間する方向に移動させた所定位置で当該第1支持部材の移動を規制する規制部材を備え、
前記第1支持部材は前記第2支持部材と機械的要素を介して連結されており、前記第2支持部材が前記ドラフトローラから離れる方向に移動すると、前記規制部材によってその移動が規制されるまで、前記第1支持部材が前記第2支持部材と一体的に移動することを特徴とする空気紡績装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の空気紡績装置であって、
前記第1ノズルに圧縮空気を噴射可能に構成される第1ノズル用クリーニング装置を備えることを特徴とする空気紡績装置。
【請求項7】
請求項6に記載の空気紡績装置であって、
前記第1ノズル内には、旋回流を発生させるための第1ノズル内空気噴出部が形成され、
前記第1ノズル内空気噴出部に圧縮空気を供給する供給経路には、電磁弁が配置され、
前記第1ノズル用クリーニング装置の動作時は、前記電磁弁を制御して圧縮空気の供給を停止することを特徴とする空気紡績装置。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の空気紡績装置であって、
前記第2ノズルに圧縮空気を噴射可能に構成される第2ノズル用クリーニング装置を備えることを特徴とする空気紡績装置。
【請求項9】
請求項8に記載の空気紡績装置であって、
前記第2ノズル内には、旋回流を発生させるための第2ノズル内空気噴出部が形成され、
前記第2ノズル内空気噴出部に圧縮空気を供給する供給経路には、電磁弁が配置され、
前記第2ノズル用クリーニング装置の動作時は、前記電磁弁を制御して圧縮空気の供給を停止することを特徴とする空気紡績装置。
【請求項10】
請求項1から9までの何れか一項に記載の空気紡績装置を備える紡績機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−38210(P2011−38210A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186571(P2009−186571)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】