説明

空気調和装置およびその風量補正方法

【課題】二つのブロワファンから送り込まれる空気の風量の変動を補正するようにした、空気調和装置を提供する。
【解決手段】前記車室R1,R2に対し、それぞれ車内設定温度と、車内の温度検出信号に基づいて目標吹出し風量Vを設定し、この目標吹出し風量Vから目標電流値Iを導き出して、初期指令回転数Rとしてブロワファン8,9のモータに出力し、このブロワファン8,9の消費電流Iを監視して、モータの消費電流Iが目標電流値Iでなければ、モータへの出力指令回転数Rを補正するようにして、ブロワファン8,9の消費電流Iを目標電流値Iとなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関するもので、特に、一つの熱交換器を共用するように設けた二つのブロワファンから送り込まれる空気の風量の違いからくる、いわゆる空気の引きずり込みによって生ずる風量の変動を補正するようにした、空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両、特にバス、トラックなどの大型車両には、複数の吹出口が形成された空気調和装置を設けている。
近年の大型化したバスにおいては、広大な車室内の快適性を確保するべく、車室天井など、随所に多数の吹出口を設けて、搭載している空気調和装置からの新鮮な空気を、すみずみまで、行き渡らせるようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−72977号
【0004】
この文献における車両用冷却ファンモータの駆動装置では、複数の冷却ファンモータの定格設定がアンバランスである場合でも、冷却効率を向上させるように制御を行うとしたもので、2つの冷却ファンを回転させるモータの定格が異なり、駆動用電源が共通のバッテリで且つエンジンECUが出力するPWMデューティ指令信号が共通であっても、電圧補正回路がその定格の差に応じて、駆動電圧を等価的に変化させることで、各冷却ファンが生成する送風量を略均一にするとしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、夫々のエアコンユニットのブロワファン出力に差が出た場合、連通部を介して、いわゆる空気の引きずり込みが発生することがある。
そうすると、風量小側においては、空気が出にくくなり、目標風量に達せず、逆に風量大側においては、空気が出すぎる傾向があることがわかっている。特に、片方風量最大、他方風量最小となった場合に、最小側では風量が極端に少なくなる傾向にある。
本発明はこのような課題を改善するために提案されたものであって、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量の空気を送り込む際、それぞれの室内に対して送り込む空気の風量を監視して、これら送り込む空気の風量の過分な増加・減少に対し、これを補正することで、それぞれの室内へ所望風量の空気を送り込むようにした、空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明における請求項1では、対をなすブロワファン8,9を近接して設けて一つの熱交換器4を介して、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量Vの空気を送り込む際、それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、空気の風量の過分な増加・減少に対し、これを補正することで、それぞれの室内へは、所望風量の空気を送り込むことができる。
【0007】
また本発明における請求項2では、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量Vの空気を送り込む際、それぞれの室内に対して送り込む空気の風量Vを監視して、それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、空気の風量の変動に対応してダンパ13を制御し、空気流路の断面積を変化させることで、それぞれの室内へは、所望風量の空気を送り込むことができる。
【0008】
また本発明における請求項3では、対をなすブロワファン8,9を近接して設けて一つの熱交換器4を介して、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量の空気を送り込む際、それぞれの室内に送り込む空気の風量を監視して、前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、空気の風量の変動に対し、予め所望風量に補正するべく前記ブロワファンの出力を制御することで、それぞれの室内へは、所望風量の空気を送り込むことができる。
【0009】
また本発明における請求項4では、一つの熱交換器4を共用するように近接して設けた対をなすブロワファン8,9から、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量の空気を送り込む際、それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、送り込む空気の風量の変動に対し、ブロワファン8,9の消費電流Iを監視して、この消費電流Iがブロワファン8,9の目標電流値Iに達するように、ブロワファン8,9の出力を制御することで、それぞれの室内へ送り込まれる空気の風量を、所望風量に補正することができる。
【0010】
また本発明における請求項5では、車体に搭載した筐体3に一つの熱交換器4を共用するように近接して設けた対をなすブロワファン8,9から、二つの車室R1,R2内に向けて、それぞれ所望風量Vの空気を吹き出す際、それぞれの車室内に対して送り込む空気の風量Vの差異に起因して生ずる、送り込む空気の風量Vの変動に対し、ブロワファン8,9の消費電流Iを監視して、この消費電流Iがブロワファン8,9の目標電流値Iに達するようにブロワファン8,9の出力を制御することで、それぞれの車室R1,R2内へ送り込まれる空気の風量を、所望風量に補正することができる。
【0011】
また本発明における請求項6では、区画された少なくとも2つの室内に所望風量Vの空気を送り込む際、室内設定温度と検出された室内温度から風量Vを設定して、ブロワファン8,9を駆動して室内に空気を送り込み、その際の消費電流Iを監視して、予め設定した風量Vの空気が噴出しているか否かを判定し、設定した風量Vに達していないときは、消費電流Iを、設定した風量の運転時における目標電流値Iとするべく補正するようにしたので、それぞれの室内へ送り込まれる空気の風量を、所望風量に補正することができる。
【0012】
さらに本発明における請求項7では、車体に搭載した筐体3に一つの熱交換器4を共用するように近接して設けた対をなすブロワファン8,9から、二つの車室R1,R2内に向けて、それぞれ所望風量Vの空気を吹き出す際、前記車室R1,R2に対し、それぞれ車内設定温度と、車内の温度検出信号に基づいて前記車室R1,R2に対する目標吹出し風量Vを設定し、この目標吹出し風量Vから目標電流値Iを導き出して、初期指令回転数Rとして、ブロワファン8,9におけるモータに出力し、前記ブロワファン8,9のモータの消費電流Iを監視して、モータの消費電流Iが目標電流値Iでなければ、モータの消費電流I<目標電流値Iの判定を行い、モータへの出力指令回転数Rを補正するようにして、ブロワファン8,9におけるモータの消費電流Iを目標電流値Iとなるようにしたことで、それぞれの車室R1,R2内へ送り込まれる空気の風量Vを、所望風量Vに補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明にかかる空気調和装置につき、一つの実施の態様を示し、添付の図面に基づいて説明する。
図1に、車両としてバス1に搭載した、本発明にかかる空気調和装置2を示す。
このバス1としては、例えば、いわゆる2階建バス1を例示している。
この空気調和装置2は、前記バス1の上下の一階車室R1および二階車室R2後方のスペースに設置した筐体3に、エアコンユニットとして内蔵されたプレートフィン熱交換器4と、前記筐体3内の隔壁5で仕切られた2つの空気通路6,7に、夫々配置されたブロワファン8,9とを備えている。
【0014】
また、前記筐体3におけるブロワファン8,9から、前記一階、二階車室R1,R2におけるシートS上の天井に至るダクト10,11を配設している。そして、これらダクト10,11には、前記シートSに向けて、所望風量の空気を吹き出す、吹出口12を形成している。
【0015】
そして、以上のような空気調和装置2では、一つの熱交換器4を共用するように設けた二つのブロワファン8,9から送り込まれる空気の風量の違いからくる、いわゆる空気の引きずり込みが生ずるため、これを補正するために以下のような手段が講じられている。
【0016】
すなわち、例えば、空気調和装置2では、一階、二階車室R1,R2に、図示しない設定手段でそれぞれ所望風量Vの空気を送り込む際、それぞれ一階、二階車室R1,R2に対して送り込む空気の風量を適宜な手段により監視するようにしている。この場合、風量を監視する手段としては、ブロワファン8,9により生成される風量Vの変動を、ブロワファンの消費電流Iを監視する(例えば電流検出手段)ことで把握することができる。
そして、熱交換器4から対をなすブロワファン8,9に至る空気流路にはダンパ13を介設している。
これにより、一階、二階車室R1,R2に対して送り込む空気の風量Vを監視して、空気の風量Vの差異に起因して生ずる、空気の風量Vの変動に対応してダンパ13を制御し、空気流路の断面積を変化させることで、一階、二階車室R1,R2に対して送り込む空気の風量を補正し、一階、二階車室R1,R2に所望風量の空気を供給する構成としている。
【0017】
以上のような空気調和装置2によれば、一階、二階車室R1,R2に対して送り込む空気の風量Vを監視して、空気の風量Vの差異に起因して生ずる、空気の風量Vの変動に対応してダンパ13を制御し、空気流路の断面積を変化させることで、一階、二階車室R1,R2に対して送り込む空気の風量を補正することができる。
これにより、ブロワファン8,9自体に対しては、何ら増速減速制御する必要はなく、単にダンパ13を制御し、空気流路の断面積を変化させるだけであるから、単純な制御構成となり、風量調整を達成することができるので、設備コストを抑制することができる。
【0018】
本発明にかかる空気調和装置2は、以下のように構成することもできる。なお、ここでは、前述の空気調和装置2における構成要素と同様の構成要素には、同符号を付している。
すなわち、この場合の空気調和装置2では、ブロワファン8,9の消費電流を監視する適宜な電流検出手段(図示省略)による電流値Iを、本来流れるべき電流値Iと比較して、この電流値Iに達するように制御して、ブロワファン8,9の出力を制御することで、ブロワファン8,9によって生成される風量の補正を行う構成としており、図4に示す制御手順が組み込まれたコントローラ(図示省略)を搭載している。
また、コントローラには、温度を設定する設定手段(図示省略)、車内温度検出手段からの信号を取り込んで、後述する制御手順に沿って風量調整を実行するようにしている。
なお、コントローラは、周知の構成であるので、ここでは、具体的な構成並びに図示は省略している。
【0019】
以上のような構成の空気調和装置2において、前記コントローラに組み込まれた制御手順について図4に示すフローチャートに基づいて説明すると共に、併せて、その制御手順に基づいて動作を説明する。
すなわち、前記コントローラに組み込まれている制御手順のコンセプトとしては、若し一階と二階とで風量のアンバランスが発生した場合、その風量指令の差分ΔVの大きさに応じて、風量小側の風量を補正し、温調制御により決定された風量Vに対して、関数Fだけ増加させるというものである。なお、この関数Fとは、ブロワファンの消費電流Iと出力される風量Vとの間に成り立つ相関関数を示す。また、ブロワファンの消費電流Iは、モータの回転数Rとは、例えば入力電圧が一定という特定条件下においては、負荷(トルク)に対し、それぞれ直線的変化関係にある。
このことから、この制御手順では、ブロワファン8,9により生成される風量Vの変動を、ブロワファンの消費電流Iを監視する(例えば電流検出手段)ことで把握し、当初の所望風量Vに調整するために、消費電流Iを目標電流値Iに補正するべく、モータへ、初期指令回転数Rを基準として補正値を増減して、補正指令回転数Rを出力するようにしている。
これによって、風量大側の影響により減少する風量を補正することができ、本来必要な風量に調整することができる。
【0020】
先ず、前記コントローラの制御手順において、コントローラは、ステップ1(S1)で、温度を設定する設定手段(図示省略)、車内温度検出手段からの信号を取り込む。
次に、コントローラは、ステップ2(S2)において、温度設定手段、車内温度検出手段からの信号に基づいて所望風量である目標吹出し風量Vを設定する。
さらに、ステップ3(S3)において、目標吹出し風量Vから、蓄積データにおける風量Vと消費電流Iとのデータテーブルから、目標電流値I(初期指令回転数R)として風力指令B1(B2)を導き出す{ステップ4(S4)}。なお、目標吹出し風量Vから、所定の演算により目標電流値I(初期指令回転数R)を算出するようにしてもよい。
次いで、ステップ5(S5)において、ブロワファン8,9のモータに、初期指令回転数Rにて、風力指令B1(B2)として出力し、ブロワファン8,9を駆動する。
これによって、バス1の一階、二階車室R1,R2内へ、空気調和装置2の筐体3におけるブロワファン8,9から、ダクト10,11を通じて、一階、二階車室R1,R2内のシートSに向けて吹出口12から、所望風量Vの空気を吹き出すことができる。
【0021】
ところで、空気調和装置2における筐体3内のエアコンユニットで、一階、二階車室R1,R2の目標吹出し風量Vの値に差が出た場合、風量差による、いわゆる空気引きずり込みに起因する、それぞれの風量Vの過不足が発生する(図2、および図3参照)。
【0022】
このとき、制御手順では、ステップ6(S6)において、電流検出手段より、ブロワファン8,9のモータの消費電流Iを監視している。
このときのモータの消費電流Iが、I=目標電流値Iであれば、一階、二階車室R1,R2内へ、目標吹出し風量Vにて、運転がなされているとして、そのまま、ブロワファン8,9への風量指令B1(B2)にて運転を続行することができる。
【0023】
一方、I=目標電流値Iでなければ、ステップ7(S7)へ進み、ここで、I<目標電流値Iの判定を行う。
I<目標電流値Iであれば、ステップ8(S8)においてモータへの出力指令回転数Rを、R+Constとし、一方、I<目標電流値Iでなければ、ステップ9(S9)においてモータへの出力指令回転数Rを、R−Constとして、風量指令B1'(B2')にてブロワファン8,9を運転し、目標電流値Iとなるようにする(図3参照)。
【0024】
このように、この空気調和装置2においては、ブロワファン8,9の消費電流Iと出力される風量Vの相関関係を利用し、ブロワファン8,9の消費電流Iを監視し、本来流れるべき電流値Iへ向けて、風量指令B1,B2を必要なだけ補正することで風量補正を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明にかかる空気調和装置を適用した二階建てバスの一例を示す、模式的説明図である。
【図2】本発明にかかる空気調和装置を適用した二階建てバスの別例を示す、模式的説明図である。
【図3】図2に示す空気調和装置において、一階、二階車室の目標吹出し風量の風量差による、空気引きずり込みに起因する、風量の過不足が発生した状態を示すタイムチャートである。
【図4】本発明にかかる空気調和装置における風量補正方法を実行するための一手段を示す、フローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
1 2階建バス
2 空気調和装置
3 筐体
4 プレートフィン熱交換器
5 隔壁
6,7 空気通路
8,9 ブロワファン
10,11 ダクト
12 吹出口
13 ダンパ
R1 一階車室
R2 二階車室
S シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対をなすブロワファン(8,9)を近接して設けて一つの熱交換器(4)を介して、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量(V)の空気を送り込む構成とし、
前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、空気の風量の過分な増加・減少に対し、これを補正して、前記それぞれの室内に対して所望風量の空気を供給する構成としたことを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記二つに区画された室内に通ずる、熱交換器(4)から対をなすブロワファン(8,9)に至る空気流路に、ダンパ(13)を介設し、前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量(V)を監視して、前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、空気の風量の変動に対応して前記ダンパ(13)を制御し、空気流路の断面積を変化させることで、前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量を補正し、前記それぞれの室内に所望風量の空気を供給する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
対をなすブロワファン(8,9)を近接して設けて一つの熱交換器(4)を介して、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量(V)の空気を送り込む構成とし、
前記それぞれの室内に送り込む空気の風量(V)を監視して、前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、空気の風量の変動に対し、予め所望風量(V)に補正するべく前記ブロワファン(8,9)の出力を制御する構成としたことを特徴とする空気調和装置。
【請求項4】
対をなすブロワファン(8,9)を近接して設けて一つの熱交換器(4)を介して、二つに区画された室内に、それぞれ所望風量(V)の空気を送り込む構成とし、
前記それぞれの室内に対して送り込む空気の風量の差異に起因して生ずる、送り込む空気の風量の変動に対し、前記ブロワファン(8,9)の消費電流(I)を監視して、この消費電流(I)が前記ブロワファン(8,9)の目標電流値(I)に達するように前記ブロワファン(8,9)の出力を制御することで、前記ブロワファン(8,9)によって生成される風量の補正を行う構成としたことを特徴とする空気調和装置。
【請求項5】
車体に搭載した筐体(3)にエアコンユニットとして内蔵された一つの熱交換器(4)に対し、
前記筐体(3)内の隔壁(5)で互いに連通するように仕切られた2つの空気通路(6,7)に、それぞれ配置されたブロワファン(8,9)を備え、
前記筐体(3)におけるブロワファン(8,9)から、二つの車室(R1,R2)内に向けて、それぞれ所望風量(V)の空気を吹き出す構成とし、
それぞれの車室(R1,R2)内に対して送り込む空気の風量(V)の差異に起因して生ずる、送り込む空気の風量(V)の変動に対し、前記ブロワファン(8,9)の消費電流(I)を監視して、この消費電流(I)がブロワファン(8,9)の目標電流値(I)に達するように前記ブロワファン(8,9)の出力を制御することで、前記ブロワファン(8,9)によって生成される風量の補正を行う構成としたことを特徴とする空気調和装置。
【請求項6】
区画された少なくとも2つの室内に所望風量(V)の空気を送り込む際、室内設定温度と検出された室内温度から風量(V)を設定して、ブロワファン(8,9)を駆動して室内に空気を送り込み、その際の消費電流(I)を監視して、予め設定した風量(V)の空気が噴出しているか否かを判定し、設定した風量(V)に達していないときは、前記消費電流(I)を、設定した風量の運転時における目標電流値(I)とするべく補正するようにしたことを特徴とする空気調和装置の風量補正方法。
【請求項7】
車体に搭載した筐体(3)にエアコンユニットとして内蔵された一つの熱交換器(4)に対し、前記筐体(3)内の隔壁(5)で互いに連通するように仕切られた2つの空気通路(6,7)に、それぞれ配置されたブロワファン(8,9)を備え、前記筐体(3)におけるブロワファン(8,9)から、複数に区画した車室(R1,R2)内に向けて、それぞれ所望風量(V)の空気を吹き出す構成とした空気調和装置(2)において、
前記車室(R1,R2)に対し、それぞれ車内設定温度と、車内の温度検出信号に基づいて前記車室(R1,R2)に対する目標吹出し風量(V)を設定し、
この目標吹出し風量(V)から目標電流値(I)を導き出して、初期指令回転数(R)として、ブロワファン(8,9)におけるモータに出力し、
前記ブロワファン(8,9)のモータの消費電流(I)を監視して、
モータの消費電流(I)が目標電流値(I)であれば、そのまま、ブロワファン(8,9)の運転を続行し、
モータの消費電流(I)が目標電流値(I)でなければ、モータの消費電流(I)<目標電流値(I)の判定を行い、
モータへの出力指令回転数(R)を補正するようにして、ブロワファン(8,9)におけるモータの消費電流(I)を目標電流値(I)となるようにしたことを特徴とする空気調和装置の風量補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−105659(P2008−105659A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149203(P2007−149203)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】