説明

穿刺器具

【課題】血液透析装置に好適なものであって、患者から取り出された血液又は患者に注入する血液の状態を測定時間が少なく直接的に即座に測定を行うことができる穿刺器具を提供する。
【解決手段】この穿刺器具1Xは、カテーテルチューブ2と、カテーテルチューブ2の基端部2bを固定して支持する筒状のカテーテルチューブ支持部材3と、針4と、針4の基端部4bを固定して支持し、軸方向に伸縮する針支持収納部材5と、を備え、カテーテルチューブ支持部材3は、その内腔3hにそれぞれ異種金属製の正極部材31及びそれと離隔して位置する負極部材32を有し、正極部材31及び負極部材32とそれぞれ電気的に接続された正極端子33及び負極端子34を外壁面に露設してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺器具、特に血液透析装置用の留置針に好適な穿刺器具に関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析装置では、穿刺器具により患者の体内から血液を取出し、ダイアライザ(透析器)により血液の浄化、電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)の適正化、酸性・アルカリ性の適正化、余分な水分の除去を行い、それにより処理された血液をもう一つの穿刺器具により体内に戻す。ダイアライザには透析液が供給され、血液中の老廃物等が血液浄化膜を透過して透析液内に排出される。
【0003】
このような血液透析装置は、血液の状態を測定し監視することで適正な透析を行っており、例えば、特許文献1には、透析中の患者のヘマトクリット値(血液中の血球成分の体積分率)を測定し、ヘマトクリット値から患者の循環血液量の変化率を監視する血液透析装置が記載されている。また、特許文献2には、血液中の電解質濃度を調整するため、透析液の供給ラインと排出ラインに、電解質の濃度を測定するものを設けた血液透析装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−97781号公報
【特許文献2】特開2007−190235公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者から取り出された血液又は患者に注入する血液の状態を測定して監視するには、大がかりな装置が必要であったり、長い時間を要したりすることが一般的である。
【0006】
本発明は係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、血液透析装置に好適なものであって、患者から取り出された血液又は患者に注入する血液の状態を測定時間が少なく直接的に即座に測定を行うことができる穿刺器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の穿刺器具は、血液の通路に接するそれぞれ異種金属製の正極部材及びそれと離隔して位置する負極部材を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の穿刺器具は、請求項1に記載の穿刺器具において、カテーテルチューブと、カテーテルチューブの基端部を固定して支持する筒状のカテーテルチューブ支持部材と、針と、針の基端部を固定して支持し、軸方向に伸縮する針支持収納部材と、を備え、前記カテーテルチューブ支持部材は、その内腔に前記正極部材及び前記負極部材を有し、正極部材及び負極部材とそれぞれ電気的に接続された正極端子及び負極端子を外壁面に露設してあることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の穿刺器具は、請求項1に記載の穿刺器具において、中空の針と、針の基端部を固定して支持する筒状の針支持部材と、を備え、前記針支持部材は、その内腔に前記正極部材及び前記負極部材を有し、正極部材及び負極部材とそれぞれ電気的に接続された正極端子及び負極端子を外壁面に露設してあることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の穿刺器具は、請求項1に記載の穿刺器具において、中空の針と、針の基端部を固定して支持する筒状の針支持部材と、を備え、前記針が前記正極部材になっており、前記針支持部材は、その内腔の一部を形成する筒状の前記負極部材を有していることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の穿刺器具は、請求項1乃至4のいずれかに記載の穿刺器具において、前記負極部材は、少なくとも血液の通路に接する部分がマグネシウムを含む合金から構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の穿刺器具は、請求項5に記載の穿刺器具において、前記合金は、更に亜鉛を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の穿刺器具は、請求項1乃至6のいずれかに記載の穿刺器具において、前記正極部材は、少なくとも血液の通路に接する部分に白金の層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の穿刺器具によれば、患者から取り出された血液又は患者に注入する血液の状態を測定時間が少なく直接的に即座に測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る穿刺器具1Xの概略断面図である。この穿刺器具1Xは、例えば、血液透析装置用の留置針として用いられるものであって、血液の通路に接するそれぞれ異種金属製の正極部材31及び正極部材31と離隔して位置する負極部材32を有する。穿刺器具1Xは、カテーテルチューブ2と、カテーテルチューブ2の基端部2bを固定して支持する筒状のカテーテルチューブ支持部材3と、針(内針)4と、針4の基端部4bを固定して支持し、軸方向に伸縮する針支持収納部材5と、を備えて構成される。
【0016】
カテーテルチューブ2は、先端が患者に穿刺された状態で使用されるものであって、血管等を損傷するおそれの少ない軟質材料製であり、通常は樹脂製のものが用いられる。また、患者の痛みが強すぎない程度の大きさである。カテーテルチューブ2は内腔2hを有し、その内腔2hは十分な量の血液が通過し得る大きさである。
【0017】
カテーテルチューブ支持部材3は、軸方向に貫通する内腔3hを有し、第1管部3Aと第1管部3Aの基端部3Abに嵌って軸方向に移動自在な第2管部3Bを有する。第1管部3Aは、固定したカテーテルチューブ2の内腔2hに内腔3hが連通して血液が連続して通過し得るように、先端部3Aaが絞られてその内径がカテーテルチューブ2の外径に略等しくなっている。第2管部3Bは内腔3hの外方に環状溝3Baを有し、これに第1管部3Aの基端部3Abがスライド可能なように嵌っている。内腔3hを形成する第1管部3Aの壁面には、正極部材31と負極部材32とが設けてある。そして、両極部材31、32にそれぞれ電気的に接続された正極端子33と負極端子34が、第1管部3Aの外壁面に露設してある。両端子33、34は、図示しない電圧テスタからの配線コードの先端(例えば、クリップ)が接続し得る形状になっている。
【0018】
一方の正極部材31は、ステンレス、銅などの金属から構成されている。正極部材31の表面には、イオン化傾向が低く表面状態の安定している、すなわち血液の中にほとんど溶け込むことのない白金(Pt)の層を、例えば電気溶解メッキなどにより、設けるのが望ましい。なお、白金の層は、少なくとも血液の通路に接する部分に有ればよい。
【0019】
他方の負極部材32は、イオンとなって血液の中に微量に、かつ、適量だけ溶け込むマグネシウムを含む合金から構成されている。また、この合金は、溶け込むマグネシウムの量を程よく調整するための亜鉛を含むことが望ましい。具体的には、マグネシウムが60重量%、亜鉛が35重量%、残りは、マグネシウムと亜鉛を含む安定した合金を製造し易くするための、金、鉄、マンガンなどとする。なお、この合金は、少なくとも血液の通路に接する部分に有ればよい。
【0020】
針4は、血管への穿刺が容易となるよう硬質材料製であり、通常、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、或いはこれらの合金等の金属材料を用いる。また、通常は軸方向に貫通する内腔を有する中空の針である。針4の外径は、カテーテルチューブ2の内腔2hに挿通され得るよう、カテーテルチューブ2の内径よりも若干小さくなるように設定されている。
【0021】
針支持収納部材5は、内腔5hを有した第1管部5Aとこれに嵌って軸方向に移動自在な有底大径の第2管部5Bを有し、針4を第1管部5Aの内腔5h中央に位置させるよう第2管部5Bの基底部5Bbで固定支持している。第1管部5Aは、カテーテルチューブ支持部材3に取り付けられており、その先端部5Aaはカテーテルチューブ支持部材3の先端部3Aaの内側に有ってカテーテルチューブ2の基端部2bの近傍に有る。第1管部5Aに対し第2管部5Bが軸方向に移動することにより、全体の長さが伸縮することとなる。第2管部5Bが第1管部5Aの先端部5Aaから最も離れる方向へ移動したとき、すなわち全体が最長のとき、針2の先端4aは第1管部5Aに覆われて完全に収納される。逆に、第2管部5Bが第1管部5Aの先端部5Aaに最も近づく方向へ移動したとき、すなわち全体が最短のとき、針2の先端4aはカテーテルチューブ2から突出し、カテーテルチューブ2の先端とともに患者に穿刺することが可能な状態となる。針支持収納部材5は、後述のようにして、カテーテルチューブ支持部材3から取り外すこともできる。
【0022】
次に、穿刺器具1Xを使用したときの、その作用について説明する。穿刺器具1Xは、カテーテルチューブ2の先端とそれから突出した針4の先端4aが患者の血管に穿刺される。カテーテルチューブ2が所定の位置まで挿入されると、針4と針支持収納部材5は、誤穿刺を防止するように針4の先端4aが第1管部5Aに覆われる状態にされて、カテーテルチューブ支持部材3から取り外され、抜き取られて廃棄される。その後、カテーテル支持部材3には、図示しない輸液ラインなどが接続され、カテーテルチューブ2の先端は患者の体内に留置される。カテーテルチューブ支持部材3の正極端子33及び負極端子34には、それぞれの配線コードを介して図示しない電流計が接続される。なお、血液透析装置用では、患者の血液を取り出すものと患者に血液を注入する2個の穿刺器具1X、1Xが用意される。
【0023】
カテーテル支持部材3の内腔3hには、患者の血液を取り出す場合には、患者からの血液がカテーテルチューブ2を介して通過し、患者に血液を注入する場合は、血液透析装置により必要な処理をされた血液が通過してカテーテルチューブ2に届く。
【0024】
カテーテル支持部材3の内腔3hを血液が通過する際に、負極部材32が血液と接触する。そのとき、血液の電解質の濃度に応じて負極部材32からマグネシウムが微量にイオンとなって血液の中に溶け込む。一方、負極部材32には電子が残り、その電子は負極端子34、電流計、正極端子33を介して正極部材31に到達する。正極部材31では、血液と接触する部分で血液の電解質のイオンに電子を渡す。電流計は、こうした電解質の濃度に応じた電子の流れによる微小な電流を測定することとなる。
【0025】
ここで、マグネシウムのかわりにイオン化傾向の高い他の物質を用いることも可能であるが、本願発明者の実験によると、イオンとなって血液の中に適量に溶け込むにはマグネシウムが非常に好適であった。また、電流計においては、読み取り可能な安定した値を示していた。また、マグネシウムと合金を成し、溶け込む量を程よく調整するためには、亜鉛のかわりの物質を用いることも可能であるが、本願発明者の実験によると、亜鉛が好適であった。
【0026】
このようにして、患者から取り出した血液又は患者に注入する血液の電解質の濃度を直接的に即座に測定するができる。また、正極部材31と負極部材32自体から生じる電位差による微小な電流値を測定するので測定時間が少ない。それにより、血液の取り出し又は注入が正常に行われていることを監視し、血液の電解質の濃度を監視できるのは勿論、それを指標として、血液の状態(電解質の状態や水分量の状態など)を総合的に監視することが可能である。
【0027】
なお、針支持収納部材5は、第1管部5Aに対し第2管部5Bが軸方向に移動自在ならば第2管部5Bは第1管部5Aに嵌らなくて分離されていてもよいし、針4の先端4aが第1管部5Aに完全に収納され得るのならば第1管部5Aの先端部5Aaはカテーテルチューブ2の基端部2bの近傍になくてもよい。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態に係る穿刺器具1Yについて説明する。図2は、この穿刺器具1Yの概略断面図である。穿刺器具1Yは、穿刺器具1Xと同様に、例えば、血液透析装置用の留置針として用いられるものであって、血液の通路に接するそれぞれ異種金属製の正極部材31及び正極部材31と離隔して位置する負極部材32を有する。穿刺器具1Yは、通常比較的短い時間に使用されるものであって、中空の針6と、針6の基端部6bを固定して支持する筒状の針支持部材7と、を備えて構成される。また、穿刺器具1Yは、更に、針支持部材7の基端7Abbに接続され輸液ラインを形成する軟質材料製のチューブ8を備える。図示は省略するが、チューブ8には、その中間部に血液噴出防止対策のためのクランプ、その基端には他の輸液ラインを接続するためにコネクターが取着され、また、使用前の状態では、針支持部材7の(より詳しくは針支持部材7の後述の第2管部7Bの)先端7Baaには、誤穿刺防止用キャップが針6を覆うように嵌め込まれている。
【0029】
針6は、先端6aが患者に穿刺された状態で使用されるものであって、軸方向に貫通する内腔6hを有し、材料や構造は前述の穿刺器具1Xの針4と同様であるが、長さはそれよりも短い。
【0030】
針支持部材7は、軸方向に貫通する内腔7hを有し、その内腔7hを内部に形成する第1管部7Aと、第1管部7Aの小径の長円筒部分7Aaを囲む第2管部7Bを有する。第1管部7Aの先端7Aaaと第2管部7Bの先端7Baaは大略面一になっている。第1管部7Aの長円筒部分7Aaより基端7Abb側は大径の基部部分7Abであり、第2管部7Bの基端部7Bbは第1管部7Aの基部部分7Abに嵌着されている。第1管部7Aの長円筒部分7Aaの内径は、針6が固定されて針6の内腔6hに内腔7hが連通して血液が連続して通過し得るように、針6の外径に略等しくなっている。第2管部7Bの外壁面には、患者の皮膚にテープにより固定され易いように柔軟な翼片7Cが設けられている。内腔7hを形成する第1管部7Aの内壁面、より詳しくは第1管部7Aの基部部分7Abの内壁面には、穿刺器具1Xと同様に、正極部材31と負極部材32とが設けてある。そして、両極部材31、32にそれぞれ電気的に接続された正極端子33と負極端子34が、針支持部材7の外壁面に露設してある。両端子33、34は、図示しない電圧テスタからの配線コードの先端(例えば、クリップ)が接続し得る形状になっている。正極部材31と負極部材32の詳細な構成や材料は、穿刺器具1Xのものと同様である。
【0031】
次に、穿刺器具1Yを使用したときの、その作用について説明する。穿刺器具1Yの針6の先端6aは、患者の血管に穿刺されて所定の位置まで挿入され、患者の体内に留置される。針支持部材7の正極端子33及び負極端子34には、それぞれの配線コードを介して図示しない電流計が接続されている。なお、血液透析装置用では、患者の血液を取り出すものと患者に血液を注入する2個の穿刺器具1Y、1Yが用意される。
【0032】
針支持部材7の内腔7hには、患者の血液を取り出す場合には、患者からの血液が針6を介して通過し、患者に血液を注入する場合は、血液透析装置により必要な処理をされた血液が通過して針6に届く。針支持部材7の内腔7hを血液が通過する際の正極部材31、負極部材32、正極端子33、負極端子34、電流計等の作用は、穿刺器具1Xについて説明したのと同様である。穿刺器具1Yの使用が終了すると、針支持部材7の第1管部7Aが第2管部7Bから取り外され、誤穿刺を防止するように患者から抜き取られた針6の先端6aが第2管部7Bに覆われて固定された状態にされて、廃棄される。
【0033】
穿刺器具1Yは、穿刺器具1Xと同様に、患者から取り出した血液又は患者に注入する血液の電解質の濃度を直接的に即座に、かつ、短時間で測定するができ、それにより、血液の取り出し又は注入が正常に行われていることを監視し、血液の電解質の濃度を監視できるのは勿論、それを指標として、血液の状態を総合的に監視することが可能である。
【0034】
なお、針支持部材7は、翼片7Cを第1管部7Aに設けて第2管部7Bを省略して簡略化し、穿刺器具1Yの使用終了後の誤穿刺は使用前の状態で嵌め込まれていた誤穿刺防止用キャップを用いることで防止することも可能である。
【0035】
次に、本発明の第3の実施形態に係る穿刺器具1Y’について説明する。図3は、この穿刺器具1Y’の概略断面図である。穿刺器具1Y’は、穿刺器具1Yと同様の機能を有し、使用したときの作用も同様である。穿刺器具1Y’は、穿刺器具1Yと多くの部位は共通しており、図3では、実質的に同じ構造の部位は図2と同じ符号を付している。穿刺器具1Y’は、針支持部材7’の内腔7hの一部を形成する筒状の第3管部7Eを負極部材として有し、針6が正極部材の働きをしている。従って、針支持部材7’の第1管部7A’は穿刺器具1Yの第1管部7Aにおける正極部材31、負極部材32、正極端子33、負極端子34を取り除いた構成になっている。針支持部材7’のうち、第1管部7A’と第3管部7Eとの間にはそれらの内腔7h、7hを連通させるために、軟質材料製のチューブ7Dが設けられている。また、第3管部7Eのチューブ7Dと反対側の端には輸液ラインを形成するチューブ8が接続される。
【0036】
正極部材としての針6、負極部材としての第3管部7Eの材料はそれぞれ、穿刺器具1Yの正極部材31、負極部材32と同様である。針6と第3管部7Eは導体であるから、図示しない電圧テスタからの配線コードの先端(例えば、クリップ)が接続し得る。配線コードの先端を接続し易いように、針6と第3管部7Eに正極端子及び負極端子となる形状の部分を設けることが可能である。また、針6と第3管部7Eのそれぞれにリード線(例えばリッツ線)の一端を溶接し、リード線の他端に正極端子又は負極端子を設けることも可能である。この場合、使用終了後の針6の先端6aを覆って廃棄するのにリード線が邪魔にならないようにする必要がある。
【0037】
以上、本発明の実施形態に係る穿刺器具について説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、第1の実施形態に記載したカテーテルチューブ支持部材3及び針支持収納部材5の構造や形状、正極部材31及び負極部材32を設ける場所、などは、それが用いられる機械や環境に応じて任意に変更可能である。また、第2の実施形態に記載した針支持部材7の構造や形状、正極部材31及び負極部材32を設ける場所、などは、それが用いられる機械や環境に応じて任意に変更可能である。また、第3の実施形態に記載した針支持部材7’の構造や形状、負極部材としての第3管部7Eを設ける場所、などは、それが用いられる機械や環境に応じて任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る穿刺器具の概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る穿刺器具の概略断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る穿刺器具の概略断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1X、1Y、1Y’ 穿刺器具
2 カテーテルチューブ
2b カテーテルチューブの基端部
2h カテーテルチューブの内腔
3 カテーテルチューブ支持部材
3h カテーテルチューブ支持部材の内腔
31 正極部材
32 負極部材
33 正極端子
34 負極端子
4、6 針
4b、6b 針の基端部
5、7、7’ 針支持収納部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液の通路に接するそれぞれ異種金属製の正極部材及びそれと離隔して位置する負極部材を有することを特徴とする穿刺器具。
【請求項2】
請求項1に記載の穿刺器具において、
カテーテルチューブと、
カテーテルチューブの基端部を固定して支持する筒状のカテーテルチューブ支持部材と、
針と、
針の基端部を固定して支持し、軸方向に伸縮する針支持収納部材と、を備え、
前記カテーテルチューブ支持部材は、その内腔に前記正極部材及び前記負極部材を有し、正極部材及び負極部材とそれぞれ電気的に接続された正極端子及び負極端子を外壁面に露設してあることを特徴とする穿刺器具。
【請求項3】
請求項1に記載の穿刺器具において、
中空の針と、
針の基端部を固定して支持する筒状の針支持部材と、を備え、
前記針支持部材は、その内腔に前記正極部材及び前記負極部材を有し、正極部材及び負極部材とそれぞれ電気的に接続された正極端子及び負極端子を外壁面に露設してあることを特徴とする穿刺器具。
【請求項4】
請求項1に記載の穿刺器具において、
中空の針と、
針の基端部を固定して支持する筒状の針支持部材と、を備え、
前記針が前記正極部材になっており、
前記針支持部材は、その内腔の一部を形成する筒状の前記負極部材を有していることを特徴とする穿刺器具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の穿刺器具において、
前記負極部材は、少なくとも血液の通路に接する部分がマグネシウムを含む合金から構成されていることを特徴とする穿刺器具。
【請求項6】
請求項5に記載の穿刺器具において、
前記合金は、更に亜鉛を含むことを特徴とする穿刺器具。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の穿刺器具において、
前記正極部材は、少なくとも血液の通路に接する部分に白金の層が形成されていることを特徴とする穿刺器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−5359(P2010−5359A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200283(P2008−200283)
【出願日】平成20年8月2日(2008.8.2)
【出願人】(397000034)
【Fターム(参考)】