説明

突然変異したHIVを処置する方法

ヌクレオチド−競合逆転写酵素阻害剤(NcRTI)は次に入ってくるヌクレオチドと競合してHIV逆転写酵素(RT)の活性部位に結合する。NcRTI類の活性に対するRT阻害剤耐性突然変異の影響をさらに検討するために、モデル化合物であるNcRTI−1に関する>6000の最近の臨床単離体の感受性が測定された。プロファイルされた臨床単離体の80%より多くがNcRTI−1に関して感受性のままであった(FC<4)。3TC/FTCとの限定された交差耐性以外は、NcRTI−1および現在使用されているRT阻害剤の間では交差耐性は観察されなかった。>1700のこれらのウイルスの遺伝子型の分析は、活性部位突然変異であるM184V+Y115Fの組み合わせがNcRTI−1の耐性と最も良く相関関係があった(FC=75)ことを示した。分析はまた、K65R突然変異がNcRTI−1に対する感受性亢進と関係すること並びにそれが20M184Vにより引き起こされた減少した感受性を逆転することも示した。これらの発見はSDM菌株で確認された。K65RおよびM184V突然変異の間のこの相互関係はRT阻害剤の中で並ぶものがない。野生型HIV−1をNcRTI−1の存在下で複製する時には、M184V+Y115Fが選択された。NcRTI−1およびテノフォビルの両方の存在下では、NcRTI−1はK65Rの選択を妨害する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者の処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
HIVウイルス感染症を撲滅するための現在市販されているかまたは開発中の薬品は、例えば逆転写酵素阻害剤(RTI類)、プロテアーゼ阻害剤(PI類)およびさらに最近では融合阻害剤の如き種類に属する。RTI類は逆転写機構に介在することによりウイルス複製を防止するが、PI類はウイルスアッセンブリーに介在する。RT阻害剤はRT酵素と多くの方法で相互作用してその機能を阻害するため、ウイルス複製は妨害され始める。PI類はウイルスプロテアーゼ酵素の活性部位に結合し、それにより感染性ビリオンの構造的および酵素的成分を製造するために必要な前駆体ポリ蛋白質の分解を阻害する。
【0003】
ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI類)は、細胞内でヌクレオシドトリホスフェート類に転化しそして逆転写酵素による延長ウイルスDNAへの取り込み用の天然ヌクレオシドトリホスフェート類と競合する。これらの化合物を天然ヌクレオシドから区別する化学的修飾がDNA連鎖終止事象をもたらす。
【0004】
現在利用可能なNRTI類はジドブジン(zidovudine)(ZDVまたはAZT)、ジダノシン(didanosine)(ddl)、ザルシタビン(zalcitabine)(ddC)、スタブジン(stavudine)(d4T)、ラミブジン(lamivudine)(3TC)、アバカビル(abacavir)(ABC)、エントリシタビン(emtricitabine)(FTC)を包含する。ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(N(t)RTI)はテノフォビル・ジソプロキシル・フマレート(tenofovir disoproxil fumarate)(TDF)である。例えば、同定された最初のHIV RT阻害剤の1種であるAZYは細胞キナーゼ類によりトリホスフェート(TP)に転化される。HIV−1 RTは引き続きAZT−TPをウイルスDNAの構築における効率的な代替基質として使用することが可能である。しかしながら、AZT−TPはさらなるDNA延長用に必要な3’OHを欠いており、それにより取り込み後の成長しているDNA連鎖の終止を引き起こす。
【0005】
RT阻害剤の別の種類は非−ヌクレオシドRT阻害剤(NNRTI類)であるデラビルジン(delavirdine)、エファビレンズ(efavirenz)(EFV)、およびネビラピン(nevirapine)(NVP)である。
【0006】
HIVの抑制においては有効であるが、これらの薬品の各々は、単独使用時には、耐性突然変異体の発現に直面する。これが普通は異なる活性特徴を有する数種の抗−HIV剤の組み合わせ療法の導入をもたらした。特に「HAART」(高活性抗−レトロウイルス療法)の導入は抗−HIV療法における顕著な改良を生じ、HIV−関連罹病率および死亡率における大きな減少をもたらした。HAARTは、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI類)、非−ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI類)およびプロテアーゼ阻害剤(PI類)の種々の組み合わせを包含する。抗レトロウイルス療法に関する現在の指針は、初期処置用にでも三重組み合わせ療法レジメンを推奨した。しかしながら、現在利用可能な薬品療法のいずれもHIVを完全に根絶しえない。HAARTでさえ、抗レトロウイルス療法との非−忠実性(non−adherence)および非−持続性のため
に、耐性の発現に直面しうる。これらの場合には、HAARTはその成分の1種を別の種類の1種により置換することにより再び有効にさせられうる。正しく適用されるなら、HAART組み合わせを用いる処置はウイルスを数十年までの長年にわたりそれがもはやエイズの発生を引き起こし得ないレベルまで抑制しうる。
【0007】
NRTI類はHAART組み合わせの基本的成分である。現在の組み合わせにおいてしばしば使用されるNRTIは、普通は3TCとまたはFTCと組み合わせた、テノフォビル(tenofovir)またはその誘導体であるテノフォビル・ジソプロキシル・フマレート(TDF)である。テノフォビル・ジソプロキシル・フマレートまたはテノフォビル・ジソプロキシル・フマレートを含有する薬品組み合わせの使用が、逆転写酵素中にK65R突然変異を有するHIVの選択性を結果として生ずる。
【0008】
HIV RT阻害剤の新種に属する一連の化合物は記載されている(非特許文献1、非特許文献2)。それらはN(t)RTI類とは化学構造、連鎖終止性質の不存在、およびホスホリル化必要性の欠如により、そしてNNRTI類とは作用機構および結合ポケットに関して異なる。それらは天然dNTP基質と競合してRT活性部位に可逆的に結合するため、この種類はヌクレオチド−競合RT阻害剤(NcRTI類)と称する。
【0009】
【非特許文献1】Jochmans,D.,Kesteleyn,B.,Marchand,B.,et al.Identification and Biochemical Characterization of a New Class of HIV Inhibitors:Nucleotide−competing Reverse Transcriptase Inhibitors.12th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections:February 22−25,2005;Boston,MA,USA.Oral presentation,abstract 156.
【非特許文献2】Ehteshami,M.,Deval,J.,Barry,S.,et al.Nucleotide−Competing Reverse Transcriptase Inhibitors Form a Stable Dead−End−Complex with the HIV−1 Enzyme.13th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections:February 5−8,2006;Denver,CO,USA.Oral presentation,abstract F−109.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
NcRTI類がK65R突然変異に対する感受性亢進を示しそしてその結果としてこの突然変異を有するHIVに感染した患者を処置するために使用できることが今回見出された。本発明はウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者を処置するためのNcRTI類の使用を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
本発明は、逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者に有効量のNcRTIを投与することを含んでなる該患者を処置する方法に関する。別の面では、逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者に有効量の少なくとも1種がNcRTIであるHIV阻害剤の組み合わせを投与することを含んでなる該患者を処置する方法が提供される。
【0012】
或いは、別の面では、本発明は逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者を処置するための薬品の製造のためのNcRTIの使用を提供する。別の面では、本発明は逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者を処置するための薬品の製造のための、少なくとも1種がNcRTIであるHIV阻害剤の組み合わせの使用を提供する。
【0013】
発明の記述
ヌクレオチド−競合逆転写酵素阻害剤(NcRTI)は、次に入ってくるヌクレオチドと競合してHIV逆転写酵素(RT)の活性部位に結合する。NcRTI類は、リボヌクレオチドまたはピロホスフェート感受性RT阻害剤であることが見出されておりそしてヌクレオシドホスフェートまたはピロホスフェートを存在させてまたは存在させずに試験化合物を酵素RT阻害試験にかけそして逆転写酵素の阻害において増加を示す化合物を選択することにより同定されうる。
【0014】
従って、NcRTI類は、段階:
a)少なくとも1つのHIV RT酵素用の鋳型、少なくとも1つのプライマー、少なくとも1つの検出可能なdNTP基質、少なくとも1つの試験化合物、少なくとも1つのRT酵素を含んでなり、該HIV RT酵素が検出可能なdNTP基質に入る反応ウエルを準備し、そして鋳型内に入る検出可能なdNTP基質の量を測定することによりRT活性を判定し、
b)少なくとも1つのHIV RT酵素用の鋳型、少なくとも1つのプライマー、少なくとも1つの検出可能なdNTP基質、少なくとも1つの試験化合物、少なくとも1つのヌクレオシドホスフェートまたは少なくとも1つのピロホスフェート、少なくとも1つのRT酵素を含んでなり、該HIV RT酵素が検出可能なdNTP基質に入る反応ウエルを準備し、そして鋳型内に入る検出可能なdNTP基質の量を測定することによりRT活性を判定し、
c)段階a)および段階b)で得られるRT活性を比較し、
d)b)で得られるRT阻害活性がa)で得られたRT阻害活性を超える試験化合物を選択すること
を含んでなり、ここで段階a)およびe)におけるHIV RT阻害剤の量は同じでありそしてRT活性の増加が測定可能であるような方法により見出されうる。
【0015】
NcRT類は以下の通りにしても同定されうる:
a)ヌクレオシドトリホスフェート以外である試験化合物を準備し、
b)試験化合物を細胞内野生型HIVウイルス複製試験に付し、
c)試験化合物を細胞内NNRTI耐性HIVウイルス複製試験に付し、
d)試験化合物を動力学的逆転写酵素検定にかけそして取り込まれたヌクレオチドに対して競合性である試験化合物を該検定において同定し、
段階b)においても活性であり、段階c)において活性であり且つ段階d)において取り込まれたヌクレオチドに対して競合性であるとして同定される試験化合物を選択する。
【0016】
NcRTI類は、特に、導入されたヌクレオチドに対して競合性でもあり且つ前章で記載された通りにして、上記の方法により同定されうるリボヌクレオチドまたはピロホスフェート感受性RT阻害剤であるとして、同定されうる化合物である。
【0017】
NcRTI類は、例えば、国際公開第04/046163号パンフレット、国際公開第05/111034号パンフレット、国際公開第05/111035号パンフレット、国際公開第05/111047号パンフレットおよび国際公開第05/111044号パンフレットに記載されていた。国際公開第04/046163号パンフレットの化合物とある種のHIV阻害剤との組み合わせは国際公開第05/110411号パンフレットに記
載されていた。
【0018】
本発明における使用のための興味あるNcRTI類は式:
【0019】
【化1】

【0020】
[式中、
はシアノ、メチルオキシカルボニル、メチルアミノカルボニル、エチルオキシカルボニルおよびエチルアミノカルボニルであり、より特にRはシアノ、エチルオキシカルボニルおよびエチルアミノカルボニルであり、さらにより特にRはシアノであり、
は水素、場合によりシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、アリール、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ヒドロキシカルボニルで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、特にRはC1−6アルキル、水素、C2−6アルケニルであり、
はニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、またはHetであり、特にRはニトロであり、
4aおよびR4bは互いに独立して水素、C1−4アルキルまたはアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルで置換されたC1−4アルキルであり、特にR4aおよびR4bは互いに独立して水素、C1−4アルキルであり、
Hetは各々が場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)−アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオで置換されていてもよいフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルであり、そして前記のフラニル、チ
エニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分のいずれかは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、特にHetは各々が場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキルで置換されていてもよいフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルである]
を有する化合物、並びにそれらの製薬学的に許容可能な付加塩類である。
【0021】
が水素、場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、フラニルで置換されていてもよいC1−6アルキルである式(I)の化合物が興味ある。
【0022】
が場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、そしてR4aおよびR4bが互いに独立して水素、C1−4アルキルである式(I)の化合物が特に興味ある。
【0023】
式(II)
【0024】
【化2】

【0025】
[式中、RはRの通りであり、RはRの通りであり、そして
は−NR5a−C(=NR5b)−NR5c5d、−NR5a−C(=NR5e)−R5f、−O−NR5a−C(=NR5b)−NR5c5d、−O−NR5a−C(=NR5e)−R5f、−スルホニル−R、−NR、−NR10、ラジカル
【0026】
【化3】

【0027】
から選択されるラジカルで置換されたC1−6アルキルであり、
ここで
各Qは独立して直接結合、−CH−、または−CH−CH−であり、
各Qは独立してO、S、SOまたはSOであり、
各Rは独立して水素、C1−4アルキル、アリールC1−4アルキルであり、
各R5a、R5b、R5c、R5dは独立して水素、C1−4アルキルまたはアリールC1−4アルキルであり、
各R5e、R5fは独立して水素、C1−4アルキルまたはアリールC1−4アルキルであり、或いはR5eおよびR5fは一緒になって式−CH−CH−または−CH−CH−CH−の2価アルカンジイルラジカルを形成することができ、
はC1−4アルキル、−N(R5a5b)、C1−4アルキルオキシ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル−、チオモルホリン−4−イル−であり、
は水素、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキルまたはC1−4アルキルカルボニルオキシC1−4アルキルであり、
はヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルオキシC1−4アルキル、アリールまたはアリールC1−4アルキルであり、
は水素またはC1−4アルキルであり、
10はHet、Hetまたはラジカル
【0028】
【化4】

【0029】
であり、
11はアリール、アリールC1−4アルキル、ホルミル、C1−4アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールC1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリールC1−4アルキルオキシカルボニル、R5a5bN−カルボニル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、アリールC1−4アルキルオキシC1−4アルキル、アリールオキシC1−4アルキル、Hetであり、
各R12は独立してヒドロキシ、C1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、オキソ、スピロ(C2−4アルカンジオキシ)、スピロ(ジC1−4アルキルオキシ)、−NR5a5bであり、
13は水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、またはアリールC1−4アルキルオキシであり、或いは
13aはC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはアリールC1−4アルキルオキシカルボニルであり、
各R13bは水素またはC1−4アルキルであり、或いはRは式:
【0030】
【化5】

【0031】
のラジカルであり、
ここでラジカル(b−3)において−C2p−中の水素原子の1つおよび−CH(OR14)−C2q−中のR14の一部でない水素原子の1つは直接結合またはC1−4アルカンジイル基により置換されていてもよく、
pは1、2または3であり、
qは0、1、2または3であり、
各mは独立して1〜10であり、
各R14は独立して水素、C1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アリール、C1−4アルキルカルボニル、−SOH、−POであり、
15はシアノ、NR16a16b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、4−(C1−4アルキルカルボニル)−ピペラジニル、4−(C1−4アルキルオキシカルボニル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アリール、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ヒドロキシ−カルボニル、C1−4アルキルカルボニル、N(R16a16b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、ホモピペリジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニル、モルホリン−1−イル−カルボニル、チオモルホリン−1−イル−カルボニル、1−オキソチオモルホリン−1−イルカルボニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリン−1−イルカルボニルであり、或いはR15はさらにラジカル−COOR、または−NR5a−C(=NR5b)−NR5c5d、−NR5a−C(=NR5e)−R5f、−O−NR5a−C(=NR5b)−NR5c5d、−O−NR5a−C(=NR5e)−R5f、−スルホニル−R、−NR、−NR
10、ラジカル(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)もしくは(a−5)から選択されるラジカルで置換されているアリールであってもよく、ここでR、R5a、R5b、R5c、R5d、R、R、R、R、R10、およびラジカル(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)、(a−5)は独立して以上で定義された通りであり、
16aおよびR16bは互いに独立して水素、C1−6アルキル、またはアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニルおよびアリールよりなる群から選択される置換基で置換されたC1−6アルキルであり、
17aおよびR17bは互いに独立して水素、C1−4アルキルまたはアリールC1−4アルキルであり、或いはR17aおよびR17bはそれらが結合される窒素原子と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、4−C1−4アルキル−ピペラジニル、4−(C1−4アルキルカルボニル)−ピペラジニル、4−(C1−4アルキルオキシカルボニル)−ピペラジニル環を形成し、
各R18は独立して水素、C1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルであり、
各R19は水素、ヒドロキシ、C1−4アルキルまたはラジカル−COORであり、Rは水素またはC1−4アルキルである]
の化合物、並びにそれらの製薬学的に許容可能な付加塩類も本発明における使用にとって興味ある。
【0032】
以下の化合物:
【0033】
【化6】

【0034】
[式中、R、RおよびRは以上で(I)または(II)に関して特定された通りでありそして−a=a−a=a−は式
−CH=CH−CH=CH− (c−1)
の2価ラジカルを表し、
ここで(c−1)中の水素原子の1、2、3もしくは4個はラジカルC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、(R5g)(R5h)N−(C1−4アルカンジイル)−O−、(R)(R)N−(C1−4アルカンジイル)−O−、トリフルオロメチル、シアノ、ラジカル−COOR、(R5a)(R5b)N−カルボニル、ホルミル、C1−6アルキルカルボニル、ニトロ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−4アルコキシC1−6アルキル、(ROOC)−C1−6アルキル、ラジカル−N(R5a)(R5b)、ラジカル
【0035】
【化7】

【0036】
、モルホリニル、チオモルホリニル、(R5g)(R5h)N−(C1−4アルカンジイル)−N(R5c)−、(R)(R)N−(C1−4アルカンジイル)−N(R5c)−、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシカルボニルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、C1−6アルキルスルホニル−アミノ、(R5a)(R5b)N−C1−4アルキル、アリールにより置換されており、
5gおよびR5hは独立して水素またはC1−4アルキルであり、R5aおよびR5cは独立して水素またはC1−4アルキルであり、QおよびR11は以上で定義された通りである]
並びにそれらの製薬学的に許容可能な付加塩類も本発明における使用にとって興味ある。
【0037】
式(I)、(II)または(III)の化合物の興味ある亜群は、RまたはRがニトロである化合物を含んでなる。
【0038】
(I)、(II)または(III)により表示される上記化合物のいずれにおいても、RまたはRで置換されたフェニル部分は、場合によりハロ、シアノ、C1−6アルキル、CF、−COOR、(R5a)(R5b)N−カルボニル、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよいフリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾフリル、ベンゾ−チエニル、インドリル、イミダゾピリジル、プリニルにより置換されていてもよく、或いはRまたはRで置換されたフェニル部分は、場合によりハロ、シアノ、C1−6アルキル、CF、−COOR、(R5a)(R5b)N−カルボニル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよいフリル、チエニル、ピリジル、インドリル、イミダゾピリジルにより置換されていてもよく、或いはRまたはRで置換されたフェニル部分はハロピリジルにより、特に6−クロロ−4−ピリジルにより、置換されていてもよい。
【0039】
基または基の一部としての用語「C1−4アルキル」は、炭素数1〜4の直鎖状および分枝鎖状の飽和炭化水素ラジカル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−メチル−プロピルなど、を定義する。基または基の一部としての用語「C1−6アルキル」は、炭素数1〜6の直鎖状および分枝鎖状の飽和炭化水素ラジカル、例えば、C1−4アルキルに関して定義された基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、3−メチルペンチルなど、を定義する。
【0040】
基または基の一部としての用語「C2−6アルキル」は、炭素数2〜6の直鎖状および分枝鎖状の飽和炭化水素ラジカル、例えば、エチル、プロピル、ブチル、2−メチル−プロピル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、3−メチルペンチルなど、を定義する。
【0041】
基または基の一部としての用語「C1−10アルキル」は、炭素数1〜10の直鎖状および分枝鎖状の飽和炭化水素ラジカル、例えば、C1−6アルキルに関して定義された基およびヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど、を定義する。基または基の一部としての用語C2−6アルケニルは、飽和炭素−炭素結合および少なくとも1個の二重結合を有
する炭素数2〜6の直鎖状および分枝鎖状の炭化水素ラジカル、例えば、エテニル、プロプ−1−エニル、ブト−1−エニル、ブト−2−エニル、ペント−1−エニル、ペント−2−エニル、ヘキシ−1−エニル、ヘキシ−2−エニル、ヘキシ−3−エニル、1−メチル−ペント−2−エニルなど、を定義する。
【0042】
基または基の一部としての用語「C2−10アルケニル」は、飽和炭素−炭素結合および少なくとも1個の二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖状および分枝鎖状の炭化水素ラジカル、例えば、C2−6アルケニルに関して定義された基およびヘプト−1−エニル、ヘプト−2−エニル、ヘプト−3−エニル、オクト−1−エニル、オクト−2−エニル、オクト−3−エニル、ノン−1−エニル、ノン−2−エニル、ノン−3−エニル、ノン−4−エニル、デセ−1−エニル、デセ−2−エニル、デセ−3−エニル、デセ−4−エニル、1−メチル−ペント−2−エニルなど、を定義する。用語C3−7シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを総称する。
【0043】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを総称する。
【0044】
アリールは場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、モノ−およびジ−C1−6アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニルから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、特にアリールは場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
【0045】
種々の複素環類の様々な異性体が明細書を通して使用される定義内に存在しうることに注目すべきである。例えば、オキサジアゾリルは1,2,4−オキサジアゾリルまたは1,3,4−オキサジアゾリルまたは1,2,3−オキサジアゾリルであることができ、同様にチアジアゾリルに関してはそれは1,2,4−チアジアゾリルまたは1,3,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルであることができ、ピロリルは1H−ピロリルまたは2H−ピロリルでありうる。
【0046】
定義で使用されるいずれかの分子部分上のラジカル位置は、それが化学的に安定である限り、そのような部分上のいずれにあってよいことにも注目すべきである。例えば、ピリジルは2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルを包含し、ペンチルは1−ペンチル、2−ペンチルおよび3−ペンチルを包含する。
【0047】
本発明における使用のための化合物の例は、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−イソブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−アリル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−ブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−エチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキ
ソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、
5−ブト−3−エニル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
3−ブロモ−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、
5−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、5−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−シアノメチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピペリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、5−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−ピリジン−4−イルメチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
3−(5−tert−ブチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、または
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−3−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、塩類
である。
【0048】
特別な化合物は、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル
)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル
である。
【0049】
特に興味ある化合物は、以下で「NcRTI−1」と称する5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルであり、その化合物は以下の化学構造:
【0050】
【化8】

【0051】
により表示される。
【0052】
興味ある別の化合物は、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニトリル、
5−(2−ヒドロキシ−3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エチル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、および特に
5−(2−ヒドロキシ−3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、または
5−(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル
である。
【0053】
興味ある別の化合物は、
8−ブロモ−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
8−モルホリン−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
8−ヒドロキシ−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
8−ヒドロキシ−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
8−メトキシ−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒ
ドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
8−[(3−ジメチルアミノ−プロピル)−メチルアミノ]−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、または
8−[(3−ジメチルアミノ−プロピル)−オキシ]−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル
である。
【0054】
興味ある別の化合物は、
8−メトキシ−5−メチル−1−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(2,8−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−5−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(6−クロロ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−5−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−8−ヒドロキシ−5−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(6−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−メチル−1−(2−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、または
5−メチル−1−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル
である。
【0055】
特に興味ある別の化合物は、
1−(4−アセチル−フェニル)−3−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−b]ピリジン−4−カルボニトリル、
4−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−フロ[3,2−b;4,5−b’]ジピリジン−3−カルボニトリル、
7−メトキシ−4−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニトリル、
7−ヒドロキシ−4−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボニトリル
である。
【0056】
上記の化合物は遊離形態でまたは製薬学的に許容可能な付加塩形態として使用することができ、ここで塩類は酸類、例えば、無機酸類、例えばハロゲン化水素酸類、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸および同様な酸類、または有機酸類、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタンジオン酸)、マロン酸、琥珀酸(すなわち、ブタンジオン酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわち、ヒドロキシル−ブタンジオン酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および同様な酸類、から誘導されうる。本発明における使用のための化合物の特別な群はそれらの化学名により以上で挙げられた化合物の製薬学的に許容可能な付加塩類である。
【0057】
適用可能な場合には、上記の化合物またはそれらの塩類はラセミ体、立体異性体または立体異性体混合物の形態で使用されうる。
【0058】
単独でまたは1種もしくはそれ以上の他のHIV阻害剤と組み合わせてのいずれかで投与されるNcRTIは好ましくは適当な製薬学的調剤に調合される。適する調剤は前章で引用された参考文献に記載されている。NcRTIはそのままでまたは塩形態で投与することができ、それはさらに立体異性体または立体異性体混合物の形態で投与することもできる。それはプロ−ドラッグとして投与することもできる。塩類、立体異性体および立体異性体混合物並びにプロ−ドラッグ類も前章で引用された参考文献に記載されている。
【0059】
別の面では、本発明はテノフォビル(もしくは誘導体、例えばTDF)および/または3TCで処置されたHIVに感染した患者に有効量のNcRTIを投与することを含んでなる該患者を処置する方法を提供する。或いは、本発明はテノフォビル(もしくは誘導体、例えばTDF)および/または3TCで処置されたHIVに感染した患者を処置するための薬品の製造のためのNcRTIの使用を提供する。
【0060】
図面の説明
図1:1700より多い臨床HIV−1単離体の無作為セットをそれらの遺伝子型に従い6群に分類した。各群に関して、NcRTI−1に関する中位FC、四分位数間領域、およびウイルスの数が示されている。WTは位置184、115または65における突然変異のないウイルスの群を示す。
図2:HIV−1 IIIBから出発するNcRTI−1を用いるインビトロ選択実験。各点は示されたNcRTI−1濃度におけるウイルス突破を表す。回収されたウイルス集団で見られた突然変異パターンが示されている。
【実施例】
【0061】
実施例1
NcRTI−1並びに種々のN(t)RTI類およびNNRTI類に関する6000より多い最近の臨床HIV−1単離体の感受性を評価した。プロファイルされた臨床単離体の82%はNcRTI−1に関して感受性のままであり(EC50における折りたたみ変化(FC)<4)、集団の15.7%は減じられた感受性(FC4−10)を示したが、2.3%だけが耐性を示した(FC>10)。NcRTI−1およびNNRTI類であるEFVまたはNVPの間には交差耐性は観察されず、N(t)RTI類であるZDV、TDF、およびABCでもなかった。N(t)RTI類である3TCおよびFTCでだけ、限定された交差耐性が検出できた(ピアソン相関関係係数=0.56)(表1)。
【0062】
【表1】

【0063】
6000の試験された臨床単離体中の1700より多い無作為セットの遺伝子型の分析(図1)は、突然変異M184V+Y115Fの組み合わせがNcRTI−1に対する耐性と最も相関関係があったこと(FC=75)を示した。Met184およびTyr115がHIV RT活性部位の一部であれば、この発見はNcRTI類に関する機構モデルを強める。
【0064】
分析はまた、K65R突然変異はNcRTI−1に対する感受性亢進に関係するだけでなくNcRTI−1に関するHIV−1のM184V−誘発性耐性も逆転することを示した。これらの発見は部位特異的突然変異体(SDM)菌株で確認された。
【0065】
K65RおよびM184V突然変異の間のこの相互関係はRT阻害剤の中で並ぶものがない。野生型HIV−1をNcRTI−1の存在下で複製する時には、M184V+Y115Fが選択された。NcRTI−1およびテノフォビルの両方の存在下では、NcRTI−1はK65Rの選択を妨害する。NcRTI−1活性はNNRTI耐性突然変異の存在によりまたは主要なN(t)RTIで誘発された多剤耐性突然変異パターンであるチミジンに関係する突然変異(TAM類)、T69挿入複合体、およびQ151M複合体の存在により影響されない。
【0066】
臨床単離体での発見は部位特異的突然変異体(SDM)菌株において確認された(表2):
【0067】
【表2】

【0068】
実施例2
臨床試料から由来する組み換えHIV−1ウイルスは、MT4細胞と試料由来ウイルスプロテアーゼおよびRTコーディング配列並びにプロテアーゼが欠失されたHIV−1 HXB2−由来プロウイルスクローンおよびRTコーディング領域との同時トランスフェクション
【0069】
部位特異的突然変異体RTコーディング配列を、HIV−1クローンHXB2プロテアーゼおよびRTコーディング配列を含有するpGEMベクターからQuikChangeTM部位特異的突然変異誘発キットおよびHPLC−精製されたプライマーを用いることにより作成した。プラスミド類を配列させてそれらが所望する突然変異を含有したことを確認した。プロテアーゼ−RT欠失HIV−1 HXB2プロウイルスクローンを用いる突
然変異体プロテアーゼ−RT配列の組み換えにより突然変異体ウイルス類を作成した
【0070】
RT阻害剤に対するウイルス菌株をインビトロ選択するために、MT4−LTR−EGFP細胞を阻害剤の存在下で(EC50の2または3倍で)感染させた。完全なウイルス突破まで、培養物を3〜4日毎に阻害剤の同一濃度において継代培養した。同時に、ウイルスを回収しそしてより高い化合物濃度で新たな選択段階のために使用した。各突破において、回収したウイルスを遺伝子型分類して後天的突然変異を同定した。単独のまたは組み合わせた数種のRT阻害剤に関して、それらの存在下で野生型HIV−1(IIIB)を複製する時に選択される突然変異を判定した(表3参照)。
【0071】
【表3】

【0072】
これらの結果は、単独突然変異であるM184VおよびY115Fはそれぞれ5.0および7.9の中程度の折りたたみ変化を示したが、組み合わせは75のFCを生じたことを示す。NcRTI−1が単一阻害剤として存在する時には、野生型HIV−1 IIIBは突然変異であるM184VおよびY115Fを獲得し、臨床単離体およびSDM類で得られた結果と一致する(図2)。
【0073】
K65R点突然変異の存在がNcRTI−1に関するHIV−1の増加した感受性(FC=0.46)を引き起こし、そしてNcRTI感度のM184Vで誘発された減少を逆転する(5.0から0.89へのFC)。
【0074】
NNRTI耐性に関係する突然変異を含有する広範囲の菌株上でNcRTI−1は活性のままであった。主要なN(t)RTIで誘発された多剤耐性突然変異パターン(TAM
類、T69挿入複合体およびQ151M複合体)はNcRTI−1活性に影響しない。
【0075】
3TCまたはFTCがTDFと組み合わされた時には、これまでの発見に従い、K65R突然変異が選択された。NcRTI−1をTDFと組み合わせると、長期露呈(190日間)後でさえ、K65R突然変異の選択を生じなかった。その代り、ウイルスはK70EまたはK70V突然変異を獲得した。
【0076】
結論
以上の実験から、以下の結論を引き出すことができる。NcRTI類に対する減少したおよび増加した感受性と関係する突然変異パターンは現在使用されているRT阻害剤と関係するパターンとは異なる。3TCでは限定された交差耐性だけが検出された。
【0077】
RT−活性部位突然変異であるM184V+Y115Fの組み合わせがNcRTI−1に対する耐性と最も有意に相関関係があった(FC=75)。この組み合わせは、増加する濃度のNcRTI−1の存在下でHIV−1 IIIBを複製する時にも、インビトロ選択される。
【0078】
M184Vが完全な耐性(FC>100)を引き起こす3TCまたはFTCとは異なり、NcRTI−1感受性に対するM184Vの影響は限定される(FC=5.0)。
【0079】
K65R突然変異はNcRTI−1に対する感受性亢進を引き起こす。さらに、K65Rの存在はNcRTI感度のM184Vで誘発された減少を逆転する。K65RおよびM184V突然変異の間のこの相互関係はRT阻害剤の中で並ぶものがない。
【0080】
TDFと組み合わせる時には、NcRTI−1はTDFによりK65Rの選択を妨害する。これらの実験は、ウイルス類がTDF耐性の代替経路としてこれまでに示唆された突然変異であるK70Eを獲得したことを示した。
【0081】
本発明は、NcRTIに対する耐性を発現させたHIVに感染した患者に有効量のテノフォビルまたはテノフォビル誘導体、特にテノフォビル・ジソプロキシル・フマレート(TDF)、を投与することを含んでなる該患者を処置する方法にも関する。特にNcRTIに対する耐性を発現させた該HIVは少なくとも10、または少なくとも20、または少なくとも約50、または少なくとも約75、の折りたたみ変化を示す。より特にNcRTIに対する耐性を発現させた該HIVは逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にM184VもしくはY115Fまたは二重M184VもしくはY115F突然変異を有する。この方法は、NcRTIまたはNcRTI含有組み合わせで予備−処置されそして折りたたみ変化により示されたNcRTIに対する耐性を発現させた患者の処置において有用である。これらの患者は該患者に対する有効量のテノフォビルまたはテノフォビル誘導体、特にテノフォビル・ジソプロキシル・フマレート(TDF)、で処置することができる。別の面では、本発明はNcRTIに対する耐性を発現させたHIVに、特に少なくとも10、または少なくとも20、または少なくとも約50、または少なくとも約75、の折りたたみ変化を示すNcRTIに対する耐性を発現させたHIVに、或いはより特に逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にM184VもしくはY115Fまたは二重M184VもしくはY115F突然変異を有するNcRTIに対する耐性を発現させたHIVに、感染した患者を処置するための薬品の製造のためのテノフォビルまたはテノフォビル誘導体、特にテノフォビル・ジソプロキシル・フマレート(TDF)の使用に関する。
【0082】
この明細書に挙げられた全ての参考文献は引用することにより本発明の内容となる。
【0083】
参考文献
1 Jochmans,D.,Kesteleyn,B.,Marchand,B.,et al.Identification and Biochemical Characterization of a New Class of HIV Inhibitors:Nucleotide−competing Reverse Transcriptase Inhibitors.12th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections:February 22−25,2005;Boston,MA,USA.Oral presentation,abstract 156.
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【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】1700より多い臨床HIV−1単離体の無作為セットをそれらの遺伝子型に従い6群に分類した。各群に関して、NcRTI−1に関する中位FC、四分位数間領域、およびウイルスの数が示されている。WTは位置184、115または65における突然変異のないウイルスの群を示す。
【図2】HIV−1 IIIBから出発するNcRTI−1を用いるインビトロ選択実験。各点は示されたNcRTI−1濃度におけるウイルス突破を表す。回収されたウイルス集団で見られた突然変異パターンが示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者を処置するための薬品の製造のためのNcRTIの使用。
【請求項2】
逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者を処置するための薬品の製造のための、少なくとも1種がNcRTIであるHIV阻害剤の組み合わせの使用。
【請求項3】
NcRTIが式(I):
【化1】

[式中、
はシアノ、メチルオキシカルボニル、メチルアミノカルボニル、エチルオキシカルボニルおよびエチルアミノカルボニルであり、より特にRはシアノ、エチルオキシカルボニルおよびエチルアミノカルボニルであり、さらにより特にRはシアノであり、
は水素、場合によりシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、アリール、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ヒドロキシカルボニルで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、特にRはC1−6アルキル、水素、C2−6アルケニルであり、
はニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、またはHetであり、特にRはニトロであり、
4aおよびR4bは互いに独立して水素、C1−4アルキルまたはアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルで置換されたC1−4アルキルであり、特にR4aおよびR4bは互いに独立して水素、C1−4アルキルであり、
Hetは各々が場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)−アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モ
ノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオで置換されていてもよいフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルであり、そして前記のフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分のいずれかは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、特にHetは各々が場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキルで置換されていてもよいフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルである]
の化合物並びにその製薬学的に許容可能な付加塩である請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
が水素、場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、フラニルで置換されていてもよいC1−6アルキルである請求項3に記載の使用。
【請求項5】
NcRTIが5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルである請求項1または2に記載の使用。
【請求項6】
逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者に有効量のNcRTIを投与することを含んでなる該患者の処置方法。
【請求項7】
逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にK65R突然変異を有するHIVに感染した患者に有効量の少なくとも1種がNcRTIであるHIV阻害剤の組み合わせを投与することを含んでなる該患者の処置方法。
【請求項8】
NcRTIが5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルである請求項5または6に記載の方法。
【請求項9】
NcRTIに対する耐性を発現させそして特に逆転写酵素をコードするウイルスゲノム中にM184Vおよび/またはY115F突然変異を有するHIVに感染した患者に有効量のテノフォビル(tenofovir)またはテノフォビル誘導体、特にテノフォビル・ジソプロキシル・フマレート(tenofovir disoproxil fumarate)(TDF)を投与することを含んでなる該患者の処置方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−525310(P2009−525310A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552830(P2008−552830)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051087
【国際公開番号】WO2007/088214
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(504347371)テイボテク・フアーマシユーチカルズ・リミテツド (94)
【Fターム(参考)】