説明

窓用断熱具

【課題】 極めて簡単に窓枠に固定することができて断熱効果及び防音効果に優れ、ソリやヘタリなどの変形が生じにくい窓用断熱具を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる二枚の四角形シート部材の周縁部に熱可塑性樹脂製の帯状マチ部材を設けた気密性を有する中空体の内部に、前記マチ部材とほぼ同一幅からなる複数の熱可塑性樹脂製の吊り部材を前記中空体の何れか一方の対向する側面と平行になるように互いに間隔をおいて、且つ、両端部が他方の対向する側面とそれぞれ所定の間隔をおいて設けると共に中空体に空気を注入排出する空気口を備え、空気充填時における吊り部材を設けた中央エリアに頂上部がほぼ同一高さのかまぼこ状の凹凸が中空体の両面に連続して出現し、前記吊り部材と平行な両側面から中空体を押圧した時に生じる反力によって中空体を窓枠に圧接固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の窓枠内に装着し外気との熱を遮断して暖房効率並びに冷房効率を向上し、快適空間を創造するために用いる容易に着脱可能な窓用断熱具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の窓用断熱具としては、主に寒冷地等において用いられる硬質塩化ビニル樹脂に代表される合成樹脂製サッシをアルミサッシに併設して用いられる二重サッシタイプと、窓の内側に空気層を設けたシート材を貼り付けるタイプのものがあった。しかし、前者の二重サッシは、業者が取り付け工事をして設置し、一旦取り付けると簡単に取り外しができず、高価であることから主として寒冷地等に用いられていた。また、後者のタイプとしては、例えば、特許文献1に記載する窓用断熱エアバッグのように、メイン空気室1と窓枠固定調整用空気室2の独立した2種類の空気室を持つものがあった。
【0003】
しかし、前記特許文献1に記載の考案に係る断熱具は、空気室1と空気室2が分離独立した構成からなり、各空気室の体積を可変可能にし、空気量を増減させて窓枠に密着固定するものである。しかし、空気量を増減させて空気室の体積を可変にするには、空気室を構成する素材が窓ガラスに追随する程度に軟らかくゴム弾性を有する必要がある。該軟らかいゴム弾性を有する素材で構成した場合には形態が安定せず、窓枠に長時間固定することは極めて困難な問題がある。特に窓枠に2個のエアバッグを並べて設置する場合、隣り合う空気室2の接触面が曲面同士で接触するので不安定で外れやすい。また、空気室2に空気を充填したときに左右側面部が外側に膨れ角が丸くなり隙間を生じて断熱効果が低下する原因となり易い等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3071596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記二重サッシは断熱効果は大きいが取り付け工事を要し価格も高価である点で問題があり、前記特許文献1に記載の考案に係る断熱具は二重サッシに比較すれば取り扱いが簡単であるが、前述したとおり改良の余地がある。本願発明者は、窓用断熱具について長年、鋭意研究した結果、周縁部にマチ部材を設けた中空体の内部にマチ部材と同一高さの複数の吊り部材を側面と平行に離間して設けることにより、吊り部材と平行に対向する両側面から圧力を加えた時に生じる反力によって中空体を確実に窓枠に固定することを知見して本発明に至ったものであり、本発明の主たる目的は、前記問題点を解消し、極めて簡単に窓枠に固定することができて断熱効果に優れ、ソリやヘタリなどの変形が生じにくい窓用断熱具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明は、建物の窓枠内に簡単に着脱可能にして、外気との熱を遮断するために用いる窓用断熱具において、熱可塑性樹脂からなる二枚の四角形シート部材の周縁部に熱可塑性樹脂製の帯状マチ部材を設けた気密性を有する中空体の内部に、前記マチ部材とほぼ同一幅からなる複数の熱可塑性樹脂製の吊り部材を前記中空体の何れか一方の対向する側面と平行になるように互いに間隔をおいて、且つ、両端部が他方の対向する側面とそれぞれ所定の間隔をおいて設けると共に中空体に空気を注入排出する空気口を備え、空気充填時における吊り部材を設けた中央エリアに頂上部がほぼ同一高さのかまぼこ状の凹凸が中空体の両面に連続して出現し、前記吊り部材と平行な両側面から中空体を押圧した時に生じる反力によって中空体を窓枠に圧接固定してなることを特徴とするエアーマット状の窓用断熱具とする(請求項1)。
【0007】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記中空体の空気充填時に前記吊り部材が前記中空体の側面視にて斜め方向に向くように形成することにより、前記吊り部材と平行な両側面から中空体を押圧した時に、前記傾斜した吊り部材が垂直方向に起立してその分厚みが増加するとともに、押圧した方向と反対方向に作用する反力により中空体を窓枠に圧接固定することを特徴とする前記の窓用断熱具とすることが好ましい(請求項2)。
【0008】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記中空体を形成してなる前記熱可塑性樹脂製のシート部材には、熱安定剤、着色剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光反射材、防カビ剤、抗菌剤、消臭剤、芳香剤及び帯電防止剤の一種又は二種以上を組み合わせたものを添加、塗布、印刷又は表面処理してなることを特徴とする前記の窓用断熱具とすることが好ましい(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
本願発明に係る窓用断熱具は、前記のように構成したことにより、空気を充填した状態で窓枠内に押し込むだけで簡単に取り付けることができる。取り外すには、周端部に指を差し込んで手前側に引くだけで簡単に取り外すことができる。外気温度と室内温度差で約5℃程度の断熱効果が得られる。また、空気充填時には両側面が横に膨れることなく、ほぼ完全に近い四角形のマット状となり形態が極めて安定し、ソリやヘタリが生じにくいので窓枠に確実に固定でき、窓枠と接する部分や側面同士が接する部分に隙間がほとんど生じないので断熱効果が向上する。また、かまぼこ状の凹凸部分がガラス窓と近接するが、ガラス窓と窓用断熱具中空体の間に空気層が介在し素材である樹脂の劣化と結露を軽減する効果を奏する。請求項2に記載のように吊り部材を空気充填時に傾斜するようにヒートシールし、中空体を両側面から加圧し傾斜吊り部材を直立状態で窓枠に固定すると、加圧したと逆方向に作用する反力により窓枠にしっかりと固定される。請求項3に記載の難燃剤、防炎剤、紫外線吸収剤、光反射材、防カビ剤、抗菌剤、消臭剤、芳香剤、帯電防止剤等を添加、塗布、印刷又は表面処理したシート部材を用いることによって、それぞれ特有の効果を付与することが可能となる。その他、一般の中空体を用いた窓用断熱具が奏する効果、例えば、断熱効果と共に防音効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は実施例に係る窓用断熱具の平面図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく側面図である。
【図2】(a)は実施例に係る窓用断熱具に空気を充填した状態の正面図であり、(b)は(a)に示す窓用断熱具を左右両側面から押圧した状態を示す説明図である。
【図3】(a)は図2(a)の部分拡大図であり、(b)は図2(b)の部分拡大図である。
【図4】(a)は実施例に係る窓用断熱具を窓枠に装着した状態を示す説明図であり、(b)は(a)の断面を示す説明図である。
【図5】実施例に係る窓用断熱具と窓枠との間に発泡体を挟持した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(以下「実施の形態」と称する)について、以下に詳細に説明する。しかし、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1に示す本発明の実施の形態において、1は中空体(窓用断熱具)であり、11a,11bはシート部材であり、12はマチ部材であり、13は吊り部材であり、14はヒートシール部であり、15はかまぼこ状の凹凸であり、16は空気口である。本発明の実施の形態に係る窓用断熱具は、熱可塑性樹脂からなる二枚の四角形シート部材11a,11bの周縁部に熱可塑性樹脂製の帯状マチ部材12を垂直方向に設けたた気密性を有する中空体1の内部に、前記マチ部材12とほぼ同一幅からなる複数の熱可塑性樹脂製の吊り部材13を前記中空体1の何れか一方の対向する側面17,17と平行になるように互いに間隔をおいて、且つ、両端部が他方の対向する側面18,18とそれぞれ所定の間隔をおいて設けると共に前記中空体に空気を注入排出するストッパー付き空気口16を備え、空気充填時における前記中空体の吊り部材13を設けた中央エリアに頂上部がほぼ同一高さのかまぼこ状の凹凸15が中空体の両面に連続して出現するエアーマット状からなり、前記中空体を吊り部材と平行な両側面17,17から押圧した時に生じる反力によって中空体1を窓枠に固定してなることを特徴とする。
【0013】
熱可塑性樹脂製の「シート部材」「マチ部材」及び「吊り部材」を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体又はブレンド重合体(ABS)、セルロース系プラスチック、熱可塑性エラストマー等から使用目的に応じて選択することができる。更に、前記のような熱可塑性樹脂の単一フィルムの他に共押出しフィルムや接着用樹脂層を介したドライラミネーション又はサンドラミネーションで貼り合わせた多層フィルムであってもよい。また、前記フィルムと布ないし不織布との複合体やターポリンも含まれる。
【0014】
熱可塑性樹脂の中で、特にポリ塩化ビニル(PVC)は、高周波ウエルダー加工によるヒートシールが可能であることからより好ましい。前記ポリ塩化ビニル(PVC)は、平均重合度がP600〜P2000の懸濁重合体が好ましく、中空体としての反発力(反力)が大きく窓枠に固定しやすいことから平均重合度P1300〜P1700が特に好ましい。可塑剤の添加量は前記PVC:100質量部に対して20〜100質量部、より好ましくは40〜80質量部で、ポリ塩化ビニルの重合度と硬さを考慮して適宜選択することが好ましい。可塑剤は汎用のDOPが好ましい、ガラスへの曇価を低減するためにn−DOP又はDIDP等を用いてもよい。耐熱性を向上する為にエポキシ化大豆油を併用することが好ましい。
【0015】
更に、反発弾性と加工性を向上するために、合成ゴム、例えばNBRを5〜20質量部、アクリル系改質剤を1〜5質量部添加することが好ましい。シーティング加工は、キャレンダー又はエクストルーダーの何れでも良いが、例えばP1300以上の比較的高重合度PVCにあってはキャレンダー加工が好ましい。また、外気温度の影響によって、シート部材の硬さの変化をなるべく緩和するために、例えば炭酸カルシウム等の無機質充填剤を5〜30部添加してもよい。シート部材は透光性を有する透明又は半透明が好ましい。透明の度合いは酸化チタン又は炭酸カルシウム等の無機添加剤の添加量によって調整できる。着色材を適宜添加ないし塗布し、表面にキャラクター等の印刷模様を施してもよい。
【0016】
シート部材には、前記の可塑剤、加工助剤、熱安定剤、着色剤及び充填剤等の他に、難燃剤、紫外線吸収剤、光反射材、防カビ剤、抗菌剤、消臭剤、芳香剤及び帯電防止剤の一種又は二種以上を組み合わせたものを添加、塗布、印刷又は表面処理してもよい。難燃剤としてはトリクレジルホスフェート(TCP)等のホスフェート系難燃剤及び塩化パラフィン等を用い、紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系の紫外線吸収剤を用いてもよい。光反射材としいてはアルミニウム、シルバー等の金属粉、貝殻粉等を練り込み、印刷、塗布又は表面処理するのが好ましい。表面処理にはアルミニウム等の蒸着も含まれる。防カビ剤としてはOBPA等、抗菌剤としてはゼオライトに銀イオン又は銅イオン等を担持した無機抗菌剤等を用いてもよく、帯電防止剤としてはアニオン活性剤、カチオン活性剤、非イオン活性剤等の各種活性剤が使用できる。
【0017】
次に、本発明の実施の形態に係る窓用断熱具は、前記熱可塑性樹脂からなる二枚の四角形シート部材11a,11bの周縁部に熱可塑性樹脂製の帯状マチ部材12を垂直方向に設けた気密性を有する中空体1の内部に、前記マチ部材12とほぼ同一高さからなる複数の熱可塑性樹脂製の吊り部材13を前記中空体1の何れか一方の対向する側面17,17と平行になるように互いに間隔をおいて、且つ、両端部が他方の対向する側面18,18とそれぞれ所定の間隔をおいて設けられている。前記シート部材11a,11bと、マチ部材12と、吊り部材13とはそれぞれ熱溶着により接合することが好ましい。ポリ塩化ビニルは高周波ウエルダーを用い、その他の樹脂は超音波ウエルダーや電熱ヒーター等を用いて溶着する。
【0018】
本発明における「シート部材」「マチ部材」及び「吊り部材」を構成する素材には、厚さに関係なくフィルム及びシートが含まれるものとし、窓用断熱具である中空体に空気を充填し圧力を加えた時にマット状の形態を維持する柔軟性と弾性を有することが好ましい。フィルムの厚みは、特に限定するものではないが、厚みが薄いと物性の低下により窓枠への固定が困難となり、厚すぎる場合は溶着に長時間を要しエネルギー損失を招くことから0.1〜2.0mmが好ましく、0.15〜1.0mmがより好ましい。
【0019】
シート部材11a,11bと吊り部材13とを溶着するには、例えば、図3に示すように、吊り部材13の表面がシート部材11aに内接するように溶着し、吊り部材13の裏面がシート部材11bに内接するように溶着することにより、中空体に空気を充填したときに吊り部材13は傾斜した状態で係止する(図3a参照)。係る中空体を吊り部材と平行な両側面17,17から押圧すると、傾斜した吊り部材13が垂直方向に起立し(図3b参照)、更に、前記かまぼこ状の凹凸の凸部が前方に突出して吊り部材と吊り部材の間隔が狭まる結果、中空体は厚み方向に膨張する。しかし、両シート部材11a,11bが複数の吊り部材13によって接合されているので、中空体は幅方向への膨張が抑制されマット状の形態が維持される為に窓枠へ確実に固定される。
【0020】
窓用断熱具を窓枠に対して垂直に嵌め込んだときに、前記吊り部材13がほぼ水平方向を向いていれば、反力により窓用断熱具が窓枠に確実に固定していることの目安となる。また、窓用断熱具を窓枠に装着する際に、窓用断熱具が窓枠から外れないように中空体にフック又は粘着テープを取り付け、該フック又は粘着テープを介して窓枠又はガラス窓に取着してもよい(図示せず)。窓用断熱具は、通常、窓枠に1個ないし複数個並べて装着する。その場合、窓用断熱具と窓枠との間に隙間が生じる場合は、図5に示すように窓用断熱具と窓枠との間に発泡体19,19を挟持して隙間が生じないようにすることが好ましい。発泡体19は発泡ウレタン、発泡スチレン、発泡塩化ビニル、その他の樹脂やゴムの発泡体を適宜大きさに切断し両面テープ等で固定してもよい。発泡体19は断熱性を低下させないために独立気泡のスポンジタイプのものが好ましい。
【0021】
前記中空体の厚みを決定するマチ部材及び吊り部材の幅は、特に限定するものではないが、通常、15〜60mmが好ましく、20〜30mmがより好ましい。15mm未満では断熱効果が不充分となる恐れがあり、60mmを越えても断熱効果がそれ以上向上することがあまり期待できないからである。また、窓枠の内側の寸法と奥行きの寸法に応じた代表的なサイズの窓用断熱具を複数種類準備しておき、窓枠に最も近いサイズの窓用断熱具を選択するすることが好ましい。窓用断熱具のサイズとしては、例えば、375mm×680mm、390mm×370mm、390mm×570mm、617.5mm×370mm、617.5mm×570mm、マチ幅サイズが20mm又は30mmが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下に実施例を挙げて本発明について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。先ず、シート部材として0.23mm厚のポリ塩化ビニルシートを所定のサイズに裁断し、シート部材、マチ部材及び吊り部材をそれぞれ準備する。シート部材の基本配合を以下に示す。
配合:ポリ塩化ビニル(P1300) 100質量部
DOP 50質量部
安定剤(バリウム・亜鉛系) 3質量部
【0023】
次に、前記シート部材に幅が何れも30mmのマチ部材及び吊り部材をそれぞれ高周波ウエルダーにより溶着して所定の透明中空体を形成した。高周波ウエルダーにより吊り部材をシート部材に溶着するには両端部が丸型の平刃金型を用いることが好ましい。図1に示すように中空体の側面を押圧した際にヒートシール部の両端14aが丸くなり、ヒートシール部の角部に応力集中することによる切断を回避するためである。
(1)空気充填時における前記中空体中の吊り部材は傾斜した状態にあり(図3a参照)、この時の中空体のサイズは以下の通りである。
幅:375mm、長さ:755mm、厚さ(凸部から凸部まで):55.0mm
(2)前記中空体を吊り部材と平行な両側面から押圧した際に、吊り部材は直立した状態になり(図3b参照)、この時の中空体のサイズは以下の通りである。
幅:375mm、長さ:735mm、厚さ(凸部から凸部まで):56.5mm
【0024】
前記窓用断熱具を窓枠に装着する場合に、中空体を配置する向きは特に限定されないが、例えば、図4及び図5に示すように、吊り部材が水平方向を向くよう窓枠に配置すれば、中空体は反力により上下の窓枠に圧接固定される。このようにして浴室の窓枠に窓用断熱具を装着した場合と装着しない場合の室内温度を測定した。その結果、外気温が約3℃の時に、窓用断熱具を装着しない場合の室内温度が外気温とほぼ同じ3℃であったのに対して、窓用断熱具を装着した場合の室内温度が約8〜9℃あり、その差約5〜6℃の断熱効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係る窓用断熱具は、建物の窓枠内に簡単に着脱可能にして外気との熱を遮断して暖房効率並びに冷房効率を向上し、快適空間を創造すると共に省エネルギーと自然環境保護並びに経済的に極めて有用である。
【符号の説明】
【0026】
1:中空体(窓用断熱具)、11a,11b:シート部材、12:マチ部材、13:吊り部材、14:ヒートシール部、14a:ヒートシール部両端、15:かまぼこ状の凹凸、16:空気口、17:一方の対向する側面、18:他方の対向する側面、19:発泡体、
31:窓枠、32:壁、33:窓ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の窓枠内に簡単に着脱可能にして、外気との熱を遮断するために用いる窓用断熱具において、熱可塑性樹脂からなる二枚の四角形シート部材の周縁部に熱可塑性樹脂製の帯状マチ部材を設けた気密性を有する中空体の内部に、前記マチ部材とほぼ同一幅からなる複数の熱可塑性樹脂製の吊り部材を前記中空体の何れか一方の対向する側面と平行になるように互いに間隔をおいて、且つ、両端部が他方の対向する側面とそれぞれ所定の間隔をおいて設けると共に中空体に空気を注入排出する空気口を備え、空気充填時における吊り部材を設けた中央エリアに頂上部がほぼ同一高さのかまぼこ状の凹凸が中空体の両面に連続して出現し、前記吊り部材と平行な両側面から中空体を押圧した時に生じる反力によって中空体を窓枠に圧接固定してなることを特徴とするエアーマット状の窓用断熱具。
【請求項2】
前記中空体の空気充填時に前記吊り部材が前記中空体の側面視にて斜め方向に向くように形成することにより、前記吊り部材と平行な両側面から中空体を押圧した時に、前記傾斜した吊り部材が垂直方向に起立してその分厚みが増加するとともに、押圧した方向と反対方向に作用する反力により中空体を窓枠に圧接固定することを特徴とする請求項1記載の窓用断熱具。
【請求項3】
前記中空体を形成してなる前記熱可塑性樹脂製のシート部材には、熱安定剤、着色剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光反射材、防カビ剤、抗菌剤、消臭剤、芳香剤及び帯電防止剤の一種又は二種以上を組み合わせたものを添加、塗布、印刷又は表面処理してなることを特徴とする請求項1又は2記載の窓用断熱具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−77499(P2012−77499A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222827(P2010−222827)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(510261773)
【出願人】(510261784)
【Fターム(参考)】