窓開閉検出装置
【課題】窓開閉とクレセント錠の各監視状態を装置そのもので認識可能とする。
【解決手段】窓開閉監視部78は、引き違い窓の一方に配置したマグネットの磁力を窓開閉検出用ホールセンサ46で検出して窓の開閉を検出する。施錠監視部80は、クレセント錠の開閉レバーに配置したマグネットの磁力を施錠検出用ホールセンサ48で検出してクレセント錠の開閉を検出する。状態報知部82は、窓閉と錠閉の検出状態への状態変化を判別して緑色LED56bの点灯により正常監視状態となったことを報知し、また正常監視状態から窓開、錠開、又は窓開と錠開の検出状態への変化を判別して赤色LED56aの点灯により異常検出状態となったことを報知する。
【解決手段】窓開閉監視部78は、引き違い窓の一方に配置したマグネットの磁力を窓開閉検出用ホールセンサ46で検出して窓の開閉を検出する。施錠監視部80は、クレセント錠の開閉レバーに配置したマグネットの磁力を施錠検出用ホールセンサ48で検出してクレセント錠の開閉を検出する。状態報知部82は、窓閉と錠閉の検出状態への状態変化を判別して緑色LED56bの点灯により正常監視状態となったことを報知し、また正常監視状態から窓開、錠開、又は窓開と錠開の検出状態への変化を判別して赤色LED56aの点灯により異常検出状態となったことを報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の開閉状態をホールセンサなどの磁気検知素子を使用して検出する窓開閉検出装置及び初期登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象として窓の開閉を検出して無線により監視盤に送信して警報させる無線式の窓開閉監視装置が知られている。このような窓開閉監視装置にあっては、窓ガラスに配置したマグネットの磁力を磁気検知素子で検出し、検出磁力が低下したときに窓開閉と判断して異常検出信号を警報盤に無線送信して警報させる。また窓に設けた監視対象としてクレセント錠の開閉レバーに配置したマグネットの磁力を別の磁気検知素子で検出し、開閉レバーが開放されてマグネットが磁気検知素子から離れることで検出磁力が低下したときにクレセント錠の開放と判断して異常検出信号を警報盤に無線送信して警報させている。
【0003】
従来の窓開閉装置に使用される磁気検知素子は主に磁力の強弱に応じて接点を機械的にオン、オフするリードスイッチを使用していたが、近年にあっては、ホール効果を利用して磁力を検出するホールセンサを採用することが検討されている。
【0004】
ホールセンサは磁力の強さに比例したアナログ検出信号を出力することから、窓ガラスにマグネットを配置してホールセンサにより窓の開閉を検出する場合、アナログ信号として得られる磁力レベルから窓の開閉を検出するための判定閾値を適切に設定する必要がある。
【0005】
窓の開閉を検出するための判定閾値の設定は、製造段階の最終の検査工程などで、窓に対する設置状態と同じ測定環境をセッティングし、窓閉と同じ距離にマグネットを配置してその時の磁力レベルを求め、この磁力レベルに対し所定比率低い値を判定閾値として設定することで、窓開閉の監視動作が可能となる。
【0006】
また、クレセンサ錠の開閉を検出するための判定閾値の設定は、クレセント錠のタイプが様々であることから、現場に設置した状態でマグネットを配置した開閉レバーを閉位置に操作し、この時の磁力レベルを求め、この磁力レベルに対し所定比率低い値を判定閾値として設定することで、クレセント錠の監視動作が可能となる。
【特許文献1】特開2003−281636号公報
【特許文献2】特開2001−14990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような磁気検知素子としてホールセンサを使用して窓開閉監視とクレセント錠の開閉監視を行う窓開閉検出装置にあっては、外出の際に戸締りをすることで、窓の閉状態及びクレセント錠の施錠状態が検出され、この状態で監視装置を留守番モードにセットすることで監視動作が開始されるが、窓が完全に閉じていなかったり、クレセント錠が全閉位置に操作されていないような場合、窓開閉検出装置から監視盤に異常検出信号が無線送信されており、留守番モードをセットすると異常警報が出され、戸締りを再度確認しなおす必要があり、留守番モードのセッティングに手間と時間がかかる恐れがある。
【0008】
また現場に窓開閉検出装置を設置して例えばクレセント錠の監視に必要な判定閾値を現場操作で設定する場合、正常に閾値設定が行われて監視動作に入ったかどうかは、クレセント錠を開閉操作しながら監視盤を見に行って留守番モードが設定できるか、留守盤モードで警報動作するか確認する必要があり、設置時の現場での調整作業が煩雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、窓開閉とクレセント錠の各監視状態を装置そのもので認識可能とした窓開閉検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、窓開閉検出装置に於いて、
窓に配置した第1マグネットの磁力を第1磁気検知素子で検出して窓の開閉を検出する窓開閉監視部と、
窓に設けた錠の開閉レバーに配置した第2マグネットの磁力を第2磁気検知素子で検出して錠の開閉を検出する施錠監視部と、
窓開閉監視部及び施錠監視部による窓閉及び錠閉となる検出状態への変化を判別して正常監視状態を報知し、窓開閉監視部による窓開、施錠監視部による錠開、又は窓開閉監視部と施錠監視部による窓開及び錠開となる検出状態への変化を判別して異常検出状態を報知する状態報知部と、
を設けたことを特徴とする。
【0011】
ここで、状態報知部は、正常監視状態への変化を第1表示灯の点灯で報知し、異常検出状態への変化を第2表示灯の点灯で報知する。第1表示灯は緑色LEDであり、第2表示灯は赤色LEDである。
【0012】
状態報知部は、状態変化を検出した場合に、変化後の状態を所定時間だけ報知する。
【0013】
第1及び第2磁気検知素子はホールセンサである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、窓開閉検出装置に設けた表示灯などの報知手段により、窓開閉監視部により窓閉が検出され、且つ施錠監視部により錠閉が検出されているときに、正常状態を示す報知、例えば緑LEDの点灯が行われ、一方、窓開閉監視部による窓開と施錠監視部による錠開のいずれか一方又は両方が検出されているときには、異常状態を示す報知、例えば赤色LEDの点灯が行われ、窓開閉検出装置の設置場所で行う窓の開閉検出状態とクレセント錠の開閉検出状態が簡単且つ容易に確認でき、外出時の戸締りの確認が確実にでき、留守盤モードのセットで誤って警報が出されて戸締りを確認しなおすことがなくなり、非常に使い易い監視システムとすることができる。
【0015】
また現場で行うクレセント錠の監視に必要な判定閾値に設定操作においても、正しい設定操作が完了すると緑LEDが点灯して正常監視状態を報知し、監視装置に戻って状態監視を確認する必要がなく、現場での設置調整を簡単且つ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図である。図1において、本発明の窓開閉検出装置10は監視対象とする引き違い窓の窓サッシ12a,12bの縦枠に両面テープ又はビスなどにより固定される。
【0017】
窓開閉検出装置10の上側には、窓サッシ12a,12bを閉じた状態で、相対する位置に窓開閉検出マグネット14を両面テープで貼り付けており、窓開閉検出マグネット14からの磁力を内蔵した磁気検知素子としてホールセンサにより検出している。
【0018】
窓サッシ12a,12bを開くと、窓開閉検出マグネット14が窓開閉検出装置10から離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して窓開を示す検出信号を別途設置された監視盤に無線で送信して警報させる。
【0019】
また窓開閉検出装置10はその下端を窓サッシ12a,12bに設けているクレセント錠16に近接するように配置し、クレセント錠16の開閉レバー18に貼り付けたクレセント錠検出マグネット20の磁力を下端側に内蔵した別のホールセンサで検出している。
【0020】
クレセント錠16は開閉レバー18を図示の垂直方向に回した操作位置で窓サッシ12a,12bを施錠しており、このときクレセント錠検出マグネット20は窓開閉検出装置10に最も近接してホールセンサで検出する磁力が最大となり、施錠状態を検出している。
【0021】
開閉レバー18を下側に回してクレセント錠16を開錠すると、クレセント錠検出マグネット20が離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して解錠状態を示す検出信号を監視装置に無線送信して警報させる。
【0022】
図2は本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図である。図2において、本実施形態の窓開閉検出装置10は装置本体22とカバー部材24で構成される。
【0023】
装置本体22は、底部側から、ベース30、金属製のプレートロックカバー32、ボディケース36、アンテナ40を備えた回路基板38及び本体カバー40を組み立てており、更に電池44が着脱自在に設けられる。カバー部材24のクレセント錠側に位置する端部には、円錐状の集磁体26がホルダー部材28に組み込み固定された状態で収納される。
【0024】
回路基板38の上部側にはセンサ基板45が起立され、ここに窓開閉検出用ホールセンサ46を配置している。また回路基板38の下端にはクレセント錠検出用ホール素子48が設置されている。
【0025】
図3は本実施形態による窓開閉検出装置10について、カバー部材24を装置本体22から外した状態を示した説明図である。装置本体22の上部には、赤色LEDと緑LEDを用いた表示部56、施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力を判定するための閾値の登録処理を実行させる登録スイッチ60、カバー部材24の着脱を検出するタンパスイッチ64が設けられている。装置本体22はカバー部材24の嵌め込みを受けて嵌合固定する。
【0026】
また装置本体22の上部中央には4つの端子ピン穴を備えたシリアルポート55が設けられ、ここに外部のパーソナルコンピュータを接続することで、内蔵したプロセッサとの間でプログラムやデータなどを転送可能としている。
【0027】
カバー部材24は装置本体22に対し着脱自在あり、正面中央に表示窓57を設け、装置本体22の表示部56の表示状態が見えるようにしている。
【0028】
図4は図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図であり、図4(A)に平面を示し、図4(B)に横方向から見た状態を示している。
【0029】
図4(A)に示すように、本実施形態の窓開閉検出装置10は内側に位置する窓サッシ12aの縦枠に両面テープ又はビスにより取り付けられ、窓開閉検出装置10の右側面に相対して窓サッシ12bのガラス面に窓開閉検出マグネット14を両面テープで接着している。
【0030】
窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46は、図4(B)に示すように、窓開閉検出マグネット14に有効検出面を相対するようにセンサ基板45に実装しており、窓サッシ12a,12bを閉じた図示の状態で、装置側面からの距離dは最小となり、窓開閉検出マグネット14は破線で示す磁力線の方向に応じて例えばプラス極性で最大となる磁力レベルの検出信号を出力している。
【0031】
窓閉における最小距離dは、窓サッシの構造や窓開閉検出装置10の取り付け状態により変化するが、本実施形態にあっては、規定範囲内の距離に配置されたときの磁力レベルに対し窓閉の判定結果が効率よく得られるように、アンプ52による増幅率や判定閾値を設定している。
【0032】
この窓開閉を検出する窓判定閾値の設定は、製造工程の最終段階となる検査工程あるいは設置後の初期登録作業において、所定の距離に実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14を配置した測定環境を使用した磁力レベルの登録処理を通じて行われ、この詳細は後の説明で明らかにする。
【0033】
図5は、図1に対し窓の開閉が逆になった設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図である。この場合には図5(A)に示すように、窓サッシ12bが内側となり、その縦枠に図4とは反対向きに窓開閉検出装置10が設置される。
【0034】
このため図5(B)の横方向から見た状態では、窓サッシ12aのガラス面に貼り付けた窓開閉検出マグネット14による破線で示す磁力線は窓開閉検出用ホール素子46を左から右に通過し、図4(B)の場合とは逆方向となるため、窓開閉検出用ホールセンサ46からはマイナスとなる逆極性の磁力レベル検出信号が出力される。
【0035】
更に本実施形態にあっては、悪戯などにより窓開閉検出装置が動作しないように強力な磁石を近づける不正行為に対し、これを窓開と看做して判定する別の窓判定閾値が設定される。
【0036】
図6は本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図である。図6において、制御部として設けられたプロセッサ50はワンチップマイコンとして知られたコンピュータであり、1チップにCPU、ROM,RAM、AD変換ポート、各種の入出力ポートなどを備えており、本実施形態ではEEPROMなどの不揮発メモリ68を外付けしている。
【0037】
窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した窓ガラスに設けた窓開閉検出マグネット14による磁力レベル検出信号は、増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込み、例えば8ビットのAD変換データに変換される。
【0038】
また、施錠検出用ホールセンサ48で検出したクレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20による磁力レベル検出信号も増幅回路54で増幅された後にAD変換ポート72に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込み、同じく8ビットのAD変換データに変換される。
【0039】
プロセッサ50に対しては、表示部56、周波数切替スイッチ58、登録スイッチ60、テストスイッチ62、タンパスイッチ64、及び無線送信部66が設けられている。
【0040】
表示部56は赤色LED56aと緑色LED56bの2色LEDを設けており、例えば窓開や解錠などの異常検出で赤色LED56aを点灯し、その後の正常復帰で緑色LED56bを点灯して監視状態を表示する。周波数切替スイッチ58は無線送信部66について予め準備された複数の使用可能チャネルのいずれか1つを選択する。
【0041】
登録スイッチ60は本実施形態の使用開始時に行う施錠登録モードの設定に使用される。テストスイッチ62はリードスイッチが使用されており、テスト用のマグネットを近づけるとテストスイッチ62が動作してテスト用電文を無線送信部66から監視装置に送信させる。タンパスイッチ64はカバー部材24の着脱を検出するスイッチである。
【0042】
無線送信部66には送信回路が設けられ、監視状態を監視盤に対して無線通信を行う。
【0043】
不揮発メモリ68には装置の窓開閉検出用ホールセンサ46から取得した磁力レベルVs1と、磁力レベルVs1に基づいて求めた窓開閉検出の第1窓判定閾値TH1と、悪戯などによる強い磁石を近づけたときの磁力を検出する第2窓判定閾値TH2が記憶されている。
【0044】
また不揮発メモリ68には、窓開閉検出装置10を窓に設置した状態で行われるクレセント錠登録処理で施錠検出用ホールセンサ48から取得した磁力レベルVs2と、磁力レベルVs2に基づいて求めた錠開閉検出の錠判定閾値TH3が記憶されている。
【0045】
プロセッサ50にはCPUによるプログラムの実行により実現される機能として、窓開閉登録処理部74、施錠登録処理部76、窓開閉監視部78、施錠監視部80、状態報知部82及び通信制御部84が設けられている。
【0046】
窓開閉登録処理部74は、所定距離d離して配置した実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14による磁力レベルVsを検出して不揮発メモリ68に初期登録し、初期登録した磁力レベルVs1に対し所定の比率だけ低いレベルを窓開閉の第1窓判定閾値TH1として不揮発メモリ68に登録する。
【0047】
更に、初期登録した磁力レベルVs1に対し通常監視ではあり得ない所定の比率だけ高いレベルを悪戯により近づけられた強い磁石の磁力を判定する第2窓判定閾値TH2として不揮発メモリ68に登録する。
【0048】
施錠登録処理部76は、図1のように、窓開閉検出装置10、窓開閉検出マグネット14及びクレセント錠検出マグネット20の取り付け配置が完了した後、クレセント錠16の開閉レバー18を解錠位置に操作した状態とし、この状態で図3に示したようにカバー部材24を外して装置本体22の登録スイッチ60を操作すると、所定期間の登録モードが設定され、登録処理が実行される。
【0049】
登録モードが開始されると表示部56の赤色LED56aが点滅を始める。赤色LED56aが点滅している間カバー部材24を装置本体22に装着し、クレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に操作してクレセント錠検出マグネット20を近づけた状態とする。
【0050】
施錠登録処理部74は登録モードの動作中は、所定周期で施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルを取得し、予め設定した所定の有効レベルと比較し、有効レベルである場合には、不揮発メモリ68に磁力レベルVs2として記憶する。
【0051】
なお、磁力レベルVs2の初期登録は、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルを不揮発メモリ68に初期登録する。
【0052】
不揮発メモリ68に磁力レベルVs2が有効に初期登録されると、表示部56の緑色LED56bが点灯し、初期登録完了を知らせる。初期登録が完了すると、登録処理部74は、初期登録した磁力レベルに対し所定比率低い値を算出し、クレセント錠の施錠解錠を判断する錠判定閾値TH3として不揮発メモリ68に登録し、施錠監視部78によるクレセント錠の施錠監視を開始させる。
【0053】
一方、登録スイッチ60の操作により登録モードを設定している所定時間以内に、カバー部材24を閉じてクレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に戻す操作を行わなかった場合には、有効レベルの磁力レベルが得られないために、磁力レベルの初期登録か完了せず、登録モードを設定している所定時間以内を経過したときに、赤色LED56aが点滅から点灯に切り替わり、初期登録の失敗を表示し、登録処理のエラー状態をセットすると共に、施錠監視処理部78によるクレセント錠の施錠監視を解除する。
【0054】
この場合には、開閉レバー18を解錠位置に戻し、カバー部材24を開いて登録スイッチ60を操作することで、再度、磁力レベルの初期登録を行うことができる。
【0055】
窓開閉監視部78は窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第1窓判定閾値TH1と比較し、窓の開又は閉を判定し、判定結果を示す電文を無線送信部66から監視盤に送信して警報又は警報解除を行わせる。
【0056】
また、開閉監視部76は外部から強力な磁石を近づけることで磁力レベルが閾値以下としないようにして窓をあけるような所謂不正行為に対処するため、窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第2窓判定閾値TH2と比較し、磁力レベルが第2窓判定閾値TH2を超えた時にも窓開と見做して窓開を示す電文を送信する。
なお、施錠及び解錠時の磁力レベルに基づき通常使用状態の磁力レベルの適正範囲を設定し、磁力レベルが適正範囲から上下に外れた場合には不正行為が発生したと判定するようにしても良い。つまり、適正使用範囲の上限値を施錠時の磁力レベルよりも所定比率分高い値に設定し、下限値を解錠時の零点レベルよりも所定比率小さい値に設定して、適正範囲内に磁力レベルがあるかを検出して不正行為を判定するようにしてもよい。これはクレセント錠の磁力レベルの測定や窓開閉検出の磁力レベルの測定のいずれにおいても適用できる。
【0057】
施錠監視部80は施錠検出用ホールセンサ48から得られた磁力レベルを施錠登録処理部76により設定した錠判定閾値TH3と比較し、錠判定閾値TH3以下となった場合にクレセント錠の開と判断して錠開を示す電文を無線送信部66から監視装置に送信して警報させる。また、施錠監視部80は、錠開を検出した後に、錠閉に戻った場合にも、その旨の電文を監視装置に無線送信する。
【0058】
状態報知部82は、窓開閉監視部78又は窓閉と施錠監視部80により検出状態の変化を判別したときに、変化後の状態を表示部56を使用して報知する。まず窓開閉監視部78と施錠監視部80による正常監視状態は、窓閉と錠閉の検出状態であり、この正常監視状態から窓開、錠開、若しくは窓開と錠開のいずれかの異常検出状態への状態変化を判別すると、状態報知部82は異常検出状態を示す赤色LED56aを所定時間に亘り点灯駆動する。
【0059】
また窓開、錠開、若しくは窓開と錠開のいずれかの異常検出状態から、窓閉で且つ錠閉の正常監視状態への状態変化を判定すると、状態報知部82は正常監視状態を示す緑色LED56bを所定時間に亘り点灯駆動する。
【0060】
赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯する時間は、例えば状態変化を判定してから状態変化を示す電文を監視装置に送信し終わるまでの時間としている。
【0061】
通信制御部82は窓開閉監視部78及び施錠監視部80の判断に基づく電文の送信に加え、一定時間間隔ごとに定期通報の電文を送信させる。
【0062】
図7は、製造時の検査工程などの測定環境で行われる窓開閉監視の磁力レベルの初期登録におけるマグネットとホールセンサの配置を示した説明図である。
【0063】
図7において、組立が完了した窓開閉検出装置10を測定環境に配置し、例えば図4のような現場設置を予定していたとすると、窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46の有効検出面に相対するように、装置左側面に対し例えばd=20mm離して実際に使用する窓開閉検出マグネット14を配置する。
【0064】
この場合、窓開閉検出マグネット14の高さ方向の位置は、図3に示したカバー部材24に形成しているマーカ24aにマグネット上端が合うように設置することで、マグネットの略中央に窓開閉検出用ホールセンサ46が位置する図7の位置関係が得られる。
【0065】
また、窓開閉検出装置10に対しては登録支援用のパーソナルコンピュータを例えばシリアルポート55に接続して窓開閉登録処理部74として機能するプログラムをダウンロードしておく。
【0066】
このような試験環境におけるセッティングが済んだならば、図3のように、カバー24を外した状態で登録スイッチ60をオン操作すると、赤色LED56aが点滅し、ダウンロードした窓開閉登録処理プログラムが起動して窓開閉登録モードを設定し、登録動作を開始する。なお、登録スイッチ50を操作したら、速やかにカバー部材24は装置本体に閉じる。
【0067】
この登録動作は、窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルを取り込んで、予め設定した有効レベルであるか否か判定し、有効レベルである磁力レベルVs1が得られたら、不揮発メモリ68に初期登録する。この初期登録が済むと緑LED56bが点灯し、初期登録完了を知らせる。
【0068】
なお、磁力レベルの初期登録は、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルVs1を不揮発メモリ68に初期登録する。
【0069】
磁力レベルVs1の初期登録が完了したら、これより所定の比率低いレベルを窓開閉検出の第1窓判定閾値TH1として算出して不揮発メモリ68に登録する。また初期登録した磁力レベルVsより所定比率高い通常監視状態では想定できない磁力レベルとなる第2窓判定閾値TH2を悪戯により加わる強い磁力を判定するために算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0070】
なお、窓開閉登録処理が完了したら、そのためにダウンロードした窓開閉登録処理プログラムは残しておいても良いが、不要であることから消去する。
【0071】
また設置現場が図5のような場合には、装置の右側に窓開閉検出マグネット14を配置して同様な窓開閉登録処理を実行して磁力レベルVs2の初期登録と第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2の登録を行う。
【0072】
ただし、窓開閉検出マグネット14を左側に配置して磁力レベルを初期設定して判定閾値を求めた後に、実際の現場で逆の配置関係になったとしても、初期登録した磁力レベルにつき左右の相違によるレベル差はほんとんなく、逆の配置であっても、改めて初期登録することなく、そのまま現場に設置して窓開閉を有効に監視することができる。
【0073】
図8は図6のAD変換ポート70による磁力レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図である。図6に示した窓開閉検出用ホールセンサ46は磁力線の通過方向によりプラス極性の磁力レベル検出信号とマイナス極性の磁力レベル検出信号を出力する。
【0074】
窓開閉検出用ホールセンサ46からの磁力レベル検出信号は増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70により例えば8ビットの磁力レベルデータ(AD変換値)に変換される。
【0075】
このAD変換ポート70の変換特性は、図8の縦軸に示すように、10進AD変換値として0〜256の値を持ち、入力するプラス極性の磁力レベル検出信号0〜+VmaxをAD変換値128〜256に変換し、入力するマイナス極性の磁力レベル検出信号0〜−VmaxをAD変換値128〜0に変換する。
【0076】
図9は本実施形態における装置側面から窓開閉検出マグネット14までの距離dに対する窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図である。なお、実際のAD変換ポート70の変換特性は図8のようになるが、図9にあっては、説明を簡単にするため、磁化レベル検出信号の極性に関らず、AD変換値を0〜128として示している。
【0077】
図9の特性は、例えば図7の設置状態で、装置側面から窓開閉検出マグネット14までの距離dをd=0〜24mmの範囲で変化させて測定した磁力レベルに対応したAD変換値を示している。
【0078】
このような特性において、例えばd=20mmとなるマグネット配置を予定したとすると、このときのP点に対応した磁力レベルVs1が求まる。続いて、磁力レベルVs1から所定比率αだけ低い値を第1窓判定閾値TH1として設定し、更に、磁力レベルVsに対し所定比率高い値を第2窓判定閾値TH2として設定する。
【0079】
図10は、本実施形態におけるクレセント錠検出マグネット20と施錠検出用ホールセンサ48の関係を示した説明図である。図10において、窓開閉検出装置10における装置本体22のクレセント錠側の端部には施錠検出用ホールセンサ48が配置され、その前方(下方)にカバー部材24に収納した円錐状の集磁体26を配置している。また施錠検出用ホールセンサ48の後方(上方)には電池44が配置されている。
【0080】
クレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20は、開閉レバー18の施錠状態で図示のカバー部材24の外端面から距離hに位置し、この施錠位置での距離hが最小距離となる。クレセント錠検出マグネット20からの磁束は集磁体26の大径入射面に入った後、反対側の小径出射面に収束されて施錠検出用ホールセンサ48を通過する。
【0081】
このようなクレセント錠検出マグネット20による磁束は施錠検出用ホールセンサ48で磁力に応じた電圧信号として検出され、増幅回路52で増幅した後にAD変換ポート72により磁力レベル(AD変換値)として読み込まれる。
【0082】
図11は図10に示した装置端面からクレセント錠検出マグネット20までの距離hに対する施錠錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図である。なお、実際のAD変換ポート70の変換特性は図8のようになるが、図11にあっては、説明を簡単にするため、磁化レベル検出信号の極性に関らず、AD変換値を0〜128として示している。
【0083】
ここで例えばクレセント錠検出マグネット20までの距離hがh=20mmであったとすると、P点に対応した磁力レベルVs2が初期登録される。また錠判定閾値TH3は、初期登録した磁力レベルVs2から所定比率下げた値として設定される。
【0084】
図12は図6のプロセッサによる本実施形態の監視処理を示したフローチャートである。
【0085】
図12において、図4に示したような現場設置が済んだ状態で電池44の装着により電源が投入されると、ステップS1で初期化処理と自己診断処理が実行され、異常が無ければステップS2に進み、不揮発メモリ68に記憶されている窓開閉監視の磁力レベルVs1及び第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2を含むデータを読み込む。
【0086】
続いてステップS3に進み、施錠監視登録モードか否か判定し、カバー部材24を開いて登録スイッチ60をオン操作することによって施錠監視登録モードの設定が判別されると、ステップS4に進んで施錠検出用ホールセンサ48による磁力レベルVs2の初期登録と、クレセント錠16の施錠と解錠を検出するための錠判定閾値TH3の登録を含む施錠監視登録処理を実行する。
【0087】
続いてステップS5で所定の監視周期への到達の有無を判定しており、監視周期への到達を判定するとステップS6に進んで電池44に対するローバッテリ監視処理を実行する。このとき電池電圧が規定電圧以下に低下していると、ローバッテリを示す電文を監視盤に無線送信して障害表示を行わせる。
【0088】
次にステップS7で窓開閉監視処理を実行し、窓開又は窓閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。更にステップS8で施錠監視処理を実行し、錠開又はその後の錠閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。続いてステップS9で定期通報時間経過かを判別し、経過を判別した場合にはステップS10に進み、定期通報電文を監視盤に送信する定期通報処理を行う。
【0089】
図13は図12のステップS7における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0090】
図13において、まずステップS11で窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS12に進んで前回が窓開判定であることを判別すると、ステップS13に進んで第1窓判定閾値TH1と比較する。
【0091】
ステップS13で磁力レベルが第1窓判定閾値TH1以下であればステップS14に進んで窓開判定とし、この場合、窓閉の判定状態から窓開の判定状態となる異常検出状態への変化であることから、ステップS15で赤色LED56aを点灯し、異常検出状態への状態変化を報知する。
【0092】
続いてステップS16で窓開判定の電文を監視盤に向けて無線送信し、無線送信が終了するとステップS17で赤色LED56bを消灯する。
【0093】
一方、ステップS13で磁力レベルが第1窓判定閾値TH1を超えていた場合はステップS18で第2窓判定閾値TH2と比較し、第2窓判定閾値TH2以上の場合は、悪戯などにより強力な磁石を外から近づけたことによる磁力レベルの異常な増加と判断し、ステップS14に進んで窓開判定とし、ステップS15〜S17で赤色LED56aを窓開判定電文の無線送信が終了するまで点灯駆動する。
【0094】
また、ステップS12で前回が開判定であった場合には、ステップS19に進み、磁力レベルが第1窓判定閾値レベルTH1より大きく、第2窓判定閾値TH2より小さいときはステップS20に進んで窓閉判定を行う。
【0095】
続いてステップS21で施錠監視部80により現在クレセント錠の閉判定中か否か判別し、閉判定中であれば、窓閉で且つ錠閉となる正常監視状態に変化していることからステップS22に進んで緑色LED56aを選択する。一方、ステップS21で開判定中であれば、窓開で且つ錠閉となる異常検出状態にあることからステップS23に進んで赤色LED56bを選択する。
【0096】
そしてステップS24に進み、既に選択した赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯してステップS25で窓閉の判定電文を無線送信し、送信が終了するとステップS26で点灯しているLEDを消灯する。
【0097】
図14は図12のステップS8における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0098】
図14において、まずステップS31で施錠検出用ホールセンサ48により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS32に進んで前回が窓閉判定であることを判別すると、ステップS33に進んで錠判定閾値TH3と比較する。
【0099】
ステップS33で磁力レベルが錠判定閾値TH3以下であればステップS34に進んで錠開判定とし、この場合、錠閉の判定状態から錠開の判定状態となる異常検出状態への変化であることから、ステップS35で赤色LED56aを点灯し、異常検出状態への状態変化を報知する。
【0100】
続いてステップS36で錠開判定の電文を監視装置に向けて無線送信し、無線送信が終了するとステップS7で赤色LED56bを消灯する。
【0101】
ステップS32で前回が開判定であった場合には、ステップS38に進み、磁力レベルが錠判定閾値レベルTH3より大きいときはステップS39に進んで錠閉判定を行う。
【0102】
続いてステップS40で窓開閉監視部78により現在窓の閉判定中か否か判別し、閉判定中であれば、窓閉で且つ錠閉となる正常監視状態に変化していることからステップS41に進んで緑色LED56aを選択する。一方、ステップS40で窓開判定中であれば、窓開で且つ錠閉となる異常検出状態にあることからステップS42に進んで赤色LED56bを選択する。
【0103】
そしてステップS43に進み、既に選択した赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯してステップS44で錠閉の判定電文を無線送信し、送信が終了するとステップS45で点灯しているLEDを消灯する。
【0104】
このような図13及び図14による監視処理によれば、例えば外出の際に窓を閉めてクレセント錠を施錠すると、窓開閉検出装置10の緑色LED56が点灯し、正しく監視状態へのセットが行われたことが確認できる。このとき、もし、赤色LED56aが点灯した場合は、窓が完全に閉じられてないか、クレセント錠が施錠されていないか、施錠されていても開閉レバーを完全な閉鎖位置まで回していない状態であり、監視状態にセットされていないことを赤色LED56aの点灯から知って、監視状態へのセットをやり直し、緑色LED56の点灯で確認できる。
【0105】
また設置現場でクレセント錠の登録処理を完了した後において、窓の開閉とクレセント錠の開閉に対する状態変化を赤色LED56aと緑色LED56bの点灯状態から簡単に確認することができ、別途設定している監視盤に出向いて検出状態を確認する手間が無くなり、本実施形態の窓開閉検出装置を使用した監視システムの設置調整作業のミスを起こすことなく効率良く進めることができる。
【0106】
なお、窓開閉監視及び施錠監視による状態変化の報知を赤色LEDと青色LEDの所定時間に亘る点灯で報知しているが、LED以外の表示手段を使用しても良いし、表示以外にブザーなどの音響出力や液晶表示などによる変化した状態を報知するようにしても良い。
【0107】
また、本発明はその目的と利点を損なうことの無い適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図
【図2】本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図
【図3】本実施形態による窓開閉検出装置についてカバー部材を装置本体から外した状態を示した説明図
【図4】図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図5】図1に対し窓の開閉が逆になった設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図6】本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図
【図7】調整工程などの測定環境で行われる窓開閉監視の磁力レベルの初期登録におけるマグネットとホールセンサの配置を示した説明図
【図8】図6のAD変換ポートによる磁力レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図
【図9】本実施形態における装置側面からマグネットまでの距離に対するホールセンサで検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図10】本実施形態におけるクレセント錠検出マグネットとホールセンサの関係を示した説明図
【図11】本実施形態における装置下端からクレセント錠検出マグネットまでの距離に対するホールセンサで検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図12】図6のプロセッサによる本実施形態の窓開閉検出処理を示したフローチャート
【図13】図12のステップS7における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャート
【図14】図12のステップS8におけるクレセント錠開閉監視処理の詳細を示したフローチャート
【符号の説明】
【0109】
10:窓開閉検出装置
12a,12b:窓サッシ
14:窓開閉検出マグネット
16:クレセント錠
18:開閉レバー
20:クレセント錠検出マグネット
22:装置本体
36:ボディケース
46:窓開閉検出用ホールセンサ
48:施錠検出用ホールセンサ
56:表示部
60:登録スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の開閉状態をホールセンサなどの磁気検知素子を使用して検出する窓開閉検出装置及び初期登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象として窓の開閉を検出して無線により監視盤に送信して警報させる無線式の窓開閉監視装置が知られている。このような窓開閉監視装置にあっては、窓ガラスに配置したマグネットの磁力を磁気検知素子で検出し、検出磁力が低下したときに窓開閉と判断して異常検出信号を警報盤に無線送信して警報させる。また窓に設けた監視対象としてクレセント錠の開閉レバーに配置したマグネットの磁力を別の磁気検知素子で検出し、開閉レバーが開放されてマグネットが磁気検知素子から離れることで検出磁力が低下したときにクレセント錠の開放と判断して異常検出信号を警報盤に無線送信して警報させている。
【0003】
従来の窓開閉装置に使用される磁気検知素子は主に磁力の強弱に応じて接点を機械的にオン、オフするリードスイッチを使用していたが、近年にあっては、ホール効果を利用して磁力を検出するホールセンサを採用することが検討されている。
【0004】
ホールセンサは磁力の強さに比例したアナログ検出信号を出力することから、窓ガラスにマグネットを配置してホールセンサにより窓の開閉を検出する場合、アナログ信号として得られる磁力レベルから窓の開閉を検出するための判定閾値を適切に設定する必要がある。
【0005】
窓の開閉を検出するための判定閾値の設定は、製造段階の最終の検査工程などで、窓に対する設置状態と同じ測定環境をセッティングし、窓閉と同じ距離にマグネットを配置してその時の磁力レベルを求め、この磁力レベルに対し所定比率低い値を判定閾値として設定することで、窓開閉の監視動作が可能となる。
【0006】
また、クレセンサ錠の開閉を検出するための判定閾値の設定は、クレセント錠のタイプが様々であることから、現場に設置した状態でマグネットを配置した開閉レバーを閉位置に操作し、この時の磁力レベルを求め、この磁力レベルに対し所定比率低い値を判定閾値として設定することで、クレセント錠の監視動作が可能となる。
【特許文献1】特開2003−281636号公報
【特許文献2】特開2001−14990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような磁気検知素子としてホールセンサを使用して窓開閉監視とクレセント錠の開閉監視を行う窓開閉検出装置にあっては、外出の際に戸締りをすることで、窓の閉状態及びクレセント錠の施錠状態が検出され、この状態で監視装置を留守番モードにセットすることで監視動作が開始されるが、窓が完全に閉じていなかったり、クレセント錠が全閉位置に操作されていないような場合、窓開閉検出装置から監視盤に異常検出信号が無線送信されており、留守番モードをセットすると異常警報が出され、戸締りを再度確認しなおす必要があり、留守番モードのセッティングに手間と時間がかかる恐れがある。
【0008】
また現場に窓開閉検出装置を設置して例えばクレセント錠の監視に必要な判定閾値を現場操作で設定する場合、正常に閾値設定が行われて監視動作に入ったかどうかは、クレセント錠を開閉操作しながら監視盤を見に行って留守番モードが設定できるか、留守盤モードで警報動作するか確認する必要があり、設置時の現場での調整作業が煩雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、窓開閉とクレセント錠の各監視状態を装置そのもので認識可能とした窓開閉検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、窓開閉検出装置に於いて、
窓に配置した第1マグネットの磁力を第1磁気検知素子で検出して窓の開閉を検出する窓開閉監視部と、
窓に設けた錠の開閉レバーに配置した第2マグネットの磁力を第2磁気検知素子で検出して錠の開閉を検出する施錠監視部と、
窓開閉監視部及び施錠監視部による窓閉及び錠閉となる検出状態への変化を判別して正常監視状態を報知し、窓開閉監視部による窓開、施錠監視部による錠開、又は窓開閉監視部と施錠監視部による窓開及び錠開となる検出状態への変化を判別して異常検出状態を報知する状態報知部と、
を設けたことを特徴とする。
【0011】
ここで、状態報知部は、正常監視状態への変化を第1表示灯の点灯で報知し、異常検出状態への変化を第2表示灯の点灯で報知する。第1表示灯は緑色LEDであり、第2表示灯は赤色LEDである。
【0012】
状態報知部は、状態変化を検出した場合に、変化後の状態を所定時間だけ報知する。
【0013】
第1及び第2磁気検知素子はホールセンサである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、窓開閉検出装置に設けた表示灯などの報知手段により、窓開閉監視部により窓閉が検出され、且つ施錠監視部により錠閉が検出されているときに、正常状態を示す報知、例えば緑LEDの点灯が行われ、一方、窓開閉監視部による窓開と施錠監視部による錠開のいずれか一方又は両方が検出されているときには、異常状態を示す報知、例えば赤色LEDの点灯が行われ、窓開閉検出装置の設置場所で行う窓の開閉検出状態とクレセント錠の開閉検出状態が簡単且つ容易に確認でき、外出時の戸締りの確認が確実にでき、留守盤モードのセットで誤って警報が出されて戸締りを確認しなおすことがなくなり、非常に使い易い監視システムとすることができる。
【0015】
また現場で行うクレセント錠の監視に必要な判定閾値に設定操作においても、正しい設定操作が完了すると緑LEDが点灯して正常監視状態を報知し、監視装置に戻って状態監視を確認する必要がなく、現場での設置調整を簡単且つ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図である。図1において、本発明の窓開閉検出装置10は監視対象とする引き違い窓の窓サッシ12a,12bの縦枠に両面テープ又はビスなどにより固定される。
【0017】
窓開閉検出装置10の上側には、窓サッシ12a,12bを閉じた状態で、相対する位置に窓開閉検出マグネット14を両面テープで貼り付けており、窓開閉検出マグネット14からの磁力を内蔵した磁気検知素子としてホールセンサにより検出している。
【0018】
窓サッシ12a,12bを開くと、窓開閉検出マグネット14が窓開閉検出装置10から離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して窓開を示す検出信号を別途設置された監視盤に無線で送信して警報させる。
【0019】
また窓開閉検出装置10はその下端を窓サッシ12a,12bに設けているクレセント錠16に近接するように配置し、クレセント錠16の開閉レバー18に貼り付けたクレセント錠検出マグネット20の磁力を下端側に内蔵した別のホールセンサで検出している。
【0020】
クレセント錠16は開閉レバー18を図示の垂直方向に回した操作位置で窓サッシ12a,12bを施錠しており、このときクレセント錠検出マグネット20は窓開閉検出装置10に最も近接してホールセンサで検出する磁力が最大となり、施錠状態を検出している。
【0021】
開閉レバー18を下側に回してクレセント錠16を開錠すると、クレセント錠検出マグネット20が離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して解錠状態を示す検出信号を監視装置に無線送信して警報させる。
【0022】
図2は本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図である。図2において、本実施形態の窓開閉検出装置10は装置本体22とカバー部材24で構成される。
【0023】
装置本体22は、底部側から、ベース30、金属製のプレートロックカバー32、ボディケース36、アンテナ40を備えた回路基板38及び本体カバー40を組み立てており、更に電池44が着脱自在に設けられる。カバー部材24のクレセント錠側に位置する端部には、円錐状の集磁体26がホルダー部材28に組み込み固定された状態で収納される。
【0024】
回路基板38の上部側にはセンサ基板45が起立され、ここに窓開閉検出用ホールセンサ46を配置している。また回路基板38の下端にはクレセント錠検出用ホール素子48が設置されている。
【0025】
図3は本実施形態による窓開閉検出装置10について、カバー部材24を装置本体22から外した状態を示した説明図である。装置本体22の上部には、赤色LEDと緑LEDを用いた表示部56、施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力を判定するための閾値の登録処理を実行させる登録スイッチ60、カバー部材24の着脱を検出するタンパスイッチ64が設けられている。装置本体22はカバー部材24の嵌め込みを受けて嵌合固定する。
【0026】
また装置本体22の上部中央には4つの端子ピン穴を備えたシリアルポート55が設けられ、ここに外部のパーソナルコンピュータを接続することで、内蔵したプロセッサとの間でプログラムやデータなどを転送可能としている。
【0027】
カバー部材24は装置本体22に対し着脱自在あり、正面中央に表示窓57を設け、装置本体22の表示部56の表示状態が見えるようにしている。
【0028】
図4は図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図であり、図4(A)に平面を示し、図4(B)に横方向から見た状態を示している。
【0029】
図4(A)に示すように、本実施形態の窓開閉検出装置10は内側に位置する窓サッシ12aの縦枠に両面テープ又はビスにより取り付けられ、窓開閉検出装置10の右側面に相対して窓サッシ12bのガラス面に窓開閉検出マグネット14を両面テープで接着している。
【0030】
窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46は、図4(B)に示すように、窓開閉検出マグネット14に有効検出面を相対するようにセンサ基板45に実装しており、窓サッシ12a,12bを閉じた図示の状態で、装置側面からの距離dは最小となり、窓開閉検出マグネット14は破線で示す磁力線の方向に応じて例えばプラス極性で最大となる磁力レベルの検出信号を出力している。
【0031】
窓閉における最小距離dは、窓サッシの構造や窓開閉検出装置10の取り付け状態により変化するが、本実施形態にあっては、規定範囲内の距離に配置されたときの磁力レベルに対し窓閉の判定結果が効率よく得られるように、アンプ52による増幅率や判定閾値を設定している。
【0032】
この窓開閉を検出する窓判定閾値の設定は、製造工程の最終段階となる検査工程あるいは設置後の初期登録作業において、所定の距離に実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14を配置した測定環境を使用した磁力レベルの登録処理を通じて行われ、この詳細は後の説明で明らかにする。
【0033】
図5は、図1に対し窓の開閉が逆になった設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図である。この場合には図5(A)に示すように、窓サッシ12bが内側となり、その縦枠に図4とは反対向きに窓開閉検出装置10が設置される。
【0034】
このため図5(B)の横方向から見た状態では、窓サッシ12aのガラス面に貼り付けた窓開閉検出マグネット14による破線で示す磁力線は窓開閉検出用ホール素子46を左から右に通過し、図4(B)の場合とは逆方向となるため、窓開閉検出用ホールセンサ46からはマイナスとなる逆極性の磁力レベル検出信号が出力される。
【0035】
更に本実施形態にあっては、悪戯などにより窓開閉検出装置が動作しないように強力な磁石を近づける不正行為に対し、これを窓開と看做して判定する別の窓判定閾値が設定される。
【0036】
図6は本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図である。図6において、制御部として設けられたプロセッサ50はワンチップマイコンとして知られたコンピュータであり、1チップにCPU、ROM,RAM、AD変換ポート、各種の入出力ポートなどを備えており、本実施形態ではEEPROMなどの不揮発メモリ68を外付けしている。
【0037】
窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した窓ガラスに設けた窓開閉検出マグネット14による磁力レベル検出信号は、増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込み、例えば8ビットのAD変換データに変換される。
【0038】
また、施錠検出用ホールセンサ48で検出したクレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20による磁力レベル検出信号も増幅回路54で増幅された後にAD変換ポート72に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込み、同じく8ビットのAD変換データに変換される。
【0039】
プロセッサ50に対しては、表示部56、周波数切替スイッチ58、登録スイッチ60、テストスイッチ62、タンパスイッチ64、及び無線送信部66が設けられている。
【0040】
表示部56は赤色LED56aと緑色LED56bの2色LEDを設けており、例えば窓開や解錠などの異常検出で赤色LED56aを点灯し、その後の正常復帰で緑色LED56bを点灯して監視状態を表示する。周波数切替スイッチ58は無線送信部66について予め準備された複数の使用可能チャネルのいずれか1つを選択する。
【0041】
登録スイッチ60は本実施形態の使用開始時に行う施錠登録モードの設定に使用される。テストスイッチ62はリードスイッチが使用されており、テスト用のマグネットを近づけるとテストスイッチ62が動作してテスト用電文を無線送信部66から監視装置に送信させる。タンパスイッチ64はカバー部材24の着脱を検出するスイッチである。
【0042】
無線送信部66には送信回路が設けられ、監視状態を監視盤に対して無線通信を行う。
【0043】
不揮発メモリ68には装置の窓開閉検出用ホールセンサ46から取得した磁力レベルVs1と、磁力レベルVs1に基づいて求めた窓開閉検出の第1窓判定閾値TH1と、悪戯などによる強い磁石を近づけたときの磁力を検出する第2窓判定閾値TH2が記憶されている。
【0044】
また不揮発メモリ68には、窓開閉検出装置10を窓に設置した状態で行われるクレセント錠登録処理で施錠検出用ホールセンサ48から取得した磁力レベルVs2と、磁力レベルVs2に基づいて求めた錠開閉検出の錠判定閾値TH3が記憶されている。
【0045】
プロセッサ50にはCPUによるプログラムの実行により実現される機能として、窓開閉登録処理部74、施錠登録処理部76、窓開閉監視部78、施錠監視部80、状態報知部82及び通信制御部84が設けられている。
【0046】
窓開閉登録処理部74は、所定距離d離して配置した実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14による磁力レベルVsを検出して不揮発メモリ68に初期登録し、初期登録した磁力レベルVs1に対し所定の比率だけ低いレベルを窓開閉の第1窓判定閾値TH1として不揮発メモリ68に登録する。
【0047】
更に、初期登録した磁力レベルVs1に対し通常監視ではあり得ない所定の比率だけ高いレベルを悪戯により近づけられた強い磁石の磁力を判定する第2窓判定閾値TH2として不揮発メモリ68に登録する。
【0048】
施錠登録処理部76は、図1のように、窓開閉検出装置10、窓開閉検出マグネット14及びクレセント錠検出マグネット20の取り付け配置が完了した後、クレセント錠16の開閉レバー18を解錠位置に操作した状態とし、この状態で図3に示したようにカバー部材24を外して装置本体22の登録スイッチ60を操作すると、所定期間の登録モードが設定され、登録処理が実行される。
【0049】
登録モードが開始されると表示部56の赤色LED56aが点滅を始める。赤色LED56aが点滅している間カバー部材24を装置本体22に装着し、クレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に操作してクレセント錠検出マグネット20を近づけた状態とする。
【0050】
施錠登録処理部74は登録モードの動作中は、所定周期で施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルを取得し、予め設定した所定の有効レベルと比較し、有効レベルである場合には、不揮発メモリ68に磁力レベルVs2として記憶する。
【0051】
なお、磁力レベルVs2の初期登録は、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルを不揮発メモリ68に初期登録する。
【0052】
不揮発メモリ68に磁力レベルVs2が有効に初期登録されると、表示部56の緑色LED56bが点灯し、初期登録完了を知らせる。初期登録が完了すると、登録処理部74は、初期登録した磁力レベルに対し所定比率低い値を算出し、クレセント錠の施錠解錠を判断する錠判定閾値TH3として不揮発メモリ68に登録し、施錠監視部78によるクレセント錠の施錠監視を開始させる。
【0053】
一方、登録スイッチ60の操作により登録モードを設定している所定時間以内に、カバー部材24を閉じてクレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に戻す操作を行わなかった場合には、有効レベルの磁力レベルが得られないために、磁力レベルの初期登録か完了せず、登録モードを設定している所定時間以内を経過したときに、赤色LED56aが点滅から点灯に切り替わり、初期登録の失敗を表示し、登録処理のエラー状態をセットすると共に、施錠監視処理部78によるクレセント錠の施錠監視を解除する。
【0054】
この場合には、開閉レバー18を解錠位置に戻し、カバー部材24を開いて登録スイッチ60を操作することで、再度、磁力レベルの初期登録を行うことができる。
【0055】
窓開閉監視部78は窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第1窓判定閾値TH1と比較し、窓の開又は閉を判定し、判定結果を示す電文を無線送信部66から監視盤に送信して警報又は警報解除を行わせる。
【0056】
また、開閉監視部76は外部から強力な磁石を近づけることで磁力レベルが閾値以下としないようにして窓をあけるような所謂不正行為に対処するため、窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第2窓判定閾値TH2と比較し、磁力レベルが第2窓判定閾値TH2を超えた時にも窓開と見做して窓開を示す電文を送信する。
なお、施錠及び解錠時の磁力レベルに基づき通常使用状態の磁力レベルの適正範囲を設定し、磁力レベルが適正範囲から上下に外れた場合には不正行為が発生したと判定するようにしても良い。つまり、適正使用範囲の上限値を施錠時の磁力レベルよりも所定比率分高い値に設定し、下限値を解錠時の零点レベルよりも所定比率小さい値に設定して、適正範囲内に磁力レベルがあるかを検出して不正行為を判定するようにしてもよい。これはクレセント錠の磁力レベルの測定や窓開閉検出の磁力レベルの測定のいずれにおいても適用できる。
【0057】
施錠監視部80は施錠検出用ホールセンサ48から得られた磁力レベルを施錠登録処理部76により設定した錠判定閾値TH3と比較し、錠判定閾値TH3以下となった場合にクレセント錠の開と判断して錠開を示す電文を無線送信部66から監視装置に送信して警報させる。また、施錠監視部80は、錠開を検出した後に、錠閉に戻った場合にも、その旨の電文を監視装置に無線送信する。
【0058】
状態報知部82は、窓開閉監視部78又は窓閉と施錠監視部80により検出状態の変化を判別したときに、変化後の状態を表示部56を使用して報知する。まず窓開閉監視部78と施錠監視部80による正常監視状態は、窓閉と錠閉の検出状態であり、この正常監視状態から窓開、錠開、若しくは窓開と錠開のいずれかの異常検出状態への状態変化を判別すると、状態報知部82は異常検出状態を示す赤色LED56aを所定時間に亘り点灯駆動する。
【0059】
また窓開、錠開、若しくは窓開と錠開のいずれかの異常検出状態から、窓閉で且つ錠閉の正常監視状態への状態変化を判定すると、状態報知部82は正常監視状態を示す緑色LED56bを所定時間に亘り点灯駆動する。
【0060】
赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯する時間は、例えば状態変化を判定してから状態変化を示す電文を監視装置に送信し終わるまでの時間としている。
【0061】
通信制御部82は窓開閉監視部78及び施錠監視部80の判断に基づく電文の送信に加え、一定時間間隔ごとに定期通報の電文を送信させる。
【0062】
図7は、製造時の検査工程などの測定環境で行われる窓開閉監視の磁力レベルの初期登録におけるマグネットとホールセンサの配置を示した説明図である。
【0063】
図7において、組立が完了した窓開閉検出装置10を測定環境に配置し、例えば図4のような現場設置を予定していたとすると、窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46の有効検出面に相対するように、装置左側面に対し例えばd=20mm離して実際に使用する窓開閉検出マグネット14を配置する。
【0064】
この場合、窓開閉検出マグネット14の高さ方向の位置は、図3に示したカバー部材24に形成しているマーカ24aにマグネット上端が合うように設置することで、マグネットの略中央に窓開閉検出用ホールセンサ46が位置する図7の位置関係が得られる。
【0065】
また、窓開閉検出装置10に対しては登録支援用のパーソナルコンピュータを例えばシリアルポート55に接続して窓開閉登録処理部74として機能するプログラムをダウンロードしておく。
【0066】
このような試験環境におけるセッティングが済んだならば、図3のように、カバー24を外した状態で登録スイッチ60をオン操作すると、赤色LED56aが点滅し、ダウンロードした窓開閉登録処理プログラムが起動して窓開閉登録モードを設定し、登録動作を開始する。なお、登録スイッチ50を操作したら、速やかにカバー部材24は装置本体に閉じる。
【0067】
この登録動作は、窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルを取り込んで、予め設定した有効レベルであるか否か判定し、有効レベルである磁力レベルVs1が得られたら、不揮発メモリ68に初期登録する。この初期登録が済むと緑LED56bが点灯し、初期登録完了を知らせる。
【0068】
なお、磁力レベルの初期登録は、磁力レベルの取り込みを複数回行い、所定回数連続して有効レベルを超えた場合に、最後に得られた磁力レベルVs1を不揮発メモリ68に初期登録する。
【0069】
磁力レベルVs1の初期登録が完了したら、これより所定の比率低いレベルを窓開閉検出の第1窓判定閾値TH1として算出して不揮発メモリ68に登録する。また初期登録した磁力レベルVsより所定比率高い通常監視状態では想定できない磁力レベルとなる第2窓判定閾値TH2を悪戯により加わる強い磁力を判定するために算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0070】
なお、窓開閉登録処理が完了したら、そのためにダウンロードした窓開閉登録処理プログラムは残しておいても良いが、不要であることから消去する。
【0071】
また設置現場が図5のような場合には、装置の右側に窓開閉検出マグネット14を配置して同様な窓開閉登録処理を実行して磁力レベルVs2の初期登録と第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2の登録を行う。
【0072】
ただし、窓開閉検出マグネット14を左側に配置して磁力レベルを初期設定して判定閾値を求めた後に、実際の現場で逆の配置関係になったとしても、初期登録した磁力レベルにつき左右の相違によるレベル差はほんとんなく、逆の配置であっても、改めて初期登録することなく、そのまま現場に設置して窓開閉を有効に監視することができる。
【0073】
図8は図6のAD変換ポート70による磁力レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図である。図6に示した窓開閉検出用ホールセンサ46は磁力線の通過方向によりプラス極性の磁力レベル検出信号とマイナス極性の磁力レベル検出信号を出力する。
【0074】
窓開閉検出用ホールセンサ46からの磁力レベル検出信号は増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70により例えば8ビットの磁力レベルデータ(AD変換値)に変換される。
【0075】
このAD変換ポート70の変換特性は、図8の縦軸に示すように、10進AD変換値として0〜256の値を持ち、入力するプラス極性の磁力レベル検出信号0〜+VmaxをAD変換値128〜256に変換し、入力するマイナス極性の磁力レベル検出信号0〜−VmaxをAD変換値128〜0に変換する。
【0076】
図9は本実施形態における装置側面から窓開閉検出マグネット14までの距離dに対する窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図である。なお、実際のAD変換ポート70の変換特性は図8のようになるが、図9にあっては、説明を簡単にするため、磁化レベル検出信号の極性に関らず、AD変換値を0〜128として示している。
【0077】
図9の特性は、例えば図7の設置状態で、装置側面から窓開閉検出マグネット14までの距離dをd=0〜24mmの範囲で変化させて測定した磁力レベルに対応したAD変換値を示している。
【0078】
このような特性において、例えばd=20mmとなるマグネット配置を予定したとすると、このときのP点に対応した磁力レベルVs1が求まる。続いて、磁力レベルVs1から所定比率αだけ低い値を第1窓判定閾値TH1として設定し、更に、磁力レベルVsに対し所定比率高い値を第2窓判定閾値TH2として設定する。
【0079】
図10は、本実施形態におけるクレセント錠検出マグネット20と施錠検出用ホールセンサ48の関係を示した説明図である。図10において、窓開閉検出装置10における装置本体22のクレセント錠側の端部には施錠検出用ホールセンサ48が配置され、その前方(下方)にカバー部材24に収納した円錐状の集磁体26を配置している。また施錠検出用ホールセンサ48の後方(上方)には電池44が配置されている。
【0080】
クレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20は、開閉レバー18の施錠状態で図示のカバー部材24の外端面から距離hに位置し、この施錠位置での距離hが最小距離となる。クレセント錠検出マグネット20からの磁束は集磁体26の大径入射面に入った後、反対側の小径出射面に収束されて施錠検出用ホールセンサ48を通過する。
【0081】
このようなクレセント錠検出マグネット20による磁束は施錠検出用ホールセンサ48で磁力に応じた電圧信号として検出され、増幅回路52で増幅した後にAD変換ポート72により磁力レベル(AD変換値)として読み込まれる。
【0082】
図11は図10に示した装置端面からクレセント錠検出マグネット20までの距離hに対する施錠錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図である。なお、実際のAD変換ポート70の変換特性は図8のようになるが、図11にあっては、説明を簡単にするため、磁化レベル検出信号の極性に関らず、AD変換値を0〜128として示している。
【0083】
ここで例えばクレセント錠検出マグネット20までの距離hがh=20mmであったとすると、P点に対応した磁力レベルVs2が初期登録される。また錠判定閾値TH3は、初期登録した磁力レベルVs2から所定比率下げた値として設定される。
【0084】
図12は図6のプロセッサによる本実施形態の監視処理を示したフローチャートである。
【0085】
図12において、図4に示したような現場設置が済んだ状態で電池44の装着により電源が投入されると、ステップS1で初期化処理と自己診断処理が実行され、異常が無ければステップS2に進み、不揮発メモリ68に記憶されている窓開閉監視の磁力レベルVs1及び第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2を含むデータを読み込む。
【0086】
続いてステップS3に進み、施錠監視登録モードか否か判定し、カバー部材24を開いて登録スイッチ60をオン操作することによって施錠監視登録モードの設定が判別されると、ステップS4に進んで施錠検出用ホールセンサ48による磁力レベルVs2の初期登録と、クレセント錠16の施錠と解錠を検出するための錠判定閾値TH3の登録を含む施錠監視登録処理を実行する。
【0087】
続いてステップS5で所定の監視周期への到達の有無を判定しており、監視周期への到達を判定するとステップS6に進んで電池44に対するローバッテリ監視処理を実行する。このとき電池電圧が規定電圧以下に低下していると、ローバッテリを示す電文を監視盤に無線送信して障害表示を行わせる。
【0088】
次にステップS7で窓開閉監視処理を実行し、窓開又は窓閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。更にステップS8で施錠監視処理を実行し、錠開又はその後の錠閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。続いてステップS9で定期通報時間経過かを判別し、経過を判別した場合にはステップS10に進み、定期通報電文を監視盤に送信する定期通報処理を行う。
【0089】
図13は図12のステップS7における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0090】
図13において、まずステップS11で窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS12に進んで前回が窓開判定であることを判別すると、ステップS13に進んで第1窓判定閾値TH1と比較する。
【0091】
ステップS13で磁力レベルが第1窓判定閾値TH1以下であればステップS14に進んで窓開判定とし、この場合、窓閉の判定状態から窓開の判定状態となる異常検出状態への変化であることから、ステップS15で赤色LED56aを点灯し、異常検出状態への状態変化を報知する。
【0092】
続いてステップS16で窓開判定の電文を監視盤に向けて無線送信し、無線送信が終了するとステップS17で赤色LED56bを消灯する。
【0093】
一方、ステップS13で磁力レベルが第1窓判定閾値TH1を超えていた場合はステップS18で第2窓判定閾値TH2と比較し、第2窓判定閾値TH2以上の場合は、悪戯などにより強力な磁石を外から近づけたことによる磁力レベルの異常な増加と判断し、ステップS14に進んで窓開判定とし、ステップS15〜S17で赤色LED56aを窓開判定電文の無線送信が終了するまで点灯駆動する。
【0094】
また、ステップS12で前回が開判定であった場合には、ステップS19に進み、磁力レベルが第1窓判定閾値レベルTH1より大きく、第2窓判定閾値TH2より小さいときはステップS20に進んで窓閉判定を行う。
【0095】
続いてステップS21で施錠監視部80により現在クレセント錠の閉判定中か否か判別し、閉判定中であれば、窓閉で且つ錠閉となる正常監視状態に変化していることからステップS22に進んで緑色LED56aを選択する。一方、ステップS21で開判定中であれば、窓開で且つ錠閉となる異常検出状態にあることからステップS23に進んで赤色LED56bを選択する。
【0096】
そしてステップS24に進み、既に選択した赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯してステップS25で窓閉の判定電文を無線送信し、送信が終了するとステップS26で点灯しているLEDを消灯する。
【0097】
図14は図12のステップS8における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0098】
図14において、まずステップS31で施錠検出用ホールセンサ48により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS32に進んで前回が窓閉判定であることを判別すると、ステップS33に進んで錠判定閾値TH3と比較する。
【0099】
ステップS33で磁力レベルが錠判定閾値TH3以下であればステップS34に進んで錠開判定とし、この場合、錠閉の判定状態から錠開の判定状態となる異常検出状態への変化であることから、ステップS35で赤色LED56aを点灯し、異常検出状態への状態変化を報知する。
【0100】
続いてステップS36で錠開判定の電文を監視装置に向けて無線送信し、無線送信が終了するとステップS7で赤色LED56bを消灯する。
【0101】
ステップS32で前回が開判定であった場合には、ステップS38に進み、磁力レベルが錠判定閾値レベルTH3より大きいときはステップS39に進んで錠閉判定を行う。
【0102】
続いてステップS40で窓開閉監視部78により現在窓の閉判定中か否か判別し、閉判定中であれば、窓閉で且つ錠閉となる正常監視状態に変化していることからステップS41に進んで緑色LED56aを選択する。一方、ステップS40で窓開判定中であれば、窓開で且つ錠閉となる異常検出状態にあることからステップS42に進んで赤色LED56bを選択する。
【0103】
そしてステップS43に進み、既に選択した赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯してステップS44で錠閉の判定電文を無線送信し、送信が終了するとステップS45で点灯しているLEDを消灯する。
【0104】
このような図13及び図14による監視処理によれば、例えば外出の際に窓を閉めてクレセント錠を施錠すると、窓開閉検出装置10の緑色LED56が点灯し、正しく監視状態へのセットが行われたことが確認できる。このとき、もし、赤色LED56aが点灯した場合は、窓が完全に閉じられてないか、クレセント錠が施錠されていないか、施錠されていても開閉レバーを完全な閉鎖位置まで回していない状態であり、監視状態にセットされていないことを赤色LED56aの点灯から知って、監視状態へのセットをやり直し、緑色LED56の点灯で確認できる。
【0105】
また設置現場でクレセント錠の登録処理を完了した後において、窓の開閉とクレセント錠の開閉に対する状態変化を赤色LED56aと緑色LED56bの点灯状態から簡単に確認することができ、別途設定している監視盤に出向いて検出状態を確認する手間が無くなり、本実施形態の窓開閉検出装置を使用した監視システムの設置調整作業のミスを起こすことなく効率良く進めることができる。
【0106】
なお、窓開閉監視及び施錠監視による状態変化の報知を赤色LEDと青色LEDの所定時間に亘る点灯で報知しているが、LED以外の表示手段を使用しても良いし、表示以外にブザーなどの音響出力や液晶表示などによる変化した状態を報知するようにしても良い。
【0107】
また、本発明はその目的と利点を損なうことの無い適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図
【図2】本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図
【図3】本実施形態による窓開閉検出装置についてカバー部材を装置本体から外した状態を示した説明図
【図4】図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図5】図1に対し窓の開閉が逆になった設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図6】本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図
【図7】調整工程などの測定環境で行われる窓開閉監視の磁力レベルの初期登録におけるマグネットとホールセンサの配置を示した説明図
【図8】図6のAD変換ポートによる磁力レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図
【図9】本実施形態における装置側面からマグネットまでの距離に対するホールセンサで検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図10】本実施形態におけるクレセント錠検出マグネットとホールセンサの関係を示した説明図
【図11】本実施形態における装置下端からクレセント錠検出マグネットまでの距離に対するホールセンサで検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図12】図6のプロセッサによる本実施形態の窓開閉検出処理を示したフローチャート
【図13】図12のステップS7における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャート
【図14】図12のステップS8におけるクレセント錠開閉監視処理の詳細を示したフローチャート
【符号の説明】
【0109】
10:窓開閉検出装置
12a,12b:窓サッシ
14:窓開閉検出マグネット
16:クレセント錠
18:開閉レバー
20:クレセント錠検出マグネット
22:装置本体
36:ボディケース
46:窓開閉検出用ホールセンサ
48:施錠検出用ホールセンサ
56:表示部
60:登録スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓に配置した第1マグネットの磁力を第1磁気検知素子で検出して窓の開閉を検出する窓開閉監視部と、
前記窓に設けた錠の開閉レバーに配置した第2マグネットの磁力を第2磁気検知素子で検出して錠の開閉を検出する施錠監視部と、
前記窓開閉監視部及び前記施錠監視部による窓閉及び錠閉となる検出状態への変化を判別して正常監視状態を報知し、前記窓開閉監視部による窓開、前記施錠監視部による錠開、又は前記窓開閉監視部と前記施錠監視部による窓開及び錠開となる検出状態への変化を判別して異常検出状態を報知する状態報知部と、
を設けたことを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項2】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記状態報知部は、前記正常監視状態への変化を第1表示灯の点灯で報知し、前記異常検出状態への変化を第2表示灯の点灯で報知することを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項3】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記第1表示灯は緑色LEDであり、前記第2表示灯は赤色LEDであることを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項4】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記状態報知部は、状態変化を検出した場合に、変化後の状態を所定時間だけ報知することを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項5】
請求項1記載の窓開閉監視装置に於いて、前記第1及び第2磁気検知素子はホールセンサであることを特徴とする窓開閉検出装置。
【請求項1】
窓に配置した第1マグネットの磁力を第1磁気検知素子で検出して窓の開閉を検出する窓開閉監視部と、
前記窓に設けた錠の開閉レバーに配置した第2マグネットの磁力を第2磁気検知素子で検出して錠の開閉を検出する施錠監視部と、
前記窓開閉監視部及び前記施錠監視部による窓閉及び錠閉となる検出状態への変化を判別して正常監視状態を報知し、前記窓開閉監視部による窓開、前記施錠監視部による錠開、又は前記窓開閉監視部と前記施錠監視部による窓開及び錠開となる検出状態への変化を判別して異常検出状態を報知する状態報知部と、
を設けたことを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項2】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記状態報知部は、前記正常監視状態への変化を第1表示灯の点灯で報知し、前記異常検出状態への変化を第2表示灯の点灯で報知することを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項3】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記第1表示灯は緑色LEDであり、前記第2表示灯は赤色LEDであることを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項4】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、前記状態報知部は、状態変化を検出した場合に、変化後の状態を所定時間だけ報知することを特徴とする窓開閉監視装置。
【請求項5】
請求項1記載の窓開閉監視装置に於いて、前記第1及び第2磁気検知素子はホールセンサであることを特徴とする窓開閉検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−129011(P2010−129011A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305791(P2008−305791)
【出願日】平成20年11月30日(2008.11.30)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(591273269)株式会社サーキットデザイン (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月30日(2008.11.30)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(591273269)株式会社サーキットデザイン (29)
【Fターム(参考)】
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