説明

立体シート材料

【課題】 嵩高で風合いが良く、外観が良好な立体シート材料及びその効率的な製造方法を提供すること。
【解決手段】 熱収縮性繊維を含む第1繊維層1と、非熱収縮性繊維からなる第2繊維層2とが積層され、両繊維層1,2が、熱融着によって部分的に形成された多数の熱融着部3によって厚さ方向に一体化されており、熱融着部3,3の間では、第1繊維層1の収縮によって第2繊維層2が突出して凸部4を形成している立体シート材料10であって、第1繊維層1の最大収縮率発現温度が、第2繊維層2中の非熱収縮性繊維の融点よりも低く、前記最大収縮率発現温度が130℃以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸を有し嵩高な構造を有する立体シート材料に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に凹凸を有する立体シート材料として、熱収縮性繊維及び該熱収縮性繊維の熱収縮開始温度よりも融点の低い樹脂からなる熱融着性繊維を含む第一繊維層の片面に、非熱収縮性繊維からなる第二繊維層が積層されてなる多皺性不織布が提案されている(特許公報1参照)。この多皺性不織布における両繊維層は、線状熱融着により厚さ方向に一体化され、熱融着部が凹部、該熱融着部間が凸部になっており、第二繊維層に筋状の多数の皺が形成されている。この多皺性不織布は、第一繊維層と第二繊維層とを重ね合わせ、前記熱収縮性繊維の熱収縮開始温度よりも低い温度で、両繊維層を熱融着によって一体化させた後、前記熱収縮温度以上の熱風を吹き付けて前記熱収縮性繊維を熱収縮させることで得られる。
【0003】
また、本出願人は、平面方向へ伸張させた場合の回復性及び厚み方向へ圧縮させたときの圧縮変形性が充分な立体シートを提供することを目的として、第1層とこれに隣接する第2層とを有し、第1層と第2層とが所定パターンの接合部によって部分的に接合されており、該接合部間で第1層が3次元的立体形状をなしており、第2層がエラストマー的挙動を示す材料で構成され、シート全体がエラストマー的挙動を示すと共に通気性を有する立体シート材料を提案した(特許文献2参照)。特許文献2には、この立体シート材料の製造方法として、第1層と第2層とを部分的に接合した後、第2層を熱収縮させる方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特許第3131557号明細書
【特許文献2】特開2002−187228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の多皺性不織布はその製造において、前記熱収縮性繊維の熱収縮を、前記熱融着性繊維の構成樹脂の融点よりも高温で行うので、熱収縮の際に該熱融着性繊維が溶融してしまい、得られる不織布が硬い風合いとなってしまう。また、特許文献2の立体シート材料においては、風合いの更なる向上の観点等から改善の余地がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、嵩高で風合いが良く、外観が良好な立体シート材料を提供することにある。また、本発明の目的は、嵩高で風合いが良く、外観が良好な立体シート材料の効率的な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、熱収縮性繊維を含む第1繊維層と、非熱収縮性繊維からなる第2繊維層とが積層され、前記両繊維層が、熱融着によって部分的に形成された多数の熱融着部によって厚さ方向に一体化されており、前記熱融着部の間では、第1繊維層の収縮によって第2繊維層が突出して凸部を形成している立体シート材料であって、第1繊維層の最大収縮率発現温度が、第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点よりも低く、前記最大収縮率発現温度が130℃以下である立体シート材料を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
また本発明は、前記立体シート材料の好ましい製造方法として、熱エンボス加工によって、第1及び第2繊維層を部分的に熱融着して熱融着部を形成した後、第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点よりも低い温度で熱処理して第1繊維層を熱収縮させ、熱融着部間の第2繊維層を突出させて凸部を形成させる立体シート材料の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の立体シート材料は、嵩高で風合いが良く、外観が良好である。
本発明の立体シート材料の製造方法によれば、嵩高で風合いが良く、外観が良好な立体シート材料を効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。 図1には、本発明の立体シート材料の一実施形態の斜視図が示されており、図2には図1のX−X線断面が模式的に示されている。
【0011】
図1に示す立体シート材料10は、第1繊維層1及びこれに隣接する第2繊維層2を備えている不織布からなる。第1繊維層1は、繊維の集合体から構成されている。一方、第2繊維層2は、第1繊維層1を構成する繊維と異なる種類及び/又は配合の繊維の集合体から構成されている。第1繊維層1と第2繊維層2とは、多数の接合部3によって部分的に接合されている。本実施形態における接合部3は、いわゆる千鳥状のパターン(図3参照)で配されており、個々の接合部3は、それぞれ平面視円形で不連続に形成されている。接合部3が不連続に形成されていることによって、第1繊維層1に含まれる熱収縮性繊維の収縮が阻害されなくなるので好ましい。接合部3は圧密化されており、立体シート材料10における他の部分に比して厚みが小さく且つ密度が大きくなっている。
【0012】
接合部3は、第1繊維層1と第2繊維層2とが熱エンボスによって熱融着されて形成された熱融着部となっている。この熱融着部によって両繊維層は厚さ方向に一体化されている。尚、本実施形態における個々の接合部3の形状は円形であるが、接合部3の形状は、円形の他、楕円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。また接合部3を、連続した形状、例えば直線や曲線などの線状、格子状等に形成してもよい。接合部の形成パターンの他の例を図4に示した。
【0013】
立体シート材料10の面積に対する接合部3の面積率(立体シート材料10単位面積当りの接合部3の面積)は、立体シート材料10の具体的な用途等にもよるが、第1繊維層1と第2繊維層2との接合を十分に高くする点、及び凸状の立体的な三次元形状を十分に形成して嵩高さを発現させる点から、接合部3の形成後且つ第1繊維層1の熱収縮前においては3〜50%、特に5〜35%であることが好ましく、熱収縮後においては4〜90%、特に5〜70%であることが好ましい。
【0014】
立体シート材料10は、接合部3の間において、第1繊維層1の熱収縮によって第2繊維層2が突出して多数の凸部4を形成している。本実施形態においては、第2繊維層2における、接合部3同士間に位置する部分(詳細には、四隅部に接合部3を有する矩形状部分)が凸状(ドーム状)に隆起しており、それにより立体シート材料10の第2繊維層2側の面に多数の凸部4が形成されている。接合部3は、凸部4に対して相対的に凹部となっている。各凸部4の内部は、第2繊維層2を構成する繊維で満たされており、また、接合部同士間における第1繊維層1と第2繊維層2との界面は、接合はされていないが全域に亘って密着した状態とされている。
立体シート材料10の第1繊維層1側の面は、接合部3間はほぼ平坦面を保っている(図2参照)。そして、立体シート材料10全体として見ると、その第1繊維層1側がほぼ平坦であり、且つ第2繊維層2側に凹凸を有する構造となっている。
【0015】
立体シート材料10に十分に高い嵩高性を付与する点から、第2繊維層2によって形成される凸部4の形状がどのようなものであっても、凸部4の最頂部における立体シート材料10の厚みT(図2参照)と、接合部3における立体シート材料の厚みT’(図2参照)との比T/T’は2以上、特に10以上であることが、凹凸形状が鮮明で外観が良い点から好ましい。T/T’の上限値は、凸部4の保形性や、立体シート材料10の坪量の観点から決定され、具体的には80程度、特に50程度である。
【0016】
厚みT及びT’は以下の方法で測定される。
先ず、厚みTについては、立体シート材料10に一定圧力49Pa(0.5g/cm2)を加えた状態での厚みを5箇所測定し、その平均値を厚みTとする。サンプルサイズは、一定圧力を加える圧子より大きければ任意でかまわない。また厚みTの具体的な測定方法としては、圧縮試験機(カトーテック株式会社製KES−FB3等)を用いる方法や、49Pa(0.5g/cm2)の圧力になるように調整したプレートを作製し、ダイヤルゲージ式の厚み計やレーザー変位計を使う方法がある。具体的には、厚みTは、面積2〜10cm2程度のプレートを用い、立体シート材料10に49Pa(0.5g/cm2)の圧力を加え、そのときの厚みをレーザー変位計(株式会社キーエンス製、CCDレーザー変位センサーLK−080)で測定した。
【0017】
一方、厚みT’については、接合部3の大きさと同等またはそれよりも小さいサイズの接触子を接合部3に接触させ、1000〜4000kPaの圧力を加えた状態での厚みを測定する。このようして測定された5箇所の厚みの平均値を接合部3の厚みT’とする。測定機器には、厚みTの測定に用いられるものと同様のものを用いることができる。具体的には、厚みT'は、接触子直径1mm、測定荷重0.2Nのダイヤルゲージ式厚み計(株式会社ミツトヨ製 アップライトゲージ 測定荷重0.2N、測定子直径1mm仕様)を用いて測定した。
また、厚みTおよびT'は、マイクロスコープ(例えば株式会社キーエンス製VH−8000など)を用いた非接触式の測定方法を用いることもできる。この場合、接合部の断面が観察できるように試験片を切り出し、その切断面についてマイクロスコープにて拡大撮影し、厚みTおよび接合部厚みT'を求める。
立体シート材料10の嵩高性は、例えば吸収性物品の構成部材として用いる場合に、肌との接触面積が低減され、また、肌との間に空気の流通空間を形成できるため、肌のかぶれが防止等の観点から特に有効である。
【0018】
また、立体シート材料10に十分な圧縮変形性および嵩高感を発現させる観点から、立体シート材料10はその坪量が20〜200g/m2 、特に40〜150g/m2 であることが好ましい。坪量は、立体シート材料10を50mm×50mm以上の大きさに裁断して測定片を採取し、この測定片の重量を最小表示1mgの電子天秤を用いて測定し坪量に換算することで求める。
【0019】
第1繊維層1は熱収縮性繊維を含んでいる。この熱収縮性繊維は、立体シート材料10中においては熱収縮した状態となっている。熱収縮性繊維としては、後述する最大収縮率発現温度に関する条件を充足し得る限り、公知のものを特に制限無く用いることができる。特に熱収縮性繊維として潜在捲縮性繊維を用いると、第1繊維層1にエラストマー的な性質が付与され、立体シート材料10全体としてもエラストマー的な性質が付与されることから好ましい。立体シート材料10がエラストマー的な性質を有することは、立体シート材料10を例えば吸収性物品の構成部材として用いた場合に、着用者の動作に対する追従性が良好となり、吸収性物品のフィット性が向上し、液漏れが効果的に防止されることから好ましい。潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。第1繊維層1中の熱収縮性繊維の量は、第1繊維層1中50〜100重量%、特に70〜100重量%であることが好ましい。
【0020】
第2繊維層2は非熱収縮性繊維からなる。非熱収縮性繊維とは、熱収縮性を示さない繊維、及び熱収縮性を示すが、第1繊維層に用いた熱収縮性繊維の熱収縮開始温度以下では実質的に熱収縮しない繊維である。従って、第2繊維層は、少なくとも熱収縮性繊維の熱収縮開始温度、又は熱収縮性繊維の熱処理温度においては熱収縮性がない。
第2繊維層2を構成する非熱収縮性繊維の少なくとも一部は、熱融着樹脂を含む熱融着性繊維であり、その熱融着性繊維の熱融着樹脂の融点が、第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点である。第2繊維層中に、複数種類の熱融着性繊維を含む場合、第2繊維層中に30重量%以上、好ましくは50重量%以上含まれる熱融着性繊維のうち、熱融着樹脂の融点が最も低い熱融着性繊維の熱融着樹脂の融点を、第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点とする。第2繊維層中に含まれる熱融着性繊維が、融点が異なる複数樹脂からなる複合繊維である場合、構成樹脂の内の融点が最も低い樹脂の融点を、熱融着性繊維の熱融着樹脂の融点とする。
融点とは、示差走査熱量計(DSC)によりポリマーの融解熱測定を行ったときに、DSC曲線が示す吸熱ピーク温度をいう。
尚、第2繊維層として、少なくとも熱収縮性繊維の熱収縮開始温度、又は熱収縮性繊維の熱処理温度において熱収縮性が発現しない範囲であれば、第2繊維層中に熱収縮性繊維を含ませても良い。第2繊維層中に、複数種類の熱融着性繊維を含む場合、総ての熱融着性繊維の熱融着樹脂の融点が、第1繊維層1の最大収縮率発現温度より高いことが好ましい。
【0021】
第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点は、第1繊維層1に含まれる熱収縮性繊維の熱収縮開始温度よりも高いことが好ましく、該熱収縮性繊維の最大収縮率発現温度より高いことがより好ましい。前記熱融着性繊維は、第2繊維層2の重量に対して好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上含まれている。最も好ましくは、第2繊維層2を構成する非熱収縮性繊維は、前記熱融着性繊維100重量%からなる。熱融着性繊維としては、前記熱融着樹脂単成分からなる繊維、または前記熱融着樹脂を10重量%以上、好ましくは30重量%以上含む芯鞘型や偏心型、サイド・バイ・サイド型などの複合繊維が挙げられる。
【0022】
本発明においては、第1繊維層の最大収縮率発現温度が、第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点よりも低く、前記最大収縮率発現温度が130℃以下である。第1繊維層の最大収縮率発現温度の測定方法については実施例において後述する。
【0023】
第1繊維層の最大収縮率発現温度が、第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点よりも低いことで、第1繊維層を熱収縮させる際に、第2繊維層中の熱融着性繊維、特に熱融着性繊維の溶融を防止しつつ、第1繊維層を充分に熱収縮させることができる。これにより、得られる立体シート材料は、嵩高性及び風合いに優れたものとなる。
【0024】
しかも、第1繊維層の最大収縮率発現温度が130℃以下であることで、第2繊維層の非熱収縮性繊維として、融点が130℃付近の熱可塑性樹脂を含む、繊維自体が柔らかく、且つ繊維表面の摩擦抵抗も小さい繊維を用いることができ、第2繊維層の風合い、肌触りを向上させられるので好ましい。
【0025】
更に、第1繊維層の最大収縮率発現温度が130℃以下であることにより、第1及び第2繊維層の積層体を高速搬送しつつ、熱収縮処理しても第1繊維層を充分に熱収縮させることできるので、立体シート材料の生産性が向上する。
【0026】
第1繊維層の最大収縮率発現温度は、立体シート材料を風合い良く製造する観点から120℃以下であることが、第2繊維層中に融点が130℃周辺の繊維を用いた場合にも、第1繊維層を熱収縮させる際に、第2繊維層中の熱融着性繊維の溶融を防止することができるのでより好ましい。
第1繊維層の最大収縮率発現温度の下限値は、立体シート材料の保存時寸法安定性の観点から80℃程度であることが好ましい。
【0027】
第1繊維層の最大収縮率発現温度が130℃以下であることにより、第2繊維層を構成させる繊維として、幅広い繊維を用い得るという利点を有する。
第2繊維層中の非熱収縮性繊維として用い得る繊維としては、レーヨン、コットン、アクリル系繊維や熱可塑性ポリマー材料からなる繊維が好適に用いられる。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。またこれらの熱可塑性ポリマー材料の組合せからなる芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維も好適に用いることができる。風合いを柔らかくする場合には、ポリエチレン樹脂を含む繊維が好ましく、更に、高密度ポリエチレン(密度0.92〜0.97g/cm3)樹脂を含む繊維がより好ましい。
【0028】
但し、第2繊維層中の非熱収縮性繊維は、その融点が120℃以上、特に130℃以上であることが、立体シート材料を風合い良く製造する観点から好ましい。第2繊維層中の非熱収縮性繊維は、融点が異なる複数樹脂からなる複合繊維であり、融点が最も低い樹脂が、融点125〜135℃の高密度ポリエチレンであることが好ましい。
【0029】
第1繊維層の最大収縮率発現温度が、第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点よりも低くするためには、第1繊維層中の熱収縮性繊維として、収縮率が異なる複数樹脂からなる複合繊維であって、収縮率が最も高い樹脂の融点が第2繊維層中の非熱収縮性繊維の融点よりも低いものを用いることが好ましい。
【0030】
第1繊維層中の熱収縮性繊維としては、収縮率の異なる2種類の樹脂を含有する偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維であって、高収縮率樹脂が、エチレンを主成分とする共重合体または低密度ポリエチレンであるものを好ましく用いることができる。エチレンを主成分とする共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1−プロピレン3元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられ、低密度ポリエチレンとしては、高圧重合法による低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。この場合、組み合わせる低収縮率樹脂がポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂であるものを特に好ましく用いることができる。
【0031】
第1繊維層中の熱収縮性繊維は、収縮率が異なる2種類の樹脂からなる複合繊維であり、収縮率が高い方の樹脂と低い方の樹脂との融点の差が30℃以上であるものを用いることが、第1繊維層と第2繊維層を部分的に接合するエンボス加工において、第1及び第2繊維層の接合部を融点の低い方の樹脂の溶融固化により強固に接着でき、該接合部に穴等を生じにくくなる。このような構成の立体シート材料は、吸収性物品の構成材料(特に表面シート)として用いたときに、接合部に経血や尿等がしみこみにくく、使用者の肌を経血や尿等で濡れることがなく、また経血が表面からみたときに赤く滲まないので有利である。また、立体シート材料を吸収性物品の構成材料、特に表面シートとして用いる場合に、該吸収性物品に熱エンボスや熱シールにより、防漏溝やエンドシール部を形成する際にも、防漏溝やシール部の形成性が良好であると共に、それらに穴等の欠陥を生じさせないので好ましい。
【0032】
尚、第1繊維層1には、熱収縮性繊維に加えて他の繊維が含まれていてもよい。他の繊維としては、例えば熱融着性繊維が挙げられる。また、熱融着性繊維の量は、第1繊維層1の質量に対して0〜50重量%であることが凸部の形成性等の観点から好ましい。
【0033】
熱収縮する前の第1繊維層1の形態としては、構成繊維が未接合状態にあるウエブ又は不織布が挙げられる。ウエブの形態である第1繊維層1としては、熱収縮性繊維を含み且つカード法によって形成されたウエブが挙げられる。不織布の形態である第1繊維層1としては、熱収縮性繊維を含む、各種不織布製造法で製造された不織布が挙げられる。不織布製造法としては、熱融着法、水流交絡法、ニードルパンチ法、溶剤接着法、スパンボンド法、メルトブローン法が挙げられる。
【0034】
第1繊維層1に接合させる前の第2繊維層2の形態としては、構成繊維が未接合状態にあるウエブ又は不織布が挙げられる。ウエブの形態である第2繊維層2としては、非熱収縮性繊維を含み且つカード法によって形成されたウエブが挙げられる。不織布の形態である第2繊維層2としては、非熱収縮性繊維を含む、各種不織布製造法で製造された不織布が挙げられる。不織布製造法としては、熱融着法、水流交絡法、ニードルパンチ法、溶剤接着法、スパンボンド法、メルトブローン法が挙げられる。
第1繊維層1に接合させる前の第2繊維層2は、カード法によって得られた繊維ウエブに、エアースルー法により繊維同士の熱融着点を形成したものであることが、嵩高で風合いが良く、外観が良好な立体シート材料を得る観点から好ましい。
【0035】
以下、本実施形態の立体シート材料10の好ましい製造方法について説明する。
先ず、所定の方法で第1繊維層1及び第2繊維層2を製造する。次に両繊維層を重ね合わせた後、凹凸ロールと平滑ロールとからなる熱エンボス装置の両ロール間に挿通し、該両繊維層を部分的に熱融着し、両繊維層を厚さ方向に一体化させる。これによって熱融着部からなる接合部3を形成される。両繊維層は、第1繊維層1が平滑ロール側、第2繊維層2が凹凸ロール側となるようにエンボス装置に挿通することが好ましい。エンボス装置における凹凸ロールの加熱温度は、接合部3を強固に接着させ、猶且つ、第1繊維層を構成する熱収縮性繊維の熱収縮が発現しない観点から、第1繊維層の最大収縮率発現温度に対して、+10℃〜+40℃の範囲であることが好ましい。具体的には、繊維の種類にもよるが100〜150℃特に110〜130℃であることが好ましい。
【0036】
次に、接合一体化された両繊維層を加熱して、第1繊維層1に含まれる熱収縮性繊維を熱収縮させる。加熱には熱風を吹き付けることが好ましい。勿論、他の加熱手段、例えばマイクロウェーブ、蒸気、赤外線、ヒートロールの接触等を用いてもよい。
熱収縮処理温度TTは、第1繊維層中の熱収縮性繊維の熱収縮開始温度TS以上で且つ第2繊維層2中の非熱収縮性繊維の融点TMよりも低い温度とする。熱収縮開始温度TSとは、昇温可能な炉にその繊維を置き、一定速度で昇温したとき、その繊維が実質的に収縮開始した時の実測温度を言う。
熱収縮処理温度TTは、第2繊維層2中の非熱収縮性繊維の融点TMよりも、0〜30℃低いことが好ましく、5〜15℃低いことが好ましい。熱収縮処理温度TTは、例えば100〜120℃とすることができる。尚、熱処理時間は1〜20秒程度とすることができる。
【0037】
熱収縮性繊維の熱収縮によって、第2繊維層2における接合部3間が突出して凸部4が形成される。熱収縮処理温度TTを、第2繊維層2中の非熱収縮性繊維の融点TMよりも低くすることで、第1繊維層を熱収縮させる際に、第2繊維層中の熱融着性繊維の溶融を防止しつつ、第1繊維層を充分に熱収縮させることができる。これにより、得られる立体シート材料は、嵩高性及び風合いに優れたものとなる。
【0038】
本発明の立体シート材料は、例えば1回あるいは数回の使用で廃棄される使い捨て物品の構成部材として好適に使用される。また面ファスナの雌材(ループ材)やパップ材としても使用される。特に、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの使い捨て吸収性物品、掃除用ワイパーや対人ワイパーなどの使い捨てワイパーの構成部材として好適である。使い捨て吸収性物品、例えば液透過性の表面材と、液不透過性の裏面材と、両シート間に介在された吸収体とを有する吸収性物品の構成部材として用いる場合には、その構成部材の一部、例えば表面材、表面材の下に液拡散層として使うサブレイヤー、裏面材、又はサイド立体ガードの何れかの部材の一部として使用される。
【0039】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、第1繊維層1の片面にのみ第2繊維層2が積層されたが、これに代えて第1繊維層1の両面に第2繊維層を積層してもよい。この場合には、立体シート材料の両面に凹凸が形成される。
【0040】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は斯かる実施例に制限されない。
【0041】
〔実施例1〕
(1)第1繊維層の製造
熱収縮性繊維として潜在捲縮性の偏心芯鞘型複合繊維(芯:ポリプロピレン(PP)、鞘:直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、芯/鞘重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm、熱収縮開始温度90℃)を用いた。この繊維はLLDPEが高収縮率樹脂であり、該樹脂の融点は115℃である。この繊維を原料とし、カード法によって繊維ウェブを形成して、目付25g/m2の第1繊維層のウェブを形成した。
【0042】
(2)第2繊維層の製造
熱融着性繊維(非熱収縮性繊維)として、芯鞘型複合繊維(芯:ポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘:ポリエチレン(PE)、芯/鞘重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用いた。この繊維を原料として、カード法によって繊維ウェブを形成し、そのウェブにエアースルー法により温度135〜140℃で熱処理を施し、不織布を形成した。得られた不織布は目付25g/m2であった。これを第2繊維層として用いた。
【0043】
(3)立体シート材料の製造
両繊維層のウェブを重ね合わせて、凹凸ロールと平滑ロールとの組合せからなる熱エンボス装置に通し、両ウェブを接合一体化した。エンボスの加工条件は、表1に示す通りとした。第1繊維層側が平滑ロールに当接し、第2繊維層側が凹凸ロールに当接するようにした。凹凸ロールのパターンは図3に示す通りである。
次いで、両繊維層に、熱収縮処理装置によって、熱風処理を施し、第1繊維層を熱収縮させた。熱収縮処理の処理条件を表1に示した。これによって、立体シート材料が得られた。得られた立体シート材料における接合部の間では、第1繊維層の熱収縮によって第2繊維層が突出して多数の凸部を形成していると共に該熱接合部が凹部となっていた。
なお、熱収縮処理装置としては、熱風通過式の熱処理機、シュリンクサーファー式やピンテンター式の熱処理機を適宜用いることができる。
【0044】
〔実施例2〜6〕
第2繊維層の製造に用いた熱融着性繊維(非熱収縮性繊維)を表1に示すものとし、製造条件を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして立体シート材料を得た。得られた立体シート材料における接合部の間では、第1繊維層の熱収縮によって第2繊維層が突出して多数の凸部を形成していると共に該熱接合部が凹部となっていた。
【0045】
〔比較例1〜5〕
第1繊維層に用いる熱収縮性繊維及び第2繊維層に用いる非熱収縮性繊維としての繊維を表1に示すものとし、製造条件を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして立体シート材料を得た。
【0046】
尚、表1中の各表記は以下の通りである。
PP/EP:潜在捲縮性の偏心芯鞘型複合繊維(芯:ポリプロピレン(PP)、鞘:エチレン−プロピレン共重合体(EP))
PET/EP:熱融着性繊維(非熱収縮性繊維)の芯鞘型複合繊維(芯:ポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘:エチレン−プロピレン共重合体(EP))
PP:熱融着性繊維(非熱収縮性繊維)の単成分繊維 ポリプロピレン(PP)
実施例の第2繊維層のポリエチレン(PE)は高密度ポリエチレンである。
【0047】
実施例及び比較例の各シートについて、それぞれの製造に用いた繊維を用いて下記のサンプルを作製し、各シートについて、第1繊維層の最大収縮率発現温度を求めた。その結果を表1に併せて示した。
第1繊維層の最大収縮率発現温度は、表1に示した繊維を用いて作製した第1繊維層と第2繊維層とを積層し、両者間を部分的に接合して一体化させたものをサンプルとして測定した。
【0048】
〔サンプルの作製条件〕
第1繊維層:ローラーカードによって開繊したカードウェブを用いる。
第2繊維層:エアスルー法によって作製した不織布を用いる。
目 付:第1繊維層と第2繊維層の目付はほぼ同一とし20〜30g/m2程度とする。
部分的な接合:超音波エンボス法を用いる。エンボスパターンは図3,4に示したパターンを用いる。接合部の面積率は7〜15%程度のものを用いる。
【0049】
サンプルは同一構成のものを多数製造しておき、熱収縮処理温度を、熱収縮開始温度程度(100℃)からはじめて5℃ずつ変え、その各温度においてサンプルの熱収縮を行った。サンプルSのサイズ(収縮前)は縦200〜300mm×横200〜300mmの矩形とした。
〔熱収縮方法〕
サンプルSの熱収縮は、温度を一定に維持した強制対流式の恒温乾燥機(図5参照)を用いて行った。
恒温乾燥機にサンプルを入れる前に、乾燥機内の温度が上流温度センサー51と下流温度センサー52で同じであることを確認した。サンプルSは、第1繊維層側をテフロン(登録商標)コートネット53(線径1.0〜1.5mm、3〜5メッシュ)面側(下面)とし、第2繊維層側が熱風の吹付ける面となるように恒温乾燥機内にすばやくセットした。恒温乾燥機内にサンプルSを1分間放置した後、縦横の寸法を測定し収縮後面積率を算出した。このとき、サンプルセット前の上流温度センサーの表示温度を熱収縮処理温度とした。
収縮後面積率は、熱収縮処理温度毎に算出し、最もおおきな収縮後面積率になった熱収縮処理温度を、第1繊維層の最大収縮率発現温度とした。尚、図5中符号54は、温風循環用のファンである。
【0050】
〔収縮後面積率の算出方法〕
熱収縮させる前のサンプルに、サンプル縦方向に離間した2地点及びサンプル横方向に離間した2地点にそれぞれ印を付けた。縦方向に離間した2地点間の距離を縦寸法、横方向に離間した2地点間の距離を横寸法とし、下記式により、収縮後面積率(%)を算出した。
収縮前面積=(収縮前の縦寸法)×(収縮前の横寸法)
収縮後面積=(収縮後の縦寸法)×(収縮後の横寸法)
収縮後面積率(%)=(収縮後面積)/(収縮前面積)×100
収縮前の縦寸法及び横寸法は、何れも150mmとした。
【0051】
得られたシート材料について、坪量(目付)及び剥離強度を測定した。剥離強度は、幅30mm、長さ100mmの試験片を用意し、試験片端より20mm上下層を剥がし、引張試験機(株式会社オリエンテック社製 RTM−100)を用い、上下層を剥がした方の片端をそれぞれ30mm間隔にセットされたチャックに挟み、引張速度300mm/minで試験片を50mm引き剥がし測定した。このとき、測定された剥離強度は、その初荷重を除いた極大点荷重の平均値とした。また試験片は、長さ100mmの方向が立体シート材料を製造する方向の流れ方向(MD方向)となるように採取する。
【0052】
〔性能評価〕
以下に述べる方法で風合い、熱融着部の液の滲み込み性、収縮の程度及び加工性を評価した。これらの結果を表1に示した。
【0053】
1.風合い
実施例及び比較例で得られた立体シート材料を5人のモニターに肌触りの程度を評価させた。このとき、以下の評価基準に従い、5人のパネラーの平均点を算出した。
〔評価基準〕
風合いが良い 3点
どちらともいえない 2点
風合いが悪い 1点
【0054】
2.熱融着部の液の滲み込み性
実施例及び比較例で得られた立体シート材料をナプキンの吸収体(商品名:花王株式会社製 ロリエさらさらクッションスリムウイング無し(2004年4月入手))に馬血3gを吸収させた直後、吸収体の上に、サンプルサイズ80mm×60mmの実施例及び比較例で得られた立体シート材料をのせ、さらにその上から、66g/cm2の押付け圧になるように錘をのせて5秒間加圧する。その後直ちに、接合部を第1繊維層側から観察し評価した。評価基準は以下の通りである。
〔評価基準〕
液滲みがほとんどない ○
液滲みがある ×
【0055】
3.収縮の程度
収縮の程度は、充分に収縮し凹凸形状が発現し、嵩高な立体シート材料が得られているかを判断するもので、熱収縮処理時に設定した収縮後面積率の設定値と実際熱収縮処理した後の収縮後面積率の差である。収縮後面積率の実測は、収縮前の積層体に、既知の寸法をマーキング(例えばマジックで、MD(機械の流れ方向), CD(機械の流れ方向と垂直の方向)に一定間隔のマーキングをする)し、そのマーキングが収縮後どれだけ変化したか長さを測定し算出した。
値が小さい程、収縮性が良く、好ましくは6以下であり、さらに好ましくは2以下である。
【0056】
4.加工性(エンボス・ヒートシール性)
実施例及び比較例で得られた立体シート材料にさらに、エンボス加工性やヒートシール性の指標となる成形性の評価を行った。成形性の評価は、第1繊維層1を構成する繊維の融点で熱エンボス加工し評価した。具体的には、エンボス凸部面積2.0〜3.0mm2、圧力100〜200MPaで実施例の場合は、110〜120℃、比較例の場合は140〜150℃の温度の条件で熱エンボス加工の評価を行った。
成形性が良いとは、熱エンボス加工した場合に、熱が加わった部分に穴があいたりすることがなく、またエンボスパターンが鮮明に形成されている場合をいい、成形性が悪いとは、成形性が良い場合とは反対に、熱が加わった部分に穴があいたり、またエンボスパターンが不鮮明な場合をいう。
【0057】
〔評価基準〕
成形性が良い ○
どちらともいえない △
成形性が悪い ×
【0058】
【表1】

【0059】
表1に示す結果から明らかなように、実施例のシート材料(本発明品)は、嵩高で、風合いが良好であることが判る。
これに対して、比較例1のシート材料は、第1繊維層の最大収縮率発現温度(145℃)の方が、第2繊維層の融点(160℃)よりも低く、風合いは良好であるが、収縮の程度が充分ではなく、また第1繊維層を構成する繊維の融点差が15と小さいため接合部に液が滲み込み、かつ加工性を悪い。
これに対して、比較例2のシート材料は、第1繊維層の最大収縮率発現温度(145℃)の方が、第2繊維層の融点(145℃)と同じであるため、風合いが悪く、また第1繊維層を構成する繊維の融点差が15と小さいため接合部に液が滲み込み、かつ加工性を悪い。
これに対して、比較例3のシート材料は、第1繊維層の最大収縮率発現温度(145℃)の方が、第2繊維層の融点(129℃)と高いため、風合いが悪く、また第1繊維層を構成する繊維の融点差が15と小さいため接合部に液が滲み込み、かつ加工性を悪い。
これに対して、比較例4のシート材料は、第1繊維層の最大収縮率発現温度(145℃)の方が、第2繊維層の融点(129℃)と高いため、風合いが悪く、また第1繊維層を構成する繊維の融点差が15と小さいため接合部に液が滲み込み、かつ加工性を悪い。
これに対して、比較例5のシート材料は、第1繊維層の最大収縮率発現温度(145℃)の方が、第2繊維層の融点(129℃)と高いため、風合いが悪く、また第1繊維層を構成する繊維の融点差が15と小さいため接合部に液が滲み込み、かつ加工性を悪い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の立体シート材料の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1におけるX−X断面を模式的に示す図である。
【図3】熱融着部の形成パターン(凹凸ロールの凹凸パターン)を示す図である。
【図4】熱融着部の他の形成パターン(凹凸ロールの凹凸パターン)を示す図である。
【図5】第1繊維層の最大収縮率発現温度の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 第1繊維層
2 第2繊維層
3 接合部
4 凸部
10 立体シート材料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性繊維を含む第1繊維層と、非熱収縮性繊維からなる第2繊維層とが積層され、前記両繊維層が、熱融着によって部分的に形成された多数の熱融着部によって厚さ方向に一体化されており、前記熱融着部の間では、第1繊維層の収縮によって第2繊維層が突出して凸部を形成している立体シート材料であって、
第1繊維層の最大収縮率発現温度が、第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点よりも低く、前記最大収縮率発現温度が130℃以下である立体シート材料。
【請求項2】
第1繊維層中の前記熱収縮性繊維が、収縮率が異なる2種類の樹脂からなる複合繊維であり、収縮率が高い方の樹脂と低い方の樹脂との融点の差が30℃以上である請求項1記載の立体シート材料。
【請求項3】
第1繊維層中の前記熱収縮性繊維が、収縮率が異なる複数樹脂からなる複合繊維であり、収縮率が最も高い樹脂の融点が、第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点よりも低い請求項1又は2記載の立体シート材料。
【請求項4】
第1繊維層を、第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点よりも低い温度の熱処理により熱収縮させて得られたものである請求項1〜3の何れか記載の立体シート材料。
【請求項5】
第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点が120℃以上である請求項1〜4の何れか記載の立体シート材料。
【請求項6】
第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維が、融点が異なる複数樹脂からなる複合繊維であり、前記融点が最も低い樹脂が、融点125〜135℃の高密度ポリエチレンである請求項5記載の立体シート材料。
【請求項7】
請求項1記載の立体シート材料の製造方法であって、
熱エンボス加工によって、第1及び第2繊維層を部分的に熱融着して熱融着部を形成した後、第2繊維層中の前記非熱収縮性繊維の融点よりも低い温度で熱処理して第1繊維層を熱収縮させ、熱融着部間の第2繊維層を突出させて凸部を形成させる立体シート材料の製造方法。
【請求項8】
熱融着させる前の第2繊維層が、カード法によって得られた繊維ウエブに、エアースルー法により繊維同士の熱融着点を形成したものである立体シートの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−45724(P2006−45724A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229709(P2004−229709)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】