説明

立体倉庫及びその入庫方法

【課題】重量物の荷物を照準にスタッカークレーン等の昇降機構を設計する際の条件を緩和することができ、そのために過度の装置、設備等の追加を必要とせず、軽量のみならず重量の荷物も取り扱うことができる立体倉庫及びその入庫に係る技術を提供する。
【解決手段】入庫口21aで移載用台車に搭載された荷物が重量物の場合は、走行装置と移載用台車を作動させた台車としての搬送によって、荷物を第1段目の格納棚21の目的の棚25に格納し、入庫口21aで移載用台車に搭載された荷物が軽量物の場合は、走行装置と昇降装置と移載用台車を作動させたスタッカークレーンとしての搬送によって、荷物を第2段目以上の格納棚22〜24の目的の棚26に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段の格納棚と、各格納棚への荷物の入庫を行う移載装置(例えば、スタッカークレーン)とを備え、軽量のみならず重量の荷物も取り扱う立体倉庫及びその入庫に係る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多段の格納棚の水平方向に沿って移動可能なスタッカークレーンとを備える立体倉庫においては、任意の格納棚に荷物を入庫させる必要からスタッカークレーンが荷物を鉛直方向に昇降させる機構を有するのが普通である(特許文献1)。この場合、荷物の重量はまちまちであるので、荷物の重量が大きい場合であってもその荷物を任意の格納庫に支障なく入庫させることができるように、スタッカークレーンの昇降機構を設計する必要に迫られる。そのような設計の典型的な手法は、軽量物はもとより、重量物も移載できるようにスタッカークレーンの昇降機構の設計に余裕を持たせることである。
【0003】
また、荷物が重量物である場合には、下方領域の格納棚の水平方向に沿って移動可能な移載装置により荷物を搬送させ、荷物が軽量物である場合には、上方領域の格納棚の水平方向に沿って移動可能な別の移載装置により荷物を搬送させ、それぞれの棚に荷物を入庫させるという技術も知られている(特許文献2)。この従来技術では、重量物向けの移載装置と軽量物向けの移載装置のそれぞれに荷物を載せるために別途、格納棚の上方領域と下方領域にわたり荷物を昇降させることができる昇降搬送装置を設けている。
【0004】
さらに、立体駐車場の棚群に沿って移動可能なスタッカークレーンに入庫口の車両を載せて、当該車両を所望の棚に格納する際、車両が重量車である場合には、軽量車である場合に比べて、入庫口から所望の棚を経由して出庫口に至るまでのスタッカークレーンの走行量と昇降量との和がより小さくなる位置の棚に格納する、立体駐車場の運転電力消費量を低減する技術も知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−075704号公報
【特許文献2】特開平07−117815号公報
【特許文献3】特開平01−146076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、荷物のすべてが重量物ではないにも拘らず、重量物の荷物に照準を当てて(特に重量が最も大きいであろう荷物を想定し、その荷物に照準に当てて)スタッカークレーンの昇降機構の設計に余裕を持たせることには無駄が多い。昇降機構も大型にせざるを得ず、それを備えるスタッカークレーンも全体として大型にならざる得なくなるという問題もある。
【0007】
また、上記の従来技術(特許文献2)のように、多段の棚の上方と下方の各領域に重量物向けの移載装置と軽量物向けの移載装置とを別々に設けることは、追加の移載装置を設ける必要があることを意味しており、また重量物向けの移載装置の設計が必要になる以上、重量物の荷重を照準に当該移載装置の設計が必要になる点で従来と変わりはない。しかも、重量物向けの移載装置と軽量物向けの移載装置のそれぞれに荷物を載せるために昇降搬送装置を設けるということは、それ自体追加になり、しかも格納棚の上方領域と下方領域にわたり荷物を支障なく昇降させるために、結局のところ、重量物の荷物を照準に当該昇降搬送装置の昇降機構の設計に余裕を持たせる必要に迫られることを意味している。上記の従来技術(特許文献2)の手法では、上記の問題の解決にならない又は別の問題が生じてしまう。
【0008】
更に、上記の従来技術(特許文献3)では、スタッカークレーンによる重量車両の昇降が前提になっており、当該スタッカークレーンの昇降機構の設計時には重量物の荷物に照準を当てて設計に余裕を持たせる必要があり、それ故、やはり上記の問題の解決にならない。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、重量物の荷物を照準にスタッカークレーン等の昇降機構を設計する際の条件を緩和することができ、そのために過度の装置、設備等の追加を必要とせず、軽量のみならず重量の荷物も取り扱うことができる立体倉庫及びその入庫に係る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための、本発明は以下の特徴を有している。
【0011】
[1]荷物を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、多段の棚群を備える立体倉庫の水平方向に沿って前記昇降体を移動させる走行装置とを備える移載装置を用いて、前記立体倉庫の所望の棚への荷物の入庫を行う立体倉庫の入庫方法であって、
前記立体倉庫の外部から搬入された荷物を、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記昇降体に搭載する工程と、
前記昇降体に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させることなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物を格納する工程と、
前記昇降体に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させて前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物を格納する工程と、
を有することを特徴とする立体倉庫の入庫方法。
【0012】
[2]荷物を搭載可能な移載用台車と、該移載用台車を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、多段の棚群を備える立体倉庫の水平方向に沿って、前記移載用台車を前記昇降体に載せたまま移動させる走行装置とを備える移載装置を用いて、前記昇降体と前記立体倉庫の所望の棚との間の前記移載用台車の移動を通じて荷物の入庫を行う立体倉庫の入庫方法であって、
前記立体倉庫の外部から搬入された荷物を、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記移載用台車に搭載する工程と、
前記移載用台車に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させることなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物を格納する工程と、
前記移載用台車に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させて前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物を格納する工程と、
を有することを特徴とする立体倉庫の入庫方法。
【0013】
[3]多段の棚群と、該多段の棚群の水平方向に沿って移動可能な移載装置とを備える立体倉庫であって、
前記移載装置は、荷物を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、立体倉庫の水平方向に沿って前記昇降体を移動させる走行装置とを備えており、
外部から搬入された荷物が、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記昇降体に搭載され、
前記昇降体と前記立体倉庫の格納棚との間で荷物の入庫が行われる際、前記昇降体に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇することなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物が格納され、前記昇降体に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇して前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物が格納される、
ことを特徴とする立体倉庫。
【0014】
[4]多段の棚群と、該多段の棚群の水平方向に沿って移動可能な移載装置とを備える立体倉庫であって、
前記移載装置は、荷物を搭載可能な移載用台車と、該移載用台車を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、前記移載用台車を前記昇降体に載せたまま立体倉庫の多段の格納棚に沿って移動させる走行装置とを備えており、
外部から搬入された荷物が、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記移載用台車に搭載され、
前記昇降体と前記立体倉庫の格納棚との間の前記移載用台車の移動を通じて荷物の入庫が行われる際、前記移載用台車に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇することなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物が格納され、前記移載用台車に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇して前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物が格納される、
ことを特徴とする立体倉庫。
【0015】
[5]昇降装置の定格荷重が、重量物でない荷物の重量より大きく、かつ重量物である荷物の重量より小さいことを特徴とする前記[3]または[4]に記載の立体倉庫。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、外部から搬入され、移載装置(例えば、スタッカークレーン)における昇降体の着床位置において当該昇降体又はそれに搭載される移載用台車に載置された荷物が重量物である場合には、昇降装置により当該昇降体が上昇することなく立体倉庫の最下段の棚に荷物が格納され、その他の場合には、昇降装置により当該昇降体が上昇して立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物が格納される。
【0017】
従って、本発明によれば、重量物をより上の棚に格納するために必要な昇降機構を設計し、設置する必要がなくなる。また、そのために過度の装置、設備等の追加も必要とされず、それでいて軽量物のみならず重量物の荷物も取り扱うことができる立体倉庫及びその入庫に係る技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態における立体倉庫を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における移載用台車を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における入庫方法を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態における入庫手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態により本発明を詳細に説明する。その際、必要に応じて図面を参照しつつ説明するが、各図面において同じ部分又は相当する若しくは共通する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。いうまでもなく、本発明は、図面に記載された実施形態に限定されない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態における立体倉庫を示す図である。図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視図である。
【0021】
図1に示すように、この実施形態における立体倉庫10は、多段の格納棚群20と、多段の格納棚群20の水平方向に沿って移動可能な移載装置としてのスタッカークレーン30とを備えている。
【0022】
多段の格納棚群20は、図1では4段の格納棚群であり、1段目の格納棚(最下段の格納棚)21と、2段目の格納棚22と、3段目の格納棚23と、4段目の格納棚24とを有している。なお、1段目には、荷物60の入庫口(出庫口)21aが設けられている。
【0023】
一方、スタッカークレーン30は、荷物60を搭載可能な移載用台車51と、移載用台車51を搭載可能な昇降体41と、昇降体41を昇降させる昇降装置42と、移載用台車51を昇降体41に載せたまま多段の格納棚20に沿って移動させる走行装置31とを備えている。
【0024】
そして、走行装置31は、その上面に昇降体41が着床・固定される基盤フレーム32と、基盤フレーム32上に立設された側部フレーム33と、側部フレーム33の上端に設置された上部フレーム34と、基盤フレーム32の下部に取り付けられた車輪35と、車輪35が走行する走行装置用レール36と、走行装置31を所定の定位置に位置決め・停止させるための走行装置位置決め装置37と、昇降体41を基盤フレーム32上の所定の定位置に着床・固定させるための昇降体位置決めブロック38とを有している。
【0025】
また、昇降体41を昇降させる昇降装置42は、昇降体41を吊るすためのワイヤーロープ43と、側部フレーム33に設置された巻上装置44と、上部フレーム34上に設置された滑車45と、昇降体41に設置されたシーブボックス46と、昇降体41を所定の高さ位置に位置決めするための昇降体位置決めピン47とを有している。
【0026】
また、移載用台車51は、詳細図を図2に示すように、その上面に荷物60が搭載される基礎フレーム52と、基礎フレーム52上面に搭載された荷物60をリフトアップ・リフトダウンするリフト53(その上面に荷物60を載置する昇降フレーム54と、昇降フレーム54を昇降させる昇降装置55)と、リフト53が荷物60をリフトアップした時に荷物60の重量を計測するロードセル56と、基礎フレーム52の下部に取り付けられた車輪57と、車輪57が走行する移載用台車用レール58とを有している。
【0027】
このように構成された立体倉庫10においては、入庫口21aで受け取った荷物60をスタッカークレーン30の走行装置31の基盤フレーム32に着床している昇降体41上の移載用台車51に搭載し、走行装置31と必要により昇降装置42を駆動して、所望の格納棚の側部に昇降体41を位置させた後、昇降体41と所望の格納棚の間で移載用台車51を移動させて、所望の格納棚に荷物60を格納するようになっている。
【0028】
ここで、入庫口21aで荷物60を受け取る際の高さ位置は、1段目の格納棚21に格納される荷物と略同じ高さ位置であり、基盤フレーム32に着床している昇降体41を昇降装置42により上昇させることなく昇降体41と1段目の格納棚21との間の移載用台車51の移動が可能になる高さ位置になっている。
【0029】
また、前述したように、昇降体41は、巻上装置44を用いてワイヤーロープ43により吊られる構造であるが、基礎フレーム32に設置されている昇降体位置決めブロック47により昇降体41を基礎フレーム32上に着床・固定する際には、ワイヤーロープ43はシーブボックス46がスライドすることで昇降体41の着床を検知するため、昇降体41が基盤フレーム32上に着床・固定した状態では、ワイヤーロープ43はシーブボックス46を吊っている状態であり、ワイヤーロープ43の緩みは発生しない。したがって、昇降体41が基盤フレーム32上に着床・固定した状態で走行装置31が走行しても、ワイヤーロープ43が周辺の格納棚等に接触・衝突することはない。
【0030】
その上で、この実施形態における立体倉庫10では、入庫口21aで移載用台車51に荷物60が搭載される際に、移載用台車51に設置されているロードセル56によって当該荷物60の重量を計測し、当該荷物60が所定の基準重量(閾値)を超えた重量物である場合には、昇降装置42により昇降体41が上昇することなく第1段目の格納棚21に当該荷物60が格納され、当該荷物60が所定の基準重量(閾値)を超えない軽量物である場合には、昇降装置42により昇降体41が上昇して第2段目以上の格納棚22、23、24に当該荷物60が格納されるようになっている。
【0031】
すなわち、図3に示すように、入庫口21aで移載用台車51に搭載された荷物60が重量物の場合は、走行装置31と移載用台車51を作動させた台車としての搬送によって、荷物60を第1段目の格納棚21の目的の棚25に格納し、入庫口21aで移載用台車51に搭載された荷物60が軽量物の場合は、走行装置31と昇降装置42と移載用台車51を作動させたスタッカークレーンとしての搬送によって、荷物60を第2段目以上の格納棚22〜24の目的の棚26に格納するようになっている。
【0032】
なお、昇降装置42の定格荷重は、軽量物である荷物の重量より大きく、かつ重量物である荷物の重量より小さくなっている。そして、ロードセル56による荷物60の重量計測地をインターロックとして、誤動作で昇降装置42の定格重量以上の荷物が昇降することのないようにしている。
【0033】
このようなこの実施形態における立体倉庫10の動作の具体的な手順を図4に基づいて説明する。すなわち、下記の(S1)〜(S8)、(P9)〜(P16)、(Q9)〜(Q16)の手順である。
【0034】
(S1)1段目にある入庫口21aに荷物60が到着する。その際、昇降体41は基礎フレーム32上に着床・固定された状態になっている。すなわち、昇降体41は、昇降体41に搭載されている移載用台車51が昇降体41と入庫口21aとの間や昇降体41と1段目の格納棚21との間を走行できる高さ位置に位置している。
【0035】
(S2)スタッカークレーン30が走行装置31を駆動して入庫口21aの側部に到着する。走行装置位置決め装置37を閉鎖して、入庫口21aの側部の定位置に走行装置31を位置決め・固定させる。
【0036】
(S3)昇降体41に搭載されている移載用台車51が入庫口21a内に走行する。
【0037】
(S4)移載用台車51のリフト53により荷物60をリフトアップする。
【0038】
(S5)移載用台車51が荷物60をリフトアップした状態で昇降体41内に走行・帰還する。
【0039】
(S6)移載用台車51が荷物60をリフトアップした状態でロードセル56により荷物60の重量を計測する。
【0040】
(S7)移載用台車51のリフト53を下降し、荷物60を移載用台車51の基礎フレーム52に預けて固定する。
【0041】
(S8)上記(S6)で計測した荷物60の重量計測値が基準重量を超えているか否かをチェックする。Yesの場合は、(P9)に進み、Noの場合は、(Q9)に進む。
【0042】
(P9)1段目の格納棚21の内から空の棚を検索し、当該荷物60(重量物)を格納する格納棚(目的棚)25を決定する。
【0043】
(P10)走行装置位置決め装置35を開放し、スタッカークレーン30が走行装置31を駆動して目的棚25の側部に移動する。
【0044】
(P11)スタッカークレーン30が目的棚25の側部に到着したら、走行装置位置決め装置37を閉鎖して、目的棚25の側部の定位置に走行装置31を位置決め・固定する。
【0045】
(P12)移載用台車51に搭載されている荷物60をリフト53によりリフトアップする。
【0046】
(P13)移載用台車51が荷物60をリフトアップした状態で目的棚25内に走行する。
【0047】
(P14)移載用台車51のリフト53を下降し、荷物60を目的棚25内に預ける。
【0048】
(P15)移載用台車51が昇降体41内に走行・帰還する。
【0049】
(P16)入庫動作の完了となる。
【0050】
(Q9)2段目以上の格納棚22、23、24の内から空の棚を検索し、当該荷物60(軽量物)を格納する格納棚(目的棚)26を決定する。
【0051】
(Q10)走行装置位置決め装置37を開放し、スタッカークレーン30が走行装置31と昇降装置42を駆動して、昇降体41を目的棚26の側部に位置するようにした後、走行装置位置決め装置37を閉鎖して、走行装置31を位置決め・固定する。
【0052】
(Q11)昇降体41に設置されている昇降体位置決めピン48を出して、昇降体41を目的棚26の側部の所定の定位置に位置決め・固定する。
【0053】
(Q12)移載用台車51に搭載されている荷物60をリフト53によりリフトアップする。
【0054】
(Q13)移載用台車51が荷物60をリフトアップした状態で目的棚26内に走行する。
【0055】
(Q14)移載用台車51のリフト53を下降し、荷物60を目的棚26内に預ける。
【0056】
(Q15)移載用台車51が昇降体41内に走行・帰還する。
【0057】
(Q16)入庫動作の完了となる。
【0058】
このようにして、この実施形態における立体倉庫10では、外部から入庫口21aに搬入され、昇降体41に搭載されている移載用台車51に載置された荷物60が重量物である場合には、昇降装置42により昇降体41が上昇することなく第1段目の格納棚21に当該荷物60(重量物)が格納され、荷物60が軽量物である場合には、昇降装置42により昇降体41が上昇して2段目以上の格納棚22〜24に荷物60が格納される。
【0059】
従って、この実施形態によれば、重量物を2段目以上の格納棚22〜24に格納するために必要な定格荷重の高い昇降機構を設計し、設置する必要がなくなる。また、そのために過度の装置、設備等の追加も必要とされず、それでいて軽量物のみならず重量物の荷物も取り扱うことができる。
【0060】
なお、上記の実施形態においては、軽量物は2段目以上の格納棚22〜24に格納するようにしているが、当面格納される予定の重量物の個数が1段目の格納棚21の個数より少ない等によって、1段目の格納棚21に余裕がある場合には、その余裕の範囲内で1段目の格納棚21に軽量物を格納するようにすることもできる。
【0061】
また、上記の実施形態においては、外部から搬入された荷物60を昇降体41上に載置された移載用台車51に搭載して所望の格納棚の側部に移動し、移載用台車51を走行させて荷物60を所望の格納棚に格納する形式のスタッカークレーン30を用いているが、移載用台車51に代えてリフトアップ機能を有する移載用フォークを備え、外部から搬入された荷物60を昇降体41に搭載して所望の格納棚の側部に移動し、移載用フォークを用いて荷物60を所望の格納棚に格納する形式のスタッカークレーンを用いている場合も、同様にして本発明を実施することができる。
【0062】
また、ここでは、移載装置としてスタッカークレーンを用いているが、同様の機能を備えていれば、他の構造の移載装置であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 立体倉庫
20 格納棚群
21 1段目の格納棚
21a 入庫口(出庫口)
22 2段目の格納棚
23 3段目の格納棚
24 4段目の格納棚
25 重量物の目的棚
26 軽量物の目的棚
30 スタッカークレーン
31 走行装置
32 走行装置の基盤フレーム
33 走行装置の側部フレーム
34 走行装置の上部フレーム
35 走行装置の車輪
36 走行装置用レール
37 走行装置位置決め装置
38 昇降体位置決めブロック
41 昇降体
42 昇降体の昇降装置
43 ワイヤーロープ
44 巻上装置
45 滑車
46 シーブボックス
47 昇降体位置決めピン
51 移載用台車(移載用リフト付台車)
52 移載用台車の基礎フレーム
53 移載用台車に付設のリフト
54 リフトの昇降フレーム
55 リフトの昇降装置
56 ロードセル
57 移載用台車の車輪
58 移載用台車用レール
60 荷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、多段の棚群を備える立体倉庫の水平方向に沿って前記昇降体を移動させる走行装置とを備える移載装置を用いて、前記立体倉庫の所望の棚への荷物の入庫を行う立体倉庫の入庫方法であって、
前記立体倉庫の外部から搬入された荷物を、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記昇降体に搭載する工程と、
前記昇降体に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させることなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物を格納する工程と、
前記昇降体に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させて前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物を格納する工程と、
を有することを特徴とする立体倉庫の入庫方法。
【請求項2】
荷物を搭載可能な移載用台車と、該移載用台車を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、多段の棚群を備える立体倉庫の水平方向に沿って、前記移載用台車を前記昇降体に載せたまま移動させる走行装置とを備える移載装置を用いて、前記昇降体と前記立体倉庫の所望の棚との間の前記移載用台車の移動を通じて荷物の入庫を行う立体倉庫の入庫方法であって、
前記立体倉庫の外部から搬入された荷物を、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記移載用台車に搭載する工程と、
前記移載用台車に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させることなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物を格納する工程と、
前記移載用台車に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体を上昇させて前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物を格納する工程と、
を有することを特徴とする立体倉庫の入庫方法。
【請求項3】
多段の棚群と、該多段の棚群の水平方向に沿って移動可能な移載装置とを備える立体倉庫であって、
前記移載装置は、荷物を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、立体倉庫の水平方向に沿って前記昇降体を移動させる走行装置とを備えており、
外部から搬入された荷物が、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記昇降体に搭載され、
前記昇降体と前記立体倉庫の格納棚との間で荷物の入庫が行われる際、前記昇降体に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇することなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物が格納され、前記昇降体に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇して前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物が格納される、
ことを特徴とする立体倉庫。
【請求項4】
多段の棚群と、該多段の棚群の水平方向に沿って移動可能な移載装置とを備える立体倉庫であって、
前記移載装置は、荷物を搭載可能な移載用台車と、該移載用台車を搭載可能な昇降体と、該昇降体を昇降させる昇降装置と、前記移載用台車を前記昇降体に載せたまま立体倉庫の多段の格納棚に沿って移動させる走行装置とを備えており、
外部から搬入された荷物が、前記移載装置における前記昇降体の着床位置において、前記移載用台車に搭載され、
前記昇降体と前記立体倉庫の格納棚との間の前記移載用台車の移動を通じて荷物の入庫が行われる際、前記移載用台車に搭載された荷物が重量物である場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇することなく前記立体倉庫の最下段の棚に荷物が格納され、前記移載用台車に搭載された荷物が重量物でない場合には、前記昇降装置により前記昇降体が上昇して前記立体倉庫の最下段よりも上の段の棚に優先的に荷物が格納される、
ことを特徴とする立体倉庫。
【請求項5】
昇降装置の定格荷重が、重量物でない荷物の重量より大きく、かつ重量物である荷物の重量より小さいことを特徴とする請求項3または4に記載の立体倉庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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