説明

立体映像表示装置及び立体映像表示方法

【課題】立体映像の視認性を向上させることが可能な立体映像表示装置及び立体映像表示方法を提供する。
【解決手段】透過状態となる透過領域又は遮光状態となる遮光領域に個別に切り替えられ、マトリクス状に配置された複数の領域を含む透過部と、前記透過領域を垂直ライン又は水平ライン方向にシフトさせるとともに、隣接するライン同士でシフト方向及びシフト量の何れか一方が異なるようシフトさせる透過制御部と、前記透過部に対向配置され、マトリクス状に配置された複数の表示領域を含む表示部と、前記透過領域の配列に応じて、複数の視差を有する映像の空間解像度を補正する補正部と、所定の視点位置から前記透過領域の各々を通じて観察される前記表示領域に、前記視点位置に応じた視差を有する前記補正後の映像を表示する制御を行う表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置及び立体映像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、立体映像を裸眼で観察することが可能なパララックス方式の立体映像表示装置が存在している。係る立体映像表示装置では、パララックスバリアに設けられたスリット状の透過領域を通じて水平視差を有する2つの映像を観察者の左右の眼に独立して観察させることで立体映像を知覚させている。
【0003】
しかし、上記パララックス方式の立体映像表示装置では、透過領域が固定されていると、観察者の左右の眼から視認できる映像も固定されるため、水平方向の解像度が低下するという問題があった。そこで、従来、垂直方向に延びるスリット状の透過領域の水平方向での位置を所定のタイミングで切り換え、その切り替えと同期して左右眼用の映像の表示領域を切り換えることで、水平方向の解像度を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−138370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、透過領域がスリット単位といった大領域で一括して水平方向にシフトするため、透過領域が水平方向に流れているのが目立ってしまうという問題があった。また、透過領域のシフトに伴って透過領域を通じて観察される映像の空間解像度が変化する場合があるため、この空間解像度の変化がフリッカーとして知覚される可能性があり、視認性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、立体映像の視認性を向上させることが可能な立体映像表示装置及び立体映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の立体映像表示装置は、透過状態となる透過領域又は遮光状態となる遮光領域に個別に切り替えられ、マトリクス状に配置された複数の領域を含む透過部と、前記透過領域を垂直ライン又は水平ライン方向にシフトさせるとともに、隣接するライン同士でシフト方向及びシフト量の何れか一方が異なるようシフトさせる透過制御部と、前記透過部に対向配置され、マトリクス状に配置された複数の表示領域を含む表示部と、前記透過領域の配列に応じて、複数の視差を有する映像の空間解像度を補正する補正部と、所定の視点位置から前記透過領域の各々を通じて観察される前記表示領域に、前記視点位置に応じた視差を有する前記補正後の映像を表示する制御を行う表示制御部と、を備える。
【0008】
また、実施形態の立体映像表示方法は、透過状態となる透過領域又は遮光状態となる遮光領域に個別に切り替えられ、マトリクス状に配置された複数の領域を含む透過部と、前記透過部に対向配置され、マトリクス状に配置された複数の表示領域を含む表示部と、を備える立体映像表示装置で実行される立体映像表示方法であって、前記透過領域を垂直ライン又は水平ライン方向にシフトさせるとともに、隣接するライン同士でシフト方向及びシフト量の何れか一方が異なるようシフトさせるシフトステップと、前記透過領域の配列に応じて、複数の視差を有する映像の空間解像度を補正する補正ステップと、所定の視点位置から前記透過領域の各々を通じて観察される前記表示領域に、前記視点位置に応じた視差を有する前記補正後の映像を表示する制御を行う表示ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の立体映像表示装置及び立体映像表示方法によれば、透過部上での透過領域を隣接するライン同士でシフト方向及びシフト量の何れか一方が異なるようシフトさせ、この透過領域の配列に応じて空間解像度を補正した映像を、表示部に表示させることができるため、立体映像の視認性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態に係る立体映像表示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、光線制御配列のシフトパターンの一例を説明するための図である。
【図3−1】図3−1は、透過部の透過領域に対する左右眼映像のシフト動作を説明するための図である。
【図3−2】図3−2は、透過部の透過領域に対する左右眼映像のシフト動作を説明するための図である。
【図4】図4は、空間フィルタ部の構成を模式的に示す図である。
【図5】図5は、光線制御配列のシフトに伴う空間解像度の変化を説明するための図である。
【図6】図6は、入力映像の一例を示す図であり
【図7】図7は、空間フィルタの一例を示す図である。
【図8】図8は、立体映像表示装置の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図9】図9は、光線制御配列のシフトパターンの他の例を説明するための図である。
【図10】図10は、光線制御配列のシフトパターンの他の例を説明するための図である。
【図11】図11は、光線制御配列のシフトパターンの他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、立体映像表示装置100の構成を示す図であり、立体映像表示装置100を上面から見た構成を模式的に表している。図1に示すように、立体映像表示装置100は、立体映像を表示する表示ユニット110と、立体映像表示装置100の動作を統括的に制御する中央制御部120と、空間フィルタ部130とを備えている。
【0013】
表示ユニット110は、透過部111と、表示部112と、バックライト113とを含んで構成される。
【0014】
透過部111は、表示部112の表示面と対向する位置に設けられ、パララックスバリアとして機能する。透過部111は、平行に配置された2枚の透明ガラスと、その2枚の透明ガラスの間に封入された液晶とからなる液晶表示器等で構成され、光の透過度を制御可能な複数の画素がマトリクス状に配置されている。透過部111は、透過制御部121の制御に基づいて、一又は複数の画素で構成される領域それぞれの状態を、光を透過する透過状態(透過度が最大の状態)又は光を遮断する遮光状態(透過度が最小の状態)に個別に切り換える。以下、透過状態にある領域を透過領域140と表記し、遮光状態にある領域を遮光領域142と表記する。
【0015】
表示部112は、液晶表示器等のフラットパネルディスプレイを有して構成され、その表示面には複数の表示領域144がマトリクス状に配置されている。表示部112は、表示制御部122の制御に基づいて、一又は複数の画素(或いはサブ画素)で構成される表示領域144のそれぞれに、立体視用の映像信号(以下映像という)を表示する。ここで、表示部112を構成する表示領域144の各々には、空間フィルタ部130が対応付けて設けられており、この空間フィルタ部130を経由した映像が対応する表示領域144に入力されるよう構成されている。なお、本実施形態では、立体視に係る視点数(視差数)を“4”とした例を想定しているため、4視差分の映像が表示領域144に入力される。
【0016】
バックライト113は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の光源を有して構成され、表示部112の背面側から表示部112の表示面を照射(照明)する。なお、表示部112として有機EL(Electro Luminescence)等の自発光を行う表示装置を用いることで、バックライト113を省略することもできる。
【0017】
中央制御部120は、CPU(Central Processing Unit)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、立体映像表示装置100の動作を統括的に制御する。また、本実施形態において、中央制御部120は、透過制御部121と、表示制御部122として機能する。
【0018】
透過制御部121は、透過部111における各領域の透過度を制御し、透過領域140を水平ライン方向にシフト制御する。具体的に、透過制御部121は、透過領域140となっている領域を遮光領域142に切り替えるとともに、この透過領域140と同じ水平ライン上の所定位置にある遮光領域142となっている領域を透過領域140に切り替えることで、透過領域140が水平方向にシフトするよう制御する。
【0019】
また、透過制御部121は、透過領域140のシフト方向及びシフト量のうち何れか一方又は両方を、隣接する水平ライン同士で異ならせることで、透過領域140の水平方向へのシフトを観察者200に意識させないよう制御している。なお、観察者200は、透過部111が呈する透過領域140及び遮光領域142の配列(以下、光線制御配列という)を通じて、表示部112に表示された映像を観察する。
【0020】
図2は、光線制御配列のシフトパターンの一例を説明するための図である。ここでは、シフトパターンの一例として、透過部111の水平ラインを構成する奇数ラインと偶数ラインとでシフト方向を異ならせ、そのシフト量を1領域(1画素)分とした場合について説明する。
【0021】
まず、透過部111の光線制御配列が図2(a)の状態にあるとすると、透過制御部121は、表示制御部122から入力される映像のフレームの切り替わりを通知する同期信号に同期して、水平ラインを構成する奇数ラインを水平右方向に1画素ずつシフトさせるよう各領域の透過度を制御し、偶数ラインを水平左方向に1画素ずつシフトさせるよう各画素の透過度を制御することで、光線制御配列を図2(b)の状態とする。ここで、フレームは、映像を構成する個々の静止画である。
【0022】
また、透過制御部121は、フレームが切り替わる度に、奇数ライン及び偶数ラインを同様に順次シフトさせていくことで、光線制御配列を図2(c)、図2(d)の状態とする。このシフト制御により、透過部111は、図2(a)→図2(b)→図2(c)→図2(d)の光線制御配列を周期的に繰り返すことになる。なお、光線制御配列のシフトパターンは、図2の例に限らないものとする。
【0023】
図1に戻り、表示制御部122は、外部装置(図示せず)から入力されるフレーム単位の映像を、空間フィルタ部130の各々に出力する。また、表示制御部122は、透過部111の光線制御配列に応じて、観察者200が透過領域140を通じて表示部112を観察したとき、観察者200の左右の眼200L、200Rがそれぞれ視認することになる表示部112の表示領域144に、左眼用映像と右眼用映像とをそれぞれ表示させる。
【0024】
ここで、図3−1及び図3−2は、透過部111の透過領域140に対する左右眼映像のシフト動作を説明するための図である。なお、図3−1(a)、(b)、図3−2(c)、(d)は、図2(a)〜(d)に示した光線制御配列での水平方向の奇数ラインにそれぞれ対応している。
【0025】
透過部111の光線制御配列が図3−1(a)に示す状態のとき、表示制御部122は、観察者200の左眼(より正確には観察者200が所定の位置に存在すると仮定した場合の左眼に相当する位置)200Lと透過領域140とを結ぶ直線と、表示部112の表示面との交点に位置する表示領域144Lに対応する空間フィルタ部130を制御することで、表示領域144Lに左眼用映像を表示させる。また、表示制御部122は、観察者200の右眼(より正確には観察者200が所定の位置に存在すると仮定した場合の右眼に相当する位置)200Rと透過領域140とを結ぶ直線と、表示部112の表示面との交点に位置する表示領域144Rに対応する空間フィルタ部130を制御することで、表示領域144Rに右眼用映像を表示させる。
【0026】
ここで、図4は、空間フィルタ部130の構成を模式的に示す図である。上述したように、空間フィルタ部130は、表示部112の表示領域144毎に設けられており、その構成として映像入力端子131と、フィルタ処理部132と、選択部133と、映像出力端子134とを有している。
【0027】
映像入力端子131は、映像の視点数分設けられており、表示制御部122から出力された4視点(視点1〜4)分の映像がそれぞれ入力される。
【0028】
フィルタ処理部132は、映像入力端子131毎に設けられており、表示制御部122の制御の下、映像入力端子131から入力される映像信号に対し、所定の空間フィルタによるフィルタ処理を施す。なお、フィルタ処理部132の動作については後述する。
【0029】
選択部133は、表示制御部122の制御の下、フィルタ処理部132の各々から出力されるフィルタ処理後の映像から一つを選択し、この選択した映像を、映像出力端子134を介して対応する表示領域144に出力する。
【0030】
ここで、選択部133により選択出力される映像信号は、表示領域144に対する観察者200の水平方向の視点位置(より正確には観察者200が所定の位置に存在すると仮定した場合の左眼200L又は右眼200Rに相当する位置)、つまり表示領域144に対する観察者200の視方向に応じて定まる。そのため、表示制御部122は、図3−1(a)に示す4つの表示領域144Lのうち、例えば図面左端の表示領域144Lには、当該表示領域144Lと左眼200Lとを結ぶ直線方向(視方向)に対応する視差を有した左眼用映像が選択出力されるよう選択部133を制御する。
【0031】
そして、表示領域144の各々では、対応する空間フィルタ部130(映像出力端子134)から入力された1フレーム分の映像のうち、表示面での自己の表示領域144の配置位置に応じた映像(部分映像)を表示することで、表示部112全体で立体視用の映像を提示する。
【0032】
続いて、フレームの切り替えにより、透過部111の光線制御配列が、図3−1(a)の状態から図3−1(b)の状態にシフトすると、表示制御部122は、上記した表示制御を行うことで、観察者200の左眼200Lと透過領域140とを結んだ直線上に位置する表示部112の各表示領域144Lに左眼用映像を表示させ、観察者200の右眼200Rと透過領域140とを結んだ直線上に位置する表示部112の各表示領域144Rに右眼用映像を表示させる。
【0033】
また、フレームの切り替えにより、透過部111の光線制御配列が、図3−1(b)から図3−2(c)、図3−2(c)から図3−2(d)の状態に順次シフトすると、表示制御部122は、上記した表示制御を行うことで、観察者200の左眼200Lと透過領域140とを結んだ直線上に位置する表示部112の各表示領域144Lに左眼用映像を表示させ、観察者200の右眼200Rと透過領域140とを結んだ直線上に位置する表示部112の各表示領域144Rに右眼用映像を表示させる。そして、その後は、図3−1(a)→図3−1(b)→図3−2(c)→図3−2(d)の状態を周期的に繰り返す。
【0034】
これにより、観察者200は、透過領域140を通じて、左眼200Lで左眼用映像を視認し、右眼200Rで右眼用映像を視認するので、両眼視差の作用により立体映像を知覚することができる。なお、図3−1、図3−2では、一の水平ラインを挙げて、透過制御部121と表示制御部122との処理を説明したが、他の水平ラインも同様に制御可能であることは言うまでもない。
【0035】
このように、透過制御部121及び表示制御部122は、水平ライン毎に独立して、透過領域140およびそれに対応する表示領域144のシフト方向及びシフト量の一方又は両方を、隣接する水平ライン同士で異なるようにシフト制御する。これにより、透過領域140がスリット単位といった、大きな表示面積で一括して同方向に規則的にシフトしてしまうことを抑制できるため、透過領域140の水平方向のシフト、即ち透過領域140を通じて視認される映像の水平方向への流れを、観察者に意識させないようすることができる。
【0036】
また、透過領域140を画素単位でシフトしているので、観察者は透過部111の全画素分に相当する分解能で左眼用映像と右眼用映像とを観察することができ、パララックスバリア(透過部111)を形成しない平面映像の表示時に近い水平解像度を得ることができる。
【0037】
ところで、透過制御部121によるシフト制御のシフトパターンによっては、透過領域140を通じて観察される映像の空間解像度が周期的に変化する場合がある。この場合、空間解像度の変化が、映像のちらつき(フリッカー)として観察者に知覚される可能性がある。以下、図5(a)〜(d)を参照して、映像の空間解像度が周期的に変化する事例について説明する。
【0038】
図5は、光線制御配列のシフトに伴う空間解像度の変化を説明するための図である。ここで、図5(a)〜(d)は、図2(a)〜(d)に示した光線制御配列の一部をそれぞれ表している。なお、図5では、観察者200の右眼200R(図1参照)で透過領域140を視認した場合を想定しているため、透過領域140越しに右眼用映像(図5中「R」で示す)が観察されることになる。
【0039】
図5において、観察者200が観察する注目領域を光線制御配列の中央とすると、図5(a)及び図5(c)に示す光線制御配列での垂直方向の空間解像度は、透過部111の垂直ラインを構成する領域全てが透過領域140であるため“1”となる。また、水平方向の空間解像度は、透過部111の水平ラインを構成する4つの領域のうち、1つが透過領域140であるため“1/4”となる。
【0040】
一方、図5(b)及び図5(d)に示す光線制御配列での垂直方向の空間解像度は、透過部111の垂直ラインを構成する2つの領域のうち、1つが透過領域140であるため“1/2”となる。また、水平方向の空間解像度は、透過部111の水平ラインを構成する4つの領域のうち、1つが透過領域140であるため“1/4”となる。
【0041】
そのため、図5(a)〜図5(d)のシフトパターンでは、水平方向の空間解像度は何れも“1/4”で同値となるが、垂直方向の空間解像度については、1→1/2→1→1/2と周期的に変化している。この場合、垂直方向についての空間解像度の周期的な変化がフリッカーの発生要因となる可能性がある。
【0042】
そこで、本実施形態の立体映像表示装置100では、表示制御部122と空間フィルタ部130(フィルタ処理部132)との協働により、透過部111の光線制御配列を通じて観察される映像の空間解像度を当該光線制御配列に応じて補正することで、光線制御配列のシフトに伴い変化する空間解像度の差を縮小する。
【0043】
例えば、図5(a)〜(d)に示したシフトパターンの場合、垂直方向の空間解像度が周期的に変化するため、表示制御部122は、フィルタ処理部132でのフィルタ処理より映像の垂直方向に対する鮮鋭度を補正することで、光線制御配列のシフトに伴って生じる垂直方向の空間解像度の差を縮小する。以下、図6及び7を用いて、フィルタ処理部132の動作例を説明する。
【0044】
図6は、空間フィルタ部130に入力される入力映像の一例を示す図であり、フレーム単位の映像(静止画)の一部分を表している。同図では、入力映像150が、3行3列からなる9個の画素で構成された例を示しており、各画素の信号レベルを(例えば輝度値)を記号A〜Iで表している。なお、本例では、入力映像150の中央に位置する画素を注目領域(画素)としている。
【0045】
また、図7は、空間フィルタ160の一例を示す図である。同図に示す空間フィルタ160は、3行3列の空間フィルタであり、各要素に係数w1〜w9が割り当てられる。
【0046】
フィルタ処理部132は、空間フィルタ160を用いて入力映像150にフィルタ処理を施す場合、例えば下記式(1)を用いて値E’を算出し、この値E’を補正後の注目画素の信号レベルとする。そして、フィルタ処理部132は、入力映像150を構成する各画素について同様のフィルタ処理を施した後、補正後の映像を選択部133に出力する。
【0047】
【数1】

【0048】
表示制御部122では、透過部111の光線制御配列に応じた係数w1〜w9を、フィルタ処理部132に通知することで、フィルタ処理部132が用いる空間フィルタ160の特性を制御する。
【0049】
具体的に、表示制御部122は、図5(a)及び図5(c)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、垂直方向の鮮鋭度を低下させる係数w1〜w9のセット(以下、係数セットという)を、フィルタ処理部132に通知することで、入力された映像の垂直方向に対する鮮鋭度を低下させる。この場合、例えば{w1=0、w2=1、w3=0、w4=0、w5=2、w6=0、w7=0、w8=1、w9=0}が係数セットとしてフィルタ処理部132に通知される。なお、透過領域140を通じて観察される入力画像の空間解像度が、基準値となる図5(b)及び図5(d)での垂直方向の空間解像度“1/2”と見かけ上同等となるよう鮮鋭度を低下させることが好ましい。
【0050】
また、表示制御部122は、図5(b)及び図5(d)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、フィルタ処理をオフとする制御信号、或いは、現状の鮮鋭度を維持させる係数セットをフィルタ処理部132に通知することで、入力された映像の鮮鋭度を維持させる。この場合、例えば{w5=1、w1〜w4=0、w6〜w9=0}が係数セットとしてフィルタ処理部132に通知される。
【0051】
そして、フィルタ処理部132の各々でフィルタ処理された映像は、選択部133に出力され、表示制御部122の制御の下、一の映像が対応する表示領域144に選択出力される。
【0052】
このように、フィルタ処理部132では、図5(a)〜図5(d)に示すシフトパターンでの各光線制御配列に応じて映像の鮮鋭度を補正することで、シフトにより生じる空間解像度の差を縮小する。これにより、図5(a)〜図5(d)に示す光線制御配列の各々において、見かけ上の空間解像度を同等とすることができるため、空間解像度の変化を要因とするフリッカーの発生を抑制することが可能となり、立体映像の視認性を向上させることができる。
【0053】
なお、上記例では、周期的に変化する空間解像度のうち、最も低い値を基準値とし、この基準値以外の空間解像度となる画像の鮮鋭度を低下させることで、空間解像度の均一化を図る形態としたが、これに限らず他の手法を用いてもよい。例えば、周期的に変化する垂直方向の空間解像度のうち、最も高い値を基準値とし、この基準値以外の空間解像度となる画像の鮮鋭度を上昇させることで、空間解像度を均一化する形態としてもよい。また、空間解像度の変化範囲のうち、任意の値(例えば中間値)を基準値とし、この基準値以外の空間解像度となる画像の鮮鋭度を低下又は上昇させることで、空間解像度を均一化(或いは平均化)する形態としてもよい。
【0054】
また、空間フィルタ部130を構成するフィルタ処理部132の各々に同一の係数セットを通知することで、各フィルタ処理部132で同一のフィルタ処理を実施させる形態としてもよいし、異なる係数セットを通知することで、各フィルタ処理部132で同一のフィルタ処理を実施させる形態としてもよい。例えば、選択部133で選択出力する映像の入力元となるフィルタ処理部132にのみ、空間解像度を均一化するための係数セットを通知、このフィルタ処理部132以外の他のフィルタ処理部132に、フィルタ処理をオフとする制御信号を通知する形態としてもよい。
【0055】
次に、以上のように構成された立体映像表示装置100の動作について説明する。図8は、立体映像表示装置100の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0056】
まず、表示制御部122では、表示の対象となる映像のフレームが切り替わると、透過制御部121に対し、フレームの切り替えを通知する同期信号を出力する(ステップS11)。同期信号を受け取った透過制御部121は、所定のシフトパターンに基づき、隣接する水平ライン同士でシフト方向及び/又はシフト量を異ならせた制御信号を、透過部111に出力する(ステップS12)。透過部111では、透過制御部121からの制御信号に応じて、光線制御配列をシフトさせる(ステップS13)。
【0057】
表示制御部122では、透過制御部121への同期信号の送信とともに、観察者の左右眼と透過領域140とを結ぶ直線上に位置する各表示領域144の空間フィルタ部130に対し、複数視差分の映像を出力する。表示制御部122から出力された映像は、映像入力端子131を介してフィルタ処理部132に入力される(ステップS14)。
【0058】
なお、表示制御部122は、光線制御配列のシフトパターンと、観察者200の左眼200L又は右眼200Rに相当する位置とを関連付けた設定情報に基づいて、対応する表示領域144の位置を特定できるものとするが、他の形態として、光線制御配列のシフト毎に、透過制御部121から、その光線制御配列の通知を受け付ける形態としてもよい。
【0059】
また、表示制御部122は、光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の周期的な変化を縮小するため、現在の光線制御配列に応じた係数セットを、ステップS14で映像の出力先となった空間フィルタ部130のフィルタ処理部132に通知する(ステップS15)。なお、表示制御部122は、光線制御配列と係数セットとを関連付けた設定情報に基づいて、光線制御配列に応じた係数セットを特定できるものとするが、他の形態として、現在の光線制御配列から動的に係数セットを導出する形態としてもよい。
【0060】
フィルタ処理部132では、ステップS14で入力された映像に対し、ステップS15で通知された係数セットを用いてフィルタ処理を施す(ステップS16)。そして、フィルタ処理部132は、ステップS16の処理結果となる鮮鋭度を補正した映像を選択部133に出力する(ステップS17)。
【0061】
次に、表示制御部122は、ステップS14で映像の出力先となった空間フィルタ部130の選択部133に対し、一の映像を選択出力させるための選択信号を出力する(ステップS18)。この選択信号を受け取った選択部133は、フィルタ処理部132から入力された映像から一の映像を選択し(ステップS19)、対応する表示領域144に出力する(ステップS20)。そして、空間フィルタ部130(選択部133)から映像を受け取った表示領域144の各々では、自己の表示領域144の配置位置に応じた映像を表示することで(ステップS21)、表示部112全体で立体視用の映像を提示する。
【0062】
以上のように、本実施形態の立体映像表示装置100によれば、透過部111上での透過領域140を隣接するライン同士で、シフト方向及び/又はシフト量が異なるようシフトさせ、当該透過領域140の光線制御配列に応じて空間解像度を補正した映像を、表示部112に表示させることができるため、立体映像の視認性を向上させることができる。
【0063】
なお、上記実施形態における光線制御配列のシフトパターン及びフィルタ処理に係る構成は、種々の形態を採用することが可能である。以下、光線制御配列のシフトパターン及びフィルタ処理の他の例を上記実施形態の変形例として説明する。
【0064】
[変形例1]
図9は、光線制御配列のシフトパターンの他の例を説明するための図である。同図では、表示制御部122から入力される同期信号に同期して、図9(a)→図9(b)→図9(c)→図9(d)の光線制御配列を周期的に繰り返すシフトパターンを示している。なお、図9では、光線制御配列を4行4列のブロックで示しているが、このブロックのシフトパターンが透過部111の全域に亘って行われるものとする。
【0065】
ここで、図9(a)〜図9(d)の各光線制御配列について空間解像度を確認すると、水平方向及び垂直方向の空間解像度は全て“1/4”となるが、図9(a)及び図9(c)では、斜め方向に透過領域140が揃うため、斜め方向の空間解像度が水平方向及び垂直方向の空間解像度と比較し高くなる。この場合、この斜め方向の空間解像度の周期的な変化がフリッカーの発生要因となる可能性がある。
【0066】
そこで、表示制御部122では、図9(a)〜図9(d)の各光線制御配列に応じて、映像の斜め方向に対する鮮鋭度をフィルタ処理部132のフィルタ処理で補正させることで、光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の差を縮小する。
【0067】
具体的に、表示制御部122は、図9(a)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、右斜め下方向の鮮鋭度を低下させる係数セットをフィルタ処理部132に通知することで、当該係数セットを用いてフィルタ処理を実行させ、入力された映像の右斜め下方向に対する鮮鋭度を低下させる。また、表示制御部122は、図9(c)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、右斜め上方向の鮮鋭度を低下させる係数セットをフィルタ処理部132に通知することで、入力された映像の右斜め上方向に対する鮮鋭度を低下させる。なお、鮮鋭度の低下に係る強度(フィルタ強度)は、従前の空間解像度の“1/4”程度となることが好ましい。
【0068】
これにより、図9(a)〜図9(d)に示した光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の差を縮小することができるため、空間解像度の変化を要因とするフリッカーの発生を抑制することができ、立体映像の視認性を向上させることができる。
【0069】
[変形例2]
図10は、光線制御配列のシフトパターンの他の例を説明するための図である。同図では、表示制御部122から入力される同期信号に同期して、図10(a)→図10(b)→図10(c)→図10(d)の光線制御配列を周期的に繰り返すシフトパターンを示している。なお、図10では、光線制御配列を4行4列のブロックで示しているが、このブロックのシフトパターンが透過部111の全面に亘って行われるものとする。
【0070】
ここで、図10(a)〜図10(d)の各光線制御配列について空間解像度を確認すると、水平方向の空間解像度は全て“1/4”となる。また、垂直方向の空間解像度については全ての光線制御配列で“0”と“1/2”が存在する。しかしながら、図10(a)及び図10(c)の光線制御配列では、垂直方向に透過領域140が並ぶため(図中140a、140b参照)、二つ分の透過領域140が一塊として周期的に現れることになる。この場合、一塊となった透過領域140a、140b部分についての垂直方向の空間解像度が“1/2”以上に知覚されることがあるため、当該空間解像度の周期的な変化がフリッカーの発生要因となる可能性がある。
【0071】
そこで、表示制御部122では、図10(a)〜図10(d)の各光線制御配列に応じて、垂直方向に並んだ透過領域140に対応する映像部分の鮮鋭度をフィルタ処理部132のフィルタ処理で補正させることで、光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の差を縮小する。
【0072】
具体的に、表示制御部122は、図10(a)及び図10(c)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、透過領域140aを通じて観察される表示領域144の空間フィルタ部130(フィルタ処理部132)に対し、図中下方向の鮮鋭度を低下させる係数セットを通知することで、当該係数セットを用いてフィルタ処理を実行させ、入力された映像の下方向に対する鮮鋭度を低下させる。また、表示制御部122は、透過領域140bを通じて観察される表示領域144の空間フィルタ部130(フィルタ処理部132)に対し、図中上方向の鮮鋭度を低下させる係数セットを通知することで、この空間フィルタ部130に入力された映像の上方向に対する鮮鋭度を低下させる。なお、鮮鋭度の低下に係る強度(フィルタ強度)は、従前の空間解像度の“1/4”程度となることが好ましい。
【0073】
これにより、図10(a)〜図10(d)に示した光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の差を縮小することができるため、空間解像度の変化を要因とするフリッカーの発生を抑制することができ、立体映像の視認性を向上させることができる。
【0074】
[変形例3]
図11は、光線制御配列のシフトパターンの他の例を説明するための図である。同図では、表示制御部122から入力される同期信号に同期して、図11(a)→図11(b)→図11(c)→図11(d)の光線制御配列を周期的に繰り返すシフトパターンを示している。なお、図11では、光線制御配列を4行4列のブロックで示しているが、このブロックのシフトパターンが透過部111の全面に亘って行われるものとする。
【0075】
ここで、図11(a)〜図11(d)の各光線制御配列について空間解像度を確認すると、水平方向の空間解像度は全て“1/4”となる。また、垂直方向の空間解像度については、図11(a)及び図11(c)では“0”と“1/4”と“3/4”とが存在し、図11(b)では“1/4”が存在し、図11(d)では“0”と“1/2”が存在する。この場合、水平方向の空間解像度の周期的な変化がフリッカーの発生要因となる可能性がある。
【0076】
そこで、表示制御部122では、図11(a)〜図11(d)の各光線制御配列に応じて、透過領域140に対応する映像部分の鮮鋭度をフィルタ処理部132のフィルタ処理で補正させることで、光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の差を縮小する。
【0077】
例えば、表示制御部122は、図11(a)及び図11(c)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、透過領域140を通じて観察される表示領域144の空間フィルタ部130(フィルタ処理部132)に対し、垂直方向の鮮鋭度を低下させる係数セットを空間フィルタ部130に通知することで、当該係数セットを用いてフィルタ処理を実行させ、入力された映像の垂直方向に対する鮮鋭度を低下させる。
【0078】
ここで、鮮鋭度の低下に係る強度(フィルタ強度)は、図11(b)での垂直方向の空間解像度を基準値に、従前の空間解像度の“1/4”(或いは1/2)程度となることが好ましい。なお、図11(a)、図11(c)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、透過領域140を通じて観察される表示領域144の空間フィルタ部130(フィルタ処理部132)に対し、見かけ上の空間解像度が“1/4”程度となる係数セットを通知することで、空間解像度の差を縮小する形態としてもよい。また、図11(d)の光線制御配列が透過部111に提示される際に、透過領域140を通じて観察される表示領域144の空間フィルタ部130(フィルタ処理部132)に、見かけ上の空間解像度が“1/2”程度となる係数セットを通知することで、空間解像度の差を縮小する形態としてもよい。
【0079】
これにより、図11(a)〜図11(d)に示した光線制御配列のシフトにより生じる空間解像度の差を縮小することができるため、空間解像度の変化を要因とするフリッカーの発生を抑制することができ、立体映像の視認性を向上させることができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0081】
例えば、上記実施形態では、透過部111の水平方向に透過領域140をシフトさせる例を説明したが、これに限らず、透過部111の垂直方向に透過領域140をシフトさせてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、3行3列構成の空間フィルタを用いた例を示したが(図7参照)、これに限らず、他の構成の空間フィルタを用いる形態としてもよい。なお、空間フィルタの構成は、鮮鋭度を補正する方向に少なくとも3タップ以上有することが好ましい。
【0083】
また、上記実施形態では、空間フィルタ部130のフィルタ処理部132は、表示制御部122から通知される係数セットに従ってフィルタ処理を行う形態としたが、これに限らず、フレーム及び光線制御配列の切り替えに応じて、フィルタ処理部132が独自に係数セットを切り替える形態としてもよい。
【符号の説明】
【0084】
100 立体映像表示装置
110 表示ユニット
111 透過部
112 表示部
113 バックライト
120 中央制御部
121 透過制御部
122 表示制御部
130 空間フィルタ部
131 映像入力端子
132 フィルタ処理部
133 選択部
134 映像出力端子
140 透過領域
142 遮光領域
144 表示領域
150 入力映像
160 空間フィルタ
200L 左眼
200R 右眼

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過状態となる透過領域又は遮光状態となる遮光領域に個別に切り替えられる、マトリクス状に配置された複数の領域を含む透過部と、
前記透過領域を垂直ライン又は水平ライン方向にシフトさせるとともに、隣接するライン同士でシフト方向及びシフト量の何れか一方が異なるようシフトさせる透過制御部と、
前記透過部に対向配置され、マトリクス状に配置された複数の表示領域を含む表示部と、
前記透過領域の配列に応じて、複数の視差を有する映像の空間解像度を補正する補正部と、
所定の視点位置から前記透過領域の各々を通じて観察される前記表示領域に、前記視点位置に応じた視差を有する前記補正後の映像を表示する制御を行う表示制御部と、
を備える立体映像表示装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記透過領域のシフトに伴い変化する前記空間解像度間の差を縮小させる補正を前記映像に施す請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記補正部は、前記表示制御部が前記表示領域に表示させる映像の鮮鋭度を補正することで、前記透過領域の配列を通じて観察される前記映像の空間解像度を補正する請求項1又は2に記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記透過領域のシフトに伴い変化する前記空間解像度の変化範囲のうち、一の値を基準値として、前記空間解像度を補正する請求項3に記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記補正部は、前記映像の所定方向に対する鮮鋭度を低下又は上昇し得る特性を備えた空間フィルタを用いて、前記映像の鮮鋭度を補正する請求項3又は4に記載の立体映像表示装置。
【請求項6】
前記補正部は、前記透過領域の配列に応じて、前記空間フィルタの特性を切り替える請求項5に記載の立体映像表示装置。
【請求項7】
前記補正部は、前記表示領域毎に対応付けて設けられており、前記表示制御部から入力された映像を補正した後、当該映像を対応する前記表示領域に表示させる請求項1〜6の何れか一項に記載の立体映像表示装置。
【請求項8】
前記透過制御部は、前記映像のフレーム毎に前記透過領域をシフトさせる請求項1〜7の何れか一項に記載の立体映像表示装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、観察者の左眼位置から前記透過領域を通じて観察される前記表示領域に左眼用映像を表示させるとともに、前記観察者の右眼位置から前記透過領域を通じて観察される前記表示領域に右眼用映像を表示させる請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項10】
透過状態となる透過領域又は遮光状態となる遮光領域に個別に切り替えられ、マトリクス状に配置された複数の領域を含む透過部と、前記透過部に対向配置され、マトリクス状に配置された複数の表示領域を含む表示部と、を備える立体映像表示装置で実行される立体映像表示方法であって、
前記透過領域を垂直ライン又は水平ライン方向にシフトさせるとともに、隣接するライン同士でシフト方向及びシフト量の何れか一方が異なるようシフトさせるシフトステップと、
前記透過領域の配列に応じて、複数の視差を有する映像の空間解像度を補正する補正ステップと、
所定の視点位置から前記透過領域の各々を通じて観察される前記表示領域に、前記視点位置に応じた視差を有する前記補正後の映像を表示する制御を行う表示ステップと、
を含む立体映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−78052(P2013−78052A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217762(P2011−217762)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】