説明

立体構造物

【課題】印刷された少なくとも1枚の樹脂製プレートを含んで多数層に接合することによって印刷された印刷表示を装飾性豊かに表現にすること。
【解決手段】立体構造物1は、一方の面に印刷された第1のプレート3と、印刷表示6面を間にして接合する第2のプレート4を可視光重合型一液性樹脂材5で接着して形成する。第1のプレート3と第2のプレート4とは光透過性樹脂材で形成して印刷表示6を明確に表現する。印刷層を2重に形成したり、遮光部材を端面に貼着したり、又は、印刷表示6を備えるプレートを少なくとも2枚重ねたりすることで、印刷表示6を目立たせるとともに、立体構造物の角部に傾斜面や湾曲面を形成して印刷表示6に装飾性を付与して鑑賞させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光透過性樹脂材で形成された矩形板状のプレートに印刷された文字や図形あるいは写真等を強調して表現できる立体構造物に関し、さらに装飾性に優れた立体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性樹脂材を使用した置物や飾り物は、従来から提供されている。例えば、従来において、固型中空部を透明性の樹脂枠体内に備えた立体有形物の樹脂構造体が特許文献1によって知られている。これによると、立体有形物の樹脂構造体は、各種の教材・展示物・置物において平面的な写真や印刷物に代わるものとして有用に活用できるものとして提供されている。この樹脂構造体は継目なし樹脂枠体に固型中空部として現した構造からなり、中空部を彫刻体の立体外周と同一サイズ同一形状の外形形状を有する立体中空部にして底部が開放されて外側と連通した構造となっている。
【特許文献1】特開2004−114473公報
【特許文献2】特開2007−185852公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されているものでは、実物と同質同一となる精微な外周形状・表面意匠を備えた高度のリアリティで高品質なものであるものの、その成形方法は、精微鋳造のロストワックス工法を応用していることから、極めてコストを高くするものであった。また、透明な樹脂枠を使用しているものの、印刷された文字や図形あるいは写真等を強調して表現することに関しては特に開示されているものではなかった。
【0004】
一方、樹脂製のプレートに印刷できる印刷機が、例えば、特許文献2によって知られている。これによると、この印刷機は、UV硬化型のインク使用のインクジェットプリンタであり、紫外線を照射することによってインク滴を硬化させるとともに厚みのあるプリントメディア(例えば、樹脂製のプレート)の片面に印刷可能に構成されている。印刷されたプリントメディアは、その表面に耐水性、耐候性を有することから、屋外広告等に利用されていた。この技術を利用するとともに光を透過することによって新たな装飾性の豊かな立体構造物を提供することが課題として発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、印刷された文字や図形あるいは写真等を強調して装飾性の豊かな構造物として提供するとともに、高価に表現できる立体構造物を提供することを目的とする。そのために、本発明に係る立体構造物は、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された第1のプレートの一方の面に印刷が施され、前記第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された第1のプレートの一方の面に印刷が施され、前記第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートの一方の面を、可視光重合型一液性接着剤で接合するとともに、前記第1のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを可視光重合型一液性接着剤で接着し、前記第2のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明では、前記第1のプレートに印刷された印刷層が2層で形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の発明では、前記第1のプレートの印刷面側に接合された第2のプレートあるいは複数枚の光透過性樹脂材のプレートの最後端の裏面には遮光部材が接合されていることを特徴としている。
【0009】
請求項5記載の発明では、片面が印刷された前記第1のプレートを含んで複数枚の光透過性樹脂材のプレートを積層して形成された構造物の外周面の一部には、湾曲面又は傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された第1のプレートの一方の面に印刷が施され、前記第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートの一方の面を、可視光重合型一液性接着剤で接合するとともに、前記第1のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを可視光重合型一液性接着剤で接着し、前記第2のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合するとともに、前記第1のプレートとは別のプレートの一方の面に印刷が施されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7記載の発明では、前記印刷が、印刷の施されたプレートの一方の面の周縁部を残して略全面に貼付された全面印刷層として形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項8記載の発明では、前記印刷が、印刷の施されたプレートの一方の面において無地部を含めた印刷表示からなる部分印刷層として形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された第1のプレートを有し、第1のプレートの一方の面には印刷が施されている。第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合することによって、接着剤が気泡を発生することなく、また光の透過を妨げることなく接着できる。印刷された文字や図形あるいは写真等の印刷表示は、光が光透過性樹脂材を透過することによって協調され、それによって高価であり且つ装飾性の豊かな立体構造物として鑑賞することができる。
【0014】
この印刷が施された立体構造物は、印刷層を2層に形成したり、構造物の端面に遮光部材を接合したりすることによって、鏡状に形成することができ、印刷された印刷表示(文字や図形あるいは写真等)をさらに強調することができる。
【0015】
さらに、この立体構造物は、印刷された第1のプレートに光透過性樹脂材で形成されたプレートを多層にすることによって立体感を高めるとともに装飾性を向上することができる。
【0016】
また、この立体構造物は、多層で形成された構造物に湾曲部や傾斜面を形成することによって、光の屈折で印刷された印刷表示を変形して鑑賞させることができる。そのため、さらに立体感を高めたり装飾性を向上させたりすることができる。
【0017】
さらに複数のプレートで接合された立体構造物では、片面に印刷されたプレートを少なくとも2枚含むことによって、印刷表示が二重に浮き出されることとなって印象に残りやすい独特な表現をすることができる。
【0018】
また、印刷は、印刷層がプレートの一面の周縁部を残して略全面的に印刷されている全面印刷層に形成したり、印刷表示を、例えば、格子状の線の組み合わせや、ドットで形成した図柄や文字等のように内部に印刷されていない無地部を含めた部分印刷層に形成したりすることができる。前述の全面印刷層の場合には、印刷表示を明確に表示することができ、前述の部分印刷層の場合には、プレートどうしを接着する際に、無地面を確保して接着面積を増大することができ、接着耐久性を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の立体構造物における各種の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
実施形態の立体構造物は、光透過性樹脂材で形成されたプレートを接着剤で複数層に形成するとともに、そのうちの1枚のプレートに印刷を施して、印刷された表示を強調できるように形成したものである。
【0021】
図1〜2に示すように、第1の形態による立体構造物1は、光透過性樹脂材で形成された2枚のプレート3、4を接着剤5で接合して構成されている。2枚のプレート3、4は略同じ厚みに形成されている。第1のプレート3には、一方の面に印刷が施されている。印刷表示6は、文字や図形あるいは写真等であり、この印刷は立体素材に対応した印刷機10で印刷される。印刷表示6は、第1のプレート3の周縁部を残して略全面に印刷された全面印刷層8内に表示されている。
【0022】
光透過性樹脂材で形成された第1のプレート3、第2のプレート4は矩形板状に形成され、例えば、アクリル系製樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材、で形成されている。印刷機10は、UV硬化型インクを使用するインクジェットプリンタ(例えば、ミマキエンジニアリング製インクジェットプリンタ)であり、この印刷機10は、プリントできる素材としてプラダンやアクリル等のノンコート又はPET、PP、ポリカーボネート、ABS樹脂等で厚みのある素材に好適に使用されている。UV硬化型インクは、プリントメディア表面(実施形態の場合には第1のプレート3表面)に着弾させたインク液を、紫外線照射装置から照射した紫外線により速やかに硬化させるものである。
【0023】
第1のプレート3に印刷する場合には、図8に示すように、プリントメディアとしての第1のプレート3の印刷される面を上面にして印刷機10のベッド11の所定の位置に載置する。X−Y方向に移動するヘッド12にはカラー印刷するための複数のUV硬化型インクジェットが装着され、ヘッド12からインク滴を第1のプレート3の表面に噴射する。この際、紫外線照射装置で紫外線を照射してインクを硬化させる。印刷表示(文字や図形あるいは写真等)6は、原紙から写し取られた写体をデジタル信号に変換して、インクをドット状に噴射することによって行われる。
【0024】
接着剤5は、接着する際に気泡を発生させず、また樹脂製の第1プレート3、第2プレート4に透過する光を透過するとともに光の屈折を妨げないような特殊な接着剤を使用する。この接着剤5は、例えば、可視光重合型プラスチック用接着剤として製造された商品名「クリアルーチェMA21」(株式会社アーデル製 登録商標)を使用している。商品名「クリアルーチェMA21」は、成分が変成アクリレートで形成され、黄色透明液体の外観を有して粘度が15〜25mP・Sと超低粘度を示している。つまり、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂板の面接触に最適な可視光重合型一液性接着剤であり、アクリル系モノマーだけからなる無溶剤系接着剤である。この接着剤5はアクリル系樹脂やポリカーボネートを溶解せずに強力接着できることが特徴である。
【0025】
この接着剤5は、第1のプレート3の印刷される面の全面、あるいは第2のプレート4における第1のプレートの印刷面と対向する面の全面に塗布される。従って、第1のプレート3の接着面は、全面印刷層8とその周りの周縁部となり周縁部において強力な接着が得られる。
【0026】
この第1の形態の立体構造物1は、図2に示すように、第1のプレート3の一方の面に印刷を施した後、第1のプレート3の印刷された面と第2のプレート4との一方の面に接着剤5を塗布して重ね合わせた後、光を照射することによって接合する。これは、接着剤5が光を照射することによって硬化するためである。第1のプレート3と第2のプレート4とを一体的に接合した後、切削加工又は研磨加工によって外周面を加工して最終的な製品として形成する。なお、切削加工又は研磨加工をする際、外周面を自由な形状にすることができる。実施形態においては、矩形板状に形成しているが、真円状に形成してもよく、また楕円状でもよく、さらには自由な曲面に形成してもよい。
【0027】
これによって形成された立体構造物1では、2枚の透明樹脂プレート3、4間で印刷された印刷表示6が浮き出された状態で表現されることとなる。従って、この立体構造物1を装飾性の豊かな看板として使用することができる。また、例えば、立体構造物1の表示が新製品を示すものであれば、店内における新製品の付近にこの立体構造物1を立て掛けて置くことによって、お客様に目を引くことになるから、PR効果を向上することができる。
【0028】
なお、この立体構造物1において、印刷された印刷表示6に光を透過しない層を重ねて2層に印刷すれば、印刷表示6は明確となって、さらに強調することができる。また、図3に示すように、第2のプレート4における接着面と反対側の面に光を透過しない1枚の遮光部材7を貼り付けても、印刷表示6を強調できるとともに鏡として形成することができる。なお、実施形態の遮光部材7は、通常ミラー板として呼ばれるものであって、光を反射する反射性部材を第2のプレート4に蒸着したものである。以下、遮光部材7を反射性部材7と呼ぶ。
【0029】
第2の形態の立体構造物21は、図4〜5に示すように、第1の形態の立体構造物1に光透過性樹脂材で形成された矩形板状の第3のプレート22を両面側で多層に積層したものである。第3のプレート22は、第1のプレート3、第2のプレート4と略同じ厚みに形成され、それぞれ上述の接着剤5で接着されている。第3のプレート22を積層した立体構造物21の一方の面における両角部は傾斜面23、23として形成され、他方の面には反射性部材7が蒸着されている。反射性部材7は無地の紙片あるいは布片を貼着してもよく、またアルミニウム等の金属薄膜を蒸着したものでもよい。第2の実施形態の場合、図柄又は写真等で表現された印刷表示6がそのまま全面印刷層8として形成されている。
【0030】
これによって、立体構造物21は立体感を備えるとともに、印刷表示6が傾斜面23によって光の屈折により二重に浮き出されて表現される。また、反射性部材7によって鏡として形成されているから、印刷表示6は明確に表される。この傾斜面23は凸状湾曲面又は凹状湾曲面でもよい。また、傾斜面や湾曲面は角部でなくても外周面のどの部位に形成してもよい。
【0031】
また、図6〜7に示すように、第3の形態の立体構造物31は、光透過性樹脂材料で形成された複数のプレート32からなる多層体に形成されている。中央のいずれかの2枚のプレート32A、32Bの一端面にはそれぞれ同一方向の面に印刷が施されて印刷表示6がなされている。印刷表示6は、プレート32A又は32Bの一方の面において周縁部を残して印刷された全面印刷層8内に表示されている。印刷表示6を備えるプレート32A、32Bは隣接したプレートどうしでもよく、また、離隔して配置されたプレートでもよい。
【0032】
印刷は上述の形態の印刷機10で行われ、各プレート32、32のそれぞれに対向する面の接着は、上述の形態と同様の可視光重合型プラスチック用接着剤として形成された商品名「クリアルーチェMA21」(株式会社アーデル製 登録商標)が使用され、面全体に接着されている。この立体構造物31では、2枚のプレート32A、32Bに印刷された印刷表示6、6が同じものであれば、正面視は1つに見えても角度をずらして見ることによって二重に浮き出されることになる。また、それぞれのプレート32A、32Bの印刷表示6、6が別の表現に印刷されていれば、正面視組み合わされたものとして鑑賞できる。
【0033】
また、図9に示すように、第4の形態の立体構造物41の場合、印刷表示6そのものが部分印刷層9として形成されている。部分印刷層9とは、第1の形態で示すような第1のプレート3の周縁部を残して略全体的に印刷層が形成される全面印刷層8とは異なり、印刷表示6が線状又はドットの図柄あるいは写真等で表された印刷部9aと印刷部9a間に形成される無地部9bとを含めたものを言う。これによって、一対のプレート間で接着する接着面積の増大を確保することができる。
【0034】
例えば、第4の形態では、直交する2つの線を多数形成した格子柄(線状表示)が印刷部9aとして形成され、格子柄の間に形成される空間部が無地部9bとして形成されている。印刷部9aは、第1のプレート3の一方の面の略全面に形成される。この際、印刷部9aの中央には格子柄を形成しないハート型の図柄が無地部9bで表されている。そして、第1のプレート3の印刷された面に第2のプレート4の一方の面を接合する。第1のプレート3と第2のプレート4との接合面に接着剤5を塗布して接合面の全面を接着する。この際、第1プレート3の印刷面では、印刷表示6の印刷部9aと無地部9bとに接着剤が塗布されているものの、無地部9bの面積は、格子柄以外の周縁部及び、線状の格子柄間、さらにはハート型の図柄を含むことになり、その比率が大きいことから、接着される2枚のプレートは強力に接合されることとなる。
【0035】
なお、印刷は上述の形態の印刷機10で行われ、接着剤5も同様の可視光重合型プラスチック用接着剤として形成された商品名「クリアルーチェMA21」(株式会社アーデル製 登録商標)が使用されている。
【0036】
また、図10に示す立体構造物51は、図9に示す立体構造物41と同様、印刷表示6が部分印刷層9を示すものである。印刷表示6は、ドットで表現された文字又は数字であり、ドットそのものが印刷部9aでありドット9a以外が無地部9bに形成されている。第1のプレート3の一方の面に部分印刷層9が形成され第1のプレート3の印刷面側に第2プレート4が接着剤5で接合されている。この際、第1プレート3の印刷面では、印刷表示6の印刷部9aと無地部9bとに接着剤が塗布されているものの、無地部9bの面積は、文字や図形のドットで表される以外の全てであり、その比率が大きいことから、接着される2枚のプレートは強力に接合されることとなる。
【0037】
なお、印刷は上述の形態の印刷機10で行われ、接着剤5も同様の可視光重合型プラスチック用接着剤として形成された商品名「クリアルーチェMA21」(株式会社アーデル製 登録商標)が使用されている。
【0038】
さらに図11は、図9に示す立体構造物41と図10に示す立体構造物51を重ね合わせて接合した状態の立体構造物61を示している。つまり立体構造物41の第1のプレート3の前面側(印刷面徒反対側)と立体構造物51の第2のプレート4の候面側とを接着剤5で接合して形成したものである。この立体構造物61は、図柄を表示した立体構造物41と文字を表示した立体構造物51を積層することによって、図柄と文字とを組み合わせた表示を表現することができる。
【0039】
なお、部分印刷層9として表示される印刷表示6は、格子柄のものやドット以外に、線画で表示されるものであってもよく、また水玉柄や蔦状柄等の線状印刷されるものであってもよい。
【0040】
上述のように、実施形態の立体構造物1では、光透過性の樹脂材で形成された第1のプレート3の一方の面に印刷が施され、第1のプレート3に形成された印刷表示6の面を間にして、光透過性樹脂材で形成された第2のプレート4を可視重合型一液性接着剤5で接合しているから、第1のプレート3に印刷された印刷表示6を目立たせることができ、例えば看板や新製品を示すPR用置物として使用することができる。
【0041】
この立体構造物1を基礎として、例えば、印刷表示6を2層で形成したり、立体構造物1の一方の端面に反射性部材7等の遮光部材で蒸着したりすれば、印刷表示6をはっきりと表現できるとともに、鏡として使用することができる。
【0042】
さらに、立体構造物21のように、光透過性樹脂材で形成された第3のプレート22を、第1のプレート3、第2のプレート4に重ねて形成し、角部に傾斜面23や湾曲面を形成すれば、印刷表示6が,各種に変形して装飾性を豊かにすることができる。
【0043】
また、光透過性樹脂材で形成されたプレート32を多数層に形成して、そのうちの2枚のプレート32A、32Bの一方の面に印刷を施せば、多彩な表現をかもし出すことができ、目立ち易い特異な置物として鑑賞することができる。
【0044】
さらに、印刷は、全面印刷層8に形成したり、部分印刷層9に形成することができる。全面印刷層8の場合には、印刷表示6を明確に表示することができ、部分印刷層9の場合には、プレートどうしを接着する際に、無地面を確保して接着面積を増大することができ、接着耐久性を保持することができる。
【0045】
なお、本願発明の立体構造物は、上記の形態に限定するものではない。例えば、印刷表示は、文字や図形あるいは写真以外のものであってもよく、また、使用されるものは、看板や商品表示用の置物意外、例えば、単一の立体構造物を左右上下に並設して壁に貼り付けたパネルとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明における第1の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】第1のプレートに遮光部材を粘着した第2のプレートを接合する状態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明における第2の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図5】同側面図である。
【図6】第3の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図7】同側面図である。
【図8】板状のプレートに印刷を施す印刷機を示す斜視図である。
【図9】格子柄の印刷表示を、部分印刷層として形成した立体構造物を示す斜視図である。
【図10】文字や数字の印刷表示を、部分印刷層として形成した立体構造物を示す斜視図である。
【図11】図9と図10とを組み合わせた立体構造物を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1、21、31、41、51、61、立体構造物
3、第1のプレート
4、第2のプレート
5、接着剤
6、印刷表示
7、遮光部材(反射性部材)
8、全面印刷層
9、部分印刷層
9a、印刷部
9b、無地部
10、印刷機
22、第3のプレート
23、傾斜面
32、プレート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性樹脂材で形成された第1のプレートの一方の面に印刷が施され、前記第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項2】
光透過性樹脂材で形成された第1のプレートの一方の面に印刷が施され、前記第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートの一方の面を、可視光重合型一液性接着剤で接合するとともに、前記第1のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを可視光重合型一液性接着剤で接着し、前記第2のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項3】
前記第1のプレートに印刷された印刷層が2層で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の立体構造物。
【請求項4】
前記第1のプレートの印刷面側に接合された第2のプレートあるいは複数枚の光透過性樹脂材のプレートの最後端の裏面には遮光部材が接合されていることを特徴とする請求項1,2又は3のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項5】
片面が印刷された前記第1のプレートを含んで複数の光透過性樹脂材を積層して形成された構造物の外周面の一部には、湾曲面又は傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項6】
光透過性樹脂材で形成された第1のプレートの一方の面に印刷が施され、前記第1のプレートの印刷された面に光透過性樹脂材で形成された第2のプレートの一方の面を、可視光重合型一液性接着剤で接合するとともに、前記第1のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを可視光重合型一液性接着剤で接着し、前記第2のプレートの他方の面に光透過性樹脂材で形成された少なくとも1枚のプレートを、可視光重合型一液性接着剤で接合するとともに、前記第1のプレートとは別のプレートの一方の面に印刷が施されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項7】
前記印刷が、印刷の施されたプレートの一方の面の周縁部を残して略全面に貼付された全面印刷層として形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項8】
前記印刷が、印刷の施されたプレートの一方の面において無地部を含めた印刷表示からなる部分印刷層として形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに記載の立体構造物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−128771(P2009−128771A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305861(P2007−305861)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(501403656)株式会社新工 (5)
【Fターム(参考)】