説明

立体生地製造方法および立体生地

【課題】 リップストップにより,多様な柄および色相を表現することの可能な,立体生地を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる立体生地は,一般のナイロンであるナイロン6と強化ナイロンであるナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸を選択して,基本生地の横糸と縦糸として用いる原糸選択段階と,選択された横糸と縦糸を用いて織造することで,その表面にリップストップが複数形成された基本生地を作る生地織造段階と,織造された基本生地を,染色機を用いて,一定時間および一定温度で一定濃度の染料を投入して染色することで,リップストップをなす横糸と縦糸との相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,基本生地に独特な柄および色相を形成する生地染色段階と,染色された基本生地のリップストップと柄および色相が変形せず鮮明になるように,常温で一定時間の間乾燥する生地乾燥段階と,を経て製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,生地を製造する方法に関し,特に,立体状の柄および色相が表現された立体生地(three−dimensional fabric)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に,ナイロンなどの原糸で織造された生地にプリーツを加工する場合には,機械を用いて,染色された生地にプリーツを成形する。例えば,従来のプリーツ加工を行う機械は,外表面が凸部柄と凹部柄とからなる上/下ローラの一つにヒーティング装置を備えており,生地を上/下ローラの間を通過させると,凹凸柄の上/下ローラを通過する際に生地にプリーツが成形される。
【0003】
ここで,上述のようにプリーツが成形されるように織造される従来の生地は,図1に示すように,一般的なナイロン原糸であるナイロン6(例えば,N6/210D=210D/34F;ここで,「D」は,デニール(DENIER)であり,ナイロンの太さを示す。また,「F」は,フィラメント(FILAMENT)であり,細い糸の数を示す。さらに,「N6」は,ナイロン6を意味する。)を横糸101および縦糸102に用いて織造される。このように織造された基本生地104には,横糸101と縦糸102との交差によって略四角形の模様を有するリップストップ(R/S)103が一定に形成される。
【0004】
すなわち,基本生地104をプリーツ加工して製造される従来のプリーツ生地は,ナイロン6で織造された基本生地104をプリーツ機械に投入して,図2に示すような凹凸状の柄からなるプリーツ105を基本生地104に形成加工する。したがって,リップストップ(R/S)103を中心として突出した柄が基本生地104に形成されることにより,プリーツ生地106が製造される。
【0005】
しかし,上記のようなプリーツ生地106を製造するには,プリーツ機械が用いられる。このため,その工程が複雑なだけでなく,作業性および生産性が低下するという短所がある。また,基本生地104の染色および乾燥を通して基本生地104にプリーツを成形する方法もあるが,この場合プリーツの柄が一定せず,プリーツ生地106の外観が美しくないという欠点がある。
【0006】
さらに,プリーツ機械またはその他の方法により製造される既存のプリーツ生地106に形成されるプリーツ105は,単調であったり平坦であったりした。このため,高品質の生地を生産するには限界があった。
【0007】
そして,従来の生地は,一定の条件と加工方法とによって1種類の生地のみ加工することができた。このため,その活用範囲が狭く生産性も劣り,多様な種類の生地を望む消費者の要望に応えることができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,生地に多様な立体状の柄および色相を表現することの可能な,新規かつ改良された立体生地製造方法およびこれを用いた立体生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸を選択して,基本生地の横糸と縦糸として使用する原糸選択段階と;選択された横糸と縦糸とを用いて,表面に複数のリップストップが形成された基本生地を織造する生地織造段階と;織造された基本生地を,染色機を用いて,一定時間および一定温度で一定濃度の染料を投入することによって染色し,リップストップをなす横糸と縦糸との相異なる密度および物性と熱変形温度差とによって,基本生地に柄および色相を表現させる生地染色段階と;染色された基本生地のリップストップと柄および色相との変形を防止して鮮明になるように,常温で一定時間乾燥させる生地乾燥段階とを含むことを特徴とする,立体生地製造方法が提供される。
【0010】
ここで,原糸選択段階において,例えば,ナイロン66を横糸,高強力糸を縦糸として選択することができる。これにより,染色時に,横糸と縦糸との引っ張られる程度の差とリップストップの密度差とによって,基本生地の表面にプリーツを形成することができる。
【0011】
また,原糸選択段階において,例えば,原糸のうちナイロン66とナイロン6とを横糸,高強力糸とナイロン6とを縦糸として選択することができる。これにより,染色時に,ナイロン66と高強力糸とナイロン6との引っ張られる程度の差とリップストップの密度差によって,基本生地の表面にダイヤモンド形プリーツを形成することができる。ここで,生地染色段階において,染色に所要する時間を変化させることによって,基本生地の表面に,異なる明るさのツートーンカラーを表現することができる。また,生地染色段階において,基本生地を,ポリエステル染色機を用いて,5時間115〜120℃温度で染色することもできる。これにより,リップストップをなす原糸の相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,リップストップが突出し,基本生地の表面に一定の凹凸状の柄を形成することができる。
【0012】
さらに,原糸選択段階において,例えば,原糸のうちナイロン66とナイロン6とを横糸,ナイロン6を縦糸として選択することができる。これにより,染色時に,ナイロン66とナイロン6との相異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,基本生地の前後面に立体状の柄を形成することができる。ここで,生地染色段階において,基本生地を,ポリエステル染色機を用いて,115〜120℃の温度で染色し,染料の濃度を調節して,明暗によるツートーンのシャドーリップストップを基本生地の表面に形成することができる。さらに,ナイロン6の熱変形による収縮とナイロン66の高温での低収縮とにより,基本生地の前面には,細かいプリーツが形成された略四角形に突出した柄が形成される。また,基本生地の後面には,横糸および縦糸の方向に一定のドット柄が形成される。
【0013】
一方,生地染色段階において,例えば,基本生地を,ナイロン染色機を用いて,100℃の温度で染色することもできる。これにより,染料の濃度を調節して,明暗によるツートーンのシャドーリップストップを基本生地の表面に形成することができる。すなわち,ナイロン6の熱変形による収縮とナイロン66の高温での低収縮とにより,基本生地の前面には,定型化した略四角形に突出した柄を形成することができる。一方,基本生地の後面には,横糸および縦糸方向に突出したドット柄を形成することができる。
【0014】
また,原糸選択段階において,例えば,原糸のうちナイロン66とナイロン6とを横糸,ナイロン66とナイロン6とを縦糸として選択することもできる。これにより,ナイロン66とナイロン6との相異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,基本生地に柄を形成することができる。ここで,生地染色段階において,基本生地を,ナイロン染色機を用いて,7時間100℃の温度で淡い濃度の染料を用いて染色することができる。これにより,基本生地のリップストップをなすナイロン66とナイロン6との染料吸収力差によるツートーンのカラーリップストップを,基本生地の表面に形成することができる。また,基本生地を濃い濃度の染料を用いて染色することにより,定型化した平織リップストップを基本生地の表面に形成することもできる。
【0015】
一方,生地染色段階において,例えば,基本生地を,ポリエステル染色機を用いて,5時間115〜120℃の温度で染色することができる。これにより,基本生地のリップストップをなす横糸と縦糸との交差点にドットが形成され,リップストップが凸状に突出する突出リップストップが基本生地の表面に形成することができる。
【0016】
また,本発明の他の観点によれば,ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸からなる横糸と;ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸からなる縦糸と;横糸と前記縦糸とで織造され,表面にリップストップが複数形成され,染色機を用いて,一定時間および一定温度で一定濃度の染料を投入して染色されることにより,リップストップをなす横糸と縦糸の相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,基本生地の表面に柄および色相が形成される基本生地とを含んで構成されることを特徴とする,立体生地が提供される。
【0017】
ここで,例えば,横糸としてナイロン66,縦糸として高強力糸を使用することができる。これにより,染色時に,横糸と縦糸との引っ張られる程度の差とリップストップの密度差によって,基本生地の表面にプリーツを形成することができる。
【0018】
また,例えば,横糸としてナイロン66およびナイロン6,縦糸として高強力糸およびナイロン6を使用することもできる。これにより,染色時に,横糸と縦糸との引っ張られる程度の差とリップストップの密度差によって,基本生地の表面にダイヤモンド形プリーツを形成することができる。ここで,前記横糸と前記縦糸とが染色される過程において,染色に所要する時間を変化させることによって,基本生地の表面に異なる明るさのツートーンカラーを加工することができる。さらに,横糸と縦糸とにより織造された基本生地を,ポリエステル染色機を用いて染色することにより,リップストップをなす横糸と縦糸との相異なる密度と物性および熱変形差によってリップストップが突出して,基本生地の表面に一定の凹凸状の柄を形成することができる。
【0019】
さらに,例えば,横糸としてナイロン66およびナイロン6,縦糸としてナイロン6を使用することができる。これにより,染色時に,ナイロン66とナイロン6との互いに異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,基本生地の前後面に立体状の柄を形成することができる。ここで,横糸と縦糸とにより織造された基本生地が,ポリエステル染色機を用いて染色されることにより,基本生地のリップストップの表面に,明暗によるツートーンのシャドーを加工することができる。このとき,例えば,ナイロン6の収縮とナイロン66の低収縮により,基本生地の前面に,細かいプリーツを含む略四角形の突出した柄を形成することができる。また,基本生地の後面には,横糸および縦糸の方向に,一定のドット柄を形成することができる。
【0020】
また,基本生地を,ナイロン染色機を用いて染色することにより,基本生地のリップストップにツートーンのシャドーを加工することができる。ここで,ナイロン6の収縮とナイロン66の低収縮とにより,基本生地の前面に,定型化した略四角形の突出した柄を形成することができ,基本生地の後面には,横糸および縦糸方向にドット柄を突出形成することができる。
【0021】
一方,例えば,横糸としてナイロン66およびナイロン6,縦糸としてナイロン66およびナイロン6を使用することもできる。これにより,染色時に,ナイロン66とナイロン6との相異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,基本生地の表面に柄を形成することができる。ここで,基本生地を,ナイロン染色機を用いて,淡い濃度の染料を用いて染色することにより,基本生地のリップストップをなすナイロン66とナイロン6の染料吸収力差によって,リップストップにツートーンのカラーを加工することができる。また,基本生地を濃い濃度の染料を用いて染色することにより,基本生地の表面に定型化した平織リップストップを形成することもできる。
【0022】
さらに,基本生地を,ポリエステル染色機を用いて染色することにより,基本生地のリップストップをなす横糸と縦糸との交点にドットが形成され,基本生地の表面にリップストップが凸状に突出した突出リップストップを形成することができる。
【0023】
このように,本発明に係る立体生地は,別途の機械加工を行うことなく,染色時に原糸の互いに異なる密度と熱変形温度差とを用いて基本生地に自然な柄を形成することにより,製造された立体生地の品質を上げることができる。なお,立体生地を製造する工程が単純化されることにより,作業が容易なだけでなく生産性が向上し,安い加工費で美観の優れた独特な立体生地を製造することができ,高付加価値の商品が得られる。
【0024】
また,本発明に係る立体生地製造方法およびこれを用いた立体生地によると,別途の機械加工をしなくても,染色時に,原糸の互いに異なる密度と熱変形温度差とを用いて基本生地に自然な柄を形成することにより,製造された立体生地の品質を上げることができる。なお,立体生地を製造する工程が単純化することで,作業が容易になるだけでなく生産性が向上し,安い加工費で美観が向上した独特な立体生地を製造することで,高付加価値の商品が得られる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば,生地に多様な立体状の柄および色相を表現することの可能な,立体生地製造方法およびこれを用いた立体生地を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
(第1の実施形態)
まず,本実施形態にかかる立体生地の製造方法について説明する。ここで,図3は,本実施形態にかかる立体生地の製造方法を示すフローチャートである。
【0028】
まず,ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸を選択して基本生地の横糸と縦糸として使用する(ステップS1:原糸選択段階)。次いで,選択された横糸と縦糸とを用いて織造することで,その表面にリップストップが複数形成された基本生地を形成する(ステップS2:生地織造段階)。さらに,織造された基本生地を染色機に投入して,一定時間と一定温度で一定濃度の染料を投入して染色する(ステップS3:生地染色段階)。これにより,リップストップをなす横糸と縦糸との相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,基本生地に独特な柄および色相が表現される。その後,染色された基本生地のリップストップと柄および色相が変形せず鮮明になるように,常温で一定時間の間乾燥させ立体生地を製造する(ステップS4:生地乾燥段階)。
【0029】
図4は,本実施形態にかかるプリーツ生地を示した状態図である。プリーツ生地10は,例えば,ナイロン66を横糸11,高強力糸を縦糸12として織造される。そして,相異なる密度と物性を有するナイロン66からなる横糸11と高強力糸からなる縦糸12の引っ張られる程度の差と,横糸11および縦糸12がなすリップストップ13の密度差とによって,基本生地の表面に自然にプリーツ10aが形成される。
【0030】
図5は,本実施形態にかかる立体生地を示す状態図であり,図6は,図5の一部拡大図である。立体生地20は,例えば,ナイロン66からなる横糸21と,高強力糸からなる縦糸23とから織造される。横糸21をなすナイロン66と縦糸23をなす高強力糸との間には,例えばナイロン6からなる追加糸22が追加され,基本生地を織造する。
【0031】
すなわち,相異なる密度と物性を有するナイロン66からなる横糸21と高強力糸からなる縦糸23およびナイロン6からなる追加糸22の引っ張られる程度の差と,横糸21および縦糸23がなすリップストップ24の密度差とによって,基本生地の表面に自然にダイヤモンド形プリーツ20aが形成される。
【0032】
なお,ナイロン66からなる横糸21と高強力糸からなる縦糸23およびナイロン6からなる追加糸22の染色時に所要される時間差によって,基本生地の表面に,互いに異なる明るさのツートーンのカラー部25が自然に形成される。
【0033】
次に,図7〜9に基づいて,本実施形態にかかるプリーツ生地の製造方法およびプリーツ生地について説明する。ここで,図7は,本実施形態にかかるプリーツ生地の製造方法を示すフローチャートである。図8は,本実施形態にかかるプリーツ生地を示す一部拡大図である。図9は,本実施形態にかかるプリーツ生地を示す状態図である。
【0034】
まず,図7に基づいて,本実施形態にかかるプリーツ生地の製造方法について説明する。まず,プリーツ生地30は,例えば,強化ナイロンであるナイロン66からなる第1の横糸31とナイロン6からなる第2の横糸32とを横糸として,高強力糸からなる第1の縦糸33とナイロン6からなる第2の縦糸32とを縦糸として織造される(ステップS17:生地織造段階)。これにより,突出したリップストップ34模様を有する3ラインリップからなる基本生地が織造される。
【0035】
次いで,上述のように織造された基本生地をポリエステル染色機(ラピッド(RAPID)染色機)に投入して,約5時間115〜120℃の温度で染色する(ステップS27:生地染色段階)。これにより,リップストップ34をなす原糸の互いに異なる密度と物性および熱変形温度差によって,四角のリップストップ34模様が突出して,基本生地に一定の規格の凹凸状の柄35が形成される。
【0036】
すなわち,ナイロン66からなる第1の横糸31とナイロン6からなる第2の横糸32および高強力糸からなる第1の縦糸33からなる基本生地の場合,ポリエステル染色機により高温で染色される。一方,3ラインリップからなるリップストップ34の外形は,溶融点や軟化点の高い高強力糸からなる第1の縦糸33とナイロン66からなる第1の横糸31とがその四角形状を維持し,溶融点と軟化点の低いナイロン6からなる第2の横糸32が奥の方へ収縮する。これにより,リップストップ34が凸状に突出される。
【0037】
したがって,プリーツ生地30は,同じナイロンでありつつ密度と強度および熱変形温度が異なるナイロン66,ナイロン6,高強力糸を縦糸と横糸として製造することによって,染色時間と染色温度による変形でプリーツ30aが形成される。プリーツ30aは,例えば略四角形のリップストップ34が凸状に突出することにより,一定の凹凸状の柄35を形成することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に,第2の実施形態にかかる立体生地の製造方法について説明する。ここで,図10は,本実施形態にかかる立体生地の製造方法を示すフローチャートである。
【0039】
本実施形態にかかる立体生地の製造方法は,図10に示すように,まず,立体生地を,例えば,ナイロン66からなる第1の横糸41とナイロン6からなる第2の横糸42とを横糸とし,ナイロン66からなる第1の横糸41とナイロン6からなる第2の横糸42を縦糸として織造する(ステップS110:生地織造段階)。これにより,リップストップ模様を有する基本生地が製造される。
【0040】
次いで,上述のように織造された基本生地を染色機に投入して,一定時間と一定温度で一定濃度の染料を投入して染色する(ステップS210:生地染色段階)。これにより,リップストップをなす横糸と縦糸との互いに異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮の差により,織物生地の前後面に多様な立体柄を形成することができる。
【0041】
ここで,図11〜13に基づいて,本実施形態にかかる両面突出柄を有する立体生地について説明する。なお,図11は,本実施形態にかかる両面突出柄を有する立体生地の前面を示した状態図である。図12は,図11のA−A部を切開して示した断面図である。図13は,図11の後面を示した状態図である。
【0042】
まず,生地染色段階で織造された基本生地をポリエステル染色機(ラピッド(RAPID)染色機)に投入して,約5時間115〜120℃の温度で染色し,染料の濃度を調節する。これにより,明暗によるツートーンのシャドーリップストップ43を基本生地の表面に形成することができる。
【0043】
また,ナイロン6からなる第2の横糸42の熱変形による収縮と,ナイロン66からなる第1の横糸41の高温での低収縮とによって,図12に示すように,基本生地の前面に細かいプリーツが形成された略四角形の突出した柄44が形成される。基本生地の後面に縦糸および横糸方向に,一定のドット柄45が形成されたラピード(ラピッド(RAPID)染色機)用立体型生地40,40′が製造される。
【0044】
したがって,上記のようにポリエステル染色機に投入され加工されるラピード(ラピッド(RAPID)染色機)用立体型生地40,40′は,その前後面に各々四角突出柄44とドット柄45が形成され,立体的な感じを与える。また,ツートーンシャドーリップストップ43の明暗と収縮された形状により,高級で柔らかい感じを与える。
【0045】
(第3の実施形態)
次に,図14〜16に基づいて,第3の実施形態にかかる立体生地の製造方法について説明する。ここで,図14は,本実施形態にかかる立体生地の製造方法を示すフローチャートである。図15は,図14によって製造る立体生地の前面を示した状態図である。図16は,図15の後面を示した状態図である。
【0046】
図14に示すように,本実施形態にかかる立体生地の製造方法では,まず,基本生地をナイロン染色機(ジッガー(JIGGER)染色機)に投入して,約7時間100℃温度で染色する(ステップS214:生地染色段階)。染料の濃度を調節して,明暗によるツートーンのシャドーリップストップ43を形成し,ナイロン6からなる第2の横糸42の熱変形による収縮とナイロン66からなる第1の横糸41の高温での低収縮で,基本生地の前面に定型化した略四角形の突出した柄44が形成される。そして,基本生地の後面に縦糸および横糸方向にきれいなドット柄45が突出形成されたジガー(ジッガー(JIGGER)染色機)用立体型生地50,50′が製造される。
【0047】
したがって,上記のようにナイロン染色機に投入され加工されるジガー(ジッガー(JIGGER)染色機)用立体型生地50,50′の前後面には,各々定型化したの四角突出柄44ときれいなドット柄45が形成される。これにより,きれいな感じを与え,ツートーンシャドーリップストップ43の明暗により,定型化した感じを与える。
【0048】
このように,立体生地は,熱に敏感に収縮されるナイロン6からなる第2の横糸42と,高温でも低収縮されるナイロン66からなる第1の横糸41とを互いに交差させた状態で織物生地を織造する。ここで,基本生地をポリエステル染色機またはナイロン染色機に投入して染色する過程で,熱変形によって基本生地が収縮される。すなわち,ナイロン6からなる第2の横糸42の場合,収縮が起き,ナイロン66からなる第1の横糸41の場合,熱に耐える力が強くて生地の表面に突出する。したがって,シャドーリップストップ43が形成され,立体型生地の前後面に各々四角突出柄44とドット柄45が形成される。
【0049】
(第4の実施形態)
次に,図17および図18に基づいて,第4の実施形態にかかるツートーンカラー生地の製造方法およびその立体生地について説明する。ここで,図17は,本実施形態にかかるツートーンカラー生地の製造方法を示したフローチャートである。図18は,本実施形態にかかるツートーンカラーの生地を示した状態図である。
【0050】
図17および図18に示すように,ツートーンカラー生地60の製造方法は,まず,横糸61であるナイロン66と縦糸62であるナイロン6とにより基本生地を織造する(ステップS117:生地織造段階)。次いで,織造された基本生地をナイロン染色機(ジッガー(JIGGER)染色機)に投入して,約7時間100℃の温度で淡い濃度の染料を用いて染色する(ステップS217:生地染色段階)。そして,リップストップをなすナイロン66からなる横糸61とナイロン6からなる縦糸62との染料吸収力差によってツートーンカラーリップストップ63が形成される。
【0051】
すなわち,ツートーンカラー生地60は,ナイロン66からなる横糸61とナイロン6からなる縦糸62の染色時間差と染料の濃度差を用いて製造されるところ,染着時間の短いナイロン6からなる縦糸62は濃い色に染色される一方,染着時間の長いナイロン66からなる横糸61は淡い色に染色される。したがって,視覚的にツートーン効果を示すことができる。
【0052】
(第5の実施形態)
次に,図19および図20に基づいて,本実施形態にかかるプレーン生地の製造方法およびその立体生地を示す。ここで,図19は,本実施形態にかかるプレーン生地の製造方法を示したフローチャートである。図20は,本実施形態にかかるプレーン生地を示した状態図である。
【0053】
図19および図20に示すように,本実施形態にかかるプレーン生地の製造方法は,まず,横糸61であるナイロン66と縦糸62である6とにより基本生地を製造する(ステップS119:生地織造段階)。次いで,織造された織造生地をナイロン染色機(ジッガー(JIGGER)染色機)に投入して,約7時間100℃の温度で濃い濃度の染料を用いて染色する(ステップS219:生地染色段階)。これにより,織物生地に平織リップストップ71が形成される。
【0054】
すなわち,プレーン生地70は,ナイロン66からなる横糸61とナイロン6からなる縦糸62との染色時間差と染料の濃度差を用いて製造される際,濃い濃度の染料を用いて染色する。このとき,ナイロン66からなる横糸61とナイロン6からなる縦糸62とが染料を略均一に吸収する。これにより,優美で一律的な平織リップストップ71により,立体生地がソフトに形成される。
【0055】
(第6の実施形態)
次に,図21および図22に基づいて,本実施形態にかかるドット生地の製造方法およびその立体生地を示す。ここで,図19は,本実施形態にかかるドット生地の製造方法を示したフローチャートである。図20は,本実施形態にかかるドット生地を示した状態図である。
【0056】
図21および図22に示すように,本実施形態にかかるドット生地の製造方法では,まず,横糸61であるナイロン66と縦糸62であるナイロン6とにより基本生地が織造される(ステップS121:生地織造段階)。次いで,織造された基本生地をポリエステル染色機(ラピッド(RAPID)染色機)に投入して,約5時間115〜120℃温度で染色する(ステップS221:生地染色段階)。これにより,リップストップをなすナイロン66からなる横糸61とナイロン6からなる縦糸62との相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,その交差点にドット80aが形成される。そして,四角のリップストップ模様が凸状に突出する突出リップストップ81が形成される。
【0057】
すなわち,ドット生地80は,ナイロン66からなる横糸61とナイロン6からなる縦糸62との密度と熱変形温度差を用いて製造させる際,染色加工時一般のリップストップを意図的に突出させて突出リップストップ81を生地に形成する。この突出リップストップ81の外側交差点に複数のドット80aが形成され,生地が立体的に表現される。
【0058】
ここで,上記のように多様な柄を有する立体生地が形成される理由は,各原糸の密度と物性および熱変形温度差にある。まず,ナイロン6(例えば,N6/210D=210D/34F)は,その強度が4.5〜5.0g/d,熱変形温度(ASTM,D−648℃(4.6kgf/cm))が150〜160℃,溶融点(ASTM,DSC℃)が215〜220℃である。また,ナイロン66(例えば,N280D/68F)は,その強度が8.5〜9.0g/d,熱変形温度(ASTM,D−648℃(4.6kgf/cm))が230〜240℃,溶融点(ASTM,DSC℃)が250〜260℃である。
【0059】
一方,高強力糸(例えば,N210D/24F)は,その強度が7.0〜7.2g/d,熱変形温度(ASTM,D−648℃(4.6kgf/cm))が170〜180℃,溶融点(ASTM,DSC℃)が215〜220℃である。
【0060】
したがって,立体生地は,同じナイロンであり,密度と強度および熱変形温度が異なる,ナイロン6とナイロン66および高強力糸を各々横糸と縦糸として製造されることで,染色時間と染色温度および染色条件による変形で多様な感じを与えるリップストップが形成される。このリップストップを通して,多様な柄および色相を表現する様々な立体生地を提供できる。
【0061】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は,生地を製造する方法に適用可能であり,特に,立体状の柄および色相が表現された立体生地の製造方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】一般のナイロンで織造された織物生地を示した状態図である。
【図2】従来の技術に係るプリーツ生地を示した状態図である。
【図3】本発明に係る立体生地の製造方法を示したフローチャートである。
【図4】本発明に係るプリーツ生地を示した状態図である。
【図5】本発明に係る立体生地を示した状態図である。
【図6】図5の立体生地の一部を拡大して示した要部拡大図である。
【図7】本発明に係るプリーツ生地の製造方法を示したフローチャートである。
【図8】本発明に係る基本生地が染色時に収縮される状態を示す要部拡大図である。
【図9】本発明に係るまた他のプリーツ生地を示した状態図である。
【図10】本発明に係るまた他の立体生地の製造方法を示したフローチャートである。
【図11】本発明に係る両面突出柄を有する立体生地の前面を示した状態図である。
【図12】図11のA−A部を切開して示した断面図である。
【図13】図11の後面を示した状態図である。
【図14】本発明に係る立体生地の製造方法の一実施例を示したフローチャートである。
【図15】図14によって製造されたまた他の立体生地の前面を示した状態図である。
【図16】図15の後面を示した状態図である。
【図17】本発明に係るツートーンカラー生地の製造方法を示したフローチャートである。
【図18】本発明に係るツートーンカラーの生地を示した状態図である。
【図19】本発明に係るプレーン生地の製造方法を示したフローチャートである。
【図20】本発明に係るプレーン生地を示した状態図である。
【図21】本発明に係るドット生地の製造方法を示したフローチャートである。
【図22】本発明に係るドット生地を示した状態図である。
【符号の説明】
【0064】
10,30 プリーツ生地
10a,20a,30a プリーツ
11,21,61 横糸
12,23,62 縦糸
13,24,34 リップストップ
20 立体生地
22 追加糸
25 カラー部
31,41 第1の横糸
32,42 第2の横糸
33 第1の縦糸
35 凹凸状の柄
40,40′ ラピード用立体生地
43 シャドーリップストップ
44 四角形突出柄
45 ドット柄
50,50′ ジガー用立体生地
60 ツートーンカラー生地
63 ツートーンカラーリップストップ
70 プレーン生地
71 平織リップストップ
80 ドット生地
80a ドット
81 突出リップストップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸を選択して,基本生地の横糸と縦糸として使用する原糸選択段階と;
選択された前記横糸と前記縦糸とを用いて,表面に複数のリップストップが形成された前記基本生地を織造する生地織造段階と;
前記織造された基本生地を,染色機を用いて,一定時間および一定温度で一定濃度の染料を投入することによって染色し,前記リップストップをなす前記横糸と前記縦糸との相異なる密度および物性と熱変形温度差とによって,前記基本生地に柄および色相を形成する生地染色段階と;
前記染色された基本生地の前記リップストップと柄および色相との変形を防止して鮮明になるように,常温で一定時間乾燥させる生地乾燥段階と;
を含むことを特徴とする,立体生地製造方法。
【請求項2】
前記原糸選択段階において,ナイロン66を前記横糸,高強力糸を前記縦糸として選択し,
染色時に,前記横糸と前記縦糸との引っ張られる程度の差と前記リップストップの密度差とによって,前記基本生地の表面にプリーツが形成されることを特徴とする,請求項1に記載の立体生地製造方法。
【請求項3】
前記原糸選択段階において,前記原糸のうちナイロン66とナイロン6とを前記横糸,高強力糸とナイロン6とを前記縦糸として選択し,
染色時に,ナイロン66と高強力糸とナイロン6との引っ張られる程度の差と前記リップストップの密度差によって,前記基本生地の表面にダイヤモンド形プリーツが形成されることを特徴とする,請求項1に記載の立体生地製造方法。
【請求項4】
前記生地染色段階において,染色に所要する時間を変化させることによって,前記基本生地の表面に,異なる明るさのツートーンカラーが形成されることを特徴とする,請求項1または3のいずれかに記載の立体生地製造方法。
【請求項5】
前記生地染色段階において,前記基本生地を,ポリエステル染色機を用いて,5時間115〜120℃温度で染色することにより,前記リップストップをなす前記原糸の相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,前記リップストップが突出し,前記基本生地の表面に一定の凹凸状の柄が形成されることを特徴とする,請求項1または3のいずれかに記載の立体生地製造方法。
【請求項6】
前記原糸選択段階において,前記原糸のうちナイロン66とナイロン6とを前記横糸,ナイロン6を前記縦糸として選択し,
染色時に,ナイロン66とナイロン6との相異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,前記基本生地の前後面に立体状の柄が形成されることを特徴とする,請求項1に記載の立体生地製造方法。
【請求項7】
前記生地染色段階において,前記基本生地を,ポリエステル染色機を用いて,115〜120℃の温度で染色し,
前記染料の濃度を調節して,明暗によるツートーンのシャドーリップストップを前記基本生地の表面に形成することを特徴とする,請求項6に記載の立体生地製造方法。
【請求項8】
ナイロン6の熱変形による収縮とナイロン66の高温での低収縮とにより,
前記基本生地の前面には,細かいプリーツが形成された略四角形に突出した柄が形成され,
前記基本生地の後面には,前記横糸および前記縦糸の方向に一定のドット柄が形成されることを特徴とする,請求項7に記載の立体生地製造方法。
【請求項9】
前記生地染色段階において,前記基本生地を,ナイロン染色機を用いて,100℃の温度で染色し,
前記染料の濃度を調節して,明暗によるツートーンのシャドーリップストップを前記基本生地の表面に形成することを特徴とする,請求項6に記載の立体生地製造方法。
【請求項10】
ナイロン6の熱変形による収縮とナイロン66の高温での低収縮とにより,
前記基本生地の前面には,定型化した略四角形に突出した柄が形成され,
前記基本生地の後面には,前記横糸および前記縦糸方向に突出したドット柄が形成されることを特徴とする,請求項9に記載の立体生地製造方法。
【請求項11】
前記原糸選択段階において,前記原糸のうちナイロン66とナイロン6とを前記横糸,ナイロン66とナイロン6とを前記縦糸として選択し,
ナイロン66とナイロン6との相異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,前記基本生地に柄が形成されることを特徴とする,請求項1に記載の立体生地製造方法。
【請求項12】
前記生地染色段階において,前記基本生地を,ナイロン染色機を用いて,7時間100℃の温度で淡い濃度の前記染料を用いて染色することにより,前記基本生地の前記リップストップをなすナイロン66とナイロン6との染料吸収力差によるツートーンのカラーリップストップを,前記基本生地の表面に形成されることを特徴とする,請求項11に記載の立体生地製造方法。
【請求項13】
前記基本生地を濃い濃度の前記染料を用いて染色することにより,定型化した平織リップストップを前記基本生地の表面に形成されることを特徴とする,請求項11または12のいずれかに記載の立体生地製造方法。
【請求項14】
前記生地染色段階において,前記基本生地を,ポリエステル染色機を用いて,5時間115〜120℃の温度で染色することにより,前記基本生地の前記リップストップをなす前記横糸と前記縦糸との交差点にドットが形成され,前記リップストップが凸状に突出する突出リップストップが前記基本生地の表面に形成されることを特徴とする,請求項11に記載の立体生地製造方法。
【請求項15】
ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸からなる横糸と;
ナイロン6,ナイロン66および高強力糸のうち,少なくとも一つ以上の原糸からなる縦糸と;
前記横糸と前記縦糸とで織造され,表面にリップストップが複数形成され,染色機を用いて,一定時間および一定温度で一定濃度の染料を投入して染色されることにより,前記リップストップをなす前記横糸と前記縦糸の相異なる密度と物性および熱変形温度差によって,前記基本生地の表面に柄および色相が形成される基本生地と;
を含んで構成されることを特徴とする,立体生地。
【請求項16】
前記横糸はナイロン66,前記縦糸は高強力糸からなり,
染色時に,前記横糸と前記縦糸との引っ張られる程度の差と前記リップストップの密度差によって,前記基本生地の表面にプリーツが形成されることを特徴とする,請求項15に記載の立体生地。
【請求項17】
前記横糸はナイロン66およびナイロン6,前記縦糸は高強力糸およびナイロン6からなり,
染色時に,前記横糸と前記縦糸との引っ張られる程度の差と前記リップストップの密度差によって,前記基本生地の表面にダイヤモンド形プリーツが形成されることを特徴とする,請求項15に記載の立体生地。
【請求項18】
前記横糸と前記縦糸とが染色される過程で,染色に所要する時間を変化させることによって,前記基本生地の表面に異なる明るさのツートーンカラーが加工されることを特徴とする,請求項15または17のいずれかに記載の立体生地。
【請求項19】
前記横糸と前記縦糸とにより織造された前記基本生地が,ポリエステル染色機を用いて染色されることにより,前記リップストップをなす前記横糸と前記縦糸との相異なる密度と物性および熱変形差によって前記リップストップが突出して,前記基本生地の表面に一定の凹凸状の柄が形成されることを特徴とする,請求項15または17のいずれかに記載の立体生地。
【請求項20】
前記横糸はナイロン66およびナイロン6,前記縦糸はナイロン6からなり,
染色時に,ナイロン66とナイロン6との互いに異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,前記基本生地の前後面に立体状の柄が形成されることを特徴とする,請求項15に記載の立体生地。
【請求項21】
前記横糸と前記縦糸とにより織造された前記基本生地が,ポリエステル染色機を用いて染色されることにより,前記基本生地の前記リップストップの表面に,明暗によるツートーンのシャドーが加工されることを特徴とする,請求項20に記載の立体生地。
【請求項22】
ナイロン6の収縮とナイロン66の低収縮により,
前記基本生地の前面には,細かいプリーツを含む略四角形の突出した柄が形成され,
前記基本生地の後面には,前記横糸および前記縦糸の方向に,一定のドット柄が形成されることを特徴とする,請求項21に記載の立体生地。
【請求項23】
前記基本生地を,ナイロン染色機を用いて染色することにより,前記基本生地の前記リップストップにツートーンのシャドーが加工されることを特徴とする,請求項20に記載の立体生地。
【請求項24】
ナイロン6の収縮とナイロン66の低収縮とにより,
前記基本生地の前面には,定型化した略四角形の突出した柄が形成され,
前記基本生地の後面には,前記横糸および縦糸方向にドット柄が突出形成されることを特徴とする,請求項23に記載の立体生地。
【請求項25】
前記横糸はナイロン66およびナイロン6,前記縦糸はナイロン66およびナイロン6からなり,
染色時に,ナイロン66とナイロン6との相異なる密度,強度,染色温度,熱変形温度および熱変形収縮差によって,前記基本生地の表面に柄が形成されることを特徴とする,請求項15に記載の立体生地。
【請求項26】
前記基本生地がナイロン染色機を用いて,淡い濃度の前記染料を用いて染色されることにより,前記基本生地の前記リップストップをなすナイロン66とナイロン6の染料吸収力差によって,前記リップストップにツートーンのカラーが加工されることを特徴とする,請求項25に記載の立体生地。
【請求項27】
前記基本生地が濃い濃度の前記染料を用いて染色されることにより,前記基本生地の表面に定型化した平織リップストップが形成されることを特徴とする,請求項25または26のいずれかに記載の立体生地。
【請求項28】
前記基本生地がポリエステル染色機を用いて染色されることにより,前記基本生地の前記リップストップをなす前記横糸と前記縦糸との交点にドットが形成され,
前記基本生地の表面に前記リップストップが凸状に突出した突出リップストップが形成されることを特徴とする,請求項25に記載の立体生地。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−70422(P2006−70422A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216329(P2005−216329)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(505282053)
【Fターム(参考)】