説明

立体編み部付き衣類

【課題】ダブル編みされた筒状生地を素材とする衣類において、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響を防止し、また皮膚障害も防止できるようにする。
【解決手段】身頃本体5には、周方向において一周未満であり且つ丈方向において上限及び下限を有して成る有限領域として、周辺他部より膨出させた立体部7が設けられており、立体部7が周辺他部より膨出する境界部には、その全周又は一部に、身頃本体5の周方向及び丈方向に対してカーブする伸縮抑制ライン10が形成されており、伸縮抑制ライン10の編み目構造は、複数のコースに少なくとも一つのループ12を跨らせるようにして形成した目詰め部13がラインに沿って連なったものとされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブル編みされた筒状生地を素材とし且つ周方向の一部に立体編み部が設けられた衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダブル編みされた生地は、薄手に仕上がるシングル編みの生地に比べて厚手であり、保温性や形態安定性(型くずれを起こしにくい特性)、伸縮性(動きやすくしたり身体にフィットさせながらも皺の発生を抑える特性)等が優れているため、それらの特性を活かした種々の衣類に使用したいとのニーズがある。
ダブル編みされた生地を使い、例えばセーターなどを製作する場合、生産性の高い丸編機によってまず筒状生地を編成し、この筒状生地を切り開いてできる帯状生地からセーターの前身頃と後身頃とを切り出し、これらを脇位置で縫製によって結合するといった製作方法が知られている(例えば特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開2004−250838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように前身頃と後身頃とを脇位置で縫製結合する製作方法では、当然のことながら衣類内面に縫製ラインが膨らみを伴って発生している。このような縫製ラインは、ゴワついた存在であり、且つ前身頃や後身頃に比して伸縮性の乏しい箇所であるため、着心地を低下させたり生地表面への外観的な悪影響を及ぼしたりすることになる。
また直接肌に触れて着用する下着等の衣類を製作する場合に、上記のような縫製結合を伴った製作方法を採用すると、甚だしい場合には縫製ラインが皮膚障害の原因となるおそれもあった。
【0004】
ところで、衣類においてヒップ部をはじめ、男性用の股間正面や女性用のバスト部などを覆う領域では、周方向(編み構造としてのコース方向)に部分的な立体部(衣類をテーブル面などへ平置きしたときに三次元的な膨らみが出る部分とおく)を設けると、着用時のボディラインを美しく表現でき、また一層動きやすく、着疲れし難いということが判っている。
しかしながら、このような立体部を設けるにはカットソー(生地パーツの縫い合わせ方法)を採用するのが一般的であったので、益々縫製ラインを増やす結果となり、着心地の低下や生地表面への外観的な影響、皮膚障害の発生などを更に助長させる要因となることがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ダブル編みされた筒状生地を素材とする衣類において、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響を防止し、また皮膚障害も防止できるようにした立体編み部付き衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る立体編み部付き衣類は、周方向に継ぎ目を生じさせることなくダブル編みされて成る筒状生地により形成された身頃本体を有し、この身頃本体には、周方向において一周未満であり且つ丈方向において上限及び下限を有して成る有限領域として、周辺他部より膨出する立体部が設けられたものとなっている。
そして、この立体部が周辺他部より膨出する境界部には、その全周又は一部に、身頃本体の周方向及び丈方向に対してカーブする伸縮抑制ラインが形成されており、この伸縮抑制ラインの編み目構造は、複数のコースに少なくとも一つのループを跨らせるようにして形成した目詰め部がラインに沿って連なったものとされている。
【0007】
このような構成の衣類は、立体部を設けようとする領域(有限領域)に対し、その境界部に、目詰め部を集合させた伸縮抑制ラインを形成させ、この伸縮抑制ラインが生じる作用(生地としての伸縮を抑える作用)を利用して立体部を形成させるものである。
すなわち、立体部を形成させるためにわざわざカットソーなどの手法を採用したものではなく、身頃本体には、筒状生地が元来具備している筒形をそのまま活かして衣類の基本形体を無縫製で作成できるという利点を得ることができる。
従って、縫製箇所を可及的に減少させることができる(殊に、脇位置など、目立った縫製ラインを無くすことができる)。そのため、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響を防止し、また皮膚障害も防止できるようにことができる。
【0008】
身頃本体の素材となる筒状生地は、基本にする編成糸と、この編成糸よりも伸縮性の大きな弾性糸とを交編してダブル編みされたものとするのが好適である。
このようにすることで、立体部を形成させようとする部分(有限領域)の伸縮性を豊富にさせることができ、もって立体部の形成が一層容易となる。
立体部を形成させる構成としては、立体部自体(有限領域)の編み目構造につき、周辺他部に比べてループを大きく形成させる、といった構成を採用することもできる。
このような構成の衣類では、素材とする筒状生地自体の編み目構造を、有限領域(立体部自体)で変える(ループを大きくさせる)といった方法であり、身頃本体に立体部を形成させており、それゆえ身頃本体には、筒状生地が元来具備している筒形をそのまま活かして衣類の基本形体を無縫製で作成できるという利点を得ることができる。
【0009】
このような構成としても、縫製箇所を可及的に減少させることができる(殊に、脇位置などの顕著な縫製ラインを無くすことができる)。そのため、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響を防止し、また皮膚障害も防止できるようにことができる。
身頃本体は、筒径がボディサイズの女性用上衣として形成することができ(ブラジャーを含む)、この場合、立体部は、胸部まわりに配置することができる。立体部は、胸部における左右のカップ部に対応させるように二箇所設けてもよいし、左右のカップ部を含めて対応させるように一箇所設けてもよい。
【0010】
身頃本体は、筒径がボディサイズの下衣(男性用、女性用を問わない)として形成することができ(ショーツ、ブリーフ、ガードル、パンツ、スパッツなど)、この場合、立体部は、臀部まわりに配置することができる。立体部は、臀部における左右のヒップ部に対応させるように二箇所設けてもよいし、左右のヒップ部を含めて対応させるように一箇所設けてもよい。
身頃本体は、筒径がボディサイズの男性用下衣として形成することができ(ブリーフ、ガードル、パンツ、スパッツなど)、この場合、立体部は、股間正面に配置することができる。
【0011】
また、身頃本体は下着とすることができる。ここにおいて下着とは、14ゲージ以上(14ゲージを含みそれ以上に針間隔が狭くなることを言う:例えば18ゲージ等)の編機により編成されたものを言う。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る立体編み部付き衣類では、ダブル編みされた筒状生地を素材とするものでありながら、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響は起こらず、また皮膚障害も起こすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る立体編み部付き衣類1の第1実施形態を示している。本第1実施形態の立体編み部付き衣類1は、タンクトップやキャミソールなどの女性用下着として形成されており、ウエスト部2の筒径がボディサイズとされた身頃本体5を有し、この身頃本体5の上部にはブラジャー部分4が設けられ、またその上部へ向けて左右の肩紐部6a,6bが設けられている。
この身頃本体5は、ダブル編み用の丸編機(シリンダとダイヤルを具備したもの)によって編成された周方向に継ぎ目のない筒状生地を素材として製造されたものであって、ダブル編みされたものである。
【0014】
なお、身頃本体5には全く繋ぎ目がないわけではなく、例えば肩紐部6a,6bの各頂上部には短い縫製結合箇所がある。
ブラジャー部分4には左右のカップ部4a,4bが設けられており、これら各カップ部4a,4bは、身頃本体5の周方向において一周未満であり、また丈方向において上限及び下限を有して成る有限領域であって、それぞれ、その周辺他部より膨出した立体部7として形成されている。すなわち本第1実施形態では、身頃本体5の丈方向1箇所に、その周方向で2箇所(いずれも前身頃側で左右に並んで配置)の立体部7が設けられていることになる。
【0015】
このような立体部7が周辺他部より膨出する境界部には、カップ部4a,4bの下部に沿うようにして伸縮抑制ライン10が設けられている。この伸縮抑制ライン10は、身頃本体5の周方向及び丈方向でカーブしたものとなっている。
図2及び図3に示すように、この伸縮抑制ライン10の編み目構造は、複数のコースに少なくとも一つのループ12(図例では二つ)を跨らせるようにして形成した目詰め部13が、当該伸縮抑制ライン10に沿って連なったものとされている。
このような目詰め部13は、編み生地としての伸縮性が抑えられ、むしろ目が詰まったような状態となる部分であるので、結果として、この目詰め部13がライン状に集合して成る伸縮抑制ライン10で囲まれた有限領域(即ち、立体部7)は、膨出し、立体性を生じることになる。
【0016】
身頃本体5の素材である筒状生地を編成する際に、基本にする編成糸と、この編成糸よりも伸縮性の大きな弾性糸とを交編してダブル編みすると、立体部7を形成させることが一層容易となる(立体性を生じさせやすくなる)。
基本にする編成糸としては、綿糸をはじめ、ポリウレタン繊維等を含む素材(単独又はカバリングなどの複合構造を有したもの)、合成繊維糸(ポリエステルやナイロン等)、半合成繊維糸(レーヨン等)、綿以外の天然糸(ウール、絹等)などを使用可能であり、また弾性糸としてはポリウレタン等や、これらを組み合わせた各種の複合糸(SCY、DCY等)などを使用可能である。
【0017】
目詰め部13は、身頃本体5をダブル編み用の丸編機により編成するときに、選針機などを使って編み針を所定タイミングでタック位置に保持させること等で得ることができる。
なお、図例の目詰め部13はループ12が2コースにわたる1回タックを示しているが、ループ12を3コースにわたらせる2回タックなどとしてもよい。また一つの目詰め部13を形成させるタックの横並び数や、タックを直接的に連続させるか又は非タックのループ(プレーン編みループ)を介在させるかの違いなどは特に限定されるものではない。
【0018】
例えばタックの横並び数を増やしたり非タックのループ12を介在させればさせるほど、伸縮抑制ライン10の幅Wを幅広とできるし、反対にタックの横並び数を少なくしたりタックを直接的に連続させたりすれば幅Wを幅狭にできることになる。
このように伸縮抑制ライン10の幅Wを調節することの意義は外観的な理由だけでなく、伸縮抑制ライン10によって得ようとする非伸縮性の強弱を調節することに大きく影響するものであって、衣類形体や機能、立体部7の形成箇所、大きさ、膨出度などに応じて適宜選択するところとなる。
【0019】
その他、図4や図5に示すような浮き編み構造を採用して目詰め部13を形成することも可能である。
以上詳説したところから明かなように、本発明に係る立体編み部付き衣類1では、立体部7を設けようとする領域(有限領域)に対し、その境界部に、目詰め部13を集合させた伸縮抑制ライン10を形成させ、この伸縮抑制ライン10が生じる作用(生地としての伸縮を抑える作用)を利用して立体部7を形成させている。
そのため、身頃本体5には、筒状生地が元来具備している筒形をそのまま活かして衣類の基本形体を無縫製で作成できるという利点を得ることができる。
【0020】
従って、縫製箇所(縫製ライン)を可及的に減少させることができることになり、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響を防止し、また皮膚障害も防止できるようにことができる。
なお、身頃本体5の衣類形体としては、図6及び図7に示すように、筒径がボディサイズの男性用下衣(ブリーフ、パンツ、スパッツなど)として形成することができる。この場合、図6に示すように、身頃本体5における前身頃の中央1箇所(股間)に、男性局部に対応させる前側立体部7Aが設けられ、且つ、図7に示すように、身頃本体5における後身頃の周方向2箇所に、臀部に対応させる後側立体部7Bが設けられたものとすればよい。
【0021】
前側立体部7Aを設けず、女性用の下衣(ショーツ、ブリーフ、ガードル、パンツ、スパッツなど)として形成することもできる。
図8乃至図10は、本発明に係る立体編み部付き衣類1の第2実施形態を示している。本第2実施形態の立体編み部付き衣類1では、ブリーフ(男性用下着)など、筒径がボディサイズの男性用下衣として形成されており、上方を向いて開口するウエスト部2と、下方を向いて開口する左右一対の裾口3とが設けられた身頃本体5を有している。
この身頃本体5は、ダブル編み用の丸編機(シリンダとダイヤルを具備したもの)によって編成された周方向に継ぎ目のない筒状生地を素材として製造されたものであって、ダブル編みされたものである。
【0022】
なお、身頃本体5には全く繋ぎ目がないわけではなく、例えば左右の裾口3の相互間に渡る股下部分などには短い縫製結合箇所がある。
図8に示すように、この身頃本体5の前身頃となる部分(着用した状態で正面を向く側)には、股間正面に前側立体部7Aが設けられている。この前側立体部7Aは男性局部に対応させる配置で一箇所設けられている。
また図9に示すように、この身頃本体5の後身頃となる部分(着用した状態で後方を向く側)には、臀部まわりに後側立体部7Bが設けられている。この後側立体部7Bは、臀部における左右のヒップ部に対応させる配置で二箇所、並んで設けられている。
【0023】
これら前側立体部7や後側立体部7Bは、身頃本体5をダブル編み用の丸編機により編成するときに、図10に示すように、周方向(編み構造としてのコース方向)の有限領域でループ12を大きく形成させることにより、当該領域を他部より膨出させるようにして形成されたものである。
なお、図10は編み目構造を理解しやすくするために、大きくしたループ12を殊更オーバーに表現させて(ループ12を拡大して)描いてあるが、実際には図示ほどの大型化はしなくてもよい。
【0024】
ループ12を大きくさせる領域では、図10に示したように、ループ12を大きくさせる率をコース方向で徐々に増大させたり減少させたりするものであってもよいし、また図示は省略するが、ある位置から一気に大きくさせたり元の大きさに戻させたり(小さくさせたり)してもよい。
個々のループ12につき大きくさせる程度、ループ12を大きくさせるコース方向の長さ(ループ数)、ループ12を大きくさせるコースのコース数などは、前側立体部7や後側立体部7Bの形成箇所や目的に応じて適宜変更すればよいことは言うまでもない。
【0025】
ループ12を大きくさせる方法としては、例えば図11に示すように、シリンダ30とこの上部に設けられたダイヤル31とを有するダブル編み用丸編機32に、ステッチ量調整装置33を設けることによって実現することができる。
すなわち、シリンダ30のまわりを取り囲むカムホルダー35には、その内周面に、シリンダ針36に所定タイミングで上下動(編成動作)を起こさせるためのステッチカム37が設けられているが、ステッチ量調整装置33は、このステッチカム37をカムホルダー35の外部に設けたサーボモータ又はステッピングモータなどの制御モータ38で上下動させられるように構成したものである。
【0026】
ステッチカム37は、シリンダ30の周方向で複数に分割されており、全てのステッチカム37に対して個別に制御モータ38が割り当てられるようになっている(即ち、ステッチカム37の分割数と同数の制御モータ38が設けられている)。
そのため、個々の制御モータ38を適宜タイミングで制御することで、1コースの編成中に、所定配置のシリンダ針36(前側立体部7Aや後側立体部7Bを編成するタイミングにあるシリンダ針36)についてそれらの上昇位置(高さ)を変化させ、もって編成中の筒状生地に対して所望箇所に大きなループ12を生じさせるというものである。
【0027】
なお、使用する編成糸は何ら限定されるものではなく、緊締力の強い弾性糸としては、例えばポリウレタン繊維等を含む素材(単独又はカバリングなどの複合構造を有したもの)を使用可能であり、また緊締力の弱い糸としては、例えば合成繊維糸(ポリエステルやナイロン等)、半合成繊維糸(レーヨン等)、天然糸(綿、ウール、絹等)、緊締力の比較的弱い弾性糸(ポリウレタン等)、或いはこれらを組み合わせた複合糸などを使用可能である。
また、プレーティング編による編み構造を採用することも可能である。
【0028】
以上詳説したところから明かなように、本発明に係る立体編み部付き衣類1では、素材とする筒状生地自体の編み目構造を周方向の有限領域で変える(ループ12を大きくさせる)といった方法により、前側立体部7Aや後側立体部7Bを形成させている。
そのため、身頃本体5には、筒状生地が元来具備している筒形をそのまま活かして衣類の基本形体を無縫製で作成できるという利点を得ることができる。
従って、縫製箇所(縫製ライン)を可及的に減少させることができることになり、着心地の低下や生地表面への外観的な悪影響を防止し、また皮膚障害も防止できるようにことができる。
【0029】
身頃本体5は、図12に示すように、筒径がボディサイズの女性用上衣(タンクトップ形の下着やキャミソール、Tシャツ、ブラジャーなど)として形成することができ、立体部を前側立体部7として、胸部まわり(左右のカップに対応させた二箇所)に配置するようなことも可能である。
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。例えば妊婦用などとして、腹部まわりに立体部7を配置させるようなことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る立体編み部付き衣類の第1実施形態を示した正面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図2のB部のうち一つについて編み目構造を示した図である。
【図4】図3の編み目構造と置換可能な編み目構造を示した図である。
【図5】図3及び図4の編み目構造と置換可能な編み目構造を示した図である。
【図6】本発明に係る立体編み部付き衣類の第1実施形態を男性用下衣として実施する場合について正面側から示した図である。
【図7】図6に対応する背面図である。
【図8】本発明に係る立体編み部付き衣類の第2実施形態を正面側から示した斜視図である。
【図9】本発明に係る立体編み部付き衣類の第2実施形態を後方側から示した斜視図である。
【図10】大きく形成されたループを判りやすく(ややオーバー表現して)示した編み目構造図である。
【図11】編成に用いるダブル編み用丸編機の一部を示した側断面図である。
【図12】本発明に係る立体編み部付き衣類の第2実施形態を女性用上衣として実施する場合について正面側から示した斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 立体編み部付き衣類
5 身頃本体
7 立体部
7A 前側立体部
7B 後側立体部
10 伸縮抑制ライン
12 ループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に継ぎ目を生じさせることなくダブル編みされて成る筒状生地により形成された身頃本体(5)を有し、
この身頃本体(5)には、周方向において一周未満であり且つ丈方向において上限及び下限を有して成る有限領域として、周辺他部より膨出する立体部(7)が設けられており、
この立体部(7)が周辺他部より膨出する境界部には、その全周又は一部に身頃本体(5)の周方向及び丈方に対してカーブする伸縮抑制ラインが形成されており、
この伸縮抑制ラインの編み目構造は、複数のコースに少なくとも一つのループを跨らせるようにして形成した目詰め部がラインに沿って連なったものとされている
ことを特徴とする立体編み部付き衣類。
【請求項2】
前記身頃本体(5)の素材となる筒状生地は、基本にする編成糸と、この編成糸よりも伸縮性の大きな弾性糸とを交編してダブル編みされていることを特徴とする請求項1記載の立体編み部付き衣類。
【請求項3】
周方向に継ぎ目を生じさせることなくダブル編みされて成る筒状生地により形成された身頃本体(5)を有し、
この身頃本体(5)には、周方向において一周未満であり且つ丈方向において上限及び下限を有して成る有限領域として、周辺他部より膨出する立体部(7)が設けられており、
この立体部(7)の編み目構造は、周辺他部に比べてループ(12)を大きく形成させたものとされている
ことを特徴とする立体編み部付き衣類。
【請求項4】
前記身頃本体(5)は筒径がボディサイズの女性用上衣として形成されており、立体部(7)は胸部まわりに配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の立体編み部付き衣類。
【請求項5】
前記身頃本体(5)は筒径がボディサイズの下衣として形成されており、立体部は臀部まわりに配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の立体編み部付き衣類。
【請求項6】
前記身頃本体(5)は筒径がボディサイズの男性用下衣として形成されており、立体部(7)は股間正面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の立体編み部付き衣類。
【請求項7】
前記身頃本体(5)は下着であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の立体編み部付き衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−144295(P2009−144295A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324700(P2007−324700)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】