端子付き電線およびその製造方法
【課題】端子との接続信頼性を向上させた端子付き電線およびその製造方法を提供する。
【解決手段】端子付き電線10は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体12と、導体12を覆う絶縁被覆13を覆う電線11と、電線11の端末11Aにおいて露出させた露出導体12が接続される接続部24を有する端子20とを備える。接続部24は、端子20に設けられた露出導体12を挿通可能な筒状部23を、露出導体12を挿通させた状態で加熱しつつ圧縮することにより形成される。
【解決手段】端子付き電線10は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体12と、導体12を覆う絶縁被覆13を覆う電線11と、電線11の端末11Aにおいて露出させた露出導体12が接続される接続部24を有する端子20とを備える。接続部24は、端子20に設けられた露出導体12を挿通可能な筒状部23を、露出導体12を挿通させた状態で加熱しつつ圧縮することにより形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子付き電線およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導体を絶縁被覆で被覆するとともに、端末において導体が露出する電線と、この電線の端末に接続される端子と、を備える端子付き電線としては、例えば、特許文献1に記載のものなどが知られている。
特許文献1に記載の端子付き電線においては、電線の端末において露出する導体に端子のワイヤーバレルが圧着されて電気的に接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−72053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような端子付き電線では、クリープ現象により、圧着したバレルが(圧着前の状態に)戻って、バレルと電線の露出導体との接触荷重が低下し、接続状態が悪化し接続抵抗が増大することがある。
【0005】
特に、アルミニウム(合金)製の導体を備える電線では、端子との熱膨張率の差が大きいため、クリープ現象による影響を受けやすく接続状態が悪化しやすいという問題があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子との接続信頼性を向上させた端子付き電線およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するものとして、本発明は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線であって、前記接続部は、前記端子に設けられた前記露出導体を挿通可能な筒状部を、前記露出導体を挿通させた状態で加熱しつつ圧縮することにより形成される端子付き電線である。
【0008】
また、本発明は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線の製造方法であって、前記端子に設けた前記露出導体を挿通可能な筒状部に、前記露出導体を挿通させたのちに、前記筒状部を加熱しつつ圧縮することにより、前記接続部を形成する端子付き電線の製造方法である。
【0009】
本発明において、端子と電線との接続部は、端子に設けた筒状部に露出導体を挿通させた状態として、加熱しながら圧縮することにより形成される。したがって、本発明においては、端子の筒状部が加熱により軟化した状態で圧縮されるので、加熱しないで圧縮するよりも、圧縮前の断面積に対する圧縮後の断面積の割合を小さくすることができる。その結果、本発明によれば、接続部を高圧縮の状態とすることにより、端子と露出導体との接触面積を大きくさせ、露出導体の酸化膜の破壊が促進されるので接続信頼性を向上させることができる。
【0010】
本発明は以下の構成とするのが好ましい。
接続部は、圧縮前の接続部に相当する部分の断面積に対して、30%以上70%以下の断面積に圧縮されている構成とする。
このような構成とすると、露出導体と端子との接触面積を大きくすることができるとともに、高圧縮による導体の切断も起こりにくい。
【0011】
前記接続部は、前記筒状部を300℃以上500℃以下に加熱しつつ圧縮することにより形成される構成とする。
筒状部の加熱温度が高すぎると、電線の絶縁被覆へのダメージや、端子の変形や、導体が溶けて細るなどの問題が懸念される。そこで、上記のような構成とすると、導体の材料であるアルミニウムの融点よりも低い温度で端子の筒状部を加熱軟化することができるので導体が細ることもなく、導体の酸化膜が破壊されやすくなり接続信頼性をさらに高めることができる。
【0012】
前記筒状部を、圧縮金型で通電加熱しながら圧縮する構成とする。
このような構成とすると、熱効率に優れた方法で接続部を形成することができる。
【0013】
前記接続部は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する圧縮金型で圧縮することにより形成される構成とする。
前記圧縮金型は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する構成としてもよい。
このような構成とすると、圧縮金型と筒状部との接触面積が大きくなるので、効率よく熱圧縮することができ、端子の変形も減らすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、端子との接続信頼性を向上させた端子付き電線およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1の端子付き電線の斜視図
【図2】端子付き電線の側面図
【図3】端子に電線を挿通させる手順を説明する説明図
【図4】電線を挿通させた状態の端子(圧縮前)の斜視図
【図5】図4の端子を圧縮金型に配置する手順を示す斜視図
【図6】図4の端子を圧縮金型に挟んだ様子を示す斜視図
【図7】圧縮金型の正面図
【図8】他の実施形態で説明する圧縮金型の正面図
【図9】実施形態2の端子付き電線の斜視図
【図10】端子付き電線の側面図
【図11】接続部の長手方向に垂直な面における断面図
【図12】端子の斜視図
【図13】端子の長手方向に垂直な面における断面図
【図14】電線を挿通させた端子を圧縮金型に配置した様子を示す斜視図
【図15】図14に示す状態の一部断面図
【図16】圧縮前の接続部に相当する部分の長手方向に垂直な面における断面図
【図17】電線を挿通させた端子を圧縮金型に配置する手順を示す斜視図
【図18】電線を挿通させた端子を圧縮金型に挟んだ様子を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
本発明の実施形態1の端子付き電線10を図1ないし図7によって説明する。
実施形態1の端子付き電線10は、図1に示すように、電線11と、電線11の端末11Aに接続された端子20とからなる。以下の説明において、上下方向については、図2を基準とし、前後方向については、図2の左方を前方、右方を後方として説明する。
【0017】
電線11は、図1に示すように、導体12の周囲が合成樹脂の絶縁被覆13で覆われている。電線の端末11Aにおいては図3に示すように、絶縁被覆13が剥ぎ取られ導体12が露出している(「露出導体12」に相当)。
導体12は、多数(複数)の金属素線が撚り合わされた撚り線である。導体12(金属素線)は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。
【0018】
電線11は、断面が円形であるが、端子20と接続される端末11A部分の露出導体12の一部が、加熱圧縮により六角形状に変形している。
【0019】
端子20は、相手側の端子(図示せず)と接続される平板状の端子接続部21と、端子接続部21の後方に連なり電線11が接続される筒状の電線接続部23とからなる。端子接続部21の略中央部には、相手側の端子を接続する端子接続孔22が設けられている。
【0020】
電線接続部23は、内部に電線11の導体12を挿通可能な筒状の形状をなしている(筒状部23の一例)。本実施形態において、電線接続部23は平板状の端子接続部21から後方に連なる部分を筒状に変形させることにより形成されている。
【0021】
電線接続部23の長手方向における略中央部は、図2に示すように他の部分よりも圧縮されている。電線接続部23は全域において導体12と接触しているが、特に略中央部の圧縮された部分24では導体12との接触面積が大きくなっている。この圧縮された部分24は本発明における接続部24に相当する。接続部24は、圧縮前の当該接続部24に対応する部分25の断面積(長手方向に対して直交する方向に切断した断面の面積)に対して30%以上70%以下の断面積に圧縮されており、六角形状をなしている。
【0022】
端子20を構成する金属材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。なお、本実施形態の端子20を構成する金属板材の表面には、メッキ層が形成されている。メッキ層を構成する金属としては、例えば、スズ、ニッケル等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。
【0023】
次に、本実施形態の端子付き電線10の製造方法について説明する。
図3に示す形状の端子20を用意し、電線11の端末11Aの絶縁被覆13を剥離除去して導体12を露出させておく。次に、図4に示すように、電線11の端末11Aにおいて露出している導体12(露出導体12)を端子20の筒状部23に挿入する。
【0024】
電線11の露出導体12を挿入した端子20の筒状部23を、図5〜図7に示す圧縮金型を用いて加熱・圧縮する。加熱圧縮の際には、端子20の筒状部23を、下側に配置される圧縮金型32と上側に配置される圧縮金型31との間に挟んだ状態とする(図5および図6を参照)。図6の状態としてから圧縮金型30の通電部33に電流を流して筒状部23を通電加熱しつつ圧縮する。
【0025】
電線11の露出導体12を挿入した端子20の筒状部23を通電加熱しながら圧縮することにより、端子20の筒状部23の一部が圧縮されて断面六角形状の接続部24が形成され、図1に示す端子付き電線10が得られる。
【0026】
ここで、筒状部23の通電加熱する際の加熱温度が高すぎると、電線11の絶縁被覆13へのダメージや、端子20の変形や、導体12が溶けて細るなどの問題が懸念される。そこで、本実施形態では、通電加熱の際の温度(放射温度計を用いて測定した温度)を300℃以上500℃以下とする。加熱温度をこのような範囲に設定すると、導体12の材料であるアルミニウムの融点よりも低い温度で筒状部23を加熱軟化することができるので、導体12が細ることもないうえに、電線11の導体12の酸化膜が破壊されやすくなる。加熱温度は400℃以下とするのが特に好ましい。
【0027】
筒状部23を圧縮する際の圧縮力は980N(100kgf)〜1960N(200kgf)とするのが好ましい。
【0028】
なお、本実施形態においては、接続部24の圧縮割合(圧縮前の断面積に対する圧縮後の断面積の割合)を30%以上70%以下とする。圧縮割合をこのような範囲とすると、露出導体12と端子20との接触面積を大きくすることができるとともに、高圧縮による導体12の切断も起こりにくい。圧縮割合が30%未満であると導体12の切断が起こることがある。なお、筒状部23を加熱せずに圧縮する場合、圧縮割合は概ね90%が上限である。加熱せずに圧縮する場合に、圧縮割合を90%未満とすると端子20に亀裂が入るなどの問題が生じることがあるが、本実施形態のように、通電加熱により端子20の筒状部23を軟化させながら圧縮を行うと、亀裂の問題が生じないので、圧縮割合を70%以下とすることが可能である。
【0029】
次に本実施形態の効果について説明する。
本実施形態において、端子20の筒状部23が加熱により軟化した状態で圧縮されるので、加熱しないで圧縮するよりも、圧縮前の断面積に対する圧縮後の断面積の割合を小さくすることができる。その結果、本実施形態によれば、接続部24を高圧縮の状態とすることができ、端子20と露出導体12との接触面積を大きくさせ、露出導体12の酸化膜の破壊が促進されるので、接続信頼性を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、接続部24は、圧縮前の接続部24に相当する部分25の断面積に対して、30%以上70%以下の断面積に圧縮されているから、露出導体12と端子20との接触面積を大きくすることができるとともに、高圧縮による導体12の切断も起こりにくい。
【0031】
また、本実施形態によれば、接続部24は、筒状部23を300℃以上500℃以下に加熱しつつ圧縮することにより形成されるから、導体12の材料であるアルミニウムの融点よりも低い温度で端子20の筒状部23を加熱軟化することができるので導体12が細ることもないうえに、導体12の酸化膜が破壊されやすくなり、接続信頼性をさらに高めることができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、筒状部23を、圧縮金型で通電加熱しながら圧縮するから、熱効率に優れた方法で接続部24を形成することができる。
【0033】
<実施形態2>
本発明の実施形態2の端子付き電線50を図9ないし図17によって説明する。
以下の説明において、上下方向については、図10および図15を基準とし、前後方向については、図10の左方を前方、右方を後方として説明する。実施形態1と同様の構成については実施形態1と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0034】
本実施形態の端子付き電線50は、図15に示すように、圧縮前の筒状部53の外周形状に沿った形状の通電部64(電極部64)を有する圧縮金型60で圧縮することにより形成される接続部54を備えるという点で実施形態1と相違する。
【0035】
本実施形態の端子付き電線50は、図9〜図11に示すように、電極部64に沿って圧縮され、断面(長手方向に対して垂直な方向における断面)の形状が略長円形状の接続部54を有する。
【0036】
端子付き電線50の端子20は図12に示すように、実施形態1と同様の構成であり、端子20を圧縮する前の接続部に対応する部分55は図13に示すような円環状をなしている。
【0037】
本実施形態の端子付き電線50の製造方法について説明する。
図12に示す形状の端子20を用意し、電線11の端末11Aの絶縁被覆13を剥離除去して導体12を露出させておく。次に、図14に示すように、電線11の端末11Aにおいて露出している導体12(露出導体12)を端子20の筒状部53に挿入する。
【0038】
電線11の露出導体12を挿入した端子20の筒状部53を、図14および図15に示す圧縮金型60を用いて加熱・圧縮する。加熱圧縮の際には、端子20の筒状部53を、下側に配置される圧縮金型62の電極部64と上側に配置される圧縮金型61の電極部64との間に挟んだ状態とする(図17および図18を参照)。
【0039】
本実施形態で用いる圧縮金型60の電極部64は、図15に示すように、端子20の筒状部53の外周形状に沿った凹み部64Aと、凹み部64Aの両側に形成された扁平面64Bと、を有する。本実施形態において、圧縮金型61の電極部64の凹み部64Aの凹み深さP1と、圧縮金型62の電極部64の凹み部64Aの凹み深さP2との和は、圧縮前の筒状部53の厚み寸法Rよりも小さく設定されている(図15を参照)。
【0040】
上側の圧縮金型61の電極部64と下側の圧縮金型61の電極部64とを、図18に示す状態としてから、圧縮金型60の電極部64に電流を流して筒状部53を通電加熱しつつ圧縮する。この状態において、上下に配される電極部64,64の凹み部64A,64Aの全域は、それぞれ、筒状部53の外周部分に接触し、この接触部分に通電電流が流れる。電極部64に通電することにより筒状部53が圧縮され、上下に配された電極部64の扁平面64B,64B同士が接触状態となる。通電加熱の際の温度(放射温度計を用いて測定した温度)、圧縮力、および圧縮割合の好ましい範囲は実施形態1と同様である。
【0041】
端子20の筒状部53の熱圧縮作業が終了すると、端子20の筒状部53の一部が圧縮されて、図11に示すような断面形状が略長円形状の接続部54が形成され、図9に示す端子付き電線50が得られる。接続部54を作成するのに用いる圧縮金型60および接続部54の形状以外の構成については、概ね実施形態1と同様である。
【0042】
本実施形態は、実施形態1で説明した効果以外に以下の効果を有する。本実施形態によれば、圧縮前の筒状部53の外周形状に沿った形状の電極部64を有する圧縮金型60により接続部54を形成するので、圧縮金型60と筒状部53との接触面積が大きくなって、効率よく熱圧縮することができ、端子20の変形も減らすことができる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態2では、圧縮前の筒状部53の外周形状に沿った電極部64を有する圧縮金型60を用いて作製した接続部54を備える端子付き電線50を示したが、図8に示すような、圧縮金型40により形成した端子付き電線であってもよい。この圧縮金型の電極部43(通電部43)の凹み部43Aは、圧縮前の筒状部の外周形状には沿っていないが、熱圧縮により断面形状が略長円形状の接続部が形成される。
図8に示す圧縮金型40は、図7で示した圧縮金型30と同様に、上側の圧縮金型41と下側の圧縮金型42とからなり。各圧縮金型41,42は電極部43を有している。
(2)上記実施形態では、通電加熱しながら圧縮することにより接続部24を形成したが、筒状部23を別の加熱方法により加熱しながら圧縮してもよい。
(3)上記実施形態では圧縮前の接続部24に相当する部分25の断面積に対して30%〜70%の断面積の接続部24を示したが、接続部の断面積は圧縮前の断面積に対して70%以上であってもよい。
(4)上記実施形態では、接続部24を形成するときの筒状部23の加熱温度を300℃〜500℃としたが、300℃未満であってもよいし500℃よりも大きくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10,50…端子付き電線
11…電線
11A…端末
12…導体
13…絶縁被覆
20…端子
21…端子接続部
23,53…電線接続部(筒状部)
24,54…接続部(圧縮された部分)
25,55…圧縮前の接続部に対応する部分
30,40,60…圧縮金型
31,41,61…上側の圧縮金型
32,42,62…下側の圧縮金型
33,43,64…通電部(電極部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子付き電線およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導体を絶縁被覆で被覆するとともに、端末において導体が露出する電線と、この電線の端末に接続される端子と、を備える端子付き電線としては、例えば、特許文献1に記載のものなどが知られている。
特許文献1に記載の端子付き電線においては、電線の端末において露出する導体に端子のワイヤーバレルが圧着されて電気的に接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−72053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような端子付き電線では、クリープ現象により、圧着したバレルが(圧着前の状態に)戻って、バレルと電線の露出導体との接触荷重が低下し、接続状態が悪化し接続抵抗が増大することがある。
【0005】
特に、アルミニウム(合金)製の導体を備える電線では、端子との熱膨張率の差が大きいため、クリープ現象による影響を受けやすく接続状態が悪化しやすいという問題があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子との接続信頼性を向上させた端子付き電線およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するものとして、本発明は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線であって、前記接続部は、前記端子に設けられた前記露出導体を挿通可能な筒状部を、前記露出導体を挿通させた状態で加熱しつつ圧縮することにより形成される端子付き電線である。
【0008】
また、本発明は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線の製造方法であって、前記端子に設けた前記露出導体を挿通可能な筒状部に、前記露出導体を挿通させたのちに、前記筒状部を加熱しつつ圧縮することにより、前記接続部を形成する端子付き電線の製造方法である。
【0009】
本発明において、端子と電線との接続部は、端子に設けた筒状部に露出導体を挿通させた状態として、加熱しながら圧縮することにより形成される。したがって、本発明においては、端子の筒状部が加熱により軟化した状態で圧縮されるので、加熱しないで圧縮するよりも、圧縮前の断面積に対する圧縮後の断面積の割合を小さくすることができる。その結果、本発明によれば、接続部を高圧縮の状態とすることにより、端子と露出導体との接触面積を大きくさせ、露出導体の酸化膜の破壊が促進されるので接続信頼性を向上させることができる。
【0010】
本発明は以下の構成とするのが好ましい。
接続部は、圧縮前の接続部に相当する部分の断面積に対して、30%以上70%以下の断面積に圧縮されている構成とする。
このような構成とすると、露出導体と端子との接触面積を大きくすることができるとともに、高圧縮による導体の切断も起こりにくい。
【0011】
前記接続部は、前記筒状部を300℃以上500℃以下に加熱しつつ圧縮することにより形成される構成とする。
筒状部の加熱温度が高すぎると、電線の絶縁被覆へのダメージや、端子の変形や、導体が溶けて細るなどの問題が懸念される。そこで、上記のような構成とすると、導体の材料であるアルミニウムの融点よりも低い温度で端子の筒状部を加熱軟化することができるので導体が細ることもなく、導体の酸化膜が破壊されやすくなり接続信頼性をさらに高めることができる。
【0012】
前記筒状部を、圧縮金型で通電加熱しながら圧縮する構成とする。
このような構成とすると、熱効率に優れた方法で接続部を形成することができる。
【0013】
前記接続部は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する圧縮金型で圧縮することにより形成される構成とする。
前記圧縮金型は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する構成としてもよい。
このような構成とすると、圧縮金型と筒状部との接触面積が大きくなるので、効率よく熱圧縮することができ、端子の変形も減らすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、端子との接続信頼性を向上させた端子付き電線およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1の端子付き電線の斜視図
【図2】端子付き電線の側面図
【図3】端子に電線を挿通させる手順を説明する説明図
【図4】電線を挿通させた状態の端子(圧縮前)の斜視図
【図5】図4の端子を圧縮金型に配置する手順を示す斜視図
【図6】図4の端子を圧縮金型に挟んだ様子を示す斜視図
【図7】圧縮金型の正面図
【図8】他の実施形態で説明する圧縮金型の正面図
【図9】実施形態2の端子付き電線の斜視図
【図10】端子付き電線の側面図
【図11】接続部の長手方向に垂直な面における断面図
【図12】端子の斜視図
【図13】端子の長手方向に垂直な面における断面図
【図14】電線を挿通させた端子を圧縮金型に配置した様子を示す斜視図
【図15】図14に示す状態の一部断面図
【図16】圧縮前の接続部に相当する部分の長手方向に垂直な面における断面図
【図17】電線を挿通させた端子を圧縮金型に配置する手順を示す斜視図
【図18】電線を挿通させた端子を圧縮金型に挟んだ様子を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
本発明の実施形態1の端子付き電線10を図1ないし図7によって説明する。
実施形態1の端子付き電線10は、図1に示すように、電線11と、電線11の端末11Aに接続された端子20とからなる。以下の説明において、上下方向については、図2を基準とし、前後方向については、図2の左方を前方、右方を後方として説明する。
【0017】
電線11は、図1に示すように、導体12の周囲が合成樹脂の絶縁被覆13で覆われている。電線の端末11Aにおいては図3に示すように、絶縁被覆13が剥ぎ取られ導体12が露出している(「露出導体12」に相当)。
導体12は、多数(複数)の金属素線が撚り合わされた撚り線である。導体12(金属素線)は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。
【0018】
電線11は、断面が円形であるが、端子20と接続される端末11A部分の露出導体12の一部が、加熱圧縮により六角形状に変形している。
【0019】
端子20は、相手側の端子(図示せず)と接続される平板状の端子接続部21と、端子接続部21の後方に連なり電線11が接続される筒状の電線接続部23とからなる。端子接続部21の略中央部には、相手側の端子を接続する端子接続孔22が設けられている。
【0020】
電線接続部23は、内部に電線11の導体12を挿通可能な筒状の形状をなしている(筒状部23の一例)。本実施形態において、電線接続部23は平板状の端子接続部21から後方に連なる部分を筒状に変形させることにより形成されている。
【0021】
電線接続部23の長手方向における略中央部は、図2に示すように他の部分よりも圧縮されている。電線接続部23は全域において導体12と接触しているが、特に略中央部の圧縮された部分24では導体12との接触面積が大きくなっている。この圧縮された部分24は本発明における接続部24に相当する。接続部24は、圧縮前の当該接続部24に対応する部分25の断面積(長手方向に対して直交する方向に切断した断面の面積)に対して30%以上70%以下の断面積に圧縮されており、六角形状をなしている。
【0022】
端子20を構成する金属材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。なお、本実施形態の端子20を構成する金属板材の表面には、メッキ層が形成されている。メッキ層を構成する金属としては、例えば、スズ、ニッケル等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。
【0023】
次に、本実施形態の端子付き電線10の製造方法について説明する。
図3に示す形状の端子20を用意し、電線11の端末11Aの絶縁被覆13を剥離除去して導体12を露出させておく。次に、図4に示すように、電線11の端末11Aにおいて露出している導体12(露出導体12)を端子20の筒状部23に挿入する。
【0024】
電線11の露出導体12を挿入した端子20の筒状部23を、図5〜図7に示す圧縮金型を用いて加熱・圧縮する。加熱圧縮の際には、端子20の筒状部23を、下側に配置される圧縮金型32と上側に配置される圧縮金型31との間に挟んだ状態とする(図5および図6を参照)。図6の状態としてから圧縮金型30の通電部33に電流を流して筒状部23を通電加熱しつつ圧縮する。
【0025】
電線11の露出導体12を挿入した端子20の筒状部23を通電加熱しながら圧縮することにより、端子20の筒状部23の一部が圧縮されて断面六角形状の接続部24が形成され、図1に示す端子付き電線10が得られる。
【0026】
ここで、筒状部23の通電加熱する際の加熱温度が高すぎると、電線11の絶縁被覆13へのダメージや、端子20の変形や、導体12が溶けて細るなどの問題が懸念される。そこで、本実施形態では、通電加熱の際の温度(放射温度計を用いて測定した温度)を300℃以上500℃以下とする。加熱温度をこのような範囲に設定すると、導体12の材料であるアルミニウムの融点よりも低い温度で筒状部23を加熱軟化することができるので、導体12が細ることもないうえに、電線11の導体12の酸化膜が破壊されやすくなる。加熱温度は400℃以下とするのが特に好ましい。
【0027】
筒状部23を圧縮する際の圧縮力は980N(100kgf)〜1960N(200kgf)とするのが好ましい。
【0028】
なお、本実施形態においては、接続部24の圧縮割合(圧縮前の断面積に対する圧縮後の断面積の割合)を30%以上70%以下とする。圧縮割合をこのような範囲とすると、露出導体12と端子20との接触面積を大きくすることができるとともに、高圧縮による導体12の切断も起こりにくい。圧縮割合が30%未満であると導体12の切断が起こることがある。なお、筒状部23を加熱せずに圧縮する場合、圧縮割合は概ね90%が上限である。加熱せずに圧縮する場合に、圧縮割合を90%未満とすると端子20に亀裂が入るなどの問題が生じることがあるが、本実施形態のように、通電加熱により端子20の筒状部23を軟化させながら圧縮を行うと、亀裂の問題が生じないので、圧縮割合を70%以下とすることが可能である。
【0029】
次に本実施形態の効果について説明する。
本実施形態において、端子20の筒状部23が加熱により軟化した状態で圧縮されるので、加熱しないで圧縮するよりも、圧縮前の断面積に対する圧縮後の断面積の割合を小さくすることができる。その結果、本実施形態によれば、接続部24を高圧縮の状態とすることができ、端子20と露出導体12との接触面積を大きくさせ、露出導体12の酸化膜の破壊が促進されるので、接続信頼性を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、接続部24は、圧縮前の接続部24に相当する部分25の断面積に対して、30%以上70%以下の断面積に圧縮されているから、露出導体12と端子20との接触面積を大きくすることができるとともに、高圧縮による導体12の切断も起こりにくい。
【0031】
また、本実施形態によれば、接続部24は、筒状部23を300℃以上500℃以下に加熱しつつ圧縮することにより形成されるから、導体12の材料であるアルミニウムの融点よりも低い温度で端子20の筒状部23を加熱軟化することができるので導体12が細ることもないうえに、導体12の酸化膜が破壊されやすくなり、接続信頼性をさらに高めることができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、筒状部23を、圧縮金型で通電加熱しながら圧縮するから、熱効率に優れた方法で接続部24を形成することができる。
【0033】
<実施形態2>
本発明の実施形態2の端子付き電線50を図9ないし図17によって説明する。
以下の説明において、上下方向については、図10および図15を基準とし、前後方向については、図10の左方を前方、右方を後方として説明する。実施形態1と同様の構成については実施形態1と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0034】
本実施形態の端子付き電線50は、図15に示すように、圧縮前の筒状部53の外周形状に沿った形状の通電部64(電極部64)を有する圧縮金型60で圧縮することにより形成される接続部54を備えるという点で実施形態1と相違する。
【0035】
本実施形態の端子付き電線50は、図9〜図11に示すように、電極部64に沿って圧縮され、断面(長手方向に対して垂直な方向における断面)の形状が略長円形状の接続部54を有する。
【0036】
端子付き電線50の端子20は図12に示すように、実施形態1と同様の構成であり、端子20を圧縮する前の接続部に対応する部分55は図13に示すような円環状をなしている。
【0037】
本実施形態の端子付き電線50の製造方法について説明する。
図12に示す形状の端子20を用意し、電線11の端末11Aの絶縁被覆13を剥離除去して導体12を露出させておく。次に、図14に示すように、電線11の端末11Aにおいて露出している導体12(露出導体12)を端子20の筒状部53に挿入する。
【0038】
電線11の露出導体12を挿入した端子20の筒状部53を、図14および図15に示す圧縮金型60を用いて加熱・圧縮する。加熱圧縮の際には、端子20の筒状部53を、下側に配置される圧縮金型62の電極部64と上側に配置される圧縮金型61の電極部64との間に挟んだ状態とする(図17および図18を参照)。
【0039】
本実施形態で用いる圧縮金型60の電極部64は、図15に示すように、端子20の筒状部53の外周形状に沿った凹み部64Aと、凹み部64Aの両側に形成された扁平面64Bと、を有する。本実施形態において、圧縮金型61の電極部64の凹み部64Aの凹み深さP1と、圧縮金型62の電極部64の凹み部64Aの凹み深さP2との和は、圧縮前の筒状部53の厚み寸法Rよりも小さく設定されている(図15を参照)。
【0040】
上側の圧縮金型61の電極部64と下側の圧縮金型61の電極部64とを、図18に示す状態としてから、圧縮金型60の電極部64に電流を流して筒状部53を通電加熱しつつ圧縮する。この状態において、上下に配される電極部64,64の凹み部64A,64Aの全域は、それぞれ、筒状部53の外周部分に接触し、この接触部分に通電電流が流れる。電極部64に通電することにより筒状部53が圧縮され、上下に配された電極部64の扁平面64B,64B同士が接触状態となる。通電加熱の際の温度(放射温度計を用いて測定した温度)、圧縮力、および圧縮割合の好ましい範囲は実施形態1と同様である。
【0041】
端子20の筒状部53の熱圧縮作業が終了すると、端子20の筒状部53の一部が圧縮されて、図11に示すような断面形状が略長円形状の接続部54が形成され、図9に示す端子付き電線50が得られる。接続部54を作成するのに用いる圧縮金型60および接続部54の形状以外の構成については、概ね実施形態1と同様である。
【0042】
本実施形態は、実施形態1で説明した効果以外に以下の効果を有する。本実施形態によれば、圧縮前の筒状部53の外周形状に沿った形状の電極部64を有する圧縮金型60により接続部54を形成するので、圧縮金型60と筒状部53との接触面積が大きくなって、効率よく熱圧縮することができ、端子20の変形も減らすことができる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態2では、圧縮前の筒状部53の外周形状に沿った電極部64を有する圧縮金型60を用いて作製した接続部54を備える端子付き電線50を示したが、図8に示すような、圧縮金型40により形成した端子付き電線であってもよい。この圧縮金型の電極部43(通電部43)の凹み部43Aは、圧縮前の筒状部の外周形状には沿っていないが、熱圧縮により断面形状が略長円形状の接続部が形成される。
図8に示す圧縮金型40は、図7で示した圧縮金型30と同様に、上側の圧縮金型41と下側の圧縮金型42とからなり。各圧縮金型41,42は電極部43を有している。
(2)上記実施形態では、通電加熱しながら圧縮することにより接続部24を形成したが、筒状部23を別の加熱方法により加熱しながら圧縮してもよい。
(3)上記実施形態では圧縮前の接続部24に相当する部分25の断面積に対して30%〜70%の断面積の接続部24を示したが、接続部の断面積は圧縮前の断面積に対して70%以上であってもよい。
(4)上記実施形態では、接続部24を形成するときの筒状部23の加熱温度を300℃〜500℃としたが、300℃未満であってもよいし500℃よりも大きくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10,50…端子付き電線
11…電線
11A…端末
12…導体
13…絶縁被覆
20…端子
21…端子接続部
23,53…電線接続部(筒状部)
24,54…接続部(圧縮された部分)
25,55…圧縮前の接続部に対応する部分
30,40,60…圧縮金型
31,41,61…上側の圧縮金型
32,42,62…下側の圧縮金型
33,43,64…通電部(電極部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線であって、
前記接続部は、前記端子に設けられた前記露出導体を挿通可能な筒状部を、前記露出導体を挿通させた状態で加熱しつつ圧縮することにより形成される端子付き電線。
【請求項2】
前記接続部の断面積は、圧縮前の前記接続部に相当する部分の断面積に対して、30%以上70%以下である請求項1に記載の端子付き電線。
【請求項3】
前記接続部は、前記筒状部を300℃以上500℃以下に加熱しつつ圧縮することにより形成される請求項1または請求項2に記載の端子付き電線。
【請求項4】
前記接続部は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する圧縮金型で圧縮することにより形成される請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の端子付き電線。
【請求項5】
アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線の製造方法であって、
前記端子に設けた前記露出導体を挿通可能な筒状部に、前記露出導体を挿通させたのちに、
前記筒状部を加熱しつつ圧縮することにより、前記接続部を形成する端子付き電線の製造方法。
【請求項6】
前記接続部を、圧縮前の前記接続部に相当する部分の断面積に対して30%以上70%以下の断面積に圧縮することにより形成する請求項5に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項7】
前記筒状部を、300℃以上500℃以下の温度で加熱する請求項5または請求項6に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項8】
前記筒状部を、圧縮金型で通電加熱しながら圧縮する請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項9】
前記圧縮金型は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する請求項8に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項1】
アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線であって、
前記接続部は、前記端子に設けられた前記露出導体を挿通可能な筒状部を、前記露出導体を挿通させた状態で加熱しつつ圧縮することにより形成される端子付き電線。
【請求項2】
前記接続部の断面積は、圧縮前の前記接続部に相当する部分の断面積に対して、30%以上70%以下である請求項1に記載の端子付き電線。
【請求項3】
前記接続部は、前記筒状部を300℃以上500℃以下に加熱しつつ圧縮することにより形成される請求項1または請求項2に記載の端子付き電線。
【請求項4】
前記接続部は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する圧縮金型で圧縮することにより形成される請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の端子付き電線。
【請求項5】
アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体と、前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体が接続される接続部を有する端子とを備えた端子付き電線の製造方法であって、
前記端子に設けた前記露出導体を挿通可能な筒状部に、前記露出導体を挿通させたのちに、
前記筒状部を加熱しつつ圧縮することにより、前記接続部を形成する端子付き電線の製造方法。
【請求項6】
前記接続部を、圧縮前の前記接続部に相当する部分の断面積に対して30%以上70%以下の断面積に圧縮することにより形成する請求項5に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項7】
前記筒状部を、300℃以上500℃以下の温度で加熱する請求項5または請求項6に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項8】
前記筒状部を、圧縮金型で通電加熱しながら圧縮する請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の端子付き電線の製造方法。
【請求項9】
前記圧縮金型は、圧縮前の前記筒状部の外周形状に沿った形状の電極部を有する請求項8に記載の端子付き電線の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−48078(P2013−48078A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−70743(P2012−70743)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]