端末装置、異常通報システム及びプログラム
【課題】異常が感知された現場の映像が表示される端末装置のユーザが適切な通報先への通報操作を容易に行うのを可能とする技術を提供すること。
【解決手段】 端末装置(400)は、監視対象の施設に設置された異常感知器(200)により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラ(250)により撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段(411)と、映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示(434)を表示手段(430)に表示させる表示制御手段(412)と、ユーザにより操作される操作手段(440)に対し通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段(416)と、操作手段に対し通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段(414)とを有する。
【解決手段】 端末装置(400)は、監視対象の施設に設置された異常感知器(200)により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラ(250)により撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段(411)と、映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示(434)を表示手段(430)に表示させる表示制御手段(412)と、ユーザにより操作される操作手段(440)に対し通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段(416)と、操作手段に対し通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段(414)とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、異常通報システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラを備えたカメラ付火災感知器からの信号により火災が発生したと判断されるときに、カメラ付火災感知器により撮影された映像を火災受信機及び火災受信機と双方向通信可能な携帯電話に表示することが記載されている。これにより、携帯電話の携帯者は、現場に駆けつけなくとも火災発生現場を確認でき、状況に応じた対応を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−296836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯電話で火災発生現場の映像を確認するユーザが十分な訓練を受けていない場合など、ユーザがパニック状態になってしまい、適切な通報先へ通報を行うための通報操作を行うことができないことがある。
【0005】
本発明は上述した背景の下になされたものであり、本発明の目的は、異常が感知された現場の映像が表示される端末装置のユーザが適切な通報先への通報操作を容易に行うのを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明によれば、監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段とを有することを特徴とする端末装置が提供される。
【0007】
好ましい態様において、前記異常を感知した異常感知器が設置された施設に対応した通報先の情報を取得する通報先情報取得手段を更に有し、前記通報手段は、前記通報先取得手段により取得された通報先の情報に基づいて前記通報動作を行ってもよい。
【0008】
別の好ましい態様において、前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、前記表示制御手段は、前記映像信号と共に前記施設の位置情報を前記表示手段に表示させてもよい。
【0009】
別の好ましい態様において、異常を感知した前記異常感知器の前記施設における設置場所を示す設置場所情報を取得する設置場所情報取得手段を更に有し、前記表示制御手段は、前記映像信号及び前記位置情報に加えて、前記設置場所情報を前記表示手段に表示させてもよい。
【0010】
別の好ましい態様において、前記通報先情報取得手段は、前記通報先の情報として前記通報先の電話番号を取得し、前記通報手段は前記通報動作として前記通報先情報取得手段により取得された電話番号に電話をかけ、当該端末装置は、前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記通報先に電話がつながった後、電話回線を介して前記施設の位置情報を音声信号により伝達する音声合成手段とを更に有してもよい。
【0011】
別の好ましい態様において、前記表示手段により表示される前記通報操作を示す表示はソフトウェアボタンの表示であり、前記通報操作は前記ソフトウェアボタンの選択操作であってよい。
【0012】
また、本発明によれば、監視対象の施設に設置された異常感知器と当該異常感知器に関連付けられたカメラとを有する異常監視設備と、前記異常監視設備と通信可能な端末装置とを有する異常通報システムであって、前記端末装置は、前記異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段とを有することを特徴とする異常通報システムが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、コンピュータを、監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に基づく端末装置によれば、監視対象施設において異常が感知されたときに、異常を感知した異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段とを有さない場合と比べて、異常が感知された現場の映像が表示される端末装置のユーザが、適切な通報先への通報を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る火災通報システムの構成を示すシステム図。
【図2】火災報知設備の構成を示すシステム図。
【図3】カメラ付火災感知器の構成を示すブロック図。
【図4】火災受信機の構成を示すブロック図。
【図5】携帯電話の構成を示すブロック図。
【図6】携帯電話の制御部の機能構成を示すブロック図。
【図7】携帯電話の表示画面の一例を示す模式図。
【図8】火災感知時のユーザ端末の動作を示すフローチャート。
【図9】変形例1に係る火災通報システムの構成を示すシステム図。
【図10】通報先情報管理テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る火災通報システム1の構成を示すシステム図である。火災通報システム1は、監視対象となる施設に設置された火災報知設備100と、施設の管理者により携帯される携帯電話400と、火災発生時の通報先となる消防機関500とを含み、これら火災報知設備100、携帯電話400、及び消防機関500は、通信網NWを介して互いに通信可能となっている。火災報知設備100が設置される監視対象の施設は、老人ホーム、グループホーム(病気や障害を抱えた人達や高齢者等が専門スタッフ等の援助を受けながら生活するための施設)、商業ビル、工場、一般家庭など、任意の施設であってよい。通信網NWは、移動体通信網、固定電話通信網、インターネットなどの公知の任意の通信網を含んでよい。火災通報システム1は、本発明の異常通報システムの一例に相当するものであり、火災報知設備100は本発明に係る異常監視設備の一例に相当するものであり、携帯電話400は本発明に係る端末装置の一例に相当するものであり、消防機関500は本発明に係る通報先の一例に相当するものである。消防機関500は、火災通報等を受け付けるための電話機や端末(コンピュータ装置)を備えている。
【0017】
図2は、火災報知設備100の構成を示すシステム図である。図2に示すように、火災報知設備100は、複数のカメラ付火災感知器200と、これら火災感知器200と信号線150を介して接続された火災受信機300とを有する。
【0018】
カメラ付火災感知器200は、設置されたエリア(警戒区域)における煙の濃度や熱(温度)等の火災に関連する物理量を検知してデータとして出力する火災感知器としての機能を有する。また、カメラ付火災感知器200は、設置されたエリアの所定の範囲を撮影して、撮影した映像を表す映像信号を出力するカメラとしての機能を有する。
【0019】
図3は、カメラ付火災感知器200の構成を示すブロック図である。カメラ付火災感知器200は、制御部210、火災感知部220、アドレス設定部230、通信部240、カメラ250、及び回動部260を有し、これら各部はバス270を介して通信可能に接続されている。
【0020】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、カメラ付火災感知器200の各部を制御し、カメラ付火災感知器200の様々な機能を実現する。火災感知部220は、熱等の火災に関連する物理量に基づく情報(「感知信号」と言う)を出力する。火災感知部220は、例えば、熱(温度)を検知する熱センサ、煙を検知する煙センサ、または炎を検知する炎センサであってよく、あるいは、これらセンサの2以上の機能を合わせ持つ複合型センサであってよい。これらセンサは、感知信号として、検知される物理量(例えば温度)に応じて変化する信号を出力するタイプ(可変出力型と言う)でもよいし、検知した物理量が所定の条件を満たしたら(例えば、検知した温度が所定の温度を越えたら)、火災発生を示す所定の信号を出力する(「発報」と言う)タイプ(オンオフ型と言う)であってもよい。
【0021】
アドレス設定部230は、カメラ付火災感知器200のアドレスを設定するものであり、各カメラ付火災感知器200毎に個々のアドレスADが設定される。通信部240は、信号線150を介して、火災受信機300と各種信号の送受信を行う。カメラ250は、例えば、デジタルビデオカメラであり、カメラ付火災感知器200が設けられた警戒区域を撮影する。カメラ250により撮影された映像は映像信号として出力され、通信部240により信号線150を介して火災受信機300に伝送される。回動部260はカメラ250を支持し、火災受信機300からの制御命令によって回動し、カメラ250の撮影方向を変化させる。尚、カメラ250からの映像信号の伝送が、火災感知部210からの火災に関連する物理量を表す情報(感知信号)の伝送を妨げないように、カメラ250からの映像信号と火災感知部210からの感知信号とを、異なる信号線を介して火災受信機300に伝送してもよい。
【0022】
図4は、火災受信機300の構成を示すブロック図である。図4に示すように、火災受信機300は、制御部310、記憶部320、表示部330、操作部340、第1通信部350、及び第2通信部360を有し、これら各部はバス370を介して通信可能に接続されている。
【0023】
制御部310は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部320に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、火災受信機300の各部を制御し、火災受信機300の様々な機能を実現する。
【0024】
記憶部320は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部320に格納されるデータには、各カメラ付火災感知器200に個別に付与されているアドレスADに対応付けられた感知器種別ID、プレレベルSP、火災判別レベルSF、及び警戒区域の識別情報等が含まれる。ここで、プレレベルSP及び火災判別レベルSFとは、カメラ付火災感知器200が可変出力型のセンサを有するものである場合に、火災受信機300が、そのカメラ付火災感知器200からの感知信号と比較する閾値であり、感知器種別や設置場所等によって異なり得る。プレレベルSPは予報レベルの火災を感知するための閾値であり、火災判別レベルSFは火災警報レベルの火災発生を感知するための閾値である。予報レベルの火災感知より、火災警報レベルの火災感知の方が、火災発生の確実さの度合いが高い。例えば、プレレベルSP<火災判別レベルSFとなるようにプレレベルSP及び火災判別レベルSFを設定し、カメラ付火災感知器200からの感知信号がプレレベルSPを越える場合、火災受信機300は、予報レベルの火災が感知された(または、火災発生が疑われる)と判定し、火災判別レベルSFを越える場合、火災警報レベルの火災が感知されたと判定してもよい。予報レベルの火災が感知されたと判定される場合、火災受信機300は、その旨を表示部330に表示したり、後述するように携帯電話400へ通報したりする。また、火災受信機300は、火災警報レベルの火災が感知されたと判定すると、表示部330への表示や携帯電話400への通報に加えて、消防機関500への通報や施設内に設置された警報ベル(図示せず)を鳴らす等の処理を行う(火災受信機300による火災警報レベルの火災が感知された旨の判定、及び/または、それに伴う処理を「発報」と言うこともある)。尚、カメラ付火災感知器200がオンオフ型の場合、そのカメラ付火災感知器200のアドレスADに対しては、プレレベルSP及び火災判別レベルSFは設定しなくてよい。オンオフ型の火災感知器200から、当該火災感知器200が発報したことを示す信号を受信した場合、火災受信機300は火災警報レベルの火災が発生したと判定する。
【0025】
また、記憶部320には、各カメラ付火災感知器200の状態を表す信号の時系列データや、各カメラ付火災感知器200のカメラ250からの映像信号が保存される。これらのデータは、例えば3日分など、予め定められた期間分保存され、常に最新のデータが保存されるように更新してよい。また、過去のデータを消去することなく、予め定められた期間毎に、光記録媒体などの媒体に格納したり、通信網NWに接続された外部のサーバ装置等に転送して格納してもよい。
【0026】
表示部330は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部310からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。例えば、火災の発生していない通常状態では、表示部330には、「通常監視中」等、通常状態であることを示す文字情報が表示される。火災発生時には、表示部330には、火災を感知した(例えば、発報した)カメラ付火災感知器200のアドレスADや当該カメラ付火災感知器200が設置されている警戒区域を示す火災情報(文字情報)が表示されるとともに、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が文字情報に重ねて表示される。
【0027】
操作部340は、カメラオンスイッチOS、テンキーTK、方向キーHK等の各種入力スイッチにより構成され、火災報知設備100の管理者等による操作の内容に応じた操作信号を制御部310に送出する。カメラオンスイッチOSをオンすることで、制御部310は、テンキーTK、方向キーHKによる入力を有効とする。カメラオンスイッチOSをオンして、テンキーTKでカメラ付火災感知器200のアドレスADを入力すると、アドレスADにより指定されたカメラ付火災感知器200のカメラ250の映像が、表示部330に表示される。そして、方向キーHKを操作することにより、回動部260を介してカメラ250を回動させ、カメラ250により撮影される警戒区域の撮影方向の変更を行う。
【0028】
第1通信部350は、火災報知設備100の外部の通信網NWを介して携帯電話400や消防機関500と通信するためのインタフェースであり、例えば、一般加入電話端末の機能を有する。第2通信部360は、信号線150を介して火災感知器200とデータの授受を行うためのインタフェースである。
【0029】
火災受信機300の制御部310の動作について説明する。火災受信機300の制御部310は、通常監視中、ポーリング方式により、カメラ付火災感知器200を呼び出す制御信号「アドレスAD・返送命令」を、第2通信部360を介して信号線150に伝送する。ここで、アドレスADは、感知信号を返送すべきカメラ付火災感知器200のアドレスである。この制御信号に対して、アドレスADに対応するカメラ付火災感知器200が応答し、自身のアドレスADと感知信号を含む返送信号「アドレスAD・感知信号」を信号線150に送出する。火災受信機300はその返送信号を受信し、当該返送信号に含まれる感知信号に基づいて、火災が感知されたか否かを判定する。このポーリング動作は、火災受信機300が監視する全てのカメラ付火災感知部200に対して順になされる。
【0030】
ここで、カメラ付火災感知器200が可変出力型の火災感知器の場合、火災受信機300の制御部310は、カメラ付火災感知器200からの出力信号(感知信号)が当該カメラ付火災感知器200に関連付けられたプレレベルSPを越えた場合、予報レベルの火災が感知されたと判定する。この場合において、出力信号がプレレベルSPを越えたカメラ付火災感知器200を、火災を感知したカメラ付火災感知器と言う。カメラ付火災感知器200がオンオフ型の火災感知器の場合、カメラ付火災感知器200が発報したことを示す信号を受け取ると、火災受信機300の制御部310は、火災警報レベルの火災が感知されたと判定する。この場合において、発報したカメラ付火災感知器200を火災を感知したカメラ付火災感知器と言う。以下の説明において、特に断らない場合、カメラ付火災感知器200による火災の感知とは、予報レベルの火災の感知と、火災警報レベルの火災の感知のいずれも含むものとする。
【0031】
火災受信機300の制御部310は、ポーリング動作中に、カメラ付火災感知器200からの感知信号に基づき火災が感知されたと判定されると、火災を感知したカメラ付火災感知器200に、制御信号「アドレスAD・映像信号送出命令」を、信号線150を介して伝送する。ここで、アドレスADは、火災を感知したカメラ付火災感知器200のアドレスである。この制御信号に対して、アドレスADに対応するカメラ付火災感知器200が応答し、自身のアドレスADとカメラ250により撮影された警戒区域の映像を表す映像信号を含む返送信号「アドレスAD・映像信号」を信号線150に送出する。火災受信機300の制御部310はこの返送信号を受信し、カメラ250により撮影された警戒区域の映像(映像情報)を火災情報に重ねて表示部330に表示させる。
【0032】
また、火災受信機300の制御部310は、カメラ250により撮影された警戒区域の映像を携帯電話400の表示部430に表示させるべく、通信網NWを介して、表示命令を携帯電話400に送信する。表示命令は、例えば、通信網NWに含まれる移動通信網を介して携帯電話400に送信される。表示命令には、カメラ250により撮影された映像を表す映像信号に加えて、火災受信機300(火災報知設備100)が設置されている施設を識別する施設識別情報、当該施設の位置を示す位置情報、火災を感知した火災感知器200の設置場所(警戒区域)を示す場所情報、火災が感知された日時を示す日時情報等が含まれる。施設識別情報は、例えば、施設の名称、施設に設置された電話の電話番号など、施設を特定できる情報であればよく、火災受信機300の記憶部320に予め格納される。施設の位置情報は、施設の住所であり、施設識別情報に関連付けて記憶部320に予め格納されている。カメラ付火災感知器200の設置場所(警戒区域)を示す場所情報は、例えば、施設がグループホームの場合、部屋番号であってよく、一般家庭の場合、「台所」、「バスルーム」などであってよく、カメラ付火災感知器200のアドレスADに対応付けて記憶部320に格納されている。
【0033】
図5は、携帯電話400の構成を示すブロック図である。図5に示すように、携帯電話400は、制御部410、記憶部420、表示部430、操作部440、通信部450、マイクロフォン(以下、マイクと言う)460、及びスピーカ470を有し、これら各部はバス480を介して通信可能に接続されている。
【0034】
制御部410は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部420に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、携帯電話400の各部を制御し、携帯電話400の様々な機能を実現する。記憶部420は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部430は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部410からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。火災発生時には、後に詳述するように、火災受信機300からの表示命令に応じて、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が、他の情報とともに表示される。
【0035】
操作部440は、携帯電話400のユーザ(例えば、監視対象の施設の管理者)による操作の内容に応じた操作信号を制御部410に送出する。本例において、操作部440は、表示部430の表示面に重ねて配置され、表示部430と共にタッチパネルを構成するたタッチパッド(位置検出センサ)441を有する。タッチパッド441は、ユーザによりタッチされた表示部430の画面の位置を検出するものであり、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、超音波方式など公知の任意の方式のものであってよい。通信部450は、通信網NWを介して火災報知設備100や消防機関500と通信するためのインタフェースである。通信部450は、制御部410の制御の下、例えば、電話回線(移動体電話回線及び固定電話回線)を介して火災報知設備100から火災感知器200のカメラ250で取得した映像信号を受信したり、消防機関500に電話回線やインターネットを介して情報を送信したりする。
【0036】
マイク460は、携帯電話400を用いてユーザが電話をするときに、ユーザの音声を収音して音声信号に変換する。スピーカ470は、携帯電話400を用いてユーザが電話をするときに、通話相手の音声信号を音に変換して出力する。
【0037】
図6は、携帯電話400の制御部410の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、制御部410は、受信部411、表示制御部412、通報先情報取得部413、通報部414、音声合成部415、及び操作特定部416を有する。受信部411は、火災報知設備100のカメラ付火災感知器200によって火災が感知されたとき、火災報知設備100の火災受信機300から送信される表示命令を、通信部450を介して受信する。表示命令には、上記したように、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像を表す映像信号、施設識別情報(例えば、施設名)、当該施設の位置情報(住所)、火災を感知した火災感知器200の場所情報、火災感知日時等が含まれる。受信部411は、受信した映像信号及び各情報を表示制御部412に送り、表示制御部412は、表示部430を制御して受信部411から受信した映像信号及び各情報に基づいた表示を行う。受信部411は、本発明に係る位置情報取得手段、設置場所情報取得手段の一例に相当する。
【0038】
図7は、火災受信機300からの表示命令に基づいて携帯電話400の表示部430に表示される画面の一例を示す模式図である。図7に示すように、表示部430の表示画面は、情報表示エリア431、映像表示エリア432、及び操作エリア433の3つのエリアに分けられている。最上段の情報表示エリア431には、表示命令に含まれる火災が感知された施設名、当該施設の住所、感知器の設置場所(部屋番号)、火災感知日時が表示される。中央の映像表示エリア432には、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が表示される。最下段の操作エリア433には、通報操作を示す表示が表示される。本例において、通報操作を示す表示は、「通報」の文字を含むソフトウェアボタン434である。ここで、ソフトウェアボタンとは、表示部430に表示される画像であり、例えばタッチパッド441により検出されるユーザによるタッチ操作により選択される。ユーザ操作によりソフトウェアボタンが選択されると、制御部410は、そのソフトウェアボタンに割り当てられた指示(「通報」ソフトウェアボタンの場合、通報動作の指示)がユーザによりなされたと解釈する。
【0039】
また、操作エリア433には、撮影した映像が映像表示エリア432に表示されたカメラ付火災感知器200のカメラ250を操作するための矢印ボタン435が表示される。携帯電話400のユーザが矢印ボタン435をタッチすると、それに応じた操作信号が、携帯電話400から通信網NWを介して火災報知設備100の火災受信機300に送信され、火災受信機300では、携帯電話400から受信した操作信号に基づいて、携帯電話400に映像が表示されているカメラ250に対応した回動部260を操作する。これにより、ユーザがタッチした矢印ボタン435に応じた方向にカメラ250の向きが移動される。
【0040】
図6を再度参照すると、受信部411は、通信部450を介して受信した表示命令に含まれる情報のうち、施設識別情報を通報先情報取得部413に供給する。通報先情報取得部413は、記憶部420を参照し、記憶部420に施設識別情報に関連付けて予め記憶された通報先の情報を取得する。通報先の情報は、例えば、施設が位置するエリアを管轄する消防機関500の電話番号や電子メールアドレス(単にメールアドレスと言うこともある)である。通報先情報取得部413は、取得した通報先の情報を通報部414に送る。尚、記憶部420に予め格納された施設識別情報に対応する連絡先の情報は、携帯電話400のユーザが設定/変更してよい。
【0041】
また、受信部411は、通信部450を介して受信した表示命令に含まれる情報のうち、施設名、施設の位置情報(住所)、火災を感知した火災感知器200の場所情報、火災感知日時を音声合成部415に送る。音声合成部は、受信部411から受信したこれらの情報を音声により表す音声信号を生成し、通報部414に供給する。
【0042】
操作特定部416は、操作部440からの操作信号を受信し、表示部430に表示された通報操作を示す表示に基づいた操作がユーザによってなされたか否かを判定する。通報操作を示す表示がユーザによってなされたと判定される場合、操作特定部416は、そのことを示す情報を通報部414に送る。図7に示した例では、通報操作を示す表示は「通報」ソフトウェアボタン434であるので、操作特定部416は、ユーザにより「通報」ソフトウェアボタン434のタッチ操作がなされたと判定される場合、通報操作を示す表示に基づいた操作がなされたと判定し、そのことを示す情報を通報部414に送る。
【0043】
通報部414は、通報操作を示す表示に基づく操作がユーザによってなされたことを示す情報を操作特定部416から受け取ると、通信部450を制御して、通報先情報取得部413により取得された通報先情報に基づいて通報動作を行う。例えば、通報先の情報が通報先の電話番号である場合、通報部414は通報動作として当該電話番号に電話をかける。また、通報先に電話がつながると、通報部414は、音声合成部415により生成された音声信号を電話回線を通じて通報先に送信する。通報先では、受信した音声信号に基づき音を再生することにより、いつどこで火災が発生したかを把握し、適切な行動を取ることができる。
【0044】
図8は、火災感知時の携帯電話400の動作を示すフローチャートである。カメラ付火災感知器200のいずれかにより火災が感知されると、火災受信機300の制御部310から、カメラ付火災感知器200のカメラ250により得られた映像信号を含む表示命令が携帯電話400に送られ、当該表示命令は携帯電話400の受信部411により受信される(ステップS1)。表示命令が受信されると、携帯電話400の表示制御部412は、受信した表示命令に含まれる映像信号に基づく映像を表示部430に表示させる(ステップS2)。このとき、表示部430には、カメラ250により撮影された映像の表示とともに、通報操作を示す表示(例えば、図7の「通報」ソフトウェアボタン)が表示される。
【0045】
ステップS3において、携帯電話400の操作特定部416は、表示部430に表示された通報操作を示す表示に基づく通報操作がなされたか判定する。当該通報操作がなされたと判定された場合(ステップS3:YES)、ステップS4に進み、そうでない場合(ステップS3:NO)、当該通報操作がなされるのを待つ。
【0046】
ステップS4では、通報先情報取得部413が、受信部411が受信した表示命令に含まれる施設識別情報に対応する通報先の情報を取得する。ステップS5では、ステップS4で取得した通報先の情報に基づいて、通報部414が通報動作を行う。尚、通報動作を行ったときに表示部430に表示されていた画像を、記憶部420に格納してもよい。これにより、後に、通報がなされたときの現場の様子を確認することができる。
【0047】
上述したように、本実施形態の携帯電話400は、監視対象の施設に設置されたカメラ付火災感知器200により(予報レベルまたは火災警報レベルの)火災が感知されたとき、カメラ付火災感知器200により撮影された映像を表す映像信号を受信し、当該映像と共に通報操作を示す表示を表示部430に表示させる。また、操作部440に対して通報操作を示す表示に従った操作がなされるのに応じて予め設定された通報動作を行う。従って、火災の通知を受けた携帯電話400のユーザは、急な火災の発生に気が動転していても、通報操作を示す表示に従った操作を行うことで簡単に通報を行うことができる。また、携帯電話400は、火災を感知したカメラ付火災感知器200が設置された施設に対応した連絡先の情報に基づいて通報動作を行うので、携帯電話400のユーザが施設から離れた所(例えば、別の県など)にいる場合でも、施設の火災に対処するのに最も適した通報先(例えば、施設が属するエリアの管轄の消防機関500)に通報することができる。
【0048】
[変形例]
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0049】
(変形例1)
上述した実施形態では、監視対象の施設は一つであった。しかしながら、本発明はこれに限定されない。監視対象の施設は複数あってもよい。また、これら複数の監視対象施設は、異なる消防機関の管轄にあってもよい。
【0050】
図9は、変形例1に係る火災通報システム1の構成を示すシステム図である。図9に示した火災通報システム1は、監視対象の施設が2つあり、それぞれに設置された火災報知設備100A、100Bを有する点が図1に示した火災通報システム1と異なる。また、図9に示す火災通報システム1では、火災報知設備100Aが設置された施設は消防機関500Aの管轄にあり、火災報知設備100Bが設置された施設は消防機関500Bの管轄にあるものとする。即ち、火災報知設備100Aが設置された施設と火災報知設備100Bが設置された施設とで、火災発生時の適切な通報先が異なる。この場合、携帯電話400は、監視対象の各施設毎に通報先の情報を格納した通報先情報管理テーブルTB1を記憶部420に格納しておくとよい。
【0051】
図10は、通報先情報管理テーブルTB1の一例を示す模式図である。この例では、火災報知設備100Aが設置された施設を「AAAAA」とし、火災報知設備100Bが設置された施設を「BBBBB」とする。図10に示すように、施設「AAAAA」と施設「BBBBB」のそれぞれに番号「No.」が割り当てられ、また、通報先情報として、「通報先電話番号」、「通報先メールアドレス」、「通報先URL」が設定されている。「通報先URL」は、通報先のコンピュータ装置(データセンターなど)にデータ伝送により火災通報を行う際に用いられる。通報先に、コンピュータ装置がなく電話機しかない場合は、「通報先メールアドレス」及び「通報先URL」の欄は空欄でよい。
【0052】
施設「AAAAA」または施設「BBBBB」に設置されたカメラ付火災感知器200により火災が感知されると、携帯電話400は、火災報知設備100Aまたは火災報知設備100Bの火災受信機300から、火災を感知したカメラ付火災感知器200により取得された映像信号を含む表示命令を受信する。上述したように、この表示命令には、火災を感知した火災感知器200が設置された施設を識別する施設識別情報(例えば、施設名)が含まれているので、携帯電話400の通知先情報取得部413は、施設識別情報を用いて記憶部420に格納された通報先情報管理テーブルTB1を参照して、施設識別情報に対応付けられた通報先情報を取得する。これにより、監視対象の施設が複数ある場合でも、携帯電話400のユーザは、火災が感知された施設に対応した適切な通報先に通報することができる。
【0053】
尚、通報先情報管理テーブルTB1は、携帯電話400の記憶部420以外の場所に格納されてもよい。例えば、通信網NWに接続されたサーバ装置(図示せず)に格納し、携帯電話400は、このサーバ装置に施設識別情報を送信して通信先情報をリクエストし、その応答として、施設識別情報に対応付けられた通報先の情報をサーバ装置から取得してもよい。あるいは、火災報知設備100Aの火災受信機300の記憶部320に施設「AAAAA」に対応する通報先情報を格納し、火災報知設備100Bの火災受信機300の記憶部320に施設「BBBBB」に対応する通報先情報を格納するというように、通報先情報管理テーブルTB1の内容を分割して格納してもよい。その場合、カメラ付火災感知器200により火災が感知されたとき、火災受信機300は、当該カメラ付火災感知器200が設置された施設に対応する通報先情報を記憶部320に格納されたデータから抽出して、表示命令と共に(あるいは、表示命令に含めて)携帯電話400に送信する。携帯電話400の受信部411は受信した通報先情報を通報部414に送る。従って、この場合、受信部411が通報先情報取得手段として働く。
【0054】
尚、図9に示した例では、監視対象の施設は2つであるが、監視対象の施設の数は2より多くてもよく、特に限定されない。
【0055】
(変形例2)
上述した実施形態では、火災報知設備100(火災受信機300)は1台の携帯電話400に火災が感知されたことの通報(カメラ付火災感知器200で撮影された映像の送信)を行ったが、本発明はこれに限定されない。複数台の携帯電話400にカメラ付火災感知器200で撮影された映像の送信を行ってもよい。また、カメラ付火災感知器200で撮影された映像が送信される端末装置は、携帯電話に限らず、タブレット型端末やノートパソコンなどの携帯電話以外のモバイル端末であってもよい。あるいは、端末装置は据え置き型のコンピュータ装置であってもよい。火災受信機300から送信されるカメラ付火災感知器200で撮影された映像を表示できればよい。尚、端末装置が電話機能を有さない場合、ユーザにより通報動作が指示されると、端末装置は電子メールやその他のデータ伝送により通報を行えばよい。電子メールやデータ伝送により火災通報を行う場合、携帯電話400は、火災受信機300から送られてきた映像信号を通報先に転送してもよい。あるいは、通報時に表示部430に表示されている画像(静止画)を送信してもよい。
【0056】
(変形例3)
上記実施形態では、異常感知器としてカメラ付火災感知器200を用いたが、本発明はこれに限定されない。カメラ250を火災感知器とは別体としてもよく、要は、火災感知器が設置されたエリアをカメラ250で撮影できるようにカメラ250が火災感知器に関連付けて設置されていればよい。
【0057】
また、異常感知器は、例えばガス感知器や不法侵入感知器のような火災感知器以外の感知器でもよい。
【0058】
(変形例4)
上記実施形態では、携帯電話400の表示部430に、火災を感知したカメラ付火災感知器200により撮影された映像と共に表示される通報操作を示す表示として、「通報」ソフトウェアボタンを表示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯電話400がテンキーなどのハードキーを備えている場合、「テンキーをどれでも押せば通報します」といった通報操作の案内の表示であってもよい。
【0059】
(変形例5)
上記実施形態では、携帯電話400の通報部414は、通報動作として、通報先の電話番号に電話をかけ、通報先に電話がつながると、音声合成部415により生成された音声信号を電話回線を通じて通報先に送信した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、音声信号の送信を行わなくてもよい。その場合、携帯電話400のユーザが火災の発生日時、場所等を説明する。このとき、携帯電話400の表示部430に、火災発生日時、火災が発生した施設の名称及び住所、火災を感知した感知器200の設置場所等の情報が表示されていると、ユーザによる説明が容易になる。また、電話によらず、電子メールの送信あるいは他のインターネットを介したデータ伝送により火災の発生日時、場所等を送信し、通報を行ってもよい。
【0060】
(変形例6)
上記実施形態では、監視対象となる施設の施設名及び当該施設の位置を示す位置情報を示す場所情報を、火災受信機300の記憶部320に格納しておき、火災が感知されたとき、これら情報を表示命令に含ませて携帯電話400に送信した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示した管理テーブルTB1において各施設に対応付けられた番号を施設識別情報として、火災受信機300から携帯電話400に送信し、携帯電話400では、受信した施設識別情報からテーブルTB1を参照して施設名を取得してもよい。また、管理テーブルTB1に、施設の位置情報の欄を設け、施設識別情報(「No.」)に対応付けて位置情報を格納しておけば、携帯電話400側で、火災受信機300から送られてくる施設識別情報を用いて管理テーブルTB1を参照し、施設の位置情報を取得することができる。
【0061】
カメラ付火災感知器200の設置場所(警戒区域)を示す場所情報についても同様である。即ち、火災報知設備100の各カメラ付火災感知器200の場所情報を、各カメラ付火災感知器200の識別情報に関連付けて携帯電話400の記憶部420に格納しておき、火災感知時、火災受信機300から火災を感知したカメラ付火災感知器200の識別情報を携帯電話400に送り、携帯電話400側で記憶部420を参照し、受信した識別情報に対応付けられたカメラ付火災感知器200の場所情報を取得してもよい。
【0062】
(変形例7)
制御部410の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、携帯電話等の端末装置にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードして端末装置にインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…火災通報システム1、100、100A、100B…火災報知設備、150…信号線、200…カメラ付火災感知器、210…制御部、220…火災感知部、230…アドレス設定部、240…通信部、250…カメラ、260…回動部、270…バス、300…火災受信機、310…制御部、320…記憶部、330…表示部、340…操作部、350…第1通信部、360…第2通信部、370…バス、400…携帯電話、410…制御部、411…受信部、412…表示制御部、413…通報先情報取得部、414…通報部、415…音声合成部、416…操作特定部、420…記憶部、430…表示部、431…情報表示エリア、432…映像表示エリア、433…操作エリア、434…ソフトウェアボタン、435…矢印ボタン、440…操作部、450…通信部、460…マイクロフォン、470…スピーカ、480…バス、500、500A、500B…消防機関、NW…通信網、TB1…通報先情報管理テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、異常通報システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラを備えたカメラ付火災感知器からの信号により火災が発生したと判断されるときに、カメラ付火災感知器により撮影された映像を火災受信機及び火災受信機と双方向通信可能な携帯電話に表示することが記載されている。これにより、携帯電話の携帯者は、現場に駆けつけなくとも火災発生現場を確認でき、状況に応じた対応を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−296836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯電話で火災発生現場の映像を確認するユーザが十分な訓練を受けていない場合など、ユーザがパニック状態になってしまい、適切な通報先へ通報を行うための通報操作を行うことができないことがある。
【0005】
本発明は上述した背景の下になされたものであり、本発明の目的は、異常が感知された現場の映像が表示される端末装置のユーザが適切な通報先への通報操作を容易に行うのを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明によれば、監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段とを有することを特徴とする端末装置が提供される。
【0007】
好ましい態様において、前記異常を感知した異常感知器が設置された施設に対応した通報先の情報を取得する通報先情報取得手段を更に有し、前記通報手段は、前記通報先取得手段により取得された通報先の情報に基づいて前記通報動作を行ってもよい。
【0008】
別の好ましい態様において、前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、前記表示制御手段は、前記映像信号と共に前記施設の位置情報を前記表示手段に表示させてもよい。
【0009】
別の好ましい態様において、異常を感知した前記異常感知器の前記施設における設置場所を示す設置場所情報を取得する設置場所情報取得手段を更に有し、前記表示制御手段は、前記映像信号及び前記位置情報に加えて、前記設置場所情報を前記表示手段に表示させてもよい。
【0010】
別の好ましい態様において、前記通報先情報取得手段は、前記通報先の情報として前記通報先の電話番号を取得し、前記通報手段は前記通報動作として前記通報先情報取得手段により取得された電話番号に電話をかけ、当該端末装置は、前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記通報先に電話がつながった後、電話回線を介して前記施設の位置情報を音声信号により伝達する音声合成手段とを更に有してもよい。
【0011】
別の好ましい態様において、前記表示手段により表示される前記通報操作を示す表示はソフトウェアボタンの表示であり、前記通報操作は前記ソフトウェアボタンの選択操作であってよい。
【0012】
また、本発明によれば、監視対象の施設に設置された異常感知器と当該異常感知器に関連付けられたカメラとを有する異常監視設備と、前記異常監視設備と通信可能な端末装置とを有する異常通報システムであって、前記端末装置は、前記異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段とを有することを特徴とする異常通報システムが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、コンピュータを、監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に基づく端末装置によれば、監視対象施設において異常が感知されたときに、異常を感知した異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段とを有さない場合と比べて、異常が感知された現場の映像が表示される端末装置のユーザが、適切な通報先への通報を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る火災通報システムの構成を示すシステム図。
【図2】火災報知設備の構成を示すシステム図。
【図3】カメラ付火災感知器の構成を示すブロック図。
【図4】火災受信機の構成を示すブロック図。
【図5】携帯電話の構成を示すブロック図。
【図6】携帯電話の制御部の機能構成を示すブロック図。
【図7】携帯電話の表示画面の一例を示す模式図。
【図8】火災感知時のユーザ端末の動作を示すフローチャート。
【図9】変形例1に係る火災通報システムの構成を示すシステム図。
【図10】通報先情報管理テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る火災通報システム1の構成を示すシステム図である。火災通報システム1は、監視対象となる施設に設置された火災報知設備100と、施設の管理者により携帯される携帯電話400と、火災発生時の通報先となる消防機関500とを含み、これら火災報知設備100、携帯電話400、及び消防機関500は、通信網NWを介して互いに通信可能となっている。火災報知設備100が設置される監視対象の施設は、老人ホーム、グループホーム(病気や障害を抱えた人達や高齢者等が専門スタッフ等の援助を受けながら生活するための施設)、商業ビル、工場、一般家庭など、任意の施設であってよい。通信網NWは、移動体通信網、固定電話通信網、インターネットなどの公知の任意の通信網を含んでよい。火災通報システム1は、本発明の異常通報システムの一例に相当するものであり、火災報知設備100は本発明に係る異常監視設備の一例に相当するものであり、携帯電話400は本発明に係る端末装置の一例に相当するものであり、消防機関500は本発明に係る通報先の一例に相当するものである。消防機関500は、火災通報等を受け付けるための電話機や端末(コンピュータ装置)を備えている。
【0017】
図2は、火災報知設備100の構成を示すシステム図である。図2に示すように、火災報知設備100は、複数のカメラ付火災感知器200と、これら火災感知器200と信号線150を介して接続された火災受信機300とを有する。
【0018】
カメラ付火災感知器200は、設置されたエリア(警戒区域)における煙の濃度や熱(温度)等の火災に関連する物理量を検知してデータとして出力する火災感知器としての機能を有する。また、カメラ付火災感知器200は、設置されたエリアの所定の範囲を撮影して、撮影した映像を表す映像信号を出力するカメラとしての機能を有する。
【0019】
図3は、カメラ付火災感知器200の構成を示すブロック図である。カメラ付火災感知器200は、制御部210、火災感知部220、アドレス設定部230、通信部240、カメラ250、及び回動部260を有し、これら各部はバス270を介して通信可能に接続されている。
【0020】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、カメラ付火災感知器200の各部を制御し、カメラ付火災感知器200の様々な機能を実現する。火災感知部220は、熱等の火災に関連する物理量に基づく情報(「感知信号」と言う)を出力する。火災感知部220は、例えば、熱(温度)を検知する熱センサ、煙を検知する煙センサ、または炎を検知する炎センサであってよく、あるいは、これらセンサの2以上の機能を合わせ持つ複合型センサであってよい。これらセンサは、感知信号として、検知される物理量(例えば温度)に応じて変化する信号を出力するタイプ(可変出力型と言う)でもよいし、検知した物理量が所定の条件を満たしたら(例えば、検知した温度が所定の温度を越えたら)、火災発生を示す所定の信号を出力する(「発報」と言う)タイプ(オンオフ型と言う)であってもよい。
【0021】
アドレス設定部230は、カメラ付火災感知器200のアドレスを設定するものであり、各カメラ付火災感知器200毎に個々のアドレスADが設定される。通信部240は、信号線150を介して、火災受信機300と各種信号の送受信を行う。カメラ250は、例えば、デジタルビデオカメラであり、カメラ付火災感知器200が設けられた警戒区域を撮影する。カメラ250により撮影された映像は映像信号として出力され、通信部240により信号線150を介して火災受信機300に伝送される。回動部260はカメラ250を支持し、火災受信機300からの制御命令によって回動し、カメラ250の撮影方向を変化させる。尚、カメラ250からの映像信号の伝送が、火災感知部210からの火災に関連する物理量を表す情報(感知信号)の伝送を妨げないように、カメラ250からの映像信号と火災感知部210からの感知信号とを、異なる信号線を介して火災受信機300に伝送してもよい。
【0022】
図4は、火災受信機300の構成を示すブロック図である。図4に示すように、火災受信機300は、制御部310、記憶部320、表示部330、操作部340、第1通信部350、及び第2通信部360を有し、これら各部はバス370を介して通信可能に接続されている。
【0023】
制御部310は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部320に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、火災受信機300の各部を制御し、火災受信機300の様々な機能を実現する。
【0024】
記憶部320は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部320に格納されるデータには、各カメラ付火災感知器200に個別に付与されているアドレスADに対応付けられた感知器種別ID、プレレベルSP、火災判別レベルSF、及び警戒区域の識別情報等が含まれる。ここで、プレレベルSP及び火災判別レベルSFとは、カメラ付火災感知器200が可変出力型のセンサを有するものである場合に、火災受信機300が、そのカメラ付火災感知器200からの感知信号と比較する閾値であり、感知器種別や設置場所等によって異なり得る。プレレベルSPは予報レベルの火災を感知するための閾値であり、火災判別レベルSFは火災警報レベルの火災発生を感知するための閾値である。予報レベルの火災感知より、火災警報レベルの火災感知の方が、火災発生の確実さの度合いが高い。例えば、プレレベルSP<火災判別レベルSFとなるようにプレレベルSP及び火災判別レベルSFを設定し、カメラ付火災感知器200からの感知信号がプレレベルSPを越える場合、火災受信機300は、予報レベルの火災が感知された(または、火災発生が疑われる)と判定し、火災判別レベルSFを越える場合、火災警報レベルの火災が感知されたと判定してもよい。予報レベルの火災が感知されたと判定される場合、火災受信機300は、その旨を表示部330に表示したり、後述するように携帯電話400へ通報したりする。また、火災受信機300は、火災警報レベルの火災が感知されたと判定すると、表示部330への表示や携帯電話400への通報に加えて、消防機関500への通報や施設内に設置された警報ベル(図示せず)を鳴らす等の処理を行う(火災受信機300による火災警報レベルの火災が感知された旨の判定、及び/または、それに伴う処理を「発報」と言うこともある)。尚、カメラ付火災感知器200がオンオフ型の場合、そのカメラ付火災感知器200のアドレスADに対しては、プレレベルSP及び火災判別レベルSFは設定しなくてよい。オンオフ型の火災感知器200から、当該火災感知器200が発報したことを示す信号を受信した場合、火災受信機300は火災警報レベルの火災が発生したと判定する。
【0025】
また、記憶部320には、各カメラ付火災感知器200の状態を表す信号の時系列データや、各カメラ付火災感知器200のカメラ250からの映像信号が保存される。これらのデータは、例えば3日分など、予め定められた期間分保存され、常に最新のデータが保存されるように更新してよい。また、過去のデータを消去することなく、予め定められた期間毎に、光記録媒体などの媒体に格納したり、通信網NWに接続された外部のサーバ装置等に転送して格納してもよい。
【0026】
表示部330は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部310からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。例えば、火災の発生していない通常状態では、表示部330には、「通常監視中」等、通常状態であることを示す文字情報が表示される。火災発生時には、表示部330には、火災を感知した(例えば、発報した)カメラ付火災感知器200のアドレスADや当該カメラ付火災感知器200が設置されている警戒区域を示す火災情報(文字情報)が表示されるとともに、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が文字情報に重ねて表示される。
【0027】
操作部340は、カメラオンスイッチOS、テンキーTK、方向キーHK等の各種入力スイッチにより構成され、火災報知設備100の管理者等による操作の内容に応じた操作信号を制御部310に送出する。カメラオンスイッチOSをオンすることで、制御部310は、テンキーTK、方向キーHKによる入力を有効とする。カメラオンスイッチOSをオンして、テンキーTKでカメラ付火災感知器200のアドレスADを入力すると、アドレスADにより指定されたカメラ付火災感知器200のカメラ250の映像が、表示部330に表示される。そして、方向キーHKを操作することにより、回動部260を介してカメラ250を回動させ、カメラ250により撮影される警戒区域の撮影方向の変更を行う。
【0028】
第1通信部350は、火災報知設備100の外部の通信網NWを介して携帯電話400や消防機関500と通信するためのインタフェースであり、例えば、一般加入電話端末の機能を有する。第2通信部360は、信号線150を介して火災感知器200とデータの授受を行うためのインタフェースである。
【0029】
火災受信機300の制御部310の動作について説明する。火災受信機300の制御部310は、通常監視中、ポーリング方式により、カメラ付火災感知器200を呼び出す制御信号「アドレスAD・返送命令」を、第2通信部360を介して信号線150に伝送する。ここで、アドレスADは、感知信号を返送すべきカメラ付火災感知器200のアドレスである。この制御信号に対して、アドレスADに対応するカメラ付火災感知器200が応答し、自身のアドレスADと感知信号を含む返送信号「アドレスAD・感知信号」を信号線150に送出する。火災受信機300はその返送信号を受信し、当該返送信号に含まれる感知信号に基づいて、火災が感知されたか否かを判定する。このポーリング動作は、火災受信機300が監視する全てのカメラ付火災感知部200に対して順になされる。
【0030】
ここで、カメラ付火災感知器200が可変出力型の火災感知器の場合、火災受信機300の制御部310は、カメラ付火災感知器200からの出力信号(感知信号)が当該カメラ付火災感知器200に関連付けられたプレレベルSPを越えた場合、予報レベルの火災が感知されたと判定する。この場合において、出力信号がプレレベルSPを越えたカメラ付火災感知器200を、火災を感知したカメラ付火災感知器と言う。カメラ付火災感知器200がオンオフ型の火災感知器の場合、カメラ付火災感知器200が発報したことを示す信号を受け取ると、火災受信機300の制御部310は、火災警報レベルの火災が感知されたと判定する。この場合において、発報したカメラ付火災感知器200を火災を感知したカメラ付火災感知器と言う。以下の説明において、特に断らない場合、カメラ付火災感知器200による火災の感知とは、予報レベルの火災の感知と、火災警報レベルの火災の感知のいずれも含むものとする。
【0031】
火災受信機300の制御部310は、ポーリング動作中に、カメラ付火災感知器200からの感知信号に基づき火災が感知されたと判定されると、火災を感知したカメラ付火災感知器200に、制御信号「アドレスAD・映像信号送出命令」を、信号線150を介して伝送する。ここで、アドレスADは、火災を感知したカメラ付火災感知器200のアドレスである。この制御信号に対して、アドレスADに対応するカメラ付火災感知器200が応答し、自身のアドレスADとカメラ250により撮影された警戒区域の映像を表す映像信号を含む返送信号「アドレスAD・映像信号」を信号線150に送出する。火災受信機300の制御部310はこの返送信号を受信し、カメラ250により撮影された警戒区域の映像(映像情報)を火災情報に重ねて表示部330に表示させる。
【0032】
また、火災受信機300の制御部310は、カメラ250により撮影された警戒区域の映像を携帯電話400の表示部430に表示させるべく、通信網NWを介して、表示命令を携帯電話400に送信する。表示命令は、例えば、通信網NWに含まれる移動通信網を介して携帯電話400に送信される。表示命令には、カメラ250により撮影された映像を表す映像信号に加えて、火災受信機300(火災報知設備100)が設置されている施設を識別する施設識別情報、当該施設の位置を示す位置情報、火災を感知した火災感知器200の設置場所(警戒区域)を示す場所情報、火災が感知された日時を示す日時情報等が含まれる。施設識別情報は、例えば、施設の名称、施設に設置された電話の電話番号など、施設を特定できる情報であればよく、火災受信機300の記憶部320に予め格納される。施設の位置情報は、施設の住所であり、施設識別情報に関連付けて記憶部320に予め格納されている。カメラ付火災感知器200の設置場所(警戒区域)を示す場所情報は、例えば、施設がグループホームの場合、部屋番号であってよく、一般家庭の場合、「台所」、「バスルーム」などであってよく、カメラ付火災感知器200のアドレスADに対応付けて記憶部320に格納されている。
【0033】
図5は、携帯電話400の構成を示すブロック図である。図5に示すように、携帯電話400は、制御部410、記憶部420、表示部430、操作部440、通信部450、マイクロフォン(以下、マイクと言う)460、及びスピーカ470を有し、これら各部はバス480を介して通信可能に接続されている。
【0034】
制御部410は、CPU、ROM及びRAMを備え、CPUが、ROMや記憶部420に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することで、携帯電話400の各部を制御し、携帯電話400の様々な機能を実現する。記憶部420は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、各種のプログラムやデータを記憶する。表示部430は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部410からの指示に基づいて、様々な情報を表示する。火災発生時には、後に詳述するように、火災受信機300からの表示命令に応じて、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が、他の情報とともに表示される。
【0035】
操作部440は、携帯電話400のユーザ(例えば、監視対象の施設の管理者)による操作の内容に応じた操作信号を制御部410に送出する。本例において、操作部440は、表示部430の表示面に重ねて配置され、表示部430と共にタッチパネルを構成するたタッチパッド(位置検出センサ)441を有する。タッチパッド441は、ユーザによりタッチされた表示部430の画面の位置を検出するものであり、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、超音波方式など公知の任意の方式のものであってよい。通信部450は、通信網NWを介して火災報知設備100や消防機関500と通信するためのインタフェースである。通信部450は、制御部410の制御の下、例えば、電話回線(移動体電話回線及び固定電話回線)を介して火災報知設備100から火災感知器200のカメラ250で取得した映像信号を受信したり、消防機関500に電話回線やインターネットを介して情報を送信したりする。
【0036】
マイク460は、携帯電話400を用いてユーザが電話をするときに、ユーザの音声を収音して音声信号に変換する。スピーカ470は、携帯電話400を用いてユーザが電話をするときに、通話相手の音声信号を音に変換して出力する。
【0037】
図6は、携帯電話400の制御部410の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、制御部410は、受信部411、表示制御部412、通報先情報取得部413、通報部414、音声合成部415、及び操作特定部416を有する。受信部411は、火災報知設備100のカメラ付火災感知器200によって火災が感知されたとき、火災報知設備100の火災受信機300から送信される表示命令を、通信部450を介して受信する。表示命令には、上記したように、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像を表す映像信号、施設識別情報(例えば、施設名)、当該施設の位置情報(住所)、火災を感知した火災感知器200の場所情報、火災感知日時等が含まれる。受信部411は、受信した映像信号及び各情報を表示制御部412に送り、表示制御部412は、表示部430を制御して受信部411から受信した映像信号及び各情報に基づいた表示を行う。受信部411は、本発明に係る位置情報取得手段、設置場所情報取得手段の一例に相当する。
【0038】
図7は、火災受信機300からの表示命令に基づいて携帯電話400の表示部430に表示される画面の一例を示す模式図である。図7に示すように、表示部430の表示画面は、情報表示エリア431、映像表示エリア432、及び操作エリア433の3つのエリアに分けられている。最上段の情報表示エリア431には、表示命令に含まれる火災が感知された施設名、当該施設の住所、感知器の設置場所(部屋番号)、火災感知日時が表示される。中央の映像表示エリア432には、火災を感知したカメラ付火災感知器200のカメラ250により撮影された映像が表示される。最下段の操作エリア433には、通報操作を示す表示が表示される。本例において、通報操作を示す表示は、「通報」の文字を含むソフトウェアボタン434である。ここで、ソフトウェアボタンとは、表示部430に表示される画像であり、例えばタッチパッド441により検出されるユーザによるタッチ操作により選択される。ユーザ操作によりソフトウェアボタンが選択されると、制御部410は、そのソフトウェアボタンに割り当てられた指示(「通報」ソフトウェアボタンの場合、通報動作の指示)がユーザによりなされたと解釈する。
【0039】
また、操作エリア433には、撮影した映像が映像表示エリア432に表示されたカメラ付火災感知器200のカメラ250を操作するための矢印ボタン435が表示される。携帯電話400のユーザが矢印ボタン435をタッチすると、それに応じた操作信号が、携帯電話400から通信網NWを介して火災報知設備100の火災受信機300に送信され、火災受信機300では、携帯電話400から受信した操作信号に基づいて、携帯電話400に映像が表示されているカメラ250に対応した回動部260を操作する。これにより、ユーザがタッチした矢印ボタン435に応じた方向にカメラ250の向きが移動される。
【0040】
図6を再度参照すると、受信部411は、通信部450を介して受信した表示命令に含まれる情報のうち、施設識別情報を通報先情報取得部413に供給する。通報先情報取得部413は、記憶部420を参照し、記憶部420に施設識別情報に関連付けて予め記憶された通報先の情報を取得する。通報先の情報は、例えば、施設が位置するエリアを管轄する消防機関500の電話番号や電子メールアドレス(単にメールアドレスと言うこともある)である。通報先情報取得部413は、取得した通報先の情報を通報部414に送る。尚、記憶部420に予め格納された施設識別情報に対応する連絡先の情報は、携帯電話400のユーザが設定/変更してよい。
【0041】
また、受信部411は、通信部450を介して受信した表示命令に含まれる情報のうち、施設名、施設の位置情報(住所)、火災を感知した火災感知器200の場所情報、火災感知日時を音声合成部415に送る。音声合成部は、受信部411から受信したこれらの情報を音声により表す音声信号を生成し、通報部414に供給する。
【0042】
操作特定部416は、操作部440からの操作信号を受信し、表示部430に表示された通報操作を示す表示に基づいた操作がユーザによってなされたか否かを判定する。通報操作を示す表示がユーザによってなされたと判定される場合、操作特定部416は、そのことを示す情報を通報部414に送る。図7に示した例では、通報操作を示す表示は「通報」ソフトウェアボタン434であるので、操作特定部416は、ユーザにより「通報」ソフトウェアボタン434のタッチ操作がなされたと判定される場合、通報操作を示す表示に基づいた操作がなされたと判定し、そのことを示す情報を通報部414に送る。
【0043】
通報部414は、通報操作を示す表示に基づく操作がユーザによってなされたことを示す情報を操作特定部416から受け取ると、通信部450を制御して、通報先情報取得部413により取得された通報先情報に基づいて通報動作を行う。例えば、通報先の情報が通報先の電話番号である場合、通報部414は通報動作として当該電話番号に電話をかける。また、通報先に電話がつながると、通報部414は、音声合成部415により生成された音声信号を電話回線を通じて通報先に送信する。通報先では、受信した音声信号に基づき音を再生することにより、いつどこで火災が発生したかを把握し、適切な行動を取ることができる。
【0044】
図8は、火災感知時の携帯電話400の動作を示すフローチャートである。カメラ付火災感知器200のいずれかにより火災が感知されると、火災受信機300の制御部310から、カメラ付火災感知器200のカメラ250により得られた映像信号を含む表示命令が携帯電話400に送られ、当該表示命令は携帯電話400の受信部411により受信される(ステップS1)。表示命令が受信されると、携帯電話400の表示制御部412は、受信した表示命令に含まれる映像信号に基づく映像を表示部430に表示させる(ステップS2)。このとき、表示部430には、カメラ250により撮影された映像の表示とともに、通報操作を示す表示(例えば、図7の「通報」ソフトウェアボタン)が表示される。
【0045】
ステップS3において、携帯電話400の操作特定部416は、表示部430に表示された通報操作を示す表示に基づく通報操作がなされたか判定する。当該通報操作がなされたと判定された場合(ステップS3:YES)、ステップS4に進み、そうでない場合(ステップS3:NO)、当該通報操作がなされるのを待つ。
【0046】
ステップS4では、通報先情報取得部413が、受信部411が受信した表示命令に含まれる施設識別情報に対応する通報先の情報を取得する。ステップS5では、ステップS4で取得した通報先の情報に基づいて、通報部414が通報動作を行う。尚、通報動作を行ったときに表示部430に表示されていた画像を、記憶部420に格納してもよい。これにより、後に、通報がなされたときの現場の様子を確認することができる。
【0047】
上述したように、本実施形態の携帯電話400は、監視対象の施設に設置されたカメラ付火災感知器200により(予報レベルまたは火災警報レベルの)火災が感知されたとき、カメラ付火災感知器200により撮影された映像を表す映像信号を受信し、当該映像と共に通報操作を示す表示を表示部430に表示させる。また、操作部440に対して通報操作を示す表示に従った操作がなされるのに応じて予め設定された通報動作を行う。従って、火災の通知を受けた携帯電話400のユーザは、急な火災の発生に気が動転していても、通報操作を示す表示に従った操作を行うことで簡単に通報を行うことができる。また、携帯電話400は、火災を感知したカメラ付火災感知器200が設置された施設に対応した連絡先の情報に基づいて通報動作を行うので、携帯電話400のユーザが施設から離れた所(例えば、別の県など)にいる場合でも、施設の火災に対処するのに最も適した通報先(例えば、施設が属するエリアの管轄の消防機関500)に通報することができる。
【0048】
[変形例]
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0049】
(変形例1)
上述した実施形態では、監視対象の施設は一つであった。しかしながら、本発明はこれに限定されない。監視対象の施設は複数あってもよい。また、これら複数の監視対象施設は、異なる消防機関の管轄にあってもよい。
【0050】
図9は、変形例1に係る火災通報システム1の構成を示すシステム図である。図9に示した火災通報システム1は、監視対象の施設が2つあり、それぞれに設置された火災報知設備100A、100Bを有する点が図1に示した火災通報システム1と異なる。また、図9に示す火災通報システム1では、火災報知設備100Aが設置された施設は消防機関500Aの管轄にあり、火災報知設備100Bが設置された施設は消防機関500Bの管轄にあるものとする。即ち、火災報知設備100Aが設置された施設と火災報知設備100Bが設置された施設とで、火災発生時の適切な通報先が異なる。この場合、携帯電話400は、監視対象の各施設毎に通報先の情報を格納した通報先情報管理テーブルTB1を記憶部420に格納しておくとよい。
【0051】
図10は、通報先情報管理テーブルTB1の一例を示す模式図である。この例では、火災報知設備100Aが設置された施設を「AAAAA」とし、火災報知設備100Bが設置された施設を「BBBBB」とする。図10に示すように、施設「AAAAA」と施設「BBBBB」のそれぞれに番号「No.」が割り当てられ、また、通報先情報として、「通報先電話番号」、「通報先メールアドレス」、「通報先URL」が設定されている。「通報先URL」は、通報先のコンピュータ装置(データセンターなど)にデータ伝送により火災通報を行う際に用いられる。通報先に、コンピュータ装置がなく電話機しかない場合は、「通報先メールアドレス」及び「通報先URL」の欄は空欄でよい。
【0052】
施設「AAAAA」または施設「BBBBB」に設置されたカメラ付火災感知器200により火災が感知されると、携帯電話400は、火災報知設備100Aまたは火災報知設備100Bの火災受信機300から、火災を感知したカメラ付火災感知器200により取得された映像信号を含む表示命令を受信する。上述したように、この表示命令には、火災を感知した火災感知器200が設置された施設を識別する施設識別情報(例えば、施設名)が含まれているので、携帯電話400の通知先情報取得部413は、施設識別情報を用いて記憶部420に格納された通報先情報管理テーブルTB1を参照して、施設識別情報に対応付けられた通報先情報を取得する。これにより、監視対象の施設が複数ある場合でも、携帯電話400のユーザは、火災が感知された施設に対応した適切な通報先に通報することができる。
【0053】
尚、通報先情報管理テーブルTB1は、携帯電話400の記憶部420以外の場所に格納されてもよい。例えば、通信網NWに接続されたサーバ装置(図示せず)に格納し、携帯電話400は、このサーバ装置に施設識別情報を送信して通信先情報をリクエストし、その応答として、施設識別情報に対応付けられた通報先の情報をサーバ装置から取得してもよい。あるいは、火災報知設備100Aの火災受信機300の記憶部320に施設「AAAAA」に対応する通報先情報を格納し、火災報知設備100Bの火災受信機300の記憶部320に施設「BBBBB」に対応する通報先情報を格納するというように、通報先情報管理テーブルTB1の内容を分割して格納してもよい。その場合、カメラ付火災感知器200により火災が感知されたとき、火災受信機300は、当該カメラ付火災感知器200が設置された施設に対応する通報先情報を記憶部320に格納されたデータから抽出して、表示命令と共に(あるいは、表示命令に含めて)携帯電話400に送信する。携帯電話400の受信部411は受信した通報先情報を通報部414に送る。従って、この場合、受信部411が通報先情報取得手段として働く。
【0054】
尚、図9に示した例では、監視対象の施設は2つであるが、監視対象の施設の数は2より多くてもよく、特に限定されない。
【0055】
(変形例2)
上述した実施形態では、火災報知設備100(火災受信機300)は1台の携帯電話400に火災が感知されたことの通報(カメラ付火災感知器200で撮影された映像の送信)を行ったが、本発明はこれに限定されない。複数台の携帯電話400にカメラ付火災感知器200で撮影された映像の送信を行ってもよい。また、カメラ付火災感知器200で撮影された映像が送信される端末装置は、携帯電話に限らず、タブレット型端末やノートパソコンなどの携帯電話以外のモバイル端末であってもよい。あるいは、端末装置は据え置き型のコンピュータ装置であってもよい。火災受信機300から送信されるカメラ付火災感知器200で撮影された映像を表示できればよい。尚、端末装置が電話機能を有さない場合、ユーザにより通報動作が指示されると、端末装置は電子メールやその他のデータ伝送により通報を行えばよい。電子メールやデータ伝送により火災通報を行う場合、携帯電話400は、火災受信機300から送られてきた映像信号を通報先に転送してもよい。あるいは、通報時に表示部430に表示されている画像(静止画)を送信してもよい。
【0056】
(変形例3)
上記実施形態では、異常感知器としてカメラ付火災感知器200を用いたが、本発明はこれに限定されない。カメラ250を火災感知器とは別体としてもよく、要は、火災感知器が設置されたエリアをカメラ250で撮影できるようにカメラ250が火災感知器に関連付けて設置されていればよい。
【0057】
また、異常感知器は、例えばガス感知器や不法侵入感知器のような火災感知器以外の感知器でもよい。
【0058】
(変形例4)
上記実施形態では、携帯電話400の表示部430に、火災を感知したカメラ付火災感知器200により撮影された映像と共に表示される通報操作を示す表示として、「通報」ソフトウェアボタンを表示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯電話400がテンキーなどのハードキーを備えている場合、「テンキーをどれでも押せば通報します」といった通報操作の案内の表示であってもよい。
【0059】
(変形例5)
上記実施形態では、携帯電話400の通報部414は、通報動作として、通報先の電話番号に電話をかけ、通報先に電話がつながると、音声合成部415により生成された音声信号を電話回線を通じて通報先に送信した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、音声信号の送信を行わなくてもよい。その場合、携帯電話400のユーザが火災の発生日時、場所等を説明する。このとき、携帯電話400の表示部430に、火災発生日時、火災が発生した施設の名称及び住所、火災を感知した感知器200の設置場所等の情報が表示されていると、ユーザによる説明が容易になる。また、電話によらず、電子メールの送信あるいは他のインターネットを介したデータ伝送により火災の発生日時、場所等を送信し、通報を行ってもよい。
【0060】
(変形例6)
上記実施形態では、監視対象となる施設の施設名及び当該施設の位置を示す位置情報を示す場所情報を、火災受信機300の記憶部320に格納しておき、火災が感知されたとき、これら情報を表示命令に含ませて携帯電話400に送信した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示した管理テーブルTB1において各施設に対応付けられた番号を施設識別情報として、火災受信機300から携帯電話400に送信し、携帯電話400では、受信した施設識別情報からテーブルTB1を参照して施設名を取得してもよい。また、管理テーブルTB1に、施設の位置情報の欄を設け、施設識別情報(「No.」)に対応付けて位置情報を格納しておけば、携帯電話400側で、火災受信機300から送られてくる施設識別情報を用いて管理テーブルTB1を参照し、施設の位置情報を取得することができる。
【0061】
カメラ付火災感知器200の設置場所(警戒区域)を示す場所情報についても同様である。即ち、火災報知設備100の各カメラ付火災感知器200の場所情報を、各カメラ付火災感知器200の識別情報に関連付けて携帯電話400の記憶部420に格納しておき、火災感知時、火災受信機300から火災を感知したカメラ付火災感知器200の識別情報を携帯電話400に送り、携帯電話400側で記憶部420を参照し、受信した識別情報に対応付けられたカメラ付火災感知器200の場所情報を取得してもよい。
【0062】
(変形例7)
制御部410の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、携帯電話等の端末装置にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードして端末装置にインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…火災通報システム1、100、100A、100B…火災報知設備、150…信号線、200…カメラ付火災感知器、210…制御部、220…火災感知部、230…アドレス設定部、240…通信部、250…カメラ、260…回動部、270…バス、300…火災受信機、310…制御部、320…記憶部、330…表示部、340…操作部、350…第1通信部、360…第2通信部、370…バス、400…携帯電話、410…制御部、411…受信部、412…表示制御部、413…通報先情報取得部、414…通報部、415…音声合成部、416…操作特定部、420…記憶部、430…表示部、431…情報表示エリア、432…映像表示エリア、433…操作エリア、434…ソフトウェアボタン、435…矢印ボタン、440…操作部、450…通信部、460…マイクロフォン、470…スピーカ、480…バス、500、500A、500B…消防機関、NW…通信網、TB1…通報先情報管理テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、
前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、
前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段と
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記異常を感知した異常感知器が設置された施設に対応した通報先の情報を取得する通報先情報取得手段を更に有し、
前記通報手段は、前記通報先取得手段により取得された通報先の情報に基づいて前記通報動作を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記映像信号と共に前記施設の位置情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
異常を感知した前記異常感知器の前記施設における設置場所を示す設置場所情報を取得する設置場所情報取得手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記映像信号及び前記位置情報に加えて、前記設置場所情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記通報先情報取得手段は、前記通報先の情報として前記通報先の電話番号を取得し、
前記通報手段は前記通報動作として前記通報先情報取得手段により取得された電話番号に電話をかけ、
当該端末装置は、
前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記通報先に電話がつながった後、電話回線を介して前記施設の位置情報を音声信号により伝達する音声合成手段と
を更に有することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示手段により表示される前記通報操作を示す表示はソフトウェアボタンの表示であり、
前記通報操作は前記ソフトウェアボタンの選択操作である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
監視対象の施設に設置された異常感知器と当該異常感知器に関連付けられたカメラとを有する異常監視設備と、前記異常監視設備と通信可能な端末装置とを有する異常通報システムであって、
前記端末装置は、
前記異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、
前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、
前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段と
を有することを特徴とする異常通報システム。
【請求項8】
コンピュータを、
監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、
前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、
前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、
前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、
前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段と
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記異常を感知した異常感知器が設置された施設に対応した通報先の情報を取得する通報先情報取得手段を更に有し、
前記通報手段は、前記通報先取得手段により取得された通報先の情報に基づいて前記通報動作を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記映像信号と共に前記施設の位置情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
異常を感知した前記異常感知器の前記施設における設置場所を示す設置場所情報を取得する設置場所情報取得手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記映像信号及び前記位置情報に加えて、前記設置場所情報を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記通報先情報取得手段は、前記通報先の情報として前記通報先の電話番号を取得し、
前記通報手段は前記通報動作として前記通報先情報取得手段により取得された電話番号に電話をかけ、
当該端末装置は、
前記施設の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記通報先に電話がつながった後、電話回線を介して前記施設の位置情報を音声信号により伝達する音声合成手段と
を更に有することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示手段により表示される前記通報操作を示す表示はソフトウェアボタンの表示であり、
前記通報操作は前記ソフトウェアボタンの選択操作である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
監視対象の施設に設置された異常感知器と当該異常感知器に関連付けられたカメラとを有する異常監視設備と、前記異常監視設備と通信可能な端末装置とを有する異常通報システムであって、
前記端末装置は、
前記異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、
前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、
前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段と
を有することを特徴とする異常通報システム。
【請求項8】
コンピュータを、
監視対象の施設に設置された異常感知器により異常が感知されたとき、当該異常感知器に関連付けられたカメラにより撮影された映像を表す映像信号を受信する受信手段と、
前記映像信号によって表される映像と共に通報操作を示す表示を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより操作される操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことを特定する操作特定手段と、
前記操作手段に対し前記通報操作を示す表示に従った操作がなされたことが前記操作特定手段によって特定されるのに応じて、予め設定された通報先への通報動作を行う通報手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−89092(P2013−89092A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230192(P2011−230192)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】
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