説明

端末装置及びプログラム

【課題】外部音声出力装置に対して音声を出力中に外部音声出力装置との接続が外れた場合に、当該端末装置本体が備える音声出力装置に対する音声の出力を抑制するか否かを、その状況に応じて適切に制御できるようにする。
【解決手段】中央制御部11は、ヘッドホン10に対して音声出力中に当該ヘッドホン10との接続が外れたことが検出された場合に、制御条件を満たすか否かの判別結果に基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御する。すなわち、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない状況であれば音声の出力を抑制し、適する状況であれば音声の出力を抑制しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツを再生する再生手段を備えた端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機などの端末装置には、例えば、テレビ番組やラジオ番組を受信して再生出力する機能、記録された動画や音楽を再生出力する機能、緊急状態であることを周囲に報知するための警報音を再生出力する機能などのように、コンテンツを再生する様々な機能(アプリケーションプログラム)が搭載されている。また、端末装置は、例えば、イヤホンやヘッドホンなどのように、音声を出力するための外部音声出力装置が接続可能になっていて、外部音声出力装置が接続されている場合には外部音声出力装置に対して音声を出力し、外部音声出力装置が接続されていない場合には端末装置本体が備える音声出力装置(例えば、サウンドスピーカ)に対して音声を出力するようになっている。
【0003】
このような端末装置においては、外部音声出力装置に対して音声を出力中に、誤って外部音声出力装置との接続が外れてしまうと、その出力先が外部音声出力装置から音声出力装置に切り替わって、突然、音声出力装置から大音量の音声が出力されることは、周囲に迷惑をかけてしまうことになる。
そこで、従来では、音声信号出力装置において音声信号の出力先として外部出力と内部出力との切り替え時に、音量を所定時間減衰させるようにした技術が開示されている。このように音量を所定時間減衰させることによって、ユーザの予想外の音量で音声が出力されて周囲に迷惑をかけることを防止できるようになる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−134831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、外部音声出力装置から音声出力装置に切り替えて音声を出力した場合に、必ずしも周囲に迷惑をかけるとは限らず、周囲に迷惑をかけるような状況でない場合にも、音声出力装置に対する音声出力を抑制することは、ユーザに対する利便性を大きく損なってしまう。例えば、ユーザが意図的に外部音声出力装置を外したときでも、音声出力装置に対する音声出力を抑制してしまうと、音が小さすぎて聴き辛かったり、聴き逃してしまったりすることになる。
【0005】
この発明の課題は、外部音声出力装置に対して音声を出力中に外部音声出力装置との接続が外れた場合に、当該端末装置本体が備える音声出力装置に対する音声の出力を抑制するか否かを、その状況に応じて適切に制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、コンテンツを再生する再生手段を備えた端末装置であって、外部音声出力装置との接続を検出する接続検出手段と、この検出手段によって接続が検出された外部音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する第1出力手段と、当該端末装置本体が備える音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する第2出力手段と、この第2出力手段による音声出力装置への音声の出力を抑制するか否かを制御するための制御条件を満たすか否かを判別する条件判別手段と、前記第1出力手段による外部音声出力装置に対して音声出力中に、前記検出手段によって当該外部音声出力装置との接続が外れたことが検出された場合に、前記条件判別手段による判別結果に基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段によって音声出力装置に対する音声出力を抑制する場合に、前記再生手段でのコンテンツの再生を停止する停止手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段によって音声出力装置に対する音声出力を抑制している状態において、前記条件判別手段による判別結果に基づいて、当該音声出力装置への音声出力の抑制を解除する解除手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、所定の交通機関を利用中か否かを判別し、前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、所定の交通機関を利用中か否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、コンテンツを再生するための所定のアプリケーションプログラムが動作中か否かを判別し、前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、所定のアプリケーションプログラムが動作中か否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、所定の動作モードに設定されているか否かを判別し、前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、所定の動作モードに設定されているか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、周囲の音量が所定の音量条件を満たすか否かを判別し、前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、周囲の音量が所定の音量条件を満たすか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、現在時刻が所定の時刻条件を満たすか否かを判別し、前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、現在時刻が所定の時刻条件を満たすか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、端末装置の位置を示す位置情報が所定の位置条件を満たすか否かを判別し、前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、端末装置の位置を示す位置情報が所定の位置条件を満たすか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
また、上述した課題を解決するために請求項10記載の発明は、コンピュータに対して、コンテンツを再生する機能と、外部音声出力装置との接続を検出する機能と、前記接続が検出された外部音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する機能と、端末装置本体が備える音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する機能と、前記音声出力装置への音声の出力を抑制するか否かを制御するための制御条件を満たすか否かを判別する機能と、前記外部音声出力装置に対して音声出力中に、前記外部音声出力装置との接続が外れたことが検出された場合に、前記判別結果に基づいて前記音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する機能と、を実現させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、外部音声出力装置に対して音声を出力中に外部音声出力装置との接続が外れたような場合に、端末装置本体が備える音声出力装置に対する音声の出力を抑制するか否かを、その状況に応じて適切に制御することによって、音声出力装置に対する音声の出力に適さない状況であれば音声の出力を抑制し、適する状況であれば音声の出力を抑制しないようにすることができ、周囲への迷惑防止と共にユーザに対する利便性を確保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図20を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、デジタルテレビ放送(例えば、ワンセグ地上デジタルテレビ放送)を受信可能なテレビ放送受信機能、デジタルラジオ放送(例えば、サンセグ地上デジタルラジオ放送)を受信可能なラジオ放送受信機能、近距離通信機能などが備えられている。この近距離通信機能は、外部装置(車載装置、公共交通機関装置)との間でICカード通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信などの非接触タイプや接触タイプの近距離通信を行うものである。なお、電車、バス、飛行機などの公共交通機関の利用時にはICカード通信によって乗車券処理を行うようにしている。
【0018】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機1との間で通話可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となり、また、コンテンツ配信装置4から音楽・映画などのコンテンツをインターネット3、無線通信網2を介してダウンロード可能となる。また、携帯電話機1は、テレビ局・ラジオ局5から送信アンテナ6を介して発信された地上波デジタル放送を受信するようにしているが、インターネットラジオのように無線通信網2、インターネット3を介してテレビ・ラジオ番組情報サーバ(図示せず)からデジタル放送をダウンロード受信することもできる。
【0019】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2Aを介して位置登録を行ったり、現在位置を取得したりするときにGPS(Global Positioning System)衛星7を利用するようにしている。また、携帯電話機1は、自家用車に搭載されている車載装置8に直接接続、あるいは近距離通信を介して接続可能となっている。この車載装置8は、自家用車に搭載されているハンズフリーキット(携帯電話機1に接続して利用可能なスピーカ及びマイクのセット)、カーナビ(カー・ナビゲーション・システム)、車内に居ることを認識するための信号を発信する信号発信装置である。
【0020】
また、携帯電話機1は、公共交通機関装置9との間で近距離通信が可能となっている。この公共交通機関装置9は、電車、バス、飛行機などの交通機関の改札口に設置されている改札装置、電車、バス、飛行機などに乗っていることを認識するための信号を発信する信号発信装置である。また、携帯電話機1は、例えば、スピーカハウジング形状が密閉型のヘッドホン(外部音声出力装置)10が接続可能となっている。なお、“音声”とは、テレビ放送、ラジオ放送、音楽コンテンツなどの音や声のほか、警報音などの音も含むことを意味している(以下、同様)。
【0021】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。この記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2、コンテンツ記憶部M3、動作モード情報記憶部M4、利用履歴記憶部M5、制御条件記憶部M6などが設けられている。
【0022】
プログラム記憶部M1は、図7〜図20に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、後述する緊急報知音など、本実施形態を実現するためのデータも記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、画面情報、フラグ情報、タイマ情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。なお、コンテンツ記憶部M3、動作モード情報記憶部M4、利用履歴記憶部M5、制御条件記憶部M6については後で詳述するものとする。
【0023】
無線通信部14は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部15を介して送話スピーカSPから音声出力させ、また、受話マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。GPS受信部16は、GPS衛星7からGPS情報を受信取得するもので、中央制御部11は、GPS受信部16から受信した信号に基づいて位置登録を行ったり、現在位置を算出取得したりする。
【0024】
放送受信部17は、テレビ放送受信部とラジオ放送受信部とを有し、それらを個別に起動可能なもので、通信端末装置向けの地上波デジタルテレビ放送、地上波デジタルラジオ放送と共に、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能となっている。この放送受信部17は、放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。近距離通信部18は、外部装置としての車載装置8や公共交通機関装置9との間で通信を行うもので、電車、バス、飛行機、自家用車などに乗っていることを認識するための信号を受信したり、公共交通機関装置9である改札装置との間で通信を行ったりする。
【0025】
表示部19は、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用し、例えば、文字情報、待受画像、テレビ映像などを表示させる。操作部20は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、この操作部20からの入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)21は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC21から現在日時を取得する。報知部22は、サウンドスピーカ23、LED(発光ダイオード)24、振動モータ25を備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時などでも駆動される。サウンドスピーカ23は、この携帯電話機本体(端末装置本体)が備える音声出力装置であり、音楽コンテンツなどを再生出力したり、テレビ放送やラジオ放送などの録音内容を再生出力したりする。外部機器接続部26は、上述のハンズフリーキットやカーナビが有線接続されるコネクタ部である。
【0026】
ヘッドホン接続部27は、上述のヘッドホン(外部音声出力装置)10が有線接続されるコネクタ部であり、コンテンツの音声出力中にヘッドホン10が接続されたり、外されたりしたことを検出するもので、この検出結果に応じて中央制御部11は音声の出力先をサウンドスピーカ23からヘッドホン10、あるいはヘッドホン10からサウンドスピーカ23に切り替えるようにしている。また、中央制御部11は、ヘッドホン10に対してコンテンツを音声出力している音声出力中においてヘッドホン接続部27からヘッドホン10が外れたことが検出されると、後述する制御条件を満たすか否かの判別結果に基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしている。周囲音量検出部28は、周囲の騒音レベルを検出するもので、中央制御部11は、上述した制御条件の一つとして周囲の騒音レベルを取得し、周囲の騒音レベルが高ければ、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制しないようにしている。
【0027】
図3は、コンテンツ記憶部M3を説明するための図である。
コンテンツ記憶部M3は、コンテンツ配信装置4からダウンロードした音楽・動画などを記憶したり、記録(録画、録音)したテレビ番組、ラジオ番組を記憶したりするもので、「ID」、「種別」、「記録日時」、「関連情報」、「実データ」、「一時停止フラグ」の各項目を有している。「ID」はコンテンツを識別する一連Noを記憶する項目、また、「種別」はコンテンツの種類を示す情報として、例えば、音楽、動画、録画されたテレビ番組、録音されたラジオ番組などを記憶する項目、「記録日時」はコンテンツを記録した日時を記憶する項目である。
【0028】
「関連情報」はコンテンツに関連する情報として、音楽であれば、曲名、歌手名など、録画されたテレビ番組であれば、番組名、放送日時、チャンネル番号、出演者などを記憶する項目である。「実データ」は実際のコンテンツデータを記憶する項目である。「一時停止フラグ」はコンテンツの再生を一時停止していることを示すフラグを記憶する項目である。中央制御部11は、コンテンツの再生中にヘッドホン10の接続が外れたことによってサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制する場合に、コンテンツの再生を一時停止すると共に、「一時停止フラグ」をオンするようにしている。
【0029】
図4は、動作モード情報記憶部M4を説明するための図である。
動作モード情報記憶部M4は、上述した制御条件の一つである動作モードを記憶するもので、「ID」、「内容」、「設定フラグ」の各項目を有している。「ID」は動作モードを識別する一連Noを記憶する項目、また、「内容」は上述の制御条件としての動作モードを記憶する項目で、例えば、“通常モード”、“緊急モード”、“電波オフモード”、“省電力モード”などが設定されている。「設定フラグ」はユーザ操作によって現在有効な動作モードが選択的に設定されたもので、その値が“1”のときには現在有効な動作モードであることを示している。
【0030】
ここで、「緊急モード」は、通常の動作に加えて、定期的に自らの位置情報を取得して特定の相手に送信する動作を行い、特定の相手からの着信を最優先にする動作モードで、ユーザ操作によって任意に設定されたものである。なお、緊急番号(110、119など)に発信した場合に自動で「緊急モード」に設定されるようにしてもよい。「電波オフモード」は、基地局との通信を禁止するモードで、それ以外の通信、つまり、GPS衛星7、送信アンテナ6、公共交通機関装置9である改札装置、自家用車用の車載装置8との通信は、「電波オフモード」では制限しないようにしている。
【0031】
この「電波オフモード」は、ユーザ操作によって任意に設定されたものであるが、公共交通機関の利用が検出された場合には自動で設定するようにしてもよい。「省電力モード」は、基地局との通信間隔を長くしたり、音量を下げたり、表示部の明るさを暗くすることによって電力消費を抑制するモードで、ユーザ操作によって任意に設定されたものである。なお、通常モード以外のモードは、動作に矛盾が無い限り、例えば、電波オフモードと省電力モードなどのように複数の動作モードを現在有効なモードとして設定するようにしてもよい。なお、「通常モード」は、上述した“緊急モード”、“電波オフモード”、“省電力モード”などの特殊モード以外の動作モードである。
【0032】
図5は、利用履歴記憶部M5を説明するための図である。
利用履歴記憶部M5は、自家用車、公共交通機関(電車、バス、飛行機など)の利用状況をその利用履歴として記憶するもので、「ID」、「種別」、「利用日時」、「利用料金」、「残高」、「関連情報」、「利用中フラグ」の各項目を有している。「ID」は交通機関の利用状況を識別する一連Noを記憶する項目、また、「種別」は交通機関の種類を示す情報として自家用車、電車、バスなどを記憶する項目である。「利用日時」は交通機関を利用した日時(利用開始日時と利用終了日時)を記憶する項目である。
【0033】
「利用料金」は交通機関の利用時の支払い金額を記憶する項目であるが、自家用車を利用した場合に「利用料金」の記憶は不要でなる。「残高」は交通機関の料金精算処理を行う乗車券機能にチャージされている電子マネーの残高で、公共交通機関を利用する毎に、中央制御部11は「残高」から「利用料金」を減額する残高更新処理を行う。「関連情報」は、例えば、電車であれば、利用開始駅、利用終了駅、路線名など、飛行機であれば、利用開始空港、利用終了空港、便名など、交通機関に関連する情報を記憶する項目である。「利用中フラグ」は交通機関を利用中であることを示すフラグで、利用中であればオンされてその値は“1”となる。
【0034】
図6は、制御条件記憶部M6を説明するための図である。
制御条件記憶部M6は、ヘッドホン10への音声出力中にヘッドホン10の接続が外れたときに、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するための制御条件を記憶するもので、「ID」、「項目」、「内容」、「設定フラグ」の各項目を有している。「ID」は制御条件を識別する一連No記憶する項目である。また、「項目」は条件項目として、例えば、“交通機関”、“アプリケーション”、“動作モード”、“周囲音量”、“日時”、“位置”などを記憶する項目である。
【0035】
「内容」は項目の具体的な内容を示している。例えば、制御条件の「内容」“電車、抑制する”は、電車の利用中にヘッドホン10の接続が外れたときにはサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するが、電車を利用していなければ、その音声出力を抑制しないことを意味している。また、“自家用車、抑制しない”は、自家用車の利用中ヘッドホン10の接続が外れてもサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制しないが、自家用車を利用していなければ、その音声出力を抑制することを意味している。このことは、他の「項目」の“アプリケーション”、“動作モード”、“周囲音量”、“日時”、“位置”などであっても同様である。
【0036】
すなわち、「項目」が“アプリケーション”で「内容」が“緊急報知アプリ(アプリケーション)、抑制しない”は、緊急報知アプリの動作中にヘッドホン10の接続が外れたとしてもサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制しないが、それ以外では抑制することを意味している。また、「項目」が“日時”で「内容」が“23:00〜5:00”は、深夜から明朝の時間帯でヘッドホン10の接続が外れたらサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するが、それ以外の時間帯で外れたとしても抑制しないことを意味している。
【0037】
「設定フラグ」は、ユーザ操作によって現在有効な制御条件を選択的に設定するもので、その値が“1”のときには現在有効な制御条件であることを示している。なお、制御条件記憶部M6には抑制条件として、“抑制する”ための条件のみを設定するようにしてもよいし、“抑制しない”ための条件のみを設定するようにしてもよい。また、“抑制する”ための条件と、“抑制しない”ための条件の両方を満たしたときには、抑制するかしないかを予め決めておくようにしてもよいし、条件の優先順位を決めておいて、より優先順位の高い条件の内容に従うようにしてもよい。
【0038】
次に、この実施形態における携帯電話機1の動作概念を図7〜図20に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0039】
図7は、携帯電話機1の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、電源供給を開始させて所定のメモリなどを初期化する電源オン処理を実行したのち、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行う(ステップA2)。そして、操作部20をアクセスして操作有無をチェックし、情報設定を指示する設定操作が行われたかを調べる(ステップA3)。いま、設定操作が行われると、その設定操作に応じた設定処理として、例えば、動作モード情報記憶部M4、制御条件記憶部M6に対してその「設定フラグ」などを設定する処理を行う(ステップA4)。その後、上述のステップA3に戻る。
【0040】
また、公共交通機関装置9と近距離通信部18との間で交通機関の利用が検出されると(ステップA5でYES)、その利用処理を実行したのち(ステップA6)、上述のステップA3に戻る。この利用処理は、後で詳述するが、交通機関の利用に応じて料金精算や利用履歴の記憶などを行う処理である。また、コンテンツの再生を指示する操作が行われると(ステップA7でYES)、その再生処理を実行したのち(ステップA8)、上述のステップA3に戻る。この再生処理は、後で詳述するが、コンテンツの再生出力を開始したのち、ヘッドホン10が接続されているか否かに応じてその出力先を切り替える処理である。
【0041】
また、ヘッドホン10が接続されたこと、又は外れたことが検出されると(ステップA9でYES)、それに応答してヘッドホン処理を実行したのち(ステップA10)、上述のステップA3に戻る。このヘッドホン処理は、後で詳述するが、ヘッドホン10に対してコンテンツを音声出力している音声出力中にヘッドホン10の接続が外れたときに、上述した制御条件を満たすか否かの判別結果に基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御したり、サウンドスピーカ23に対する音声出力の抑制中にヘッドホン10が接続されたときにその抑制を解除したりする処理である。
【0042】
また、サウンドスピーカ23に対する音声出力の抑制中にその抑制を解除する解除タイマ(図示せず)がタイムアウトとなると(ステップA11でYES)、その解除処理を実行したのち(ステップA12)、上述のステップA3に戻る。この解除タイマは、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制している状態で、その抑制を解除するためのタイミング(例えば、1分あるいは5分など)を測定するタイマである。また、解除処理は、サウンドスピーカ23に対する音声出力の抑制中にヘッドホン10が接続されなくても、その抑制をしている状態で解除タイマがタイムアウトとなった際にその抑制を解除するための処理である。
【0043】
また、着信を検出すると(ステップA13でYES)、通話履歴の記憶あるいは受信メールを記憶する着信処理を実行すると共に(ステップA14)、通話処理を実行したり、あるいは受信メールの内容を表示する表示処理を実行したのち(ステップA15)、上述のステップA3に戻る。また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA16でYES)、電源オフ処理を実行して(ステップA17)、このフローの終了となるが、その他の操作が行われたときには(ステップA18でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、テレビ番組とラジオ番組の記録(録画と録音)、コンテンツのダウンロード、緊急報知アプリ、テレビ再生アプリ、ラジオ再生アプリ、その他の再生アプリの終了、通話の発信、メールの発信などを行う(ステップA19)。
【0044】
次に、図8のフローチャートに従って上述した利用処理(図7のステップA6)を詳述する。
先ず、中央制御部11は、交通機関の利用検出が、利用開始の検出なのか、利用終了の検出なのかを判別する(ステップB1)。ここで、利用開始の検出とは、公共交通機関装置9との通信によって入札が検出されたとき、自家用車の車載装置(ハンズフリーキットやカーナビなど)に携帯電話機1が接続されたことが検出されたとき、電車、バス、飛行機、自家用車の中で発信されている信号を受信したことが検出されたときである。なお、車載装置によって高速移動が検出されたときであってもよい。
【0045】
いま、利用開始が検出された場合(ステップB1でYES)、利用開始時に精算する料金システムであれば、この時点で料金精算処理を実行する(ステップB2)。なお、自家用車利用時にはこの料金精算処理はスキップされる。次に、利用履歴記憶部M5に「種別」、「利用日時(利用開始日時)」などのように利用開始時に取得可能な各情報を記憶したのち(ステップB3)、「利用中フラグ」を“1”とする(ステップB4)。
【0046】
また、利用終了の検出とは、公共交通機関装置9との通信によって出札が検出されたとき、自家用車の車載装置(ハンズフリーキットやカーナビなど)から携帯電話機1が外されたことが検出されたとき、電車、バス、飛行機、自家用車の中で発信されている信号を受信できなくなったことが検出されたときである。いま、公共交通機関装置9の利用検出が、利用終了の検出である場合に(ステップB1でNO)、利用終了時に精算する料金システムであれば、この時点で料金精算処理を実行する(ステップB5)。なお、自家用車利用時にはこの精算処理はスキップされる。次に、利用履歴記憶部M5に「利用日時(利用終了日時)」などのように利用終了時に取得可能な情報を記憶したのち(ステップB6)、「利用中フラグ」を“0”とする(ステップB7)。
【0047】
このように交通機関装置9の利用検出(利用開始の検出/利用終了の検出)に応じて実行される利用処理(図7のステップA5、A6)によって、料金精算、利用履歴の記憶、利用中フラグの更新が行われる。
【0048】
次に、図9及び図10のフローチャートに従って上述した再生処理(図7のステップA8)を詳述する。
先ず、中央制御部11は、コンテンツを再生する操作が、緊急報知アプリを起動する操作(緊急報知音を再生する操作)なのか(図9のステップC1)、テレビ番組/ラジオ番組を再生する操作なのか、記憶されているコンテンツを再生する操作なのかを判別する(ステップC7)。いま、緊急報知アプリを起動する操作が行われたときには(ステップC1でYES)、それに応答して緊急報知アプリを起動したのち(ステップC2)、ヘッドホン10が接続されているかを調べ(ステップC3)、ヘッドホン10が接続されていれば、ヘッドホン10に対して音声(緊急報知音)出力を開始するが(ステップC4)、ヘッドホン10が接続されていなければ(ステップC3でNO)、サウンドスピーカ23に対して音声(緊急報知音)出力を開始して(ステップC5)、サウンドスピーカ23からの音声(緊急報知音)出力を開始させる(ステップC6)。
【0049】
また、テレビ番組/ラジオ番組を再生する操作が行われたときには(ステップC7でYES)、それに応答して放送受信部17を動作可能な状態としてテレビ再生アプリ/ラジオ再生アプリを起動したのち(ステップC8)、テレビ番組/ラジオ番組の受信を開始する(ステップC9)。そして、表示部19に対してテレビ映像出力を開始して(ステップC10)、表示部19からの映像出力を開始させる(ステップC11)。なお、再生対象がラジオ番組であれば、この映像出力開始のステップC10及びステップC11はスキップされる。この状態において、ヘッドホン10が接続されているかを調べ(ステップC12)、ヘッドホン10が接続されていれば、ヘッドホン10に対してテレビ/ラジオ音声の出力を開始し(ステップC13)、ヘッドホン10が接続されていなければ(ステップC12でNO)、サウンドスピーカ23に対してテレビ/ラジオ音声の出力を開始して(ステップC14)、サウンドスピーカ23からのテレビ/ラジオ音声出力を開始させる(ステップC15)。
【0050】
また、記憶されているコンテンツを再生する操作が行われたときには(ステップC7でNO)、図10のフローに移り、再生するコンテンツに応じた再生アプリを起動する(ステップC16)。この場合、記憶されている再生対象のコンテンツがラジオ番組や音楽であれば、音楽再生アプリを起動し、テレビ番組や動画であれば、動画再生アプリを起動する。そして、再生対象のコンテンツを読み出すると共に(ステップC17)、表示部19に対してその映像出力を開始すると(ステップC18)、表示部19から映像出力が開始される(ステップC19)。なお、ラジオ番組のようにコンテンツに映像が含まれていなければ、この映像出力開始のステップC18及びステップC19はスキップされる。
【0051】
この状態において、ヘッドホン10が接続されているかを調べ(ステップC20)、ヘッドホン10が接続されていれば、ヘッドホン10に対して音声出力を開始し(ステップC21)、ヘッドホン10が接続されていなければ(ステップC20でNO)、サウンドスピーカ23に対し音声出力を開始して(ステップC22)、サウンドスピーカ23からの音声出力を開始させる(ステップC23)。
【0052】
このようにコンテンツ再生操作に応じて実行される再生処理によって(図7のステップA7、A8)、コンテンツの再生出力が開始されるほか、ヘッドホン10が接続されているか否かに応じてその出力先が切り替えられる。
【0053】
次に、図11及び図12のフローチャートに従って上述したヘッドホン処理(図7のステップA10)を詳述する。
先ず、中央制御部11は、ヘッドホン10検出が、ヘッドホン10が接続されたことの検出なのか、ヘッドホン10が外れたことの検出なのかを判別する(図11のステップD1)。いま、ヘッドホン10が接続されている状態において本意/不本意に拘わらず、ヘッドホン10が外れたことが検出されると(ステップD1でNO)、図12のフローに移り、ヘッドホン10に対して音声出力中かを調べる(ステップD23)。ここで、ヘッドホン10に対して音声出力中でなければ、ヘッドホン処理の終了となるが、音声出力中であれば(ステップD23でYES)、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する抑制判別処理の実行に移る(ステップD24)。
【0054】
図13は、抑制判別処理(図12のステップD24)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、制御条件記憶部M6をアクセスしてその先頭から「ID」が“D01”(
「項目」が“交通機関”)の制御条件を読み出し(ステップE1)、その「設定フラグ」が“1”の「内容」が有るかを調べ(ステップE2)、「設定フラグ」が“1”の「内容」が記憶されていなければ、次のステップE4に移る。図6の例では、「設定フラグ」が“1”の「内容」として、“電車、抑制する”と“飛行機、抑制する”が記憶されているので(ステップE2でYES)、交通機関の利用履歴に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理Aに移る(ステップE3)。
【0055】
図14は、上述した判別処理A(図13のステップE3)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、利用履歴記憶部M5をアクセスして利用履歴を読み出し(ステップF1)、「利用中フラグ」が“1”の利用履歴を検索し、その「種別」は「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」を満たすかを調べ(ステップF2)、それを満たせば、この制御条件の「内容」は“抑制する”になっているかを調べる(ステップF3)。
【0056】
いま、図5及び図6の例のように「利用中フラグ」が“1”の利用履歴の「種別」が“電車”で、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“電車、抑制する”であれば、「種別」の条件を満たしており(ステップF2でYES)、かつ、“抑制する”の条件にも該当しているので(ステップF3でYES)、サウンドスピーカ23に対する音声出力を“抑制する”と判別する(ステップF4)。なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が例えば、“電車、抑制しない”であれば(ステップF3でNO)、“抑制しない”と判別する(ステップF5)。
【0057】
一方、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“電車、抑制する”の場合に、電車以外の交通機関の利用中(例えば、自家用車や自転車など利用中、歩行中)であれば(ステップF2でNO)、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“抑制する”になっているかを調べるが(ステップF6)、図6の例では、その制御条件の「内容」が“抑制する”であるから(ステップF6でYES)、“抑制しない”と判別するが(ステップF5)、その「内容」が例えば、“抑制しない”であれば(ステップF6でNO)、“抑制する”と判別する(ステップF4)。
【0058】
なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」として、図6の例のように“電車、抑制する”と“飛行機、抑制する”の複数が存在する場合には、制御条件毎に上述の動作が行われる。これによって電車の利用中では、“電車、抑制する”の制御条件を満たすので(ステップF2、F3でYES)、“抑制する”と判別され(ステップF4)、“飛行機、抑制する”の制御条件を満たさないので(ステップF2でNO、ステップF6でYES)、“抑制しない”と判別される(ステップF5)。このように複数の制御条件を利用して“抑制する”と“抑制しない”の両方とも判別された場合には、上述のように、抑制するかしないかを予め決めておくようにしてもよいし、条件の優先順位を決めておいて、より優先順位の高い条件の内容に従うようにしてもよい(以下、同様)。
【0059】
このような判別処理A(図13のステップE3)が終わると、中央制御部11は、制御条件記憶部M6をアクセスしてその「ID」が“D02”(「項目」が“アプリケーション”)の制御条件を読み出し(ステップE4)、その「設定フラグ」が“1”の「内容」が記憶されているかを調べ(ステップE5)、「設定フラグ」が“1”の「内容」が記憶されていなければ、次のステップE7に移る。いま、図6の例では、制御条件の「内容」として“緊急報知アプリ、抑制しない”の「設定フラグ」が“1”となっているので(ステップE5でYES)、動作中のアプリケーションに応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理Bに移る(ステップE6)。
【0060】
図15は、上述した判別処理B(図13のステップE6)を詳述するためのフローチャートである。
この判別処理Bは、上述した判別処理Aと基本的に同様の処理であるため、その詳細な説明は省略するものとする。先ず、動作中のアプリケーションを検出し(ステップG1)この動作中のアプリケーションは「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」を満たすかを調べる(ステップG2)。以下、上述した判別処理Aの場合と同様の動作に移る。いま、動作中のアプリケーションが“緊急報知アプリである場合に、図6の例のように「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“緊急報知アプリ、抑制しない”であれば(ステップG2でYES、ステップG3でNO)、“抑制しない”と判別する(ステップG5)。なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“緊急報知アプリ、抑制する”であれば(ステップG2、G3でYES)、“抑制する”と判別する(ステップG4)。
【0061】
一方、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“緊急報知アプリ、抑制しない”の場合に、“緊急報知アプリ以外のアプリケーション、例えば、“テレビ再生アプリ”、“動画再生アプリ”などが動作中であれば(ステップG2、G6でNO)、“抑制する”と判別するが(ステップG4)、その「内容」が“抑制する”であれば(ステップG6でYES)、“抑制しない”と判別する(ステップG5)。
【0062】
このような判別処理B(図13のステップE6)が終わると、中央制御部11は、制御条件記憶部M6をアクセスしてその「ID」が“D03”(「項目」が“動作モード”)の制御条件を読み出し(ステップE7)、その「設定フラグ」が“1”の「内容」が有るかを調べ(ステップE8)、「設定フラグ」が“1”の「内容」が無ければ、次のステップE10に移る。いま、図6の例では、制御条件の「内容」として“緊急モード、抑制しない”の「設定フラグ」が“1”となっているので(ステップE8でYES)、現在の動作モードに応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理Cに移る(ステップE9)。
【0063】
図16は、判別処理C(図13のステップE9)を詳述するためのフローチャートである。この判別処理Cは、上述した判別処理Aと基本的に同様の処理であるため、その詳細な説明は省略するものとする。先ず、動作モード情報記憶部M4をアクセスして動作モード情報を読み出し(ステップH1)、その「設定フラグ」が“1”の動作モードの「内容」は、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」を満たすかを調べる(ステップH2)。以下、上述した判別処理Aの場合と同様の動作に移る。いま、現在の動作モードが“緊急モード”で、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“緊急モード、抑制しない”であれば(ステップH2でYES、H3でNO)、“抑制しない”と判別する(ステップH5)。なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“緊急モード、抑制する”であれば(ステップH2、H3でYES)、“抑制する”と判別する(ステップH4)。
【0064】
一方、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“緊急モード、抑制しない”の場合に、動作モードが“電波オフモード”であれば(ステップH2、H6でNO)、“抑制する”と判別するが(ステップH4)、その「内容」が“緊急モード、抑制する”であれば(ステップH6でYES)、“抑制しない”と判別する(ステップH5)。
【0065】
このような判別処理C(図13のステップE9)が終わると、中央制御部11は、制御条件記憶部M6をアクセスしてその「ID」が“D04”(「項目」が“周囲音量”)の制御条件を読み出し(ステップE10)、その「設定フラグ」が“1”の「内容」が有るかを調べ(ステップE11)、「設定フラグ」が“1”の「内容」が無ければ、次のステップE13に移る。いま、図6の例では、制御条件の「内容」として“***dB未満、抑制する”の「設定フラグ」が“1”となっているので(ステップE11でYES)、現在の周囲音量に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理Dに移る(ステップE12)。なお、周囲音量が“***dB未満”とは、例えば、隣人の音声が鮮明に聞こえる程度である。
【0066】
図17は、判別処理D(図13のステップE12)を詳述するためのフローチャートである。この判別処理Dは、上述した判別処理Aと基本的に同様の処理であるため、その詳細な説明は省略するものとする。先ず、周囲音量検出部28によって現在の周囲音量を検出したのち(ステップI1)、この周囲音量は、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」を満たすかを調べる(ステップI2)。以下、上述した判別処理Aの場合と同様の動作に移る。いま、現在の周囲音量が“***dB未満”の場合に、図6の例のように「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“***dB未満、抑制する”であれば(ステップI2、I3でYES)、“抑制する”と判別する(ステップI4)。なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“***dB未満、抑制しない”であれば(ステップI2でYES、ステップI3でNO)、“抑制しない”と判別する(ステップI5)。
【0067】
一方、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“***dB未満、抑制する”の場合に、周囲音量が“***dB以上”であれば(ステップI2でNO、ステップI6でYES)、“抑制しない”と判別するが(ステップI5)、その「内容」が“***dB未満、抑制しない”であれば(ステップI6でNO)、“抑制する”と判別する(ステップI4)。
【0068】
このような判別処理D(図13のステップE12)が終わると、中央制御部11は、制御条件記憶部M6をアクセスしてその「ID」が“D05”(「項目」が“日時”)の制御条件を読み出し(ステップE13)、その「設定フラグ」が“1”の「内容」が有るかを調べ(ステップE14)、「設定フラグ」が“1”の「内容」が無ければ、次のステップE16に移る。いま、図6の例では、制御条件の「内容」として“日曜日、抑制しない”の「設定フラグ」が“1”となっているので(ステップE14でYES)、現在日時に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理Eに移る(ステップE15)。
【0069】
図18は、判別処理E(図13のステップE15)を詳述するためのフローチャートである。この判別処理Eは、上述した判別処理Aと基本的に同様の処理であるため、その詳細な説明は省略するものとする。先ず、RTC21から現在日時(曜日も含む)を取得したのち(ステップJ1)、現在日時は、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」を満たすかを調べる(ステップJ2)。以下、上述した判別処理Aの場合と同様の動作に移る。いま、現在日時が“日曜日”の場合に、図6の例のように「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“日曜日、抑制しない”であれば(ステップJ2でYES、ステップJ3でNO)、“抑制しない”と判別する(ステップJ5)。なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“日曜日、抑制する”であれば(ステップJ3でYES)、“抑制する”と判別する(ステップJ4)。
【0070】
一方、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“日曜日、抑制しない”の場合に、現在日時が“月曜日”であれば(ステップJ2、J6でNO)、“抑制する”と判別するが(ステップJ4)、現在日時が“月曜日”の場合に、その制御条件の「内容」が“日曜日、抑制する”であれば(ステップJ6でYES)、“抑制しない”と判別する(ステップJ5)。
【0071】
このような判別処理E(図13のステップE15)が終わると、中央制御部11は、制御条件記憶部M6をアクセスしてその「ID」が“D06”(「項目」が“位置”)の制御条件を読み出し(ステップE16)、その「設定フラグ」が“1”の「内容」が有るかを調べ(ステップE17)、「設定フラグ」が“1”の「内容」が無ければ、この図13の抑制判別処理の終了となる。いま、図6の例では、制御条件の「内容」として“自宅付近の位置、抑制しない”の「設定フラグ」が“1”となっているので(ステップE17でYES)、現在位置に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理Fに移る(ステップK18)。
【0072】
図19は、判別処理F(図13のステップE18)を詳述するためのフローチャートである。この判別処理Fは、上述した判別処理Aと基本的に同様の処理であるために、その詳細な説明は省略するものとする。先ず、GPS受信部16から現在位置を取得したのち(ステップK1)、現在位置は、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」を満たすかを調べる(ステップK2)。以下、上述した判別処理Aの場合と同様の動作に移る。いま、現在位置が“自宅付近の位置”の場合に、図6の例のように「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“自宅付近の位置、抑制しない”であれば(ステップK2でYES、ステップK3でNO)、“抑制しない”と判別する(ステップK5)。なお、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“自宅付近の位置、抑制する”であれば(ステップK3でYES)、“抑制する”と判別する(ステップK4)。
【0073】
一方、「設定フラグ」が“1”の制御条件の「内容」が“自宅付近の位置、抑制しない”の場合に、現在位置が“自宅から離れた位置”であれば(ステップK2、K6でNO)、“抑制する”と判別するが(ステップK4)、現在位置が“自宅から離れた位置”の場合に、その制御条件の「内容」が“自宅付近の位置、抑制する”であれば(ステップK2でNO、ステップK6でYES)、“抑制しない”と判別する(ステップK5)。
【0074】
このようにヘッドホン10に対して音声出力中にヘッドホン10が外された際に上述の抑制判別処理(図12のステップD24)を実行した結果、“抑制する”と判別されたかを調べる(図12のステップD25)。ここで、“抑制する”と判別されたときには、再生中のコンテンツを検出して(ステップD26)、緊急報知アプリ動作中で緊急報知音を再生中なのか(ステップD27)、受信しているテレビ放送/ラジオ放送の番組を再生中なのか、記録されているコンテンツを再生中なのかを調べる(ステップD31)。
【0075】
いま、緊急報知音の再生中であれば(ステップD27でYES)、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制する一方、ヘッドホン10に対して音声(緊急報知音)の出力を停止すると共に(ステップD28)、緊急報知音を停止したことを示すために緊急報知音停止フラグを“1”として、各種情報一時記憶部M2に記憶させたのち(ステップD29)、上述の解除タイマを起動させる(ステップD30)。
【0076】
また、受信しているテレビ放送/ラジオ放送番組の再生中であれば(ステップD31でYES)、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制する一方、テレビ放送/ラジオ放送番組の受信停止又はそれを記録(録画、録音)する記録動作を開始する(ステップD32)。そして、テレビ放送を受信していた場合には、表示部19に対して映像出力を停止して(ステップD33)、表示部19からの映像出力を停止させる(ステップD34)。そして、ヘッドホン10に対して音声出力を停止すると共に(ステップD35)、テレビ放送/ラジオ放送番組を停止したことを示すためにテレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグを“1”として、各種情報一時記憶部M2に記憶させたのち(ステップD36)、上述の解除タイマを起動させる(ステップD30)。
【0077】
また、記録されているコンテンツを再生中であれば(ステップD31でNO)、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制する一方、このコンテンツの再生を一時停止すると共にその停止位置を動作モード情報記憶部M4に一時記憶しておく(ステップD37)。そして、コンテンツに映像が含まれている場合には、表示部19に対して映像出力を停止して(ステップD38)、表示部19からの映像出力を停止させる(ステップD39)。そして、ヘッドホン10に対して音声出力を停止すると共に(ステップD40)、コンテンツ再生を一時停止したことを示すために一時停止フラグを“1”として、各種情報一時記憶部M2に記憶させたのち(ステップD41)、上述の解除タイマを起動させる(ステップD30)。
【0078】
一方、抑制判別処理(ステップD24)を実行した結果、“抑制しない”と判別された場合には(ステップD25でNO)、ヘッドホン10に対して音声出力を停止したのち(ステップD42)、サウンドスピーカ23に対して音声出力を開始して(ステップD43)、サウンドスピーカ23からの音声出力を開始させる(ステップD44)。
【0079】
他方、ヘッドホン10の接続が検出された場合には(図11のステップD1でYES)、サウンドスピーカ23に対して音声出力中であるかを調べる(ステップD2)。いま、サウンドスピーカ23に対する音声出力中にヘッドホン10が接続されたときには(ステップD2でYES)、音声の出力先を切り替えるためにサウンドスピーカ23に対して音声出力を停止して(ステップD3)、サウンドスピーカ23からの音声出力を停止させたのち(ステップD4)、ヘッドホン10に対して音声出力を開始する(ステップD5)。
【0080】
また、ヘッドホン10の接続が検出された場合においてサウンドスピーカ23に対して音声出力中でなければ(ステップD2でNO)、上述した解除タイマは動作中か、つまり、サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制中かを調べる(ステップD6)。ここで、解除タイマが動作中でなければ(抑制中でなければ)、図11及び図12のヘッドホン処理の終了となるが、解除タイマが動作中であって抑制中であれば(ステップD6でYES)、各種情報一時記憶部M2から停止フラグを読み出し(ステップD7)、緊急報知音停止フラグは“1”であるかを調べたり(ステップD8)、テレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグ、一時停止フラグは“1”であるかを調べたりする(ステップD12)。
【0081】
いま、緊急報知音停止フラグが“1”であれば(ステップD8でYES)、ヘッドホン10に対して音声(緊急報知音)の出力を開始(再開)する(ステップD9)。つまり、ヘッドホン10が外されたときに音声出力を停止した緊急報知音を指定してその出力を再開する。そして、緊急報知音停止フラグを“0”としたのち(ステップD10)、解除タイマの計測動作を停止させる(ステップD11)。
【0082】
また、テレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグが“1”であれば(ステップD12でYES)、テレビ放送/ラジオ放送番組の受信を開始、又はテレビ放送/ラジオ放送番組が記録中であればその記録内容を読み出す(ステップD13)。そして、テレビ放送番組の場合には、表示部19に対して映像出力を開始して(ステップD14)、表示部19からの映像出力を開始させると共に(ステップD15)、ヘッドホン10に対して音声出力を開始し(ステップD16)、テレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグを“0”としたのち(ステップD17)解除タイマの計測動作を停止させる(ステップD11)。
【0083】
また、一時停止フラグが“1”であれば(ステップD12でNO)、一時停止しているコンテンツの再生を継続するために動作モード情報記憶部M4に一時記憶されているその停止位置を読み出して当該コンテンツの再生を再開する(ステップD18)。そして、コンテンツに映像が含まれている場合には、表示部19に対して映像出力を開始して(ステップD19)、表示部19からの映像出力を開始させる(ステップD20)。そして、ヘッドホン10に対して音声出力を開始すると共に(ステップD21)、一時停止フラグを“0”としたのち(ステップD22)、解除タイマの計測動作を停止させる(ステップD11)。
【0084】
このようにヘッドホン10が接続されたこと、又は外れたことのヘッドホン検出に応じてヘッドホン処理が実行されると(図7のステップA10)、上述の制御条件を満たすか否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かが判別されたり、サウンドスピーカ23に対する音声出力の抑制中にヘッドホン10が接続された場合には、その抑制が解除されたりする。
【0085】
次に、図20のフローチャートに従って上述した解除処理(図7のステップA12)を詳述する。先ず、中央制御部11は、上述の抑制判別処理(図13〜図19)を実行したのち(図20のステップL1)、この判別結果に基づいて“抑制する”と判別されたかを調べ(ステップL2)、“抑制する”と判別された場合には、解除タイマを起動させる(ステップL3)。すなわち、解除タイマのタイムアウト検出後の抑制判別処理で“抑制する”と判別された場合には、サウンドスピーカ23に対する音声出力の抑制を継続し、その抑制を解除するための次のタイミングを測定するために解除タイマを起動させる。
【0086】
また、抑制判別処理の結果、“抑制しない”と判別された場合には(ステップL2でNO)、各種情報一時記憶部M2から停止フラグを読み出し(ステップL4)、緊急報知音停止フラグは“1”であるかを調べたり(ステップL5)、テレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグ、一時停止フラグは“1”であるかを調べたりする(ステップL10)。いま、緊急報知音停止フラグが“1”であれば(ステップL5でYES)、サウンドスピーカ23に対して音声(緊急報知音)の出力を開始して(ステップL6)、サウンドスピーカ23からの音声(緊急報知音)の出力を開始させる(ステップL7)。そして、緊急報知音停止フラグを“0”としたのち(ステップL8)、解除タイマの計測動作を停止させる(ステップL9)。
【0087】
また、テレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグが“1”であれば(ステップL10でYES)、テレビ放送/ラジオ放送番組の受信を開始する(ステップL11)。そして、テレビ放送を受信した場合には、表示部19に対して映像出力を開始して(ステップL12)、表示部19からの映像出力を開始させると共に(ステップL13)、サウンドスピーカ23に対して音声出力を開始して(ステップL14)、サウンドスピーカ23からの音声出力を開始させる(ステップL15)。そして、テレビ放送/ラジオ放送番組停止フラグを“0”としたのち(ステップL16)解除タイマの計測動作を停止させる(ステップL9)。
【0088】
また、一時停止フラグが“1”であれば(ステップL10でNO)、一時停止しているコンテンツの再生を継続するために当該コンテンツの再生を再開する(ステップL17)。そして、コンテンツに映像が含まれている場合には、表示部19に対して映像出力を開始して(ステップL18)、表示部19からの映像出力を開始させると共に(ステップL19)、サウンドスピーカ23に対して音声出力を開始して(ステップL20)、サウンドスピーカ23からの音声出力を開始させる(ステップL21)。そして、一時停止フラグを“0”としたのち(ステップL22)解除タイマの計測動作を停止させる(ステップL9)。
【0089】
以上のように、この実施形態において中央制御部11は、ヘッドホン10に対して音声出力中に当該ヘッドホン10との接続が外れたことが検出された場合に、制御条件を満たすか否かの判別結果に基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、その制御を状況に応じて適切に行うことができる。この場合、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない状況であれば音声の出力を抑制し、適する状況であれば音声の出力を抑制しないようにすることによって、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。
【0090】
サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制する場合に、コンテンツの再生を停止するようにしたので、コンテンツの再生のために消費される電力を抑制して省電力化を図ることができる。また、停止が一時停止の場合には、ユーザがコンテンツの再生を再開すれば、続きを容易に視聴することができるので、利便性が更に向上する。例えば、ヘッドホン10を携帯電話機1に接続して音楽コンテンツを再生中に、誤ってヘッドホン10が外れてサウンドスピーカ23に対する音声の出力を抑制してしまった場合でも、ユーザはヘッドホン10を接続し直すだけで、音楽コンテンツの続きを容易に再生させることができる。
【0091】
サウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制している状態において、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適する状況になれば、その音声の出力の抑制を解除するようにしたので、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0092】
所定の交通機関を利用中か否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない交通機関であれば、その音声の出力を抑制し、適する交通機関であれば、その音声の出力を抑制しないようにすることができ、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。例えば、電車、バス、飛行機などの公共性の高い交通機関であれば、音声の出力を抑制することによって周囲への迷惑を防止し、自家用車などの個人的な交通機関であれば、音声の出力を抑制しないようにすることによって、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0093】
所定のアプリケーションプログラムが動作中か否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さないアプリケーションプログラムであれば、音声の出力を抑制し、適するアプリケーションプログラムであれば、音声の出力を抑制しないようにすることができ、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。例えば、音楽再生用、テレビ番組再生用アプリケーションプログラムなどの娯楽性の高いアプリケーションプログラムであれば、音声の出力を抑制することによって周囲への迷惑を防止し、緊急状態であることを報知するための緊急性の高いアプリケーションプログラムであれば、音声の出力を抑制しないようにすることによって、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0094】
所定の動作モードに設定されているか否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない動作モードであれば、音声の出力を抑制し、適する動作モードであれば音声の出力を抑制しないようにすることができ、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。例えば、電波オフモードなどの公共の場所にいる可能性の高い動作モードであれば、音声の出力を抑制することによって周囲への迷惑を防止し、緊急モードなどの緊急性の高い動作モードであれば、音声の出力を抑制しないようにすることによって、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0095】
周囲の音量が所定の音量条件を満たすか否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない周囲の音量であれば音声の出力を抑制し、適する周囲の音量であれば音声の出力を抑制しないようにすることができ、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。例えば、周囲の音量が小さい、すなわち周囲が静かであれば、音声の出力を抑制することによって周囲への迷惑を防止し、周囲の音量が大きい、すなわち周囲が騒がしければ、音声の出力を抑制しないようにすることによって、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0096】
現在時刻が所定の時刻条件を満たすか否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない時刻であれば、音声の出力を抑制し、適する時刻であれば、音声の出力を抑制しないようにすることによって、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。例えば、早朝、深夜、通勤・通学時間帯であれば、音声の出力を抑制することによって周囲への迷惑を防止し、昼間や休日であれば、音声の出力を抑制しないようにすることによって、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0097】
携帯電話機1の位置を示す位置情報が所定の位置条件を満たすか否かに基づいてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを制御するようにしたので、サウンドスピーカ23に対する音声の出力に適さない位置であれば、音声の出力を抑制し、適する位置であれば、音声の出力を抑制しないようにすることができ、周囲への迷惑を防止すると共にユーザに対する利便性を確保することができる。例えば、公共施設内であれば、音声の出力を抑制することによって周囲への迷惑を防止し、自宅内や屋外であれば、音声の出力を抑制しないようにすることによって、ユーザに対する利便性を確保することができる。
【0098】
なお、上述した実施形態においては、外部音声出力装置としてヘッドホンを例示したが、これに限らず、例えば、イヤホンなどのように、端末装置から入力された音声を出力可能な任意の外部音声出力装置であってもよい。また、端末装置としては携帯電話機に限らず、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(個人用の携帯情報端末)、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、コンテンツを再生する任意の端末装置であってもよい。
更に、コンテンツとしては、緊急報知音、テレビ番組、ラジオ番組、音楽、動画に限らず、例えば、音声読み上げ機能を備えた電子書籍など、音声を含む任意のコンテンツであってもよい。
【0099】
また、上述した実施形態においては、制御条件記憶部M6に複数の制御条件を記憶し、その何れかの制御条件を利用するようにしたが、より簡易に、1つの制御条件のみを利用するようにしてもよいし、制御条件の内容をユーザ設定できないようにしてもよい。
また、制御条件の「項目」として所定の交通機関、アプリケーション、動作モード、周囲音量、日時、位置に限らず、任意の交通機関、アプリケーション、動作モード、周囲音量、日時、位置であってもよい。
【0100】
また、上述した実施形態においては、コンテンツの再生停止として一時停止する場合を例示したが、これに限らず、コンテンツの再生停止は再生終了であってもよい。
【0101】
また、上述した実施形態においては、交通機関の利用を検出する方法として、車載装置との通信、改札装置との通信、車内にいることを認識するための信号の受信を例示したが、これに限らず、例えば、自家用車のエンジンの始動や停止の検出、ドアの開閉検出、高速移動の検出など、任意の検出方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】コンテンツ記憶部M3を説明するための図。
【図4】動作モード情報記憶部M4を説明するための図。
【図5】利用履歴記憶部M5を説明するための図。
【図6】制御条件記憶部M6を説明するための図。
【図7】携帯電話機1の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図8】利用処理(図7のステップA6)を詳述するためのフローチャート。
【図9】再生処理(図7のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図10】図9に続く動作を示したフローチャート。
【図11】ヘッドホン処理(図7のステップA10)を詳述するためのフローチャート。
【図12】図10に続く動作を示したフローチャート。
【図13】抑制判別処理(図12のステップD24)を詳述するためのフローチャート。
【図14】交通機関の利用履歴に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理A(図13のステップE3)を詳述するためのフローチャート。
【図15】動作中のアプリケーションに応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理B(図13のステップE6)を詳述するためのフローチャート。
【図16】現在の動作モードに応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理C(図13のステップE9)を詳述するためのフローチャート。
【図17】現在の周囲音量に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理D(図13のステップE12)を詳述するためのフローチャート。
【図18】現在日時に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理E(図13のステップE15)を詳述するためのフローチャート。
【図19】現在位置に応じてサウンドスピーカ23に対する音声出力を抑制するか否かを判別する判別処理F(図13のステップE18)を詳述するためのフローチャート。
【図20】解除処理(図7のステップA12)を詳述するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0103】
1 携帯電話機
2 無線通信網
3 インターネット
4 コンテンツ配信装置
5 テレビ局・ラジオ局
7 GPS衛星
8 車載装置
9 公共交通機関装置
10 ヘッドホン
11 中央制御部
13 記憶部
16 GPS受信部
17 放送受信部
18 近距離通信部
19 表示部
20 操作部
21 RTC
22 報知部
23 サウンドスピーカ
26 外部機器接続部
27 ヘッドホン接続部
28 周囲音検出部
M1 プログラム記憶
M3 コンテンツ記憶部
M4 動作モード情報記憶部
M5 利用履歴記憶部
M6 制御条件記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する再生手段を備えた端末装置であって、
外部音声出力装置との接続を検出する接続検出手段と、
この検出手段によって接続が検出された外部音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する第1出力手段と、
当該端末装置本体が備える音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する第2出力手段と、
この第2出力手段による音声出力装置への音声の出力を抑制するか否かを制御するための制御条件を満たすか否かを判別する条件判別手段と、
前記第1出力手段による外部音声出力装置に対して音声出力中に、前記検出手段によって当該外部音声出力装置との接続が外れたことが検出された場合に、前記条件判別手段による判別結果に基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記制御手段によって音声出力装置に対する音声出力を抑制する場合に、前記再生手段でのコンテンツの再生を停止する停止手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御手段によって音声出力装置に対する音声出力を抑制している状態において、前記条件判別手段による判別結果に基づいて、当該音声出力装置への音声出力の抑制を解除する解除手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、所定の交通機関を利用中か否かを判別し、
前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、所定の交通機関を利用中か否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、コンテンツを再生するための所定のアプリケーションプログラムが動作中か否かを判別し、
前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、所定のアプリケーションプログラムが動作中か否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、所定の動作モードに設定されているか否かを判別し、
前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、所定の動作モードに設定されているか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項7】
前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、周囲の音量が所定の音量条件を満たすか否かを判別し、
前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、周囲の音量が所定の音量条件を満たすか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項8】
前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、現在時刻が所定の時刻条件を満たすか否かを判別し、
前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、現在時刻が所定の時刻条件を満たすか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項9】
前記条件判別手段は、制御条件を満たすか否かの判別として、端末装置の位置を示す位置情報が所定の位置条件を満たすか否かを判別し、
前記制御手段は、前記条件判別手段による判別結果として、端末装置の位置を示す位置情報が所定の位置条件を満たすか否かに基づいて前記第2出力手段による音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
コンテンツを再生する機能と、
外部音声出力装置との接続を検出する機能と、
前記接続が検出された外部音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する機能と、
端末装置本体が備える音声出力装置に対して前記コンテンツに含まれる音声を出力する機能と、
前記音声出力装置への音声の出力を抑制するか否かを制御するための制御条件を満たすか否かを判別する機能と、
前記外部音声出力装置に対して音声出力中に、前記外部音声出力装置との接続が外れたことが検出された場合に、前記判別結果に基づいて前記音声出力装置に対する音声出力を抑制するか否かを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate