説明

等速ジョイント用ブーツのシール構造

【課題】クランプの段差による締付け圧力の不連続部分の発生を解消し、シール性、装着性のよい等速ジョイント用ブーツのシール構造を提供する。
【解決手段】等速ジョイント用ブーツは、第1固定部6の外周面にプレート19の突条21を嵌め込み可能な凹溝12が全周にわたって形成されており、第1固定部6の内周面にジョイントケース外周面に全周にわたって当接してシールするシールリップ13が軸方向に複数箇所に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両に用いられるドライブシャフトに用いられる等速ジョイントを等速ジョイント用ブーツにより覆ってシールする等速ジョイント用ブーツのシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図10において、等速ジョイント用ブーツ101は、筒状の第1固定部102及び第2固定部103と、第1固定部102と第2固定部103を連結する蛇腹部104とから構成されている。第1固定部102が図13に示す等速ジョイント105のジョイントケース106外周面に第1クランプ107で固定され、第2固定部103はケース106内に揺動自在に保持されたシャフト108の外周面に第2クランプ(図示せず)で固定されている。
【0003】
図11において第1固定部102の軸方向両側には、第1リブ110と第2リブ111が周方向に連続して起立形成されている。この第1,第2リブ110,111は、第1クランプ107が第1固定部102より脱落しないように設けられる。第1固定部102の外周側中央部は凹溝112が周方向に形成され、内周側には突条113が周方向に形成されている。この突条113はジョイントケース106の外周面に当接して等速ジョイント用ブーツ101とジョイントケース106の隙間をシールしている(特許文献1参照)。
【0004】
第1,第2クランプ107,(図示せず)としては、シャフト108が揺動した際にクランプの締付け部と干渉したり、製造工程で等速ジョイントを転がした際に他の製品と当接したりする際に突起部で等速ジョイント用ブーツ101が破損しないように締付け部の高さが抑えられるワンタッチタイプのクランプが好適に用いられる(特許文献2参照)。
【0005】
このワンタッチタイプのクランプとしては、図12に示すものが用いられる。即ち、両端部を重ね合わせて接合されてリング状に形成されたバンド部材121と、該バンド部材121の接合部122に中途部が固定されたレバー123と、前記バンド部材121の接合部122の内周側に形成される空隙部の両側に架橋するよう接合されるプレート124と、バンド部材121上に傾倒させたレバー121を固定するためのバンド部材121の幅方向両側に起立して設けられたバックル125とを有している。
【0006】
図13において、第1固定部102に第1クランプ107を嵌め込んで、等速ジョイント用ブーツ101を等速ジョイント105のジョイントケース106の外周面に嵌め込む。そして、図14において、レバー123の一端側123a(図13参照)をバンド部材121に当接する支点として他端側123b(図13参照)をバンド部材121の外周面に重ね合わせて傾倒することによりバンド部材121を縮径し、バンド部材121の幅方向両側に起立するバックル125を折り曲げて傾倒したレバー123を固定することにより組み付けられる。プレート124は、レバー123を倒して縮径する際にバンド部材121が変形しないことと、締め付けたブーツの変形量が空隙部に逃げないように設けられている。図12において、プレート124の幅方向両側には外周側に起立する縁折り部124aが形成されており、プレート124の断面係数を上げて強度を向上するために設けられる。
【特許文献1】特開2004−138175号公報
【特許文献2】特開2006−161869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した等速ジョイント用ブーツのシール構造において、ワンタッチタイプの第1クランプ107は、バンド部材121がプレート124に乗り上げて縮径が行なわれるため、プレート124の先端部ではクランプ力が第1固定部102に伝わらず不連続部分が発生してシール性が低下する。
【0008】
また、レバー123を折り曲げる際に発生するレバー支点圧力によりプレート124の変形が発生し、プレート124直下のシール性が低下するおそれがある。これに対して、プレート124の変形を防ぐため材料を厚くするとすれば、バンド部材121が乗り上げる際の段差が大きくなり隙間が発生し易くなる。
【0009】
また、プレート124の強度を更に向上するには、幅方向両側に起立する縁折部124aの高さを高くしなければならず、製造工程で他の製品のブーツと干渉して傷つけるおそれがある。或いは、プレート124の材料としてより硬い材料を用いるとすれば、加工し難くなり製造コストが嵩む。
【0010】
本願発明の目的は上記従来技術の課題を解決し、クランプの段差による締付け圧力の不連続部分の発生を解消し、シール性、装着性のよい等速ジョイント用ブーツのシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備えることを特徴とする。
即ち、ジョイントケースと当該ジョイントケース内に揺動自在に挿入されたシャフトを連結する等速ジョイントの前記ジョイントケース外周面に第1固定部が嵌め込まれ前記シャフト外周面に第2固定部が嵌め込まれて当該第1,第2固定部間に蛇腹部を有する等速ジョイント用ブーツにより覆われ、前記第1,第2固定部の外周面に第1,第2クランプが各々嵌め込まれて縮径することにより前記等速ジョイント用ブーツが組み付けられる等速ジョイント用ブーツのシール構造であって、前記第1固定部に嵌め込まれる第1クランプは、両端部が接合されてリング状に形成されたバンド部材と、該バンド部材の接合部に中途部が固定されたレバーと、前記バンド部材の接合部の内周側に形成される空隙部を跨いで一端側が接合され、他端側が先細り形状に形成された当該先細り部分から内周面側に所定長わたって突条が形成されたプレートと、前記バンド部材上に傾倒させたレバーを固定するためのバンド部材の幅方向両側に起立して設けられたバックルと、を有し、前記等速ジョイント用ブーツは、前記第1固定部の外周面に前記プレートの突条を嵌め込み可能な凹溝が全周にわたって形成されており、前記第1固定部の内周面に前記ジョイントケース外周面に全周にわたって当接してシールするシールリップが軸方向に複数箇所に形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、前記第1固定部の内周面には、前記凹溝の直下に対応する位置にシールリップが設けられ、該シールリップの両側にシールリップが各々設けられていることを特徴とする。
また、前記第1クランプは、前記第1固定部の外周面に形成された凹溝にプレートの突条が嵌まり込むように装着され、前記レバーの一端側をバンド部材に当接する支点として他端側をバンド部材の外周面に重ね合わせて傾倒することによりバンド部材を縮径し、バンド部材の幅方向両側に起立するバックルを折り曲げて傾倒したレバーを固定することにより一体に組み付けられることを特徴とする。
また、前記プレートの幅方向両端は前記バンド部材の幅方向両側に起立する縁折部が各々設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る等速ジョイント用ブーツのシール構造を用いれば、第1クランプを等速ジョイント用ブーツに対して、プレート内周面側に形成された突条が第1固定部の外周に形成された凹溝に嵌め込まれて装着されるので、クランプの装着性が良く、軸方向への位置ずれが無くなり作業性が向上する。
また、第1クランプのプレートは、自由端側が先細り形状に形成されているので、レバーをバンド部材に傾倒してバンド部材がプレートに乗り上げる際の段差領域はきわめて小さく、バンド部材からのクランプ力が周方向で不連続になる領域が無くなる。また、第1クランプを縮径するとバンド部材がプレートに乗り上げてクランプ力をプレート面及び凹溝を通じて第1固定部の内周面に周方向に形成されている複数のシールリップに伝わるためジョイントケース外周面とのシール性を向上することができる。特に凹溝の直下に対応する位置にシールリップが設けられ、該シールリップの両側にシールリップが各々設けられていると、クランプ力が伝わり易く確実なシール性が得られる。
また、プレートには先細り部分から所定長の突条が形成され、プレートの幅方向両端には縁折部が形成されているので、プレートの断面係数が増加して強度が向上するので、レバーの曲げ支点圧力が加わってもプレートの変形を防ぐことができ、シール性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
先ず、図4乃至図7を参照して等速ジョイント用ブーツについて説明する。
図6及び図7において、等速ジョイント1は、車両のドライブシャフト2と従動側のシャフト3の連結部に設けられる。具体的には、等速ジョイント1は、ドライブシャフト2に連結したジョイントケース5と当該ジョイントケース5内に従動側のシャフト3が揺動自在に挿入されて連結されている。等速ジョイント用ブーツ4は、ジョイントケース5とシャフト3の連結部を覆って、当該ジョイントケース5内の軸受部に封入されたグリースの漏出や異物の侵入を防ぐために設けられる。
【0015】
図4及び図5において、等速ジョイント用ブーツ4は筒状に形成されており、ジョイントケース5(図6参照)の外周面に一端側である第1固定部6が嵌め込まれシャフト3の外周面に他端側である第2固定部7が嵌め込まれて装着される。第1,第2固定部6,7間には蛇腹部8が形成されている。第1固定部6の軸方向両側には、第1リブ9,第2リブ10が周方向に連続して起立形成されている。第1,第2リブ9,10は、第1クランプ11が第1固定部6より脱落しないように設けられる。第1固定部6の外周側中央部は凹溝12が全周にわたって形成され、内周側には複数箇所にシールリップ(突条)13が全周にわたって形成されている。
【0016】
上記シールリップ13はジョイントケース5の外周面に当接して等速ジョイント用ブーツ4とジョイントケース5(図6参照)の隙間をシールしている。本実施形態では、凹溝12の直下に対応する位置にシールリップ13が設けられ、該シールリップ13の両側にシールリップ13が各々設けられ、合計3箇所に設けられている。上記等速ジョイント用ブーツ4としては、例えば比較的硬質な熱可塑性エラストマーから射出ブロー成形により製造される。
【0017】
第1,第2固定部6,7には、いわゆるワンタッチタイプの第1,第2クランプ11,14(図示せず)が嵌め込まれて縮径することで等速ジョイント用ブーツ4が一体に組み付けられる。尚、比較的大径の第1固定部6は、ワンタッチタイプのクランプが望ましいが、それより小径の第2固定部7は、必ずしもワンタッチタイプでなくても、他のクランプ、例えばかしめタイプのクランプ等であってもよい。
【0018】
次に、第1,第2クランプ11,14の構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施例では第1固定部6に装着されるワンタッチタイプの第1クランプ11に構成について説明し、第2クランプ14については同様であるので説明を省略するものとする。
【0019】
第1クランプ11は以下のように構成されている。金属帯状のバンド部材15は両端部を重ね合わせて接合されてリング状に形成されている。このバンド部材15の接合部16に弧状のレバー17の中途部が溶接により固着されている。
【0020】
また、バンド部材15の接合部16の内周側に形成される空隙部18の両側に架橋するように弧状のプレート19の一端側がバンド部材15の内周面に接合されている。プレート19の幅方向両側にはバンド部材15の幅方向両側に起立する縁折部19aが各々設けられている。
【0021】
また、バンド部材15には、プレート19の接合部に並んで断面コ字状のバックル20が、バンド部材15の内周面側に接合されている。バックル20はバンド部材15の幅方向両側に起立して設けられ、バンド部材15上に傾倒させたレバー17の先端側に重ねて折り曲げることにより固定する(図7参照)。尚、バックル20はプレート19と一体に形成されていてもよい。
【0022】
図1及び図2において、プレート19の他端側(自由端側)は、先細り形状に形成され、該先細り部分先端から幅方向中央部に周方向に所定長にわたって内周面側に凸(外周面側に凹)となる突条21が形成されている。尚、突条21は先細り部分先端のみならず先細り部分の中途部から周方向に所定長にわたって形成されていてもよい。
【0023】
図3において、第1クランプ11は第1固定部6の外周面に、プレート19の突条21が凹溝12に嵌まり込むように装着される(図6参照)。そして、図7において、レバー17の一端側17aをバンド部材15に当接する支点として他端側17bをバンド部材15の外周面に重ね合わせて傾倒することによりバンド部材15を縮径する。最後に、バンド部材15の幅方向両側に起立するバックル20を折り曲げて傾倒したレバー17を固定することにより組み付けられる。
【0024】
尚、プレート19には先細り部分先端から所定長にわたって突条21が形成されプレート19の幅方向両端には縁折部19aが形成されているので、プレート19の断面係数が増加して強度が向上するので、レバー17の曲げ支点圧力が加わってもプレート19の変形を防ぐことができ、シール性を維持することができる。
【0025】
ここで図8及び図9を参照して本実施例と従来例のプレート形状とブーツ(第1固定部)に対する発生圧力との関係について対比して説明する。
図8(a),図9(a)は、第1固定部6に装着されたプレート19の平面図、図8(b),図9(b)は図8(a),図9(a)の各部の断面図、図8(c),図9(c)は、クランプを縮径した際の各部の発生圧力の大きさを示すグラフ図である。尚、発生圧力はプレート19に乗り上げて締め付けるバンド部材15から第1固定部6に作用する圧力を指し示すものとする。
【0026】
図8(a)において、プレート19の長手方向に接合端側(ラインA)、中央部(ラインB)、先端側(ラインC)、バンド部材上(ラインD)に分けて発生圧力を測定し、図8(b)において、幅方向両側のシールリップ13(a点)と幅方向中央の凹溝12に対応するシールリップ13(b点)に分けて発生圧力を測定して図8(c)に示すグラフ図とした。
【0027】
図8(c)において、ラインA上では、第1固定部6に凹溝12が設けられているため、バンド部材15による発生圧力は両側(a点)のシールリップ13が中央(b点)のシールリップ13より高くなっている。
【0028】
ラインB上では、突条21が凹溝12に嵌まり込んでいるため、バンド部材15による発生圧力は両側(a点)のシールリップ13と中央(b点)のシールリップ13とで同じ圧力となる。
【0029】
ラインC上では、プレート19が先細り形状をしているため、バンド部材15の幅方向両端下側で第1固定部6との間に隙間が形成される。よって、バンド部材15による発生圧力は中央(b点)のシールリップ13が両側(a点)のシールリップ13より高い圧力となる。
【0030】
ラインD上では、ラインA上と同様の発生圧力に戻る。即ち、バンド部材15による発生圧力は両側(a点)のシールリップ13が中央(b点)のシールリップ13より高くなっている。
【0031】
以上のように、第1クランプ11から第1固定部6に作用する圧力が、周方向で極端に低下したり或いは零になったりして不連続になる領域がない。このため、第1クランプ11による締め付けにより、等速ジョイント用ブーツ4の高いシール性を維持することができる。
【0032】
次に、従来タイプのプレート19を用いた場合の測定結果について説明する。図9(a)において、プレート19の長手方向に中途部(ラインA)、先端部(ラインB)、バンド部材上(ラインD)に分けて発生圧力を測定し、図9(b)において、幅方向両側のシールリップ13(a点)と幅方向中央の凹溝12に対応するシールリップ13(b点)に分けて発生圧力を測定して図9(c)に示すグラフ図とした。
【0033】
図9(c)において、ラインA上では、第1固定部6に凹溝12が設けられているため、バンド部材15による発生圧力は両側(a点)のシールリップ13が中央(b点)のシールリップ13より高くなっている。
【0034】
ラインB上では、レバー17の板厚分の段差が発生するためプレート19の先端近傍ではバンド部材15が浮き上がり、両側(a点)及び中央(b点)のシールリップ13においても発生圧力が零になる。
【0035】
ラインD上では、ラインA上と同様の発生圧力に戻る。即ち、バンド部材15による発生圧力は両側(a点)のシールリップ13が中央(b点)のシールリップ13より高くなっている。
【0036】
このように、従来タイプのプレート形状では第1固定部6に作用する圧力が、周方向で零になる領域があり、発生圧力が不連続になる。このため、第1クランプ11による締め付けにより、等速ジョイント用ブーツ4のシール性が低下するおそれがあることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1クランプの一部破断斜視図である。
【図2】バンド部材とプレートの斜視図である。
【図3】第1クランプと等速ジョイント用ブーツの一部破断斜視図である。
【図4】等速ジョイント用ブーツの斜視図である。
【図5】図4の等速ジョイント用ブーツの一部破断斜視図である。
【図6】等速ジョイントに等速ジョイント用ブーツ及び第1クランプを組み付ける作業を示す斜視説明図である。
【図7】等速ジョイントに等速ジョイント用ブーツ及び第1クランプを組み付けた状態の斜視説明図である。
【図8】本実施例の第1固定部に装着されたプレートの平面図、各部の断面図、クランプを縮径した際の各部の発生圧力の大きさを示すグラフ図である。
【図9】従来例の第1固定部に装着されたプレートの平面図、各部の断面図、クランプを縮径した際の各部の発生圧力の大きさを示すグラフ図である。
【図10】従来の等速ジョイント用ブーツの斜視図である。
【図11】図10の等速ジョイント用ブーツの一部破断斜視図である。
【図12】従来の第1クランプの斜視図である。
【図13】従来の等速ジョイントに等速ジョイント用ブーツ及び第1クランプを組み付ける作業を示す斜視説明図である。
【図14】従来の等速ジョイントに等速ジョイント用ブーツ及び第1クランプを組み付けた状態の斜視説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 等速ジョイント
2 ドライブシャフト
3 シャフト
4 等速ジョイント用ブーツ
5 ジョイントケース
6 第1固定部
7 第2固定部
8 蛇腹部
9 第1リブ
10 第2リブ
11 第1クランプ
12 凹溝
13 シールリップ
14 第2クランプ
15 バンド部材
16 接合部
17 レバー
18 空隙部
19 プレート
19a 縁折部
20 バックル
21 突条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイントケースと当該ジョイントケース内に揺動自在に挿入されたシャフトを連結する等速ジョイントの前記ジョイントケース外周面に第1固定部が嵌め込まれ前記シャフト外周面に第2の固定部が嵌め込まれて当該第1,第2固定部間に蛇腹部を有する等速ジョイント用ブーツにより覆われ、前記第1,第2固定部の外周面に第1,第2クランプが各々嵌め込まれて縮径することにより前記等速ジョイント用ブーツが組み付けられる等速ジョイント用ブーツのシール構造であって、
前記第1固定部に嵌め込まれる第1クランプは、両端部が接合されてリング状に形成されたバンド部材と、該バンド部材の接合部に中途部が固定されたレバーと、前記バンド部材の接合部の内周側に形成される空隙部を跨いで一端側が接合され、他端側が先細り形状に形成された当該先細り部分から内周面側に所定長わたって突条が形成されたプレートと、前記バンド部材上に傾倒させたレバーを固定するためのバンド部材の幅方向両側に起立して設けられたバックルと、を有し、
前記等速ジョイント用ブーツは、前記第1固定部の外周面に前記プレートの突条を嵌め込み可能な凹溝が全周にわたって形成されており、前記第1固定部の内周面に前記ジョイントケース外周面に全周にわたって当接してシールするシールリップが軸方向に複数箇所に形成されていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツのシール構造。
【請求項2】
前記第1固定部の内周面には、前記突条の直下に対応する位置にシールリップが設けられ、該シールリップの両側にシールリップが各々設けられている請求項1記載の等速ジョイント用ブーツのシール構造。
【請求項3】
前記第1のクランプは、前記第1固定部の外周面にプレートの突条が凹溝に嵌まり込むように装着され、前記レバーの一端側をバンド部材に当接する支点として他端側をバンド部材の外周面に重ね合わせて傾倒することによりバンド部材を縮径し、バンド部材の幅方向両側に起立するバックルを折り曲げて傾倒したレバーを固定することにより一体に組み付けられる請求項1又は2記載の等速ジョイント用ブーツのシール構造。
【請求項4】
前記プレートの幅方向両側には前記バンド部材の幅方向両側に起立する縁折部が各々設けられている請求項1乃至3のいずれか1項記載の等速ジョイント用ブーツのシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−78064(P2010−78064A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247363(P2008−247363)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(390034784)株式会社ミハマ (14)
【Fターム(参考)】