説明

等速自在継手

【課題】 外側継手部材の溝加工による加工費および工数の削減を図る。
【解決手段】 一端に開口部を有する外側継手部材10と、その外側継手部材10との間でボール30を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材20とを備え、外側継手部材10の底部14に形成された開口孔13を閉塞するシールプレート70を開口孔13に装着した等速自在継手であって、外側継手部材10の底部14に位置する開口孔13の内周面18を円筒状とし、シールプレート70のフランジ部72の外周面73に環状凹部75を形成し、シールプレート70のフランジ部72の外周面73を開口孔13の円筒状内周面18に嵌合させると共に、環状凹部75と開口孔13の円筒状内周面18との間にOリング74を圧接状態で介在させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば自動車のプロペラシャフトやドライブシャフトに組み込まれ、継手内部からの潤滑剤漏洩を防止するシールプレートを備えた等速自在継手に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手には、固定式等速自在継手と摺動式等速自在継手の二種がある。これら両者の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。
【0003】
例えば4WD車やFR車などの自動車で使用されるプロペラシャフトに組み付けられる等速自在継手としては、図10に示すような固定式等速自在継手がある。
【0004】
この等速自在継手は、同図に示すように、軸方向に延びるトラック溝111が球面状内周面112の円周方向複数箇所に形成された外側継手部材110と、その外側継手部材110のトラック溝111と対をなして軸方向に延びるトラック溝121が球面状外周面122の円周方向複数箇所に形成された内側継手部材120と、外側継手部材110のトラック溝111と内側継手部材120のトラック溝121との間に介在してトルクを伝達する複数のボール130と、外側継手部材110の球面状内周面112と内側継手部材120の球面状外周面122との間に介在してポケット141に収容されたボール130を保持するケージ140とを備えている。
【0005】
このプロペラシャフト用等速自在継手では、内側継手部材121の軸孔にスタブシャフト150をスプライン嵌合により連結している。また、外側継手部材110は、その底部114に形成された開口孔113を介して、内側継手部材120、ボール130およびケージ140を含む内部部品を収容する内部空間115と、底部114から軸方向に一体的に延びる中空状の軸部117の内部空間116とが連通した構造を具備する。
【0006】
この等速自在継手では、外側継手部材110の内部空間115に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐため、外側継手部材110の開口部側にブーツ160を、外側継手部材110の底部114側にシールプレート170を装着した構造が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
外側継手部材110の開口部側では、金属製の円筒状アダプタ161の一端を外側継手部材110の開口部外周面に嵌着し、そのアダプタ161の他端を加締めることにより、中間にてV字形に折り返した形状をなすブーツ160の大径端部を固定し、そのブーツ160の小径端部をスタブシャフト150の外周面にブーツバンド162により締め付け固定している。
【0008】
一方、外側継手部材110の底部側では、開口孔113を閉塞することにより、外側継手部材110の内部空間115と軸部117の内部空間116とを遮断するシールプレート170を装着している。このシールプレート170は、円盤状のプレート部171とそのプレート部171の外周縁を屈曲させて軸方向に延在させたフランジ部172とで構成され、そのフランジ部172の外周面173を開口孔113の円筒状内周面118に嵌合させることにより取り付けられている。
【0009】
この等速自在継手が組み付けられるプロペラシャフトは高速で回転するため、シールプレート170を装着する場合、図11に示すように、開口孔113の円筒状内周面118に環状凹溝119を切削加工などにより形成し、この環状凹溝119とフランジ部172の外周面173との間にOリング174を圧接状態で介在させることにより、シール性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−159538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の等速自在継手におけるシールプレート構造では、外側継手部材110の開口孔113の円筒状内周面118に環状凹溝119を形成し、図12に示すように、その環状凹溝119にOリング174を嵌入させた後、シールプレート170のフランジ部172を開口孔113に圧入するようにしている。これにより、その環状凹溝119とフランジ部172の外周面173との間にOリング174を圧接状態で介在させることで、シール性を確保するようにしている。
【0012】
このようなシールプレート構造とした場合、外側継手部材110の開口孔113の円筒状内周面118に環状凹溝119を形成しなければならず、この外側継手部材110の溝加工によりその加工費が嵩み、工数も増加することから、等速自在継手のコストアップを招くという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、外側継手部材の溝加工による加工費および工数の削減を図り得る等速自在継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一端に開口部を有するカップ状の外側継手部材と、その外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、外側継手部材の底部に形成された開口孔を閉塞するシールプレートを開口孔に装着した等速自在継手であって、外側継手部材の底部の開口孔内周面を円筒状とし、シールプレートの外周面に環状凹部を形成し、シールプレートの外周面を開口孔内周面に嵌合させると共に、環状凹部と開口孔内周面との間にOリングを圧接状態で介在させたことを特徴とする。
【0015】
本発明では、外側継手部材の底部の開口孔内周面を円筒状とし、シールプレートの外周面に環状凹部を形成し、シールプレートの外周面を開口孔内周面に嵌合させると共に、環状凹部と開口孔内周面との間にOリングを圧接状態で介在させたことにより、Oリングが嵌まり込む環状凹部をシールプレートの外周面に形成したことで、従来のように外側継手部材の底部の開口孔内周面に環状凹溝を形成する必要がなくなるので、外側継手部材の溝加工による加工費および工数の削減が実現容易となる。
【0016】
本発明の環状凹部をシールプレートの外周面に形成する形態としては、シールプレートの外周面の角部に環状凹部を形成し、その環状凹部に嵌まり込んだOリングを外側継手部材の底部の開口孔隅部に圧接した構成が可能である。
【0017】
また、他の形態としては、シールプレートの外周面の軸方向中央部に環状凹部を形成し、その環状凹部に嵌まり込んだOリングを外側継手部材の底部の開口孔内周面に圧接した構成、あるいは、シールプレートの外周面の角部に環状凹部を段差状に形成し、その環状凹部に嵌まり込んだOリングを外側継手部材の底部の開口孔内周面に圧接した構成が可能である。
【0018】
このような構成とした場合、シールプレートの環状凹部にOリングを予め装着した状態でそのシールプレートを外側継手部材の底部に組み付けることができるので、従来のように外側継手部材の奥まった位置にあって目視し難い底部にOリングを装着する必要がないことから、前述した外側継手部材の溝加工による加工費および工数の削減に加えて、Oリング装着の作業性改善も図れる。
【0019】
本発明におけるシールプレートは、円盤状のプレート部とそのプレート部の外周縁を屈曲させて軸方向に延在させたフランジ部とで構成されていることが望ましい。このシールプレートの場合、フランジ部の外周面に環状凹部を形成し、そのフランジ部の外周面を外側継手部材の底部の開口孔内周面に嵌合させることになる。このような構造を採用すれば、継手内部からの潤滑剤漏洩を確実に防止することができる。
【0020】
本発明における外側継手部材は、球面状内周面に軸方向に延びる複数の円弧状トラック溝が形成され、内側継手部材は、外側継手部材のトラック溝と対をなして球面状外周面に複数の円弧状トラック溝が形成され、トルク伝達部材は、外側継手部材の球面状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に配されたケージにより保持された状態で、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在するボールである構造が望ましい。本発明は、このような構造を具備した等速自在継手、つまり、固定式等速自在継手に適用可能である。
【0021】
本発明における外側継手部材は、円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が形成され、内側継手部材は、外側継手部材のトラック溝と対をなして球面状外周面に複数の直線状トラック溝が形成され、トルク伝達部材は、外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に配されたケージにより保持された状態で、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在するボールである構造が望ましい。本発明は、このような構造を具備した等速自在継手、つまり、摺動式等速自在継手に適用可能である。
【0022】
本発明は、内側継手部材にスタブシャフトをトルク伝達可能に連結した構造が望ましい。本発明は、このような構造、つまり、プロペラシャフトに組み付けられる等速自在継手に適用可能である。自動車で使用されるプロペラシャフトは高速で回転するため、シールプレートによるシール性の向上を図る上で有効である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、外側継手部材の底部の開口孔内周面を円筒状とし、シールプレートの外周面に環状凹部を形成し、シールプレートの外周面を開口孔内周面に嵌合させると共に、環状凹部と開口孔内周面との間にOリングを圧接状態で介在させたことにより、Oリングが嵌まり込む環状凹部をシールプレートの外周面に形成したことで、従来のように外側継手部材の底部の開口孔内周面に環状凹溝を形成する必要がなくなるので、外側継手部材の溝加工による加工費および工数の削減が実現容易となる。その結果、シール性を確保した低コストで、信頼性の高い長寿命の等速自在継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明における第一の実施形態で、等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図2のシールプレートを組み付ける前の状態を示す断面図である。
【図4】本発明における第二の実施形態で、等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。
【図5】図4の要部拡大断面図である。
【図6】図5のシールプレートを組み付ける前の状態を示す断面図である。
【図7】本発明における第三の実施形態で、等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。
【図8】図7の要部拡大断面図である。
【図9】図8のシールプレートを組み付ける前の状態を示す断面図である。
【図10】従来の等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。
【図11】図10の要部拡大断面図である。
【図12】図11のシールプレートを組み付ける前の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、自動車で使用されるプロペラシャフトに組み込まれ、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる構造を備えた固定式等速自在継手の一つであるツェッパ型等速自在継手を例示する。なお、以下の実施形態では、ツェッパ型等速自在継手に適用した場合について説明するが、他の固定式等速自在継手、例えばアンダーカットフリー型等速自在継手にも適用可能である。
【0026】
図1に示す実施形態の等速自在継手は、一端に開口部を有するカップ状をなし、軸方向に延びる円弧状のトラック溝11が球面状内周面12の円周方向複数箇所に形成された外側継手部材10と、外側継手部材10のトラック溝11と対をなして軸方向に延びる円弧状のトラック溝21が球面状外周面22の円周方向複数箇所に形成された内側継手部材20と、外側継手部材10のトラック溝11と内側継手部材20のトラック溝21との間に介在してトルクを伝達する複数のトルク伝達部材であるボール30と、外側継手部材10の球面状内周面12と内側継手部材20の球面状外周面22との間に介在してポケット41に収容されたボール30を保持するケージ40とを主要な構成要素としている。
【0027】
このプロペラシャフト用等速自在継手では、内側継手部材20の軸孔にスタブシャフト50をスプライン嵌合により連結している。また、外側継手部材10は、その底部14に形成された開口孔13を介して、内側継手部材20、ボール30およびケージ40を含む内部部品を収容する内部空間15と、底部14から軸方向に一体的に延びる中空状の軸部17の内部空間15とが連通した構造を具備する。
【0028】
この等速自在継手では、外側継手部材10の内部空間15に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐため、外側継手部材10の開口部側にブーツ60を、外側継手部材10の底部14側にシールプレート70を装着した構造を具備する。このように、外側継手部材10、ブーツ60およびシールプレート70で囲まれた密閉空間に潤滑剤を封入することにより、外側継手部材10に対してスタブシャフト50が作動角をとりながら回転する動作時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材10、内側継手部材20、ボール30およびケージ40で構成される摺動部位での潤滑性を確保している。
【0029】
外側継手部材10の開口部側では、金属製の円筒状アダプタ61の一端を外側継手部材10の開口部外周面に嵌着し、そのアダプタ61の他端を加締めることにより、中間にてU字形に折り返した形状をなすブーツ60の大径端部を固定し、そのブーツ60の小径端部をスタブシャフト50の外周面にブーツバンド62により締め付け固定している。
【0030】
一方、外側継手部材10の底部14側では、開口孔13を閉塞することにより、外側継手部材10の内部空間15と軸部17の内部空間16とを遮断するシールプレート70を開口孔13に装着する。このシールプレート70は、円盤状のプレート部71とそのプレート部71の外周縁を屈曲させて軸方向に延在させたフランジ部72とで構成され、そのフランジ部72の外周面73を開口孔13の円筒状内周面18に嵌合させることにより取り付けられている。
【0031】
このような構造のシールプレート70を採用することにより、継手内部からの潤滑剤漏洩を確実に防止することができる。この等速自在継手が組み付けられるプロペラシャフトは高速で回転するため、シールプレート70を装着する場合、開口孔13の円筒状内周面18とフランジ部72の外周面73との間にOリング74を圧接状態で介在させることにより、シール性の向上を図っている。
【0032】
この実施形態の等速自在継手では、外側継手部材10の底部14に位置する開口孔13の内周面を円筒状とし、シールプレート70のフランジ部72の外周面73に環状凹部75を形成し、そのフランジ部72の外周面73を開口孔13の円筒状内周面18に嵌合させると共に、環状凹部75と開口孔13の円筒状内周面18との間にOリング74を圧接状態で介在させる。
【0033】
このように、Oリング74が嵌まり込む環状凹部75をシールプレート70のフランジ部72の外周面73に形成したことで、従来のように外側継手部材110の底部114の円筒状内周面118に環状凹溝119を形成する必要がなくなるので(図10〜図12参照)、外側継手部材10の溝加工による加工費および工数の削減が実現容易となる。
【0034】
前述した環状凹部をシールプレート70の外周面73に形成する場合としては、以下で詳述する形態が可能である。
【0035】
図1に示す第一の実施形態では、シールプレート70のフランジ部72の外周面73の軸方向中央部に環状凹部75を形成し、その環状凹部75に嵌まり込んだOリング74を外側継手部材10の底部14に位置する開口孔13の円筒状内周面18に圧接した構成としている(図2参照)。なお、この第一の実施形態の場合、環状凹部75にOリング74を装着するため、従来よりも線径が小さいOリング74を使用することが可能である。
【0036】
また、図4に示す第二の実施形態では、シールプレート70のフランジ部72の外周面73のプレート部71との角部に環状凹部77を段差状に形成し、その環状凹部77に嵌まり込んだOリング76を外側継手部材10の底部14に位置する開口孔13の円筒状内周面18に圧接した構成としている(図5参照)。
【0037】
これら第一および第二の実施形態のような構成とした場合、図3および図6に示すように、シールプレート70の環状凹部75,77にOリング74,76を予め装着した状態で、そのシールプレート70を外側継手部材10の底部14に組み付けることができるので、従来のように外側継手部材10の奥まった位置にあって目視し難い底部14にOリングを装着する必要がないから、前述した外側継手部材10の溝加工による加工費および工数の削減に加えて、Oリング装着の作業性改善も図れる。
【0038】
さらに、図7に示す第三の実施形態では、シールプレート70のフランジ部72の外周面73のプレート部71との角部に環状凹部79を形成し、その環状凹部79に嵌まり込んだOリング78を外側継手部材10の底部14に位置する開口孔13の隅部19に圧接した構成としている(図8参照)。なお、開口孔13は、軸部17の内部空間16側で小径となる段差状としていることから、その奥側で隅部19を有する。
【0039】
この第三の実施形態では、図3に示す第一の実施形態や図6に示す第二の実施形態の場合と異なり、図9に示すように、シールプレート70を開口孔13に装着するに先立って、Oリング78を外側継手部材10の底部14に位置する開口孔13の隅部19に嵌入させ、その後、シールプレート70を開口孔13に圧入することになる。
【0040】
以上の実施形態では、ツェッパ型等速自在継手である固定式等速自在継手について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し、しかも、軸方向の相対変位をも許容することができる構造を備えた摺動式等速自在継手、例えば、ダブルオフセット型等速自在継手やクロスグルーブ型等速自在継手にも適用可能である。
【0041】
この種の摺動式等速自在継手は、図示しないが、円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして球面状外周面に複数の直線状トラック溝が形成された内側継手部材と、外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に配されたケージにより保持された状態で、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在するトルク伝達部材であるボールとで構成されている。
【0042】
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0043】
10 外側継手部材
11 トラック溝
12 球面状内周面
13 開口孔
18 円筒状内周面
14 底部
20 内側継手部材
21 トラック溝
22 球面状外周面
30 トルク伝達部材(ボール)
40 ケージ
70 シールプレート
71 プレート部
72 フランジ部
73 外周面
74,76,78 Oリング
75,77,79 環状凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有するカップ状の外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の底部に形成された開口孔を閉塞するシールプレートを前記開口孔に装着した等速自在継手であって、
前記外側継手部材の底部の開口孔内周面を円筒状とし、前記シールプレートの外周面に環状凹部を形成し、前記シールプレートの外周面を開口孔内周面に嵌合させると共に、前記環状凹部と開口孔内周面との間にOリングを圧接状態で介在させたことを特徴とする等速自在継手。
【請求項2】
前記環状凹部は、シールプレートの外周面の軸方向中央部に形成され、前記Oリングは、前記外側継手部材の底部の開口孔内周面に圧接されている請求項1に記載の等速自在継手。
【請求項3】
前記環状凹部は、シールプレートの外周面の角部に段差状に形成され、前記Oリングは、前記外側継手部材の底部の開口孔内周面に圧接されている請求項1に記載の等速自在継手。
【請求項4】
前記環状凹部は、シールプレートの外周面の角部に形成され、前記Oリングは、前記外側継手部材の底部の開口孔隅部に圧接されている請求項1に記載の等速自在継手。
【請求項5】
前記シールプレートは、円盤状のプレート部とそのプレート部の外周縁を屈曲させて軸方向に延在させたフランジ部とで構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の等速自在継手。
【請求項6】
前記外側継手部材は、球面状内周面に軸方向に延びる複数の円弧状トラック溝が形成され、前記内側継手部材は、外側継手部材のトラック溝と対をなして球面状外周面に複数の円弧状トラック溝が形成され、前記トルク伝達部材は、外側継手部材の球面状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に配されたケージにより保持された状態で、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在するボールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の等速自在継手。
【請求項7】
前記外側継手部材は、円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が形成され、前記内側継手部材は、外側継手部材のトラック溝と対をなして球面状外周面に複数の直線状トラック溝が形成され、前記トルク伝達部材は、外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に配されたケージにより保持された状態で、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在するボールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の等速自在継手。
【請求項8】
前記内側継手部材にスタブシャフトをトルク伝達可能に連結した請求項1〜7のいずれか一項に記載の等速自在継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−122614(P2011−122614A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278715(P2009−278715)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】