説明

管の外側壁に接したまたはそのすぐ近くにある少なくとも一つの強磁性物質を有する堆積物の探知方法および装置

本発明は、管の外側壁に接したまたはすぐ近くにある、ニッケル、マグネタイト、または類似物のような強磁性物質を少なくとも一つ有する堆積物の探知方法に関しており、該探知方法は、管の内部の磁気源の、電気モーターによるその長さ方向における移動の過程、電気モーターにおける電流の強度の測定の過程、そして、電気モーターにおいて測定される電流の強度変化に応じた、前記堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積の決定の過程とを有する。本発明の別の目的は、前記方法を実施する装置に関している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気探知の方法および装置の一般的な分野、より特徴的には、PWRと呼ばれる加圧水型原子炉の蒸気発生器の冷却管に接したまたはすぐ近くにある強磁性物質の堆積物による、付着物または目詰まりを探知する方法および装置の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「Pressurized Water Reactor(加圧水型原子炉)」の頭字語によるPWRタイプの原子力発電所の分野においては、原子炉の炉心において生じる熱が、中で水が循環する一次流路と呼ばれる閉流路を用いて二次流路と呼ばれる流路に伝えられ、該二次流路の蒸気に変化した水が、電気を生み出すためにタービンにエネルギーを供給することが非常に既知である。
【0003】
蒸気発生器の分解斜視図で示す図1を参照すると、PWRタイプの原子力発電所は、一般的に蒸気発生器をそれぞれ三つまたは四つ有するものである。
前記蒸気発生器は、一次流路10と二次流路15を収容する格納容器5から成る。
一次流路10と二次流路15の間の熱交換は、逆U字型の複数の管20を介して行なわれる。
前記管20は、蒸気発生器の低部に固定された部材によって動かなくされたスペーサー板25によってしかるべき場所に保持される。
【0004】
スペーサー板25と管20の細部を斜視図で示す図2を参照すると、前記スペーサー板25は、四つ葉型と呼ばれる十字型の孔30を有し、該孔を前記円筒形の管20が通り抜けている。
【0005】
目詰まりをしている堆積物35が、四つ葉型の孔30(図2)のところで管20とスペーサー板25との間に形成されることは既知である。
これらの堆積物35は、結果として、一方では、通常の作動では、管4への力学的制約を変更し、また他方では、故障や事故の場合に、スペーサー板25への応力を増すものであるが、それゆえ管20の破裂の危険性が増すことになる。
【0006】
さらに、付着物と呼ばれる堆積物が、管20の外側の表面に形成され、蒸気発生器内における熱交換のパフォーマンスの低下の原因となることもまた既知である。
【0007】
これらの目詰まりまたは付着した堆積物を取り除くために、種々の化学洗浄方法で、管およびスペーサー板を掃除することが非常に既知である。
これらの方法は、これらのマグネタイトのような酸化物の堆積物を崩し、溶解させるために、蒸気発生器の二次流路の中に化学薬品を注入することにある。
【0008】
しかしながら、注入すべき薬品の量は、蒸気発生器の中に存在する酸化物の量に依る。
【0009】
したがって、あらかじめ酸化物の量を、測定する必要がある。
【0010】
このために、低周波フーコー電流の軸センサを利用した、マグネタイトの堆積物を探知する方法と装置が非常に既知である。
前記センサは、蒸気発生器の管の中に挿入され、その測定値は、出くわした堆積物を表すスクリーン映像すなわちオンライン標準器と相関される。
【0011】
このタイプの方法は、データ収集物の分析におよそ一ヶ月の時間を必要とし、費用をかなり圧迫するという不都合を呈する。
さらに、このタイプの方法によって得られる測定値は、正確性に欠けるものである。
【0012】
他方では、米国特許第4088946号明細書に記述される堆積物を探知する方法と装置が既知である。
前記装置は、フーコー電流センサを有しており、該センサは、堆積物を探知するために、管の中を一定の速度で移動する。
【0013】
先と同じように、このセンサは、精度が低く、またビデオ映像の収集を必要とする。
【0014】
同じ不都合を呈する、管の外側壁の堆積物を探知する他の方法と装置は、とりわけ仏国特許発明第2459490号明細書および米国特許第4700134号明細書に記述されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的のうちの一つは、したがって、これらの不都合を、管の外側壁に接したまたはすぐ近くにある少なくとも一つの強磁性物質を有する堆積物を探知する方法と装置を提案することによって改善することであり、該方法と装置は、単純であまり費用のかからない構想の、そして高い精度ならびに高い信頼度を呈する、とりわけPWRタイプの原子力発電所の蒸気発生器の管に接したまたはすぐ近くにある堆積物を探知することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このために、本発明にしたがって、堆積物を探知する方法が提案されるが、該堆積物は、ニッケル、マグネタイト、または類似物のような、少なくとも一つの強磁性物質を、管の外側壁に接したまたはすぐ近くに有するものである。
該探知方法は、少なくとも以下のような過程、すなわち、
電気モーターを用いた、管の内部での磁気源の長さ方向への移動過程、
電気モーターにおける電流の強度を測定する過程、
そして、電気モーターにおいて測定される電流の強度変化に応じて、前記堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積を決定する過程、とを有することを特徴とする。
【0017】
好ましくは、磁気源は、少なくとも一つの永久磁石から成る。
【0018】
他方では、前記磁気源は、一定の速度で管の中を移動させられるが、前記磁気源は、第一の方向に移動させられた後に、その反対方向に移動させられる。
【0019】
さらに、前記堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積を決定する過程は、電気モーターにおいて測定される電流の強度変化を、基準モデルおよび/または較正モデルと比較する過程を有する。
【0020】
本発明の他の目的は、本方法を利用する探知装置に関するものである。
該装置は、
少なくとも一つの磁気源、
前記磁気源の、電気モーターを有する前記管の内部での長さ方向での移動手段、
前記電気モーターにおける電流の強度変化を測定する手段、
そして、電気モーターにおいて測定される電流の強度変化の幅に応じて、前記堆積物の位置および/または厚み/およびまたは/体積を決定する手段とを、少なくとも有することを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記磁気源は、少なくとも一つの永久磁石から成る。
【0022】
磁気源の前記移動手段は、ピストンから成る。
該ピストンの一端は、前記磁気源を有し、またその反対の端は、回転駆動軸と連動するウォームねじと協働するナットを有するものである。
【0023】
他方では、回転駆動軸は、電気モーターに連結される減速装置の出力軸にある。
【0024】
有利には、本装置は、管の内部に、駆動手段のブロック手段を有するものである。
【0025】
他の利点および特徴は、以下に続く添付の図面に基づき、本発明にかなった、非磁性管に接したまたはすぐ近くにある磁性堆積物の探知装置の、非限定的な趣旨で例示される複数の変形実施例の説明からよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】PWRタイプの原子力発電所の蒸気発生器の、分解斜視図。
【図2】スペーサー板の四つ葉型の孔の中を通り抜ける管の細部の斜視図であり、前記四つ葉型の孔は、目詰まりと呼ばれる堆積物を有している。
【図3】付着する堆積物を有する管の中に挿入される、本発明にかなった探知装置の概略的な長手方向断面図。
【図4】堆積物に対する本発明による装置のセンサのさまざまな位置と、センサの位置に応じた引力と、電気モーターの電流の強度変化の概略図。
【図5】堆積物に対する本発明による装置のセンサのさまざまな位置と、センサの位置に応じた引力と、力のバランスと、電気モーターの電流の強度変化の概略図。
【図6】堆積物に対する本発明による装置のセンサのさまざまな位置と、センサの位置に応じた引力と、センサの移動手段のねじおよびナットのねじ溝に掛けられる力と、電気モーターの電流の強度変化の概略図。
【図7】本発明による装置のセンサが、異なる厚みと長さの付着堆積物を有する管の中を移動させられた際の、電気モーターの電流の強度変化のグラフ図。
【図8】スペーサー板の四つ葉型の孔のところの管の中に挿入された、本発明による装置のセンサの長手方向断面図。
【図9】スペーサー板の四つ葉型の孔の中を通り抜ける管の部分斜視図。
【図10】図9で示される管と四つ葉型の孔の、X−X’の切断線に沿った断面図。
【図11】本発明のセンサが、四つ葉型の孔のところの管の中を第一の方向にしたがって移動させられた際の、電気モーターの電流の強度変化のグラフ図であり、該四つ葉型の孔は、目詰まりをしている堆積物を有していない。
【図12】本発明のセンサが、四つ葉型の孔のところの管の中を反対の方向にしたがって移動させられた際の、電気モーターの電流の強度変化のグラフ図であり、該四つ葉型の孔は、目詰まりをしている堆積物を有していない。
【図13】本発明のセンサが、四つ葉型の孔のところの管の中を第一の方向に、次いでその反対方向に移動させられた際の、電気モーターの電流の強度変化のグラフ図であり、該四つ葉型の孔は、目詰まりをしている堆積物を有していない。
【図14】スペーサー板の四つ葉型の孔のところの管の中に挿入される、本発明による装置のセンサの長手方向断面図であり、該四つ葉型の孔は、目詰まりをしている堆積物を有している。
【図15】センサが、四つ葉型の孔のところの管の中を第一の方向に移動させられた際の、本発明による装置の電気モーターの電流の強度変化のグラフ図であり、該四つ葉型の孔は、目詰まりをしている堆積物を有している。
【図16】センサが、四つ葉型の孔のところの管の中を反対の方向に移動させられた際の、本発明による装置の電気モーターの電流の強度変化のグラフ図であり、該四つ葉型の孔は、目詰まりをしている堆積物を有している。
【図17】センサが、目詰まりをしている堆積物を有している四つ葉型の孔のところの管の中を第一の方向にしたがって移動する際の、堆積物、センサの位置に応じた引力、そして電気モーターの電流の強度変化に対する、本発明による装置のセンサのさまざまな位置の概略図。
【図18】センサが、目詰まりをしている堆積物を有している四つ葉型の孔のところの管の中を反対の方向に移動する際の、センサの位置に応じた引力、そして電気モーターの電流の強度変化の堆積物に対する、本発明による装置のセンサのさまざまな位置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、本発明による探知装置100は、一つまたは複数の永久磁石を有するセンサを形成する磁気源105と、前記磁気源105の管115の内部へのその長さ方向での少なくとも一つの電気モーター120を有することによる移動手段110と、前記電気モーター120における電流の強度変化の測定手段125、そして、電気モーター120において測定される電流の強度変化に応じた、管115の外側の壁に接したまたはすぐ近くにある堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積の決定手段130とを有する。
【0028】
磁気源105の移動手段110は、ピストン135から成る。
該ピストンの一端は、前記磁気源105を支え、また反対側の端は、回転駆動軸150と連動するウォームねじ145と協働するナット140を有している。
前記回転駆動軸150は、電気モーター120に連結される減速装置160から成る減速装置155の出力軸にある。
前記電気モーター120は、固定電圧で給電され、該固定電圧は、磁気源105の磁石の引力に関連する難点を通過するのに必要な電力の増加を補うために、電気モーターの電流の強度が増すように、調節される。
【0029】
すなわち、一つまたは複数の永久磁石から成る、センサと呼ばれる磁気源105を、ニッケル、マグネタイト、または類似物のような、管115の外側壁に接したまたはすぐ近くにある少なくとも一つの強磁性物質を有する堆積物165のすぐ近くに存在させることによって、引力が得られる。
該引力は、堆積物165の体積、センサ105と堆積物165との間の距離、そしてセンサ105と堆積物165との間の相対的位置に応じて変化するものである。
このセンサ105の移動を、一定の速度で機械化すると、引力の影響を受けて、電気モーター120の供給電流の強度変化が得られ、該強度変化は、較正され、堆積物165の存在を探知し、その体積を算定することを可能にする。
最大の力は、磁性材料の最小体積がセンサ105の磁石の体積と等しいときに達成される。
センサの永久磁石によって生み出される引力は、能動的または抵抗性であることができ、移動を促進したり、または移動に抵抗したりすることができる。
付着と目詰まりの磁気センサを用いた検査方法は、一つまたは複数の永久磁石を有するセンサ105の一定速度での移動を、管115内で機械化することにあり、また堆積物の存在、距離、および体積に応じて強度が変化する電気モーターの電流のデータ収集を実現することにある。
【0030】
付随的に、得られる信号は、管の信号または、堆積物の形状の寸法のデータを表す較正される基準となる信号と比較される。
【0031】
他方では、センサの移動の間、装置を管115の内部でしかるべき場所に保持するために、装置は、前記管115の内部に移動手段110のブロック手段を有する。
前記ブロック手段は、例えば力学的手段または塑性変形手段のような、同業者に非常に既知のすべての手段にあることができる。
【0032】
さらに、電流の強度の測定手段125は、電流計タイプの装置から成り、該装置は、USBデータ収集カード175によってPCタイプのコンピュータ170に接続される。
アルゴリズムは、ハードディスクおよび/またはコンピュータのメモリのような、物理媒体に記録されるソフトウェアの形を呈している。
管115の外側壁に接したまたはすぐ近くの堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積は、電気モーター120において測定される電流の強度変化に応じており、その電流の強度の測定値は、USBデータ収集カード175によってコンピュータ170に伝送される。
【0033】
今度は、図3から図18を参照して、非磁性管の外側壁に接したまたはすぐ近くに、ニッケル、マグネタイト、または類似物のような強磁性物質を少なくとも一つ有する堆積物の探知装置の作動を説明する。
【0034】
本発明による装置は、図3を参照すると、磁気リングによって模倣される付着した堆積物165を有する管115の中で、ブロックされる。
【0035】
センサ105を非磁性の管115の中で一定の速度で移動させる際、堆積物165に対するその位置に依る、センサの動力用電力を働かす必要がある。
【0036】
センサ105の移動は、一定の速度で実現され、電圧は調節されており、直流での電気モーター120の電力の関数は、P(t)=UxI(t)の形式で書かれる。
【0037】
強度I(t)は、センサ105の永久磁石と堆積物165との間の相対的位置に応じて変化し、前記相対的な位置は引力の変化を生み出すものである。
【0038】
ある段階(堆積物165の領域の入口および出口)において、引力は、機械装置を引き寄せる傾向があり、電気モーターの電流によって補われる、軸方向応力を生み出す。
【0039】
図4の曲線上で目印をつけられた箇所は、リングの始まり(A)とリングの終わり(C)の情報を与えている。
堆積物165の長さは、この場合X(C)−X(A)に等しい、すなわちXは、センサ105の移動速度によって掛けられる時間のベースに等しい。
【0040】
これらの曲線の非常に特徴的な箇所は、変曲点(B)であり、該変曲点は、センサが物質的に均衡していること、すなわち、センサ105の正常軸の両側に同じ量の磁性材料があるということを示すものである。
【0041】
図5は、センサ105が引力を受けるときのセンサの振る舞いを明らかにすること、そして、分析を構造化するために図形要素を引き出すことを可能にする。
この図5は、堆積物165に対するセンサ105のそれぞれの相対的位置について、引力のダイアグラム、作用している力のバランス、すなわち推進力と引力のバランス、機械式伝達力への影響、そして、それらの電気モーターの強度の曲線との関連を示している。
【0042】
これらの力の値が、出くわす堆積物の体積に依る。
【0043】
一定速度での移動を保つことを可能にするために、電気モーター120は、引力が推進性であるときも、抵抗性であるときも、引力の効果を補わなければならない。
【0044】
引力が推進性のものであるとき、引力は、前進力よりも大きい。
図6を参照すると、引力は、ねじ/ナットの伝達力を引き出し、したがってねじ溝への応力を生み出す効果をもたらす。
【0045】
本発明の独自の実施例の場合において、伝達力は、ねじ/ナットによる伝達にあり、磁力は、減速装置の軸上に軸方向の力を生み出す。
これらの磁力は、ときには推進力が強すぎて、機械装置に対して抵抗性になってしまうことがある。
【0046】
厚みと長さの異なる二つのリングを有する管115の内部を、本装置のセンサが移動する際の、電気モーターの電流の強度変化を示す図7を参照すると、前記リングは、厚みと長さの異なる堆積物を模倣しているが、得られる信号の形状の分析が、堆積物の始まり、前進速度と相関する堆積物の長さ、そしてリングゲージの強度の振幅と相関する堆積物の厚み(e1またはe2)に、相対的なデータをもたらすことが明らかになる。
【0047】
したがって、本発明による装置は、管の周りの堆積物の存在を探知すること、そして、これらの堆積物の長さと厚みを測定することを可能にする。
【0048】
さらに、本発明による装置は、得られる信号を、基準となる管の信号または較正される信号と比較して、結果の直接の読取りを画面上で行うことを可能にする。
【0049】
図8から10を参照すると、本発明による方法を、管/スペーサー板の関連に応用することができる。
このように、移動力の分析(スペーサー板に対するセンサの位置の関数)によって、材料の体積の変化があるかどうかを測定することができる。
【0050】
本発明による装置を用いて実現される試験は、堆積物の体積の変化を、センサがいかなる堆積物も有さない管の中を移動する際に電気モーターの電流の強度変化に対する、基準となる信号と比較することによって、または板の入口および出口の信号の差によって、見つけ出すことができることを示した。
目詰まりをしている堆積物がある場合は、該目詰まりがスペーサー板の一方の側にしかなく、このことにより対応する信号を比較することが可能になる。
【0051】
入口/出口の比較分析の場合において、堆積物の探知および特徴づけの精度を増すために、二重のデータ収集(往復)を実現することが必要である、というのも、センサの作用は、目詰まった側から入るのか目詰まった側から出るのかによって異なるからである。
【0052】
第一の試験は、図11および図12を参照すると、本発明による装置を用いて、その四つ葉型の通路が塞がれていないスペーサー板の中に取り付けられる管の中での、センサの往復移動の強度のデータ収集を実現することにあった。
【0053】
図13を参照すると、スペーサー板に対するセンサの位置と、電気モーターのデータ収集の曲線との間の関係が示されている。
【0054】
信号の分析を行うことを可能にするためには、特徴的な箇所の位置を曲線上で確定しなければならない。
これらの箇所での電気モーターの電流の強度変化は、材料の体積変化の存在、すなわち目詰まりをしている堆積物の存在を明らかにするであろう。
【0055】
図14を参照すると、目詰まりをしている堆積物180は、スペーサー板の四つ葉型の通路の中に磁気リングを位置づけることによって、模倣された。
【0056】
図15および図17を参照すると、基準となる二つの箇所(A)と(B)について、信号の変化が確認される。
板の入口(A)には、引力がより強いため材料がより多くあり、引力は、電気モーターが電流の増加によって補う抵抗力を生み出す伝達力を引き寄せる。
【0057】
普通の部分(B)では、板の入口の堆積物に起因する引力が、センサを引きつけ、それゆえ強度が増加する。
【0058】
図16と図18を参照すると、基準となる二つの箇所AとBについて、信号の変化が確認される。
板の出口(A)には、引力がより強いため材料がより多くあり、引力は、電気モーターが電流の増加によって補う抵抗力を生み出す伝達力を増す。
普通の部分(B)では、板の出口の堆積物に起因する引力が、センサを引き寄せ、そしてセンサを特定の時間の間、均衡した状態に保ち、それゆえ強度が減少する。
【0059】
したがって、本発明による装置は、スペーサー板の四つ葉型の通路の目詰まりを優れた感度で探知し、この目詰まりの奥行きおよびその厚みを測定することを可能にする。
【0060】
さらに、本発明による装置は、得られる信号を、基準となる管の信号または較正される信号と比較して、結果の直接の読取りを画面上で行うことを可能にする。
【0061】
最後に、与えられたばかりの例は、特定の例証でしかなく、本発明の応用分野に関していかなる場合においても制限するものではない。
【符号の説明】
【0062】
5 格納容器
10 一次流路
15 二次流路
20 管
25 スペーサー板
30 孔
35 堆積物
100 探知装置
105 磁気源
110 移動手段
115 磁気源の管
120 電気モーター
125 測定手段
130 決定手段
135 ピストン
140 ナット
145 ウォームねじ
150 回転駆動軸
155 減速装置
160 減速装置
165 堆積物
170 コンピュータ
175 USBデータ収集カード
180 堆積物
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】米国特許第4088946号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第2459490号明細書
【特許文献3】米国特許第4700134号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の外側壁に接したまたはすぐ近くにある付着または目詰まりをしている堆積物を探知する方法であり、
該堆積物は、ニッケル、マグネタイト、または類似物のような、少なくとも一つの強磁性物質を有するものであり、
少なくとも以下のような過程、すなわち、
−電気モーターを用いた、管の内部の磁気源のその長さ方向での移動過程、
−電気モーターにおける電流の強度を測定する過程、
−電気モーターにおいて測定される電流の強度変化に応じて、前記堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積を決定する過程、とを有することを特徴とする、堆積物の探知方法。
【請求項2】
磁気源が、少なくとも一つの永久磁石にあることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記磁気源が、一定の速度で管の中を移動させられることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
磁気源が、第一の方向に移動させられた後に、その反対方向に移動させられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積を決定する過程が、電気モーターにおいて測定される電流の強度変化を基準モデルおよび/または較正モデルと比較する過程を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
管の外側壁に接したまたはすぐ近くにある付着または目詰まりをしている堆積物を探知する装置であり、
該堆積物は、ニッケル、マグネタイト、または類似物のような、少なくとも一つの強磁性物質を有するものであり、
少なくとも一つの磁気源、
電気モーターを有する前記管の内部での前記磁気源の長さ方向における移動手段、
前記電気モーターにおける電流の強度の測定手段、
そして、電気モーターにおいて測定される電流の強度変化に応じた、前記堆積物の位置および/または厚みおよび/または体積の決定手段、を有することを特徴とする、堆積物を探知する装置。
【請求項7】
磁気源が、少なくとも一つの永久磁石にあることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
磁気源の移動手段が、ピストンから成り、
該ピストンの端の一端が、前記磁気源を支え、
また、その反対の端が、回転駆動軸と連動するウォームねじと協働するナットを有することを特徴とする、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
回転駆動軸が、電気モーターに連結される減速装置の出力軸にあることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
管の内部に、駆動手段のブロック手段を有することを特徴とする、請求項6から9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
PWRと呼ばれる加圧水型原子炉の蒸気発生器の補強材の四つ葉型の孔の中の堆積物を探知するための、請求項1から5のいずれか一つによる方法の応用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2011−521218(P2011−521218A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508940(P2011−508940)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055949
【国際公開番号】WO2009/138503
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(504462489)エレクトリシテ・ドゥ・フランス (25)
【Fターム(参考)】