説明

管切断機械用の回転式スイベル

回転式スイベルであって、長手方向(L)に延在する長手軸回りに回転可能なシャフト(3)であって、長手方向(L)に延在する長手方向貫通孔(26、27、28)を少なくとも1つ備え、このシャフトにおいて、長手方向(L)においてシャフト(3)に対して往復移動可能にそれぞれ1つの伸縮自在フォーク(43、44、45)が設けられている、シャフトと、対応して設けられているそれぞれ1つの長手方向貫通孔(26、27、28)に対して延在する少なくとも1つの切り欠き部(22、23)と、シャフト(3)の外側で長手方向(L)において移動可能であるとともにスラストロッド(43、44、45)に対応して設けられている少なくとも1つの伸縮自在フォーク(12、13、14)と、対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)と対応のスラストロッド(43、44、45)との間で対応の切り欠き部(22、23)によって対応の長手方向貫通孔(26、27、28)に対してそれぞれ延在する機能接続部であって、対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)のシャフト(3)に対する往復移動を対応のスラストロッド(43、44、45)に伝達するとともに、対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)に対するシャフト(3)の回転移動を可能にする、機能接続部と、を備える、回転式スイベル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式スイベル、ロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するための機械と、回転式スイベルを用いる方法と、ロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するための方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
回転式スイベルは、先行技術において公知となっている。従来、回転シャフトの中央に設けられているスラストロッドが、自身の端面側において、シャフトの長手方向に往復駆動される。駆動部の並進移動が、スラストロッドによって、スラストロッドの他の端部の工具に伝達され、それによって制御される。伸縮自在に互いに入れ子状になっている複数のスラストロッドを、回転シャフトに同心状に設けるとともに複数の工具を制御することも公知となっている。公知の回転式スイベルにおける欠点として、スラストロッド用の複数の並進駆動機構を回転可能軸の端面側に設けなくてはならないという事実が挙げられる。この場合、この同一の端面側に、シャフト自体の駆動部も設けなければならない。これによって、スペースの問題が生じる。
【0003】
伸縮自在に入れ子状になっているスラストロッドの他方の端部では、並進移動をスイッチオフして個々の工具を供給しなくてはならない。これによって、追加の機構が前提条件となる。
【0004】
DE3617103C1において、工具張設装置を備える、工具機械のスピンドルが記載されている。ここで、工具機械に支持されている回転可能なスピンドルは、工具の張設および張設解除のための張設手段を備える。工具が張設解除されている場合、エネルギー供給部が充電され、工具が張設されている場合、張設手段を引き絞るための工具が少なくとも部分的に充電される。
【0005】
DE19856738C1からは、ワークピースを加工するための工具機械が公知になっている。ここで、工具保持部は、転動ギヤスピンドルおよびスピンドルナットを備える転動伝達装置によって移動可能である。この場合、複数の工具を独立して制御することはできない。
【0006】
DE1463226からは、自動管切断装置が公知となっている。ここで、管を加工するために、加工すべき管を案内および回転させるための装置と、管の中心線に沿って案内される切断工具とが設けられている。さらに、切断工具と、案内および回転装置を相互関連させる制御回路も設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、改善された回転式スイベル、回転式スイベルを用いる方法、このような回転式スイベルを備える切断機械、およびロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、請求項1の特徴を有する回転式スイベルによって解決される。本発明に係る回転式スイベルは、長手方向に延在する長手軸回りに回転可能なシャフトであって、長手方向に延在する長手方向貫通孔を少なくとも1つ備える、シャフトを有する。このシャフトにおいて、長手方向においてシャフトに対して往復移動可能に設けられているそれぞれ1つの伸縮自在フォークが設けられている。少なくとも1つの切り欠き部が、シャフト側壁に設けられており、この切り欠き部は、それぞれ1つの長手方向貫通孔に対応して設けられており、かつ、長手方向貫通孔をシャフトの外側と連通させる。少なくとも1つの側方の切り欠き部の縁部は、公的にはシャフトの端面から離間するとともに、シャフト側壁に完全に延在している。シャフトの外側には、長手方向に移動可能であり伸縮自在なスラストロッドのうちの1つに対応して設けられている伸縮自在フォークが設けられている。伸縮自在フォークと対応のスラストロッドとの間には、機能接続部が設けられている。この機能接続部は、対応の伸縮自在フォークのシャフトに対する往復移動を対応のスラストロッドに伝達するとともに、対応の伸縮自在フォークに対するシャフトの回転移動を可能にする。
【0009】
機能接続部は、好適には、対応の切り欠き部内に嵌入するアームを供えている。このアームは、付属のスラストロッドと並進移動不能に接続されている。ここで、切り欠き部は、長手方向において、切り欠き部内のアームの延長部分よりも長く構成されており、これによって、切り欠き部内のアームが長手方向において往復移動可能になっている。この構成によって、往復移動を外側から長手方向貫通孔に導入することができるようになる。
【0010】
正確な移動の伝達のために、アームは、好適には、対応の伸縮自在フォークに並進移動不能に接続されている。
【0011】
特に安定した本発明に係る実施形態では、切り欠き部の断面においてシャフトを包囲する少なくとも1つのリング部材が設けられている。このリング部材から、アームが切り欠き部内に突出している。
【0012】
アームは、好適には、リング部材に定置に形成されている。リング部材は、シャフト上で、往復移動可能に設けることができ、それによって、往復移動が伝達される。有利な場合には、移動可能な接続部はボール軸受によって形成され得る。
【0013】
好適には、伸縮自在フォークは、シャフトを同心状に包囲するリング部分を備える。このリング部分は、外側の軸受によってリング部分に対して回転可能であるとともにリング部分内部において同心状に設けられているリング部材に接続される。好適には、外側の軸受はアンギュラボールベアリングである。
【0014】
各リング部分には、突起を設けることができる。この突起にはそれぞれ、駆動装置が嵌合し、伸縮自在フォークが往復移動する。駆動装置は、突起と並進移動不能に接続されているギヤロッドを備えてもよい。このギヤロッドは、駆動部から突出している。
【0015】
伸縮自在フォークの傾動を防止するために、伸縮自在フォークはそれぞれ、シャフトに沿って長手方向に延在する案内ロッドに案内される。
【0016】
特に好適な本発明に係る実施形態には、シャフト内に互いに隣接して設けられている複数の長手方向貫通孔と、長手方向貫通孔のうちの1つに対応して設けられている複数の切り欠き部とが設けられている。これらは、少なくとも自身の長手方向延長部の分だけ長手方向に互いにずれて設けられている。したがって、複数の並進移動が、シャフト内に案内され得る。
【0017】
好適には、複数の長手方向貫通孔が、それぞれシャフトの回転軸に対して偏心されて設けられる。特に、複数の長手方向貫通孔の偏心機構によって、複数の長手方向貫通孔を回転軸回りに回転対称に配置することができるようになる。これら長手方向貫通孔は、シャフトの長手方向において互いに対して平行にシャフト内に設けられている。
【0018】
対応して、特に好適な本発明の実施形態は、長手方向においてずれているとともにシャフトにおいて前後にそれぞれ切り欠き部の断面に設けられている複数の伸縮自在フォークを備えている。
【0019】
好適には、各スラストロッドのための並進駆動部が、まずはシャフト横に設けることができる。そして特に、シャフトの壁、すなわちシャフトの円筒側壁によって、並進移動が、シャフト内で隣接して設けられているスラストロッドに伝達可能となっている。したがって、全体としてみて、スラストロッドの駆動部は、伸縮自在に互いに入れ子状に設けられているスラストロッドの場合と比べて、機械においてシャフトの側方に明らかにより大きな空間を提供する。
【0020】
上記の課題は、第2の態様において、冒頭に記載した形式のロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するための機械によって解決される。この機械は、プロファイル材料用の保持装置と、上記の回転スイベルと、それぞれ1つのスラストロッドと機能接続状態にある少なくとも1つの刃と、を備えている。この刃は、ロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するためのシャフトの保持装置の側を向いている端部に設けられている。機械は、好適には、管端部加工機械である。
【0021】
機械は、好適には、金属プロファイル材料、特に金属管のためののこセンターの一部である。のこセンターは、機械において管を加工する際に前後して実行される複数の加工ステップを統一して実施可能にすることを特徴とする。管部分を管から切断した後で、管端部は、顧客の要望に適合されることが多いので、さらなる処理ステップ、たとえば面取り等が行われる。管端部に回転対称な面取り部を設けるのではなく、管端部の周縁に沿って管端部をシャフト状に包囲するプロファイルを設けることが必要な場合もある。このような面取り部は、切断工具がシャフトの回転中に管断面において径方向に移動可能である場合に作成可能である。面取り工程中に、シャフトが回転する。プロファイル材料の方を向いているシャフトの端部において、切断工具が長手方向軸回りに設けられている。この場合、プロファイル材料の端部は、長手軸の延長部において、切断工具に対向して設けられている。切断工具の回転によって、管端部は面取り部を得る。刃の径方向の周期的移動によって、面取り部は、周回するシャフト構造を得る。
【0022】
さらなる利点は、管端部が径方向に移動可能な刃によって、回転中にアンダーカット、溝および輪郭線を形成することができるということである。
【0023】
スラストロッドの往復並進移動を切断工具の径方向移動に転換するために、方向転換機構が、スラストロッドと切断工具との間に設けられている。好適には、保持装置のほうを向いているスラストロッドの端部が面取りされており、スラストロッドに対して横断する方向に往復移動可能な刃が予め張設されている。刃は、対応して面取りされた端部を備え、面取りされたそれぞれの端部は、互いに機能接続状態にある。しかしながら、その他の方向転換機構、たとえば、スラストロッドおよび切断工具の対応の歯車列に噛合する歯車も考えられ得るし、偏心して指示されている2アーム式レバーまたは関節ロッドも考えられ得る。
【0024】
第1の方法について、上記課題は、回転式スイベルであって、長手方向軸に延在する少なくとも1つの長手方向貫通孔を備えるシャフトが長手方向に延在する長手軸回りに回転され、シャフトの外部において長手方向に移動可能なそれぞれ1つのスラストロッドに対応して設けられている少なくとも1つの伸縮自在フォークの往復移動を、それぞれ1つの長手方向貫通孔に対応して設けられているシャフト壁内の少なくとも1つの側方の切り欠き部内に案内し、長手方向貫通孔に設けられているスラストロッドを往復移動する、回転式スイベルによって解決可能である。
【0025】
上記課題は、第4の態様において、上記の機械を用いるロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するための方法によって解決される。この方法において、プロファイル材料を保持装置に固定し、所望の面取りプロファイルを制御部に入力し、モータおよび駆動部を制御し、それによって所望の面取りプロファイルを管端部に作成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を、9つの図に係る実施例に基づいて説明する。
【0027】
図1は、回転可能なシャフト3を駆動するモータ2と、3つのスラストロッド7、8、9用の駆動部4、5、6とを備える本発明に係る回転式スイベル1を示す。ここで、それぞれ駆動部4、5、6のうちの1つが、スラストロッド7、8、9のうちの1つを正確に駆動する。回転式スイベル1は、回転加工機の構成部材である。この回転加工機は、のこセンターまたはロータリーカッタの構成部材である。駆動部4、5、6および/またはモータは、NC制御されている。コンピュータ数値制御部は図示していない。
【0028】
シャフト3の長手方向の端部は、モータ2と機能接続状態にある。一方、シャフト3の反対側のもう一つの端部は、3つの刃(図示されない)を備える切断工具11を有している。これらの刃は、管部分の端部を加工するためのものである。管部分は、図1には示していない。作業工程の間、シャフト3の長手軸の直線延長部にある管部分の長手軸は、ロータリーカッタの保持装置に設けられている。
【0029】
シャフト3は、3つの伸縮自在フォーク12、13、14を貫通し、かつ、それぞれ、内側から回転可能に支持されている。3つの伸縮自在フォーク12、13、14はそれぞれ、シャフト3の長手方向において、シャフト3の回転中であっても、シャフト上を往復移動可能である。3つの伸縮自在フォーク12、13、14はそれぞれ、3つのスラストロッド7、8、9のうちの1つと長手方向において正確に並進移動不能に接続されている。3つのスラストロッド駆動部4、5、6のそれぞれは、シャフト3の長手方向における対応のスラストロッド7、8,9の往復移動を駆動する。3つのスラストロッド駆動部7、8、9は、別々に制御可能であり、その目的のために、それぞれ2つの接続部4a、4b、5a、5b、6a、6bを備える。それぞれ2つの接続部4a、4b、5a、5b、6a、6bは、3つの駆動部4、5、6それぞれの油圧制御液体の導入および排出のために設けられている。
【0030】
図2は、加工すべき管に隣接する第3の伸縮自在フォーク14を備える回転式スイベル1の部分を示す。この第3の伸縮自在フォークは、第3のスラストロッド9に対応して設けられている第3の駆動部6によって駆動される。3つの伸縮自在フォーク12、13、14は、構造が同じである。第3の伸縮自在フォーク14は、リング部分32と、リング部分32から側方に突出する突起部35とを有している。リング部分16は、シャフト3を完全に回転可能に包囲する。3つのスラストロッドのうち底辺に最も近いスラストロッド9は、対応の突起部35内に設けられている軸受18によって並進移動不能に案内されている。
各伸縮自在フォーク12、13、14は、案内部19、20、21によって固定されている。第3の伸縮自在フォーク14の突起部は、第3の案内部21に沿って、長手方向において往復移動可能に設けられている。
【0031】
シャフト3は、各リング部分および特に第3のリング部分32内で回転可能である。さらに、第3の伸縮自在フォーク14は、シャフト3上において、シャフトの長手方向に沿って往復移動可能である。ここで、シャフト3は、第3の伸縮自在フォーク14において、その並進位置であればどの位置でも、リング部分32内で回転可能となっている。
【0032】
図2には、それぞれさらなる伸縮自在フォーク12、13に対応して設けられている2つの切り欠き部22、23が示されている。構造が同じ第3の切り欠き部は、第3の伸縮自在フォーク14によって隠されている。モータの方を向いている第1の切り欠き部22は、第1の伸縮自在フォーク12に対応して設けられており、第2の切り欠き部23は、第2の伸縮自在フォーク13に対応して設けられている。シャフト3内には、3つの案内部が、シャフト3の長手方向に設けられている貫通孔26、27、28の形態で延在している。ここで、貫通孔26、27、28のそれぞれにおいて、スラストロッド43、44、45が、シャフト3に対して往復移動可能に支持されている。
【0033】
図3は、モータ2およびスラストロッド駆動部4、5、6を備えていない図1および図2に係る回転式スイベルを示している。モータ2の方を向いているシャフト3の端部が断面で示されている。シャフト3の長手方向には、3つの貫通孔26、27、28が延在している。これら貫通孔は、自身の全長にわたって、長手方向に対して鉛直方向の断面において円弧状になるよう構成されている。3つの貫通孔26、27、28は、シャフト内において、120度の回転角度で設けられている。各貫通孔26、27、28には、シャフト内壁において、それぞれ1つの側方切り欠き部22、23が設けられている。この切り欠き部は、貫通孔26、27、28の内部空間を外方に開放するものである。切り欠き部によって、シャフト3の内部に並進移動が伝達される。
【0034】
各リング部分30、31、32のリング内壁とシャフト3の外壁との間に、切り欠き部22,23に嵌入するアーム40を備えるリング部材36、37、38が同心状に設けられている。リング部材36、37、38は、シャフト3上で、長手方向において往復移動可能に設けられている。各アーム40は、対応のスラストロッド43、44、45を並進移動不能に固定するための保持部を備える。各リング部材36、37、3は、それぞれ2つのボール軸受50、60、51、61、52、62によって、シャフト3上に支持されている。リング部材36、37、38は、シャフト3に対して回転不能である。リング部材36、37、38と伸縮自在フォーク12、13、14との間には、アンギュラボールベアリング50、51、52が設けられている。アンギュラボールベアリング50、51、52によって、リング部材36、37、38と伸縮自在フォーク12、13、14との間の相対回転移動が可能になる一方で、アンギュラボールベアリング50、51、52上での伸縮自在フォーク12、13、14の並進移動がリング部材36、37、38に伝達可能となる。
【0035】
図3に示されている回転式スイベル1は、3つのスラストロッド43、44、45を備える。これらのスラストロッドのうち、第1のスラストロッド43の端面のみが図から分かる。このスラストロッドのモータ2とは反対の方向を向いている各端部は、切断工具と機能接続状態にあり、この切断工具を制御する。
【0036】
伸縮自在フォーク12、13、14の突起33、34、35は、互いに対して角度がずれた状態で設けられている。各突起33、34、35によって、案内ロッド19、20、21が案内されている。各伸縮自在フォーク12、13、14の突起33、34、35は、長手方向において、対応の案内ロッド19、20、21上を並進往復移動可能である。3つの案内ロッド19、20、21は、モータ2に対して、たとえばのこ機械のケーシング上で定置に固定されている。
【0037】
図4は、回転可能なシャフト3を示す。図4の前方左のシャフト部分は、モータ2の方を向いている回転可能なシャフト3の端部を有する。シャフト3は、フランジによってモータ3に回転不能に接続されており、モータ3によって直接駆動可能である。シャフト3には、3つの貫通孔26、27、28が、シャフト3の長手方向においてシャフト3を貫通して通っている。貫通孔26、27、28は、シャフトの両端部に、シャフト端面に接する開口部を備える。シャフトの側壁において、各貫通孔26、27、28には、それぞれ1つの切り欠き部22、23が設けられている。切り欠き部22、23は、長手方向において、切り欠き部22、23の延長部の分だけ、互いに長手方向にずれて設けられている。3つの切り欠き部22、23は、おおむね同じ構造をしている。
【0038】
図5には、第3の伸縮自在フォーク14が、長手方向に対して鉛直な断面で示されている。伸縮自在フォーク14は、リング部分32および突起35を備える。突起35は、第3の案内ロッド21上を往復移動可能に設けられている。一方、第3の突起35の最も外側の端部は、長手方向において、軸受18内の第3のスラストロッド9と並進移動不能にねじ止め可能となっている。
【0039】
図5には、3つの貫通孔26、27、28を備えるシャフト3が示されている。シャフト3とリング部分32との間には、第3の貫通孔28内に嵌入する第3のアーム42を備える第3のリング部材38が示されている。第3のリング部材38は、内部のボールベアリング62によって、シャフト3上を往復並進移動可能となっている。リング部材38は、シャフト3と一緒に回転し、シャフトに対して回転不能となっている。リング部分32とリング部材38との間には、第3のアンギュラボールベアリング52が設けられている。
【0040】
図6ないし図9は、3つのスラストロッド43、44、45のシャフト3の長手方向における往復移動を車夫と3の径方向の並進移動に変換する方向転換機構の4つの実施形態を示す。刃70の径方向変位可能性および制御可能性によって、アンダーカットを管の外壁および内壁に形成可能である。
【0041】
図6には、スラストロッド43の外側端部が傾斜して設けられている様子が示されている。スラストロッド43のこの傾斜部は、刃70の傾斜部と共働する。方向転換機構は、3つの切断工具すべてについて同様に構成されている。刃70、71、72は、それぞればね付勢されている。
【0042】
図7は、スラストロッド43の往復移動を刃70の径方向移動に伝達する歯車80を備える第2の方向転換機構歯車80を示す。この目的のために、刃の外壁およびスラストロッドには、歯形81がつけられている。この歯形は、スラストロッドおよび刃の移動によって形成される面において回転可能な歯車80の歯と共働する。
【0043】
図8には、回転可能に支持されている骨部90を備える第3の方向転換機構が示されている。スラストロッド43の並進移動は、刃70の径方向並進移動に伝達される。刃はばね付勢されている。
【0044】
図9には、関節ロッド100の形態の第4の実施形態が示されている。関節ロッド100は、自身の2つの端部において、それぞれボールを備える。このボールは、ソケット内で、スラストロッド43の端面または刃70の端面において回転可能に設けられている。
【0045】
加工すべき管の端部が、図6ないし図9の右側に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】3つの切断工具用の本発明に係る回転式スイベルの斜視図である。
【図2】1つの切断工具用の図1に係る回転式スイベルの斜視図である。
【図3】図1に係る機械回転式スイベルの図である。
【図4】図1ないし図3に係る回転式スイベルのシャフトの図である。
【図5】図1ないし図3に係る伸縮自在フォークの断面図である。
【図6】スラストロッドおよび切断工具間の方向転換機構の第1の実施形態の図である。
【図7】方向転換機構の第2の実施形態の図である。
【図8】方向転換機構の第3の実施形態の図である。
【図9】方向転換機構の第4の実施形態の図である。
【符号の説明】
【0047】
1 回転式スイベル
2 モータ
3 回転可能なシャフト
4 駆動部
4a 接続部
4b 接続部
5 駆動部
5a 接続部
5b 接続部
6 駆動部
6a 接続部
6b 接続部
7 スラストロッド
8 スラストロッド
9 スラストロッド
11 切断工具
12 伸縮自在フォーク
13 伸縮自在フォーク
14 伸縮自在フォーク
16 軸受
17 軸受
18 軸受
19 案内ロッド
20 案内ロッド
21 案内ロッド
22 切り欠き部
23 切り欠き部
26 長手方向貫通孔
27 長手方向貫通孔
28 長手方向貫通孔
30 リング部分
31 リング部分
32 リング部分
33 突起
34 突起
35 突起
36 リング部材
37 リング部材
38 リング部材
40 アーム
43 スラストロッド
44 スラストロッド
45 スラストロッド
50 ボールベアリング
51 ボールベアリング
52 ボールベアリング
60 ボールベアリング
61 ボールベアリング
62 ボールベアリング
70 刃
71 刃
72 刃
80 歯車
81 歯形
90 骨部
100 関節ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式スイベルであって、
長手方向(L)に延在する長手軸回りに回転可能なシャフト(3)であって、長手方向(L)に延在する少なくとも1つの長手方向貫通孔(26、27、28)を備え、該シャフトにおいて、長手方向(L)においてシャフト(3)に対して往復移動可能にそれぞれ1つの伸縮自在フォーク(43、44、45)が設けられている、シャフトと、
対応して設けられているそれぞれ1つの長手方向貫通孔(26、27、28)に対して延在するシャフトの側壁内の少なくとも1つの切り欠き部(22、23)と、
シャフト(3)の外側で長手方向(L)において移動可能であるとともにスラストロッド(43、44、45)それぞれに対応して設けられている少なくとも1つの伸縮自在フォーク(12、13、14)と、
対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)と対応のスラストロッド(43、44、45)との間で、対応の切り欠き部(22、23)によって対応の長手方向貫通孔(26、27、28)に対してそれぞれ延在する機能接続部であって、対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)のシャフト(3)に対する往復移動を、対応のスラストロッド(43、44、45)に伝達するとともに、対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)に対するシャフト(3)の回転移動を可能にする、機能接続部と、を備えることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項2】
請求項1に記載の回転式スイベルにおいて、
前記機能接続部は、対応の切り欠き部(22、23)に嵌入するアーム(40)を備え、該アームは、対応のスラストロッド(43、44、45)に並進移動不能に接続されており、前記切り欠き部(22、23)は、長手方向(L)において、切り欠き部(22、23)内のアーム(40)の延長部よりも長く、切り欠き部(22、23)内のアーム(40)は、長手方向(L)において、往復移動可能に設けられていることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項3】
請求項2に記載の回転式スイベルにおいて、
アーム(40)は、対応の伸縮自在フォーク(12、13、14)と並進移動不能に接続されていることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項4】
請求項1に記載の回転式スイベルにおいて、
それぞれ切り欠き部(22、23)の断面においてシャフト(3)を包囲する少なくとも1つのリング部材(36、37、38)であって、それらリング部材からそれぞれ1つのアーム(40)がそれぞれ1つの切り欠き部(40)内に突出している、リング部材を特徴とする、回転式スイベル。
【請求項5】
請求項4に記載の回転式スイベルにおいて、
リング部材(36、37、3)は、長手方向(L)において、シャフト(3)上で往復移動可能に設けられていることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項6】
請求項5に記載の回転式スイベルにおいて、
リング部材(36、37、38)とシャフト(3)との間の内部のボールベアリング(50、51、52)であって、シャフト(3)上でのリング部材(36、37、38)の往復移動を可能にする、ボールベアリングを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項7】
請求項1に記載の回転式スイベルにおいて、
伸縮自在フォーク(12、13、14)は、シャフト(3)を同心状に包囲するリング部分(30、31、32)を備え、該リング部分は、外側の軸受(60、61、62)によって、リング部分(30、31、32)に対して回転可能かつリング部分(30、31、32)内で同心状に設けられているリング部材(36、37、38)に接続されていることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項8】
請求項7に記載の回転式スイベルにおいて、
前記外側の軸受は、アンギュラボールベアリング(60、61、62)であることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項9】
請求項7に記載の回転式スイベルにおいて、
各リング部分(30、31、32)には、突起(33、34、35)が設けられており、該突起にはそれぞれ駆動装置(4、5、6、7、8、9)が嵌合するとともに、該突起によって伸縮自在フォーク(12、13、14)が往復移動することを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項10】
請求項9に記載の回転式スイベルにおいて、
駆動装置は、突起(33、34、35)と並進移動不能に接続されているギヤロッド(7、8、9)を備えることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項11】
請求項10に記載の回転式スイベルにおいて、
伸縮自在フォーク(12、13、14)はそれぞれ、シャフト(3)の長手方向(L)に延在する案内ロッド(19、20、21)に沿って案内されていることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項12】
請求項1に記載の回転式スイベルにおいて、
少なくとも1つの長手方向貫通孔(26、27、28)が、シャフト(3)の回転軸に対して偏心して設けられていることを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項13】
請求項9に記載の回転式スイベルにおいて、
シャフト(3)において互いに隣接して設けられている複数の長手方向貫通孔(26、27、28)と、長手方向貫通孔(26、27、28)に対応して設けられている複数の切り欠き部(22、23)とであって、長手方向(L)においてそれぞれの長手方向延長部の分だけ互いに前後してずれて設けられていることを特徴とする、長手方向貫通孔と切り欠き部とを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項14】
請求項10に記載の回転式スイベルにおいて、
伸縮自在フォーク(12、13、14)であって、長手方向(L)においてずれており、かつ、シャフト(3)によって、それぞれ切り欠き部(22、23)の断面に前後して設けられている、伸縮自在フォークを特徴とする、回転式スイベル。
【請求項15】
ロッド形状の金属プロファイル材料、特に金属管の端部を加工するための機械であって、
プロファイル材料用の保持装置と、
先行する請求項のいずれか1項に記載の回転式スイベル(1)と、
スラストロッド(43、44、45)のそれぞれと機能接続状態にある少なくとも1つの刃(70、71、72)であって、保持装置の方を向いているシャフト(3)の端部において、ロッド形状のプロファイル材料の端部を加工するために設けられている、刃と、を備えることを特徴とする、機械。
【請求項16】
請求項15に記載の機械において、
スラストロッド(7、8、9)の駆動部(4、5、6)とシャフト(3)のモータとに制御線を介して接続されている電子制御部を特徴とする、機械。
【請求項17】
請求項15、16に記載の機械において、
スラストロッド(43、44、45)と刃(70、71、72)との間に方向転換機構が設けられていることを特徴とする、機械。
【請求項18】
保持装置の方を向いているスラストロッド(43、44、45)の端部は面取りされており、スラストロッド(43、44、45)に対して横断方向に往復移動可能な刃(70、71、72)は、ばね付勢されるとともに、対応して面取りされた端部を有しており、それぞれの面取りされた端部は共働することを特徴とする、機械。
【請求項19】
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の回転式スイベルを用いる方法であって、
シャフトが、長手方向(L)に延在する少なくとも1つの長手方向貫通孔(26、27、28)によって、長手方向(L)に延在する長手軸回りに回転され、
シャフト(3)の外側で長手方向(L)に移動可能なそれぞれ1つのスラストロッド(43、44、45)に対応して設けられている伸縮自在フォーク(12、13、14)の往復移動が、それぞれ1つの長手方向貫通孔(26、27、28)に対応して設けられているシャフト壁内の少なくとも1つの側方の切り欠き部(22、23)を通して案内され、
長手方向貫通孔(26、27、28)内に設けられているスラストロッド(43、44、45)が往復移動されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項15ないし18のいずれか1項に記載の機械を用いて、ロッド形状の金属プロファイル材料、特に金属管の端部を加工するための方法において、
プロファイル材料が保持装置に固定され、
所望の面取りプロファイルが制御部に入力され、
モータ(2)および駆動部(4、5、6)が制御され、それによって所望の面取りプロファイルが管の端部に生成されることを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−504475(P2010−504475A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528589(P2009−528589)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/DE2007/001588
【国際公開番号】WO2008/034407
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508331338)ラトュンデ アンド カンパニー ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】