説明

管理システム、施錠装置および移動体

【課題】駐輪場または駐車場の整備費用が高額になる。
【解決手段】移動体に取り付けられ移動体を施錠する施錠装置から、移動体を識別する移動体識別情報と、移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報とを、通信回線を介して受信する識別情報受信部と、移動体識別情報と、移動体識別情報で識別される移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報とを対応付けて格納する移動体情報格納部と、移動体情報格納部が格納している移動体識別情報および使用ユーザ識別情報と、識別情報受信部が受信した移動体識別情報および要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを判断する判断部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、施錠装置および移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自転車、自動車などの移動体を共有するシェアリング・サービスが注目されている。例えば、自転車のシェアリング・サービスのユーザは、任意の駐輪場で自転車を借りて、任意の駐輪場で自転車を返却することができる(特許文献1を参照。)。
特許文献1 特開2011−34335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のシェアリング・サービスにおいては、駐輪場または駐車場に埋設式の自動貸出装置を設置するなどしており、駐輪場または駐車場の整備費用が高額になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、移動体に取り付けられ移動体を施錠する施錠装置から、移動体を識別する移動体識別情報と移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報とを通信回線を介して受信する識別情報受信部と、移動体識別情報と移動体識別情報で識別される移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報とを対応付けて格納する移動体情報格納部と、移動体情報格納部が格納している移動体識別情報および使用ユーザ識別情報と識別情報受信部が受信した移動体識別情報および要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを判断する判断部とを備える管理システムが提供される。
【0005】
上記の管理システムにおいて、判断部は、移動体を開錠すると判断した場合に、移動体の施錠装置に対して、移動体の移動体識別情報に対応付けられた使用ユーザ識別情報を通知してよい。上記の管理システムは、要求ユーザ識別情報と、要求ユーザ識別情報で識別されるユーザが所持する端末を識別する端末識別情報とを対応付けて格納するユーザ情報格納部と、端末から、端末識別情報およびユーザが使用を要求する移動体の移動体識別情報を受信し、受信した端末識別情報に対応付けられてユーザ情報格納部に格納されている要求ユーザ識別情報と受信した移動体識別情報とを対応付けて、移動体情報格納部に格納する移動体情報生成部とをさらに備えてよい。
【0006】
上記の管理システムにおいて、判断部は、端末または移動体から、移動体の使用を中止するための要求を受信し、識別情報受信部が、移動体から、移動体識別情報、要求ユーザ識別情報および施錠確認信号を受信した場合に、移動体情報格納部が格納している移動体識別情報および使用ユーザ識別情報と受信した移動体識別情報および要求ユーザ識別情報とを比較して、移動体の使用が中止されたか否かを判断してよい。上記の管理システムにおいて、判断部は、移動体の使用が中止されたと判断した場合に、移動体の施錠装置に対して、移動体の移動体識別情報に対応付けられた使用ユーザ識別情報の消去を要求する消去要求を通知してよい。
【0007】
上記の管理システムにおいて、移動体情報生成部は、端末から、移動体の使用を中止するための要求、端末識別情報およびユーザが使用の中止を要求する移動体の移動体識別情報を受信し、受信した端末識別情報に対応付けられてユーザ情報格納部に格納されている要求ユーザ識別情報と、受信した移動体識別情報とを対応付けて、移動体情報格納部に格納してよい。上記の管理システムは、施錠装置と、識別情報受信部との間の通信を中継する中継部をさらに備えてよい。上記の管理システムにおいて、移動体情報格納部は、移動体の移動体識別情報と、中継部を識別する中継部識別情報とをさらに対応づけて格納してよい。
【0008】
本発明の第2の態様においては、サーバが、通信回線を介して、ユーザの端末にサービスを提供する方法であって、移動体から、移動体を識別する移動体識別情報と、移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報とを、通信回線を介して受信する段階と、移動体識別情報と移動体識別情報で識別される移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報とが対応付けられた移動体情報を用いて、移動体情報において対応付けられている移動体識別情報および使用ユーザ識別情報と受信した移動体識別情報および要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを判断する段階とを有する方法が提供される。
【0009】
本発明の第3の態様においては、移動体に取り付けられ、移動体を施錠する施錠装置であって、ユーザが所持する記憶素子から、移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、管理システムから、移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報を受信して、受信したユーザ識別情報を格納する識別情報格納部と、識別情報格納部が格納している使用ユーザ識別情報と、識別情報取得部が取得した要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを決定する決定部とを備える施錠装置が提供される。上記の施錠装置において、識別情報格納部は、管理システムから、使用ユーザ識別情報の消去を要求する消去要求を受信した場合に、使用ユーザ識別情報を消去してよい。
【0010】
本発明の第4の態様においては、上記の施錠装置を備える移動体が提供される。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】管理システム100の一例を概略的に示す。
【図2】キーデバイス130のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図3】管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図4】移動体データベース310のデータ構造400の一例を概略的に示す。
【図5】ユーザ・データベース312のデータ構造500の一例を概略的に示す。
【図6】管理システム100における情報処理方法の一例を概略的に示す。
【図7】管理システム100における情報処理方法の一例を概略的に示す。
【図8】管理システム800のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図9】処理対象データベース816のデータ構造900の一例を概略的に示す。
【図10】管理システム800における情報処理方法の一例を概略的に示す。
【図11】管理システム800における情報処理方法の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面を参照して、実施形態について説明するが、図面の記載において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して重複する説明を省く場合がある。
【0014】
図1は、移動体10、駐輪場12、駐輪場14、通信回線102、キーデバイス130およびユーザ端末140とともに、管理システム100の一例を概略的に示す。本実施形態において、管理システム100は、複数の移動体10の使用状況を管理する。本実施形態の管理システム100は、サーバ110と、中継デバイス120とを備える。
【0015】
移動体10は、ユーザの操作により移動する。移動体10は、自転車、バイクまたは自動車であってよい。本実施形態において、移動体10は、駐輪場12または駐輪場14に駐輪される。また、移動体10には、移動体10を施錠するキーデバイス130が取り付けられる。
【0016】
通信回線102は、インターネット、専用回線、無線パケット通信網およびそれらの組み合わせであってよい。例えば、サーバ110と中継デバイス120との間の通信には、インターネットが利用され、中継デバイス120とキーデバイス130との間の通信および中継デバイス120同士の間の通信には、ZigBee、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信が利用される。サーバ110とキーデバイス130との間の通信は、複数の中継デバイス120によって中継されてよい。
【0017】
サーバ110は、通信回線102を介して、中継デバイス120、キーデバイス130およびユーザ端末140の少なくとも1つとの間で情報を送受する。サーバ110は、単一のサーバから構成されてもよく、複数のサーバから構成されてもよい。サーバ110は、仮想サーバまたはクラウドシステムであってよい。サーバ110は、用途に特化したシステムまたはコントローラであってもよく、パーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置であってもよい。サーバ110は、管理システムの一例であってもよい。
【0018】
本実施形態において、サーバ110は、複数の移動体10の使用状況を管理する。例えば、サーバ110は、移動体10の状態を、「使用中」、「使用可」および「使用不可」に区別して管理する。サーバ110は、移動体10の現在位置を管理してもよい。また、サーバ110は、ユーザからの要求に応じて開錠の可否を判断して、通信回線102を介してキーデバイス130の開錠動作を制御してよい。
【0019】
サーバ110は、ユーザ端末140から移動体10の使用を要求された場合に、ユーザの認証を実施して、キーデバイス130を開錠するか否かを判断する。サーバ110は、キーデバイス130を開錠すると判断した場合には、移動体10の状態を「使用中」として管理する。
【0020】
サーバ110は、ユーザ端末140から移動体10の返却を要求された場合に、ユーザの認証と、キーデバイス130の施錠確認とを実施して、移動体10が返却されたか否かを判断する。サーバ110は、移動体10が返却されたと判断した場合には、移動体10の状態を「使用可」として管理する。
【0021】
サーバ110は、例えば、移動体10に取り付けられたキーデバイス130の電池の残容量が予め定められた値よりも小さい場合、移動体10もしくはキーデバイス130が故障している場合、移動体10の所在が不明である場合、移動体10が廃棄された場合には、移動体10が「使用不可」として管理する。
【0022】
中継デバイス120は、通信回線102を介して、サーバ110およびキーデバイス130の少なくとも1つとの間で情報を送受する。中継デバイス120は、用途に特化したシステムまたはコントローラであってもよく、パーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置であってもよい。中継デバイス120は、キーデバイス130と、サーバ110との間の通信を中継してよい。
【0023】
本実施形態において、中継デバイス120は、駐輪場12および駐輪場14のそれぞれに配される。これにより、管理システム100は、移動体10の現在位置を管理することができる。
【0024】
なお、中継デバイス120は、管理システムの一例であってもよい。本実施形態において、サーバ110がキーデバイス130の開錠動作を制御する場合について説明した。しかし、管理システム100はこれに限定されず、中継デバイス120が、キーデバイス130の開錠動作を制御してもよい。
【0025】
キーデバイス130は、移動体10を施錠して、移動体10の使用を制限する。キーデバイス130は、通信回線102を介して、サーバ110および中継デバイス120の少なくとも一方との間で情報を送受する。キーデバイス130は、管理システム100からの指示または要求に応じて、開錠動作を実施する。キーデバイス130は、定期的に、中継デバイス120と通信してよい。これにより、管理システム100は、移動体10の使用状況、現在位置などを管理することができる。キーデバイス130は、施錠装置の一例であってよい。
【0026】
ユーザ端末140は、通信回線102を介してサーバ110と情報を送受できる装置であればよく、Webブラウザソフトが導入されたパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末または無線端末であってよい。ユーザ端末140は、ユーザが所持する端末の一例であってよい。
【0027】
以上のとおり、本実施形態の管理システム100によれば、サーバ110から、移動体10に取り付けられたキーデバイス130の開錠動作を制御することにより、移動体10の使用状況を管理することができる。管理システム100は、これに限定されるものではないが、自転車のシェアリング・サービスまたはレンタル・サービスにおいて、自転車の使用状況を管理する場合に特に有用である。
【0028】
従来の自転車のシェアリング・サービスまたはレンタル・サービスにおいては、駐輪場にラック式の貸出システムを設置する。また、数百mから数kmおきに駐輪場を設ける場合が多い。そのため、駐輪場の整備費用が高額になる。しかし、本実施形態の管理システム100を用いた場合には、移動体10にキーデバイス130を取り付けることで、移動体10の使用状況を管理することができる。これにより、駐輪場の整備費用を大幅に低減することができる。また、場合によっては、駐輪場を設けなくとも、移動体10の使用状況を管理することができる。
【0029】
図2は、キーデバイス130のシステム構成の一例を概略的に示す。図2は、会員カード22、通信回線102およびユーザ端末140とともに、キーデバイス130を示す。本実施形態において、キーデバイス130は、施錠部210と、施錠制御部220とを備える。施錠制御部220は、識別情報取得部230と、識別情報格納部240と、決定部250とを有する。会員カード22は、記憶素子202を有する。ユーザ端末140は、記憶素子204を有してよい。
【0030】
会員カード22は、シェアリング・サービスまたはレンタル・サービスのユーザであることを証明する。会員カード22は、ユーザの所持するユーザ端末が記憶素子204を有しない場合に、ユーザの認証処理に利用されてよい。
【0031】
本実施形態において、記憶素子202および記憶素子204は、それぞれの素子に固有の識別情報を記憶している(素子IDという場合がある。)。記憶素子202および記憶素子204に記憶されている素子IDは、移動体10の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報の一例であってよい。
【0032】
記憶素子202および記憶素子204は、RFタグ、ICタグ、半導体メモリ、磁気ディスク、磁気カードなどであってよい。記憶素子202および記憶素子204は、RFタグ、ICタグ、FelicaチップなどのICチップであることが好ましい。これにより、識別情報取得部230との間で近距離無線通信により情報を送受することができる。
【0033】
施錠部210は、移動体10を施錠して、移動体10の使用を制限してよい。施錠部210の形式は特に限定されないが、馬蹄型のリング錠であってもよく、シリンダ錠であってもよい。施錠部210は、施錠制御部220の指示に基づいて開錠してよい。施錠部210は、施錠制御部220から開錠動作を許可する信号を受信して、開錠動作を実施してよい。施錠部210の施錠動作は、ユーザが手動により実施してもよい。これにより、キーデバイス130の電力消費量を大幅に減少させることができる。なお、施錠部210の施錠動作は、施錠部210が施錠制御部220の指示に基づいて実施してもよい。
【0034】
施錠制御部220は、少なくとも施錠部210の開錠動作を制御してよい。施錠制御部220は、施錠部210を開錠するか否かを決定してよい。施錠制御部220は、施錠部210を開錠することを決定した場合に、施錠部210に対して開錠動作を許可してよい。施錠制御部220は、施錠部210の施錠動作を制御してもよい。
【0035】
識別情報取得部230は、記憶素子202または記憶素子204との間で情報を送受してよい。識別情報取得部230は、近距離無線通信により、記憶素子202または記憶素子204との間で情報を送受することが好ましい。識別情報取得部230は、RFID(Radio Frequency IDentification)のリーダーであってよい。識別情報取得部230は、ユーザが所持する記憶素子202または記憶素子204から、素子IDを取得してよい。
【0036】
識別情報格納部240は、キーデバイス130が取り付けられている移動体10ごとに割り当てられた車体番号(車番という場合がある。)を格納してよい。車体番号は、移動体10を識別する移動体識別情報の一例であってよい。識別情報格納部240は、キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号と、キーデバイス130が取り付けられている移動体10を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報(使用ユーザIDという場合がある。)とを対応付けて格納してよい。使用ユーザIDは、移動体10を使用可能なユーザに対応付けられた素子IDであることが好ましい。
【0037】
移動体識別情報の他の例としては、ZigBeeID、macAddressのように、通信デバイスごとに割り当てられた識別情報(通信デバイスIDという場合がある。)を例示することができる。この場合、サーバ110および中継デバイス120の少なくとも一方は、複数の移動体10のそれぞれについて、移動体10に割り当てられた車体番号と、当該移動体10に取り付けられるキーデバイス130の通信デバイスIDとを対応付けて格納してよい。
【0038】
本実施形態において、識別情報格納部240は、サーバ110から、キーデバイス130が取り付けられている移動体10の使用ユーザIDを受信する。識別情報格納部240は、キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号と、受信した使用ユーザIDとを対応付けて格納してよい。
【0039】
なお、サーバ110は、素子IDと使用ユーザIDとが一致した場合に、識別情報格納部240に対して使用ユーザIDを送信する場合がある。そこで、このような場合には、サーバ110は、使用ユーザIDを送信する代わりに、素子IDの格納を要求する格納命令を送信してもよい。そして、識別情報格納部240は、サーバ110から格納命令を受信した場合に、車体番号と素子IDとを対応付けて格納してよい。この場合であっても、素子IDと使用ユーザIDとは同一なので、識別情報格納部240は、車体番号と、使用ユーザ識別情報とを対応付けて格納していることになる。
【0040】
本実施形態において、識別情報格納部240は、サーバ110から、使用ユーザIDの消去を要求する消去要求を受信した場合に、使用ユーザIDを消去する。したがって、サーバ110が、移動体10の使用状況を「使用中」として管理している場合には、識別情報格納部240に使用ユーザIDが格納されており、サーバ110が、移動体10の使用状況を「使用中」として管理していない場合には、識別情報格納部240に使用ユーザIDが格納されていない。これにより、移動体10が通信エリア外に移動している場合であっても、決定部250が、サーバ110で管理している使用状況を把握することができる。
【0041】
決定部250は、識別情報格納部240が格納している使用ユーザIDと、識別情報取得部230が取得した素子IDとを比較して、開錠するか否かを決定してよい。決定部250は、上記の使用ユーザIDおよび素子IDが対応付けられている場合または一致する場合に、開錠することを決定してよい。決定部250は、サーバ110から開錠を許可する開錠許可信号を受信した場合に、開錠することを決定してもよい。決定部250は、開錠することを決定した場合には、施錠部210に対して、開錠信号を通知してよい。決定部250は、施錠部210の開錠を確認して、サーバ110に対して開錠確認信号を通知してよい。なお、決定部250は、施錠部210の施錠動作が実施された場合に、施錠部210の施錠を確認して、サーバ110に対して施錠確認信号を通知してよい。
【0042】
本実施形態において、移動体10の使用状態が「使用中」である場合には、識別情報格納部240に使用ユーザIDが格納されている。そのため、移動体10が管理システム100と通信できない場合であっても、決定部250は、開錠の可否を決定することができる。本実施形態は、移動体10が自転車またはバイクである場合に特に大きな効果を得ることができる。
【0043】
図3は、管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。図3は、会員カード22、通信回線102、キーデバイス130およびユーザ端末140とともに、サーバ110および中継デバイス120のシステム構成の一例を概略的に示す。
【0044】
本実施形態において、サーバ110は、移動体データベース310と、ユーザ・データベース312と、中継デバイス・データベース314と、識別情報受信部320と、判断部330と、要求処理部340とを備える。中継デバイス120は、中継部350と、登録処理部360とを備える。
【0045】
なお、本実施形態においては、移動体データベース310、ユーザ・データベース312および中継デバイス・データベース314が、それぞれ個別のデータベースとして構成される場合について説明する。しかし、データベースの構成はこれに限定されない。移動体データベース310、ユーザ・データベース312および中継デバイス・データベース314のうちの2以上のデータベースが、1つのデータベースとして構成されてもよい。
【0046】
移動体データベース310は、複数の移動体10のそれぞれについて、それぞれの車体番号と、当該移動体10を使用可能なユーザを識別する使用ユーザIDとを対応付けて格納する。使用ユーザIDは、当該ユーザを識別する情報であれば特に限定されないが、当該ユーザに対応付けられた素子IDであることが好ましい。これにより、判断部330が、開錠の可否を容易に判断することができる。移動体データベース310は、移動体情報格納部の一例であってよい。使用ユーザIDの他の例としては、ユーザの会員番号、ユーザ端末140の端末ID、ユーザの氏名またはメールアドレスなどを例示することができる。
【0047】
移動体データベース310は、複数の移動体10のそれぞれについて、それぞれの車体番号と、最後にキーデバイス130からの信号を受信した中継デバイス120を識別する識別情報(中継デバイスIDという場合がある。)とを対応付けて格納してよい。中継デバイスIDは、中継部識別情報の一例であってよい。移動体データベース310は、複数の移動体10のそれぞれについて、それぞれの車体番号と、使用状況とを対応づけて格納してよい。
【0048】
移動体データベース310は、サーバ110がユーザ端末140からの要求を処理した場合に、更新されてよい。例えば、ユーザは、ユーザ端末140を利用して、サーバ110がサービスを提供するWebサイトにアクセスして、サーバ110に移動体10の使用を要求する。サーバ110は、ユーザ端末140から端末IDを取得して、ユーザを認証する。サーバ110は、使用を要求された移動体10の貸出処理を実行して、当該移動体10の車体番号と、ユーザ端末140の端末IDに対応する素子IDとを対応付けて、移動体データベース310に格納する。
【0049】
ユーザ・データベース312は、複数のユーザのそれぞれについて、それぞれが所持する記憶素子の素子IDと、当該ユーザが所持するユーザ端末140を識別する端末識別情報(端末IDという場合がある。)とを対応付けて格納してよい。ユーザ・データベース312は、サーバ110が会員登録処理を実行した場合に更新されてよい。ユーザ・データベース312は、ユーザ情報格納部の一例であってよい。
【0050】
端末IDは、素子IDとは異なる情報であって、ユーザ端末140を識別することができる情報であれば、特に限定されない。端末IDは、通信キャリアにより契約者情報と対応付けられた識別情報であってもよい。これらの識別情報は、キャリア・オープンIDと呼ばれる場合があり、通信キャリアによっては、uid、サブスクライバID、iモードIDなどと呼ばれている。端末IDは、ユーザ端末140がWebサイトにアクセスしたときにCookieに書き込まれたユニークIDであってもよい。
【0051】
中継デバイス・データベース314は、複数の中継デバイス120のそれぞれについて、それぞれを識別する中継デバイスIDと、当該中継デバイス120の設置場所とを対応付けて格納する。中継デバイス・データベース314は、複数の中継デバイス120のそれぞれについて、それぞれの中継デバイスIDと、当該中継デバイス120が設置されている駐輪場を識別する駐輪場識別情報とを対応付けて格納してもよい。
【0052】
識別情報受信部320は、通信回線102を介して、車体番号および素子IDを受信する。例えば、識別情報受信部320は、特定の移動体10に取り付けられたキーデバイス130から、当該移動体10の車体番号と、当該移動体10の使用を要求するユーザが所持する記憶素子から取得した素子IDとを受信する。識別情報受信部320は、受信した車体番号および素子IDを判断部330に通知する。
【0053】
判断部330は、移動体データベース310が格納している車体番号および使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDとを比較して、開錠するか否かを判断する。例えば、判断部330は、識別情報受信部320が受信した車体番号に一致する車体番号に対応付けられた使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した素子IDとを比較して、ユーザ・データベース312などを参照して両者が対応付けられている場合には、開錠すると判断してよい。また、移動体データベース310に格納されている使用ユーザIDが、ユーザに対応付けられた素子IDである場合には、判断部330は、上記の使用ユーザIDおよび素子IDが一致する場合に、開錠すると判断してよい。
【0054】
移動体データベース310に格納されている情報は、ユーザ端末140から送信された情報を用いて更新されている。そのため、本実施形態によれば、キーデバイス130から送信された情報と、ユーザ端末140から送信された情報とを比較して、キーデバイス130の開錠動作を制御することにより、セキュリティを向上させることができる。例えば、第3者による会員カードの不正使用を防止することができる。
【0055】
判断部330は、開錠すると判断した場合に、移動体データベース310にアクセスして、当該移動体10の車体番号の使用状況を「使用中」に更新してよい。判断部330は、開錠すると判断した場合に、キーデバイス130に対して、開錠を許可する開錠許可信号を通知してよい。判断部330は、開錠すると判断した場合に、キーデバイス130に対して、当該キーデバイス130が取り付けられた移動体10の車体番号に対応付けられた使用ユーザIDを通知してよい。
【0056】
本実施形態において、判断部330は、ユーザ端末140から、要求処理部340を介して移動体10の返却要求を受信して、移動体10から、識別情報受信部320を介して車体番号、素子IDおよび施錠確認信号を受信した場合に、移動体データベース310が格納している車体番号および使用ユーザIDと、受信した車体番号および素子IDとを比較して、移動体10の使用が中止されたか否かを判断してよい。
【0057】
例えば、判断部330は、識別情報受信部320が受信した車体番号に一致する車体番号に対応付けられた使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した素子IDとを比較して、ユーザ・データベース312などを参照して両者が対応付けられている場合には、移動体10の使用が中止されたと判断してよい。また、移動体データベース310に格納されている使用ユーザIDが、ユーザに対応付けられた素子IDである場合には、判断部330は、上記の使用ユーザIDおよび素子IDが一致する場合に、移動体10の使用が中止されたと判断してよい。
【0058】
返却要求は、移動体10の使用を中止するための要求の一例であってよい。なお、他の実施形態において、判断部330は、移動体10から、移動体10の使用を中止するための要求を受信してもよい。
【0059】
判断部330は、移動体10の使用が中止されたと判断した場合に、移動体データベース310にアクセスして、当該移動体10の車体番号の使用状況を「使用可」に更新してよい。判断部330は、移動体10の使用が中止されたと判断した場合に、キーデバイス130に対して、移動体10の車体番号に対応付けられた使用ユーザIDの消去を要求する消去要求を通知してよい。
【0060】
要求処理部340は、ユーザ端末140から送信された要求を処理する。要求処理部340は、ユーザ端末140に対して、サービスを提供するWebサイトの画面を送信してもよい。要求処理部340は、要求を処理して、移動体データベース310、ユーザ・データベース312または中継デバイス・データベース314を作成または更新してよい。要求処理部340は、移動体情報生成部の一例であってよい。
【0061】
要求処理部340は、例えば、以下の手順により、移動体データベース310を更新する。要求処理部340は、ユーザ端末140から、移動体10の使用要求と、端末IDと、ユーザが使用を要求している移動体10の車体番号とを受信して、使用処理(貸出処理という場合がある。)を開始する。次に、要求処理部340は、ユーザ・データベース312を参照して、受信した端末IDに対応付けられてユーザ・データベース312に格納されている素子IDを、使用ユーザIDとして抽出する。その後、要求処理部340は、抽出した素子IDと、受信した車体番号とを対応付けて、移動体データベース310に格納する。
【0062】
また、返却処理においては、例えば、以下の手順により、移動体データベース310を更新する。要求処理部340は、ユーザ端末140から、移動体10の返却要求と、端末IDと、ユーザが返却を要求している移動体10の車体番号を受信して、返却処理を開始する。次に、要求処理部340は、ユーザ・データベース312を参照して、受信した端末IDに対応付けられてユーザ・データベース312に格納されている素子IDを抽出する。同様に、要求処理部340は、移動体データベース310を参照して、受信した車体番号に対応付けられて移動体データベース310に格納されている使用ユーザIDを抽出する。
【0063】
要求処理部340は、抽出した素子IDと、抽出した使用ユーザIDとを比較して、両者が対応付けられている場合に、移動体データベース310の使用ユーザIDを消去する。なお、要求処理部340は、返却処理において抽出した素子IDを、返却処理の対象として、受信した車体番号とを対応付けて、他のデータベースに格納してもよい。
【0064】
中継部350は、キーデバイス130と、識別情報受信部320との間の通信を中継してよい。中継部350は、通信エリア内に存在するキーデバイス130に対して、設定された時間が経過するたびに、それぞれのキーデバイス130が取り付けられた移動体10の車体番号を送信するよう要求してよい。これにより、サーバ110が、移動体10の現在位置を確認することができる。
【0065】
この場合、キーデバイス130は、車体番号を送信してから次の送信までの間、電源をOFFにするまたは省電力モードに移行してよい。これにより、キーデバイス130の電力消費を抑制しながら、移動体10の現在位置を確認することができる。中継部350は、キーデバイス130の電池の残容量が予め定められた値より小さい場合には、送信間隔が長くなるように設定を変更してよい。
【0066】
登録処理部360は、会員登録処理において、ユーザとのインターフェースとして機能する。登録処理部360は、会員登録処理の実行中に、記憶素子202または記憶素子204から素子IDを取得してよい。登録処理部360は、ユーザ端末140を、サービスを提供するWebサイトに、アクセスさせるとともに、取得した素子IDを、要求ユーザ識別情報として要求処理部340に送信させてよい。
【0067】
例えば、ユーザ端末140が記憶素子204を有する場合、登録処理部360は、記憶素子204から素子IDを取得する。次に、登録処理部360は、ユーザ端末140に対して、取得した素子IDとともに、ユーザ端末140をWebサイトにアクセスさせる信号を送信する。当該信号を受信したユーザ端末140は、要求処理部340との間の通信を確立して、Webサイトにアクセスする。このとき、ユーザ端末140は、登録処理部360から受け取った素子IDと、ユーザ端末140の端末IDとを要求処理部340に送信する。これにより、要求処理部340は、素子IDと、ユーザ端末140の端末IDとを対応付けて、ユーザ・データベース312に格納することができる。
【0068】
その後、ユーザ端末140を介して、ユーザに対して個人情報の入力を要求する。これにより、要求処理部340は、素子IDと、ユーザの個人情報とを対応付けて、ユーザ・データベース312に格納することができる。その後、ユーザごとに割り当てられた会員番号を発行して、登録処理を終了してよい。
【0069】
一方、ユーザ端末140が記憶素子204を有しない場合、登録処理部360は、記憶素子202から素子IDを取得する。次に、登録処理部360は、取得した素子IDと、WebサイトのURLとが埋め込まれたQRコードを表示する。ユーザ端末140は、登録処理部360から提示されたQRコードを読み取り、要求処理部340との間の通信を確立して、Webサイトにアクセスする。このとき、このとき、ユーザ端末140は、登録処理部360から受け取った素子IDと、ユーザ端末140の端末IDとを要求処理部340に送信する。これにより、要求処理部340は、素子IDと、ユーザ端末140の端末IDとを対応付けて、ユーザ・データベース312に格納することができる。
【0070】
その後、ユーザ端末140を介して、ユーザに対して個人情報の入力を要求する。これにより、要求処理部340は、素子IDと、ユーザの個人情報とを対応付けて、ユーザ・データベース312に格納することができる。その後、ユーザごとに割り当てられた会員番号を発行して、登録処理を終了してよい。
【0071】
図4は、移動体データベース310のデータ構造400の一例を概略的に示す。データ構造400は、少なくとも、車体番号402と、使用ユーザID404とを対応付けて格納する。使用ユーザID404は、ユーザの会員番号であってもよく、ユーザが所持する記憶素子の素子IDであってもよく、ユーザ端末140の端末IDであってもよく、ユーザの氏名またはメールアドレスであってもよい。しかし、使用ユーザID404は、ユーザが所持する記憶素子の素子IDであることが好ましい。
【0072】
データ構造400は、車体番号402と対応付けて、中継デバイスID406および使用状況408の少なくとも1つを、さらに格納してよい。使用状況408が、「使用可」または「使用不可」の場合には、当該移動体10を使用可能なユーザが存在しないので、使用ユーザID404は空欄であってもよい。なお、使用状況408が「使用中」であるにもかかわらず、中継デバイスID406が空欄または「なし」となっている場合には、中継デバイス120、キーデバイス130などが故障しているか、移動体10が通信エリア外に存在していることを示す。
【0073】
なお、データ構造400における情報の格納方法は、上記の方法に限定されない。使用ユーザID404には、現在、移動体10を使用可能なユーザを識別する識別情報だけでなく、最後に移動体10を使用可能であったユーザを識別する識別情報が格納されてもよい。
【0074】
この場合、判断部330は、使用状況408が「使用可」であれば、使用ユーザID404に格納されている情報は、最後に移動体10を使用可能であったユーザを識別する識別情報であると判断する。使用状況408が「使用中」であれば、使用ユーザID404に格納されている情報が、現在、移動体10を使用可能なユーザを識別する識別情報であると判断する。これにより、ユーザが移動体10の使用を停止する場合には、データを更新する必要がなくなり、データの更新頻度を低減することができる。
【0075】
また、移動体データベース310のデータ構造はこれに限定されない。車体番号402と中継デバイスID406とを対応付けて格納する代わりに、キーデバイス、中継デバイスなどを示すデバイスの種類と、それぞれのデバイスの識別情報とを対応付けて格納してもよい。複数の移動体10のそれぞれについて、移動体10に割り当てられた車体番号と、当該移動体10に取り付けられるキーデバイス130の通信デバイスIDとを対応付けて格納してもよい。
【0076】
図5は、ユーザ・データベース312のデータ構造500の一例を概略的に示す。データ構造500は、少なくとも、素子ID504と、端末ID506とを対応付けて格納する。データ構造500は、素子ID504および端末ID506と対応付けて、会員番号502および個人情報508の少なくとも1つをさらに格納してよい。個人情報508には、ユーザの氏名582、メールアドレス584、クレジット番号586などが含まれてよい。データ構造500は、素子ID504および端末ID506と対応付けて、素子ID504および端末ID506に対応するユーザが現在使用している移動体10の車体番号510を格納してもよい。
【0077】
図6は、管理システム100における情報処理方法の一例を概略的に示す。図6において、ステップ番号をS602のように省略して示す。図6は、管理システム100における、移動体10の貸出処理のフローの一例を概略的に示す。本実施形態において、まず、S602において、ユーザ端末140が、サーバ110の要求処理部340との間の通信を確立して、サービスを提供するWebサイトにアクセスする。
【0078】
S604において、要求処理部340は、ユーザ端末140に、Webサイトのメニュー画面を送信する。メニュー画面は、ユーザに希望する処理を選択させるための画面であってもよく、ユーザの使用状況に応じた処理を提示する画面であってもよい。
【0079】
例えば、要求処理部340は、移動体データベース310を参照して、使用ユーザID404の中に、ユーザ端末140の端末IDに対応する使用ユーザIDが含まれるか否かを確認する。ユーザ端末140の端末IDに対応する使用ユーザIDが含まれており、使用状況408が「使用中」である場合には、当該ユーザが既に移動体10を使用していることを示す。そこで、要求処理部340は、返却処理の実行を開始するための画面をユーザ端末140に送信する。一方、上記以外の場合、要求処理部340は、貸出処理の実行を開始するための画面をユーザ端末140に送信する。
【0080】
ユーザが移動体10の使用を要求する場合、S606において、ユーザは、移動体10の貸出しを希望する駐輪場に関する情報をユーザ端末140に入力する。ユーザ端末140は、ユーザの入力に基づいて、サーバ110に移動体10の貸出処理の実行を開始させるための使用要求を、上記の駐輪場に関する情報とともに、サーバ110の要求処理部340に送信する。
【0081】
S608において、要求処理部340は、移動体データベース310を参照して、ユーザが選択した駐輪場に対応する中継デバイスID406と対応付けられ、使用状況408が「使用可」である移動体10の車体番号402を抽出する。要求処理部340は、抽出した車体番号402をユーザ端末140に送信する。なお、S608において、要求処理部340が、移動体データベース310を参照して、当該ユーザが既に移動体10を使用していると判断した場合には、要求処理部340は、貸出処理を中止して、ユーザ端末140にエラー画面を送信してもよい。
【0082】
S610において、ユーザは、ユーザ端末140に表示された車体番号402の中から、使用を要求する移動体10の車体番号を選択する。ユーザは、選択した車体番号を要求処理部340に送信する。S612において、要求処理部340は、移動体データベース310にアクセスして、ユーザが選択した移動体10の車体番号402に対応付けられている使用状況408を、「使用可」から「使用中」に変更する。
【0083】
S620において、要求処理部340は、ユーザ端末140に対して、キーデバイス130からの素子IDの送信を要求する。S622において、要求処理部340からの要求を受信したユーザ端末140は、ユーザに対して、記憶素子202または記憶素子204に格納されている素子IDをキーデバイス130に入力するよう要求する。
【0084】
例えば、記憶素子202または記憶素子204と、キーデバイス130の識別情報取得部230とがRFID、赤外線通信、特定小電力無線などの近距離無線通信によって通信する場合、ユーザ端末140からの要求をうけたユーザは、会員カード22またはユーザ端末140をキーデバイス130に近づける。これにより、S630において、キーデバイス130が、記憶素子202または記憶素子204に記憶された素子IDを取得する。
【0085】
S632において、キーデバイス130は、識別情報取得部230が取得した素子IDと、当該キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号を、識別情報受信部320に送信する。このとき、キーデバイス130は、上記の車体番号で識別される移動体10の使用を要求する使用要求信号を、識別情報受信部320に送信してもよい。なお、キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号は、例えば、識別情報格納部240に格納されている。
【0086】
S634において、判断部330は、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDを受け取る。判断部330は、識別情報受信部320から使用要求信号を受け取り、処理を開始するように構成されてもよい。判断部330は、移動体データベース310が格納している車体番号および使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDとを比較して、開錠するか否かを判断する。判断部330は、開錠すると判断した場合に、キーデバイス130に対して、開錠許可信号を送信する。このとき、判断部330は、キーデバイス130に対して、当該キーデバイス130が取り付けられた移動体10の車体番号に対応付けられている使用ユーザIDを通知してよい。
【0087】
S636において、キーデバイス130は、判断部330から受信した使用ユーザIDを識別情報格納部240に格納してよい。S638において、決定部250は、施錠部210に開錠信号を通知する。施錠部210は開錠動作を実施して、移動体10の使用制限を解除する。また、施錠部210は開錠を確認して、サーバ110に対して開錠確認信号を送信する。
【0088】
S650において、要求処理部340は、開錠確認信号を受け取ると、課金処理を開始する。S660において、ユーザ端末140は、要求処理部340に対して、処理結果の送信を要求する。S662において、要求処理部340は、ユーザ端末140に対して、貸出処理が完了したことを示す完了通知画面を送信する。また、要求処理部340は、使用開始を案内するメールを、ユーザ端末140に送信してよい。要求処理部340は、完了通知画面およびメールの送信が終わると、貸出処理を終了する。
【0089】
図7は、管理システム100における情報処理方法の一例を概略的に示す。図7は、管理システム100における、移動体10の返却処理のフローの一例を概略的に示す。本実施形態において、まず、S702において、ユーザは、キーデバイス130の施錠動作を実行した後、ユーザ端末140を利用して、サービスを提供するWebサイトにアクセスする。
【0090】
S704において、要求処理部340は、ユーザ端末140に、Webサイトの返却画面を送信する。ユーザが移動体10の返却を要求する場合、S706において、ユーザは、ユーザ端末140から、サーバ110に移動体10の返却処理の実行を開始させるための返却要求を、要求処理部340に送信する。
【0091】
S720において、要求処理部340は、ユーザ端末140に対して、キーデバイスからの素子IDの送信を要求する。S722において、要求処理部340からの要求を受信したユーザ端末140は、ユーザに対して、記憶素子202または記憶素子204に格納されている素子IDをキーデバイス130に入力するよう要求する。
【0092】
例えば、記憶素子202または記憶素子204と、キーデバイス130の識別情報取得部230とがRFID、赤外線通信、特定小電力無線などの近距離無線通信によって通信する場合、ユーザ端末140からの要求をうけたユーザは、会員カード22またはユーザ端末140をキーデバイス130に近づける。これにより、S730において、キーデバイス130が、記憶素子202または記憶素子204に記憶された素子IDを取得する。
【0093】
S732において、キーデバイス130は、識別情報取得部230が取得した素子IDと、当該キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号と、施錠確認信号とを、識別情報受信部320に送信する。このとき、キーデバイス130は、上記の車体番号で識別される移動体10の返却を要求する返却要求信号を、識別情報受信部320に送信してもよい。なお、キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号は、例えば、識別情報格納部240に格納されている。また、返却要求信号は、移動体10の使用を中止するための要求の一例であってよい。
【0094】
S734において、判断部330は、識別情報受信部320が受信した車体番号、素子IDおよび施錠確認信号を受け取る。判断部330は、識別情報受信部320から返却要求信号を受け取り、処理を開始するように構成されてもよい。判断部330は、移動体データベース310が格納している車体番号および使用ユーザIDと、受信した車体番号および素子IDとを比較して、移動体10の使用が中止されたか否かを判断する。判断部330は、移動体10の使用が中止されたと判断した場合に、キーデバイス130に対して、移動体10の車体番号に対応付けられた使用ユーザIDの消去を要求する消去要求を送信する。
【0095】
S736において、キーデバイス130は、識別情報格納部240に格納されている使用ユーザIDを消去する。S738において、キーデバイス130は、要求処理部340に対して、使用ユーザIDの消去が完了したことを示す消去確認信号を送信する。
【0096】
S750において、要求処理部340は、消去確認信号を受け取ると、課金処理を停止する。S752において、使用料金の精算処理を実行する。S760において、ユーザ端末140は、要求処理部340に対して、処理結果の送信を要求する。S762において、要求処理部340は、ユーザ端末140に対して、返却処理が完了したことを示す完了通知画面を送信する。また、要求処理部340は、利用明細を通知するメールを、ユーザ端末140に送信してよい。要求処理部340は、完了通知画面およびメールの送信が終わると、返却処理を終了する。
【0097】
図8は、会員カード22、通信回線102、キーデバイス130およびユーザ端末140とともに、管理システム800のシステム構成の一例を概略的に示す。管理システム800は、サーバ810と、中継デバイス820とを備える。
【0098】
本実施形態において、サーバ810は、移動体データベース310と、ユーザ・データベース312と、中継デバイス・データベース314と、要求処理部340とを備える。中継デバイス820は、識別情報受信部320と、判断部330と、中継部350と、登録処理部360と、処理対象データベース816とを備える。
【0099】
管理システム800は、識別情報受信部320および判断部330が、サーバ810ではなく、中継デバイス820に配される点で、管理システム100と相違する。また、中継デバイス820が処理対象データベース816を備える点で、管理システム100と相違する。さらに、判断部330および要求処理部340における処理の一部が、管理システム100と相違する。
【0100】
以下、管理システム100との相違点を中心に、管理システム800について説明する。管理システム100と同様の構成を有してよい場合には、説明を省略する場合がある。
【0101】
処理対象データベース816は、貸出処理または返却処理の対象となる移動体10に関する情報を格納する。処理対象データベース816は、移動体識別情報格納部の一例であってよい。本実施形態において、処理対象データベース816は、貸出処理または返却処理の対象となる移動体の車体番号と、当該移動体の使用ユーザIDとを対応付けて格納する。処理対象データベース816は、サーバ810の要求処理部340がユーザ端末140からの要求を処理した場合に、更新されてよい。
【0102】
管理システム100において、判断部330は、移動体データベース310が格納している車体番号および使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDとを比較して、開錠するか否かを判断した。これに対して、本実施形態において、判断部330は、処理対象データベース816が格納している車体番号および使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDとを比較して、開錠するか否かを判断する。
【0103】
管理システム100において、判断部330は、ユーザ端末140から、要求処理部340を介して移動体10の返却要求を受信して、移動体10から、識別情報受信部320を介して車体番号、素子IDおよび施錠確認信号を受信した場合に、移動体10の使用が中止されたか否かを判断した。これに対して、本実施形態において、判断部330は、キーデバイス130から、識別情報受信部320を介して返却要求信号、車体番号、素子IDおよび施錠確認信号を受信した場合に、処理対象データベース816が格納している車体番号および使用ユーザIDと、受信した車体番号および素子IDとを比較して、移動体10の使用が中止されたか否かを判断する。
【0104】
管理システム100において、要求処理部340は、貸出処理および返却処理において、移動体データベース310を更新した。これに対して、本実施形態において、要求処理部340は、貸出処理および返却処理において、処理対象データベース816を更新する。なお、このとき、管理システム100の場合と同様にして、移動体データベース310が更新されてよい。
【0105】
例えば、貸出処理においては、以下の手順により、処理対象データベース816を更新する。要求処理部340は、ユーザ端末140から、移動体10の使用要求と、端末IDと、ユーザが使用を要求している移動体10の車体番号とを受信して、貸出処理を開始する。次に、要求処理部340は、ユーザ・データベース312を参照して、受信した端末IDに対応付けられてユーザ・データベース312に格納されている素子IDを、使用ユーザIDとして抽出する。その後、要求処理部340は、抽出した素子IDと、受信した車体番号とを対応付けて、処理対象データベース816に格納する。
【0106】
また、返却処理においては、例えば、以下の手順により、移動体データベース310を更新する。要求処理部340は、ユーザ端末140から、移動体10の返却要求と、端末IDと、ユーザが返却を要求している移動体10の車体番号を受信して、返却処理を開始する。次に、要求処理部340は、ユーザ・データベース312を参照して、受信した端末IDに対応付けられてユーザ・データベース312に格納されている素子IDを、使用ユーザIDとして抽出する。その後、要求処理部340は、抽出した素子IDと、受信した車体番号とを対応付けて、処理対象データベース816に格納する。
【0107】
以上の通り、本実施形態において、判断部330は、通信回線102を介してサーバ810と通信することなく、開錠するか否かを判断することができる。これにより、貸出処理および返却処理の実行中における、中継デバイス820とキーデバイス130との間の通信時間が、中継デバイス120とキーデバイス130との間の通信時間と比較して短くなる。その結果、キーデバイス130の電力消費量を低減させることができる。
【0108】
図9は、処理対象データベース816のデータ構造900の一例を概略的に示す。データ構造900は、少なくとも、処理の対象となる移動体10の車体番号ID902と、当該移動体10の使用ユーザID904とを対応付けて格納する。データ構造900は、処理の対象となる移動体10の車体番号ID902と、当該処理におけるユーザの要求を示す要求種別906とを対応付けて格納してもよい。
【0109】
ユーザID404は、ユーザの会員番号であってもよく、ユーザが所持する記憶素子の素子IDであってもよく、ユーザ端末140の端末IDであってもよく、ユーザの氏名またはメールアドレスであってもよい。しかし、使用ユーザID404は、ユーザが所持する記憶素子の素子IDであることが好ましい。
【0110】
図10は、管理システム800における情報処理方法の一例を概略的に示す。図10は、管理システム800における、移動体10の貸出処理のフローの一例を概略的に示す。本実施形態は、S632の前に、S1014およびS1016が実施される点で、図6の管理システム100の貸出処理フローと相違する。また、本実施形態は、S632およびS634が、キーデバイス130および中継デバイス820の間で実施される点で、図6の管理システム100の貸出処理フローと相違する。さらに、本実施形態は、S638の後に、S1040が実施される点で、図6の管理システム100の貸出処理フローと相違する。
【0111】
以下、管理システム100における貸出処理との相違点を中心に、管理システム800における貸出処理について説明する。管理システム100における貸出処理と同様の構成を有してよい場合には、説明を省略する場合がある。
【0112】
本実施形態では、S632の前に、S1014およびS1016が実施される。S1014において、要求処理部340は、処理対象データベース816を更新する。例えば、要求処理部340は、ユーザ・データベース312を参照して、ユーザ端末140から受信した端末IDに対応付けられてユーザ・データベース312に格納されている素子IDを、使用ユーザIDとして抽出する。その後、要求処理部340は、抽出した素子IDと、受信した車体番号とを対応付けて、中継デバイス820の処理対象データベース816に送信する。
【0113】
要求処理部340は、管理システム800に含まれる全ての中継デバイス820に対して、素子IDおよび車体番号を送信してもよい。要求処理部340は、ユーザ端末140から、GPS情報などの位置情報を受け取っている場合には、ユーザ端末140の周辺に存在する中継デバイス820に対して、素子IDおよび車体番号を送信してもよい。
【0114】
S1016において、素子IDおよび車体番号を受信した処理対象データベース816は、要求処理部340に受領確認信号を送信する。また、処理対象データベース816は、要求処理部340から受け取った素子IDと、車体番号とを対応付けて格納する。
【0115】
本実施形態では、S632およびS634が、キーデバイス130および中継デバイス820の間で実施される。S632において、キーデバイス130は、識別情報取得部230が取得した素子IDと、当該キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号と、上記の車体番号で識別される移動体10の使用を要求する使用要求信号とを、識別情報受信部320に送信する。
【0116】
S634において、判断部330は、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDを受け取る。判断部330は、処理対象データベース816が格納している車体番号および使用ユーザIDと、識別情報受信部320が受信した車体番号および素子IDとを比較して、開錠するか否かを判断する。判断部330は、開錠すると判断した場合に、キーデバイス130に対して、開錠許可信号を送信する。このとき、判断部330は、キーデバイス130に対して、当該キーデバイス130が取り付けられた移動体10の車体番号に対応付けられている使用ユーザIDを通知してよい。
【0117】
判断部330は、識別情報受信部320が使用要求信号を受信したことに応じて、開錠するか否かの判断を開始してよい。判断部330は、処理対象データベース816の要求種別906に格納された情報に基づいて、開錠するか否かの判断を開始してもよい。
【0118】
本実施形態では、S638の後に、S1040が実施される。S1040において、要求処理部340は、S1014において、素子IDおよび車体番号を送信した中継デバイス820に対して、開錠処理が完了した車体番号および使用ユーザIDの少なくとも1つと、開錠処理が完了したことを示す完了通知とを送信してよい。これにより、中継デバイス820の処理対象データベース816は、開錠処理が完了した移動体10に関する情報を消去することができる。
【0119】
本実施形態において、S632の前に、S1014およびS1016が実施されているので、キーデバイス130がユーザから素子IDを取得したときには、処理対象データベース816に、処理の対象となる車体番号および素子IDが格納されている。これにより、S632およびS634の実行時間を短縮することができる。
【0120】
図11は、管理システム800における情報処理方法の一例を概略的に示す。図11は、管理システム800における、移動体10の返却処理のフローの一例を概略的に示す。本実施形態は、S732の前に、S1114およびS1116が実施される点で、図7の管理システム100の返却処理フローと相違する。また、本実施形態は、S732およびS734が、キーデバイス130および中継デバイス820の間で実施される点で、図7の管理システム100の返却処理フローと相違する。さらに、本実施形態は、S738の後に、S1140が実施される点で、図7の管理システム100の返却処理フローと相違する。
【0121】
以下、管理システム100における返却処理との相違点を中心に、管理システム800における返却処理について説明する。管理システム100における返却処理と同様の構成を有してよい場合には、説明を省略する場合がある。
【0122】
本実施形態では、S732の前に、S1114およびS1116が実施される。S1114において、要求処理部340は、処理対象データベース816を更新する。例えば、要求処理部340は、ユーザ・データベース312を参照して、受信した端末IDに対応付けられてユーザ・データベース312に格納されている素子IDを、使用ユーザIDとして抽出する。その後、要求処理部340は、抽出した素子IDと、受信した車体番号とを対応付けて、中継デバイス820の処理対象データベース816に送信する。
【0123】
要求処理部340は、管理システム800に含まれる全ての中継デバイス820に対して、素子IDおよび車体番号を送信してもよい。要求処理部340は、ユーザ端末140から、GPS情報などの位置情報を受け取っている場合には、ユーザ端末140の周辺に存在する中継デバイス820に対して、素子IDおよび車体番号を送信してもよい。
【0124】
S1116において、素子IDおよび車体番号を受信した処理対象データベース816は、要求処理部340に受領確認信号を送信する。また、処理対象データベース816は、要求処理部340から受け取った素子IDと、車体番号とを対応付けて格納する。
【0125】
本実施形態では、S732およびS734が、キーデバイス130および中継デバイス820の間で実施される。S732において、キーデバイス130は、識別情報取得部230が取得した素子IDと、当該キーデバイス130が取り付けられている移動体10の車体番号と、施錠確認信号と、上記の車体番号で識別される移動体10の返却を要求する返却要求信号とを、識別情報受信部320に送信する。
【0126】
S734において、判断部330は、識別情報受信部320が受信した車体番号、素子IDおよび施錠確認信号を受け取る。判断部330は、処理対象データベース816が格納している車体番号および使用ユーザIDと、受信した車体番号および素子IDとを比較して、移動体10の使用が中止されたか否かを判断する。判断部330は、移動体10の使用が中止されたと判断した場合に、キーデバイス130に対して、移動体10の車体番号に対応付けられた使用ユーザIDの消去を要求する消去要求を送信する。
【0127】
判断部330は、識別情報受信部320が返却要求信号を受信したことに応じて、移動体10の使用が中止されたか否かの判断を開始してよい。判断部330は、処理対象データベース816の要求種別906に格納された情報に基づいて、移動体10の使用が中止されたか否かの判断を開始してもよい。
【0128】
本実施形態では、S738の後に、S1140が実施される。S1140において、要求処理部340は、S1114において、素子IDおよび車体番号を送信した中継デバイス820に対して、消去処理が完了した車体番号および使用ユーザIDの少なくとも1つと、消去処理が完了したことを示す完了通知とを送信してよい。これにより、中継デバイス820の処理対象データベース816は、消去処理が完了した移動体10に関する情報を消去することができる。
【0129】
本実施形態において、S732の前に、S1114およびS1116が実施されているので、キーデバイス130がユーザから素子IDを取得したときには、処理対象データベース816に、処理の対象となる車体番号および素子IDが格納されている。これにより、S732およびS734の実行時間を短縮することができる。
【0130】
以上の実施形態において、移動体識別情報として車体番号を用いる場合について説明した。しかし、車体番号の代わりに、移動体10を識別する他の移動体識別情報が用いられてもよい。また、要求ユーザ識別情報として素子IDを用いる場合について説明した。しかし、素子IDの代わりに、移動体10の使用を要求するユーザを識別する他の要求ユーザ識別情報が用いられてもよい。
【0131】
なお、以上の記載によれば、本願明細書には、サーバが、通信回線を介して、ユーザの端末にサービスを提供する方法であって、(1)移動体から、移動体を識別する移動体識別情報と、移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報とを、通信回線を介して受信する段階と、(2)移動体識別情報と、移動体識別情報で識別される移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報とが対応付けられた移動体情報を用いて、移動体情報において対応付けられている移動体識別情報および使用ユーザ識別情報と、受信した移動体識別情報および要求ユーザ識別情報とを比較して、移動体を開錠するか否かを判断する段階とを有する方法が記載されていることが明らかである。
【0132】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0133】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0134】
10 移動体、12 駐輪場、14 駐輪場、22 会員カード、100 管理システム、 102 通信回線、 110 サーバ、 120 中継デバイス、 130 キーデバイス、 140 ユーザ端末、 202 記憶素子、 204 記憶素子、 210 施錠部、 220 施錠制御部、 230 識別情報取得部、 240 識別情報格納部、 250 決定部、 310 移動体データベース、 312 ユーザ・データベース、 314 中継デバイス・データベース、 320 識別情報受信部、 330 判断部、 340 要求処理部、 350 中継部、 360 登録処理部、 400 データ構造、 402 車体番号、 404 ユーザID、 406 中継デバイスID、 408 使用状況、 500 データ構造、 502 会員番号、 504 素子ID、 506 端末ID、 508 個人情報、 510 車体番号、 582 氏名、 584 メールアドレス、 586 クレジット番号、 800 管理システム、 810 サーバ、 816 処理対象データベース、 820 中継デバイス、 900 データ構造、 902 車体番号ID、 904 使用ユーザID、 906 要求種別

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に取り付けられ前記移動体を施錠する施錠装置から、前記移動体を識別する移動体識別情報と、前記移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報とを、通信回線を介して受信する識別情報受信部と、
前記移動体識別情報と、前記移動体識別情報で識別される前記移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報とを対応付けて格納する移動体情報格納部と、
前記移動体情報格納部が格納している前記移動体識別情報および前記使用ユーザ識別情報と、前記識別情報受信部が受信した前記移動体識別情報および前記要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを判断する判断部と、
を備える、
管理システム。
【請求項2】
前記判断部は、前記移動体を開錠すると判断した場合に、前記移動体の前記施錠装置に対して、前記移動体の前記移動体識別情報に対応付けられた前記使用ユーザ識別情報を通知する、
請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記要求ユーザ識別情報と、前記要求ユーザ識別情報で識別される前記ユーザが所持する端末を識別する端末識別情報とを対応付けて格納するユーザ情報格納部と、
前記端末から、前記端末識別情報および前記ユーザが使用を要求する移動体の前記移動体識別情報を受信し、受信した前記端末識別情報に対応付けられて前記ユーザ情報格納部に格納されている前記要求ユーザ識別情報と、受信した前記移動体識別情報とを対応付けて、前記移動体情報格納部に格納する移動体情報生成部と、
をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記判断部は、
前記端末または前記移動体から、前記移動体の使用を中止するための要求を受信し、前記識別情報受信部が、前記移動体から、前記移動体識別情報、前記要求ユーザ識別情報および施錠確認信号を受信した場合に、
前記移動体情報格納部が格納している前記移動体識別情報および前記使用ユーザ識別情報と、受信した前記移動体識別情報および前記要求ユーザ識別情報とを比較して、前記移動体の使用が中止されたか否かを判断する、
請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記判断部は、前記移動体の使用が中止されたと判断した場合に、前記移動体の前記施錠装置に対して、前記移動体の前記移動体識別情報に対応付けられた前記使用ユーザ識別情報の消去を要求する消去要求を通知する、
請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記移動体情報生成部は、
前記端末から、前記移動体の使用を中止するための前記要求、前記端末識別情報および前記ユーザが使用の中止を要求する移動体の前記移動体識別情報を受信し、
受信した前記端末識別情報に対応付けられて前記ユーザ情報格納部に格納されている前記要求ユーザ識別情報と、受信した前記移動体識別情報とを対応付けて、前記移動体情報格納部に格納する、
請求項4または請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記施錠装置と、前記識別情報受信部との間の通信を中継する中継部をさらに備え、
前記移動体情報格納部は、前記移動体の前記移動体識別情報と、前記中継部を識別する中継部識別情報とをさらに対応づけて格納する、
請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
サーバが、通信回線を介して、ユーザの端末にサービスを提供する方法であって
移動体から、前記移動体を識別する移動体識別情報と、前記移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報とを、通信回線を介して受信する段階と、
前記移動体識別情報と、前記移動体識別情報で識別される前記移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報とが対応付けられた移動体情報を用いて、前記移動体情報において対応付けられている前記移動体識別情報および前記使用ユーザ識別情報と、受信した前記移動体識別情報および前記要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを判断する段階と、
を有する、方法。
【請求項9】
移動体に取り付けられ、前記移動体を施錠する施錠装置であって、
ユーザが所持する記憶素子から、前記移動体の使用を要求するユーザを識別する要求ユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、
管理システムから、前記移動体を使用可能なユーザを識別する使用ユーザ識別情報を受信して、受信した前記ユーザ識別情報を格納する識別情報格納部と、
前記識別情報格納部が格納している前記使用ユーザ識別情報と、前記識別情報取得部が取得した前記要求ユーザ識別情報とを比較して、開錠するか否かを決定する決定部と、
を備える、
施錠装置。
【請求項10】
前記識別情報格納部は、前記管理システムから、前記使用ユーザ識別情報の消去を要求する消去要求を受信した場合に、前記使用ユーザ識別情報を消去する、
請求項9に記載の施錠装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の施錠装置を備える移動体。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−76223(P2013−76223A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215282(P2011−215282)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.iモード
3.QRコード
【出願人】(511236338)リレーションズ株式会社 (1)
【出願人】(511165289)インターネットビジョン株式会社 (2)
【出願人】(595068966)総合計画工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】