説明

管理仲介装置、画像形成装置、管理仲介プログラム及び管理仲介プログラムを記録した記録媒体

【課題】インターネット接続を利用して管理対象システムの遠隔管理を行う遠隔管理システムにおいて、管理システムが管理対象システムを適切なタイミングで遠隔管理することを可能にする。
【解決手段】管理仲介装置10は、ファイアウォール20の内部から外部の管理システム70にインターネット80を介して接続する管理システム通信部1と、管理システム70から管理システム通信部1を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理部2と、処理部2で受信したコマンドを管理対象システム30に転送する管理対象システム通信部3と、管理システム通信部1の接続スケジュールを格納する記憶部4と、接続スケジュールに従って管理システム通信部1に管理システム70との接続を指示する接続指示部5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムと画像形成装置との間で送受信される情報を仲介する管理仲介装置に係り、特に、遠隔地の管理システムとファイアウォールの内部に設置されている画像形成装置(管理対象システム)とがインターネットを介して通信することにより画像形成装置を管理するための管理仲介装置に関する。さらに、本発明は、遠隔地の管理システムとファイアウォールの内部に設置されている画像形成装置(管理対象システム)とがインターネットを介して通信することにより画像形成装置を管理するための管理仲介機能を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客に設置した管理対象システム(例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ等の画像形成装置)を遠隔地の管理システムから遠隔管理するシステムが知られている。
【0003】
従来の遠隔管理システムは、電話回線等の通信回線を通じて、顧客側の複数の画像形成装置を遠隔地にある管理システムの操作等によって保守管理する。電話回線による接続を利用した遠隔管理を行う場合、通信コストがかさむ。通信コストを低減するため、顧客側のローカルネットワークからのインターネット接続を利用した遠隔管理を行うことが考えられる。
【0004】
一方、企業などのローカルネットワークでは、インターネットなどの外部ネットワークを通じて第三者が侵入し、データやプログラムの違法コピー、改ざん、破壊などが行なわれないように、ファイアウォールを設けている場合が多い。従来の遠隔管理システムをそのまま適用すると、ファイアウォールの存在によって、インターネットなどの外部ネットワークを介して接続される管理システム側からローカルネットワーク内の画像形成装置を遠隔管理することが困難となる。
【0005】
ファイアウォールの内部に設けたローカルネットワークに接続された画像形成装置と、遠隔地にある管理システムとを、インターネット接続を利用して接続(コネクション)する場合、ファイアウォールにより管理システム側の指示や要求を画像形成装置へ直接送信できないケースが多い。これは、ファイアウォールが、一般的に顧客のローカルネットワーク内のシステムからインターネットへ送信される要求と、その要求に対する応答を通過させるが、インターネット側からローカルネットワーク内にあるシステムへの要求は通過させないように設定されているためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
管理対象システムをインターネット経由で管理しようとする場合、顧客の管理対象システムがファイアウォールの内部に設置されているのが一般的である。例えば、HTTP(hypertext transfer protocol)による通信を行うためには、ファイアウォール内の管理対象システムから遠隔の管理システムに向けてコネクションを開始する必要がある。
【0007】
しかし、管理システムには、管理システム側の管理上の都合があるから、管理対象システム側からコネクション要求のあった場合にのみ、管理システムから管理対象システムに向けて管理指示を送信できるという制限下では、適切なタイミングで遠隔管理を行うことのできない場合が生じる。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、インターネット接続を利用して管理対象システムの遠隔管理を行う遠隔管理システムにおいて、管理システムが管理対象システムを適切なタイミングで遠隔管理することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面は、ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する通信手段と、前記管理システムから前記通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段と、前記処理手段で受信したコマンドを管理対象システムに転送する管理対象システム通信手段と、前記通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段と、前記接続スケジュールに従って前記通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段とを備えることを特徴とする管理仲介装置である。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第2の側面は、画像形成処理で使用されるハードウェア資源と、画像形成に係る複数のユーザーサービスにそれぞれ固有の処理を行う複数のアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムと前記ハードウェア資源との間に介在し、前記ユーザーサービスを提供する際に、前記アプリケーションプログラムの少なくとも2つが共有する前記ハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理をおこなうプラットホームとを有する画像形成装置であって、ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する通信手段と、 前記管理システムから前記通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段と、前記処理手段で受信したコマンドを前記ハードウェア資源に転送する管理対象システム通信手段と、前記通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段と、前記接続スケジュールに従って前記通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の側面によれば、予め設定された接続スケジュールに従って、管理仲介装置の側から管理システムとのコネクションを確立することにより、管理仲介装置及び管理対象システムが顧客システムのファイアウォール内に設置されている場合でも、管理システム側の都合のよいタイミングでコマンドを発行して、遠隔管理を行うことが可能になる。
【0012】
また、スケジュール変更コマンドを利用することにより、管理仲介装置の記憶部に格納された接続スケジュールを管理システム側の都合に応じて適宜変更できるので、管理仲介装置により、管理システム側の望むタイミングでコネクションを確立し、管理システムから適切なタイミングでコマンドの発行が可能となる。
【0013】
本発明の第2の側面によれば、予め設定された接続スケジュールに従って、画像形成装置の側から管理システムとのコネクションを確立することにより、画像形成装置及び管理対象システムが顧客システムのファイアウォール内に設置されている場合でも、管理システム側の都合のよいタイミングでコマンドを発行して、遠隔管理を行うことが可能になる。
【0014】
また、スケジュール変更コマンドを利用することにより、画像形成装置の記憶部に格納された接続スケジュールを管理システム側の都合に応じて適宜変更できるので、画像形成装置により、管理システム側の望むタイミングでコネクションを確立し、管理システムから適切なタイミングでコマンドの発行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の管理仲介装置を含む遠隔管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る管理仲介装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の管理仲介装置において設定される接続スケジュールを説明するための図である。
【図4】図2の管理仲介装置が実行する基本管理動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】図2の管理仲介装置が実行するスケジュール一括変更動作を説明するためのシーケンス図である。
【図6】図2の管理仲介装置が実行するスケジュール一部変更動作を説明するためのシーケンス図である。
【図7】図2の管理仲介装置が実行するスケジュール読み出し動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】コネクション開始時に管理仲介装置から管理システムへ送信されるメッセージ例を示す図である。
【図9】スケジュール一括変更コマンドを含む応答メッセージ例を示す図である。
【図10】スケジュール追加コマンドを含む応答メッセージ例を示す図である。
【図11】スケジュール削除コマンドを含む応答メッセージ例を示す図である。
【図12】スケジュール読み出しコマンドを含む応答メッセージ例を示す図である。
【図13】管理システムと管理対象システム間で送受信される要求・応答の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図14】本発明の一実施例に係る画像形成装置を含む遠隔管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図15】図14の画像形成装置のソフトウェア及びハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図16】本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の一実施形態を図1乃至図13を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る管理仲介装置10と、管理対象システム30と、管理対象システム30を管理する管理システム70とを含む遠隔管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0018】
図1の遠隔管理システムにおいて、顧客システム60aは、顧客先に設置されているシステムである。顧客システム60aにおいて、管理仲介装置10は、LAN(local area network)により、管理対象システム30と、ファイアウォール20とに接続されている。このうち、管理対象システム30には、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ、デジタル複合機等の複数の画像形成装置31が含まれる。管理仲介装置10は、各画像形成装置31内に設けてあるファームウェアを、インターネット接続を利用して更新するファームウェア更新機能を備えている。
【0019】
同様に、顧客システム60cは、他の顧客先に設置されているシステムである。顧客システム60cにおいて、管理仲介装置10は、LANにより、複数の管理対象システム30と、ファイアウォール20とに接続されている。このうち、1つの管理対象システム30には、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ、デジタル複合機等の複数の画像形成装置31と、管理仲介装置10と同様のファームウェア更新機能を備えている管理仲介装置32が含まれる。
【0020】
図1の例では、管理対象システム30が複数の画像形成装置31と、一1つの管理仲介装置32を含む構成を示しているが、更に他の機器を含んで構成してもよい。この顧客システム60cでは、1台の管理仲介装置10を設置しただけでは負荷が大きくなるため、1つの管理対象システム30内の各画像形成装置31とのファームウェア更新のための機能は管理仲介装置32に割当て、外部の管理システムとのインターネット接続を利用した、複数の管理対象システム30の遠隔管理を集中的に行う機能を管理仲介装置10に割当てた構成としている。
【0021】
同様に、顧客システム60bは、さらに別の顧客先に設置されているシステムである。顧客システム60bにおいて、管理仲介機能付画像形成装置33が、LANによりファイアウォール20と接続されている。管理仲介機能付画像形成装置33は、管理仲介装置10と同様のファームウェア更新機能を備える画像形成装置であり、この管理仲介機能付画像形成装置33については、図14乃至図16の実施形態を用いて後述する。
【0022】
図1のように構成された顧客システム60a、60b、60cは、ファイアウォールの内部から外部の管理システム70にインターネット80を介して接続される。この管理システム70が、インターネット接続を利用して、各管理対象システム30の遠隔管理を実施する。ここでは、図1乃至図13の実施形態を用いて管理仲介装置10を含む遠隔管理システムについて説明する。
【0023】
管理システム70及び管理仲介装置10は、一般的なコンピュータ要素を含んで構成されている。即ち、少なくとも、プログラム処理を実行するCPUと、このCPUがプログラム処理に用いるRAM、ROM、大容量記憶等の記憶手段と、モデムやネットワークインタフェース等の通信手段とを含んで構成されている(図示略)。
【0024】
図13は、管理システム70と、管理仲介装置10及び管理対象システム30を含む顧客システム60との間でインターネット接続を利用して送受信される要求・応答の動作を説明するための図である。
【0025】
図1のような遠隔管理システムにおいて、管理仲介装置10は、これに接続された管理対象システム30の遠隔管理のためのアプリケーションプログラムを実装している。
【0026】
なお、前述したように、顧客のローカルネットワークのファイアウォールは、一般的に顧客のローカルネットワーク内のシステムからインターネットへ送信される要求と、その要求に対する応答を通過させるが、インターネット側からローカルネットワーク内にあるシステムへの要求は通過させないように設定されているため、顧客システム60と管理システム70のコネクションを開始するには、ファイアウォールの関係で、管理仲介装置10側から管理システム70側へコネクション開始要求として送信するしかない。
【0027】
管理システム70は、各管理仲介装置10の制御管理、更にはこの管理仲介装置10を介した管理対象システム30の遠隔管理を行うためのアプリケーションプログラムを実装している。この遠隔管理システムにおいて、管理システム70と、管理仲介装置10及び管理対象システム30を含む顧客システム60とは、RPC(remote procedure call)を利用して、相互の実装するアプリケーションプログラムに対する処理の依頼である「要求」を送信し、この依頼された処理の結果である「応答」を受信することにより、遠隔管理を実施するように構成されている。
【0028】
すなわち、インターネット接続を利用して、管理仲介装置10及び管理対象システム30を含む顧客システム60では、管理システム70への要求を生成してこれを管理システム70へ送信して、この要求に対する応答を管理システム70から受信することができる。一方、管理システム70は、インターネット接続を利用して、管理仲介装置10側への要求を生成してこれを管理仲介装置10側へ送信し、この要求に対する応答を管理仲介装置10側から受信することができる。この管理システム70が送受信する要求・応答には、管理仲介装置10を介して管理対象システム30への各種要求を送信させ、管理対象システム30からの応答を管理仲介装置10を介して受信する場合も含まれる。
【0029】
なお、上記RPCを実現するための通信手順として、SOAP(simple object access protocol)、HTTP(hypertext transfer protocol)、FTP(file transfer protocol)、COM(component object model)、CORBA(common object request broker architecture)等の公知のプロトコル等を利用することができる。
【0030】
図13の(a)は、管理対象システム30側で管理システム70に対する要求が発生した場合における要求・応答動作を示す。この場合では、管理対象システム30が画像形成装置側要求A0を生成し、これを管理仲介装置10を経由して管理システム70へ送信する。この要求A0を受信した管理システム70は、その要求に対する応答A1を生成し、管理対象システム30側へ送信する。顧客システム60内の管理対象システム30が最終的に応答A1を受信する。
【0031】
なお、図13(a)の例では、管理システム70が、応答A1だけでなく応答遅延通知A2を送信する場合も考えられる。これは、管理システム70が、管理仲介装置10を経由して画像形成装置側要求A0を受信して、その要求に対する応答を即座に返せないと判定したときには、応答遅延通知A2を送信して一旦接続状態を切断し、次回の接続の際に上記要求A0に対する応答を改めて送信する場合もある。
【0032】
図13の(b)は、管理システム70側で管理対象システム30に対する要求が発生した場合における要求・応答動作を示す。この場合では、管理システム70が管理システム側要求B0を生成し、これを管理仲介装置10を経由して管理対象システム30へ送信する。この要求B0を受信した管理対象システム30は、その要求に対する応答B1を生成し、管理システム70側へ送信する。管理システム70が、最終的に応答B1を受信する。
【0033】
なお、図13(b)の例でも、顧客システム60の管理対象システム30又は管理仲介装置10が、応答B1を即座に返せないときに応答遅延通知B2を送信することは図13(a)の場合と同様である。
【0034】
図2は、本発明の一実施例に係る管理仲介装置10の構成例を示す。
【0035】
図2の管理仲介装置10は、ファイアウォール20の内部から外部の管理システム70にインターネット80を介して接続する管理システム通信部1と、管理システム70から管理システム通信部1を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理部2と、処理部2で受信したコマンドを管理対象システム30に転送する管理対象システム通信部3とを備える。また、図2の管理仲介装置10は、管理システム通信部1の接続スケジュール4aを格納する記憶部4と、当該接続スケジュール4aに従って管理システム通信部1に管理システム70との接続を指示する接続指示部5とを備える。
【0036】
図2の管理仲介装置10において、管理システム通信部1、処理部2、管理対象システム通信部3及び接続指示部5は、上述したCPUが予め記録された管理仲介プログラムを実行することによって実現される。管理仲介プログラムは、予めインターネットからダウンロードされて管理仲介装置10にインストールされてもよいし、予めCD−ROM等の記録媒体から管理仲介装置10にインストールされてもよい。
【0037】
図2の実施形態において、管理システム通信部1は、管理システム70との間で、HTTP通信による情報の送受信を実現するHTTP通信機能1aを備える。管理システム通信部1はさらに、管理システム70との間でSOAP通信による情報の送受信を実現するSOAP処理機能1bを備える。
【0038】
また、記憶部4に格納された接続スケジュール4aは、図3の(a)乃至(d)に示したように、開始日時と、終了日時と、間隔とを関連付けたデータ構造を有する。図3の(a)に示した接続スケジュール4aは、複数の単位スケジュール41の集合で構成され、かつ、各単位スケジュール41に識別子(ID)を付加したデータ構造を有する。
【0039】
接続指示部5は、少なくとも、接続スケジュール4aに従って、次のいずれかの接続指示を管理システム通信部1に対し実行する。
【0040】
1)特定の開始日時のみが指定されている場合には、当該開始日時における接続指示を行う。即ち、図3(a)のID=23の単位スケジュール41の様に指定されていれば、2002年4月1日の0時0分0秒に接続指示を行う。
【0041】
2)開始日時の特定の時刻のみが指定されている場合には、当該開始時刻における毎日の接続指示を行う。即ち、図3(a)のID=13の単位スケジュール41の様に指定されていれば、毎日0時0分0秒に接続指示を行う。
【0042】
3)開始日時のみが指定され、かつ、開始日時の特定の「月」が指定されていない場合、当該開始日時における毎月の接続指示を行う。即ち、図3(a)のID=11の単位スケジュール41の様に指定されていれば、2002年において毎月25日の0時0分0秒に接続指示を行う。
【0043】
4)開始日時と、終了日時と、間隔とのすべてが指定されている場合、当該開始日時から当該終了日時までの期間内における前記間隔による周期的な接続指示を行う。即ち、図3(b)の単位スケジュール41の様に指定されていれば、2002年4月1日0時0分0秒から2003年4月1日0時0分0秒までの間、1時間毎の周期で接続指示を行う。
【0044】
5)開始日時と、終了日時と、間隔とのすべてが指定されているが、当該開始日時及び当該終了日時のうち特定の時刻のみが指定されている場合、当該開始時刻から当該終了時刻までにおける前記間隔による周期的な毎日の接続指示を行う。即ち、図3(c)の単位スケジュール41の様に指定されている場合には、毎日14時0分0秒から18時0分0秒までの間、30分毎の間隔で接続指示を行う。
【0045】
6)特定の開始日時と、特定の間隔とが指定されているが、特定の終了日時が指定されていない場合、当該開始日時から無期限で、前記間隔による周期的な接続指示を行う。即ち、図3(d)の単位スケジュール41の様に指定されている場合には、2002年4月1日0時0分0秒から無期限で、3時間毎の間隔で接続指示を行う。
【0046】
図2の管理仲介装置10において、処理部2は、受信したコマンドに応じて記憶部4の接続スケジュール4aを変更するスケジュール変更機能2aを備える。このスケジュール変更機能2aを用いることにより、処理部2は、受信したコマンドがスケジュール追加コマンドである場合には、当該スケジュール追加コマンドに付加された接続スケジュールを記憶部4の接続スケジュール4aに追加する。この場合、図3(a)に示した接続スケジュール4aのリストに、新たな単位スケジュール41の行が追加される。
【0047】
管理システム70から管理仲介装置10へ送信されるスケジュール追加コマンドには、追加すべき新しい単位スケジュールデータが付加されるようになっている。この場合のスケジュール追加コマンドの一例として、図10のコマンド形式94を用いることができる。
【0048】
また、上記スケジュール変更機能2aを用いると、処理部2は、受信したコマンドがスケジュール削除コマンドである場合には、当該スケジュール削除コマンドに付加された識別子(ID)に対応する単位スケジュール41を記憶部4から検索し、検索された単位スケジュール41を削除する。例えば、受信したスケジュール削除コマンドに付加された削除対象のIDが23であれば、図3(a)においてID=23の単位スケジュール41が削除される。管理システム70から管理仲介装置10へ送信されるスケジュール削除コマンドには、削除すべき単位スケジュールデータのIDが付加されるようになっている。スケジュール削除コマンドの一例として、図11のコマンド形式96を用いることができる。
【0049】
また、上記スケジュール変更機能2aを用いると、処理部2は、受信したコマンドがスケジュール一括変更コマンドの場合には、当該スケジュール一括変更コマンドに付加されたインターネットアドレス(例えば、URL(uniform resource locator))を取得し、管理システム通信部1を介して、取得したインターネットアドレスに記録された新規接続スケジュール71を取得させ、取得した新規接続スケジュール71で記憶部4の接続スケジュール4aを置き換える。管理システム70から管理仲介装置10へ送信されるスケジュール一括変更コマンドには、上記インターネットアドレスが付加されるようになっている。スケジュール一括変更コマンドの一例として、図9のコマンド形式92を用いることができる。
【0050】
また、処理部2は、受信したコマンドがスケジュール要求コマンドである場合、記憶部4に格納された接続スケジュール4aを読み出し、管理システム通信部1を介して、読み出した接続スケジュール4aを管理システム70へ送信する。スケジュール要求コマンドの一例として、図12のコマンド形式98を用いることができる。
【0051】
ここで、管理システム70がスケジュール要求コマンドを発行する理由は、接続スケジュール4aの変更を検討するにあたり、管理仲介装置10に現在設定されている接続スケジュールを参照したい場合があるからである。
【0052】
次に、管理仲介装置10の動作を図4乃至図7のシーケンス図を用いて説明する。
【0053】
以下に説明する管理仲介装置10の動作は、管理仲介装置10のCPUが予め記録された管理仲介プログラムを実行することによって実現される。
【0054】
図4は、管理仲介装置10が実行する基本管理動作を説明するための図である。基本管理動作とは、管理システム70が管理対象システム30を遠隔管理するための動作である。
【0055】
図4において、接続指示部5は、定期的に記憶部4の接続スケジュール4aを監視し、図示しないタイマーとの比較により管理システム通信部1への接続指示のタイミングを検知すると、管理システム通信部1に対し接続指示を行う。
【0056】
この接続指示を受けた管理システム通信部1は、HTTP通信機能1aを起動し、ファイアウォール20及びインターネット80を介して、管理システム70とのコネクションを確立する。この際、管理システム通信部1のSOAP処理機能1bを用いる場合には、SOAPプロトコルに従って送受信される信号により、上述した要求・応答動作が管理システム通信部1と管理システム70との間で行われる。
【0057】
管理システム70は、このコネクション要求に対する応答として、予め管理対象システム30宛に用意されたコマンドをSOAPプロトコルに従って生成し、管理仲介装置10へ送信する。
【0058】
管理システム70からのコマンドは、管理システム通信部1がHTTP通信機能1aを用いて受信し、SOAP処理機能1bを用いて必要なコマンド部分を取り出した後、記憶部4に蓄積される。処理部2は、所定のタイミングで記憶部2に蓄積されたコマンドを読み出し、読み出したコマンドの宛先が管理対象システム30であると判定すると、当該コマンドを管理対象システム通信部3に転送する。さらに、管理対象システム通信部3は、管理対象システム30へ受信したコマンドを送信する。
【0059】
管理対象システム30に含まれる各画像形成装置は、自装置宛のコマンドを受信し、受信したコマンドに指示された所定の動作を実行する。所定の動作とは、例えば、画像形成装置の印刷ページ数のカウンタ値を読み出し、受信したコマンドに対する応答としてカウンタ値を出力する動作や、画像形成装置に内蔵されたヒーターの温度を受信したコマンドに指示された所定の温度に制御する動作などである。
【0060】
管理対象システム30は、受信したコマンドを処理すると当該コマンドに対する応答を管理システム70へ送信する。この応答信号には、例えば、上記印刷ページ数のカウンタ値等のパラメータや、コマンドの処理ステータス(正常終了、異常終了等)が含まれる。この応答信号は管理対象システム通信部3に受信され、記憶部4に格納される。
【0061】
更に、管理システム通信部1が管理システム70に接続する所定のタイミング(記憶部4の接続スケジュール4aに規定された接続タイミング)を検出すると、管理システム通信部1は前述と同様に管理システム70へのコネクションを開始する。このコネクションが確立されると、記憶部4に格納された管理対象システム30からの応答が管理システム70に転送される。管理システム70は、管理対象システム30からの応答を受信すると、正常に受信した場合には受信OKを示す信号を管理仲介装置10へ送信する。管理仲介装置10の管理システム通信部1がこの受信OKを示す信号を受信すると、コマンド発行から当該コマンドに対する応答までの一連の送受信動作が完了する。
【0062】
また、図4の基本管理動作において、管理システム70から発行されたコマンドが管理仲介装置10宛である場合には、処理部2は、管理システム70から受信したコマンドが自装置宛であることを判定して、受信したコマンドの内容に応じた所定の処理を実行する。この所定の処理には、後述する接続スケジュール4aの変更機能2aを利用した処理が含まれる。処理部2が受信したコマンドに応じた所定の処理を実行すると、当該コマンドに対する応答を処理部2が生成し、生成した応答を記憶部4へ一旦格納する。記憶部4に格納された応答は、前述の管理対象システム30からの応答と同様に、管理仲介装置10から管理システム70へ送信される。
【0063】
このように、予め設定された接続スケジュール4aに従って、管理仲介装置10側から管理システム70とのコネクションを確立することにより、管理仲介装置10及び管理対象システム30がファイアウォール20内に設置されている場合でも、管理システム70の都合のよいタイミングで、遠隔管理のためのコマンドを発行することが可能となる。
【0064】
図5乃至図7は、記憶部4に格納された接続スケジュール4aを変更又は読み出すために、管理仲介装置10が実行するスケジュール変更動作を説明するための図である。これらの処理は処理部2のスケジュール変更機能2aを用いて実現される。
【0065】
図5は、接続スケジュール4aを一括変更する処理を説明するための図である。
【0066】
図5のスケジュール一括変更処理では、複数の単位スケジュール41の集合で構成される記憶部4の接続スケジュール4aの全体を、管理システム70から受信する新規接続スケジュール71で置き換える。図4で説明したように、管理システム通信部1が接続スケジュール4aに従ったタイミングで管理システム70とのコネクションを確立すると、管理システム70から管理仲介装置10宛にスケジュール一括変更コマンドが送信される。
【0067】
このスケジュール一括変更コマンドは、管理システム通信部1で受信され、記憶部4に蓄積される。その後、所定のタイミングで処理部2がスケジュール一括変更コマンドを記憶部4から読み出し、読み出したコマンドが自装置宛のスケジュール一括変更コマンドであると判定すると、スケジュール変更機能2aを起動し、記憶部4の接続スケジュール4aの一括変更を開始する。
【0068】
管理システム70から受信するスケジュール一括変更コマンドには、新規接続スケジュール71が格納されたインターネット上のURLが予め引数として付加されている。処理部2は、スケジュール一括変更コマンドに付加された新規接続スケジュールのURLを取り出し、当該URLからの新規接続スケジュールのダウンロードを管理システム通信部1に指示する。
【0069】
管理システム通信部1は、HTTP通信機能1aを起動し、前記URLからの新規接続スケジュールの取得を管理システム70に対し要求する。この要求に対し、管理システム70は要求された新規接続スケジュール71を管理仲介装置10へ送信する。この新規接続スケジュールの送信方法としては、HTTP通信機能1aを利用したHTTPダウンロードの他に、FTPダウンロード、あるいは電子メールの添付ファイルによる送信等が利用できる。管理システム70と管理システム通信部1との間で実行される、これらの新規接続スケジュールの送信方法は、適宜切り換えて利用するように構成することができる。
【0070】
管理システム通信部1は、管理システム70から提供された新規接続スケジュール71を受信し、受信した新規接続スケジュール71を処理部2へ転送する。処理部2は、取得した新規接続スケジュール71で、記憶部4に格納されている接続スケジュール4aを上書きして更新する(置き換える)。その後、図4で説明したスケジュール確認動作において、記憶部4の更新された新規接続スケジュールが参照されるから、その後の管理システム70とのコネクションの確立タイミングが変更される。
【0071】
図6は、スケジュールの一部変更(単位スケジュールの追加又は削除)の処理を示している。管理システム通信部1が接続スケジュール4aに規定されたタイミングでコネクションを開始し、スケジュール変更コマンドが処理部2で取得されるまでの動作は、上述した図5のスケジュール一括変更動作の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0072】
図6において、処理部2は、記憶部4から読み出したスケジュール変更コマンドが自装置宛てのスケジュール追加コマンドであると判定すると、当該スケジュール追加コマンドに付加された新規の単位スケジュール41を取り出し、記憶部4の接続スケジュール4aに追加する。即ち、複数の単位スケジュール41の集合からなる接続スケジュール4aに新規の単位スケジュール41を追加する。その後、図4で説明したスケジュール確認動作において、記憶部4の変更後の接続スケジュール4aが参照されるから、その後の管理システム70へのコネクションの確立タイミングが追加される。
【0073】
一方、図6において、処理部2は、記憶部4から読み出したスケジュール変更コマンドが自装置宛てのスケジュール削除コマンドであると判定すると、当該スケジュール削除コマンドに付加された削除対象の単位スケジュールのID(識別子)を取り出し、当該IDと一致する単位スケジュール41を記憶部4の接続スケジュール4aから検索し、検索された単位スケジュール41を接続スケジュール4aから削除する。即ち、単位スケジュール41の集合からなる接続スケジュール4aから特定の単位スケジュール41を削除する。その後は、図4で説明したスケジュール確認動作において、記憶部4の変更後の接続スケジュール4aが参照されるから、その後の管理システム70へのコネクションの確立タイミングが削減される。
【0074】
以上説明したスケジュール変更処理によれば、管理仲介装置10に格納された接続スケジュール4aが管理システム70の都合に応じて適宜変更されるので、管理仲介装置10側が管理システム70の望むタイミングでコネクションを確立し、管理システム70側が適切なタイミングで遠隔管理のためのコマンドを送信することが可能となる。
【0075】
図7は、記憶部4に格納された接続スケジュール4aを管理システム70側が読み出す動作を説明するための図である。
【0076】
上述した図5又は図6のスケジュール変更処理において、管理システム70側で管理仲介装置10に格納された接続スケジュール4aを読み出すことにより事前に知っていると、単位スケジュールの一部追加や一部削除等の計画に役立つ。この目的のため、スケジュール要求コマンドは、管理システム70の要求に応じて、記憶部4の接続スケジュール4aが読み出され、読み出された接続スケジュール4aを管理システム70へ送信するものである。
【0077】
図4で説明したように、接続スケジュール4aに規定された接続タイミングで管理システム通信部1が管理システム70とのコネクションを確立すると、管理システム70からスケジュール要求コマンドが送信される。このスケジュール要求コマンドは、管理システム通信部1で受信され、記憶部4に蓄積される。その後、処理部2が記憶部4からスケジュール要求コマンドを読み出すと、処理部2は、読み出したスケジュール要求コマンドに応じて記憶部4から現状の接続スケジュール4aを読み出し、管理システム通信部1を介し、管理システム70へ送信する。
【0078】
ここで、接続スケジュール4aを管理システム70に送信する方法は、図4で説明したコマンドに対する応答に接続スケジュールを含めて送信する方法や、管理システム70宛の電子メールの添付ファイルとして接続スケジュールを送信する方法等が考えられる。管理システム70では、管理仲介装置10から受信した接続スケジュールに基づいて、接続スケジュール4aの追加又は削除を計画することが可能となる。
【0079】
図2の管理仲介装置10において、管理システム通信部1は、SOAP処理機能1bを備えている。SOAP処理機能1bは、管理仲介装置10から管理システム70へのコネクションをSOAPプロトコルに従って要求すると共に、管理システム70から受信したSOAPプロトコルのコマンドを処理する機能を管理システム通信部1に提供する。
【0080】
図8は、管理仲介装置10から管理システム70に送信されるコネクション開始時のメッセージ例91を示す。
【0081】
図9は、管理システム70からスケジュール一括変更コマンド91を受信した場合における、管理仲介装置10からの応答メッセージ例93を示す。
【0082】
図10は、管理システム70からスケジュール追加コマンド94を受信した場合における、管理仲介装置10からの応答メッセージ例95を示す。
【0083】
図11は、管理システム70からケジュール削除コマンド96を受信した場合における、管理仲介装置10からの応答メッセージ例97を示す。
【0084】
図12は、管理システム70からスケジュール要求コマンド98を受信した場合における、管理仲介装置10からの応答メッセージ例99を示す。
【0085】
次に、本発明の他の実施形態を図14乃至図16を用いて説明する。
【0086】
図14は、本発明の一実施例に係る装置管理機能110を備えた画像形成装置131と、管理対象システム130と、管理対象システム130を遠隔管理する管理システム70と
を含む遠隔管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0087】
図14の遠隔管理システムにおいて、顧客システム160は、客先に設置されているシステムである。この顧客システム160において、画像形成装置131は、LANにより、管理対象システム130と、ファイアウォール120とに接続されている。このうち、画像形成装置131は、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ、又はデジタル複合機などである。この例では、管理対象システム130として1つの画像形成装置131のみ図示しているが、複数の画像形成装置131を含むように構成してもよい。
【0088】
このように構成された顧客システム160は、ファイアウォール120の内部から外部の管理システム70にインターネット80を介して接続される。この管理システム70が、インターネット80を介し、管理対象システム130の遠隔管理を実施する。
【0089】
ここで、装置管理機能110を備えた画像形成装置131は、一般的なコンピュータ要素を含んで構成されている。即ち、少なくとも、プログラム処理を実行するCPUと、このCPU がプログラム処理に用いるRAM、ROM、大容量記憶等の記憶手段と、モデムやネットワークインタフェース等の通信手段とを含んで構成されている(図示略)。また、図14の画像形成装置131は、図1の管理仲介機能付画像形成装置33に相当する。
【0090】
図15は、図14の画像形成装置131の一例としての、デジタル複合機のソフトウェア及びハードウェアの構成例を示す。
【0091】
図15に示したように、画像形成装置131は、ラインプリンタ(LP)156、スキャナ157、ファクシミリ158、ハードディスク(HD)159、及びネットワークインターフェース(ネットワークI/F)164を含む複数のハードウェア資源163を備える。さらに、画像形成装置131において、プラットホーム162は、汎用OS(オペレーティングシステム)及び複数のサービス153を備え、アプリケーショングループ161は、複数のアプリケーション151を含んでいる。アプリケーショングループ161とプラットホーム162との間の情報、命令及び処理要求などの送受信をAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)152が行い、プラットホーム162とハードウェア資源163との間の情報、命令、処理要求などの送受信をエンジンインターフェース155が行う。
【0092】
プラットホーム162は、アプリケーショングループ161からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源163の獲得要求を生成する複数のサービス153と、汎用OS154とを備え、複数のハードウェア資源163の管理を行う。
【0093】
汎用OS154は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム162及びアプリケーショングループ161の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。また、複数のアプリケーション151と複数のサービス153との協働により、装置管理機能110(図14参照)を実現する。
【0094】
さらに、画像形成装置131は、ネットワークインターフェース164を介して、管理対象システム130、顧客システム160、ファイアウォール120、インターネット80及び管理システム70との通信を行う。
【0095】
図16は、本発明の一実施例に係る画像形成装置131の構成例を示す。
【0096】
図16の画像形成装置131は、ファイアウォール120の内部から外部の管理システム70にインターネット80を介して接続する管理システム通信部101と、管理システム70から管理システム通信部101を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理部102と、処理部102で受信したコマンドを検査信号としてハードウェア資源130に転送するエンジンインターフェース103とを備える。
【0097】
また、画像形成装置131は、管理システム通信部101の接続スケジュール104aを格納する記憶部104と、接続スケジュール104aに従って管理システム通信部101に管理システム70への接続を指示する接続指示部105とを備える。
【0098】
図16の画像形成装置131において、管理システム通信部101、処理部102、エンジンインターフェース103及び接続指示部105は、上述したCPUが予め記録された装置管理機能110(図14参照)を実行することによって実現される。装置管理機能110は、予めインターネットからダウンロードされて画像形成装置131にインストールされてもよいし、予めCD−ROM等の記録媒体から画像形成装置131にインストールされてもよい。
【0099】
図16の実施形態において、管理システム通信部101は、管理システム70との間で、HTTP通信による情報の送受信を実現するHTTP通信機能101aを備える。管理システム通信部101はさらに、管理システム70との間でSOAP通信による情報の送受信を実現するSOAP処理機能101bを備える。SOAP処理機能101bは、画像形成装置131から管理システム70へのコネクションをSOAPプロトコルに従って要求すると共に、管理システム70から受信したSOAPプロトコルのコマンドを処理する機能を管理システム通信部101に提供する。
【0100】
また、記憶部104に格納された接続スケジュール104aは、図3の(a)乃至(d)に示した前述の実施形態における接続スケジュール4aと同様に、開始日時と、終了日時と、間隔とを関連付けたデータ構造を有する。また、接続スケジュール104aは、複数の単位スケジュール41の集合で構成し、かつ、各単位スケジュール41に識別子(ID)を付加したデータ構造となっている。
【0101】
接続スケジュール104aのデータ構造、及び接続指示部105による接続スケジュール104aを利用した接続指示の方法は、図3の(a)乃至(d)を用いて説明した前述の図2の実施形態と基本的に同一であるので、その説明は省略する。
【0102】
図16の画像形成装置131において、接続指示部105は、少なくとも、接続スケジュール104aに従って、前述した1)乃至6)のいずれかの接続指示を管理システム通信部101に対し実行する。
【0103】
図16の画像形成装置131において、処理部102は、受信したコマンドに応じて記憶部104の接続スケジュール104aを変更するスケジュール変更機能102aを備えている。このスケジュール変更機能102aを用いることにより、処理部102は、受信したコマンドがスケジュール追加コマンドである場合には、当該スケジュール追加コマンドに付加された接続スケジュールを記憶部104の接続スケジュール104aに追加する。この場合、図3(a)に示したような接続スケジュールのリストに、新たな単位スケジュール41の行が追加される。
【0104】
管理システム70から画像形成装置131へ送信されるスケジュール追加コマンドには、追加すべき単位スケジュールデータが付加されるようになっている。この場合のスケジュール追加コマンドの一例として、図10のコマンド形式94を用いることができる。
【0105】
また、上記スケジュール変更機能102aを用いると、処理部102は、受信したコマンドがスケジュール削除コマンドである場合には、当該スケジュール削除コマンドに付加された識別子(ID)に対応する単位スケジュール41を記憶部104から検索し、検索された単位スケジュール41を削除する。例えば、受信したスケジュール削除コマンドに付加された、削除対象のIDが23であれば、図3(a)においてID=23の単位スケジュール41が削除される。管理システム70から画像形成装置131へ送信されるスケジュール削除コマンドには、削除すべき単位スケジュールデータのIDが付加されるようになっている。スケジュール削除コマンドの一例として、図11のコマンド形式96を用いることができる。
【0106】
また、上記スケジュール変更機能102aを用いると、処理部102は、受信したコマンドがスケジュール一括変更コマンドである場合には、当該スケジュール一括変更コマンドに付加されたインターネットアドレス(例えば、URL)を取得し、管理システム通信部101を介して、取得したインターネットアドレスに記録された新規接続スケジュール71を取得させ、取得した新規接続スケジュール71で記憶部104の接続スケジュール104aを置き換える。管理システム70から画像形成装置131へ送信されるスケジュール一括変更コマンドには、上記インターネットアドレスが付加されるようになっている。スケジュール一括変更コマンドの一例として、図9のコマンド形式92を用いることができる。
【0107】
また、処理部102は、受信したコマンドがスケジュール要求コマンドである場合、記憶部104に格納された接続スケジュール104aを読み出し、管理システム通信部101を介して、読み出した接続スケジュール104aを管理システム70へ送信する。スケジュール要求コマンドの一例として、図12のコマンド形式98を用いることができる。
【0108】
ここで、管理システム70がスケジュール要求コマンドを発行する理由は、接続スケジュール104aの変更を検討するにあたり、画像形成装置131に現在設定されている接続スケジュールを参照したい場合があるからである。
【0109】
次に、図16の画像形成装置131の動作は、図4乃至図7のシーケンス図を用いて説明した前述の実施形態における管理仲介装置10の動作と基本的に同一であるので、その図示は省略する。本実施形態における画像形成装置131の動作は、画像形成装置131のCPUが、複数のアプリケーション151及び複数のサービス153との協働により、装置管理機能110を実行することによって実現される。
【0110】
本実施形態における画像形成装置131が実行する基本管理動作は、図4を用いて説明した前述の実施形態における管理仲介装置10の基本管理動作と同一であるので、その図示は省略する。基本管理動作とは、管理システム70が画像形成装置131を含む管理対象システム130を遠隔管理するための動作である。
【0111】
接続指示部105は、定期的に記憶部104の接続スケジュール104aを監視し、図示しないタイマーとの比較により管理システム通信部101への接続指示のタイミングを検知すると、管理システム通信部101に対し接続指示を行う。
【0112】
この接続指示を受けた管理システム通信部101は、HTTP通信機能101aを起動し、ファイアウォール120及びインターネット80を介して、管理システム70とのコネクションを確立する。この際、管理システム通信部101のSOAP処理機能101bを用いる場合には、SOAPプロトコルに従って送受信される信号により、上述した要求・応答動作が管理システム通信部101と管理システム70との間で行われる。
【0113】
管理システム70は、このコネクション要求に対する応答として、予め管理対象システム130宛に用意されたコマンドをSOAPプロトコルに従って生成し、画像形成装置131へ送信する。
【0114】
管理システム70からのコマンドは、管理システム通信部101がHTTP通信機能101aを用いて受信し、SOAP処理機能101bを用いて必要なコマンド部分を取り出した後、記憶部104に蓄積される。処理部102は、所定のタイミングで記憶部2に蓄積されたコマンドを読み出し、読み出したコマンドがハードウェア資源130の情報要求のコマンドである場合、当該コマンドを検査信号としてエンジンインターフェース103に転送し、エンジンインターフェース103からハードウェア資源130に検査信号が入力される。
【0115】
ハードウェア資源130は、当該検査信号に指示された所定の動作を実行する。所定の動作とは、例えば、画像形成装置131の印刷ページ数のカウンタ値を読み出し、受信したコマンドに対する応答としてカウンタ値を出力する動作や、画像形成装置131に内蔵されたヒーターの温度を受信したコマンドに指示された所定温度に制御する動作等である。
【0116】
ハードウェア資源130は、当該検査信号に指示された所定の動作を実行し、当該検査信号に対する応答を出力する。この応答には、例えば、上記印刷ページ数のカウンタ値等のパラメータや、コマンドの処理ステータス(正常終了、異常終了等)が含まれる。
【0117】
この応答はエンジンインターフェース103で受信され、記憶部104に格納される。
【0118】
更に、管理システム通信部101が管理システム70に接続する所定のタイミング(記憶部104の接続スケジュール104aに規定された接続タイミング)を検出すると、管理システム通信部101は前述と同様に管理システム70へのコネクションを開始するが、このコネクションが確立されると、記憶部104に格納されたハードウェア資源130からの応答が管理システム70に転送される。管理システム70は、管理対象システム130からの応答を受信すると、正常に受信した場合には受信OKを示す信号を管理対象システム130に送信する。管理システム通信部101がこの受信OKを示す信号を受信すると、コマンド発行から当該コマンドに対する応答までの一連の送受信動作が完了する。
【0119】
また、上記の基本管理動作において、管理システム70から発行されたコマンドが、記憶部104に記録してある接続スケジュール104aに対してのコマンドである場合、処理部102は、当該コマンドの内容に応じた処理を実行する。この処理には、接続スケジュール104aの変更処理が含まれる。処理部102が受信したコマンドの内容に応じた処理を実行すると、当該コマンドに対する応答を処理部102が生成し、生成した応答を記憶部104に一旦格納する。記憶部104に格納された応答は、前述のハードウェア資源130からの応答と同様に、管理システム70へ送信される。
【0120】
このように、予め設定された接続スケジュール104aに従って、画像形成装置131側から管理システム70とのコネクションを確立することにより、画像形成装置131及び管理対象システム130がファイアウォール120内に設置されている場合でも、管理システム70側の都合のよいタイミングで、遠隔管理のためのコマンドを発行することが可能になる。
【0121】
本実施形態における画像形成装置131が実行するスケジュール一括変更の動作は、図5を用いて説明した前述の実施形態における管理仲介装置10のスケジュール一括変更の動作と基本的に同一であるので、その図示は省略する。
【0122】
本実施形態における接続スケジュール一括変更の処理では、複数の単位スケジュール41の集合で構成される接続スケジュール104aの全体を、管理システムから受信する新規接続スケジュール71で置き換える。管理システム通信部101が接続スケジュール104aに従った接続タイミングで管理システム70とのコネクションを確立すると、管理システム70から画像形成装置131宛にスケジュール一括変更コマンドが送信される。
【0123】
このスケジュール一括変更コマンドは、管理システム通信部101で受信され、記憶部104に蓄積される。その後、所定のタイミングで処理部102がスケジュール一括変更コマンドを記憶部104から読み出し、読み出したコマンドが自装置宛のスケジュール一括変更コマンドであると判定すると、処理部102はスケジュール変更機能102aを起動し、接続スケジュールの一括変更処理を開始する。
【0124】
管理システム70から受信するスケジュール一括変更コマンドには、新規接続スケジュール71が格納されたインターネット上のURLが予め引数として付加されている。処理部102は、スケジュール一括変更コマンドに付加された新規接続スケジュールのURLを取り出し、当該URLからの新規接続スケジュールのダウンロードを管理システム通信部101に指示する。
【0125】
管理システム通信部101は、HTTP通信機能101aを起動し、前記URLからの新規接続スケジュールの取得を管理システム70に対し要求する。この要求に対し、管理システム70は要求された新規接続スケジュール71を画像形成装置131へ送信する。この新規接続スケジュールの送信方法としては、HTTP通信機能101aを利用したHTTPダウンロードの他に、FTPダウンロード、あるいは電子メールの添付ファイルによる送信等が利用できる。管理システム70と管理システム通信部101との間で実行される、これらの新規接続スケジュールの送信方法は、適宜切り換えて利用するように構成することができる。
【0126】
管理システム通信部101は、管理システム70から提供された新規接続スケジュール71を受信し、受信した新規接続スケジュール71を処理部102へ転送する。処理部102は、取得した新規接続スケジュール71で、記憶部104に格納されている接続スケジュール104aを上書きして更新する(置き換える)。その後は、図4で説明したスケジュール確認動作において、記憶部104の更新された新規接続スケジュールが参照されるから、その後の管理システム70とのコネクションの確立タイミングが変更される。
【0127】
本実施形態における画像形成装置131が実行するスケジュール一部変更の動作は、図6を用いて説明した前述の実施形態における管理仲介装置10のスケジュール一部変更の動作と基本的に同一であるので、その図示は省略する。
【0128】
本実施形態における画像形成装置131のスケジュール一部変更の処理では、管理システム通信部101が接続スケジュール104aに規定されたタイミングでコネクションを開始し、スケジュール変更コマンドが処理部102で取得されるまでの動作は、上述したスケジュール一括変更の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0129】
本実施形態において、処理部102は、記憶部104から読み出したスケジュール変更コマンドが自装置宛のスケジュール追加コマンドであると判定すると、当該スケジュール追加コマンドに付加された新規の単位スケジュール41を取り出し、記憶部104の接続スケジュール104aに追加する。即ち、複数の単位スケジュール41の集合からなる接続スケジュール104aに新規の単位スケジュール41を追加する。その後、図4で説明したスケジュール確認動作において、変更後の接続スケジュール104aが参照されるから、その後の管理システム70へのコネクションの確立タイミングが追加される。
【0130】
一方、処理部102は、記憶部104から読み出したスケジュール変更コマンドが自装置宛のスケジュール削除コマンドであると判定すると、当該スケジュール削除コマンドに付加された削除対象の単位スケジュールのID(識別子)を取り出し、当該IDと一致する単位スケジュール41を記憶部104の接続スケジュール104aから検索し、検索された単位スケジュール41を接続スケジュール104aから削除する。即ち、単位スケジュール41の集合からなる接続スケジュール104aから特定の単位スケジュール41を削除する。その後は、図4で説明したスケジュール確認動作において、記憶部104の変更後の接続スケジュール104aが参照されるから、その後の管理システム70へのコネクションの確立タイミングが削減される。
【0131】
以上説明したスケジュール変更処理によれば、画像形成装置131の記憶部104に格納された接続スケジュール104aが管理システム70の都合に応じて適宜変更されるので、画像形成装置131が管理システム70の望むタイミングでコネクションを確立し、管理システム70から適切なタイミングでコネクションを確立し、管理システム70側が適切なタイミングで遠隔管理のためのコマンドを送信することが可能となる。
【0132】
本実施形態における画像形成装置131が実行するスケジュール読み出し動作は、図7を用いて説明した前述の実施形態における管理仲介装置10のスケジュール読み出し動作と基本的に同一であるので、その図示は省略する。
【0133】
本実施形態におけるスケジュール読み出し処理では、接続スケジュール104aに規定された接続タイミングで管理システム通信部101が管理システム70とのコネクションを確立すると、管理システム70からスケジュール要求コマンドが送信される。このスケジュール要求コマンドは、管理システム通信部101で受信され、記憶部104に蓄積される。その後、処理部102が記憶部104からスケジュール要求コマンドを読み出すと、処理部102は、読み出したスケジュール要求コマンドに応じて記憶部104から現状の接続スケジュール104aを読み出し、管理システム通信部101を介し、管理システム70へ送信する。
【0134】
ここで、接続スケジュール104aを管理システム70に送信する方法は、図4で説明したコマンドに対する応答に接続スケジュールを含めて送信する方法や、管理システム70宛の電子メールの添付ファイルとして接続スケジュールを送信する方法等が考えられる。管理システム70では、画像形成装置131から受信した接続スケジュールに基づいて、接続スケジュール104aの追加又は削除を計画することが可能となる。
【0135】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 管理システム通信部
1a HTTP通信機能
1b SOAP処理機能
2 処理部
3 管理対象システム通信部
4 記憶部
4a 接続スケジュール
5 接続指示部
10,32 管理仲介装置
20 ファイアウォール
30 管理対象システム
31 画像形成装置
41 単位スケジュールデータ
60a,60b,60c 顧客システム
70 管理システム
71 新規接続スケジュール
80 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段と、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段と、
前記処理手段で受信したコマンドを管理対象システムに転送する管理対象システム通信手段と、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段と、
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段と
を備えることを特徴とする管理仲介装置。
【請求項2】
前記接続指示手段は、少なくとも、前記接続スケジュールに従って、1)特定日時における接続指示、2)毎日特定時刻における接続指示、3)毎月特定日時における接続指示、4)特定期間内における特定周期での接続指示、5)毎日特定時間内における特定周期での接続指示、6)特定日時から無期限での特定周期での接続指示のいずれかを実行することを特徴とする請求項1記載の管理仲介装置。
【請求項3】
前記接続スケジュールは、開始日時と、終了日時と、間隔とを関連付けたデータ構造を有し、かつ、前記接続指示手段は、少なくとも、前記接続スケジュールに従って、1)前記開始日時のみが指定されている場合には、当該開始日時における接続指示、2)前記開始日時の時刻のみが指定されている場合には、当該開始時刻における毎日の接続指示、3)前記開始日時のみが指定され、開始日時の「月」が指定されていない場合には、当該開始日時における毎月の接続指示、4)前記開始日時と、前記終了日時と、前記間隔のすべてが指定されている場合には、当該開始日時から当該終了日時までの期間内における前記間隔による周期的な接続指示、5)前記開始日時と、前記終了日時と、前記間隔のすべてが指定されているが、前記開始日時及び前記終了日時は時刻のみが指定されている場合には、当該開始時刻から当該終了時刻までにおける前記間隔による周期的な毎日の接続指示、6)前記開始日時と、前記間隔とが指定されているが、前記終了日時が指定されていない場合には、当該開始日時から無期限での前記間隔による周期的な接続指示のいずれかを実行することを特徴とする請求項1記載の管理仲介装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記管理システムから受信したコマンドに応じて前記記憶手段の前記接続スケジュールを変更するスケジュール変更機能を備えることを特徴とする請求項1記載の管理仲介装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール追加コマンドである場合、前記スケジュール追加コマンドに付加された接続スケジュールを前記記憶手段の前記接続スケジュールに追加することを特徴とする請求項4記載の管理仲介装置。
【請求項6】
前記記憶手段の前記接続スケジュールは、複数の単位スケジュールの集合で構成され、各単位スケジュールごとに識別子を付加したデータ構造を有し、かつ、前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール削除コマンドである場合、前記スケジュール削除コマンドに付加された識別子に対応する単位スケジュールを前記記憶手段から検索し、検索された単位スケジュールを削除することを特徴とする請求項4記載の管理仲介装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール一括変更コマンドである場合、前記スケジュール一括変更コマンドに付加されたインターネットアドレスを取得し、前記管理システム通信手段を介して、取得したインターネットアドレスに格納された新規接続スケジュールを取得し、取得した新規接続スケジュールで前記記憶手段の前記接続スケジュールを置き換えることを特徴とする請求項4記載の管理仲介装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール要求コマンドである場合、前記記憶手段に格納された接続スケジュールを読み出し、前記管理システム通信手段を介して、前記接続スケジュールを前記管理システムへ送信することを特徴とする請求項4記載の管理仲介装置。
【請求項9】
前記管理システム通信手段は、前記管理システムとの間でSOAPに基づく通信を実現するSOAP処理機能を備えることを特徴とする請求項1記載の管理仲介装置。
【請求項10】
管理仲介装置と管理システム間の通信により管理対象システムを管理するためにコンピュータを、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段、
前記処理手段で受信したコマンドを管理対象システムに転送する管理対象システム通信手段、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段、及び
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段
として機能させるための管理仲介プログラム。
【請求項11】
管理仲介装置と管理システム間の通信により管理対象システムを管理するためにコンピュータを、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段、
前記処理手段で受信したコマンドを管理対象システムに転送する管理対象システム通信手段、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段、及び
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段
として機能させるための管理仲介プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
画像形成処理で使用されるハードウェア資源と、画像形成に係る複数のユーザーサービスにそれぞれ固有の処理を行う複数のアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムと前記ハードウェア資源との間に介在し、前記ユーザーサービスを提供する際に、前記アプリケーションプログラムの少なくとも2つが共有する前記ハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理をおこなうプラットホームとを有する画像形成装置であって、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段と、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段と、
前記処理手段で受信したコマンドを前記ハードウェア資源に転送する管理対象システム通信手段と、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段と、
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記接続指示手段は、少なくとも、前記接続スケジュールに従って、1)特定日時における接続指示、2)毎日特定時刻における接続指示、3)毎月特定日時における接続指示、4)特定期間内における特定周期での接続指示、5)毎日特定時間内における特定周期での接続指示、6)特定日時から無期限での特定周期での接続指示のいずれかを実行することを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記接続スケジュールは、開始日時と、終了日時と、間隔とを関連付けたデータ構造を有し、かつ、前記接続指示手段は、少なくとも、前記接続スケジュールに従って、1)前記開始日時のみが指定されている場合には、当該開始日時における接続指示、2)前記開始日時の時刻のみが指定されている場合には、当該開始時刻における毎日の接続指示、3)前記開始日時のみが指定され、開始日時の「月」が指定されていない場合には、当該開始日時における毎月の接続指示、4)前記開始日時と、前記終了日時と、前記間隔のすべてが指定されている場合には、当該開始日時から当該終了日時までの期間内における前記間隔による周期的な接続指示、5)前記開始日時と、前記終了日時と、前記間隔のすべてが指定されているが、前記開始日時及び前記終了日時は時刻のみが指定されている場合には、当該開始時刻から当該終了時刻までにおける前記間隔による周期的な毎日の接続指示、6)前記開始日時と、前記間隔とが指定されているが、前記終了日時が指定されていない場合には、当該開始日時から無期限での前記間隔による周期的な接続指示のいずれかを実行することを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記処理手段は、前記管理システムから受信したコマンドに応じて前記記憶手段の前記接続スケジュールを変更するスケジュール変更機能を備えることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール追加コマンドである場合、前記スケジュール追加コマンドに付加された接続スケジュールを前記記憶手段の前記接続スケジュールに追加することを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記記憶手段の前記接続スケジュールは、複数の単位スケジュールの集合で構成され、各単位スケジュールごとに識別子を付加したデータ構造を有し、かつ、前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール削除コマンドである場合、前記スケジュール削除コマンドに付加された識別子に対応する単位スケジュールを前記記憶手段から検索し、検索された単位スケジュールを削除することを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール一括変更コマンドである場合、前記スケジュール一括変更コマンドに付加されたインターネットアドレスを取得し、前記管理システム通信手段を介して、取得したインターネットアドレスに格納された新規接続スケジュールを取得し、取得した新規接続スケジュールで前記記憶手段の前記接続スケジュールを置き換えることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記処理手段は、前記コマンドがスケジュール要求コマンドである場合、前記記憶手段に格納された接続スケジュールを読み出し、前記管理システム通信手段を介して、前記接続スケジュールを前記管理システムへ送信することを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記管理システム通信手段は、前記管理システムとの間でSOAPに基づく通信を実現するSOAP処理機能を備えることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
【請求項21】
画像形成処理で使用されるハードウェア資源と、画像形成に係る複数のユーザーサービスにそれぞれ固有の処理を行う複数のアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムと前記ハードウェア資源との間に介在し、前記ユーザーサービスを提供する際に、前記アプリケーションプログラムの少なくとも2つが共有する前記ハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理をおこなうプラットホームとを有する画像形成装置において、管理システムとの通信により前記画像形成装置を管理するためにコンピュータを、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段、
前記処理手段で受信したコマンドを前記ハードウェア資源に転送する管理対象システム通信手段、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段、及び
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段
として機能させるための管理仲介プログラム。
【請求項22】
画像形成処理で使用されるハードウェア資源と、画像形成に係る複数のユーザーサービスにそれぞれ固有の処理を行う複数のアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムと前記ハードウェア資源との間に介在し、前記ユーザーサービスを提供する際に、前記アプリケーションプログラムの少なくとも2つが共有する前記ハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理をおこなうプラットホームとを有する画像形成装置において、管理システムとの通信により前記画像形成装置を管理するためにコンピュータを、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段、
前記処理手段で受信したコマンドを前記ハードウェア資源に転送する管理対象システム通信手段、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段、及び
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段
として機能させるための管理仲介プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項23】
管理仲介装置と管理システム間の通信により管理対象システムを遠隔管理する遠隔管理システムにおいて、前記管理仲介装置は、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手段と、
前記管理システムから前記管理システム通信手段を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手段と、
前記処理手段で受信したコマンドを管理対象システムに転送する管理対象システム通信手段と、
前記管理システム通信手段の接続スケジュールを格納する記憶手段と、
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手段に前記管理システムとの接続を指示する接続指示手段と
を備え、かつ、前記処理手段は、前記管理システムから受信したスケジュール変更コマンドに応じて前記記憶手段の前記接続スケジュールを変更するよう構成することを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項24】
管理仲介装置と管理システム間の通信により管理対象システムを遠隔管理する遠隔管理方法において、
ファイアウォールの内部から外部の管理システムにインターネットを介して接続する管理システム通信手順と、
前記管理システムから前記管理システム通信手順を介してコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた所定の処理を実行する処理手順と、
前記処理手順で受信したコマンドを管理対象システムに転送する管理対象システム通信手順と、
前記管理システム通信手順の接続スケジュールを格納する記憶手順と、
前記接続スケジュールに従って前記管理システム通信手順における前記管理システムとの接続を指示する接続指示手順と
を有し、かつ、前記処理手順は、前記管理システムから受信したスケジュール変更コマンドに応じて、前記記憶手順で格納された接続スケジュールを変更するよう構成することを特徴とする遠隔管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−181858(P2012−181858A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105827(P2012−105827)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2010−44604(P2010−44604)の分割
【原出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】