説明

管理情報通知システム、および、管理情報通知方法

【課題】終了していない作業の情報を、利用者ヘ確実に通知するシステムを提供する。
【解決手段】利用者がICカード管理型設備500の利用を開始すると、ICカード管理型設備500は管理データ設定指示をICカード100に送信し、ICカード100は、利用者がICカード管理型設備500の利用を開始したことを示す情報を管理データ199に書き込む。利用者がICカード管理型設備500の利用を終了すると、ICカード管理型設備500は管理データ更新指示をICカード100に送信し、ICカード100は、利用者がICカード管理型設備500の利用を終了したことを示す情報を管理データ199に書き込む。情報処理手段300が、ICカード100から管理データ199を読取り表示することで、ICカード管理型設備500の利用状態を利用者へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全保護管理領域に設置された設備の利用状態を利用者に通知するシステム、および、その方法に関するものである。
【0002】
従来から、安全保護管理された領域(たとえば、セキュリティ・ルーム)において、ICカードを利用した設備の利用管理が行われている。
【背景技術】
【0003】
たとえば、特許文献1では、ICカードを用いて印刷出力の要求者の認証を行い、印刷装置に蓄えられた印刷データを印刷する技術が開示されている。(従来技術1)
特許文献2では、錠前が未施錠であることを検知して、施錠を促す技術が開示されている。(従来技術2)
【特許文献1】特開2006−85615号公報(9〜10ページ、図2,3)
【特許文献2】特開平11−250373号公報(2ページ、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術1では、印刷出力の要求者が、印刷出力することを忘却していると、印刷装置に印刷データが放置されたままになってしまうという問題点があった。
また、従来技術2では、ネットワーク構成をしないと未施錠管理が行えないという不具合があった。
【0005】
本発明はこのような従来技術を考慮してなされたものであって、本発明の課題は、安全保護管理された領域に設置された設備をネットワーク接続しなくとも、終了していない作業の情報を、利用者へ確実に通知することのできるシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、第1の発明は、ICカードと、ICカード管理型設備と、情報処理装置とから構成される管理情報システムにおいて、前記ICカード管理型設備は、前記ICカードと通信する手段と、前記ICカード管理型設備を特定する設備特定情報を記憶する記憶手段と、設備使用開始依頼を受け付ける設備使用開始依頼受付手段と、前記設備特定情報を含んだ管理データ設定指示を前記ICカードに送信する管理データ設定指示手段と、設備使用終了依頼を受け付ける設備使用終了依頼受付手段と、前記設備特定情報を含んだ管理データ更新指示を前記ICカードに送信する管理データ更新指示手段とを備え、前記情報処理装置は、前記ICカードと通信する手段と、管理データ送信要求を前記ICカードに送信する管理データ送信要求手段と、利用状態を示すフラグを前記ICカード管理型設備毎に有する管理データを前記ICカードから受信する管理データ受付手段と、受信した前記管理データを表示する管理データ表示手段とを備え、前記ICカードは、前記管理データを記憶する記憶手段と、前記ICカード管理型設備から前記管理データ設定指示を受け付ける管理データ設定指示受付手段と、前記管理データ設定指示に含まれる前記設備特定情報から前記ICカード管理型設備を特定し、特定した前記ICカード管理型設備に対応する前記管理データのフラグに、前記ICカード管理型設備が利用中である情報を設定する管理データ設定手段と、前記ICカード管理型設備から管理データ更新指示を受け付ける管理データ更新指示受付手段と、前記管理データ更新指示に含まれる前記設備特定情報から前記ICカード管理型設備を特定し、特定した前記ICカード管理型設備に対応する前記管理データのフラグを、前記ICカード管理型設備が未利用である情報に更新する管理データ更新手段と、前記情報処理装置から、前記管理データ送信要求を受け付ける管理データ送信要求受付手段と、前記管理データを前記情報処理装置に送信する管理データ送信手段とを備えることを特徴とする管理情報システムある。
【0007】
上述した第1の発明によれば、前記ICカードに記憶される前記管理データには、各々の前記ICカード管理型設備の利用状態が反映されるため、前記情報処理装置が前記ICカードから前記管理データを読取り表示することで、前記ICカード管理型設備の未完了の情報を確実に利用者へ通知することができるようになる。
【0008】
更に、前記管理データは前記ICカードに記憶されるため、前記ICカード管理型設備をネットワーク接続する必要はなくなる。
【0009】
第2の発明は、前記情報処理装置は、前記情報処理装置の利用者を認証するための利用者認証情報を記憶する記憶手段と、利用者識別情報要求を前記ICカードに送信して、前記利用者識別情報を前記ICカードから受け付ける利用者識別情報受付手段と、前記利用者認証情報を用いて、前記ICカードから受け付けた前記利用者識別情報を認証する利用者認証手段とを備え、前記ICカードに備えられた前記記憶手段には前記利用者識別情報が記憶され、前記ICカードは、前記利用者識別情報要求を受け付けて、前記利用者識別情報を返信する利用者識別情報返信手段を備えていることを特徴とする第1の発明に記載の管理情報システムである。
【0010】
第3の発明は、前記情報処理装置は、暗証情報の入力を受け付ける暗証情報入力手段を備え、前記情報処理装置に備えられた前記管理データ送信要求手段は、前記暗証情報入力手段に入力された前記暗証情報を含ませて前記管理データ送信要求を送信する手段であって、前記ICカードに備えられた前記記憶手段には、前記管理データ送信要求に含まれる前記暗証情報を認証するために利用する参照暗証情報が記憶され、前記ICカードは、前記参照暗証情報を用いて、前記管理データ送信要求に含まれる前記暗証情報を認証することで利用者認証する暗証情報認証手段を備えることを特徴とする第1の発明または第2の発明に記載の管理情報システムである。
【0011】
第4の発明は、管理される設備の利用状態を利用者に通知する管理情報方法であって、設備使用開始依頼を前記設備が前記利用者から受け付ける設備使用開始依頼受付ステップと、前記設備を特定する設備特定情報と利用開始情報を含んだ管理データ設定指示を、利用状態を示すフラグを前記ICカード管理型設備毎に有する管理データを記憶したICカードに送信する管理データ設定指示ステップと、前記管理データ設定指に含まれる前記設備特定情報から前記利用者が利用開始した前記設備を特定し、特定した前記設備に対応する前記管理データのフラグを利用中である値に設定する管理データ設定ステップと、設備使用終了依頼を受け付ける設備使用終了依頼受付ステップと、前記設備特定情報と利用終了情報を含んだ管理データ更新指示を前記ICカードに送信する管理データ更新指示ステップと、前記管理データ更新指示に含まれる前記設備特定情報から前記利用者の利用が終了した前記設備を特定し、特定した前記設備に対応する前記管理データのフラグを未利用である値に更新する管理データ更新ステップと、情報処理装置が前記ICカードに記憶された前記管理データを読み取り、読み取った前記管理データを表示する管理データ表示ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする管理情報通知方法である。
【0012】
第5の発明は、前記管理データ表示ステップにおいて、前記情報処理装置は、前記ICカードから前記管理データを読み取る前に、前記ICカードへ利用者識別情報要求を送信し、前記ICカードから受け付けた前記利用者識別情報の認証に成功したときのみ、前記ICカードに記憶された前記管理データを読み取り、読み取った前記管理データを表示することを特徴とする第4の発明に記載の管理情報通知方法である。
【0013】
第6の発明は、前記管理データ表示ステップにおいて、前記ICカードは前記管理データを前記情報処理装置に送信する際に暗証情報の認証を必要とし、前記ICカードは、前記管理データを前記情報処理装置に送信する前に、前記情報処理装置に入力された前記暗証情報を認証し、前記暗証情報の認証に成功したときのみ前記管理データを前記情報処理装置に送信することを特徴とする第4の発明または第5の発明に記載の管理情報通知方法である。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、安全保護管理された領域に設置された設備をネットワーク接続しなくとも、終了していない作業の情報を、利用者へ確実に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施例)
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、管理情報通知システム1の概要を説明する図である。
【0016】
管理情報通知システム1は、ICカード100を所持する利用者を識別する情報である利用者識別情報191が記憶された非接触型のICカード100と、ICカード管理型設備500と、情報処理装置300(たとえば、パソコン)とから構成される。なお、本実施例でICカード100は非接触型としているが、ICカード100は接触型であっても構わない。
【0017】
ICカード管理型設備500とは、たとえば、ICカード管理型保管庫500aや、ICカード管理型印刷装置500bや、ドアゲート500cなどの設備で、ICカード管理型設備500は、利用者が所持するICカード100と情報のやり取りをするICカード読取書込装置501を備え、ICカード管理型設備500の利用状態をICカード100に書き込む機能を備えている。
【0018】
ICカード100には、、利用状態を示すフラグをICカード管理型設備500毎に有する管理データ管理データ199が設けられている。利用者が利用可能なICカード管理型設備500は予め既知で、管理データ199には、利用者が利用可能なICカード管理型設備500ごとにフラグが設けられる。
【0019】
利用者がICカード管理型設備500を利用開始すると、利用者が利用開始したICカード管理型設備500に対応する管理データ199のフラグが「1」に設定され、ICカード管理型設備500が利用中であることがICカード100に記憶される。
【0020】
利用者がICカード管理型設備500の利用を終了すると、利用者の利用が終了したICカード管理型設備500に対応する管理データ199のフラグが「0」に更新され、ICカード管理型設備500が未利用であることがICカード100に記憶される。
【0021】
情報処理装置300には、利用者が所持するICカード100と情報のやり取りをするICカード読取書込装置301が備えられ、情報処理装置300は、ICカード100に記憶された利用者識別情報191を認証するための利用者認証情報391を記憶している。
【0022】
情報処理装置300は、情報処理装置300を利用する利用者が所持するICカード100から利用者識別情報191を読取り、利用者認証情報391を用いて利用者識別情報191を認証し、利用者識別情報191の認証に成功すると、ICカード100から管理データ199を読取り、利用者識別情報191で特定される利用者のICカード管理型設備500の利用状態を示す管理データ表示画面300aを表示する。
【0023】
このように、ICカード100の管理データ199には、ICカード管理型設備500の利用中/未利用が記憶されるため、情報処理装置300がICカード100に記憶された管理データ199を読み取り管理データ表示画面300aを表示することで、ICカード100を所持する利用者は、ICカード管理型設備500の利用状態を確認することが可能になる。
【0024】
図2は、管理情報通知システム1の処理の流れを説明する図で、(図2(1))から(同(4))までの流れは、利用者がICカード管理型設備500を利用開始するときの流れで、(図2(11))から(同(14))までの流れは、利用者がICカード管理型設備500の利用を終了するときの流れで、(同(21))から(同(27))までの流れは、利用者が情報処理装置300を利用して、ICカード管理型設備500の利用状態を確認するときの流れである。
【0025】
利用者がICカード型設備500を利用開始するとき、ICカード管理型設備500(たとえば、ICカード管理型保管庫500a)は、ICカード100を所持する利用者から設備使用開始依頼(たとえば、保管庫の開錠依頼)を受け付ける(図2(1))。
【0026】
ICカード管理型設備500は、設備使用開始依頼に基づいた処理(たとえば、開錠処理)を行い、ICカード管理型設備500は、ICカード管理型設備500の設備特定情報591を含んだ管理データ設定指示をICカード100に送信する(同(2))。
【0027】
ICカード100は、管理データ設定指示をICカード管理型設備500から受け付ける(同(3))。
【0028】
ICカード100は管理データ設定指示を受け付けると、管理データ設定指示に含まれる設備特定情報591から、利用者が利用開始したICカード管理型設備500を特定し、特定したICカード管理型設備500に対応する管理データ199のフラグを「1」に設定する(同(4))。
【0029】
利用者がICカード型設備500の利用を終了するとき、ICカード管理型設備500は、選択された設備使用終了依頼を利用者から受け付ける(同(11))。
【0030】
ICカード管理型設備500は、設備使用終了依頼に基づいた処理(たとえば、施錠処理)を行い、ICカード管理型設備500は、ICカード管理型設備500の設備特定情報591を含んだ管理データ更新指示をICカード100へ送信する(同(12))。
【0031】
ICカード100は、ICカード管理型設備500から、管理データ更新指示を受け付ける(同(13))。
【0032】
ICカード100は、管理データ更新指示に含まれる設備特定情報591から、利用者の利用が終了したICカード管理型設備500を特定し、特定したICカード管理型設備500に対応する管理データ199のフラグを「0」に更新する(同(14))。
【0033】
利用者が情報処理装置300を利用して、ICカード管理型設備500の利用状態を確認するとき、情報処理装置300に備えられたICカード読取書込装置301がICカード100を検知すると、情報処理装置300は利用者識別送信要求をICカード100へ送信する(同(21))。
【0034】
ICカード100は、情報処理装置300から利用者識別送信要求を受け付けると、ICカード100が記憶している利用者識別情報191を情報処理装置300に返信する(同(22))。
【0035】
ICカード100から情報処理装置300は、ICカード100から利用者識別情報191を受け付けると、利用者認証情報391を利用して利用者識別情報191を認証する(同(23))。
【0036】
利用者認証情報191の認証に成功した後、情報処理装置300は、ICカード100に管理データ送信要求を送信する(同(24))。
【0037】
ICカード100は、情報処理装置300から管理データ送信要求が送信されると、記憶している管理データ199を情報処理装置300に返信する(同(25))。
【0038】
情報処理装置300は、ICカード100から管理データ199を受信する(同(26))と、情報処理装置300は、受信した管理データ199に基づいてICカード管理型設備500の利用状態を示す管理データ表示画面300aを生成し、生成した管理データ表示画面300aを表示する(同(27))。
【0039】
図3は、管理情報システム1の詳細な構成図である。管理情報システム1は、ICカード100、ICカード管理型設備500そして情報処理装置300とから少なくとも構成される。
【0040】
ICカード管理型設備500は、設備使用開始依頼受付手段510と、管理データ設定指示手段520と、設備使用開始処理手段530と、設備使用終了依頼受付手段540と、管理データ更新指示手段550と、設備使用終了処理手段560と、記憶手段590と、を備え、記憶手段590には設備特定情報591が記憶される。
【0041】
設備使用開始依頼受付手段510は、設備使用開始依頼(たとえば、開錠依頼)を受け付ける。
【0042】
管理データ作成指示手段520は、設備特定情報591を含んだ管理データ設定指示をICカード100へ送信する。
【0043】
設備使用開始処理手段530は、設備使用開始依頼に基づいた処理(たとえば、開錠処理)を行う。
【0044】
なお。設備使用開始依頼受付手段510および管理データ作成指示手段520はICカード管理型設備500と一体化されている必要は必ずしも無い。例えば、ICカード管理型設備500をICカード管理型印刷装置500aとしたときは、ICカード管理型印刷装置500aに印刷指示を出力するコンピュータ(例えば、情報処理装置300)に組込まれている印刷アプリケーションが、ICカード管理型印刷装置500aの設備使用開始依頼受付手段510および管理データ作成指示手段520の役割を果たす。
【0045】
設備使用終了依頼受付手段540は、設備使用終了依頼を受け付ける。管理データ更新指示手段550は、設備特定情報591を含んだ管理データ更新指示をICカード100へ送信する。
【0046】
設備使用終了処理手段560は、設備使用終了依頼に基づいた処理(たとえば、施錠処理)を行う。
【0047】
情報処理装置300は、利用者識別情報受付手段310と、利用者認証手段330、管理データ送信要求手段370、管理データ受付手段380、管理データ表示手段320及び記憶手段390を備える。記憶手段39には、ICカード100に記憶されている利用者識別情報191に対応付けて利用者認証情報391が記憶されている。
【0048】
利用者識別情報受付手段310は、ICカード100に利用者識別情報要求を送信して、ICカード100から利用者識別情報191を受け付ける。
利用者認証手段330は、利用者認証情報391を利用して、ICカード100から受け付けた利用者識別情報191を認証する。
【0049】
管理データ送信要求手段370は、管理データ送信要求を作成してICカード100に送信する。
【0050】
管理データ受付手段380は、ICカードから管理データ199を受信する。管理データ表示手段320は、受信した管理データ199に基づいてICカード管理型設備500の利用状態を示す管理データ表示画面300aを生成し、生成した管理データ表示画面300aを表示する。
【0051】
ICカード100は、利用者識別情報返信手段110、管理データ設定指示受付手段120、管理データ設定手段130、管理データ更新指示受付手段150、管理データ更新手段160、管理データ送信要求受付手段170、管理データ送信手段180および記憶手段190を備える。記憶手段190は、利用者識別情報191と管理データ199とを記憶する。
【0052】
管理データ199は、利用状態を示すフラグを前記ICカード管理型設備毎に有している。
【0053】
管理データ設定指示受付手段120は、ICカード管理型設備500から管理データ設定指示を受け付ける。
【0054】
管理データ設定手段130は、ICカード管理型設備500の設備特定情報591と管理データ199のフラグを対応付けて記憶し、ICカード管理型設備500から送信された管理データ設定指示に含まれる設備特定情報591に対応する管理データ199のフラグを「1」に設定する。
【0055】
管理データ更新指示受付手段150は、ICカード管理型設備500の設備特定情報591と管理データ199のフラグを対応付けて記憶し、ICカード管理型設備500から送信された管理データ更新指示に含まれる設備特定情報591に対応する管理データ199のフラグを「0」に更新する。
【0056】
利用者識別情報返信手段110は、利用者識別情報要求を受け付けて、利用者識別情報191を返信する。
【0057】
管理データ送信要求受付手段170は、情報処理装置300から管理データ送信要求を受け付け、管理データ送信手段180は管理データ199を情報処理装置300に送信する。
【0058】
ICカード100に備えられた管理データ設定指示受付手段120、管理データ設定手段130、管理データ更新指示受付手段150、管理データ更新手段160、管理データ送信手段180、管理データ送信要求受付手段170および利用者識別情報返信手段110は、ICカード100のCPUを動作させるためのコンピュータプログラムで実現され、情報処理装置300に備えられた管理データ表示手段320、管理データ受付手段380、管理データ送信要求手段370、利用者識別情報受付手段310および利用者認証手段330は、情報処理装置300のCPUを動作させるためのコンピュータプログラムで実現され、ICカード管理型設備500に備えられた設備使用開始依頼受付手段510、管理データ設定指示手段520、設備使用開始処理手段530、設備使用終了依頼受付手段540、管理データ更新指示手段550および設備使用終了処理手段560とは、ICカード管理型設備500のCPUを動作させるためのコンピュータプログラムである。
【0059】
ICカード100の記憶手段190に記憶される利用者認証情報191、管理データ199および参照暗証情報291、並びに、ICカード管理型設備500の記憶手段590に記憶される設備特定情報591、並びに、情報処理装置300の記憶手段390に記憶される利用者認証情報391は、コンピュータプログラムが可読なデータである。
【0060】
そして、ICカード100の記憶手段190、ICカード管理型設備500の記憶手段590および情報処理装置300の記憶手段390はメモリである。
【0061】
利用者識別情報191と、管理データ199と、利用者認証情報391と、設備を特定する情報591とは、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段190と、記憶手段390と、記憶手段590とはメモリである。
【0062】
図4は、管理データ199の形式と例を説明する図である。各々のICカード管理型設備500の利用状態を示すフラグが記憶されるデータで、利用者が利用可能なICカード管理型設備500ごとにフラグを記憶する領域が設けられている。
【0063】
図4に図示した管理データ199は1byteのデータで、一つのICカード管理型設備500の利用状態を示すフラグを1bitで表現することで、合計8個までのICカード管理型設備500の利用状態を記憶することができ、図4では、7bit目が「予備2」のフラグで、6bit目が「予備1」、5bit目が「保管庫3」、4bit目が「保管庫2」、3bit目が「保管庫1」、2bit目が「プリンタ2」、1bit目が「プリンタ1」及び0bit目が「ドアゲート」のフラグである。
【0064】
図5は、管理データ199の処理手順を説明する図である。
初期状態の管理データ(=前回に、設備使用をすべて終了して、退室した状態の管理データ)が例示されている。初期状態の管理データ199は、「予備2」、「予備1」、「保管庫3」、「保管庫2」、「保管庫1」、「プリンタ2」、「プリンタ1」および「ドアゲート」の各フラグは、未利用を表す値である「0」に設定されている。
【0065】
ドアゲート500cが、例えば、ICカード読取書込装置501cに備えられたドアゲート500cにICカード100がかざされることで、ドアゲート500cは入室の設備使用開始依頼を受け付け、ドアゲート500cがドアを開いた後、ドアゲート500cの設備特定情報591を含んだ管理データ設定指示を発行すると、ICカード100は、管理データ設定指示を受け付けて、管理データ199のドアゲート500cに対応する0bit目のフラグを「1」に設定する(図5(1))。
【0066】
同様に、保管庫3であるICカード管理型保管庫500bが開錠の設備使用開始依頼を受け付け、ICカード管理型保管庫500bが錠前を開錠した後、管理データ設定指示を送信すると、ICカード100は、管理データ設定指示を受け付けて、管理データ199の保管庫3に対応する5bit目のフラグを「1」に設定する(同(2))。
【0067】
同様に、プリンタ1であるICカード管理型印刷装置500aが印刷の設備使用開始依頼を受け付け、印刷データを受信保持した後、管理データ設定指示を送信すると、ICカード100は、管理データ設定指示を受け付けて、管理データ199のプリンタ1に対応する1bit目のフラグを「1」に設定する(同(3))。
【0068】
保管庫3であるICカード管理型保管庫500bが施錠の設備使用終了依頼を受け付け、錠前を施錠し、ICカード管理型保管庫500bの使用終了情報を含む管理データ更新指示を送信すると、ICカード100は、管理データ更新指示を受け付けて、管理データ199の保管庫3に対応する5bit目のフラグを「0」に更新する(同(4))。
【0069】
同様に、プリンタ1に対応するICカード管理型印刷装置500aが印刷の設備使用終了依頼を受け付け、保持している印刷データを印刷した後、管理データ更新指示を送信すると、ICカード100は、管理データ199のプリンタ1に対応する1bit目のフラグを「0」に更新する(同(5))。
【0070】
このように、ICカード100を用いて作業管理することによって、ICカード管理型設備500それぞれをネットワークで接続しなくても、簡単に、低コストで、確実に、作業状況を把握することができる。
【0071】
(変形例)
次に、変形例として、ICカードが、情報処理装置300に入力された暗証情報を用いて利用者を認証する例について説明する。
【0072】
図6は、暗証情報を用いる管理情報通知システム2の詳細な構成図である。管理情報システム2は、ICカード200、ICカード管理型設備500および情報処理装置400から構成される。
【0073】
図6で図示した構成要素の中で、図3の構成要素と同じ機能を備える構成要素については、図3と同じ符号を付与している。例えば、ICカード管理型設備500の機能は、図3で図示したICカード管理型設備500の機能と同じである。
【0074】
情報処理装置400は、暗証情報入力手段410、管理データ送信要求手段470、利用者識別情報受付手段310、利用者認証手段330、管理データ受付手段380、管理データ表示手段320および記憶手段390を備え、記憶手段390には利用者認証情報391が記憶されている。
【0075】
暗証情報入力手段410は、キーボードなどを用いた手段で、利用者から暗証情報の入力を受け付ける。
【0076】
管理データ送信要求手段470は、受け付けた暗証情報を含む管理データ送信要求を作成してICカード200へ送信する。
【0077】
ICカード200は、管理データ送信要求受付手段270、暗証情報認証手段280、管理データ設定指示受付手段120、管理データ設定手段130、管理データ更新指示受付手段150、管理データ更新手段160、管理データ送信手段180、利用者識別情報返信手段110および記憶手段290とを備える。記憶手段290は、利用者識別情報191と管理データ199に加え、参照暗証情報291を記憶する。
【0078】
利用者認証情報191と管理データ199は、図3の管理データ199と同じで、参照暗証情報291は、情報処理装置400に入力された暗証情報と照合する情報である。
【0079】
管理データ送信要求受付手段270は、情報処理装置300から、管理データ送信要求を受け付ける。
【0080】
暗証情報認証手段280は、受け付けた管理データ送信要求に含まれる暗証情報と参照暗証情報291を照合することで、ICカード200の利用者を認証する。
【0081】
ICカード200に備えられた管理データ設定指示受付手段120、管理データ設定手段130、管理データ更新指示受付手段150、管理データ更新手段160、管理データ送信手段180、暗証情報認証手段280、管理データ送信要求受付手段270および利用者識別情報返信手段110は、ICカード200のCPUを動作させるためのコンピュータプログラムで実現され、情報処理装置400に備えられた管理データ表示手段320、管理データ受付手段380、暗証情報入力手段410、管理データ送信要求手段470、利用者識別情報受付手段310および利用者認証手段330は、情報処理装置400のCPUを動作させるためのコンピュータプログラムで実現され、ICカード管理型設備500に備えられた設備使用開始依頼受付手段510、管理データ設定指示手段520、設備使用開始処理手段530、設備使用終了依頼受付手段540、管理データ更新指示手段550および設備使用終了処理手段560とは、ICカード管理型設備500のCPUを動作させるためのコンピュータプログラムである。
【0082】
ICカード200の記憶手段290に記憶される利用者認証情報191、管理データ199および参照暗証情報291、並びに、ICカード管理型設備500の記憶手段590に記憶される設備特定情報591、並びに、情報処理装置400の記憶手段390に記憶される利用者認証情報391は、コンピュータプログラムが可読なデータである。
【0083】
そして、ICカード200の記憶手段290、ICカード管理型設備500の記憶手段590および情報処理装置400の記憶手段390はメモリである。
【0084】
図7は、暗証情報を用いる管理情報通知システム2の処理の流れを説明する図である。
【0085】
図7の(1)から(23)までは、図2の(1)から(23)までと同じである。
【0086】
情報処理装置300の暗証情報入力手段410は、暗証情報の入力を受け付ける(同(24a))。情報処理装置400は、暗証情報を含んだ管理データ送信要求を作成して、ICカード200に送信する(同(24b))。
【0087】
ICカード200は、管理データ送信要求を情報処理装置400から受け付けて、管理データ送信要求に含まれる暗証情報と参照暗証情報291を照合することで、利用者を認証する(同(25a))。そして、利用者の認証に成功したときのみ、ICカード200は、管理データ199を情報処理装置400に送信する(同(25b))。
【0088】
図7の(26)から(27)までは、図2の(26)から(27)までと同じである。
【0089】
以上詳しく説明したように、本願発明によれば、利用者に管理領域にて行った作業の情報を、確実に通知することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】管理情報通知システムの全体構成図。
【図2】管理情報通知システムの処理の流れを示した図。
【図3】通知システムの詳細な構成図。
【図4】管理データの形式を示した図。
【図5】管理データの処理手順を示した図。
【図6】暗証情報を用いる管理情報通知システムの詳細な構成図。
【図7】暗証情報を用いる管理情報通知システムの処理の流れを示した図。
【符号の説明】
【0091】
1 管理情報通知システム
2 暗証情報を用いる管理情報通知システム
100 ICカード
110 利用者識別情報返信手段
120 管理データ設定指示受付手段
130 管理データ設定手段
150 管理データ更新指示受付手段
160 管理データ更新手段
170 管理データ送信要求受付手段
180 管理データ送信手段
190 記憶手段
191 利用者識別情報
199 管理データ
200 ICカード
270 管理データ送信要求受付手段
280 暗証情報認証手段
290 記憶手段
291 参照暗証情報
300 情報処理装置
310 利用者識別情報受付手段
320 管理データ表示手段
330 利用者認証手段
370 管理データ送信要求手段
380 管理データ受付手段
390 記憶手段
391 利用者認証情報
400 情報処理装置
410 暗証情報入力手段
470 管理データ送信要求手段
500 ICカード管理型設備
500a ICカード管理型保管庫
500b ICカード管理型印刷装置
500c ドアゲート
510 段設備使用開始依頼受付手段
520 管理データ設定指示手段
530 設備使用開始処理手段
540 設備使用終了依頼受付手段
550 管理データ更新指示手段
560 設備使用終了処理手段
590 記憶手段
591 設備特定情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードと、ICカード管理型設備と、情報処理装置とから構成される管理情報システムにおいて、前記ICカード管理型設備は、前記ICカードと通信する手段と、前記ICカード管理型設備を特定する設備特定情報を記憶する記憶手段と、設備使用開始依頼を受け付ける設備使用開始依頼受付手段と、前記設備特定情報を含んだ管理データ設定指示を前記ICカードに送信する管理データ設定指示手段と、設備使用終了依頼を受け付ける設備使用終了依頼受付手段と、前記設備特定情報を含んだ管理データ更新指示を前記ICカードに送信する管理データ更新指示手段とを備え、前記情報処理装置は、前記ICカードと通信する手段と、管理データ送信要求を前記ICカードに送信する管理データ送信要求手段と、利用状態を示すフラグを前記ICカード管理型設備毎に有する管理データを前記ICカードから受信する管理データ受付手段と、受信した前記管理データを表示する管理データ表示手段とを備え、前記ICカードは、前記管理データを記憶する記憶手段と、前記ICカード管理型設備から前記管理データ設定指示を受け付ける管理データ設定指示受付手段と、前記管理データ設定指示に含まれる前記設備特定情報から前記ICカード管理型設備を特定し、特定した前記ICカード管理型設備に対応する前記管理データのフラグに、前記ICカード管理型設備が利用中である情報を設定する管理データ設定手段と、前記ICカード管理型設備から管理データ更新指示を受け付ける管理データ更新指示受付手段と、前記管理データ更新指示に含まれる前記設備特定情報から前記ICカード管理型設備を特定し、特定した前記ICカード管理型設備に対応する前記管理データのフラグを、前記ICカード管理型設備が未利用である情報に更新する管理データ更新手段と、前記情報処理装置から、前記管理データ送信要求を受け付ける管理データ送信要求受付手段と、前記管理データを前記情報処理装置に送信する管理データ送信手段とを備えることを特徴とする管理情報システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記情報処理装置の利用者を認証するための利用者認証情報を記憶する記憶手段と、利用者識別情報要求を前記ICカードに送信して、前記利用者識別情報を前記ICカードから受け付ける利用者識別情報受付手段と、前記利用者認証情報を用いて、前記ICカードから受け付けた前記利用者識別情報を認証する利用者認証手段とを備え、前記ICカードに備えられた前記記憶手段には前記利用者識別情報が記憶され、前記ICカードは、前記利用者識別情報要求を受け付けて、前記利用者識別情報を返信する利用者識別情報返信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の管理情報システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、暗証情報の入力を受け付ける暗証情報入力手段を備え、前記情報処理装置に備えられた前記管理データ送信要求手段は、前記暗証情報入力手段に入力された前記暗証情報を含ませて前記管理データ送信要求を送信する手段であって、前記ICカードに備えられた前記記憶手段には、前記管理データ送信要求に含まれる前記暗証情報を認証するために利用する参照暗証情報が記憶され、前記ICカードは、前記参照暗証情報を用いて、前記管理データ送信要求に含まれる前記暗証情報を認証することで利用者認証する暗証情報認証手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管理情報システム。
【請求項4】
管理される設備の利用状態を利用者に通知する管理情報方法であって、設備使用開始依頼を前記設備が前記利用者から受け付ける設備使用開始依頼受付ステップと、前記設備を特定する設備特定情報と利用開始情報を含んだ管理データ設定指示を、利用状態を示すフラグを前記ICカード管理型設備毎に有する管理データを記憶したICカードに送信する管理データ設定指示ステップと、前記管理データ設定指に含まれる前記設備特定情報から前記利用者が利用開始した前記設備を特定し、特定した前記設備に対応する前記管理データのフラグを利用中である値に設定する管理データ設定ステップと、設備使用終了依頼を受け付ける設備使用終了依頼受付ステップと、前記設備特定情報と利用終了情報を含んだ管理データ更新指示を前記ICカードに送信する管理データ更新指示ステップと、前記管理データ更新指示に含まれる前記設備特定情報から前記利用者の利用が終了した前記設備を特定し、特定した前記設備に対応する前記管理データのフラグを未利用である値に更新する管理データ更新ステップと、情報処理装置が前記ICカードに記憶された前記管理データを読み取り、読み取った前記管理データを表示する管理データ表示ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする管理情報通知方法。
【請求項5】
前記管理データ表示ステップにおいて、前記情報処理装置は、前記ICカードから前記管理データを読み取る前に、前記ICカードへ利用者識別情報要求を送信し、前記ICカードから受け付けた前記利用者識別情報の認証に成功したときのみ、前記ICカードに記憶された前記管理データを読み取り、読み取った前記管理データを表示することを特徴とする請求項4に記載の管理情報通知方法。
【請求項6】
前記管理データ表示ステップにおいて、前記ICカードは前記管理データを前記情報処理装置に送信する際に暗証情報の認証を必要とし、前記ICカードは、前記管理データを前記情報処理装置に送信する前に、前記情報処理装置に入力された前記暗証情報を認証し、前記暗証情報の認証に成功したときのみ前記管理データを前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の管理情報通知方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−21301(P2008−21301A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154718(P2007−154718)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】