説明

管理装置、管理プログラム及び管理システム

【課題】ネットワークに接続された機器の管理を効率的に行なうことを課題とする。
【解決手段】管理装置は、監視対象の機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて記憶する記憶部を有する。また、管理装置は、監視対象の機器から該機器のログ情報を取得する。また、管理装置は、取得したログ情報と記憶部に記憶された振分条件とに基づいて、監視対象の機器をいずれかのグループに振り分ける。また、管理装置は、監視対象の機器に対する監視間隔を、機器が振り分けられたグループに応じた監視間隔の設定値に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理プログラム及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続された機器を管理する管理装置がある。かかる管理装置は、一つの様態として、管理対象の機器と通信を行なうことにより機器を管理する。また、管理装置においては、大規模なネットワークや多種多様なネットワークに接続された大量の機器の一元管理をいかに効率的に行なうかが重要である。
【0003】
効率的に管理することを目的とした技術としては、例えば、機器からの応答があった期間を学習し、機器に対する問い合わせを学習した期間内に行なう技術がある。他の技術としては、例えば、応答がない機器が存在したときに、新規にスレッドを起動させて他の機器に問い合わせを行なう技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ネットワークに接続された機器の管理を効率的に行なうことが困難であるという問題がある。具体的には、機器からの応答があった期間を学習する技術では、少なくとも学習するための時間を要するうえに、学習の内容が変化した場合に再度学習しなければならないので、機器の管理を効率的に行なえるとは言い難い。また、新規にスレッドを起動させる技術では、スレッド数を増加させることでネットワーク全体におけるパケット数が増えてしまうので、機器の管理を効率的に行なうことが困難である。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ネットワークに接続された機器の管理を効率的に行なうことが可能である管理装置、管理プログラム及び管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る管理装置は、監視対象の機器とネットワークを介して接続される管理装置であって、前記機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて記憶する記憶部と、前記機器から該機器のログ情報を取得するログ情報取得部と、前記ログ情報と前記振分条件とに基づいて、前記機器をいずれかの前記グループに振り分ける振分部と、前記機器に対する監視間隔を、前記機器が振り分けられた前記グループに応じた前記設定値に設定する設定部とを有する。
【0007】
また、本発明に係る管理プログラムは、ネットワークに接続された監視対象の機器から該機器のログ情報を取得するログ情報取得ステップと、前記機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値、及び、該グループに振り分ける振分条件を対応付けて記憶する記憶部の振分条件と前記ログ情報とに基づいて、前記機器をいずれかの前記グループに振り分ける振分ステップと、前記機器に対する監視間隔を、前記機器が振り分けられた前記グループに応じた前記設定値に設定する設定ステップとをコンピュータに実行させる。
【0008】
また、本発明に係る管理システムは、監視対象の機器と、該機器にネットワークを介して接続される管理装置とを有する管理システムであって、前記機器は、処理の実行毎にログ情報をログ情報記憶部に登録する登録部と、登録された前記ログ情報を前記管理装置に対して送信する送信部とを有し、前記管理装置は、前記機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて記憶する監視情報記憶部と、前記機器から該機器のログ情報を取得するログ情報取得部と、前記ログ情報取得部によって取得されたログ情報と前記振分条件とに基づいて、前記機器をいずれかの前記グループに振り分ける振分部と、前記機器に対する監視間隔を、前記機器が振り分けられた前記グループに応じた前記設定値に設定する設定部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの様態によれば、ネットワークに接続された機器の管理を効率的に行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、管理システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】図3は、管理装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図4】図4は、管理装置と画像形成装置との構成例を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、ログ情報記憶部に記憶されるテーブルの例を示す図である。
【図6】図6は、監視情報記憶部に記憶されるテーブルの例を示す図である。
【図7】図7は、機器情報記憶部に記憶されるテーブルの例を示す図である。
【図8】図8は、管理装置による処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、管理システムによる処理の流れの例を示す処理シーケンス図である。
【図10】図10は、管理プログラムがコンピュータを用いて実現されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る管理装置、管理プログラム及び管理システムの実施例を説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
[管理システムの構成]
図1を用いて、管理システムの構成について説明する。図1は、管理システムの構成例を示す図である。
【0013】
例えば、図1に示すように、管理システム1は、ネットワーク10に接続された、クライアントPC(Personal Computer)20と、管理装置100と、画像形成装置200とを有する。なお、以下の実施例では、かかる画像形成装置200を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。また、ネットワーク10には、画像形成装置200だけでなく、種々のネットワーク機器が接続されていても良い。
【0014】
上記構成において、管理装置100は、ネットワーク機器や画像形成装置200の状態を監視及び管理し、ネットワーク機器や画像形成装置200の状態に関する各種情報をクライアントPC20に提供する。以下では、画像形成装置200の状態に関する各種情報をクライアントPC20に提供する管理装置100を例に挙げて説明する。
【0015】
[管理装置のハードウェア構成]
次に、図2を用いて、管理装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、管理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【0016】
例えば、図2に示すように、管理装置100は、バスで相互に接続された、入力装置101と、表示装置102と、ドライブ装置103と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)105と、CPU(Central Processing Unit)106と、インタフェース装置107と、HDD(Hard Disk Drive)108とを有する。
【0017】
入力装置101は、例えば、キーボードやマウス等を有し、管理装置100における各種情報の入力を受け付ける。表示装置102は、例えば、モニタ(若しくはディスプレイ、タッチパネル等)やスピーカを有し、管理装置100における各種情報を表示出力する。ドライブ装置103は、例えば、着脱可能な記録媒体103aとのインタフェースである。これにより、管理装置100は、ドライブ装置103を介して、記録媒体103aへデータを書き込んだり、記録媒体103aからデータを読み取ったりする。
【0018】
RAM104は、例えば、各種記憶装置から読み出されたプログラム又はデータを一時的に保持する揮発性の半導体メモリである。ROM105は、例えば、管理装置100の電源が切られた場合でもデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。かかるROM105には、管理装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)情報、管理装置100のシステムの設定情報、及び、ネットワーク関連の設定情報等のデータが格納される。CPU106は、例えば、RAM104に読み出されたプログラムを実行することにより、管理装置100の全体制御及び各種機能の動作を実現する。
【0019】
インタフェース装置107は、例えば、管理装置100をネットワーク10に接続するインタフェースである。これにより、管理装置100は、インタフェース装置107を介して、画像形成装置200やクライアントPC20等と通信する。HDD108は、例えば、各種プログラム又はデータを記憶する。HDD108に記憶されるプログラム又はデータは、例えば、管理装置100全体を制御する情報処理プログラムや、情報処理システム上において各種機能を提供するアプリケーション等である。また、HDD108は、記憶している上記プログラム又はデータを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)等により管理する。
【0020】
これらのようなハードウェア構成により、管理装置100は、例えば、HDD108からRAM104上に読み出したプログラムをCPU106により実行し、画像形成装置200の状態を監視及び管理し、画像形成装置200の状態に関する各種情報をクライアントPC20に提供する各種機能を実現する。
【0021】
[管理装置のソフトウェア構成]
次に、図3を用いて、管理装置100のソフトウェア構成について説明する。図3は、管理装置100のソフトウェア構成例を示す図である。
【0022】
例えば、図3に示すように、管理装置100には、httpd(HyperText Transfer Protocol Daemon)110と、WebPage生成部120と、FrontEnd部130と、機器管理部140とを含むソフトウェア部品群がインストールされている。
【0023】
httpd110は、例えば、情報処理システムに常駐するWebサーバのプログラムであり、クライアントPC20のブラウザからの要求を受け付けて、受け付けた要求に応じてWebサーバ内に蓄積されたコンテンツを送信する。WebPage生成部120は、例えば、httpd110によって受け付けられた要求をもとに、ブラウザ上に表示させるためのWebページを生成する。
【0024】
FrontEnd部130は、例えば、WebPage生成部120によるWebページの生成に利用されるデータを機器管理部140から取得し、取得したデータをもとにWebページ生成用のデータに加工する。機器管理部140は、例えば、画像形成装置200の監視、画像形成装置200の機器情報の取得、取得した機器情報の管理等の各種データ管理、並びに、要求に応じた機器情報の検索や更新等の各種データ操作を実行する。
【0025】
つまり、httpd110、WebPage生成部120及びFrontEnd部130は、クライアントPC20に対する情報提供機能を実現するためのソフトウェア部品に相当する。また、機器管理部140は、管理装置100で動作する機器管理機能を実現するためのソフトウェア部品に相当する。
【0026】
[管理装置及び画像形成装置の構成]
次に、図4を用いて、管理装置100と画像形成装置200との構成について説明する。図4は、管理装置100と画像形成装置200との構成例を示す機能ブロック図である。なお、図4では、管理装置100に含まれるhttpd110、WebPage生成部120、FrontEnd部130及び機器管理部140のうち、FrontEnd部130と機器管理部140とについての機能ブロックを説明する。
【0027】
例えば、図4に示すように、FrontEnd部130は、監視グループ振分指示部131と、表示制御部132とを有する。
【0028】
管理グループ振分指示部131は、例えば、監視対象である画像形成装置200に対する監視間隔のグループ振り分け指示を機器管理部140に出力する。かかる監視間隔のグループ振り分けは、例えば、所定時間毎や、管理者等による入力装置101における入力操作をトリガとする。表示制御部132は、例えば、機器管理部140から取得した画像形成装置200に関する機器情報の一覧について、表示出力用の情報に変換制御する。かかる機器情報の一覧の表示制御は、例えば、インタフェース装置107を介したクライアントPC20のユーザによる入力操作をトリガとする。
【0029】
また、例えば、機器管理部140は、ログ情報取得部141と、ログ情報記憶部142と、監視情報記憶部143と、振分部144と、監視間隔設定部145と、監視部146と、機器情報記憶部147と、機器一覧取得部148とを有する。
【0030】
ログ情報取得部141は、例えば、画像形成装置200から送信される該画像形成装置200のログ情報を取得し、ログ情報記憶部142に格納する。図5は、ログ情報記憶部142に記憶されるテーブルの例を示す図である。例えば、図5に示すように、ログ情報記憶部142は、ジョブが実行された日時と、ジョブを実行した画像形成装置200のIPアドレスと、ジョブの種類と、画像形成装置200を利用したユーザ名と、記録媒体(用紙等)の使用枚数とを対応付けて記憶する。例を挙げると、ログ情報記憶部142は、日時「01/23 10:00:00」と、IPアドレス「192.168.1.101」と、ジョブの種類「Copy」と、ユーザ名「ユーザA」と、使用枚数「10」とを対応付けて記憶する。
【0031】
監視情報記憶部143は、例えば、画像形成装置200が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて記憶する。図6は、監視情報記憶部143に記憶されるテーブルの例を示す図である。例えば、図6に示すように、監視情報記憶部143は、画像形成装置200が属するグループを識別するためのグループID(identifier)と、画像形成装置200が属するグループのグループ名称と、監視間隔の設定値を表すポーリング間隔と、グループの振分条件を表すグルーピング条件とを対応付けて記憶する。例を挙げると、監視情報記憶部143は、グループID「1」と、グループ名称「更新頻度低グループ」と、ポーリング間隔「60」と、グルーピング条件「一定時間枚数100未満」とを対応付けて記憶する。
【0032】
振分部144は、例えば、監視グループ振分指示部131からの指示を受け付けた場合に、ログ情報記憶部142に記憶されたログ情報と、監視情報記憶部143に記憶されたグルーピング条件とに基づいて、画像形成装置200をいずれかのグループに振り分ける。具体的に例を挙げて説明すると、振分部144は、IPアドレスが「192.168.1.101」である画像形成装置200について、ログ情報記憶部142に記憶されたログ情報に含まれる使用枚数を取得する。ここで、振分部144によって取得される使用枚数は、日時「01/23 10:00:00」における使用枚数「10」と、日時「01/23 11:20:00」における使用枚数「1」と、日時「01/23 12:00:00」における使用枚数「10」とである。なお、振分部144による使用枚数の取得については、予め決定された一定時間内での使用枚数が取得される。
【0033】
続いて、振分部144は、取得した使用枚数を合計した合計値「10+1+10=21」を満たす監視情報記憶部143に記憶されたグルーピング条件「一定時間枚数100未満」を判定し、IPアドレスが「192.168.1.101」である画像形成装置200をグループID「1」のグループに振り分ける。
【0034】
同様に、振分部144は、IPアドレスが「192.168.1.102」である画像形成装置200について、ログ情報記憶部142に記憶されたログ情報に含まれる使用枚数を取得する。ここで、振分部144によって取得される使用枚数は、日時「01/23 11:00:00」における使用枚数「100」である。なお、上記のように、振分部144による使用枚数の取得については、予め決定された一定時間内での使用枚数が取得される。
【0035】
続いて、振分部144は、取得した使用枚数を合計した合計値「100」を満たす監視情報記憶部143に記憶されたグルーピング条件「一定時間枚数100以上」を判定し、IPアドレスが「192.168.1.102」である画像形成装置200をグループID「2」のグループに振り分ける。
【0036】
このようにして、振分部144は、全ての画像形成装置200について、いずれかの監視グループに振り分ける。また、監視グループを振り分けた振分部144は、画像形成装置200のIPアドレスと、該画像形成装置200のグループIDとを監視間隔設定部145に対して通知する。
【0037】
監視間隔設定部145は、例えば、画像形成装置200に対する監視間隔を、振分部144によって画像形成装置200が振り分けられたグループに応じた設定値に設定する。上述した例を挙げて説明すると、監視間隔設定部145は、振分部144からIPアドレスが「192.168.1.101」である画像形成装置200のグループID「1」を受け付けると、監視情報記憶部143に基づき、該画像形成装置200のポーリング間隔を「60(分)」に設定する。同様に、監視間隔設定部145は、振分部144からIPアドレスが「192.168.1.102」である画像形成装置200のグループID「2」を受け付けると、監視情報記憶部143に基づき、該画像形成装置200のポーリング間隔を「10(分)」に設定する。
【0038】
このようにして、監視間隔設定部145は、全ての画像形成装置200について、ポーリング間隔を設定する。また、ポーリング間隔を設定した監視間隔設定部145は、画像形成装置200のIPアドレスと、該画像形成装置200のポーリング間隔とを監視部146に通知する。
【0039】
監視部146は、例えば、監視間隔設定部145によって設定されたポーリング間隔で画像形成装置200から該画像形成装置200の機器情報を取得し、取得した機器情報で機器情報記憶部147に記憶された機器情報を更新する。かかる画像形成装置200から取得される機器情報は、例えば、該画像形成装置200の状態を表すMIB(Management Information Base)である。なお、監視部146は、機器情報記憶部147に記憶された画像形成装置200のIPアドレスをもとに、画像形成装置200と通信する。また、監視部146は、例えば、計時部(図示せず)を有し、計時部によって計られた時間をもとに、設定されたポーリング間隔でポーリングを実行する。
【0040】
機器情報記憶部147は、例えば、画像形成装置200の状態を表すMIBを含む機器情報を記憶する。図7は、機器情報記憶部147に記憶されるテーブルの例を示す図である。例えば、図7に示すように、機器情報記憶部147は、画像形成装置200について、IPアドレスと、モデル名称と、グループIDと、ステータスとを対応付けて記憶する。
【0041】
これらのうち、ステータスは、画像形成装置200から取得されたMIBに含まれる情報であり、グループIDは、振分部144によって振り分けられたグループのグループIDである。例を挙げると、機器情報記憶部147は、IPアドレス「192.168.1.101」と、モデル名称「ModelA」と、グループID「1」と、ステータス「注意」とを対応付けて記憶する。機器一覧取得部148は、例えば、機器情報記憶部147から画像形成装置200に関する機器情報の一覧を取得し、表示制御部132に出力する。
【0042】
また、例えば、画像形成装置200は、ログ登録部201と、ログ情報記憶部202と、ログ送信部203と、MIB送信部204と、MIB情報記憶部205とを有する。
【0043】
ログ登録部201は、例えば、画像形成装置200のジョブの実行毎にログ情報をログ情報記憶部202に登録する。ログ登録部201によって登録されるログ情報は、例えば、ジョブを実行した日時と、ジョブの種類と、画像形成装置200のユーザ名と、記録媒体(用紙)の使用枚数とである。ログ情報記憶部202は、例えば、日時、ジョブの種類、ユーザ名及び使用枚数を対応付けて記憶する。
【0044】
ログ送信部203は、例えば、ログ情報記憶部202に記憶されたログ情報とともに、自己の画像形成装置200のIPアドレスを、管理装置100に対して送信する。かかるログ送信部203によるログ情報の送信は、例えば、所定時間毎や、ログ登録部201によるログ情報の登録毎に実行される。また、ログ送信部203によるログ情報の送信は、一つの様態として、SOAP(Simple Object Access Protocol)による通信で行なわれる。
【0045】
MIB送信部204は、例えば、監視部146からの問い合わせに応じて、MIB情報記憶部205に記憶されたMIB情報を管理装置100に対して送信する。かかるMIB送信部204によるMIB情報の送信は、一つの様態として、SNMP(Simple Network Management Protocol)による通信で行なわれる。MIB情報記憶部205は、例えば、自己の画像形成装置200におけるMIB情報を記憶する。
【0046】
[管理装置の処理フロー]
次に、図8を用いて、管理装置100による処理の流れについて説明する。図8は、管理装置100による処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0047】
例えば、図8に示すように、ログ情報取得部141は、監視対象のネットワーク機器である画像形成装置200からログ情報を受信した場合に(ステップS101肯定)、取得したログ情報をログ情報記憶部142に格納する(ステップS102)。一方、ログ情報取得部141によって画像形成装置200からログ情報が受信されていない場合に(ステップS101否定)、振分部144は、ステップS103の処理を実行する。
【0048】
また、振分部144は、監視グループ振分指示部131からグループ振分の指示を受け付けた場合に(ステップS103肯定)、ログ情報記憶部142に記憶されたログ情報と、監視情報記憶部143に記憶されたグルーピング条件とに基づいて、監視対象である画像形成装置200をいずれかのグループに振り分ける(ステップS104)。このとき、画像形成装置200の監視グループを振り分けた振分部144は、画像形成装置200のIPアドレスと、該画像形成装置200のグループIDとを監視間隔設定部145に対して通知する。一方、振分部144により、監視グループ振分指示部131からのグループ振分指示を受け付けていないと判定された場合に(ステップS103否定)、ログ情報取得部141は、ステップS101の処理を実行する。
【0049】
また、監視間隔設定部145は、振分部144から画像形成装置200のIPアドレスとグループIDとを受け付けて、監視情報記憶部143からポーリング間隔を取得し、該画像形成装置200のポーリング間隔を設定する(ステップS105)。このとき、ポーリング間隔を設定した監視間隔設定部145は、画像形成装置200のIPアドレスと、該画像形成装置200のポーリング間隔とを監視部146に通知する。
【0050】
また、監視部146は、監視間隔設定部145によって設定されたポーリング間隔で画像形成装置200の監視を実行し、該画像形成装置200からMIB情報を取得する(ステップS106)。ここで、監視部146による画像形成装置200との通信は、監視間隔設定部145から通知されたIPアドレスをもとに行なわれる。その後、監視部146は、取得したMIB情報をもとに機器情報記憶部147に記憶された機器情報を更新する。
【0051】
[管理システムの処理シーケンス]
次に、図9を用いて、管理システム1による処理の流れについて説明する。図9は、管理システム1による処理の流れの例を示す処理シーケンス図である。以下では、管理システム1に含まれる管理装置100と画像形成装置200とにおける処理について説明する。
【0052】
例えば、図9に示すように、画像形成装置200は、自己の画像形成装置200のジョブの実行毎に、ログ情報をログ情報記憶部202に登録する(ステップS201)。そして、画像形成装置200は、所定時間毎やログ情報の登録毎等の任意のタイミングで、ログ情報記憶部202に記憶されたログ情報とともに、自己の画像形成装置200のIPアドレスを、管理装置100に対して送信する(ステップS202)。
【0053】
また、管理装置100は、画像形成装置200によって送信されたログ情報を取得し、取得したログ情報をログ情報記憶部142に格納する(ステップS203)。その後、管理装置100は、画像形成装置200のグループ振り分けの指示を受け付けると、ログ情報記憶部142に記憶されたログ情報と、監視情報記憶部143に記憶されたグルーピング条件とに基づいて、画像形成装置200をいずれかのグループに振り分ける(ステップS204)。
【0054】
そして、管理装置100は、いずれかのグループに振り分けた画像形成装置200のポーリング間隔を監視情報記憶部143から取得し、該画像形成装置200のポーリング間隔を設定する(ステップS205)。続いて、管理装置100は、設定したポーリング間隔で画像形成装置200の監視を実行する(ステップS206)。
【0055】
また、管理装置100から問い合わせを受け付けた画像形成装置200は、MIB情報記憶部205に記憶されたMIB情報を管理装置100に対して送信する(ステップS207)。また、管理装置100は、画像形成装置200によって送信されたMIB情報を取得し、取得したMIB情報をもとに機器情報記憶部147に記憶された機器情報を更新する(ステップS208)。
【0056】
[実施例1による効果]
上述したように、管理装置100は、画像形成装置200が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて保持し、監視対象である画像形成装置200から取得したログ情報に応じてグルーピングを行ない、それぞれのグループに対応する監視間隔を設定するので、ネットワークに接続された機器の管理を効率的に行なうことができる。換言すると、管理装置100は、ネットワーク機器のログ情報を満たす振分条件に応じたグループそれぞれで、ネットワーク機器のポーリング間隔を設定するので、機器からの応答があった期間を学習するための時間を要したり、新規にスレッドを起動させることでネットワーク全体におけるパケット数が増えたりする従来技術と比較して、ネットワークに接続された機器の管理を効率的に行なうことができる。
【実施例2】
【0057】
さて、これまで本発明に係る管理装置100と画像形成装置200との実施例について説明したが、上述した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、(1)振分条件、(2)構成、(3)プログラム、において異なる実施例を説明する。
【0058】
(1)振分条件
上記実施例1では、画像形成装置200が属するグループの振分条件について、記録媒体(用紙)の使用枚数を例に挙げた。かかる振分条件については、種々の条件を設定しても良い。
【0059】
例えば、振分条件は、処理データ量の条件としても良い。かかる場合に、振分部144は、画像形成装置200のログ情報から求めた処理データ量が満たす処理データ量の振分条件に対応するグループに、該画像形成装置200を振り分ける。
【0060】
また、例えば、振分条件は、ジョブの実行回数の条件としても良い。かかる場合に、振分部144は、画像形成装置200のログ情報から求めたジョブの実行回数が満たすジョブの実行回数の振分条件に対応するグループに、該画像形成装置200を振り分ける。
【0061】
また、例えば、振分条件は、ジョブの種類の条件としても良い。かかる場合に、振分部144は、画像形成装置200のログ情報から取得したジョブの種類が満たすジョブの種類の振分条件に対応するグループに、該画像形成装置200を振り分ける。
【0062】
(2)構成
また、上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメタ等を含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、画像形成装置200が属するグループ振り分けに係るグルーピング条件については、任意に変更することができる。
【0063】
また、図示した管理装置100又は画像形成装置200の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合することができる。例えば、振分部144は、監視グループ振分指示部131からグループ振り分けの指示を受け付けた場合に、ログ情報記憶部142からログ情報の一覧を取得する「ログ一覧取得部」と、ログ一覧取得部によって取得されたログ情報、及び、監視情報記憶部143に記憶されたグルーピング条件に基づいて、画像形成装置200をいずれかのグループに振り分ける「グループ振分部」とに分散しても良い。
【0064】
(3)プログラム
図10は、管理プログラムがコンピュータを用いて実現されることを示す図である。例えば、図10に示すように、管理装置100としてのコンピュータ1000は、バス1009で接続された、CPU1001等の制御装置と、ROM1002やRAM1003等の記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)1004、ディスクドライブ1005等の外部記憶装置と、ディスプレイ1006等の表示装置と、キーボード1007やマウス1008等の入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0065】
管理装置100で実行される管理プログラムは、一つの様態として、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、管理装置100で実行される管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、管理装置100で実行される管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。また、管理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0066】
管理装置100で実行される管理プログラムは、上述した各部(ログ情報取得部141、振分部144、監視間隔設定部145、監視部146)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から管理プログラムを読み出して実行することにより、上記各部が主記憶装置上にロードされ、ログ情報取得部141、振分部144、監視間隔設定部145、監視部146が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0067】
100 管理装置
110 httpd
120 WebPage生成部
130 FrontEnd部
131 監視グループ振分指示部
132 表示制御部
140 機器管理部
141 ログ情報取得部
142 ログ情報記憶部
143 監視情報記憶部
144 振分部
145 監視間隔設定部
146 監視部
147 機器情報記憶部
148 機器一覧取得部
200 画像形成装置
201 ログ登録部
202 ログ情報記憶部
203 ログ送信部
204 MIB送信部
205 MIB情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2007−157074号公報
【特許文献2】特開2010−211523号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の機器とネットワークを介して接続される管理装置であって、
前記機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記機器から該機器のログ情報を取得するログ情報取得部と、
前記ログ情報と前記振分条件とに基づいて、前記機器をいずれかの前記グループに振り分ける振分部と、
前記機器に対する監視間隔を、前記機器が振り分けられた前記グループに応じた前記設定値に設定する設定部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記振分条件は、処理データ量の条件であって、
前記振分部は、前記機器の前記ログ情報から求めた処理データ量が満たす前記振分条件に対応するグループに前記機器を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記振分条件は、画像形成装置である前記機器における記録媒体の使用量の条件であって、
前記振分部は、前記機器の前記ログ情報から求めた記録媒体の使用量が満たす前記振分条件に対応するグループに前記機器を振り分けることを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記振分条件は、処理実行回数の条件であって、
前記振分部は、前記機器の前記ログ情報から求めた処理実行回数が満たす前記振分条件に対応するグループに前記機器を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記振分条件は、処理の種類の条件であって、
前記振分部は、前記機器の前記ログ情報から取得した処理の種類が満たす前記振分条件に対応するグループに前記機器を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記機器の状態を表す機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
設定された前記監視間隔で前記機器の前記機器情報を取得し、該機器から取得した機器情報により前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を更新する監視部と
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
ネットワークに接続された監視対象の機器から該機器のログ情報を取得するログ情報取得ステップと、
前記機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値、及び、該グループに振り分ける振分条件を対応付けて記憶する記憶部の振分条件と前記ログ情報とに基づいて、前記機器をいずれかの前記グループに振り分ける振分ステップと、
前記機器に対する監視間隔を、前記機器が振り分けられた前記グループに応じた前記設定値に設定する設定ステップと
をコンピュータに実行させるための管理プログラム。
【請求項8】
監視対象の機器と、該機器にネットワークを介して接続される管理装置とを有する管理システムであって、
前記機器は、
処理の実行毎にログ情報をログ情報記憶部に登録する登録部と、
登録された前記ログ情報を前記管理装置に対して送信する送信部と
を有し、
前記管理装置は、
前記機器が属するグループごとに、監視間隔の設定値と、該グループに振り分ける振分条件とを対応付けて記憶する監視情報記憶部と、
前記機器から該機器のログ情報を取得するログ情報取得部と、
前記ログ情報取得部によって取得されたログ情報と前記振分条件とに基づいて、前記機器をいずれかの前記グループに振り分ける振分部と、
前記機器に対する監視間隔を、前記機器が振り分けられた前記グループに応じた前記設定値に設定する設定部と
を有することを特徴とする管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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