説明

管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、車載器及び通信方法

【課題】電気自動車の蓄電池に対する充電が行われる状況において、電力供給量の不足が発生することを抑止すること。
【解決手段】管理装置であって、電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信部と、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信部と、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定部と、前記充電情報推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の地域に対して供給される電力の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置の蓄電池を充電するにあたって、給電設備や電力系統にかかる負担を抑制し、かつ、充電残量をより高度に管理可能にする充電制御方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術では、蓄電池の充電残量を監視し、電力供給側の充電推奨時間帯情報および充電残量を含む制御要因情報から蓄電池を充電する時間帯の情報を含む充電制御情報を決定する。そして、充電制御情報に基づいて蓄電池に充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−67418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、電力供給側の充電推奨時間帯(電力需要の低くなる時間帯)に全ての蓄電池が充電を行っても電力の供給が可能であることが前提となっている。しかしながら、電気自動車が普及した場合にはこのような前提が成立しない場合があり、様々な問題が生じる。電気自動車に搭載される蓄電池の充電が行われる場合、膨大な量の電力が消費される。例えば、近年の統計によれば、原子力発電所1基で供給される電力は、2万台程度の電気自動車の充電をカバーできるに過ぎない。そのため、今後大量の電気自動車が普及し、電気自動車の充電が特定の地域且つ時間帯で集中的に行われると、その地域で電力供給が不足するなどの弊害が生じるおそれがある。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、電気自動車の蓄電池に対する充電が行われる状況において、電力供給量の不足が発生することを抑止できる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、管理装置であって、電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信部と、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信部と、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定部と、前記充電情報推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様は、上記の管理装置であって、前記充電情報推定部による推定結果に基づいて、前記各地域の電力ネットワークにおいて前記車両に対する電力の充電によって生じる消費電力の総量を推定する地域充電量推定部をさらに備え、前記地域消費電力推定部は、前記地域充電量推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様は、上記の管理装置であって、前記地域消費電力推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける供給電力量の余剰又は不足を推定し、供給電力量に余剰が生じると推定される地域の電力ネットワークの供給電力の一部又は全部を、供給電力量が足りなくなると推定される地域の電力ネットワークに分配することを指示するための補完情報を生成する補完情報生成部と、前記補完情報生成部によって生成された前記補完情報を、前記地域電力管理装置に送信する補完情報送信部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様は、前記管理装置であって、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行うまでに移動する移動範囲を推定する移動範囲推定部と、前記地域消費電力推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける供給電力量の余剰又は不足を推定する余剰推定部と、前記車両に対する電力の充電を行うための電力スタンドの位置及び電力の供給を受ける電力ネットワークを表す情報を記憶する電力スタンドデータベースと、前記電力スタンドデータベースから、前記移動範囲推定部によって推定された前記移動範囲に位置し、且つ、前記余剰推定部によって供給電力量に余剰があると推定された前記電力ネットワークから電力の供給を受ける電力スタンドを検索し、前記電力スタンドの情報を前記車両に対して通知する通知部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様は、管理方法であって、管理装置が、電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信ステップと、前記管理装置が、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信ステップと、前記管理装置が、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定ステップと、前記管理装置が、前記充電情報推定ステップによる推定結果と、前記電力情報受信ステップによって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定ステップと、を備える。
【0011】
本発明の一態様は、コンピュータプログラムであって、電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信ステップと、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信ステップと、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定ステップと、前記充電情報推定ステップによる推定結果と、前記電力情報受信ステップによって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、電気自動車の蓄電池に対する充電が行われる状況において、電力供給量の不足が発生することを抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第一実施形態における電力管理システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】第一実施形態における車両装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図3】第一実施形態における集中管理装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図4】第一実施形態の集中管理装置の処理の流れを表すフローチャートである。
【図5】第一実施形態の電力管理システムの装置間のデータの流れを表すシーケンス図である。
【図6】第二実施形態における車両装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図7】第二実施形態における集中管理装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図8】第二実施形態の集中管理装置の処理の流れを表すフローチャートである。
【図9】第二実施形態の電力管理システムの装置間のデータの流れを表すシーケンス図である。
【図10】第三実施形態における集中管理装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態における電力管理システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。電力管理システム1は、集中管理装置10、電力管理装置20、複数の地域電力管理装置30(30−1、30−2等)、複数の電力ネットワーク31(31−1、31−2等)、複数の電力スタンド40(40−11、40−12、40−21、40−22等)、交通情報管理装置50、通信ネットワーク51、道路交通ネットワーク52、複数の車両装置60を備える。
【0015】
集中管理装置10は、電力管理装置20と通信可能に接続される。電力管理装置20は、各地域電力管理装置30と通信可能に接続される。地域電力管理装置30は、それぞれの地域の電力ネットワーク31毎に設けられ、各電力ネットワーク31に供給される電力を制御する。各電力ネットワーク31は、送電線、変電所、配電線などを用いて構成され、各地域における電力の供給を実現する。各電力スタンド40は、電力スタンド40が設置された地域の電力ネットワーク31に接続され、電力の供給を受ける。
【0016】
集中管理装置10は、交通情報管理装置50と通信可能に接続される。交通情報管理装置50は、通信ネットワーク51及び道路交通ネットワーク52を介して、複数の車両装置60と通信可能に接続される。通信ネットワーク51は、無線又は有線のIP(Internet Protocol)通信網や携帯電話通信網などの通信インフラを用いて構成される。通信ネットワーク51は、各車両装置60と交通情報管理装置50との間で送受信されるデータを中継する。道路交通ネットワーク52は、例えば道路の周囲に設けられた路側機及び各路側機が接続される基盤ネットワークを用いて構成される。より具体的には、道路交通ネットワーク52は、例えばITS(Intelligent Transport Systems)等のシステムを用いて構成される。各車両装置60と路側機とは、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の無線通信によってデータの送受信を行う。道路交通ネットワーク52は、各車両装置60と交通情報管理装置50との間で送受信されるデータを中継する。
【0017】
次に、電力管理システム1を構成する各装置について説明する。
集中管理装置10は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。集中管理装置10は、電力管理装置20によって収集された電力情報と、交通情報管理装置50によって収集された車両情報とに基づいて、各地域の電力ネットワーク31に供給される電力を管理する。なお、電力情報とは、各地域の電力ネットワーク31において供給されている電力量(供給電力量)及び消費されている電力量(消費電力量)の経時変化を表す情報である。また、車両情報は、各車両装置60が搭載された車両に関する情報である。なお、電力情報は、必ずしも経時変化を表す情報である必要はなく、例えば所定のタイミングにおける供給電力量及び消費電力量を表す情報であっても良い。
【0018】
電力管理装置20は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。電力管理装置20は、複数の地域電力管理装置30から、各地域における電力情報を収集する。そして、電力管理装置20は、各地域における電力情報を集中管理装置10へ送信する。
【0019】
地域電力管理装置30は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。地域電力管理装置30は、各地域の電力ネットワーク31毎に設けられ、各電力ネットワーク31における電力の供給を制御する。また、地域電力管理装置30は、各地域の電力ネットワーク31における電力情報を生成する。例えば、地域電力管理装置30は、自身が設けられた地域の電力ネットワーク31において供給電力量及び消費電力量を監視する。そして、地域電力管理装置30は、所定のタイミング毎(例えば30分毎、1時間毎、数時間毎、1日毎など)に、電力情報を生成する。このとき、地域電力管理装置30は、各地域の電力ネットワーク31に予め割り当てられている識別情報(地域識別情報)を電力情報に付与する。なお、電力ネットワーク31には、大規模集中型の発電設備(火力発電所、風力発電所、水力発電所、原子力発電所など)によって生成された電力が分配供給されるとともに、各地域の個人又は法人によって設置された分散型の発電設備(太陽光発電設備、風力発電設備など)によって生成された電力や、蓄電設備(燃料電池など)によって蓄えられていた電力も供給される。そのため、地域電力管理装置30は、大規模集中型の発電設備による電力供給のみならず、分散型の発電設備による電力供給も監視する。
【0020】
電力スタンド40は、各地域の電力ネットワーク31に接続され、電力ネットワーク31から供給される電力を用いて、蓄電池の充電を行う。電力スタンド40において蓄電される蓄電池は、例えば車両装置60を搭載した電気自動車に設けられている蓄電池である。この場合、車両装置60を搭載した電気自動車の運転手は、電力スタンド40において充電用プラグを電気自動車の蓄電池に接続し、所定の手続きを行うことによって蓄電池への充電を実行する。
【0021】
交通情報管理装置50は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。交通情報管理装置50は、複数の車両装置60から各車両の車両情報を収集する。そして、交通情報管理装置50は、各車両の車両情報を集中管理装置10へ送信する。
【0022】
車両装置60は、電気自動車毎に設けられる情報処理装置である。車両装置60は、自身が設けられた電気自動車から、蓄電池使用情報、車両利用情報、位置情報、目的地情報、自装置に予め割り当てられている識別情報(車両識別情報)等の情報を車両情報として収集する。蓄電池使用情報とは、蓄電池の使用に関する情報であり、例えば蓄電池の電力残量の経時変化や現時点の電力残量を表す情報である。車両利用情報とは、車両(電気自動車)の利用に関する情報であり、例えば車速の経時変化や、単位時間あたりの消費電力の経時変化などを表す情報である。位置情報とは、車両の現在位置や、現在に至るまでの通過経路を表す情報である。目的地情報とは、車両が向かっている目的地を表す情報である。
【0023】
図2は、第一実施形態における車両装置60の機能構成を表す概略ブロック図である。車両装置60は、車両識別情報記憶部601、カーナビゲーション装置602、GPS装置603、車両利用情報収集部604、蓄電池使用情報収集部605、車載器606等を備える。車両識別情報記憶部601は、半導体記憶装置や磁気ハードディスク装置などの記憶装置を用いて構成され、車両識別情報を記憶する。カーナビゲーション装置602は、既存のカーナビゲーション装置である。カーナビゲーション装置602は、電気自動車の運転者又は同乗者(以下、両者をまとめて「乗員」ともいう。)などによって操作され、目的地に関する情報の入力を受け付ける。目的地に関する情報とは、例えば目的地の住所、乗員などが所望する店(所望店)の電話番号、所望店の店名などである。カーナビゲーション装置602は、入力された目的地に関する情報に基づいて、目的地を決定する。GPS装置603は、既存のGPS(Global Positioning System)装置であり、車両装置60が搭載された車両の現在位置の座標を取得する。車両利用情報収集部604は、車両装置60が搭載された車両のエンジンや速度計などに接続されており、車両の走行速度や消費電力を監視することによって車両利用情報を収集する。蓄電池使用情報収集部605は、車両装置60が搭載された車両の蓄電池に接続されており、蓄電池を監視することによって蓄電池使用情報を収集する。なお、上記各情報は他の方法によって取得されても良い。
【0024】
車載器606は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、車載プログラムを実行する。車載器606は、通信部61、車両情報取得部62を備える装置として機能する。なお、車載器606の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0025】
通信部61は、通信ネットワーク51や道路交通ネットワーク52と無線通信を行う。例えば、通信部61は、路側機との間でDSRCを用いて無線通信を行う。通信部61は、所定のタイミング毎に、車両情報取得部62に車両情報の取得を指示する。そして、通信部61は、車両情報取得部62によって取得された車両情報を、通信ネットワーク51又は道路交通ネットワーク52を介して交通情報管理装置50へ送信する。
【0026】
車両情報取得部62は、通信部61から車両情報の取得を指示されると、この指示に応じて車両情報を取得する。具体的には、車両情報取得部62は、車両識別情報記憶部601から車両識別情報を取得し、カーナビゲーション装置602から目的地情報を取得し、GPS装置603から位置情報を取得し、車両利用情報収集部604から車両利用情報を取得し、蓄電池使用情報収集部605から蓄電池使用情報を取得する。車両情報取得部62は、車両識別情報記憶部601、カーナビゲーション装置602、GPS装置603、車両利用情報収集部604及び蓄電池使用情報収集部605と、CAN−BUS等の車内ネットワークによって通信可能に接続されても良いし、ケーブルによって各部と直接接続されても良い。
【0027】
図3は、第一実施形態における集中管理装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。集中管理装置10は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、集中管理プログラムを実行する。集中管理装置10は、電力情報受信部101、電力情報DB102、車両情報受信部103、電力スタンドDB104、充電情報推定部105、充電情報DB106、地域充電量推定部107、地域消費電力量推定部108、補完情報生成部109、補完情報送信部110を備える装置として機能する。なお、集中管理装置10の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0028】
電力情報受信部101は、通信機能を有する装置を用いて構成される。電力情報受信部101は、電力管理装置20から、ネットワークを介して、各地域電力管理装置30によって生成された電力情報を受信する。
【0029】
電力情報DB102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。電力情報DB102は、電力情報受信部101によって受信された最新の電力情報を、地域識別情報と対応付けて蓄積する。より具体的には、電力情報DB102は、電力情報受信部101から電力情報を受けると、同じ地域識別情報に対応付けて既に電力情報が蓄積されているか否か判定する。既に蓄積されている場合には、電力情報DB102は、古い電力情報を新しい電力情報によって更新する。一方、同じ地域識別情報に対応付けた電力情報が蓄積されていない場合には、電力情報DB102は、この電力情報を新たに地域識別情報に対応付けて蓄積する。
【0030】
車両情報受信部103は、通信機能を有する装置を用いて構成される。車両情報受信部103は、交通情報管理装置50から、ネットワークを介して、車両装置60によって生成された車両情報を受信する。車両情報受信部103が受信する車両情報は、1台の車両装置60によって生成された車両情報であっても良いし、複数台の車両装置60によって生成された車両毎の車両情報であっても良い。
【0031】
電力スタンドDB104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。電力スタンドDB104は、電力スタンド情報テーブルを記憶する。電力スタンド情報テーブルは、複数の電力スタンド40に関する設置位置及び所属地域を表す情報を有する。設置位置は、例えば緯度及び経度を用いて表される情報である。所属地域は、この電力スタンド40がいずれの電力ネットワーク31から電力の供給を受けるかを表す情報である。
【0032】
充電情報推定部105は、車両情報受信部103によって受信された車両情報毎に、車両情報の送信元である車両装置60が搭載された車両に関する充電情報を推定する。充電情報とは、車両の蓄電池に対する充電が次に行われる電力スタンド40の位置と、次に充電が行われる時刻と、この電力スタンド40における充電時の消費電力と、を含む情報である。
【0033】
充電情報推定部105は、例えば車両情報に含まれる現時点の電力残量と、単位時間あたりの消費電力の経時変化とに基づいて、この車両が充電することなく走行できる距離(走行可能距離)を算出する。次に、充電情報推定部105は、車両の現在の位置と、車両が向かっている目的地と、算出された走行可能距離とに基づいて、車両が充電することなく走行できる経路であって通る可能性の高い経路(推定走行経路)を一つ又は複数推定する。そして、充電情報推定部105は、電力スタンドDB104に記憶される電力スタンド情報テーブルを参照し、推定走行経路沿い又はその付近に位置する一つ又は複数の電力スタンド40を検索する。
【0034】
また、充電情報推定部105は、検索された電力スタンド40の位置毎に、現在の車両の走行速度及び現在時刻に基づいて、車両が到達し充電が行われる時刻を推定する。また、充電情報推定部105は、検索された電力スタンド40の位置毎に、現在の車両の位置から電力スタンド40の位置までの距離を算出し、この距離の走行に応じて消費される電力を推定する。そして、この推定結果と、現時点の電力残量とに基づいて、蓄電量が100%となるように充電された場合の電力スタンド40における消費電力を推定する。以上の処理によって、充電情報が推定される。なお、上記の具体的な処理は一例に過ぎず、他の処理によって充電情報が推定されても良い。
【0035】
充電情報DB106は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。充電情報DB106は、充電情報推定部105によって推定された最新の充電情報を、車両識別情報と対応付けて蓄積する。より具体的には、充電情報DB106は、充電情報推定部105から充電情報を受けると、同じ車両識別情報に対応付けて既に充電情報が蓄積されているか否か判定する。既に蓄積されている場合には、充電情報DB106は、古い充電情報を新しい充電情報によって更新する。一方、同じ車両識別情報に対応付けた充電情報が蓄積されていない場合には、充電情報DB106は、この充電情報を新たに車両識別情報に対応付けて蓄積する。
【0036】
地域充電量推定部107は、充電情報DB106に蓄積されている充電情報に基づいて、各地域の電力ネットワーク31における地域充電量を推定する。地域充電量とは、各地域の電力ネットワーク31における消費電力のうち、電力スタンド40で電気自動車に対して行われる充電による消費電力の所定時間内の総量を表す。例えば、地域充電量推定部107は、充電情報DB106に蓄積されている各車両の充電情報の中から、充電が行われる推定時刻が現時点から所定時間以内(例えば3時間以内)の充電情報を検索する。地域充電量推定部107は、検索された各充電情報を、充電情報に対応する電力スタンド40の所属地域毎にクラスタリングする。そして、地域充電量推定部107は、所属地域毎に、推定される消費電力の総量を算出する。なお、上記の具体的な処理は一例に過ぎず、他の処理によって地域充電量が推定されても良い。
【0037】
地域消費電力量推定部108は、地域充電量推定部107による地域充電量の推定結果と、電力情報DB102に蓄積されている電力情報と、に基づいて各地域の電力ネットワーク31における地域消費電力量を推定する。地域消費電力量とは、各地域の電力ネットワーク31における消費電力の所定時間内の総量を表す。例えば、地域消費電力量推定部108は、各地域の消費電力量の経時変化を表す情報や、過去の統計などに基づいて、現時点から所定時間以内(例えば3時間以内)の消費電力のうち、電力スタンド40における消費電力を除いた消費電力の総量(一般消費電力量)を推定する。この推定処理は、既存の推定アルゴリズム等に基づいて実行される。そして、地域消費電力推定部108は、地域充電量推定部107による地域充電量の推定結果と、一般消費電力量の推定結果とを加算することによって、地域消費電力量を推定する。なお、上記の具体的な処理は一例に過ぎず、他の処理によって地域消費電力が推定されても良い。
【0038】
補完情報生成部109は、地域消費電力推定部108による地域消費電力の推定結果と、電力情報DB102に蓄積されている電力情報と、に基づいて各地域の電力ネットワーク31に対する補完情報を生成する。補完情報とは、供給電力量に余剰が生じると推定される地域の電力ネットワーク31の供給電力の一部(余剰分)を、供給電力量が足りなくなると推定される地域の電力ネットワーク31に分配することを指示するための情報である。例えば、補完情報は、余剰電力の供給先(又は供給元)となる電力ネットワーク31の地域識別情報、供給する(又は供給される)余剰電力の量、供給が行われる時間、を表す。
【0039】
例えば、補完情報生成部109は、各地域の供給電力量の経時変化を表す情報や、過去の統計などに基づいて、現時点から所定時間以内(例えば3時間以内)の供給電力の総量を推定する。この推定処理は、既存の推定アルゴリズム等に基づいて実行される。そして、補完情報生成部109は、供給電力の総量の推定結果から、地域消費電力の推定結果を減算することによって、余剰電力量を推定する。このとき、減算結果が負の値である場合には、推定結果は電力の不足分(不足電力量)を表す。補完情報生成部109は、電力ネットワーク31毎に余剰電力量又は不足電力量の推定を行い、電力が不足すると推定された電力ネットワーク31に対し、電力が余剰すると推定された電力ネットワーク31から電力を配分することを決定する。そして、補完情報生成部109は、この結果に基づいて、各地域電力管理装置30に対する分配の指示を表す情報を、補完情報として生成する。なお、上記の具体的な処理は一例に過ぎず、他の処理によって補完情報が生成されても良い。
【0040】
補完情報送信部110は、通信機能を有する装置を用いて構成される。補完情報送信部110は、補完情報生成部109によって生成された補完情報を、ネットワークを介して、電力管理装置20へ送信する。電力管理装置20は、補完情報を各地域電力管理装置30へ送信する。各地域電力管理装置30は補完情報を受信すると、補完情報に含まれる指示にしたがって、他の地域の電力ネットワーク31への余剰電力の供給、又は、他の地域の電力ネットワーク31からの電力の受け容れを行う。
【0041】
図4は、第一実施形態の集中管理装置10の処理の流れを表すフローチャートである。図4Aは、電力情報の受信に関する処理の流れを表すフローチャートである。図4Bは、車両情報の受信に関する処理の流れを表すフローチャートである。図4Cは、補完情報の送信に関する処理の流れを表すフローチャートである。以下、集中管理装置10の各処理の流れについて説明する。
【0042】
まず、電力情報の受信に関する処理について図4Aを用いて説明する。電力情報受信部101が地域電力管理装置30から電力情報を受信すると(ステップS101)、電力情報DB102は、受信された最新の電力情報を車両識別情報と対応付けて蓄積する(ステップS102)。
【0043】
次に、車両情報の受信に関する処理について図4Bを用いて説明する。車両情報受信部103が交通情報管理装置50から車両情報を受信すると(ステップS111)、充電情報推定部105は、受信された車両情報に基づいて充電情報を推定する(ステップS112)。そして、充電情報DB106が、充電情報推定部105によって推定された最新の充電情報を車両識別情報と対応付けて蓄積する(ステップS113)。
【0044】
次に、補完情報の送信に関する処理について図4Cを用いて説明する。地域充電量推定部107は、所定のタイミングになるまで待機する(ステップS121−NO)。所定のタイミングとは、例えば所定の時間間隔(例えば30分、1時間、10時間、半日、1日など)毎であっても良いし、他のシステムや管理者等から指令が入力されたタイミングであっても良いし、その他のタイミングであっても良い。
【0045】
所定のタイミングになると(ステップS121−YES)、地域充電量推定部107が、充電情報DB106に蓄積されている充電情報に基づいて、各地域の地域充電量を推定する(ステップS122)。次に、地域消費電力推定部108が、各地域の地域消費電力量を推定する(ステップS123)。次に、補完情報生成部109が、各地域の供給電力の総量を推定する(ステップS124)。そして、補完情報生成部109が、各地域の供給電力の総量の推定結果と地域消費電力の推定結果とに基づいて、補完情報を生成する(ステップS125)。このとき、補完情報生成部109は、各地域の補完情報に対して、地域識別情報を付与する。そして、補完情報送信部110が、補完情報生成部109によって生成された補完情報を電力管理装置20へ送信する(ステップS126)。
【0046】
図5は、第一実施形態の電力管理システム1の装置間のデータの流れを表すシーケンス図である。各地域の電力ネットワーク31を管理する地域電力管理装置30は、所定のタイミング毎に地域電力情報を電力管理装置20へ送信する。図5の場合、電力ネットワーク31−1を管理する地域電力管理装置30−1が、電力管理装置20へ地域電力情報を送信する(ステップS131)。また、電力ネットワーク31−2を管理する地域電力管理装置30−2が、電力管理装置20へ地域電力情報を送信する(ステップS132)。なお、ここでいう所定のタイミングとは、例えば所定の時間間隔(例えば30分、1時間、10時間、半日、1日など)毎であっても良いし、他のシステムや管理者等から指令が入力されたタイミングであっても良いし、その他のタイミングであっても良い。
【0047】
電力管理装置20は、所定のタイミング毎に、各地域電力管理装置30から受信された電力情報を集中管理装置10へ送信する(ステップS133)。なお、ここでいう所定のタイミングとは、例えば自装置に接続された全ての地域電力管理装置30から地域電力情報を受信したタイミングであっても良いし、所定の時間間隔(例えば30分、1時間、10時間、半日、1日など)毎であっても良いし、他のシステムや管理者等から指令が入力されたタイミングであっても良いし、その他のタイミングであっても良い。
【0048】
各車両装置60は、所定のタイミング毎に、車両情報を交通情報管理装置50へ送信する(ステップS134)。なお、ここでいう所定のタイミングとは、例えば、通信部61が路側機から車両情報要求を受信するタイミングであっても良い。この場合、道路の周囲に設けられた路側機が車両情報要求を送出し、通信部61は路側機から受信する車両情報要求に応じて、車両情報取得部62に車両情報の取得を指示する。そして、通信部61は、車両情報取得部62によって取得された車両情報を、路側機を介して送信する。路側機が車両情報要求を送信するタイミングは、路側機に設けられたクロック等によって計時される所定の周期であっても良いし、路側機に対し外部の装置(例えば集中管理装置10や交通情報管理装置50)から車両情報要求の送信指示が入力されるタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。また、上記の所定のタイミングとは、例えば自装置が搭載された車両に電源が投入されてから所定の時間間隔(例えば30分、1時間、10時間、半日、1日など)毎であっても良いし、目的地が設定されたタイミングであっても良いし、他のシステムや管理者等から指令が入力されたタイミングであっても良いし、その他のタイミングであっても良い。
【0049】
交通情報管理装置50は、所定のタイミング毎に、各車両装置60から受信された車両情報を集中管理装置10へ送信する(ステップS135)。なお、ここでいう所定のタイミングとは、例えば一つの車両情報を受信する度であっても良いし、一定数の車両情報を受信する度であっても良いし、所定の時間間隔(例えば30分、1時間、10時間、半日、1日など)毎であっても良いし、他のシステムや管理者等から指令が入力されたタイミングであっても良いし、その他のタイミングであっても良い。
【0050】
集中管理装置10は、上述した所定のタイミングで補完情報を生成する。そして、集中管理装置10は、各地域の地域電力管理装置30に対する補完情報を、電力管理装置20へ送信する(ステップS136)。電力管理装置20は、各補完情報を、地域識別情報に対応する地域電力管理装置30に対して送信する。図5の場合、電力管理装置20は、電力ネットワーク31−2を管理する地域電力管理装置30−2に対し、この地域に対応する地域識別情報が付与された補完情報を送信する(ステップS137)。また、電力管理装置20は、電力ネットワーク31−1を管理する地域電力管理装置30−1に対し、この地域に対応する地域識別情報が付与された補完情報を送信する(ステップS138)。この後、各地域電力管理装置30は、受信された補完情報に応じて電力の制御を行う。例えば、地域電力管理装置30−1に対する補完情報が、電力ネットワーク31−2に対し余剰電力の50%を供給することを表す場合、地域電力管理装置30−1はこの情報に応じて余剰電力の50%を電力ネットワーク31−2に供給する。この場合、地域電力管理装置30−2は、補完情報に応じて地域電力管理装置30−1からの余剰電力の供給を受ける(ステップS139)。
【0051】
このように構成された第一実施形態における電力管理システム1では、電気自動車に搭載された車両装置60から車両情報を収集し、各電気自動車の蓄電池に対する充電が行われる地域、時刻、消費電力を推定する。そして、この推定結果に基づいて、各地域の電力ネットワーク31における余剰電力量や不足電力量が推定され、推定結果に基づいて余剰電力が生じる電力ネットワーク31から不足電力の生じる電力ネットワーク31への電力の供給を実現させる。そのため、電気自動車の蓄電池に対する充電が行われる状況において、各電力ネットワーク31において電力供給量の不足が発生することを抑止することが可能となる。
【0052】
また、第一実施形態における電力管理システム1では、各地域電力管理装置30によって生成された電力情報を収集し、各地域の電力ネットワーク31における供給電力の総量及び消費電力の総量が推定される。このとき、電力情報には、電力ネットワーク31に設置された分散型の発電設備によって発電され供給される電力も加味されている。そのため、分散型の発電設備によって発電される電力を有効に活用しつつ、電力供給量の不足が発生することを抑止することが可能となる。
【0053】
<変形例>
図1に示されるシステム構成は一例にすぎず、適宜変更されても良い。例えば、通信ネットワーク51又は道路交通ネットワーク52のいずれか一方のみを用いて構成されても良い。また、例えば電力管理装置20が各地域の電力ネットワーク31を直接制御し監視することが可能である場合には、地域電力管理装置30を備えないように電力管理システム1が構成されても良い。逆に、各地域電力管理装置30が直接集中管理装置10と送受信可能である場合には、電力管理装置20を備えないように電力管理システム1が構成されても良い。また、一つの地域電力管理装置30が複数の電力ネットワーク31を制御し監視するように構成されても良い。
【0054】
また、充電情報推定部105は、各車両の蓄電池に対する充電が行われる電力スタンド40の位置を推定するのではなく、各車両の蓄電池に対する充電が行われる地域の地域識別情報を推定するように構成されても良い。
【0055】
また、充電情報推定部105は、一つの車両情報から複数の充電情報を推定する場合、各充電情報に対して重み付けを行うことによって、全ての充電情報における充電時の消費電力の合計値を、一つの車両情報から一つの充電情報のみが推定された場合の充電時の消費電力の値に一致させるように構成されても良い。このように構成されることによって、一つの車両情報から複数の充電情報が推定された場合に、複数の充電情報における充電時の消費電力の合計値が、実際に行われる充電時の消費電力の値から乖離してしまうことを抑止できる。したがって、集中管理装置10が生成する補完情報の精度を向上させ、地域間の電力の管理をより精度高く実現させることが可能となる。
【0056】
また、集中管理装置10は、天候観測システムから天候に関する情報を受信し、天候に関する情報に基づいて処理を行う様に構成されても良い。例えば、地域消費電力量推定部108は、電力情報に含まれる供給電力のうち、太陽光発電による発電量に基づく電力の量を、天候に基づいて加減して推定する。すなわち、晴れの予報である場合には、太陽光発電による発電量に基づく電力の量を所定量増やして推定し、曇りや雨や雪の予報である場合には、太陽光発電による発電量に基づく電力の量を所定量減らして推定しても良い。また、例えば、地域消費電力量推定部108は、電力情報に含まれる供給電力のうち、風力発電による発電量に基づく電力の量を、天候に基づいて加減して推定する。すなわち、風が強い予報である場合には、風力発電による発電量に基づく電力の量を所定量増やして推定し、風が弱い予報である場合には、風力発電による発電量に基づく電力の量を所定量減らして推定しても良い。
【0057】
また、集中管理装置10は、イベント管理システムから各地域で開催されるイベントに関する情報を受信し、イベントに関する情報に基づいて処理を行う様に構成されても良い。例えば、地域充電量推定部107は、イベントに関する情報に基づいて、イベントが行われる地域の地域充電量については、収集された車両情報にかかわらず、イベントの規模に応じて予め決められた値を設定するように構成されても良い。また、イベントにより電力需要が時間帯や場所によって局所的に集中するなどの情報を、例えばイベントが開催される地域在住者であって車両を運転する者に、イベント開催数日前より、“○月○日より電力スタンドの混雑が予想されるためイベント開催前に充電を行ったほうがよい”などの通知サービスを行うこともできる。
【0058】
[第二実施形態]
次に第二実施形態における電力管理システム1aについて説明する。なお、第二実施形態における電力管理システム1aの構成のうち、第一実施形態における電力管理システム1の構成と同じものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
第二実施形態における電力管理システム1aのシステム構成は、地域電力管理装置30に代えて地域電力管理装置30aを備える点と、車両装置60に代えて車両装置60aを備える点とで異なる。ただし、この点を除けば、第二実施形態における電力管理システム1aのシステム構成の概略は、第一実施形態における電力管理システム1のシステム構成と同じく図1のとおりであるため、説明を省略する。また、電力管理装置20、電力ネットワーク31、電力スタンド40、交通情報管理装置50、通信ネットワーク51、道路交通ネットワーク52の構成は第一実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0060】
第二実施形態における地域電力管理装置30aは、集中管理装置10aから補完情報を受信せず、補完情報に応じた電力の管理を行わない点で第一実施形態における地域電力管理装置30と異なる。残る構成は、第二実施形態における地域電力管理装置30aと、第一実施形態における地域電力管理装置30との構成は同じである。
第二実施形態における車両装置60aは、集中管理装置10aから推奨情報を受信し出力する点で第一実施形態における車両装置60と異なる。残る構成は、第二実施形態における車両装置60aと、第一実施形態における車両装置60との構成は同じである。
【0061】
図6は、第二実施形態における車両装置60aの機能構成を表す概略ブロック図である。車両装置60aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、車両プログラムを実行する。車両装置60aは、車載器606に代えて車載器606aを備える点で第一実施形態における車両装置60と異なる。車両装置60aの残る構成は、第一実施形態における車両装置60の構成と同じである。また、第二実施形態における車載器606aの通信部61及び車両情報取得部62は、第一実施形態の車載器606における同名の各構成と同じであるため説明を省略する。
【0062】
出力部63は、通信部61によって推奨情報が受信されると、推奨情報に応じた出力を行う。出力部63は、例えばスピーカーを備え、このスピーカーから音声によって推奨情報に応じた出力を行っても良い。また、出力部63は、ディスプレイを備え、このディスプレイに画面を表示させることによって推奨情報に応じた出力を行っても良い。また、出力部63は、カーナビゲーション装置602に対して、推奨情報に応じた出力を行うことを指示しても良い。この場合は、カーナビゲーション装置602が備えるスピーカーやディスプレイによって出力が行われる。
【0063】
図7は、第二実施形態における集中管理装置10aの機能構成を表す概略ブロック図である。集中管理装置10aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、集中管理プログラムを実行する。集中管理装置10aは、電力情報受信部101、電力情報DB102、車両情報受信部103、電力スタンドDB104、充電情報推定部105、充電情報DB106、地域充電量推定部107、地域消費電力量推定部108、移動範囲推定部111、地域電力差分算出部112、地域電力差分DB113、推奨スタンド判定部114、推奨情報送信部115を備える装置として機能する。なお、集中管理装置10aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、集中管理装置10aの構成のうち、電力情報受信部101、電力情報DB102、車両情報受信部103、電力スタンドDB104、充電情報推定部105、充電情報DB106、地域充電量推定部107、地域消費電力量推定部108は第一実施形態の集中管理装置10における同名の各構成と同じであるため説明を省略する。
【0064】
移動範囲推定部111は、車両情報受信部103によって受信された車両情報毎に、車両情報の送信元である車両装置60aが搭載された車両に関する移動範囲を推定する。移動範囲とは、優先移動範囲と可能移動範囲とを含む。優先移動範囲とは、当該車両が現在の目的地に向けて移動する範囲であって、次回の充電が行われるまでに移動できる範囲を表す。可能移動範囲は、目的地の位置に拘わらず、単に次回の充電が行われるまでに移動できる範囲であって、優先移動範囲を除く範囲を表す。
【0065】
移動範囲推定部111は、例えば車両情報に含まれる現時点の電力残量と、単位時間あたりの消費電力の経時変化とに基づいて、この車両が走行できる走行可能距離を算出する。次に、移動範囲推定部111は、車両の現在の位置と、車両が向かっている目的地と、算出された走行可能距離とに基づいて、車両が充電することなく走行可能な範囲であって通る可能性の高い範囲を優先移動範囲として推定する。そして、移動範囲推定部111は、車両の現在の位置と走行可能距離と優先移動範囲とに基づいて可能移動範囲を推定する。以上の処理によって、移動範囲が推定される。このとき、移動範囲推定部111は、処理に用いた車両情報に含まれる車両識別情報を移動範囲の情報に付与する。なお、上記の具体的な処理は一例に過ぎず、他の処理によって移動範囲が推定されても良い。
【0066】
地域電力差分算出部112は、地域消費電力推定部108による地域消費電力の推定結果と、電力情報DB102に蓄積されている電力情報と、に基づいて各地域の電力ネットワーク31における地域電力差分を算出する。地域電力差分とは、各地域の電力ネットワーク31において、所定時間以内に供給される電力の総量の推定値と消費される電力の総量の推定値との差分を表す。例えば、地域電力差分算出部112は、各地域の供給電力量の経時変化を表す情報や、過去の統計などに基づいて、現時点から所定時間以内(例えば3時間以内)の供給電力の総量を推定する。この推定処理は、既存の推定アルゴリズム等に基づいて実行される。そして、地域電力差分算出部112は、供給電力の総量の推定結果から、地域消費電力の推定結果を減算することによって、地域電力差分を算出する。なお、上記の具体的な処理は一例に過ぎず、他の処理によって地域電力差分が算出されても良い。
【0067】
地域電力差分DB113は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。地域電力差分DB113は、地域電力差分算出部112によって算出された最新の地域電力差分を、地域識別情報と対応付けて蓄積する。より具体的には、地域電力差分DB113は、地域電力差分算出部112から地域電力差分を受けると、同じ地域識別情報に対応付けて既に地域電力差分が蓄積されているか否か判定する。既に蓄積されている場合には、地域電力差分DB113は、古い地域電力差分を新しい地域電力差分によって更新する。一方、同じ地域識別情報に対応付けた地域電力差分が蓄積されていない場合には、地域電力差分DB113は、この地域電力差分を新たに地域識別情報に対応付けて蓄積する。
【0068】
推奨スタンド判定部114は、移動範囲推定部111によって推定された移動範囲と、地域電力差分DB113に蓄積された地域電力差分と、電力スタンドDB104に記憶されている電力スタンドテーブルに基づいて、各電気自動車に推奨すべき電力スタンド40の位置を判定する。
【0069】
推奨スタンド判定部114は、例えば移動範囲のうち優先移動範囲の範囲内に含まれる全ての電力スタンド40の位置を電力スタンドDB103から検索する。次に、検索された各電力スタンド40の中から、その所属地域の地域電力差分の値が正の値であるもの、すなわち余剰電力のある電力ネットワーク31に設置された電力スタンド40をさらに検索する。このような電力スタンド40が検索結果として得られた場合には、検索された電力スタンド40の位置を、推奨すべき電力スタンド40の位置として判定する。
【0070】
推奨スタンド判定部114は、優先移動範囲の範囲内に含まれる電力スタンド40の中から、その所属地域の地域電力差分の値が正の値であるものを検索できなかった場合は、可能移動範囲の範囲内に含まれる全ての電力スタンド40の位置を電力スタンドDB103から検索する。次に、検索された各電力スタンド40の中から、その所属地域の地域電力差分の値が正の値であるもの、すなわち余剰電力のある電力ネットワーク31に設置された電力スタンド40をさらに検索する。このような電力スタンド40が検索結果として得られた場合には、検索された電力スタンド40の位置を、推奨すべき電力スタンド40の位置として判定する。推奨スタンド判定部114は、いずれの移動範囲から判定結果が得られた場合も、判定された電力スタンド40の位置を表す推奨情報を生成し、判定処理に用いた移動範囲に付与されていた車両識別情報を付与する。
【0071】
なお、推奨スタンド判定部114は、優先移動範囲及び可能移動範囲のいずれを用いた場合であっても、最も地域電力差分の値が大きい地域に設置された電力スタンド40を最も推奨される電力スタンド40として判定しても良い。推奨スタンド判定部114は、一つの電力スタンド40の位置のみを用いて推奨情報を生成しても良いし、複数の電力スタンド40の位置を用いて推奨情報を生成しても良い。
推奨情報送信部115は、通信機能を有する装置を用いて構成される。推奨情報送信部115は、推奨スタンド判定部114によって生成された推奨情報を交通情報管理装置50へ送信する。
【0072】
図8は、第二実施形態の集中管理装置10aの処理の流れを表すフローチャートである。図8Aは、地域電力差分の算出に関する処理の流れを表すフローチャートである。図8Bは、推奨情報の送信に関する処理の流れを表すフローチャートである。
まず、地域電力差分の算出に関する処理について図8Aを用いて説明する。なお、図8Aのフローチャートにおいて、ステップS121〜124の処理は、第一実施形態における図4Cの同符号の処理と同じであるため説明を省略する。ステップS124の処理の後、地域電力差分算出部112が、各地域の地域電力差分を算出する(ステップS201)。そして、地域電力差分DB113が、地域電力差分算出部112によって算出された最新の地域電力差分を地域識別情報と対応付けて蓄積する(ステップS202)。
【0073】
次に、推奨情報の送信に関する処理の流れについて図8Bを用いて説明する。なお、図8Bのフローチャートにおいて、ステップS111〜113の処理は、第一実施形態における図4Bの同符号の処理と同じであるため説明を省略する。ステップS113の処理の後、移動範囲推定部111が、車両情報受信部103によって受信された車両情報に関して移動範囲を推定する(ステップS211)。次に、推奨スタンド判定部114が、推奨すべき電力スタンド40(推奨スタンド)の位置を判定する(ステップS212)。そして、推奨情報送信部115が、判定された推奨すべき電力スタンド40の位置を表す情報を推奨情報として車両装置60aに送信する(ステップS213)。
【0074】
図9は、第二実施形態の電力管理システム1aの装置間のデータの流れを表すシーケンス図である。なお、図9のシーケンス図において、ステップS131〜135の処理は、第一実施形態における図5の同符号の処理と同じであるため説明を省略する。ステップS135の処理の後、集中管理装置10は、車両装置60aに対して推奨すべき電力スタンド40の位置を判定し、この位置を表す推奨情報を生成する。そして、集中管理装置10は、生成された推奨情報を交通情報管理装置50へ送信する(ステップS221)。交通情報管理装置50は、推奨情報を受信すると、受信された推奨情報に付与されている車両識別情報に対応する車両装置60aを判定し、この車両装置60aに対して推奨情報を送信する(ステップS222)。
【0075】
車両装置60aの通信部61は推奨情報を受信する。出力部63は、受信された推奨情報に基づいて、推奨される電力スタンド40の位置を出力する。例えば、出力部63は、電力スタンド40の位置を表すメッセージを、音声で出力する。このとき、出力部63は、車載器606aに備えられたスピーカーから音声を出力しても良いし、カーナビゲーション装置602に備えられたスピーカーから音声を出力しても良い。また、出力部63は、電力スタンド40の位置を表す地図画像を、映像で出力しても良い。このとき、出力部63は、車載器606aに備えられたディスプレイで映像を出力しても良いし、カーナビゲーション装置602に備えられたディスプレイで映像を出力しても良い。出力部63の出力によって、乗員は推奨スタンドの位置を認識する。
【0076】
このように構成された第二実施形態における電力管理システム1aでは、電気自動車に搭載された車両装置60aから車両情報を収集し、各電気自動車の蓄電池に対する充電が行われる地域、時刻、消費電力を推定する。この推定結果に基づいて、各地域の電力ネットワーク31における地域電力差分が推定される。そして、推定結果に基づいて余剰電力が生じる電力ネットワーク31の電力スタンド40の位置を検索し、推奨すべき電力スタンド40の位置を判定し各車両装置60aへ送信される。電気自動車の運転者が、推奨された電力スタンド40の位置へ移動して充電を行うことにより、各電力ネットワーク31において電力供給量の不足が発生することを抑止することが可能となる。
【0077】
また、推奨すべき電力スタンド40の位置を判定するに際し、各車両の移動範囲として、優先移動範囲と可能移動範囲とが推定される。そして、優先移動範囲で推奨すべき電力スタンド40の位置が検索された場合には、可能移動範囲で推奨すべき電力スタンド40があるか否かに拘わらず、優先移動範囲内の電力スタンド40の位置が推奨情報として送信される。そのため、電気自動車の運転者は、現在位置から目的地へ向けた途中経路で、推奨された電力スタンド40に寄ることが可能となる。したがって、各運転手が、推奨された電力スタンド40にて充電を行うことが容易となり、推奨に従う運転手の数が増大し、各電力ネットワーク31において電力供給量の不足が発生することをより効果的に抑止することが可能となる。
【0078】
<変形例>
推奨スタンド判定部114は、推奨情報に対し、推奨された電力スタンド40にて充電を行う際に使用可能となるクーポン情報を付与するように構成されても良い。また、推奨スタンド判定部114は、優先移動範囲から推奨すべき電力スタンド40が検索された場合にはクーポン情報を付与せず、可能移動範囲から推奨すべき電力スタンド40が検索された場合にクーポン情報を付与するように構成されても良い。
また、第二実施形態における電力管理システム1aは、第一実施形態における電力管理システム1と同様に変形して構成されても良い。
【0079】
[第三実施形態]
次に第三実施形態における電力管理システム1bについて説明する。なお、第三実施形態における電力管理システム1bの構成のうち、第一実施形態における電力管理システム1の構成と同じものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
第三実施形態における電力管理システム1bのシステム構成は、車両装置60に代えて車両装置60aを備える点で、第一実施形態における車両装置60と異なる。ただし、この点を除けば、第三実施形態における電力管理システム1bのシステム構成の概略は、第一実施形態における電力管理システム1のシステム構成と同じく図1のとおりであるため、説明を省略する。また、電力管理装置20、地域電力管理装置30、電力ネットワーク31、電力スタンド40、交通情報管理装置50、通信ネットワーク51、道路交通ネットワーク52の構成は第一実施形態と同じであるため説明を省略する。また、車両装置60aの構成は第二実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0081】
図10は、第三実施形態における集中管理装置10bの機能構成を表す概略ブロック図である。集中管理装置10bは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、集中管理プログラムを実行する。集中管理装置10bは、電力情報受信部101、電力情報DB102、車両情報受信部103、電力スタンドDB104、充電情報推定部105、充電情報DB106、地域充電量推定部107、地域消費電力量推定部108、補完情報生成部109、補完情報送信部110、移動範囲推定部111、地域電力差分算出部112、地域電力差分DB113、推奨スタンド判定部114a、推奨情報送信部115を備える装置として機能する。なお、集中管理装置10bの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、集中管理装置10bの構成のうち、電力情報受信部101、電力情報DB102、車両情報受信部103、電力スタンドDB104、充電情報推定部105、充電情報DB106、地域充電量推定部107、地域消費電力量推定部108、補完情報生成部109、補完情報送信部110は第一実施形態の集中管理装置10における同名の各構成と同じであるため説明を省略する。また、集中管理装置10bの構成のうち、移動範囲推定部111、地域電力差分算出部112、地域電力差分DB113、推奨情報送信部115は第二実施形態の集中管理装置10bにおける同名の各構成と同じであるため説明を省略する。
【0082】
推奨スタンド判定部114aは、判定処理に用いた移動範囲に付与されていた車両識別情報に対応付けて充電情報DB106に蓄積される充電情報を書き換える点で、第二実施形態における推奨スタンド判定部114と異なる。推奨スタンド判定部114aの他の構成は、第二実施形態における推奨スタンド判定部114と同じであるため説明を省略する。
【0083】
推奨スタンド判定部114aの具体的な書き換え処理について説明する。推奨スタンド判定部114aは、充電情報DB106に蓄積されている充電情報のうち、判定処理に用いた移動範囲に付与されていた車両識別情報に対応付けて蓄積されている充電情報を検索する。そして、検索された充電情報を、判定した推奨すべき電力スタンド40において充電が行われるとの仮定のもとで、書き換える。すなわち、推奨スタンド判定部114aは、充電情報のうち、車両の蓄電池に対する充電が行われる電力スタンド40の位置を、推奨すべき電力スタンド40の位置に書き換える。また、推奨スタンド判定部114aは、充電情報のうち、充電が行われる時刻を、推定すべき電力スタンド40の位置に車両が到着する時間を推定し、書き換える。さらに、推奨スタンド判定部114aは、充電情報の内、この電力スタンド40における充電時の消費電力を、充電情報推定部105と同じアルゴリズムで算出し、書き換える。
【0084】
このように構成された第三実施形態における電力管理システム1bでは、地域電力管理装置30に対する補完情報の送信と、車両装置60に対する推奨情報の送信とがそれぞれ実行される。そのため、第一実施形態における電力管理システム1及び第二実施形態における電力管理システム1aそれぞれと同様の効果か、組み合わせることによる相乗的な効果を得ることが可能となる。さらに、車両装置60に対して推奨すべき電力スタンド40が通知された場合には、充電情報DB106に蓄積されている充電情報が書き換えられる。そのため、より正確に補完情報を生成することが可能となり、各電力ネットワーク31において電力供給量の不足が発生することをより精度良く抑止することが可能となる。
【0085】
<変形例>
第三実施形態における電力管理システム1bは、第一実施形態における電力管理システム1や、第二実施形態における電力管理システム1aと同様に変形して構成されても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10…集中管理装置(管理装置), 20…電力管理装置, 30地域電力管理装置, 31…電力ネットワーク, 40…電力スタンド, 50交通情報管理装置, 51…通信ネットワーク, 52…道路交通ネットワーク, 60…車両装置, 101…電力情報受信部, 102…電力情報DB, 103…車両情報受信部, 104…電力スタンドDB, 105…充電情報推定部, 106…充電情報DB, 107…地域充電量推定部, 108…地域消費電力量推定部, 109…補完情報生成部, 110…補完情報送信部, 111…移動範囲推定部, 112…地域電力差分算出部(余剰推定部), 113…地域電力差分DB, 114…推奨スタンド判定部(通知部), 115…推奨情報送信部(通知部), 606…車載器, 61…通信部, 62…車両情報取得部, 63…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信部と、
各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信部と、
前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定部と、
前記充電情報推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定部と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記充電情報推定部による推定結果に基づいて、前記各地域の電力ネットワークにおいて前記車両に対する電力の充電によって生じる消費電力の総量を推定する地域充電量推定部をさらに備え、
前記地域消費電力推定部は、前記地域充電量推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記地域消費電力推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける供給電力量の余剰又は不足を推定し、供給電力量に余剰が生じると推定される地域の電力ネットワークの供給電力の一部又は全部を、供給電力量が足りなくなると推定される地域の電力ネットワークに分配することを指示するための補完情報を生成する補完情報生成部と、
前記補完情報生成部によって生成された前記補完情報を、前記地域電力管理装置に送信する補完情報送信部と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行うまでに移動する移動範囲を推定する移動範囲推定部と、
前記地域消費電力推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける供給電力量の余剰又は不足を推定する余剰推定部と、
前記車両に対する電力の充電を行うための電力スタンドの位置及び電力の供給を受ける電力ネットワークを表す情報を記憶する電力スタンドデータベースと、
前記電力スタンドデータベースから、前記移動範囲推定部によって推定された前記移動範囲に位置し、且つ、前記余剰推定部によって供給電力量に余剰があると推定された前記電力ネットワークから電力の供給を受ける電力スタンドを検索し、前記電力スタンドの情報を前記車両に対して通知する通知部と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項5】
管理装置が、電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信ステップと、
前記管理装置が、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信ステップと、
前記管理装置が、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定ステップと、
前記管理装置が、前記充電情報推定ステップによる推定結果と、前記電力情報受信ステップによって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定ステップと、
を備える管理方法。
【請求項6】
電力により走行する車両から、当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信ステップと、
各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信ステップと、
前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定ステップと、
前記充電情報推定ステップによる推定結果と、前記電力情報受信ステップによって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
電力により走行する車両から当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信部と、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信部と、前記車両情報に基づいて、車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定部と、前記充電情報推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定部と、を備える管理装置と通信を行い、電力により走行する車両に搭載される車載器であって、
当該車両の走行に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記管理装置に対し、前記車両情報取得部によって取得された前記車両情報を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする車載器。
【請求項8】
当該車両の乗員に対して情報を出力する出力部をさらに備え、
前記通信部は、前記車両情報に基づいて、前記車両毎に、各車両が次に電力の充電を行うまでに移動する移動範囲を推定する移動範囲推定部と、前記地域消費電力推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける供給電力量の余剰又は不足を推定する余剰推定部と、前記車両に対する電力の充電を行うための電力スタンドの位置及び電力の供給を受ける電力ネットワークを表す情報を記憶する電力スタンドデータベースと、前記電力スタンドデータベースから、前記移動範囲推定部によって推定された前記移動範囲に位置し、且つ、前記余剰推定部によって供給電力量に余剰があると推定された前記電力ネットワークから電力の供給を受ける電力スタンドを検索し、前記電力スタンドの情報を前記車両に対して通知する通知部と、をさらに備えた前記管理装置、に対して前記車両情報を送信し、
前記通信部は、前記管理装置から、前記電力スタンドの情報を受信し、
前記出力部は、前記通信部によって受信された前記電力スタンドの情報を出力することを特徴とする、請求項7に記載の車載器。
【請求項9】
電力により走行する車両から当該車両の走行に関する車両情報を受信する車両情報受信部と、各地域の電力ネットワークの電力供給を制御する地域電力管理装置から、前記電力ネットワークの電力に関する電力情報を受信する電力情報受信部と、前記車両情報に基づいて、車両毎に、各車両が次に電力の充電を行う地域を推定する充電情報推定部と、前記充電情報推定部による推定結果と、前記電力情報受信部によって受信された電力情報と、に基づいて前記各地域の電力ネットワークにおける消費電力量を推定する地域消費電力推定部と、を備える管理装置と通信を行い、電力により走行する車両に搭載される車載器が行う通信方法であって、
前記車載器が、当該車両の走行に関する車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記車載器が、前記管理装置に対し、前記車両情報取得部によって取得された前記車両情報を送信する通信ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−44808(P2012−44808A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185247(P2010−185247)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】