説明

管理装置、通信システムおよび通信方法

【課題】
ネットワーク上の通信装置を管理する通信システムにおいて、通信断の度に発生するネットワークの輻輳を軽減する。
【解決手段】
本発明による管理装置は、ネットワーク上の通信装置を管理する管理装置であって、前記管理装置は、前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上の通信装置を管理する管理装置、または管理装置を含む通信システム、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上の通信装置を管理するネットワーク管理システムでは、管理装置と通信装置との間の通信に、SNMP(Simple Network Management Protocol)というプロトコルがよく利用される。
【0003】
SNMPを用いたネットワークでは、通信装置は、ネットワーク上で障害を始めとする状態変化(イベント)が発生すると、管理装置に向けてイベントが起こったことを通知する。SNMPでは、この通知をTrapという。
【0004】
このようなネットワークにおいて、何らかの原因で、管理装置と管理対象装置の間の通信が不能となった場合に、管理装置は通信装置の状態変化を知ることができなくなる。従って、通信が復旧した際に、通信装置の状態と管理状態を同期する必要がある。
【0005】
特許文献1には、Trapにシーケンス番号を付与することが記載されている。管理装置は、受信したTrapのシーケンス番号が連続していない場合には、Trapの損失があったと判断する。管理装置は、最後に受信したTrapの受信時刻から一定時間が経過しているか判断する。一定時間が経過している場合に、管理装置は、該当する通信装置に対して問い合わせを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−244142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術においては、Trapの最終受信時刻から一定時間が経過した通信装置に対して、問い合わせを行っていた。
【0008】
一般的に、このような問い合わせの際、管理対象となる通信装置との通信が復旧した際に、管理装置は、通信装置の持つ全管理オブジェクトに対して情報取得要求パケットを送信する。その際、管理装置から情報取得要求パケットが送信されるだけでなく、それぞれの情報取得要求パケットに対する応答パケットが各通信装置から送信される。
【0009】
従って、通信装置や管理オブジェクトの個数によっては、ネットワークがパケットで溢れる恐れがある。よって、管理装置が正常にネットワーク上の通信装置を監視することができなくなる可能性がある。また、通信装置の全管理オブジェクトの数が多いほど、管理装置の管理状態と通信装置の状態の同期に時間がかかり、オペレータがスムーズな作業ができない問題も発生する。
【0010】
本発明の目的は、上述した課題を解決することが可能な、管理装置、通信システムおよび通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による管理装置は、ネットワーク上の通信装置を管理する管理装置であって、前記管理装置は、前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明による通信システムは、ネットワーク上の通信装置と、前記ネットワークを介して前記通信装置を管理する管理装置とを備え、前記管理装置は、前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明による通信方法は、ネットワークを介して管理する通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶ステップと、前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求ステップと、前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合ステップと、前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
通信が一時的に切断した後に復旧した通信装置と同期を取る回数を削減することができ、通信断の度に発生するネットワークの輻輳を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態による管理装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態による動作を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態による通信システムの構成を示す図である。
【図4】第2の実施形態による管理サーバの構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態による通信装置の構成を示す図である。
【図6】第2の実施形態の動作概要を示す図である。
【図7】第2の実施形態による動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】第2の実施形態による動作を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態による表示手段の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以降、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0018】
(構成)
図1は、第1の実施形態による管理装置1000の構成を示している。図1によれば、管理装置1000は、送信要求手段1001、シーケンス番号記憶手段1002、シーケンス番号照合手段1003、同期手段1004を備えている。また、管理装置1000は、通信装置1100とネットワークを介して接続している。なお、通信装置1100は、管理装置1000によって管理対象となっている通信装置である。
【0019】
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について、図2を参照して説明する。
【0020】
管理装置1000と、通信装置1100とは、一度通信が切断された後、再度通信が可能になったものとする。
【0021】
まず、送信要求手段1001は、通信装置1100との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、シーケンス番号の送信要求を通信装置1100に対して行う(S1001)。
【0022】
なお、このシーケンス番号とは、通信装置1100が、通信装置1100の管理状態に変化が発生するごとに、管理装置1000に対して送信するメッセージに含まれるシーケンス番号である。
【0023】
続いて、シーケンス番号照合手段1003は、通信装置1100から受信したシーケンス番号を、通信切断前にシーケンス番号記憶手段1002に記憶したシーケンス番号と照合する(S1002)。
【0024】
最後に、同期手段1004は、S1002での照合の結果に基づいて、通信装置1100との間で、通信装置1100の管理状態の同期を行うかどうかを判断する(S1003)。
【0025】
(効果)
第1の実施形態によれば、管理装置は、通信再開後に通信装置から受信するシーケンス番号の照合を行い、照合結果に基づいて通信装置との管理状態の同期を行うかどうか判断する。
【0026】
上記の動作により、通信再開後に、通信装置との管理状態の同期が必要かどうかを判断することができる。従って、通信装置との同期の回数を削減することが可能となり、通信断の度に発生するネットワークの輻輳を軽減することが可能となる。
【0027】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0028】
(概要)
図3は、第2の実施形態による通信システムの構成を示している。図3によれば、第2の実施形態による通信システムは、管理サーバ100、通信装置110、通信装置120、通信装置130、通信装置140、通信装置150、通信装置160を備えている。
【0029】
管理サーバ100と各通信装置は、それぞれ図3に示すようにネットワークを介して接続している。図3において、実線で接続されている箇所は有線によって接続されているものとする。また、有線接続されていない箇所、例えば、通信装置110と通信装置120との間は、無線ネットワークを介して接続されているものとする。
【0030】
図3に示す通信システムの概要について説明する。まず、管理サーバ100は、ネットワーク上の通信装置の情報を取得し、管理する。管理サーバ100は、管理する通信装置の状態を画面上に表示させることも可能である。
【0031】
各通信装置は、自身の管理オブジェクトに対する状態変化を検知すると、管理サーバにシーケンス番号を付加したTrapを送信する。この管理オブジェクトとしては、例えば、通信装置のMIB(Management Information Base)で管理されている情報が挙げられる。
【0032】
管理サーバ100は、Trapで通知されたオブジェクトの状態を画面表示に反映させる。同時に、通知されたシーケンス番号を保持する。
【0033】
通信回線状況が悪化する等、何らかの理由で管理サーバ100が一時的に装置と通信ができなくなった場合には、管理サーバ100は通信ができない通信装置の監視状態を保持し続け、当該通信装置を監視不可状態として管理する。
【0034】
(管理サーバの構成)
以下、図4を参照して管理サーバ100の構成について説明する。
【0035】
図4によれば、管理サーバ100は、送信要求手段101、シーケンス番号記憶手段102、シーケンス番号照合手段103、同期手段104、表示手段105、通信I/F(インタフェース)106を備えている。また、管理サーバ100は、通信I/F106を介して通信装置110と接続している。
【0036】
送信要求手段101は、通信装置110または通信装置110よりも後段にある通信装置との通信が切断した後、復旧した際に、通信装置110に対して、シーケンス番号を送信するように要求する。
【0037】
シーケンス番号記憶手段102は、通信装置110から受信するTrapに含まれるシーケンス番号を記憶する。
【0038】
シーケンス番号照合手段103は、通信装置110から受信するTrapに含まれるシーケンス番号が、シーケンス番号記憶手段102に記憶した番号から変化しているかどうかを照合する。
【0039】
同期手段104は、シーケンス番号の照合結果に基づいて、通信が切断していた通信装置との管理状態の同期が必要かどうかを判断する。また、同期が必要だと判断された場合には、該当する通信装置との同期を行う。
【0040】
表示手段105は、管理サーバ110が管理する各通信装置の状態を画面上等に表示する。
【0041】
通信I/F106は、管理サーバ100内の各機能と通信装置110との通信を行う。
【0042】
(通信装置の構成)
続いて、通信装置の構成について、図5を参照して説明する。図5では、通信装置110について説明するが、他の通信装置も同様の構成である。
【0043】
図5によれば、通信装置110は、シーケンス番号送信手段111と通信I/F112を備える。また、通信装置110は、管理サーバ100と通信装置120と接続している。図3に示す例では、通信装置110と管理サーバ100は有線ネットワークで、通信装置110と通信装置120とは無線ネットワークで、それぞれ接続されている。
【0044】
シーケンス番号送信手段111は、通信装置110の管理オブジェクトの状態変化があった際に管理サーバ100に送るTrapに、シーケンス番号を付加して送信する。
【0045】
通信I/F112は、通信装置110の各機能と、管理サーバ100、通信装置120との通信を行う。
【0046】
(通信断が発生した場合の動作)
ここで、管理サーバ100が管理する通信装置のうち、いずれかとの通信が不通となった場合の動作について説明する。具体的には、図6を参照して、管理サーバ100と通信装置140との通信が不通となった場合について説明する。
【0047】
図6は、通信装置130と通信装置140との間の無線ネットワークに障害が発生した場合を示している。図6の状態では、管理サーバ100は、通信装置140に加えて、通信装置140の後段である通信装置150および通信装置160とも通信を行うことができず、監視不能となっている。
【0048】
通信装置130と通信装置140の間の無線ネットワークが復旧すると、管理サーバ100は、通信装置140、通信装置150、通信装置160に対して、シーケンス番号を送信するよう要求を行う。要求を受けた各通信装置は、シーケンス番号、またはシーケンス番号を付与したTrapを送信し、管理サーバ100に応答する。
【0049】
そして、応答を受けた管理サーバ100は、受信したシーケンス番号に基づいて、同期の必要性を判断する。
【0050】
以降、上記の動作について、図7のシーケンスチャートおよび図8のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0051】
図7は、図6の場合における、管理サーバ100、通信装置130、通信装置140の動作を示すシーケンスチャートである。なお、通信装置150と通信装置160の動作は、通信装置140と同様であるので、図面および説明は省略する。
【0052】
まず、通常時には、通信装置140のシーケンス番号送信手段111は、管理サーバ100にシーケンス番号、あるいはシーケンス番号を含むTrapを送信する(S101)。
【0053】
管理サーバ100のシーケンス番号記憶手段102は、受信したシーケンス番号を記憶する(S102)。
【0054】
次に、通信装置130と通信装置140との間で通信障害が発生した場合について説明する。なお、図7の斜線で示した時間帯に、通信断が発生しているものとする。
【0055】
図7の例では、通信装置130は、定期的に通信装置140に接続確認を行っているとする(S103)。この接続確認により、通信断が検知されると、通信装置130は、管理サーバ100に対して、通信不能通知を送信する(S104)。
【0056】
管理サーバ100は、通信不能通知を受信すると、通信不能となった通信装置140の状態を変更しなくなる。
【0057】
なお、図7の例では、上述の通り、通信装置130が通信装置140に対して接続確認を行っていたが、管理サーバ100が接続確認を行っても良い。
【0058】
通信断が復旧すると、通信装置140は、管理サーバ100に対して、通信装置130経由で接続通知を送信する(S105)。
【0059】
通信装置140との接続が確認されると、管理サーバ100の送信要求手段101は、通信装置140に対して、シーケンス番号の送信要求を行う(S106)。
【0060】
通信装置140は、シーケンス番号の送信要求を受信すると、送信要求に対する応答を行う(S107)。この応答は、シーケンス番号そのものであっても良いし、シーケンス番号を含むTrapを送信しても良い。また、シーケンス番号は通信装置に1つが対応していなくても良く、決められた管理オブジェクトのセット毎に複数存在しても良い。
【0061】
管理サーバ100のシーケンス番号照合手段103は、シーケンス番号を受信すると、受信したシーケンス番号と、シーケンス番号記憶手段102で記憶しているシーケンス番号とを照合する。その後、同期手段104は、照合結果に基づいて、通信装置140の管理状態を同期する必要があるかどうかの判断を行う(S108)。S108の結果、必要と判断されれば、同期手段104は、通信装置140の状態に関する情報を取得し、同期を行う。
【0062】
続いて、図8を参照して、管理サーバ100の動作について詳細に説明する。図8は、管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。以下では、簡単のために、管理サーバ100と通信装置140とで通信を行う場合について説明する。
【0063】
まず、通信装置140の管理オブジェクトに状態変化が生じた場合、管理サーバ100は、通信装置140から通信I/F106を介してシーケンス番号を受信する(S201)。このシーケンス番号は、シーケンス番号単独で通信されても良いし、Trapに含めて通信されても良い。
【0064】
S201で受信したシーケンス番号は、シーケンス番号記憶手段102に記憶される(S202)。
【0065】
続いて、管理サーバ100は、通信装置140との接続が維持されているかどうか、確認を行う(S203)。S203の処理は、上述の図7のS103と同様の内容である。S203の処理は、図7のように、管理サーバ100と通信装置140の間にある通信装置130が行っても良いし、図8のように管理サーバ100が行っても良い。
【0066】
S203の結果、管理サーバ100は、通信装置140と接続していることが確認されれば、特に処理を行うことなく、シーケンス番号の受信を待つ。
【0067】
一方、S203の結果、通信装置140との接続に障害が起こっていると判断された場合には、S204を行う。管理サーバ100は、通信装置140から接続が復旧した旨の通知があるまで、待機する(S204)。また、このとき、管理サーバ100は、通信装置140の管理状態を監視不能状態、または通信不能状態等に更新する。ある定められた時間内に通信装置140から復旧通知を受信しない場合には、再度通信装置140に対して接続確認を送信しても良い(S204:NO)。
【0068】
通信装置140との接続が復旧した場合、送信要求手段101は、通信装置140に対してシーケンス番号送信要求を行う(S205)。
【0069】
続いて、管理サーバ100は、シーケンス番号送信要求に対する応答を受信する(S206)。この応答には、シーケンス番号が含まれている。
【0070】
シーケンス番号照合手段103は、シーケンス番号を受信すると、シーケンス番号記憶手段102が記憶しているシーケンス番号との照合を行う。シーケンス番号の照合の結果、同期手段104は、通信装置140の管理状態を同期する必要があるかどうかを判断する(S207)。
【0071】
S207の結果、通信装置140の管理状態を同期する必要があると判断された場合には、同期手段104は、通信装置140との同期を行い、処理を終了する(S208)。S208で通信装置140との同期を行う場合には、管理サーバ100は通信装置140から全管理オブジェクトの情報を取得する。
【0072】
一方、S207の結果、同期が必要ないと判断された場合には、同期を行わずに終了する。この場合、管理サーバ100は、通信装置140の管理状態を、監視不能状態から、通信断前に保持していた管理状態に戻す。
【0073】
(効果)
第2の実施形態によれば、管理サーバは、通信再開後に通信装置から受信するシーケンス番号の照合を行い、照合結果に基づいて通信装置との同期を行うかどうか判断する。
【0074】
上記の動作により、通信再開後に、通信装置との同期が必要かどうかを判断することができる。従って、通信装置との同期の回数を削減することが可能となり、通信断の度に発生するネットワークの輻輳を軽減することが可能となる。
【0075】
さらに、管理サーバは、通信切断中に通信装置の状態変化がなかった場合に、通信装置に状態を問い合わせることなく管理サーバが保持していた状態を画面表示等に反映させている。従って、管理サーバのオペレータは、同期にかかる時間のロスなく、リアルタイムに通信装置情報を確認することが可能となる。
【0076】
<第3の実施形態>
次に、本発明による第3の実施形態について、図9を参照して説明する。第3の実施形態では、管理サーバ100の画面表示についてさらに工夫している。管理サーバ100や各通信装置の構成は、第2の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0077】
第3の実施形態の構成を図9に示す。図9は、管理サーバ100の通信装置を監視制御する画面である。この画面は、表示手段105によって表示される。また、この画面では、監視中の通信装置をアイコン等で視覚的に示している。図9において、表示手段105は、通信断から復旧し、シーケンス番号確認中の通信装置のアイコンを特定の色(黒)に変化させている。
【0078】
このように、第3の実施形態では、シーケンス番号確認中の装置の画面上のアイコンを特定の色に変化させている。よって、第3の実施形態では、処理動作が視覚的にわかりやすく、運用性が向上するという効果が得られる。
【0079】
また、第3の実施形態において、シーケンス番号確認中の状態はアイコンの色を変化させるだけでなく、アイコンのタイプの変更や文字列による表現等で表しても良い。また、ログ等に表示しても良い。
【0080】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0081】
さらに、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0082】
(付記1)
ネットワーク上の通信装置を管理する管理装置であって、
前記管理装置は、
前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、
前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、
前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【0083】
(付記2)
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化がない場合には、前記通信装置の管理状態を、保持していた管理状態に戻すことを特徴とする付記1に記載の管理装置。
【0084】
(付記3)
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化があった場合には、前記通信装置との同期を行い、前記通信装置の管理状態を更新することを特徴とする付記1または2に記載の管理装置。
【0085】
(付記4)
前記管理装置は、さらに、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信要求を行っている前記通信装置を、他の通信装置との識別ができるように表示する表示手段を備えることを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の管理装置。
【0086】
(付記5)
ネットワーク上の通信装置と、前記ネットワークを介して前記通信装置を管理する管理装置とを備え、
前記管理装置は、
前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、
前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、
前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【0087】
(付記6)
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化がない場合には、前記通信装置の管理状態を、保持していた管理状態に戻すことを特徴とする付記5に記載の通信システム。
【0088】
(付記7)
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化があった場合には、前記通信装置との同期を行い、前記通信装置の管理状態を更新することを特徴とする付記5または6に記載の通信システム。
【0089】
(付記8)
前記管理装置は、さらに、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信要求を行っている前記通信装置を、他の通信装置との識別ができるように表示する表示手段を備えることを特徴とする付記5から7のいずれか1つに記載の通信システム。
【0090】
(付記9)
前記通信装置は、
前記通信装置の状態が変化した場合に、前記管理装置に対して前記シーケンス番号を送信するシーケンス番号送信手段を備えることを特徴とする付記5から8のいずれか1つに記載の通信システム。
【0091】
(付記10)
ネットワークを介して管理する通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶ステップと、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求ステップと、
前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合ステップと、
前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【0092】
(付記11)
前記同期ステップは、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化がない場合には、前記通信装置の管理状態を、保持していた管理状態に戻すことを特徴とする付記10に記載の通信方法。
【0093】
(付記12)
前記同期ステップは、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化があった場合には、前記通信装置との同期を行い、前記通信装置の管理状態を更新することを特徴とする付記10または11に記載の通信方法。
【0094】
(付記13)
前記通信方法は、さらに、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信要求を行っている前記通信装置を、他の通信装置との識別ができるように表示する表示ステップを含むことを特徴とする付記10から12のいずれか1つに記載の通信方法。
【符号の説明】
【0095】
100 管理サーバ
101、1001 送信要求手段
102、1002 シーケンス番号記憶手段
103、1003 シーケンス番号照合手段
104、1004 同期手段
105 表示手段
106、112 通信I/F
110、120、130、140、150、160、1100 通信装置
111 シーケンス番号送信手段
1000 管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の通信装置を管理する管理装置であって、
前記管理装置は、
前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、
前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、
前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化がない場合には、前記通信装置の管理状態を、保持していた管理状態に戻すことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化があった場合には、前記通信装置との同期を行い、前記通信装置の管理状態を更新することを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記管理装置は、さらに、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信要求を行っている前記通信装置を、他の通信装置との識別ができるように表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項5】
ネットワーク上の通信装置と、前記ネットワークを介して前記通信装置を管理する管理装置とを備え、
前記管理装置は、
前記通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶手段と、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求手段と、
前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶手段に記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合手段と、
前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化がない場合には、前記通信装置の管理状態を、保持していた管理状態に戻すことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記同期手段は、
前記照合の結果、前記シーケンス番号に変化があった場合には、前記通信装置との同期を行い、前記通信装置の管理状態を更新することを特徴とする請求項5または6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記管理装置は、さらに、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信要求を行っている前記通信装置を、他の通信装置との識別ができるように表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項5から7のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項9】
前記通信装置は、
前記通信装置の状態が変化した場合に、前記管理装置に対して前記シーケンス番号を送信するシーケンス番号送信手段を備えることを特徴とする請求項5から8のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項10】
ネットワークを介して管理する通信装置の管理状態に変化が発生するごとに前記通信装置から受信するシーケンス番号を記憶するシーケンス番号記憶ステップと、
前記通信装置との通信が切断された後、再度通信可能となった場合に、前記シーケンス番号の送信を前記通信装置に対して要求する送信要求ステップと、
前記通信装置から受信した前記シーケンス番号を、通信切断前に前記記憶したシーケンス番号と照合するシーケンス番号照合ステップと、
前記照合結果に基づいて、前記通信装置との間で前記通信装置の管理状態の同期を行うかどうか判断する同期ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−257039(P2012−257039A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128328(P2011−128328)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】