管腔内装置用配置システム
【課題】インプラントレシピエントの血管又は心内構造物内に管腔内装置を配置するための手段を提供する。
【解決手段】管腔内装置用配置システム10は、エンドプロスセシス取付け部材18上に配置され、除去可能シース12により少なくとも部分的に取り囲まれている拡張性管腔内装置14と、前記除去可能シースと一体の配置ライン16であり、前記シースが前記管腔内装置から除去されるときに前記除去可能シースが前記配置ラインに変換されるような配置ラインと、を備えることを特徴とする。
【解決手段】管腔内装置用配置システム10は、エンドプロスセシス取付け部材18上に配置され、除去可能シース12により少なくとも部分的に取り囲まれている拡張性管腔内装置14と、前記除去可能シースと一体の配置ライン16であり、前記シースが前記管腔内装置から除去されるときに前記除去可能シースが前記配置ラインに変換されるような配置ラインと、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に移植可能医療装置アセンブリに関する。特に、本発明は、インプラントレシピエントの血管又は心内構造物内に管腔内装置を配置するための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
心内及び血管構造物を修復又は強化するための種々の移植可能医療装置が、近年開発された。これらの装置の一部は、いわゆるインターベンション又は血管内法により、特定の血管及び心内構造物内に移植できる。インターベンション法では、外科的に血管系に、都合よく位置させた動脈又は静脈を介してアクセスし、医療装置アセンブリの遠位部分を、動脈又は静脈アクセス点を介して血管系に導入する。医療装置アセンブリを血管系に導入したら、それを脈管構造を介して移植部位にスレッディングするとともに、手動操作制御手段を備えたアセンブリの近位部分は、インプラントレシピエントの体外にそのままとする。アセンブリの医療装置コンポーネントを、次に移植部位に置き、医療装置アセンブリの遠位部分の残りは、アクセス点を介して血管系から除去する。
【0003】
典型的なインターベンション医療装置アセンブリには、カテーテルなどがある。カテーテルを使用して、医療装置を移植部位に正確に位置させるだけでなく、移植部位で医療装置の展開配置に関与することができる。ある種のカテーテルは、それらの長さに設けたガイドワイヤを備えて、医療装置の位置決め及び配置をしやすくしている。ガイドワイヤの代わりとして、カテーテルを、カテーテルの長さ内に設けられている内スリーブと同軸としてもよい。内スリーブを使用して、移植可能医療装置を所定の位置に保持するとともに、外カテーテルを引っ張って、装置を配置させる。ハンドル、ノブ又は他の手動操作手段を、このアセンブリにおけるカテーテルの反対端に結合する。
【0004】
ステント、ステント−グラフト又は他の管腔内装置等のある種の移植可能医療装置では、装置を移植部位に配置したときに、最初のコンパクト化された形態から拡張した円筒形の形状に再構成することが必要なことがしばしばある。これらの装置は、それらの構造要素の設計及び構成によりそれら自体で拡張できるか、又は膨張性バルーンを装置内に配置して使用することにより拡張できる。
【0005】
自己拡張性管腔内医療装置を、種々の方法でコンパクト化された形態で維持する。ある種の装置では、単にコンパクト化された装置をカテーテル又は同様なツール内に閉じ込めることによりコンパクト化形態で維持される。他の装置は、コンパクト化後にシース内に配置する。これらのアセンブリでは、制御ラインを使用して、シースから管腔内装置を解放しやすくすることがよくある。
【0006】
米国特許第6352561号(Leopold等)では、シースを、拡張性管腔内装置の周囲に形成し、制御ラインを使用して管腔内装置の周囲にシースを維持する。高分子材料のある長さを半分に折り曲げ、制御ラインとともに反対エッジを縫うことにより、シースが形成される。縫い目パターンにより、制御ラインがシースから、制御ラインの近位端で引っ張ることにより除去できる。制御ラインがシースから縫い目がほどかれた状態となると、管腔内装置が、シース内に閉じ込められた状態から徐々に解放される。制御ラインが別個の物としてアセンブリから除去され、一方、シースは、移植部位にとどまる。
【0007】
米国特許第5647857号(Anderson等)では、管腔内装置が、シースにより、カテーテル上に圧潰形態で保持される。アセンブリに、自由端と、カテーテルのカラーコンポーネントに結合された端部とを備えた制御ラインを設ける。制御ラインを引っ張ることにより、シースが管腔内装置から除去される。制御ラインを引っ張ると、遠位端から近位端までシース材料を切断し、分割する。シースが裂けて開くと、管腔内装置が自由に拡張する。Leopold等とは異なり、管腔内装置の配置後は、制御ラインは、シース・カテーテルアセンブリに機械的に結合されたままである。
【0008】
米国特許第6447540号(Fontaine等)では、閉じ込めシースが、管腔内装置の周囲から、Anderson等と同様に、医師が制御ラインを引っ張ると制御ラインがシース材料を横断し且つ分割することにより除去される。Leopold等と同様に、制御ラインが、別個の物としてアセンブリから完全に除去される。
【0009】
米国特許第5534007号(St.Germain等)では、長さに沿って圧潰及び短縮できる単一壁シースを、ステントの周囲に配置する。シースの遠位部分が引っ込められると、ステントのカバーが除かれる。露出されたステントは、自由に拡張する。制御ラインを使用して、シースをステントから除去する手段として圧潰可能シースに引張り力をかけることができる。制御ラインは、ステントの配置中及び配置後、シースに結合したままである。
【0010】
米国特許第6059813号(Vrba等)には、管腔内装置用二重壁閉じ込めシースが記載されている。これらのコンポーネントから作製されたアセンブリでは、管腔内装置を、圧潰した形態におけるカテーテルシャフト上に配置する。外チューブを、カテーテル上にスライド可能な関係で配置する。外チューブの遠位端は、延びて管腔内装置をカバーすることはない。むしろ、二重壁シースを、圧潰した管腔内装置上に配置する。シースの内壁を、管腔内装置の近位端付近でカテーテルシャフトに結合する。二重壁シースの外壁を外チューブに機械的に結合させる。カテーテルに対して外チューブが移動すると、シースの外壁がシースの内壁を通過する。近位方向に外チューブが移動すると、シースが引っ込み、下に位置する管腔内装置が露出する。シースが引っ込むと、管腔内装置が自由に拡張するようになる。制御ラインは、外チューブに機械的に結合され、外チューブを動かし且つシースを引っ込める役割を果たす。
【0011】
これらの医療装置アセンブリはいずれも、閉じ込めシースと一体である制御ラインを利用していない。また、これらのアセンブリは、シースが管腔内装置の周囲から除去されると制御ラインに変換されることができるシースを特徴としていない。このような一体型制御ライン及び閉じ込めシースは、好ましくは連続薄肉材料、又はそれらの複合体から作製される。薄肉材料は、可撓性があり、下に位置する管腔内装置の可撓性に対する拘束は最小である。また、薄肉材料は、シースと管腔内装置の組み合わせのプロファイルを減少させる。一体型制御ライン・閉じ込めシースでは、制御ラインをシースに機械的に結合させる必要がなくなるので、制御ライン−シース構造物の製造が簡単になる。また、一体型制御ライン・閉じ込めシースでは、制御ラインのシースへの機械的結合の信頼性に関する問題がなくなる。さらに、シース拘束管腔内装置と供給カテーテルとの間に位置させたときに、コンプライアンス、圧縮性、弾力性及び/又は拡張性を示す、材料、複合体、構造物及び/又はアセンブリは、供給カテーテル上の閉じ込めシースの下の管腔内装置を緩衝及び保持だけでなく、ある実施態様では管腔内装置の拡張をしやすくさせる役割を果たす。
【0012】
【特許文献1】米国特許第6352561号明細書
【特許文献2】米国特許第5647857号明細書
【特許文献3】米国特許第6447540号明細書
【特許文献4】米国特許第5534007号明細書
【特許文献5】米国特許第6059813号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、管腔内又はエンドプロスセティック(endo−prosthetic)装置用配置システムに関する。好ましい実施態様によれば、管腔内装置は、装置設計及び装置を構成するのに使用される材料に応じて自己拡張性となる。他の実施態様によれば、管腔内装置は、装置内に配置された膨張性バルーン又は他の拡張手段により拡張できる。さらに他の実施態様によれば、管腔内装置は、膨張性バルーンである。管腔内装置は、除去可能なシースにより、コンパクト化又は圧潰された形態で維持される。好ましい実施態様によれば、除去可能なシースは、配置ラインに張力をかけることにより管腔内装置の周囲から除去される。配置ラインは、シースと一体連続的に延びており、シースと同じ材料から形成される。配置ラインを引っ張ると、シースは、管腔内装置の周囲から徐々に除去され、また配置ラインの延長部分としての役割を果たす。シースが管腔内装置の一部分の周囲から実質的に除去されると、管腔内装置のその部分が自由に拡張する。シースの除去は、管腔内装置全体が、半径方向の拘束から解放されるまで継続することができる。配置ラインを、残存しているシース材料といっしょに、移植部位から、被覆された管腔内装置を移植部位に供給するのに使用されるカテーテルを介して除去できる。
【0014】
ステントの形態の管腔内装置を用いる実施態様では、ステントの圧潰されたルーメン内に位置するバルーン又は他の拡張手段を膨張させ、シースが内在バルーン又は他の拡張手段の作用により除去されるまで、シースに対してステントを拡張することにより、シースを、ステントの周囲から除去することができる。シースは、本発明の配置ライン部分及び/又は運動エネルギーを保存し且つ放出できる機構を用いて除去される。図13に示す機構は、本明細書では「活性弾性要素(25)」と称し、好ましくは本発明の配置ライン部分及び/又はシース部分に組み込まれたバネ要素の形態である。別法として、活性弾性要素は、ゴムバンド及びエラストマーポリマー(例えば、フルオロエラストマー)の形態でもよい。
【0015】
除去可能シースは、一種以上の薄可撓性高分子材料(それらの複合体でもよい)から作製する。シースは、通常管腔内装置を拘束したときに、連続薄肉チューブの形をとる。このような薄肉シースでは、下に位置する管腔内装置の長さ方向の屈曲に対する耐性が最小である。また、薄肉シースでは、シース−管腔内装置の組み合わせのプロファイルが、通常の拘束の場合と比較して減少する。好ましい実施態様によれば、二重壁チューブ状シースを使用する。二重壁の場合、一つの壁を他の壁を通過してスライドさせることにより、シースを管腔内装置の周囲から引っ込めることができる。シースが、このようにして引っ込むか、又は広げられると、シース部分は、下に位置する管腔内装置を擦ったり、削り取ったりすることはない。このことは、シースを装置から除去するときに管腔内装置を擦ったり、削り取ったりするシースにより崩壊されることがある、薬剤及び/又は医薬品を含有するコーティングを管腔内装置の表面上に配置するときに特に有利である。
【0016】
配置ラインは、除去可能なシースと同じ材料から形成され、シース材料と一体に延びている。ある実施態様によれば、配置ライン部分(16)は、シース部分(12、12a)から、供給カテーテルを介して、カテーテルの近位端に位置するコントロールノブ(図示せず)まで延びている(図3〜7)。これらの実施態様のうち、シース部分は、近位に管腔内装置を超えて配置システムの遠位端の方向に延びている(図5)。好ましい実施態様によれば、シースは、下に位置する供給カテーテル上を所望の長さで、シース部分が配置ライン部分に変換する点まで延びている(図7)。より好ましい実施態様によれば、シース部分は、配置ラインに変換する前に、供給カテーテルの実質的に全長を延びている。最も好ましい実施態様(図11)によれば、シース−配置ライン構造物(12)の少なくとも一部分が、二次カテーテル(19a)、カテーテルルーメン、又は他の閉じ込め装置、例えば延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブ内に入れられている。制御ノブを引っ張ると、配置ラインが作動する。配置ラインが作動すると、除去可能シースが管腔内装置の周囲から移動するか、又は引っ込み始める。
【0017】
一実施態様によれば、除去されたシース材料がシースの受容端を超えて移動すると、シースが配置ラインに変換され始める。シースの配置ラインへの変換は、通常チューブ状シースが壊れ、分離し、収束して配置ライン材料となる点で開始する。好ましい実施態様によれば、シースの配置ラインへの変換を開始又は持続するための手段が設けられる。これらの手段は、シース材料に導入されたミシン目、応力ライザー又は他の機械的弱さの形態をとることができる。この手段は、供給カテーテル上に設けられたカッティングエッジ又は鋭利表面であってもよい。
【0018】
好ましい実施態様によれば、エンドプロスセシス(endo−prosthesis)又は管腔内装置と供給カテーテルとの間にコンプライアンス、圧縮性、弾力性及び/又は拡張性を示す、材料、複合体、構造物及び/又はアセンブリを配置して、「エンドプロスセシス取付け部材」を形成する。エンドプロスセシス取付け部材は、シースにより拘束されたときに管腔内装置を緩衝する役割を果たし、拘束がとかれたときに装置が拡張しやすくする。また、エンドプロスセシス取付け部材は、下に位置するカテーテルシャフトの周囲の所定の位置に管腔内装置を固定及び保持するとともに、配置システムのプロファイルを最小とする役割も果たす。エンドプロスセシス取付け部材で管腔内装置を固定することにより、管腔内装置のいずれかの端にバリヤーまた保持手段を設ける必要性がなくなる。バリヤー手段がないと、配置システムのプロファイルを減少させるだけでなく、システムの遠位部分の可撓性を増加できることを意味している。また、本発明では、シース−配置ライン用の追加のカテーテル又はカテーテルルーメンを設けて、配置ライン部分が、供給カテーテルにより確定された一般経路をでることのないようにすることもできる。一実施態様によれば、エンドプロスセシス取付け部材は、膨張性又は拡張性バルーンの形態である。本発明は、単独で使用してもよいし、又は他のプロテーゼ内供給手段と組み合わせて使用してもよい。また、複数のエンドプロスセシス装置を、本発明を用いて供給できる。
【0019】
したがって、本発明の一実施態様によれば、管腔内装置用配置システムであって、エンドプロスセシス取付け部材を備えた供給カテーテルに取付けられた拡張性管腔内装置と、前記管腔内装置をカバーするように適合された除去可能シースであって、前記管腔内装置の少なくとも一部分を包囲し、かつ、導入プロファイルにおいて前記装置を拘束するように適合されたフルオロポリマー材料を含むシースと、を備え、装置の配置を実施するための、前記シースと一体の配置ラインを備えており、そして配置すると、前記シースが前記配置ラインの作動により管腔内装置から分離し、前記シースが配置ラインとともに前記装置から除去された状態となる、配置システムが提供される。
【0020】
本発明の別の実施態様によれば、管腔内装置用配置システムであって、エンドプロスセシス取付け部材上に配置され、除去可能シースにより少なくとも部分的に取り囲まれている拡張性管腔内装置と、前記除去可能シースと一体の配置ラインであり、前記除去可能シースが、前記シースが前記管腔内装置から除去されるときに前記配置ラインに変換されるような配置ラインと、を備えた配置システムが提供される。
【0021】
本発明の配置システムの向上した特徴と他の特性は、以下の説明からよりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、シースの一体部である配置ライン又はフィラメントを備えた除去可能シースを有する管腔内装置用配置システムに関する。図12における矢印「x」と矢印「y」との間の空間における相対的な差から明らかなように、シース部分(12)は、管腔内装置(18a)を閉じ込めて、シースなしで可能であるよりも小さいプロファイルとしている。シースは、保存中及び患者の血管系への導入中は、管腔内装置をコンパクト化又は圧潰された形態で半径方向に閉じ込めている。装置が、カテーテルで、血管又は心内構造体における移植部位まで供給されるまで、閉じ込めシースは管腔内装置をコンパクト化した形態で維持している。配置時に、シースが管腔内装置から引っ込められる。ある実施態様によれば、シース材料は、シースが管腔内装置から除去されたときに、配置ライン材料に変換されることができる。シースが管腔内装置から除去されると、管腔内装置は自由に拡張する。閉じ込めシースから解放されると、管腔内装置は、自然にか、又は膨張性バルーンを用いて拡張できる。残りのシース材料は、配置ラインとともに、移植部位から除去できる。
【0023】
一体型シース−配置ラインは、好ましくは、構造物の長さに沿って連続している可撓性高分子材料である。好ましくは、シース部分の物理的及び機械的特性は、管腔内装置を拘束するのに使用されるシース部分の長さ全体を通じて均一及び均質である。ほとんどの管腔内装置は、一般的に円筒形態であるので、シースは、好ましくはチューブ状であり、管腔内装置のほとんど又は全てを取り囲むようになっている。シースについて、円錐、テーパー又は他の好適な形態も、本発明において意図される。シースの可撓性は、シースの壁をできる限り薄くすることにより高められる。本発明(20)の一実施態様によれば、シース−配置ラインのチューブ状シース部分(12a)は、単一壁を有する(図3)。配置ライン部分は、単一壁シース(12a)のどちらかの端部から延びていてもよい。シース部分は、管腔内装置の周囲から引っ込められると、後寄りのシースの長さは、管腔内装置の配置中にとって代わった配置ラインの長さと実質的に等しい。
【0024】
本発明(10)の別の実施態様によれば、シース−配置ラインのシース部分(12)は二重壁を有している(図1、2及び4〜11)。好ましい実施態様によれば、二重壁シース部分(12)は、それ自体が折り曲がった高分子材料からできている。二重壁シース部分を、管腔内装置(14)上に配置して、折り曲げ部(22)がシース部分(12)の遠位端(すなわち、コントロールノブから最も遠い)に位置するようにする。シース部分の内壁を、管腔内装置(14)に近位の下に位置している供給カテーテル(19)の部分に固定できる。好ましい実施態様によれば、シース部分(12)は、供給カテーテル(19)に結合していない。シースの外壁の近位端は、配置ライン(16)に変換できる少なくとも一つの部分又は一体延長部を有している。二重壁シース部分の壁間の空間に、流体、滑剤、医薬組成物及び/又はそれらの組み合わせを満たすことができる。配置ライン(16)は、供給カテーテル(19)を通って、配置システム(10)の近位端に位置するコントロールノブ(図示せず)まで設ける。別法として、別個のカテーテル(13)又はカテーテルルーメン(11)が、配置ライン用に設けられる(それぞれ図4及び図1)。これらの実施態様では、特に半径の小さい患者の脈管構造において曲げ又は湾曲が予想されるときに、配置ライン部の追加の閉じ込めが設けられる。最も好ましい実施態様(図11)によれば、シース−配置ライン構造物のシース部分は、供給カテーテル(19)の実質的に全長に延び、別個のカテーテル(19a)又はカテーテルルーメン内に閉じ込められる。配置ライン部分は、配置システムの近位端付近に形成され、コントロールノブ(図示せず)に結合される。
【0025】
好ましくは、シース部分の物理的且つ機械的性質は、管腔内装置を拘束するのに使用されるシース部分の長さ全体を通じて均一及び均質である。シース部分が管腔内装置の周囲から引っ込められると、後寄りシースの長さは、管腔内装置の配置中にとって代わられる配置ラインの長さの実質的に半分である。この除去される配置ラインの長さの除去されるシース材料の長さに対する比が2:1であると、急激過ぎたり又は強すぎる引っ張りが、シースから管腔内装置を解放するときに配置ラインに及ぼす影響が減少する。
【0026】
本発明の引き込み式チューブ状拘束シース−配置ライン構造物を製造するのに、フルオロポリマー材料が好ましい。本発明で使用されるフルオロポリマー材料は、強固で薄くて滑性があるものである。フルオロポリマー材料の滑性は、互いに又は管腔内装置上をスライドして通過する壁を備えたシース−配置ラインを利用する実施態様においてとりわけ有利である。特に好ましいフルオロポリマー材料は、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン材料の単独又はフッ素化エチレンプロピレン材料との組み合わせである。最も好ましいフルオロポリマー材料は、強固で薄い、例えば以下の例2に記載のものである。シース−配置ラインは、フィルム及び/又は膜の層から適切なチューブを構成することにより作製される。また、シース−配置ラインは、高分子材料の押出しから構成してもよい。押出しを、単独又はフィルム/膜材料と組み合わせて使用できる。一旦構成されたら、チューブの顕著な部分が、ローリング及び加熱によりフィラメント状にする。
【0027】
配置ラインを引っ張り、シース材料が分離して、収束して単一のフィラメントとすることにより、シースが配置ラインに変換される。シース材料がこのプロセスにより配置ラインに変換されると、配置ラインに対するシース供給材料のエッジが後退し、シースが管腔内装置の周囲から引っ込む。シースの一部分が引っ込むと、シースにより閉じ込められた管腔内装置の部分が自由に拡張する(図8〜図8A)。必要に応じて、シースの配置ラインへの変換を開始又は持続する手段が、配置システムに設けられる。図7に示すように、この手段には、ミシン目(71)、カットアウト(72)、又はシース材料に導入した他の人工的に設けた欠陥などがある。また、図5に示すように、この手段は、カッター(21)又は他の鋭利なエッジを供給カテーテルに備えていてもよい。このような切断手段は、強化用ステンレス鋼のストランドをカテーテル内から露出させ、ストランドをシース部分に割り込ませることにより、供給カテーテル上に形成できる。
【0028】
本発明の好ましい実施態様によれば、管腔内装置と供給カテーテルとの間に、コンプライアンス、圧縮性、弾力性及び/又は拡張性を示す、材料、複合体、構造物及び/又はアセンブリを配置して、「エンドプロスセシス取付け部材(18)」を形成してもよい。エンドプロスセシス取付け部材は、カバー(15)付きでも、カバーなしでもよい(図9)。管腔内装置の少なくとも一部分を、カバー付き又はカバーなしエンドプロスセシス取付け部材に圧入して、供給カテーテル上に管腔内装置を固定し、管腔内装置がカテーテルの長さに沿って動くのを防止する。粘着性表面を有する材料は、エンドプロスセシス取付け部材、特にエンドプロスセシス取付け部材と滑性シース材料との組み合わせの場合有用である。エンドプロスセシス取付け部材により、管腔内装置の近位端及び遠位端に、バリヤー又は保持手段を配置する必要がなくなる。バリヤー手段なしの配置システムにさらなる可撓性が付与される他に、バリヤー手段がないと、シースと管腔内装置との組み合わせのプロファイルが減少する。さらに別の実施態様によれば、エンドプロスセシス取付け部材は、膨張性バルーンの形態である(図10、部分18a)。エンドプロスセシス取付け部材に好適な材料には、シリコーン、シリコーンフォーム、ポリウレタン、ポリウレタンフォーム及びポリテトラフルオロエチレンフォーム又はそれらの組み合わせなどがあるが、これらには限定されない。エンドプロスセシス取付け部材を、接着剤、熱又は他の好適な手段により、供給カテーテルの外壁に結合する。
【0029】
非膨張性エンドプロスセシス取付け部材は、好ましくは高分子材料の形態のカバー(15)で取り囲む。高分子材料は、好ましくはフルオロポリマー系材料である。多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンは、圧縮性材料を取り囲むのに好ましいフルオロポリマーである。他の好適な高分子材料には、シリコーン、ポリウレタン、ポリエステル等があるが、これらには限定されない。
【実施例】
【0030】
例1
本例により、本発明の配置システムの構成を説明する。システムの構成は、拡張性ステントを収容するための遠位カテーテルシャフトの作製から開始した。遠位カテーテルを作製したら、拡張性ステントを、シース−配置ライン内に配置した。この組み合わせの遠位カテーテル部分を、一次カテーテルシャフトに結合した。次に、配置ライン部分を、一次カテーテルを介してコントロールノブまでの経路を走行させた。コントロールノブは、一次カテーテル上に近位に位置させたハブの一部であった。シース−配置ラインのシース部分は、単一壁チューブの形態であった。
【0031】
長さ76.2mm(3インチ)のチューブ状材料を、ニューヨーク州グレンズフォールズにあるBurnham Polymeric社から入手し、遠位カテーテルシャフトとして使用した。チューブは、一般的にPEBAX(登録商標)樹脂として知られているポリエーテルブロックアミド材料製であり、ステンレス鋼ブレードで強化されたものであった。外径(OD)は、1.01mmであり、内径(ID)は、0.76mmであった。次に、圧縮性材料の形態のエンドプロスセシス取付け部材をカテーテル上に配置した。
【0032】
カテーテル上にエンドプロスセシス取付け部材を配置するために、カテーテルを、外径が0.74mmであるマンドレルに取付けた。多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)フィルムを、米国特許第5814405号(Branca)(引用することにより、本明細書の内容とする)の教示に準じて得た。フッ素化エチレンプロピレン(FEP)の不連続コーティングを、米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じてePTFE材料の一方の側に適用した。幅2インチのePTFE−FEP複合フィルムの縁を、カテーテルシャフトに熱で結合させた。初期結合の後、このフィルムを、軽く張力をかけながら、カテーテルシャフトの周囲に45回巻いた。フィルムを5回巻くごとに、及び最終層上で、フィルム同士を、さらにはんだごてから供給される熱で結合させた。
【0033】
この操作により、遠位カテーテルシャフト上に、圧縮性材料の形態のエンドプロスセシス取付け部材、すなわちコンプライアント「ピロー」が形成された。拡張性ステントを、エンドプロスセシス取付け部材上に取り付けた。エンドプロスセシス取付け部材は、保存中、移植部位への供給中、及び移植部位での拡張性ステントの配置中、カテーテルシャフト上に拡張性ステントを保持する役割を果たす。必要に応じて、エンドプロスセシス取付け部材を、エラストマー材料、例えばシリコーン、ウレタン及び/又はフルオロエラストマーの薄コーティングにより強化できる。
【0034】
8セル、直径6mmのニチノールステントを、イスラエルのテルアビブにあるMedinol社から入手した。ステントを、拡張された状態でカテーテルのエンドプロスセシス取付け部材上に配置した。この組み合わせを、アセンブリのステント部分をエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧縮する機械的アイリスを備えた機械内に配置した。機械的アイリス機に保持しながら、ステントの温度を、室温(約22℃)から摂氏約5度(5℃)まで減少させた。減少させた温度で、アイリス機を作動させて、ステントをエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧潰させた。低温且つ圧縮された形態に保ちながら、カテーテル、エンドプロスセシス取付け部材及びステントを、本発明のシース−配置ライン内に配置した。
【0035】
長さが最終配置システムの長さに等しいか、又はそれよりも長いシース−配置ラインを、以下のようにして作製した。直径1.89mmのある長さのステンレス鋼マンドレル(約1m)を、総長さ約200cmのチューブ状押出しePTFE材料でカバーした。チューブ状ePTFE材料は、外径1.41mm、肉厚0.05mm、平均縦引張り強さ3.52kgf、平均円周方向強さ0.169kgfであった。またチューブ状ePTFE材料は、平均質量/長さ0.0473g/ft、平均マトリックス引張り強さ69125PSIであった。一方の端(近位端)で、チューブ状ePTFE材料を、マンドレル上でいっしょに束ねるとともに、ePTFE材料の反対端(遠位端)をマンドレル上で平滑なままとした。
【0036】
チューブ状ePTFE材料の最初の数センチメートルを捨て、押出しePTFE材料の遠位端(平滑化端)の次の5cmを、以下のようにして複合フルオロポリマー材料で強化した。ePTFEをカバーしたマンドレルを、フィルムラッピング機の保持チャックに結合させた。押出しePTFE材料の平滑部の端部から約5cmのところに位置する第一基準ラインを、永久マーカー(SHARPIE(登録商標)を用いてこの材料の周囲に引いた。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)からなる幅5cmの複合膜を、押出しePTFE材料上に、複合膜のFEP部分が押出しePTFE材料と対向するように、第一基準ラインから近位に適用した。複合膜を、押出しePTFE材料の一次強さが、マンドレルの縦軸に対して垂直に向くように、ePTFEカバー付マンドレルの周囲に2回ラッピングした。複合膜を、最初に押出しePTFE材料上に、はんだごてからの熱により粘着させた。複合ePTFE/FEP材料は、密度が約2.14g/cm3、厚さが0.005mm、引張り強さが第一の方向で約340KPa(約49000psi)、第二の方向(第一の方向に対して垂直)で約120KPa(約17000psi)であった。引張り測定を、Instron Tensile Machine(マサチューセッツ州カントンにあるInstron社製)で、負荷速度200mm/分、ジョー間隔2.5cm(1インチ)の条件で実施した。
【0037】
強化部に隣接するシース−配置ラインの構成材料を、マンドレルに沿って伸ばし、第二基準ラインを、材料の周囲に、第一基準ラインから5cmのところに引いた。
【0038】
シース−配置ライン構造物の第二部分を、以下のようにして強化した。第二基準ラインを、押出しePTFE材料の周囲に、第一強化部の近位端から5cmのところに引いた。上記ePTFE/FEP複合膜の幅2cmのストリップを整列するのに第二基準ラインを用い、複合膜を、押出しePTFE材料の残りの部分の周囲に一回ラッピングして、本発明のシース−配置ラインの第二強化部分を形成した。第二強化部分は、長さ約2cmであった。複合強化膜材料を、材料の主要強さコンポーネントがマンドレルの軸に平行であったことを除いて、上記と同様にして押出しePTFE材料に結合させた。
【0039】
構造にトラップされた空気を、構造の周囲にePTFEからなる犠牲層をぴっちりと適用することにより除去した。ePTFEからなる幅1インチ(2.54cm)のフィルムを、構造の強化部の周囲にらせん状にオーバーラップした。ePTFEフィルムからなる2層を、一方向に適用し、2層を反対方向に適用した。次に、犠牲層を備えた構造を、オーブン中に入れ、320℃で8分間加熱した。加熱したオーブンから取り出し、組み合わせ物を、室温まで冷却した。次に、犠牲ePTFE材料を、除去した。
【0040】
次に、構造物を、マンドレルから取り出し、別のマンドレル(直径1.83mm×長さ30.5cm)を、構造物の強化端部に挿入させた。マンドレルが強化端部を支持した状態で、長さ5mmのスリットを、シース−配置ライン構造物の強化部に対して近位に作製した。第二マンドレルを、構造物の内部に、構造物からでるスリット5mmまで入れた。近位端をフィルムラッパーチャックのチャックに入れ、強化構造物を備えたマンドレルを固定した状態で、フィルムラッパーを約2,800回転することにより、シース−配置ライン構造物の近位部分を、フィラメントに変換した。構造物をフィラメントにスパンした後、450℃に設定したはんだごてでフィラメントに熱を短時間かけてフィラメントを強化した。フィラメントを、約320℃に加熱した直径1.8cm×長さ3.8cmダウエル上を通過させることにより、強化したフィラメントを、平滑化し、直径をより均一にした。フィラメントに、わずかに張力をかけた状態で、角度45度で加熱したダウエル上を通過した。このプロセスを、フィラメントの全長についてさらに2回反復した。
【0041】
本発明のシース−配置ラインのフィラメント部分を、一次カテーテルのルーメンを介してルーティングし、コントロールノブに接続した。コントロールノブは、一次カテーテルの近位端に位置したハブの一部分であった。シース−配置ラインの配置ライン部分を引っ張ったとき、シース部分をステントの周囲から引っ込めた。
【0042】
例2
本例により、本発明の配置システムの構成を説明する。システムの構成は、拡張性ステントを収容するための遠位カテーテルシャフトの作製から開始した。遠位カテーテルを作製したら、拡張性ステントを、シース−配置ライン内に配置した。この組み合わせの遠位カテーテル部分を、一次カテーテルシャフトに結合した。次に、配置ライン部分を、一次カテーテルを介してコントロールノブまでの経路を走行させた。コントロールノブは、一次カテーテル上に近位に位置させたハブの一部であった。シース−配置ラインのシース部分は、二重壁チューブの形態であった。
【0043】
長さ76.2mm(3インチ)のチューブ状材料を、ニューヨーク州グレンズフォールズにあるBurnham Polymeric社から入手し、遠位カテーテルシャフトとして使用した。チューブは、一般的にPEBAX(登録商標)樹脂として知られているポリエーテルブロックアミド材料製であり、ステンレス鋼ブレードで強化されたものであった。外径(OD)は、1.01mmであり、内径(ID)は、0.76mmであった。次に、圧縮性材料の形態のエンドプロスセシス取付け部材をカテーテル上に配置した。 カテーテル上にエンドプロスセシス取付け部材を配置するために、カテーテルを、外径が0.74mmであるマンドレルに取付けた。多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)フィルムを、米国特許第5814405号(Branca)(引用することにより、本明細書の内容とする)の教示に準じて得た。フッ素化エチレンプロピレン(FEP)の不連続コーティングを、米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じてePTFE材料の一方の側に適用した。幅50.8mm(2インチ)のePTFE−FEP複合フィルムの縁を、カテーテルシャフトに熱で結合させた。初期結合の後、このフィルムを、軽く張力をかけながら、カテーテルシャフトの周囲に45回巻いた。フィルムを5回巻くごとに、及び最終層上で、フィルム同士を、さらに熱で結合させた。この操作により、遠位カテーテルシャフト上に、エンドプロスセシス取付け部材が形成された。拡張性ステントを、プロテーゼ内取付け部材上に取り付けた。エンドプロスセシス取付け部材は、保存中、移植部位への供給中、及び移植部位での拡張性ステントの配置中、カテーテルシャフト上に拡張性ステントを保持する役割を果たす。必要に応じて、エンドプロスセシス取付け部材を、エラストマー材料、例えばシリコーン、ウレタン及び/又はフルオロエラストマーの薄コーティングにより強化できる。
【0044】
8セル、直径6mmのニチノールステントを、イスラエルのテルアビブにあるMedinol社から入手した。ステントを、拡張された状態でカテーテルのエンドプロスセシス取付け部材上に配置した。この組み合わせを、アセンブリのステント部分をエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧縮する機械的アイリスを備えた機械内に配置した。機械的アイリス機に保持しながら、ステントの温度を、室温から摂氏約5度(5℃)まで減少させた。減少させた温度で、アイリス機を作動させて、ステントをエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧潰させた。低温且つ圧縮された形態に保ちながら、カテーテル、エンドプロスセシス取付け部材及びステントを、本発明のシース−配置ライン内に配置した。
【0045】
長さが最終配置システムの長さに等しいか、又はそれよりも長いシース−配置ラインを、以下のようにして作製した。直径1.73mmのステンレス鋼マンドレルを、ePTFEからなる犠牲層でカバーした。犠牲ePTFE材料は、マンドレルからシース−配置ラインを取り出すのに役立つ。薄ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜をマンドレルに2回巻いた。フィルムの一次強さがマンドレルの縦軸に平行になるように、ePTFE膜を適用した。はんだごてを用いて熱をかけることにより、フィルムを最初に所定の位置に粘着させた。膜厚は約0.0002”(0.005mm)であり、引張り強さは、第一の方向で約49000psi(約340KPa)であり、第二方向(第一方向に対して垂直)で約17000psi(約120KPa)であった。引張り測定を、負荷速度200mm/分、ジョー間隔1”(2.5cm)の条件で実施した。膜の密度は、約2.14g/cm3であった。米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じて一方の側にFEPコーティングを適用することにより、膜をさらに改質した。次に、米国特許第5476589号(Bacino)の教示に準じて作製し、ePTFEフィルムの一方の側に適用したFEP材料からなる不連続層でさらに修正した別のePTFEフィルムを、構造物の一端(幅約1”)に2回巻いて適用した。米国特許第5476589号は、引用することにより、本明細書の内容とする。これらの2つのラッピングは、フィルムの一次強さ方向は、マンドレルの縦軸に対して垂直であった。フィルムのこれらの層により、シース−配置ライン構造物に対してさらなる「フープ」又は「放射状」強さを付与する。マンドレル及びシース−配置ライン構造物を、イリノイ州ラウンドレークにあるThe Grieve Corporationから入手した空気対流オーブンに入れ、320℃で12分間熱処理に付した。空冷した後、ePTFE/FEPチューブ構造物をマンドレルから取り出し、犠牲ePTFE層を除去した。本例において、ステントの端部を超えて延びるある長さのシース−配置ラインを設けた。さらなる長さのシース−配置ラインを、ステントを取り囲んでいるシース部分上に折り返して二重壁構造物を形成した。二重壁シース−配置ラインは、内壁及び外壁を有していた。内壁は、ステントに対向しており、外壁は、構造物の一体的配置ライン部分を含んでいた。次に、構造物を、熱と標準材料を用いて一次カテーテルシャフトに結合させた。
【0046】
シース−配置ラインの配置ライン部分を、シース−配置ラインをその長さに沿って、近位端からステントを囲んでいるシース部分まで(しかしながら、含んでいない)分割することにより作製した。このようにして得られた材料を、ローリングすることにより集めてフィラメント状にした。材料に熱を加えてフィラメント状の形態に材料を固定した。配置ラインフィラメントを、一次カテーテルにおけるルーメンを介して設け、コントロールノブに接続した。コントロールノブは、一次カテーテルの近位端に位置するハブの一部分であった。シース−配置ラインの配置ライン部分を引っ張ったときに、シース部分がステントの周囲から引っ込んだ。
【0047】
例3
本例により、ミシン目及び意図する応力ライザーをシースに導入することにより、シース−配置ラインのシース部分の配置ラインへの変換を開始又は維持するための手段の組み込みについて説明する。
【0048】
例2で得たシース−配置ラインを、以下のように修正する。シース部分を二重壁構造物にローリングし、ステントを中にローディングする前に、シースにミシン目を入れ、及び/又は配置ライン部分の引っ込みによりチューブ状シースが分離しやすくする「応力ライザー」を設けた。ミシン目又は応力ライザーを形成するために好適なレーザーは、アリゾナ州スコッツデールにあるUniversal Laser Systems社から入手した20ワットCO2レーザーである。シース部分にミシン目を形成するために、シースを、サンドブラスしたステンレス鋼マンドレルに配置し、レーザーをあてて、次に二重壁構造物の外壁としての役割を果たすチューブの一部分に一連の穴を切断して設けた。穴の形状は、用途に応じて変更できる。ミシン目を設けたシース部分を、例2で記載した本発明の配置ラインシステム上に使用する。本例では、カテーテルのハブ端部の配置ライン部分に張力をかけることにより、ステントの周囲からシースの引っ込みが生じ、またミシン目でシースの分離が生じる。シース部分が分離されると、シース材料が配置ラインに変換できる。
【0049】
例4
本例により、適切な分割手段を使用することにより、シース−配置ラインのシース部分の配置ラインへの変換を開始又は維持するための手段の組み込みについて説明する。
【0050】
例2で得た一次カテーテルを以下のようにして修正する。カテーテルの主要部に、180度反対で且つカテーテルルーメンへの配置ライン部分の入り点に対してわずかに遠位の壁にノッチを設ける。ノッチをさらに修正して、ノッチに小さな切断エッジを形成する。一実施態様によれば、切断エッジは、簡単に熱、接着剤等によりノッチに結合される。別の実施態様によれば、使用した金属ブレードの一部分を露出してカテーテルシャフトを強化し、ブレードを切断エッジにすることにより、切断エッジを形成する。本例では、カテーテルのハブ端の配置ライン部分に張力をかけることにより、ステント周囲からシースの引っ込みが生じ、ミシン目でのシースの分割が生じる。シース部分が分離すると、シース材料が配置ラインに変換できる。
【0051】
例5
本例では、自己拡張性装置だけでなくバルーン拡張性装置の両方の供給及び配置に使用される本発明の配置システムの構成について説明する。本例の配置システムでは、膨張性バルーンの形態のプロテーゼ内取付け部材を使用する。
【0052】
長さが最終配置システムの長さに等しいか、又はそれよりも長いシース−配置ラインを、以下のようにして作製する。直径1.73mmのステンレス鋼マンドレルを、ePTFEからなる犠牲チューブでカバーする。犠牲ePTFE材料は、マンドレルからシース−配置ラインを取り出すのに役立つ。薄ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜をマンドレルに2回巻く。フィルムの一次強さがマンドレルの縦軸に平行になるように、ePTFE膜を適用する。はんだごてを用いて熱をかけることにより、フィルムを最初に所定の位置に粘着させる。膜厚は約0.0002”(0.005mm)であり、引張り強さは、第一の方向で約49000psi(約340KPa)であり、第二方向(第一方向に対して垂直)で約17000psi(約120KPa)であった。引張り測定を、負荷速度200mm/分、ジョー間隔1インチ(2.5cm)の条件で実施する。膜の密度は、約2.14g/cm3である。米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じて一方の側にフッ化エチレンプロピレン(FEP)コーティングを適用することにより、膜をさらに修正する。次に、米国特許第5476589号(Bacino)(引用することにより、本明細書の内容とする)の教示に準じて作製し、ePTFEフィルムの一方の側に適用したFEP材料からなる不連続層でさらに修正した別のePTFEフィルムを、構造物の一端(幅約1”)に2回巻いて適用する。これらの2つのラッピングは、フィルムの一次強さ方向は、マンドレルの縦軸に対して垂直である。フィルムのこれらの層により、シース−配置ライン構造物に対してさらなる「フープ」又は「放射状」強さを付与する。マンドレル及びシース−配置ライン構造物を、イリノイ州ラウンドレークにあるThe Grieve Corporationから入手した空気対流オーブンに入れ、320℃で12分間熱処理に付する。空冷した後、ePTFE/FEPチューブ構造物をマンドレルから取り出し、犠牲ePTFE層を除去する。この構造物の拡張性ステント上への配置及びそこからの配置ライン部分の形成について、以下で説明する。
【0053】
図10に示すように、イスラエル国テルアビブにあるMedinol社製バルーン拡張性NIRflex(商標)ステント(14)を、供給カテーテルシャフト(19)に取り付けた収縮且つ圧潰された血管形成バルーン上に配置しコンパクト化する。血管形成バルーンを、US5752934(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じて作製する。このバルーンは、商品名APTERA(登録商標)血管形成バルーンとして、アリゾナ州フラッグスタッフにあるW.L.Gore & Associates社から入手できる。APTERA(登録商標)血管形成バルーンは、コンパクト化ステント(14)を受容し且つ保持するためのプロテーゼ内取付け部材(18a)としての役割を果たす。
【0054】
ステントをコンパクト化構成に閉じ込めた状態で、ある長さのシース−配置ライン(12)を、コンパクト化ステント上に配置し、ステントの端部を超えて延ばす。シース−配置ラインの追加の長さを、ステントを取り囲むシース部分上に折り返して二重壁構造物を形成する。二重壁シース−配置ラインは、内壁と外壁を備えている。内壁はステントと対向しており、外壁は、構成物の一体配置ライン部分を備えている。
【0055】
シース−配置ラインの配置ライン部分は、シース−配置ラインをその長さに沿って近位端からある距離について遠位端の方向に分割することにより形成する。スリットは、長さは約1cmから、ステントを取り囲んでいるシース部分まで(しかしながら、それを含まない)のシース−配置ラインの構造の実質的に全長の範囲であることができる。供給カテーテルの近位端付近に配置ライン部分を形成することが好ましい。このようにして得られた材料を、いっしょにローリングによりフィラメントとする。材料に熱を加え、材料をフィラメントの形態に固定する。シース−配置ラインを、供給カテーテルにおける専用ルーメンを介して設け、配置ライン部分がコントロールノブに結合されているハブからでるようにする。コントロールノブは、一次カテーテルの近位端に位置するハブの一部分である。シース−配置ラインの配置ライン部分に張力をかけると、シース部分が、ステントの周囲から引っ込む。下に位置するステントからシース部分を除去すると、ステントが自由に拡張する。本例のNIRflex(商標)ステントは、APTERA(登録商標)血管形成バルーンを膨張させることにより拡張する。ステントが拡張されたら、バルーンを収縮させ、供給カテーテルを、シース−配置ライン構造物とともにインプラントレシピエントから除去する。自己拡張性ステントを本発明で使用するとき、バルーンがエンドプロスセシス取付け部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の縦断面図である。
【図1A】図1の拡大図である。
【図2】本発明の斜視図である。
【図3】本発明の縦断面図である。
【図3A】図3の拡大図である。
【図4】本発明の縦断面図である。
【図4A】図4の拡大図である。
【図5】本発明の縦断面図である。
【図5A】図5の拡大図である。
【図6】本発明の縦断面図である。
【図6A】図6の拡大図である。
【図7】本発明の縦断面図である。
【図7A】図7の拡大図である。
【図7B】矢印により示された方向から見た図7Aの実施態様である。
【図7C】矢印により示された方向から見た図7Aの実施態様である。
【図8】血管又は心臓構造内に配置された本発明の縦断面図である。
【図8A】血管又は心臓構造内に配置された本発明の縦断面図である。
【図9】プロテーゼ内取付け部材上に配置したカバーを備えた本発明の縦断面図である。
【図9A】プロテーゼ内取付け部材上に配置したカバーなしの本発明の縦断面図である。
【図10】プロテーゼ内取付け部材を下に位置する供給カテーテルと管腔内装置との間に配置したプロテーゼ内取付け部材を備えた本発明の縦断面図である。
【図11】シース−配置ライン構造物の実質的に全長上に配置した外カテーテル又はチューブを備えた本発明の縦断面図である。
【図12】本発明のシース−配置ラインを有する第二寸法に限定された第一寸法を備えた圧潰膨張性バルーンの形態の管腔内装置を示す本発明の縦断面図である。
【図13】シースを管腔内装置の周囲から除去するための手段としての本発明のシース部分に結合した活性弾性要素を示す、本発明の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に移植可能医療装置アセンブリに関する。特に、本発明は、インプラントレシピエントの血管又は心内構造物内に管腔内装置を配置するための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
心内及び血管構造物を修復又は強化するための種々の移植可能医療装置が、近年開発された。これらの装置の一部は、いわゆるインターベンション又は血管内法により、特定の血管及び心内構造物内に移植できる。インターベンション法では、外科的に血管系に、都合よく位置させた動脈又は静脈を介してアクセスし、医療装置アセンブリの遠位部分を、動脈又は静脈アクセス点を介して血管系に導入する。医療装置アセンブリを血管系に導入したら、それを脈管構造を介して移植部位にスレッディングするとともに、手動操作制御手段を備えたアセンブリの近位部分は、インプラントレシピエントの体外にそのままとする。アセンブリの医療装置コンポーネントを、次に移植部位に置き、医療装置アセンブリの遠位部分の残りは、アクセス点を介して血管系から除去する。
【0003】
典型的なインターベンション医療装置アセンブリには、カテーテルなどがある。カテーテルを使用して、医療装置を移植部位に正確に位置させるだけでなく、移植部位で医療装置の展開配置に関与することができる。ある種のカテーテルは、それらの長さに設けたガイドワイヤを備えて、医療装置の位置決め及び配置をしやすくしている。ガイドワイヤの代わりとして、カテーテルを、カテーテルの長さ内に設けられている内スリーブと同軸としてもよい。内スリーブを使用して、移植可能医療装置を所定の位置に保持するとともに、外カテーテルを引っ張って、装置を配置させる。ハンドル、ノブ又は他の手動操作手段を、このアセンブリにおけるカテーテルの反対端に結合する。
【0004】
ステント、ステント−グラフト又は他の管腔内装置等のある種の移植可能医療装置では、装置を移植部位に配置したときに、最初のコンパクト化された形態から拡張した円筒形の形状に再構成することが必要なことがしばしばある。これらの装置は、それらの構造要素の設計及び構成によりそれら自体で拡張できるか、又は膨張性バルーンを装置内に配置して使用することにより拡張できる。
【0005】
自己拡張性管腔内医療装置を、種々の方法でコンパクト化された形態で維持する。ある種の装置では、単にコンパクト化された装置をカテーテル又は同様なツール内に閉じ込めることによりコンパクト化形態で維持される。他の装置は、コンパクト化後にシース内に配置する。これらのアセンブリでは、制御ラインを使用して、シースから管腔内装置を解放しやすくすることがよくある。
【0006】
米国特許第6352561号(Leopold等)では、シースを、拡張性管腔内装置の周囲に形成し、制御ラインを使用して管腔内装置の周囲にシースを維持する。高分子材料のある長さを半分に折り曲げ、制御ラインとともに反対エッジを縫うことにより、シースが形成される。縫い目パターンにより、制御ラインがシースから、制御ラインの近位端で引っ張ることにより除去できる。制御ラインがシースから縫い目がほどかれた状態となると、管腔内装置が、シース内に閉じ込められた状態から徐々に解放される。制御ラインが別個の物としてアセンブリから除去され、一方、シースは、移植部位にとどまる。
【0007】
米国特許第5647857号(Anderson等)では、管腔内装置が、シースにより、カテーテル上に圧潰形態で保持される。アセンブリに、自由端と、カテーテルのカラーコンポーネントに結合された端部とを備えた制御ラインを設ける。制御ラインを引っ張ることにより、シースが管腔内装置から除去される。制御ラインを引っ張ると、遠位端から近位端までシース材料を切断し、分割する。シースが裂けて開くと、管腔内装置が自由に拡張する。Leopold等とは異なり、管腔内装置の配置後は、制御ラインは、シース・カテーテルアセンブリに機械的に結合されたままである。
【0008】
米国特許第6447540号(Fontaine等)では、閉じ込めシースが、管腔内装置の周囲から、Anderson等と同様に、医師が制御ラインを引っ張ると制御ラインがシース材料を横断し且つ分割することにより除去される。Leopold等と同様に、制御ラインが、別個の物としてアセンブリから完全に除去される。
【0009】
米国特許第5534007号(St.Germain等)では、長さに沿って圧潰及び短縮できる単一壁シースを、ステントの周囲に配置する。シースの遠位部分が引っ込められると、ステントのカバーが除かれる。露出されたステントは、自由に拡張する。制御ラインを使用して、シースをステントから除去する手段として圧潰可能シースに引張り力をかけることができる。制御ラインは、ステントの配置中及び配置後、シースに結合したままである。
【0010】
米国特許第6059813号(Vrba等)には、管腔内装置用二重壁閉じ込めシースが記載されている。これらのコンポーネントから作製されたアセンブリでは、管腔内装置を、圧潰した形態におけるカテーテルシャフト上に配置する。外チューブを、カテーテル上にスライド可能な関係で配置する。外チューブの遠位端は、延びて管腔内装置をカバーすることはない。むしろ、二重壁シースを、圧潰した管腔内装置上に配置する。シースの内壁を、管腔内装置の近位端付近でカテーテルシャフトに結合する。二重壁シースの外壁を外チューブに機械的に結合させる。カテーテルに対して外チューブが移動すると、シースの外壁がシースの内壁を通過する。近位方向に外チューブが移動すると、シースが引っ込み、下に位置する管腔内装置が露出する。シースが引っ込むと、管腔内装置が自由に拡張するようになる。制御ラインは、外チューブに機械的に結合され、外チューブを動かし且つシースを引っ込める役割を果たす。
【0011】
これらの医療装置アセンブリはいずれも、閉じ込めシースと一体である制御ラインを利用していない。また、これらのアセンブリは、シースが管腔内装置の周囲から除去されると制御ラインに変換されることができるシースを特徴としていない。このような一体型制御ライン及び閉じ込めシースは、好ましくは連続薄肉材料、又はそれらの複合体から作製される。薄肉材料は、可撓性があり、下に位置する管腔内装置の可撓性に対する拘束は最小である。また、薄肉材料は、シースと管腔内装置の組み合わせのプロファイルを減少させる。一体型制御ライン・閉じ込めシースでは、制御ラインをシースに機械的に結合させる必要がなくなるので、制御ライン−シース構造物の製造が簡単になる。また、一体型制御ライン・閉じ込めシースでは、制御ラインのシースへの機械的結合の信頼性に関する問題がなくなる。さらに、シース拘束管腔内装置と供給カテーテルとの間に位置させたときに、コンプライアンス、圧縮性、弾力性及び/又は拡張性を示す、材料、複合体、構造物及び/又はアセンブリは、供給カテーテル上の閉じ込めシースの下の管腔内装置を緩衝及び保持だけでなく、ある実施態様では管腔内装置の拡張をしやすくさせる役割を果たす。
【0012】
【特許文献1】米国特許第6352561号明細書
【特許文献2】米国特許第5647857号明細書
【特許文献3】米国特許第6447540号明細書
【特許文献4】米国特許第5534007号明細書
【特許文献5】米国特許第6059813号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、管腔内又はエンドプロスセティック(endo−prosthetic)装置用配置システムに関する。好ましい実施態様によれば、管腔内装置は、装置設計及び装置を構成するのに使用される材料に応じて自己拡張性となる。他の実施態様によれば、管腔内装置は、装置内に配置された膨張性バルーン又は他の拡張手段により拡張できる。さらに他の実施態様によれば、管腔内装置は、膨張性バルーンである。管腔内装置は、除去可能なシースにより、コンパクト化又は圧潰された形態で維持される。好ましい実施態様によれば、除去可能なシースは、配置ラインに張力をかけることにより管腔内装置の周囲から除去される。配置ラインは、シースと一体連続的に延びており、シースと同じ材料から形成される。配置ラインを引っ張ると、シースは、管腔内装置の周囲から徐々に除去され、また配置ラインの延長部分としての役割を果たす。シースが管腔内装置の一部分の周囲から実質的に除去されると、管腔内装置のその部分が自由に拡張する。シースの除去は、管腔内装置全体が、半径方向の拘束から解放されるまで継続することができる。配置ラインを、残存しているシース材料といっしょに、移植部位から、被覆された管腔内装置を移植部位に供給するのに使用されるカテーテルを介して除去できる。
【0014】
ステントの形態の管腔内装置を用いる実施態様では、ステントの圧潰されたルーメン内に位置するバルーン又は他の拡張手段を膨張させ、シースが内在バルーン又は他の拡張手段の作用により除去されるまで、シースに対してステントを拡張することにより、シースを、ステントの周囲から除去することができる。シースは、本発明の配置ライン部分及び/又は運動エネルギーを保存し且つ放出できる機構を用いて除去される。図13に示す機構は、本明細書では「活性弾性要素(25)」と称し、好ましくは本発明の配置ライン部分及び/又はシース部分に組み込まれたバネ要素の形態である。別法として、活性弾性要素は、ゴムバンド及びエラストマーポリマー(例えば、フルオロエラストマー)の形態でもよい。
【0015】
除去可能シースは、一種以上の薄可撓性高分子材料(それらの複合体でもよい)から作製する。シースは、通常管腔内装置を拘束したときに、連続薄肉チューブの形をとる。このような薄肉シースでは、下に位置する管腔内装置の長さ方向の屈曲に対する耐性が最小である。また、薄肉シースでは、シース−管腔内装置の組み合わせのプロファイルが、通常の拘束の場合と比較して減少する。好ましい実施態様によれば、二重壁チューブ状シースを使用する。二重壁の場合、一つの壁を他の壁を通過してスライドさせることにより、シースを管腔内装置の周囲から引っ込めることができる。シースが、このようにして引っ込むか、又は広げられると、シース部分は、下に位置する管腔内装置を擦ったり、削り取ったりすることはない。このことは、シースを装置から除去するときに管腔内装置を擦ったり、削り取ったりするシースにより崩壊されることがある、薬剤及び/又は医薬品を含有するコーティングを管腔内装置の表面上に配置するときに特に有利である。
【0016】
配置ラインは、除去可能なシースと同じ材料から形成され、シース材料と一体に延びている。ある実施態様によれば、配置ライン部分(16)は、シース部分(12、12a)から、供給カテーテルを介して、カテーテルの近位端に位置するコントロールノブ(図示せず)まで延びている(図3〜7)。これらの実施態様のうち、シース部分は、近位に管腔内装置を超えて配置システムの遠位端の方向に延びている(図5)。好ましい実施態様によれば、シースは、下に位置する供給カテーテル上を所望の長さで、シース部分が配置ライン部分に変換する点まで延びている(図7)。より好ましい実施態様によれば、シース部分は、配置ラインに変換する前に、供給カテーテルの実質的に全長を延びている。最も好ましい実施態様(図11)によれば、シース−配置ライン構造物(12)の少なくとも一部分が、二次カテーテル(19a)、カテーテルルーメン、又は他の閉じ込め装置、例えば延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブ内に入れられている。制御ノブを引っ張ると、配置ラインが作動する。配置ラインが作動すると、除去可能シースが管腔内装置の周囲から移動するか、又は引っ込み始める。
【0017】
一実施態様によれば、除去されたシース材料がシースの受容端を超えて移動すると、シースが配置ラインに変換され始める。シースの配置ラインへの変換は、通常チューブ状シースが壊れ、分離し、収束して配置ライン材料となる点で開始する。好ましい実施態様によれば、シースの配置ラインへの変換を開始又は持続するための手段が設けられる。これらの手段は、シース材料に導入されたミシン目、応力ライザー又は他の機械的弱さの形態をとることができる。この手段は、供給カテーテル上に設けられたカッティングエッジ又は鋭利表面であってもよい。
【0018】
好ましい実施態様によれば、エンドプロスセシス(endo−prosthesis)又は管腔内装置と供給カテーテルとの間にコンプライアンス、圧縮性、弾力性及び/又は拡張性を示す、材料、複合体、構造物及び/又はアセンブリを配置して、「エンドプロスセシス取付け部材」を形成する。エンドプロスセシス取付け部材は、シースにより拘束されたときに管腔内装置を緩衝する役割を果たし、拘束がとかれたときに装置が拡張しやすくする。また、エンドプロスセシス取付け部材は、下に位置するカテーテルシャフトの周囲の所定の位置に管腔内装置を固定及び保持するとともに、配置システムのプロファイルを最小とする役割も果たす。エンドプロスセシス取付け部材で管腔内装置を固定することにより、管腔内装置のいずれかの端にバリヤーまた保持手段を設ける必要性がなくなる。バリヤー手段がないと、配置システムのプロファイルを減少させるだけでなく、システムの遠位部分の可撓性を増加できることを意味している。また、本発明では、シース−配置ライン用の追加のカテーテル又はカテーテルルーメンを設けて、配置ライン部分が、供給カテーテルにより確定された一般経路をでることのないようにすることもできる。一実施態様によれば、エンドプロスセシス取付け部材は、膨張性又は拡張性バルーンの形態である。本発明は、単独で使用してもよいし、又は他のプロテーゼ内供給手段と組み合わせて使用してもよい。また、複数のエンドプロスセシス装置を、本発明を用いて供給できる。
【0019】
したがって、本発明の一実施態様によれば、管腔内装置用配置システムであって、エンドプロスセシス取付け部材を備えた供給カテーテルに取付けられた拡張性管腔内装置と、前記管腔内装置をカバーするように適合された除去可能シースであって、前記管腔内装置の少なくとも一部分を包囲し、かつ、導入プロファイルにおいて前記装置を拘束するように適合されたフルオロポリマー材料を含むシースと、を備え、装置の配置を実施するための、前記シースと一体の配置ラインを備えており、そして配置すると、前記シースが前記配置ラインの作動により管腔内装置から分離し、前記シースが配置ラインとともに前記装置から除去された状態となる、配置システムが提供される。
【0020】
本発明の別の実施態様によれば、管腔内装置用配置システムであって、エンドプロスセシス取付け部材上に配置され、除去可能シースにより少なくとも部分的に取り囲まれている拡張性管腔内装置と、前記除去可能シースと一体の配置ラインであり、前記除去可能シースが、前記シースが前記管腔内装置から除去されるときに前記配置ラインに変換されるような配置ラインと、を備えた配置システムが提供される。
【0021】
本発明の配置システムの向上した特徴と他の特性は、以下の説明からよりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、シースの一体部である配置ライン又はフィラメントを備えた除去可能シースを有する管腔内装置用配置システムに関する。図12における矢印「x」と矢印「y」との間の空間における相対的な差から明らかなように、シース部分(12)は、管腔内装置(18a)を閉じ込めて、シースなしで可能であるよりも小さいプロファイルとしている。シースは、保存中及び患者の血管系への導入中は、管腔内装置をコンパクト化又は圧潰された形態で半径方向に閉じ込めている。装置が、カテーテルで、血管又は心内構造体における移植部位まで供給されるまで、閉じ込めシースは管腔内装置をコンパクト化した形態で維持している。配置時に、シースが管腔内装置から引っ込められる。ある実施態様によれば、シース材料は、シースが管腔内装置から除去されたときに、配置ライン材料に変換されることができる。シースが管腔内装置から除去されると、管腔内装置は自由に拡張する。閉じ込めシースから解放されると、管腔内装置は、自然にか、又は膨張性バルーンを用いて拡張できる。残りのシース材料は、配置ラインとともに、移植部位から除去できる。
【0023】
一体型シース−配置ラインは、好ましくは、構造物の長さに沿って連続している可撓性高分子材料である。好ましくは、シース部分の物理的及び機械的特性は、管腔内装置を拘束するのに使用されるシース部分の長さ全体を通じて均一及び均質である。ほとんどの管腔内装置は、一般的に円筒形態であるので、シースは、好ましくはチューブ状であり、管腔内装置のほとんど又は全てを取り囲むようになっている。シースについて、円錐、テーパー又は他の好適な形態も、本発明において意図される。シースの可撓性は、シースの壁をできる限り薄くすることにより高められる。本発明(20)の一実施態様によれば、シース−配置ラインのチューブ状シース部分(12a)は、単一壁を有する(図3)。配置ライン部分は、単一壁シース(12a)のどちらかの端部から延びていてもよい。シース部分は、管腔内装置の周囲から引っ込められると、後寄りのシースの長さは、管腔内装置の配置中にとって代わった配置ラインの長さと実質的に等しい。
【0024】
本発明(10)の別の実施態様によれば、シース−配置ラインのシース部分(12)は二重壁を有している(図1、2及び4〜11)。好ましい実施態様によれば、二重壁シース部分(12)は、それ自体が折り曲がった高分子材料からできている。二重壁シース部分を、管腔内装置(14)上に配置して、折り曲げ部(22)がシース部分(12)の遠位端(すなわち、コントロールノブから最も遠い)に位置するようにする。シース部分の内壁を、管腔内装置(14)に近位の下に位置している供給カテーテル(19)の部分に固定できる。好ましい実施態様によれば、シース部分(12)は、供給カテーテル(19)に結合していない。シースの外壁の近位端は、配置ライン(16)に変換できる少なくとも一つの部分又は一体延長部を有している。二重壁シース部分の壁間の空間に、流体、滑剤、医薬組成物及び/又はそれらの組み合わせを満たすことができる。配置ライン(16)は、供給カテーテル(19)を通って、配置システム(10)の近位端に位置するコントロールノブ(図示せず)まで設ける。別法として、別個のカテーテル(13)又はカテーテルルーメン(11)が、配置ライン用に設けられる(それぞれ図4及び図1)。これらの実施態様では、特に半径の小さい患者の脈管構造において曲げ又は湾曲が予想されるときに、配置ライン部の追加の閉じ込めが設けられる。最も好ましい実施態様(図11)によれば、シース−配置ライン構造物のシース部分は、供給カテーテル(19)の実質的に全長に延び、別個のカテーテル(19a)又はカテーテルルーメン内に閉じ込められる。配置ライン部分は、配置システムの近位端付近に形成され、コントロールノブ(図示せず)に結合される。
【0025】
好ましくは、シース部分の物理的且つ機械的性質は、管腔内装置を拘束するのに使用されるシース部分の長さ全体を通じて均一及び均質である。シース部分が管腔内装置の周囲から引っ込められると、後寄りシースの長さは、管腔内装置の配置中にとって代わられる配置ラインの長さの実質的に半分である。この除去される配置ラインの長さの除去されるシース材料の長さに対する比が2:1であると、急激過ぎたり又は強すぎる引っ張りが、シースから管腔内装置を解放するときに配置ラインに及ぼす影響が減少する。
【0026】
本発明の引き込み式チューブ状拘束シース−配置ライン構造物を製造するのに、フルオロポリマー材料が好ましい。本発明で使用されるフルオロポリマー材料は、強固で薄くて滑性があるものである。フルオロポリマー材料の滑性は、互いに又は管腔内装置上をスライドして通過する壁を備えたシース−配置ラインを利用する実施態様においてとりわけ有利である。特に好ましいフルオロポリマー材料は、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン材料の単独又はフッ素化エチレンプロピレン材料との組み合わせである。最も好ましいフルオロポリマー材料は、強固で薄い、例えば以下の例2に記載のものである。シース−配置ラインは、フィルム及び/又は膜の層から適切なチューブを構成することにより作製される。また、シース−配置ラインは、高分子材料の押出しから構成してもよい。押出しを、単独又はフィルム/膜材料と組み合わせて使用できる。一旦構成されたら、チューブの顕著な部分が、ローリング及び加熱によりフィラメント状にする。
【0027】
配置ラインを引っ張り、シース材料が分離して、収束して単一のフィラメントとすることにより、シースが配置ラインに変換される。シース材料がこのプロセスにより配置ラインに変換されると、配置ラインに対するシース供給材料のエッジが後退し、シースが管腔内装置の周囲から引っ込む。シースの一部分が引っ込むと、シースにより閉じ込められた管腔内装置の部分が自由に拡張する(図8〜図8A)。必要に応じて、シースの配置ラインへの変換を開始又は持続する手段が、配置システムに設けられる。図7に示すように、この手段には、ミシン目(71)、カットアウト(72)、又はシース材料に導入した他の人工的に設けた欠陥などがある。また、図5に示すように、この手段は、カッター(21)又は他の鋭利なエッジを供給カテーテルに備えていてもよい。このような切断手段は、強化用ステンレス鋼のストランドをカテーテル内から露出させ、ストランドをシース部分に割り込ませることにより、供給カテーテル上に形成できる。
【0028】
本発明の好ましい実施態様によれば、管腔内装置と供給カテーテルとの間に、コンプライアンス、圧縮性、弾力性及び/又は拡張性を示す、材料、複合体、構造物及び/又はアセンブリを配置して、「エンドプロスセシス取付け部材(18)」を形成してもよい。エンドプロスセシス取付け部材は、カバー(15)付きでも、カバーなしでもよい(図9)。管腔内装置の少なくとも一部分を、カバー付き又はカバーなしエンドプロスセシス取付け部材に圧入して、供給カテーテル上に管腔内装置を固定し、管腔内装置がカテーテルの長さに沿って動くのを防止する。粘着性表面を有する材料は、エンドプロスセシス取付け部材、特にエンドプロスセシス取付け部材と滑性シース材料との組み合わせの場合有用である。エンドプロスセシス取付け部材により、管腔内装置の近位端及び遠位端に、バリヤー又は保持手段を配置する必要がなくなる。バリヤー手段なしの配置システムにさらなる可撓性が付与される他に、バリヤー手段がないと、シースと管腔内装置との組み合わせのプロファイルが減少する。さらに別の実施態様によれば、エンドプロスセシス取付け部材は、膨張性バルーンの形態である(図10、部分18a)。エンドプロスセシス取付け部材に好適な材料には、シリコーン、シリコーンフォーム、ポリウレタン、ポリウレタンフォーム及びポリテトラフルオロエチレンフォーム又はそれらの組み合わせなどがあるが、これらには限定されない。エンドプロスセシス取付け部材を、接着剤、熱又は他の好適な手段により、供給カテーテルの外壁に結合する。
【0029】
非膨張性エンドプロスセシス取付け部材は、好ましくは高分子材料の形態のカバー(15)で取り囲む。高分子材料は、好ましくはフルオロポリマー系材料である。多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンは、圧縮性材料を取り囲むのに好ましいフルオロポリマーである。他の好適な高分子材料には、シリコーン、ポリウレタン、ポリエステル等があるが、これらには限定されない。
【実施例】
【0030】
例1
本例により、本発明の配置システムの構成を説明する。システムの構成は、拡張性ステントを収容するための遠位カテーテルシャフトの作製から開始した。遠位カテーテルを作製したら、拡張性ステントを、シース−配置ライン内に配置した。この組み合わせの遠位カテーテル部分を、一次カテーテルシャフトに結合した。次に、配置ライン部分を、一次カテーテルを介してコントロールノブまでの経路を走行させた。コントロールノブは、一次カテーテル上に近位に位置させたハブの一部であった。シース−配置ラインのシース部分は、単一壁チューブの形態であった。
【0031】
長さ76.2mm(3インチ)のチューブ状材料を、ニューヨーク州グレンズフォールズにあるBurnham Polymeric社から入手し、遠位カテーテルシャフトとして使用した。チューブは、一般的にPEBAX(登録商標)樹脂として知られているポリエーテルブロックアミド材料製であり、ステンレス鋼ブレードで強化されたものであった。外径(OD)は、1.01mmであり、内径(ID)は、0.76mmであった。次に、圧縮性材料の形態のエンドプロスセシス取付け部材をカテーテル上に配置した。
【0032】
カテーテル上にエンドプロスセシス取付け部材を配置するために、カテーテルを、外径が0.74mmであるマンドレルに取付けた。多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)フィルムを、米国特許第5814405号(Branca)(引用することにより、本明細書の内容とする)の教示に準じて得た。フッ素化エチレンプロピレン(FEP)の不連続コーティングを、米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じてePTFE材料の一方の側に適用した。幅2インチのePTFE−FEP複合フィルムの縁を、カテーテルシャフトに熱で結合させた。初期結合の後、このフィルムを、軽く張力をかけながら、カテーテルシャフトの周囲に45回巻いた。フィルムを5回巻くごとに、及び最終層上で、フィルム同士を、さらにはんだごてから供給される熱で結合させた。
【0033】
この操作により、遠位カテーテルシャフト上に、圧縮性材料の形態のエンドプロスセシス取付け部材、すなわちコンプライアント「ピロー」が形成された。拡張性ステントを、エンドプロスセシス取付け部材上に取り付けた。エンドプロスセシス取付け部材は、保存中、移植部位への供給中、及び移植部位での拡張性ステントの配置中、カテーテルシャフト上に拡張性ステントを保持する役割を果たす。必要に応じて、エンドプロスセシス取付け部材を、エラストマー材料、例えばシリコーン、ウレタン及び/又はフルオロエラストマーの薄コーティングにより強化できる。
【0034】
8セル、直径6mmのニチノールステントを、イスラエルのテルアビブにあるMedinol社から入手した。ステントを、拡張された状態でカテーテルのエンドプロスセシス取付け部材上に配置した。この組み合わせを、アセンブリのステント部分をエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧縮する機械的アイリスを備えた機械内に配置した。機械的アイリス機に保持しながら、ステントの温度を、室温(約22℃)から摂氏約5度(5℃)まで減少させた。減少させた温度で、アイリス機を作動させて、ステントをエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧潰させた。低温且つ圧縮された形態に保ちながら、カテーテル、エンドプロスセシス取付け部材及びステントを、本発明のシース−配置ライン内に配置した。
【0035】
長さが最終配置システムの長さに等しいか、又はそれよりも長いシース−配置ラインを、以下のようにして作製した。直径1.89mmのある長さのステンレス鋼マンドレル(約1m)を、総長さ約200cmのチューブ状押出しePTFE材料でカバーした。チューブ状ePTFE材料は、外径1.41mm、肉厚0.05mm、平均縦引張り強さ3.52kgf、平均円周方向強さ0.169kgfであった。またチューブ状ePTFE材料は、平均質量/長さ0.0473g/ft、平均マトリックス引張り強さ69125PSIであった。一方の端(近位端)で、チューブ状ePTFE材料を、マンドレル上でいっしょに束ねるとともに、ePTFE材料の反対端(遠位端)をマンドレル上で平滑なままとした。
【0036】
チューブ状ePTFE材料の最初の数センチメートルを捨て、押出しePTFE材料の遠位端(平滑化端)の次の5cmを、以下のようにして複合フルオロポリマー材料で強化した。ePTFEをカバーしたマンドレルを、フィルムラッピング機の保持チャックに結合させた。押出しePTFE材料の平滑部の端部から約5cmのところに位置する第一基準ラインを、永久マーカー(SHARPIE(登録商標)を用いてこの材料の周囲に引いた。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)からなる幅5cmの複合膜を、押出しePTFE材料上に、複合膜のFEP部分が押出しePTFE材料と対向するように、第一基準ラインから近位に適用した。複合膜を、押出しePTFE材料の一次強さが、マンドレルの縦軸に対して垂直に向くように、ePTFEカバー付マンドレルの周囲に2回ラッピングした。複合膜を、最初に押出しePTFE材料上に、はんだごてからの熱により粘着させた。複合ePTFE/FEP材料は、密度が約2.14g/cm3、厚さが0.005mm、引張り強さが第一の方向で約340KPa(約49000psi)、第二の方向(第一の方向に対して垂直)で約120KPa(約17000psi)であった。引張り測定を、Instron Tensile Machine(マサチューセッツ州カントンにあるInstron社製)で、負荷速度200mm/分、ジョー間隔2.5cm(1インチ)の条件で実施した。
【0037】
強化部に隣接するシース−配置ラインの構成材料を、マンドレルに沿って伸ばし、第二基準ラインを、材料の周囲に、第一基準ラインから5cmのところに引いた。
【0038】
シース−配置ライン構造物の第二部分を、以下のようにして強化した。第二基準ラインを、押出しePTFE材料の周囲に、第一強化部の近位端から5cmのところに引いた。上記ePTFE/FEP複合膜の幅2cmのストリップを整列するのに第二基準ラインを用い、複合膜を、押出しePTFE材料の残りの部分の周囲に一回ラッピングして、本発明のシース−配置ラインの第二強化部分を形成した。第二強化部分は、長さ約2cmであった。複合強化膜材料を、材料の主要強さコンポーネントがマンドレルの軸に平行であったことを除いて、上記と同様にして押出しePTFE材料に結合させた。
【0039】
構造にトラップされた空気を、構造の周囲にePTFEからなる犠牲層をぴっちりと適用することにより除去した。ePTFEからなる幅1インチ(2.54cm)のフィルムを、構造の強化部の周囲にらせん状にオーバーラップした。ePTFEフィルムからなる2層を、一方向に適用し、2層を反対方向に適用した。次に、犠牲層を備えた構造を、オーブン中に入れ、320℃で8分間加熱した。加熱したオーブンから取り出し、組み合わせ物を、室温まで冷却した。次に、犠牲ePTFE材料を、除去した。
【0040】
次に、構造物を、マンドレルから取り出し、別のマンドレル(直径1.83mm×長さ30.5cm)を、構造物の強化端部に挿入させた。マンドレルが強化端部を支持した状態で、長さ5mmのスリットを、シース−配置ライン構造物の強化部に対して近位に作製した。第二マンドレルを、構造物の内部に、構造物からでるスリット5mmまで入れた。近位端をフィルムラッパーチャックのチャックに入れ、強化構造物を備えたマンドレルを固定した状態で、フィルムラッパーを約2,800回転することにより、シース−配置ライン構造物の近位部分を、フィラメントに変換した。構造物をフィラメントにスパンした後、450℃に設定したはんだごてでフィラメントに熱を短時間かけてフィラメントを強化した。フィラメントを、約320℃に加熱した直径1.8cm×長さ3.8cmダウエル上を通過させることにより、強化したフィラメントを、平滑化し、直径をより均一にした。フィラメントに、わずかに張力をかけた状態で、角度45度で加熱したダウエル上を通過した。このプロセスを、フィラメントの全長についてさらに2回反復した。
【0041】
本発明のシース−配置ラインのフィラメント部分を、一次カテーテルのルーメンを介してルーティングし、コントロールノブに接続した。コントロールノブは、一次カテーテルの近位端に位置したハブの一部分であった。シース−配置ラインの配置ライン部分を引っ張ったとき、シース部分をステントの周囲から引っ込めた。
【0042】
例2
本例により、本発明の配置システムの構成を説明する。システムの構成は、拡張性ステントを収容するための遠位カテーテルシャフトの作製から開始した。遠位カテーテルを作製したら、拡張性ステントを、シース−配置ライン内に配置した。この組み合わせの遠位カテーテル部分を、一次カテーテルシャフトに結合した。次に、配置ライン部分を、一次カテーテルを介してコントロールノブまでの経路を走行させた。コントロールノブは、一次カテーテル上に近位に位置させたハブの一部であった。シース−配置ラインのシース部分は、二重壁チューブの形態であった。
【0043】
長さ76.2mm(3インチ)のチューブ状材料を、ニューヨーク州グレンズフォールズにあるBurnham Polymeric社から入手し、遠位カテーテルシャフトとして使用した。チューブは、一般的にPEBAX(登録商標)樹脂として知られているポリエーテルブロックアミド材料製であり、ステンレス鋼ブレードで強化されたものであった。外径(OD)は、1.01mmであり、内径(ID)は、0.76mmであった。次に、圧縮性材料の形態のエンドプロスセシス取付け部材をカテーテル上に配置した。 カテーテル上にエンドプロスセシス取付け部材を配置するために、カテーテルを、外径が0.74mmであるマンドレルに取付けた。多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)フィルムを、米国特許第5814405号(Branca)(引用することにより、本明細書の内容とする)の教示に準じて得た。フッ素化エチレンプロピレン(FEP)の不連続コーティングを、米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じてePTFE材料の一方の側に適用した。幅50.8mm(2インチ)のePTFE−FEP複合フィルムの縁を、カテーテルシャフトに熱で結合させた。初期結合の後、このフィルムを、軽く張力をかけながら、カテーテルシャフトの周囲に45回巻いた。フィルムを5回巻くごとに、及び最終層上で、フィルム同士を、さらに熱で結合させた。この操作により、遠位カテーテルシャフト上に、エンドプロスセシス取付け部材が形成された。拡張性ステントを、プロテーゼ内取付け部材上に取り付けた。エンドプロスセシス取付け部材は、保存中、移植部位への供給中、及び移植部位での拡張性ステントの配置中、カテーテルシャフト上に拡張性ステントを保持する役割を果たす。必要に応じて、エンドプロスセシス取付け部材を、エラストマー材料、例えばシリコーン、ウレタン及び/又はフルオロエラストマーの薄コーティングにより強化できる。
【0044】
8セル、直径6mmのニチノールステントを、イスラエルのテルアビブにあるMedinol社から入手した。ステントを、拡張された状態でカテーテルのエンドプロスセシス取付け部材上に配置した。この組み合わせを、アセンブリのステント部分をエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧縮する機械的アイリスを備えた機械内に配置した。機械的アイリス機に保持しながら、ステントの温度を、室温から摂氏約5度(5℃)まで減少させた。減少させた温度で、アイリス機を作動させて、ステントをエンドプロスセシス取付け部材上でコンパクト化又は圧潰させた。低温且つ圧縮された形態に保ちながら、カテーテル、エンドプロスセシス取付け部材及びステントを、本発明のシース−配置ライン内に配置した。
【0045】
長さが最終配置システムの長さに等しいか、又はそれよりも長いシース−配置ラインを、以下のようにして作製した。直径1.73mmのステンレス鋼マンドレルを、ePTFEからなる犠牲層でカバーした。犠牲ePTFE材料は、マンドレルからシース−配置ラインを取り出すのに役立つ。薄ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜をマンドレルに2回巻いた。フィルムの一次強さがマンドレルの縦軸に平行になるように、ePTFE膜を適用した。はんだごてを用いて熱をかけることにより、フィルムを最初に所定の位置に粘着させた。膜厚は約0.0002”(0.005mm)であり、引張り強さは、第一の方向で約49000psi(約340KPa)であり、第二方向(第一方向に対して垂直)で約17000psi(約120KPa)であった。引張り測定を、負荷速度200mm/分、ジョー間隔1”(2.5cm)の条件で実施した。膜の密度は、約2.14g/cm3であった。米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じて一方の側にFEPコーティングを適用することにより、膜をさらに改質した。次に、米国特許第5476589号(Bacino)の教示に準じて作製し、ePTFEフィルムの一方の側に適用したFEP材料からなる不連続層でさらに修正した別のePTFEフィルムを、構造物の一端(幅約1”)に2回巻いて適用した。米国特許第5476589号は、引用することにより、本明細書の内容とする。これらの2つのラッピングは、フィルムの一次強さ方向は、マンドレルの縦軸に対して垂直であった。フィルムのこれらの層により、シース−配置ライン構造物に対してさらなる「フープ」又は「放射状」強さを付与する。マンドレル及びシース−配置ライン構造物を、イリノイ州ラウンドレークにあるThe Grieve Corporationから入手した空気対流オーブンに入れ、320℃で12分間熱処理に付した。空冷した後、ePTFE/FEPチューブ構造物をマンドレルから取り出し、犠牲ePTFE層を除去した。本例において、ステントの端部を超えて延びるある長さのシース−配置ラインを設けた。さらなる長さのシース−配置ラインを、ステントを取り囲んでいるシース部分上に折り返して二重壁構造物を形成した。二重壁シース−配置ラインは、内壁及び外壁を有していた。内壁は、ステントに対向しており、外壁は、構造物の一体的配置ライン部分を含んでいた。次に、構造物を、熱と標準材料を用いて一次カテーテルシャフトに結合させた。
【0046】
シース−配置ラインの配置ライン部分を、シース−配置ラインをその長さに沿って、近位端からステントを囲んでいるシース部分まで(しかしながら、含んでいない)分割することにより作製した。このようにして得られた材料を、ローリングすることにより集めてフィラメント状にした。材料に熱を加えてフィラメント状の形態に材料を固定した。配置ラインフィラメントを、一次カテーテルにおけるルーメンを介して設け、コントロールノブに接続した。コントロールノブは、一次カテーテルの近位端に位置するハブの一部分であった。シース−配置ラインの配置ライン部分を引っ張ったときに、シース部分がステントの周囲から引っ込んだ。
【0047】
例3
本例により、ミシン目及び意図する応力ライザーをシースに導入することにより、シース−配置ラインのシース部分の配置ラインへの変換を開始又は維持するための手段の組み込みについて説明する。
【0048】
例2で得たシース−配置ラインを、以下のように修正する。シース部分を二重壁構造物にローリングし、ステントを中にローディングする前に、シースにミシン目を入れ、及び/又は配置ライン部分の引っ込みによりチューブ状シースが分離しやすくする「応力ライザー」を設けた。ミシン目又は応力ライザーを形成するために好適なレーザーは、アリゾナ州スコッツデールにあるUniversal Laser Systems社から入手した20ワットCO2レーザーである。シース部分にミシン目を形成するために、シースを、サンドブラスしたステンレス鋼マンドレルに配置し、レーザーをあてて、次に二重壁構造物の外壁としての役割を果たすチューブの一部分に一連の穴を切断して設けた。穴の形状は、用途に応じて変更できる。ミシン目を設けたシース部分を、例2で記載した本発明の配置ラインシステム上に使用する。本例では、カテーテルのハブ端部の配置ライン部分に張力をかけることにより、ステントの周囲からシースの引っ込みが生じ、またミシン目でシースの分離が生じる。シース部分が分離されると、シース材料が配置ラインに変換できる。
【0049】
例4
本例により、適切な分割手段を使用することにより、シース−配置ラインのシース部分の配置ラインへの変換を開始又は維持するための手段の組み込みについて説明する。
【0050】
例2で得た一次カテーテルを以下のようにして修正する。カテーテルの主要部に、180度反対で且つカテーテルルーメンへの配置ライン部分の入り点に対してわずかに遠位の壁にノッチを設ける。ノッチをさらに修正して、ノッチに小さな切断エッジを形成する。一実施態様によれば、切断エッジは、簡単に熱、接着剤等によりノッチに結合される。別の実施態様によれば、使用した金属ブレードの一部分を露出してカテーテルシャフトを強化し、ブレードを切断エッジにすることにより、切断エッジを形成する。本例では、カテーテルのハブ端の配置ライン部分に張力をかけることにより、ステント周囲からシースの引っ込みが生じ、ミシン目でのシースの分割が生じる。シース部分が分離すると、シース材料が配置ラインに変換できる。
【0051】
例5
本例では、自己拡張性装置だけでなくバルーン拡張性装置の両方の供給及び配置に使用される本発明の配置システムの構成について説明する。本例の配置システムでは、膨張性バルーンの形態のプロテーゼ内取付け部材を使用する。
【0052】
長さが最終配置システムの長さに等しいか、又はそれよりも長いシース−配置ラインを、以下のようにして作製する。直径1.73mmのステンレス鋼マンドレルを、ePTFEからなる犠牲チューブでカバーする。犠牲ePTFE材料は、マンドレルからシース−配置ラインを取り出すのに役立つ。薄ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜をマンドレルに2回巻く。フィルムの一次強さがマンドレルの縦軸に平行になるように、ePTFE膜を適用する。はんだごてを用いて熱をかけることにより、フィルムを最初に所定の位置に粘着させる。膜厚は約0.0002”(0.005mm)であり、引張り強さは、第一の方向で約49000psi(約340KPa)であり、第二方向(第一方向に対して垂直)で約17000psi(約120KPa)であった。引張り測定を、負荷速度200mm/分、ジョー間隔1インチ(2.5cm)の条件で実施する。膜の密度は、約2.14g/cm3である。米国特許第6159565号(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じて一方の側にフッ化エチレンプロピレン(FEP)コーティングを適用することにより、膜をさらに修正する。次に、米国特許第5476589号(Bacino)(引用することにより、本明細書の内容とする)の教示に準じて作製し、ePTFEフィルムの一方の側に適用したFEP材料からなる不連続層でさらに修正した別のePTFEフィルムを、構造物の一端(幅約1”)に2回巻いて適用する。これらの2つのラッピングは、フィルムの一次強さ方向は、マンドレルの縦軸に対して垂直である。フィルムのこれらの層により、シース−配置ライン構造物に対してさらなる「フープ」又は「放射状」強さを付与する。マンドレル及びシース−配置ライン構造物を、イリノイ州ラウンドレークにあるThe Grieve Corporationから入手した空気対流オーブンに入れ、320℃で12分間熱処理に付する。空冷した後、ePTFE/FEPチューブ構造物をマンドレルから取り出し、犠牲ePTFE層を除去する。この構造物の拡張性ステント上への配置及びそこからの配置ライン部分の形成について、以下で説明する。
【0053】
図10に示すように、イスラエル国テルアビブにあるMedinol社製バルーン拡張性NIRflex(商標)ステント(14)を、供給カテーテルシャフト(19)に取り付けた収縮且つ圧潰された血管形成バルーン上に配置しコンパクト化する。血管形成バルーンを、US5752934(Campbell等)(引用することにより、本明細書の内容とする)に準じて作製する。このバルーンは、商品名APTERA(登録商標)血管形成バルーンとして、アリゾナ州フラッグスタッフにあるW.L.Gore & Associates社から入手できる。APTERA(登録商標)血管形成バルーンは、コンパクト化ステント(14)を受容し且つ保持するためのプロテーゼ内取付け部材(18a)としての役割を果たす。
【0054】
ステントをコンパクト化構成に閉じ込めた状態で、ある長さのシース−配置ライン(12)を、コンパクト化ステント上に配置し、ステントの端部を超えて延ばす。シース−配置ラインの追加の長さを、ステントを取り囲むシース部分上に折り返して二重壁構造物を形成する。二重壁シース−配置ラインは、内壁と外壁を備えている。内壁はステントと対向しており、外壁は、構成物の一体配置ライン部分を備えている。
【0055】
シース−配置ラインの配置ライン部分は、シース−配置ラインをその長さに沿って近位端からある距離について遠位端の方向に分割することにより形成する。スリットは、長さは約1cmから、ステントを取り囲んでいるシース部分まで(しかしながら、それを含まない)のシース−配置ラインの構造の実質的に全長の範囲であることができる。供給カテーテルの近位端付近に配置ライン部分を形成することが好ましい。このようにして得られた材料を、いっしょにローリングによりフィラメントとする。材料に熱を加え、材料をフィラメントの形態に固定する。シース−配置ラインを、供給カテーテルにおける専用ルーメンを介して設け、配置ライン部分がコントロールノブに結合されているハブからでるようにする。コントロールノブは、一次カテーテルの近位端に位置するハブの一部分である。シース−配置ラインの配置ライン部分に張力をかけると、シース部分が、ステントの周囲から引っ込む。下に位置するステントからシース部分を除去すると、ステントが自由に拡張する。本例のNIRflex(商標)ステントは、APTERA(登録商標)血管形成バルーンを膨張させることにより拡張する。ステントが拡張されたら、バルーンを収縮させ、供給カテーテルを、シース−配置ライン構造物とともにインプラントレシピエントから除去する。自己拡張性ステントを本発明で使用するとき、バルーンがエンドプロスセシス取付け部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の縦断面図である。
【図1A】図1の拡大図である。
【図2】本発明の斜視図である。
【図3】本発明の縦断面図である。
【図3A】図3の拡大図である。
【図4】本発明の縦断面図である。
【図4A】図4の拡大図である。
【図5】本発明の縦断面図である。
【図5A】図5の拡大図である。
【図6】本発明の縦断面図である。
【図6A】図6の拡大図である。
【図7】本発明の縦断面図である。
【図7A】図7の拡大図である。
【図7B】矢印により示された方向から見た図7Aの実施態様である。
【図7C】矢印により示された方向から見た図7Aの実施態様である。
【図8】血管又は心臓構造内に配置された本発明の縦断面図である。
【図8A】血管又は心臓構造内に配置された本発明の縦断面図である。
【図9】プロテーゼ内取付け部材上に配置したカバーを備えた本発明の縦断面図である。
【図9A】プロテーゼ内取付け部材上に配置したカバーなしの本発明の縦断面図である。
【図10】プロテーゼ内取付け部材を下に位置する供給カテーテルと管腔内装置との間に配置したプロテーゼ内取付け部材を備えた本発明の縦断面図である。
【図11】シース−配置ライン構造物の実質的に全長上に配置した外カテーテル又はチューブを備えた本発明の縦断面図である。
【図12】本発明のシース−配置ラインを有する第二寸法に限定された第一寸法を備えた圧潰膨張性バルーンの形態の管腔内装置を示す本発明の縦断面図である。
【図13】シースを管腔内装置の周囲から除去するための手段としての本発明のシース部分に結合した活性弾性要素を示す、本発明の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内装置用配置システムであって、
エンドプロスセシス取付け部材上に配置され、除去可能シースにより少なくとも部分的に取り囲まれている拡張性管腔内装置と、
前記除去可能シースと一体の配置ラインであり、前記シースが前記管腔内装置から除去されるときに前記除去可能シースが前記配置ラインに変換されるような配置ラインと、
を備えた配置システム。
【請求項2】
前記シースが、押出し薄肉チューブの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項3】
前記シースが、薄連続フィルムの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項4】
前記シースが、薄連続フィルムチューブで補強された押出し薄肉チューブの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項5】
前記シースが、エンドプロスセシス取付け部材を閉じ込めて、前記シースのないエンドプロスセシス取付け部材よりも供給カテーテル上のプロファイルを小さくする、請求項1に記載の配置システム。
【請求項6】
前記除去可能シースが分割されて、前記シースが配置ラインに変換される、請求項1に記載の配置システム。
【請求項7】
前記シースが、二重層において前記管腔内装置を包囲する連続フィルムを備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項8】
前記シースが、二重層において管腔内装置を包囲する押出しフルオロポリマーチューブを備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項9】
前記シースが、前記シース長さの少なくとも一部分上で配置ラインに変換できる、請求項7に記載の配置システム。
【請求項10】
前記エンドプロスセシス取付け部材内に配置されたカテーテルをさらに備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項11】
前記エンドプロスセシス取付け部材が膨張性バルーンの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項12】
前記膨張性バルーンがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の配置システム。
【請求項13】
前記エンドプロスセシス取付け部材が、非膨張性である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項14】
前記カテーテルが、単一のルーメンを備えている、請求項10に記載の配置システム。
【請求項15】
前記供給カテーテルの少なくとも一部分上に同軸で配置された第二カテーテルの少なくとも一部分をさらに備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項16】
第二カテーテルの前記少なくとも一部分は、前記シース−配置ラインを実質的に閉じ込めるものである、請求項15に記載の配置システム。
【請求項17】
前記除去可能シースの前記配置ラインへの変換を開始するための手段を前記カテーテル上にさらに備えている、請求項10に記載の配置システム。
【請求項18】
前記除去可能シースが、前記手段により分割されて、前記除去可能シースの前記配置ラインへの変換が開始される、請求項1に記載の配置システム。
【請求項19】
前記除去可能シースが、高分子材料製である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項20】
前記高分子材料が、フルオロポリマーを含む、請求項19に記載の配置システム。
【請求項21】
前記フルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項20に記載の配置システム。
【請求項22】
前記ポリテトラフルオロエチレンが、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項21に記載の配置システム。
【請求項23】
前記多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンが、チューブの形態である、請求項22に記載の配置システム。
【請求項24】
前記チューブが、厚さ0.05mm未満の壁を備えている、請求項23に記載の配置システム。
【請求項25】
前記除去可能シースの第一の部分が、前記自己拡張性管腔内装置の少なくとも一部分を実質的に包囲し、前記除去可能シースの第二の部分が、前記第一部分を実質的にカバーしている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項26】
前記配置ラインが、前記除去可能シースの第二の部分と一体である、請求項25に記載の配置システム。
【請求項27】
前記シースが、カテーテルシャフトに結合されていない、請求項1に記載の配置システム。
【請求項1】
管腔内装置用配置システムであって、
エンドプロスセシス取付け部材上に配置され、除去可能シースにより少なくとも部分的に取り囲まれている拡張性管腔内装置と、
前記除去可能シースと一体の配置ラインであり、前記シースが前記管腔内装置から除去されるときに前記除去可能シースが前記配置ラインに変換されるような配置ラインと、
を備えた配置システム。
【請求項2】
前記シースが、押出し薄肉チューブの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項3】
前記シースが、薄連続フィルムの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項4】
前記シースが、薄連続フィルムチューブで補強された押出し薄肉チューブの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項5】
前記シースが、エンドプロスセシス取付け部材を閉じ込めて、前記シースのないエンドプロスセシス取付け部材よりも供給カテーテル上のプロファイルを小さくする、請求項1に記載の配置システム。
【請求項6】
前記除去可能シースが分割されて、前記シースが配置ラインに変換される、請求項1に記載の配置システム。
【請求項7】
前記シースが、二重層において前記管腔内装置を包囲する連続フィルムを備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項8】
前記シースが、二重層において管腔内装置を包囲する押出しフルオロポリマーチューブを備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項9】
前記シースが、前記シース長さの少なくとも一部分上で配置ラインに変換できる、請求項7に記載の配置システム。
【請求項10】
前記エンドプロスセシス取付け部材内に配置されたカテーテルをさらに備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項11】
前記エンドプロスセシス取付け部材が膨張性バルーンの形態である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項12】
前記膨張性バルーンがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の配置システム。
【請求項13】
前記エンドプロスセシス取付け部材が、非膨張性である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項14】
前記カテーテルが、単一のルーメンを備えている、請求項10に記載の配置システム。
【請求項15】
前記供給カテーテルの少なくとも一部分上に同軸で配置された第二カテーテルの少なくとも一部分をさらに備えている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項16】
第二カテーテルの前記少なくとも一部分は、前記シース−配置ラインを実質的に閉じ込めるものである、請求項15に記載の配置システム。
【請求項17】
前記除去可能シースの前記配置ラインへの変換を開始するための手段を前記カテーテル上にさらに備えている、請求項10に記載の配置システム。
【請求項18】
前記除去可能シースが、前記手段により分割されて、前記除去可能シースの前記配置ラインへの変換が開始される、請求項1に記載の配置システム。
【請求項19】
前記除去可能シースが、高分子材料製である、請求項1に記載の配置システム。
【請求項20】
前記高分子材料が、フルオロポリマーを含む、請求項19に記載の配置システム。
【請求項21】
前記フルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項20に記載の配置システム。
【請求項22】
前記ポリテトラフルオロエチレンが、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項21に記載の配置システム。
【請求項23】
前記多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンが、チューブの形態である、請求項22に記載の配置システム。
【請求項24】
前記チューブが、厚さ0.05mm未満の壁を備えている、請求項23に記載の配置システム。
【請求項25】
前記除去可能シースの第一の部分が、前記自己拡張性管腔内装置の少なくとも一部分を実質的に包囲し、前記除去可能シースの第二の部分が、前記第一部分を実質的にカバーしている、請求項1に記載の配置システム。
【請求項26】
前記配置ラインが、前記除去可能シースの第二の部分と一体である、請求項25に記載の配置システム。
【請求項27】
前記シースが、カテーテルシャフトに結合されていない、請求項1に記載の配置システム。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−125422(P2007−125422A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4704(P2007−4704)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【分割の表示】特願2006−502841(P2006−502841)の分割
【原出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【分割の表示】特願2006−502841(P2006−502841)の分割
【原出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
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