説明

管路の接続構造

【課題】管路である送風機本体の吹き出し口に管路であるノズルを簡単な操作を通じて確実かつ適切に接続するための管路接続構造を提供する。
【解決手段】エアダスタ1の吹き出し口11とノズル2とを軸線m方向に嵌め合わせて接続するために、吹き出し口11に対しその開口端1c近傍の周壁に円周方向に延び終端に向かって開口端1cから遠ざかる方向に偏位する取り付け溝3を形成する一方、ノズル2の開口端近傍の周壁に吹き出し口1の取り付け溝3に係り合う突起4を設け、ノズル2を吹き出し口11に軸線m方向に嵌め合わせて円周方向に相対回転させることによって、取り付け溝3と突起4とのガイド作用で吹き出し口11とノズル2との間に軸線m方向への引き寄せ力が生じるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路と管路の間を簡単な操作で適切に引き寄せて接続することができるようにした管路の接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
管路の接続を要するものとして、例えば、特許文献1に示されるような送風機が挙げられる。
【0003】
この送風機は、管路である吸込み口を有するハウジング内に羽根車を設け、羽根車の回転運動によって空気を圧送するもので、ハウジングの側面には羽根車を回転させる電動機が取り付けられ、塵芥、落葉や木片等を吹き飛ばす吹出し作業に用いる場合、送風機の吹出し口には別の管路である付属品のノズルが取り付けられる。一方、塵芥、小さな木片等を集める清掃作業に用いる場合、送風機の吹出し口には管路を有する付属品の集塵袋が取り付けられる。
【0004】
このように送風機では、吸込み及び吹出し作業に応じ、吹出し口の先端に集塵袋あるいはノズルを付け替える必要がある。集塵袋あるいはノズルを付け替えるため、送風機の吹出し口にはL字形状の取付け溝が形成される。この取付け溝に集塵袋あるいはノズルに設けられた係合用の突起を係合させることで、吹出し口に集塵袋あるいはノズルが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4083999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、同文献のものは、成型時のバリの発生を防ぐ等の目的で、前記取付け溝が前記取付け部の内壁面から外壁面まで貫通しないように底を有し、前記取付け部の中心から前記底の表面までの距離が、周方向において増加することで、回すにつれて締め付けがきつくなるように構成されている。
【0007】
しかしながら、厚みを変化させて締め付けるだけの構造では、軸線方向に本体とノズルを引き寄せる効果はなく、円周方向にノズルを回転させて送風機本体の吹き出し口を厚み方向に変形させるときの密着力でノズルを回転位置に保持し、同時に吹き出し口とノズルの間をシールしなければならない。このため、ある程度の締め付け操作力を必要とするものである。
【0008】
本発明は、このような点に着眼し、より簡単に操作できて、これらのノズルや送風機本体のごとき管路同士を確実かつ適切に取り付けることができる管路の接続構造を新たに提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0010】
すなわち、本発明に係る管路の接続構造は、筒状の管路同士を軸線方向に嵌め合わせて接続するためのものであって、一方の管路の開口端近傍の周壁に円周方向に延び終端に向かって前記開口端から遠ざかる方向に偏位する取り付け溝を形成する一方、他方の管路の開口端近傍の周壁に前記一方の管路の取り付け溝に係り合う突起を設け、両管路を軸線方向に嵌め合わせて円周方向に相対回転させることによって、前記取り付け溝と前記突起とのガイド作用で管路間に前記軸線方向への引き寄せ力が生じるようにしたことを特徴とする。
【0011】
このように構成すると、回すことによる分力で管路同士を引き寄せて密着させるので、ねじ送り的な軽い操作感で接続操作を行うことができる。しかも、所定位置までは軸線方向に沿って管路同士を嵌め合わせばよいので、ねじ送りのように多くの回転操作を必要とすることもない。
【0012】
突起を取り付け溝に沿って終端まで円滑にガイドするためには、取り付け溝が、軸線方向溝と円周方向溝からなるL字状に形成され、円周方向溝は、開口端に近い側の溝縁が終端近くで溝幅を狭めながら開口端から遠い側の溝縁に近づく方向へ偏位していることが望ましい。
【0013】
特に、操作性と接続状態の安定性を高めるためには、開口端に近い側の溝縁の終端近くに、開口端から遠い側の溝縁に向かって突出する抵抗部を設け、突起が終端に向かって移動する際に抵抗部における通過抵抗が一時的に増大するようにしていることが好ましい。
【0014】
操作力を的確に接続状態に反映するためには、両管路にそれぞれ軸線方向に突き当たる当たり面を設定するとともに、何れかの当り面において内部流路を包囲する位置に弾性シール部を設け、当該弾性シール部を押し潰しながら両管路同士が軸線方向に引き寄せられるようにしておくことが効果的である。
【0015】
何れかの管路の当たり面が外方端面に設定されていて、当該管路が非接続状態で使用される可能性があるときには、この外方端面に軟質樹脂からなる弾性シール部を設けておくことが好ましい。
【0016】
シール効果を一層高めるためには、外方端面における内部流路の出入口の開口縁に沿って前記当たり面に前記弾性シール部を設ける一方、この管路に嵌め合わす側の管路の当たり面が内部流路に臨む内方端面であり、これら内方端面と外方端面との間で弾性シール部が押し潰されるようにしていることが望ましい。
【0017】
弾性シール部から取り付け溝に流体が漏れることを防止するためには、一方の管路が、開口端を含む直線状流路接続部と、この直線状流路接続部に連続するテーパ状流路接続部とを備える一方、他方の管路が、開口端を含むテーパ状流路接続部と、このテーパ状流路接続部に連続する直線状流路接続部とを具備し、一方の管路のテーパ状流路接続部における外周に取り付け溝を形成し、他方の管路のテーパ状流路接続部における内周に突起を形成して、直線状流路接続部同士、テーパ状流路接続部同士を互いに嵌め合わせるようにしていることが好適である。
【0018】
かかる接続構造を、送風機本体の管路である吹き出し口と、これに着脱可能に取り付けられる管路であるノズルとの間に適用すれば、手軽な操作を通じてノズルを吹き出し口に、送風効率を落とさずに簡易に着脱可能とする送風機を構成することができる
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上説明した構成であるから、筒状の管路同士を軸線方向に嵌め合わせた後に僅かに回転させるだけで適切に引き寄せて取り付けることができ、脱着が容易で接続状態も適切ならしめた、新規有用な管路の接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る接続構造を適用したエアダスタの斜視図。
【図2】同実施形態に係るエアダスタ本体の吹き出し口の構造を示す図。
【図3】同実施形態に係るノズルの構造を示す図。
【図4】同実施形態に係るエアダスタ本体の吹き出し口とノズルの軸線方向の嵌め合い手順を示す断面図。
【図5】同実施形態に係るエアダスタ本体とノズルの円周方向の嵌め合い手順を示す図。
【図6】同嵌め合い時の突起と取り付け溝の作用を示す要部拡大図。
【図7】同接続構造によってエアダスタ本体の吹き出し口にノズルを取り付けたエアダスタを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示す送風機の一種であるエアダスタは、エアダスタ本体1に必要に応じて付属品であるノズル2を着脱可能に取り付けて使用されるものであり、エアダスタ本体1に備わる管路である吹き出し口11と、それ自体が管路であるノズル2との間に、本実施形態に係る管路の接続構造を適用している。
【0023】
エアダスタ本体1は、両端に吹き出し口11と吸込み口12とを開口させた筐体1aと、この筐体1aに接続されたグリップ1bとを備えたもので、筐体1aの内部に空気圧縮部13およびモータ3を内設し、グリップ1bに電池部15やスイッチ部16を付帯させ、グリップ1bを把持した状態でスイッチ部16に指を掛けて使用することができるものである。吹き出し口11は漸次内部流路の狭まるテーパ状(ホーン状)をなしている。
【0024】
一方、ノズル2は、両端に接続口20と噴射口21とを備え、接続口20を図7に示すように前記吹き出し口11を塞ぐ位置に着脱可能に接続して、エアダスタ本体1の吹き出し口11の内部流路を通って吹き出した空気をノズル2内の細径な内部流路に沿ってさらに流通させるものである。
【0025】
以下、エアダスタ本体1の吹き出し口11とノズル2の接続口20との接続構造についてより詳細に説明する。
【0026】
エアダスタ本体1の吹き出し口11は、図2に示すように、開口端1cを含む直線状流路接続部11aと、この直線状流路接続部11aに連続するテーパ状流路接続部(ホーン部)11bとからなり、対するノズル2の接続口20は、図3に示すように、開口端2aを含むテーパ状流路接続部21aと、このテーパ状流路接続部21aに連続する直線状流路接続部21bと、更にこの直線状流路接続部21bに連続するより細径なノズル部21cとからなるもので、図4(a)→(b)に示すように、ノズル2のテーパ状流路接続部21aを吹き出し口11の直線状流路接続部11aの外側に嵌め合わせて軸線m方向に移動させ、さらにテーパ状流路接続部11bの一部に嵌め合わせたときに、ノズル2の直線状流路接続部21bも吹き出し口11の直線状流路接続部11aに嵌め合わされた状態が得られるように設定している。その際、予め吹き出し口11の開口端1c近傍の周壁であるテーパ状流路接続部11bの外周に取り付け溝3を形成するとともに、ノズル2の開口端2a近傍の周壁であるテーパ状流路接続部21aの内周に略円柱状の突起4を形成しておき、図1に矢印で示すように軸線m方向への最初の操作によって突起4を図4(a)→(b)に示すように取り付け溝3に侵入させて嵌め合い位置に移動させ、そこから更にノズル2を図7に矢印で示すように吹き出し口11に対して相対回転させることによって、図5等に示すように突起4を取り付け溝3の終端3bにまで移動させるようにしている。
【0027】
取り付け溝3は、図2等に示すように、直線状流路接続部11aとテーパ状流路接続部11bの境目付近から始まり当該テーパ状流路接続部11bの外周側に広がる位置に形成されたもので、軸線m方向(一部は母線方向)に延びる軸線方向溝31と、軸線m方向と直交する円周方向に延びる円周方向溝32とを連続させたL字形状をなしている。円周方向溝32は、吹き出し口11の開口端1cから遠い側の溝縁32aが円周方向に沿って直線状に延びているのに対して、吹き出し口11の開口端1cに近い側の溝縁32bは図6に示すように円周方向に沿って直線状に延びた後、終端近くで吹き出し口11の開口端1cから遠い側の溝縁32aに近づく方向に偏位しており(偏位量δ)、かつ、当該円周方向溝32の終端の溝幅d2は始端の溝幅d1よりも幅狭なものものとなっている。また、前記円周方向溝32のうち、図2に示す吹き出し口11の開口端1cに近い側の溝縁32bの終端近くに、当該開口端11cから遠い側の溝縁32aに向かって溝縁32aを隆起させることによる抵抗部32cを設けている。具体的には、この抵抗部32cにおける取り付け溝3の溝幅d3は突起4の径と同一または何れか一方が僅かに大きい関係にあるようにして、突起4が終端に向かって移動する際に抵抗部32cにおいて通過抵抗が一時的に増大するように設定している。適度の通過抵抗が付与できれば、突起4や取り付け溝3の一部が弾性変形するか否かは問わない。このような取り付け溝3は、図2等に示すように軸心を挟んで対向する2箇所に点対象に設けられている。
【0028】
一方の突起4は、図3及び図6等に示すように、前記ノズル2のテーパ状流路接続部21aの内周面から内側に向けて突出する概略円柱状のもので、ノズル2が吹き出し口11に嵌り合い(図4(b)参照)そこから更に回転した図5及び図6に示す状態では、突起4が取り付け溝3から直接抜脱しないように取り付け溝3に対する突出量その他の寸法関係が設定してある。取り付け溝3の溝底3x(図4(a)参照)がテーパ面に沿って傾斜しているため、突起4の突出端面4xも取り付け溝3の溝底3xに沿って傾斜している。溝3の深さ方向と突起4の突出方向は、ともに軸線mと略直交するラジアル方向(図4における符号Rの方向)を向いている。
【0029】
またエアダスタ本体1には、図2及び図4等に示すように基端側にエラストマ等の軟質樹脂で構成されたキャップ部材5が装着されている。エアダスタ本体1は、図2に示すように、前記直線状流路接続部11aの基端側に小径な鍔部11a1が外向き円環溝11a2で区画された状態で形成されており、キャップ部材5には、前記鍔部11a1に嵌り合う内向き円環溝5a1と、前記外向き円環溝11a2に嵌り合う突条5a2とが形成されている。
【0030】
そして、図4に示すように、エアダスタ本体1に付帯するキャップ部材5の外方端面5cを当たり面とする一方、ノズル2側において直線状流路接続部21bの内面とノズル部21cの内面との境目に段差を設けることによって当該段差の内方端面2caを当たり面2cとして、ノズル2をエアダスタ本体1の吹き出し口11に嵌め合わせた際に突起4が図6に示す取り付け溝3の円周方向溝32の始端(入口)に達し、同時に図4(b)に示すようにそれらの当たり面2c、5c同士が突き当たる関係に設定してある。
【0031】
なお、キャップ部材5の外方端面5cにおける内部流路の出入口を包囲する位置には、当該外方端面5cよりも突出した円環状の弾性シール部51がキャップ部材5とともに樹脂一体形成してあり、ノズル2をエアダスタ本体1の吹き出し口11に図4(a)→(b)に示すように嵌め合わせた際に、この弾性シール部51が外方端面5cと内方端面2caの間で押し潰されるようにしている。この弾性シール部51の介在した構造において、吹き出し口11の内部流路とノズル2の内部流路との継目には段差や隙間が殆ど無いか若しくは極めて小さい状態となるようにしている
【0032】
図3において符号6で示すものは、ノズル2の先端に必要に応じて装着されるノズル先端部材である。このノズル先端部材も、エラストマ等の軟質樹脂で構成されている。また、図1において符号6で示すものは、不使用時にノズル2を装着しておくためのホルダである。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る管路の接続構造は、筒状の管路であるエアダスタ1の吹き出し口11とノズル2とを軸線m方向に嵌め合わせて接続するために、吹き出し口11に対しその開口端1c近傍の周壁に円周方向に延び終端に向かって前記開口端1cから遠ざかる方向に偏位する取り付け溝3を形成する一方、ノズル2の開口端2a近傍の周壁に前記吹き出し口1の取り付け溝3に係り合う突起4を設け、ノズル2を吹き出し口11に軸線m方向に嵌め合わせて円周方向に相対回転させることによって、前記取り付け溝3と前記突起4とのガイド作用で吹き出し口11とノズル2との間に前記軸線m方向への引き寄せ力が生じるようにしたものである。
【0034】
このように構成すると、ノズル2を回すことによる分力でノズル2が吹き出し口11に引き寄せられて密着されるので、ねじ送り的な軽い操作感で接続操作を行うことができる。しかも、所定位置までは軸線m方向に沿って吹き出し口11とノズル2を嵌め合わせばよく、回転操作は僅かであるので、ねじ送りのように多くの回転操作を必要とすることもなく、簡易な操作性を実現することができる。
【0035】
具体的には、取り付け溝3が、軸線方向溝31と円周方向溝32からなるL字状に形成され、円周方向溝32は、吹き出し口11の開口端1cに近い側の溝縁32bが終端近くで溝幅をd2からd1に狭めながら前記開口端1cから遠い側の溝縁32aに近づく方向へ偏位しているので、軸線方向溝31によって円周方向溝32の始端までガイドされた後、円周方向溝32の終端3b付近で突起4が開口端1cに近い側の縁部32bにガイドされて当該開口端1cから遠ざかる方向に偏位した後に溝幅の狭い終端3bで突起4が取り付け溝3に緊密に収まるので、突起4を終端3bまでスムーズに誘導することができる。
【0036】
特に、吹き出し口11の開口端1cに近い側の溝縁32bの終端3b近くに、開口端1cから遠い側の溝縁32aに向かって突出する抵抗部32cを設け、突起4が終端3bに向かって移動する際に抵抗部32cにおける通過抵抗が一時的に増大するようにしているので、突起4が終端3bに達したときにクリック感が得られ、また突起4を終端3bに安定的に保持してノズル2の確実な取付状態を得ることができる。入力操作で締め付け力を必要とするのは基本的に突起4が抵抗部32cを乗り越える際の工程のみである。
【0037】
また、吹き出し口11及びノズル2にそれぞれ軸線m方向に突き当たる当たり面2c、5cを設定するとともに、吹き出し口11の当り面5cにおいて内部流路を包囲する位置に弾性シール部51を設け、当該弾性シール部51を押し潰しながら吹き出し口11とノズル2が軸線m方向に引き寄せられるようにしているので、弾性シール部51の反力に抗して吹き出し口11及びノズル2同士を引き寄せることになり、締め付け力を確実に入力、蓄積することができる。
【0038】
この場合、吹き出し口11の当たり面5cが外方端面であり、この外方端面に軟質樹脂からなる弾性シール部51を設けているので、当該吹き出し口11を有する送風機本体1を単独で使用する際に、軟質樹脂が緩衝材となって、周辺との接触や衝突時の損傷を有効に防止することができる。
【0039】
さらに、管路である吹き出し口11の外方端面における内部流路の出入口の開口縁に沿って前記当たり面5cに前記弾性シール部51を設ける一方、この吹き出し口11に嵌め合わす側のノズル2の当たり面2cが内部流路に臨む内方端面2caであり、これら内方端面と外方端面の間(両当たり面2c、5cの間)で弾性シール部51が押し潰されるようにしているので、両当たり面2c、5cが弾性シール部の不適切な潰れ方によって傾くといった不都合が生じ難く、しかも内部流路に最も近い位置を封止するため、シール効果を有効に高めることができる。
【0040】
さらにまた、吹き出し口11が、開口端1cを含む直線状流路接続部11aと、この直線状流路接続部11aに連続するテーパ状流路接続部11bとを備える一方、ノズル2が、開口端2aを含むテーパ状流路接続部21aと、このテーパ状流路接続部21aに連続する直線状流路接続部21bとを具備し、吹き出し口11のテーパ状流路接続部11bにおける外周に取り付け溝3を形成し、ノズル2のテーパ状流路接続部21aにおける内周に突起4を形成して、直線状流路接続部11a、21b同士、テーパ状流路接続部同士11b、21aを互いに嵌め合わせるようにしている。これにより、取り付け溝3を開口端1cまで切り込む必要がなく、取り付け溝3と弾性シール部51の間が直線状流路接続部11a、21bで隔てられて遮られるので、弾性シール部51から取り付け溝3に流体が漏れることを確実に防止して、シール効果をより有効に高めることができる。加えて、吹き出し口11から出て来た流体がノズル2に流れて行く際に、吹き出し口11の内部流路とノズル2の内部流路の継目に段差や隙間が殆ど無いか若しくは極めて小さい状態となるようにして当該継目を弾性シール部51でシールしているので、流体の障害になるものを無くして、流体が乱れることなくスムーズに流れる状態を確保することができる。
【0041】
そして、かかる接続構造を、送風機本体1の管路である吹き出し口11と、これに着脱可能に取り付けられる管路であるノズル2との間に適用することによって、手軽な操作を通じてノズル2を吹き出し口11に、送風効率を落とさずに簡易に着脱可能とする送風機を構成することができる
【0042】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0043】
例えば、エアダスタに取り付けられる付属品としては、ノズルのような長尺管タイプのほかにブラシのような刷毛タイプのものもあり、このようなタイプの付属品を取り付ける際にも本発明に係る管路の接続構造を適用することができる。
【0044】
また、上記実施形態において、吸込み口12に吸込み用のノズル等の付属品を取り付けてクリーナとして使用される場合や、吹き出し口11に集塵袋等の付属品が取り付けられる場合には、これらの付属品の管路を送風機に取り付ける際に本発明に係る管路の接続構造を適用することができる。
【0045】
さらに、他のタイプの送風機や、それ以外の一般の管路同士を接続する際にも、本発明を広範に適用することができる。
【0046】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
2…管路(ノズル)
2c…当たり面
3…取り付け溝
4…突起
5c…当たり面
11…管路(吹き出し口)
11a…直線状流路接続部
11b…テーパ状流路接続部
21a…テーパ状流路接続部
21b…直線状流路接続部
31…軸線方向溝
32…円周方向溝
32a…開口端から遠い側の溝縁
32b…開口端に近い側の溝縁
32c…抵抗部
51…弾性シール部
m…軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の管路同士を軸線方向に嵌め合わせて接続するためのものであって、
一方の管路の開口端近傍の周壁に円周方向に延び終端に向かって前記開口端から遠ざかる方向に偏位する取り付け溝を形成する一方、他方の管路の開口端近傍の周壁に前記一方の管路の取り付け溝に係り合う突起を設け、両管路を軸線方向に嵌め合わせて円周方向に相対回転させることによって、前記取り付け溝と前記突起とのガイド作用で管路間に前記軸線方向への引き寄せ力が生じるようにしたことを特徴とする管路の接続構造。
【請求項2】
取り付け溝が、軸線方向溝と円周方向溝からなるL字状に形成され、円周方向溝は、開口端に近い側の溝縁が終端近くで溝幅を狭めながら開口端から遠い側の溝縁に近づく方向へ偏位している請求項1記載の管路の接続構造。
【請求項3】
開口端に近い側の溝縁の終端近くに、開口端から遠い側の溝縁に向かって突出する抵抗部を設け、突起が終端に向かって移動する際に抵抗部における通過抵抗が一時的に増大するようにしている請求項1又は2何れかに記載の管路の接続構造。
【請求項4】
両管路にそれぞれ軸線方向に突き当たる当たり面を設定するとともに、何れかの当り面において内部流路を包囲する位置に弾性シール部を設け、当該弾性シール部を押し潰しながら両管路同士が軸線方向に引き寄せられる請求項1〜3何れかに記載の管路の接続構造。
【請求項5】
何れかの管路の当たり面が外方端面であり、この外方端面に軟質樹脂からなる弾性シール部を設けている請求項4記載の管路の接続構造。
【請求項6】
外方端面における内部流路の出入口の開口縁に沿って前記当たり面に前記弾性シール部を設ける一方、この管路に嵌め合わす側の管路の当たり面が内部流路に臨む内方端面であり、これら内方端面と外方端面との間で弾性シール部が押し潰されるようにしている請求項5記載の管路の接続構造。
【請求項7】
一方の管路が、開口端を含む直線状流路接続部と、この直線状流路接続部に連続するテーパ状流路接続部とを備える一方、他方の管路が、開口端を含むテーパ状流路接続部と、このテーパ状流路接続部に連続する直線状流路接続部とを具備し、一方の管路のテーパ状流路接続部における外周に取り付け溝を形成し、他方の管路のテーパ状流路接続部における内周に突起を形成して、直線状流路接続部同士、テーパ状流路接続部同士を互いに嵌め合わせるようにしている請求項4〜6何れかに記載の管路の接続構造。
【請求項8】
請求項1〜7何れかに記載の接続構造を、送風機本体の管路である吹き出し口と、これに着脱可能に取り付けられる管路であるノズルとの間に適用していることを特徴とする送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−77817(P2012−77817A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222284(P2010−222284)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】