説明

管路補修システム

【課題】補修ライナーのライニングを適切に行いながらも、エネルギー効率の向上を図ることができる管路補修システムを提供すること。
【解決手段】混合蒸気により既設の管路1内に前記補修ライナー2をライニングする管路補修システムにおいて、混合蒸気供給機構20は、給水タンク21内の水W1を加熱して高温蒸気を生成するボイラ22を有し、プラグ装置10には、上流側の一次側管41内の混合蒸気の圧力を、補修ライナー2をライニングするための要求値に調整する圧力調整バルブ50を設けた混合蒸気排出路40を接続する。圧力調整バルブ50の下流側に位置する前記二次側管42の下流端部には熱回収部60を設け、この熱回収部60により二次側管42内の混合蒸気の排熱を、前記給水タンク21内の水W1へ回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の管路内に補修ライナーをライニングすることで管路の補修を行う管路補修システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、既設の管路内に補修ライナーをライニングする管路補修システムとしては、既設管路内に熱硬化性樹脂を含浸したチューブからなる補修ライナーを配置した後、この補修ライナー内に混合蒸気を供給して補修ライナーを熱硬化させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来の管路補修システムでは、補修ライナーを加熱した後の混合蒸気は大気へと排出される。
【特許文献1】特開平9−155978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の管路補修システムにあっては、樹脂層を加熱した後の混合蒸気が大気へ排出されているため、この排出された混合蒸気が有する排熱エネルギーを無駄にしている、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、補修ライナーのライニングを適切に行いながらも、エネルギー効率の向上を図ることができる管路補修システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、圧縮空気と高温蒸気とを混合した混合蒸気を供給する混合蒸気供給手段と、補修ライナー端部に取り付けられるプラグ手段と、前記混合蒸気供給手段と前記プラグ手段とを接続する混合蒸気供給路とを備え、混合蒸気により既設の管路内に前記補修ライナーをライニングする管路補修システムにおいて、
前記混合蒸気供給手段は、給水タンク内の水を加熱して高温蒸気を生成するボイラを有し、
前記プラグ手段には、途中位置に圧力調整手段を設けた混合蒸気排出路を接続し、
前記混合蒸気排出路は、前記圧力調整手段の上流側に位置する一次側管と、前記圧力調整手段の下流側に位置すると共に下流端部に熱回収手段を設けた二次側管とを有し、前記圧力調整手段は、前記一次側管内の混合蒸気の圧力を、前記補修ライナーをライニングするための要求値に調整し、前記熱回収手段は、前記二次側管内の混合蒸気の排熱を、前記給水タンク内の水へ回収することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明の管路補修システムにあっては、圧力調整手段において、混合蒸気排出路の一次側管内の混合蒸気圧力が補修ライナーのライニングをするための要求値に調整され、熱回収手段において、混合蒸気排出路の二次側管内の混合蒸気排熱が給水タンク内の水へ回収される。
すなわち、一次側管の混合蒸気圧力が補修ライナーのライニングに適した状態に調整されるので、補修ライナーを既設管路内に確実に圧接しつつ硬化させることができる。また、二次側管の混合蒸気排熱が給水タンクの水に回収されるので、補修ライナーの加熱に使用した後の混合蒸気が持つエネルギーを無駄にすることなく、給水タンクの水を加熱することに使用できる。
この結果、補修ライナーのライニングを適切に行いながらも、エネルギー効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の管路補修システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の管路補修システムの全体構成を示す構成図である。図2は図1に示す管路補修システムのボイラ周辺の詳細構成を示す構成図である。図3は図1に示す管路補修システムのコンプレッサ周辺の詳細構成を示す構成図である。図4は図1に示す管路補修システムの給水タンク周辺の詳細構成を示す構成図である。なお、図2〜図4において、連続する二つの四角で示す部分は着脱可能なカプラである。
【0010】
実施例1における管路補修システムは、混合蒸気により既設の管路1内に補修ライナー2をライニングすることで管路1を補修するシステムである。
【0011】
混合蒸気は、水道等の水源Wから給水タンク21に貯留された水W1をボイラ22により加熱して生成した高温蒸気と、コンプレッサ23により加圧して生成した圧縮空気とを混合して生成される。また、既設の管路1は、下水道管等の地下に埋設されたいわゆる埋設管である。そして、補修ライナー2は、熱硬化性樹脂を含浸した可撓性チューブからなり、地上に開口したマンホール3を介して管路1内に引き込まれている。
【0012】
この補修ライナー2の一方の端部2aには、プラグ装置(プラグ手段)10が取り付けられている。一方、マンホール3の近傍の地上には、混合蒸気を供給する混合蒸気供給機構(混合蒸気供給手段)20が設置されている。そして、この混合蒸気供給機構20とプラグ装置10の給気口11とは混合蒸気供給路30を介して接続している。さらに、プラグ装置10は排気口12を有し、この排気口12には、途中位置に圧力調整バルブ(圧力調整手段)50が設けられると共に、下流端部に熱回収部(熱回収手段)60が接続された混合蒸気排出路40が接続している。
【0013】
プラグ装置10は、マンホール3の上部開口に設けられた支持脚13と、この支持脚13に支持される連結治具(共通プラグ部)14と、補修ライナー2に挿入される挿入ホース(挿入部材)15とを有している。
【0014】
ここで、連結治具14は、給気口11及び排気口12を有しており、補修ライナー2の一方の端部2aを閉塞するように装着される。挿入ホース15は、一端が補修ライナー2の他方の端部2bと共に結束されて密閉され、且つその結束端部近傍に開口部15aを有するホースからなり、連結治具14の給気口11を介して補修ライナー2内に挿入される。これにより、挿入ホース15の開口部15aは補修ライナー2の他方の端部2b近傍に位置する。
【0015】
混合蒸気供給機構20は、給水タンク21内の水W1を加熱して高温蒸気を生成するボイラ22と、取り込んだ空気を加圧して圧縮空気を生成するコンプレッサ23と、ボイラ22と混合蒸気供給路30とを接続する高温蒸気供給路31と、コンプレッサ23と混合蒸気供給路30とを接続する圧縮空気供給路32とを有している。
【0016】
ここで、ボイラ22はエコノマイザ22aを有している。このエコノマイザ22aは、ボイラ22からの排ガスにより給水タンク21内の水W1を加熱する。ボイラ22は、エコノマイザ22aによって水W1を予熱してから最終加熱する。また、このボイラ22と給水タンク21とは給水管24を介して接続している。この給水管24の途中位置には、常開手動バルブB、送りポンプ25、常開手動バルブBが順に設けられている(図2、図4参照)。
【0017】
高温蒸気供給路31は、上流端部にボイラ22が接続すると共に、途中位置に混合蒸気温度自動調整バルブ(高温蒸気調整手段)26が設けられている。そして、ボイラ22と混合蒸気温度自動調整バルブ26との間には、図2に示すように、上流側から順にセパレータ28a、常開手動バルブB、フレキシブルホースF1、常開手動バルブB、蒸気減圧バルブ28b、第一蒸気圧表示計28c、蒸気圧自動調節バルブ28d、蒸気圧センサ28e、蒸気流量計28f、第二蒸気圧表示計28g、常開手動バルブB、フレキシブルホースF2が設けられている。また、混合蒸気温度自動調節バルブ26の下流側には、図3に示すように、上流側から順に常開手動バルブB、逆止弁28hが設けられている。
【0018】
ここで、セパレータ28aは、ボイラ22により生成された高温蒸気に含まれる水滴を分離する気水分離器である。第一蒸気圧表示計28cは、蒸気減圧バルブ28bによって減圧された高温蒸気の圧力を表示する圧力計である。蒸気圧自動調節バルブ28dは、蒸気圧センサ28eにより検出された下流側(二次側)圧力に応じて蒸気圧を自動調整する電動の自動弁である。第二蒸気圧表示計28gは、蒸気圧自動調整バルブ28dによって調圧された高温蒸気の圧力を表示する圧力計である。なお、フレキシブルホースF1,F2は必要に応じて着脱される。
【0019】
そして、混合蒸気温度自動調整バルブ26は、混合蒸気供給路30内の混合蒸気の要求温度に応じて高温蒸気の流量と圧力との少なくとも一方を自動調整する電動の自動弁である。混合蒸気の要求温度は、補修ライナー2を適切にライニングするのに要求される温度であり、任意に設定する。そして、高温蒸気は、混合蒸気供給路30に設けられた混合蒸気供給側温度センサ33aの検出値に基づいて自動調整される。
【0020】
圧縮空気供給路32は、上流端部にコンプレッサ23が接続すると共に、途中位置に圧縮空気調整バルブ(圧縮空気調整手段)27が設けられている。そして、コンプレッサ23と圧縮空気調整バルブ27との間には、図3に示すように、上流側から順にフレキシブルホースF3、ブローバルブ29a、空気減圧バルブ29b、空気流量計29c、空気圧表示計29dが設けられている。また、圧縮空気調整バルブ27の下流側には、常開手動バルブBが設けられている。
【0021】
ここで、ブローバルブ29aは、任意のタイミングで大気開放される常閉の手動弁である。空気圧表示計29dは、空気減圧バルブ29bによって減圧された圧縮空気の圧力を表示する圧力計である。なお、フレキシブルホースF3は必要に応じて着脱される。
【0022】
そして、圧縮空気調整バルブ27は、混合蒸気供給路30内の混合蒸気の要求流量及び要求圧力に応じて圧縮空気流量及び圧縮空気圧力を調整する手動弁である。混合蒸気の要求流量は補修ライナー2を適切にライニングするのに要求される流量であり、混合蒸気の要求圧力は補修ライナー2を適切にライニングするのに要求される圧力であり、それぞれ任意に設定する。そして、圧縮空気流量は空気流量計29cの検出値に基づいて手動調整され、圧縮空気圧力は混合蒸気排出路40に設けられた混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値に基づいて手動調整される。
【0023】
混合蒸気供給路30は、上流端部に高温蒸気供給路31及び圧縮空気供給路32が接続すると共に、下流端部に給気口11が接続する。そして、この混合蒸気供給路30には、図3に示すように、上流側から順に、混合蒸気供給側温度センサ33a、安全弁33c、混合蒸気圧表示計33d、スチームトラップ33e、常開手動弁Bが設けられている。
【0024】
ここで、安全弁33cは、任意の設定圧力以上となったタイミングで大気開放される常閉の自動弁である。混合蒸気圧表示計33dは、混合蒸気供給路30内の混合蒸気の圧力を表示する圧力計である。スチームトラップ33eは、混合蒸気供給路30内に生じたドレンを排出する自動弁である。なお、混合蒸気供給側温度センサ33aは、ここでは混合蒸気供給路30と高温蒸気供給路31及び圧縮空気供給路32との分岐部分近傍に位置し、混合蒸気温度自動調整バルブ26等に近い操作性のよい配置となっている。しかしながら、ライニング精度を向上させるためにプラグ装置10の近傍や連結治具14の給気口11に設けてもよい。
【0025】
混合蒸気排出路40は、圧力調整バルブ50の上流側に位置する一次側管41と、圧力調整バルブ50の下流側に位置する二次側管42と、圧力調整バルブ50を迂回して一次側管41と二次側管42とを連結するバイパス管43とを有する。
【0026】
一次側管41は、上流端部に排気口12が接続すると共に、図4に示すように、上流側から順に、混合蒸気排出側温度センサ41a、セパレータ41b、常開手動バルブB、混合蒸気排出側圧力センサ51が設けられている。
【0027】
ここで、セパレータ41bは、一次側管41内の混合蒸気とドレンとを分離する機器であり、途中位置にスチームトラップ41cが設けられた一次側ドレン管41dが接続されている。一次側ドレン管41dは、開放した下流端41eが給水タンク21の上方に位置しており、スチームトラップ41cを介して排出されたドレンは給水タンク21内に流入する。すなわち、このセパレータ41b、一次側ドレン管41d、スチームトラップ41cは、一次側管41の途中位置に設けられ、この一次側管41内に発生したドレンを給水タンク21内へ回収する一次側ドレン回収部411となる。
【0028】
二次側管42は、下流端部が給水タンク21内に挿入され、この給水タンク21内に位置する下流端42aが複数の経路に分岐している。
【0029】
バイパス管43は、上流端部が混合蒸気排出側圧力センサ51よりも上流側位置の一次側管41に連結し、下流端部が圧力調整バルブ50よりも下流側位置の二次側管42に連結し、途中位置にバイパス弁43aが設けられている。このバイパス弁43aは、任意のタイミングで開放される常閉の手動弁である。
【0030】
混合蒸気排出側圧力センサ(圧力検出手段)51は、一次側管41内の混合蒸気の圧力を検出する圧力センサである。なお、混合蒸気排出側圧力センサ51は、ここでは圧力調整バルブ50近傍に位置して操作性のよい配置となっている。しかしながら、ライニング精度を向上させるためにプラグ装置10の近傍や連結治具14の排気口12に設けてもよい。
【0031】
圧力調整バルブ50は、一次側管41に設けられた混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値に応じて、一次側管41内の混合蒸気の圧力を、補修ライナー2をライニングするための要求値に自動で調整する電動の自動弁である。なお、「要求値」は、補修ライナー2を既設の管路1内に押圧するための混合蒸気圧力であり、補修ライナー2の材質、厚み等に応じて任意に設定する。
【0032】
熱回収部60は、給水タンク21内に配置されると共に、複数の経路に分岐した二次側管42の下流端部のそれぞれに接続した複数の排熱交換管61,…と、各排熱交換管61の下流端部に接続すると共に給水タンク21から突出して大気開放した排気管(排気部)62と、排気管62から分岐したドレン管63とを有している。
【0033】
ここで、排熱交換管61は、二次側管42から流入する混合蒸気が通過する際に、この混合蒸気と給水タンク21内の水W1との間で熱交換させるパイプであり、例えば銅管等により構成される。この排熱交換管61を複数設けることで混合蒸気が接する伝熱面積を大きくして熱交換率を高めている。排気管62は、排熱交換管61の下流端部を大気開放する管路であり、途中位置に常開手動バルブである排気弁62aが設けられている。ドレン管63は、上流端部が排気弁62aよりも上流側に位置し、下流端部が給水タンク21内に開放している。さらに、このドレン管63の途中位置にはスチームトラップ63aが設けられている。これにより、スチームトラップ63aを介して排出されたドレンは給水タンク21内に排出される。すなわち、このドレン管63及びスチームトラップ63aは、排気管62内に発生したドレンを給水タンク21内に回収する二次側ドレン回収部633となる。
【0034】
なお、図4において64は、排気管62内の温度を検出する排気温度センサである。また、常開手動バルブB及び排気弁62aは、任意のタイミングで閉鎖される常開の手動弁である。
【0035】
次に、作用を説明する。
まず、「管路補修技術について」の説明を行い、続いて、実施例1の管路補修システムにおける作用を、「ライニング精度保持作用」、「エネルギー回収作用」に分けて説明する。
【0036】
[管路補修技術について]
図5は、従来の管路補修システムを示す模式図である。
【0037】
従来、既設管路を補修する管路補修システムにおいては、補修ライナーをライニングするために、図5に示すように、既設管路1内に配置された補修ライナー2の一方の端部2aから混合蒸気を供給し、補修ライナー2内を通過後、他方の端部2bから混合蒸気を排出している。
【0038】
しかし、このような構成の管路補修システムは、補修ライナーから排出された混合蒸気が大気へ放出されているため、排出された混合蒸気の持つ熱エネルギーも大気中へ放出されることとなり、この熱エネルギー、すなわち排出された混合蒸気に残っている排熱エネルギーが無駄になっていた。特に、加熱養生中におけるボイラの燃料消費量が多く、エネルギー効率が悪かった。
【0039】
また、排出される混合蒸気が高温であるため、大気への放出と同時に大量の湯気が発生し、施工現場周辺に湯気がたちこめてしまう可能性がある。そして、現場周囲にたちこめた湯気により、近隣住民に火災と誤解されるおそれもある。さらに、混合蒸気を排出する際に発生する排気音も大きく、騒音が生じる可能性もある。
【0040】
すなわち、補修ライナーをライニングした後の混合蒸気を大気へ放出する方式では、熱エネルギーが無駄になると共に、大量の湯気や騒音が発生して周囲の迷惑になるという可能性があった。
【0041】
さらに、この管路補修システムでは、補修ライナーのライニングを適切に行う必要があり、ライニングに必要な十分量の混合蒸気を生成しなければならない。これに対し、混合蒸気を生成する際に使用されるボイラ燃料は、できる限り抑制してランニングコストを抑えたいという要求もある。
【0042】
本発明者は、上記問題点や要求に対し、大気に放出される混合蒸気を抑制することで、補修ライナーのライニングを適切に行いながらも、エネルギー効率の向上を図ることができる点に着目した。そして、この着目点にしたがって、ライニングに使用された混合蒸気の圧力調整をすると共に、この混合蒸気が持つ熱エネルギーをボイラの給水タンク内の水に回収する構成を採用した。
【0043】
[ライニング精度保持作用]
実施例1の管路補修システムにおいて既設管路1を補修するには、ボイラ22により給水タンク21内の水W1を加熱して高温蒸気を生成し、コンプレッサ23により空気を圧縮して圧縮空気を生成する。高温蒸気は高温蒸気供給路31を通って混合蒸気供給路30に流れ込み、圧縮空気は圧縮空気供給路32を通って混合蒸気供給路30に流れ込む。混合蒸気供給路30内で混合した高温蒸気と圧縮空気は混合蒸気になり、プラグ装置10の給気口11を介して補修ライナー2に挿入された挿入ホース15に流れ込む。そして、挿入ホース15を通過した混合蒸気は、挿入ホース15の開口部15aから吹き出ると、補修ライナー2の内側面を加熱しながら排気口12に向かって流れ、この排気口12から排出される。これにより補修ライナー2は管路1内にライニングされる。一方、排出された混合蒸気は、混合蒸気排出路40を流れた後、熱回収部60を通過する際に排熱が給水タンク21内の水W1に回収され、その後排気管62から大気へと排出される。
【0044】
ここで、実施例1の管路補修システムでは、混合蒸気排出路40の途中位置に、補修ライナー2をライニングするための要求値に一次側管41内の混合蒸気圧力を調整する圧力調整バルブ50を設けた。
【0045】
上記構成を採用することで、圧力調整バルブ50よりも上流側の混合蒸気の圧力は要求値となり、補修ライナー2内の圧力もライニングをするための要求値となるように調整される。
特に、実施例1の管路補修システムにおいては、圧力調整バルブ50が混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値に基づいて一次側管41内の混合蒸気圧力を自動調整する電動の自動弁である。これにより、混合蒸気の圧力調整を容易化すると共に、調整精度を向上させて補修ライナー2のライニング精度を向上させることができる。
【0046】
[エネルギー回収作用]
図6は、ライニング作業における熱勘定を模式的に示した説明図である。
【0047】
この図6に示すように、補修ライナー2に供給されるエネルギー(以下、供給エネルギーという)は、補修ライナー2のライニングに使用されるエネルギー(以下、補修システム必要エネルギーという)と、補修ライナー2内の混合蒸気が持つエネルギー(以下、混合蒸気エネルギーという)との総和である。ライニング作業を行うことで、混合蒸気エネルギーは次第に補修システム必要エネルギーとなる。通常、補修ライナー2を確実にライニングするために、エネルギーロス等を考慮して補修システム必要エネルギーよりも供給エネルギーが大きくなるように設定される。すなわち、供給エネルギーは補修システム必要エネルギーよりも大きいので、ライニングした後に排出される混合蒸気は必ず排熱エネルギーを有する。
【0048】
ここで、実施例1の管路補修システムにおいては、二次側管42内の混合蒸気の排熱を給水タンク21内の水W1へ回収する熱回収部60を、この二次側管42の下流端部に設けた構成とした。
【0049】
上記構成を採用することで、二次側管42内の混合蒸気の排熱を給水タンク21内の水W1へ回収するため、水W1を加熱するために排熱、つまり残留エネルギーを使用することができる。また、ボイラ22は、上記排熱を回収した水W1を加熱して高温蒸気を生成するので、このボイラ22によって消費されるエネルギー(ボイラエネルギー)は、供給エネルギーと排熱エネルギーとの差になる(図6参照)。すなわち、ボイラエネルギーによって供給エネルギーの全てを賄う必要がない。これにより、排熱エネルギーを無駄にすることなく使用すると共に、ボイラエネルギーの抑制を図ることができ、エネルギー効率の向上を図ることができる。さらに、ボイラエネルギーを抑制することでボイラ22の稼働率を下げることができ、二酸化炭素の排出量抑制に寄与することもできる。
【0050】
また、実施例1の管路補修システムにおいては、熱回収部60が、給水タンク21内に配置されると共に、給水タンク21内の水W1と二次側管41内の混合蒸気との間で熱交換させる排熱交換管61と、排熱交換管61の下流側端部を大気に開放する排気管62と、排気管62内に発生したドレンを給水タンク21内に回収するドレン管63及びスチームトラップ63aからなる二次側ドレン回収部633とを有する構成とした。
【0051】
上記構成を採用することで、排熱の回収を効率よく行うと共に、排気管62内に発生したドレンが有する顕熱をも水W1へ回収することが可能となり、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。一方、混合蒸気に含まれる空気は排気管62を介して大気へ放出される。このとき、混合蒸気内の水蒸気が当該システムで回収されるので、従来より排気量を抑えることができる。そのため、排気音が小さくなり、騒音発生を抑制することができる。
【0052】
なお、実施例1では、複数の排熱交換管61,…を設けることで、混合蒸気が接する伝熱面積を大きくしているので、熱交換率を向上させることができる。
【0053】
さらに、実施例1の管路補修システムにおいては、一次側管41の途中位置に、この一次側管41に発生したドレンを給水タンク21に回収するセパレータ41b、一次側ドレン管41d、スチームトラップ41cからなる一次側ドレン回収部411を設けた構成とした。
【0054】
上記構成を採用することで、圧力調整バルブ50の圧力調整精度を向上できるだけでなく、一次側管41内に発生したドレンが有する顕熱をも水W1へ回収することが可能となり、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0055】
さらに、実施例1の管路補修システムにおいては、ボイラ22が、排ガスにより給水タンク21の水W1を加熱するエコノマイザ22aを有する構成とした。
【0056】
上記構成を採用することで、ボイラ22からの排ガスが有する潜熱をも利用して水W1を加熱することができ、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0057】
さらに、実施例1の管路補修システムにおいては、混合蒸気供給機構20は、混合蒸気供給路30内の混合蒸気の要求温度に応じて高温蒸気の流量と圧力との少なくとも一方を自動調整する混合蒸気温度自動調整バルブ26と、混合蒸気供給路30内の混合蒸気の要求流量及び要求圧力に応じて圧縮空気を調整する圧縮空気調整バルブ27とを有する構成とした。
【0058】
上記構成を採用することで、補修ライナー2に供給する混合蒸気の温度及び圧力を適切な状態に調整することができ、補修システム必要エネルギーに対して供給エネルギーがほぼ同じ大きさになるように調整される。そのため、供給エネルギーの無駄を抑制し、排熱エネルギーを小さくして更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0059】
さらに、実施例1の管路補修システムにおいては、プラグ装置10が、補修ライナー2の一方の端部2aに装着されると共に、給気口11及び排気口12を有する連結治具14と、給気口11を介して補修ライナー2に挿入される挿入ホース15とを有し、混合蒸気供給路30は給気口11に接続し、混合蒸気排出路40の一次側管41は排気口12に接続する構成とした。
【0060】
上記構成を採用することで、混合蒸気は、補修ライナー2の一方の端部2aから供給され、補修ライナー2内を循環した後に再び一方の端部2aから排出される。すなわち、混合蒸気が補修ライナー2の同一の端部2aから給排気される。そのため、混合蒸気供給機構20と熱回収部60とを近接して配置することが可能となり、回収した排熱の損失を抑制して、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0061】
なお、実施例1の管路補修システムでは、ライニングした後の混合蒸気の排熱を給水タンク21内の水W1へ回収することで、水W1の温度を従来よりも約40〜20%程度上昇させることができる。すなわち、ボイラ22によって消費されるボイラエネルギーを約40〜20%抑制することができる。そして、ボイラ稼働率を抑制し、二酸化炭素排出量の削減に寄与することもできる。
【0062】
次に、効果を説明する。
実施例1の管路補修システムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0063】
(1) 圧縮空気と高温蒸気とを混合した混合蒸気を供給する混合蒸気供給機構20と、補修ライナー2端部に取り付けられるプラグ装置10と、前記混合蒸気供給機構20と前記プラグ装置10とを接続する混合蒸気供給路30とを備え、混合蒸気により既設の管路1内に前記補修ライナー2をライニングする管路補修システムにおいて、前記混合蒸気供給機構20は、給水タンク21内の水W1を加熱して高温蒸気を生成するボイラ22を有し、前記プラグ装置10には、途中位置に圧力調整バルブ50を設けた混合蒸気排出路40を接続し、前記混合蒸気排出路40は、前記圧力調整バルブ50の上流側に位置する一次側管41と、前記圧力調整バルブ50の下流側に位置すると共に下流端部に熱回収部60を設けた二次側管42とを有し、前記圧力調整バルブ50は、前記一次側管41内の混合蒸気の圧力を、前記補修ライナー2をライニングするための要求値に調整し、前記熱回収部60は、前記二次側管41内の混合蒸気の排熱を、前記給水タンク21内の水W1へ回収する。これにより、補修ライナー2のライニングを適切に行いながらも、エネルギー効率の向上を図ることができる。
【0064】
(2) 前記圧力調整バルブ50は、前記一次側管41内の混合蒸気の圧力を検出する混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値に応じて、この混合蒸気の圧力を自動調整する。これにより、混合蒸気の圧力調整を容易化すると共に、調整精度を向上させて補修ライナー2のライニング精度を向上させることができる。
【0065】
(3) 前記熱回収部60は、前記給水タンク21内に配置されると共に前記給水タンク21内の水W1と前記二次側管42内の混合蒸気との間で熱交換させる排熱交換管61と、該排熱交換管61の下流端部を大気に開放する排気管62と、該排気管62内に発生したドレンを前記給水タンク21内に回収する二次側ドレン回収部633となるドレン管63、スチームトラップ63aとを有するため、熱交換率を向上させると共に、排気管62に発生したドレンが有する熱をも給水タンク21内の水W1に回収することができ、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0066】
(4) 前記一次側管41には、途中位置に前記一次側管41内に発生したドレンを前記給水タンク21に回収する一次側ドレン回収部411となるセパレータ41b、一次側ドレン管41d、スチームトラップ41cを設けたため、一次側管41に発生したドレンが有する熱をも給水タンク21内の水W1に回収することができ、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0067】
(5) 前記ボイラ22は、排ガスにより前記給水タンク21の水W1を加熱するエコノマイザ22aを有するため、ボイラ22から排出される排ガスが有する熱をも給水タンク21内の水W1に回収することができ、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0068】
(6) 前記混合蒸気供給機構20は、前記混合蒸気供給路30内の混合蒸気の要求温度に応じて高温蒸気の流量と圧力との少なくとも一方を調整する混合蒸気温度自動調整バルブ26と、前記混合蒸気供給路30内の混合蒸気の要求流量と要求圧力との少なくとも一方に応じて圧縮空気を調整する圧縮空気調整バルブ27とを有するため、補修システム必要エネルギーに対して供給エネルギーがほぼ同じ大きさになるように調整できる。
【0069】
(7) 前記プラグ装置10は、前記補修ライナー2の一方の端部2aに装着されると共に、給気口11及び排気口12を有する連結治具14と、給気口11を介して前記補修ライナー2に挿入される挿入ホース15とを有し、前記混合蒸気供給路30は、前記連結治具14の給気口11に接続し、前記混合蒸気排出路40の一次側管41は、前記連結治具14の排気口12に接続するため、混合蒸気が補修ライナー2の同一端部から供給及び排出され、混合蒸気供給機構20と熱回収部60とを近接して配置することが可能となり、回収した排熱の損失を抑制して、更なるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0070】
以上、本発明の管路補修システムを実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0071】
実施例1では、二次側管42の下流端が複数の経路に分岐し、それぞれに排熱交換管61が接続することにより、混合蒸気が接する伝熱面積を拡大する例を示した。しかし、熱交換効率を向上させるためには混合蒸気が接する伝熱面積が大きければよいので、蛇行したりコイル状に巻回することで伝熱面積を大きくした排熱交換管61を二次側管42に接続してもよい(図7(a),(b)参照)。また、複数の排熱交換管61のそれぞれを蛇行させたりコイル状に巻回したりしてもよい(図7(c),(d)参照)。
【0072】
実施例1では、補修ライナー2から排出された混合蒸気が通過する排熱交換管61を給水タンク21内に配置することで、この給水タンク21内の水W1に排熱を回収する例を示した。しかし、図8に示すように、例えば二次側管42の下流端部に、熱交換手段として熱交換空間65を形成する一方、給水管24の途中位置をコイル状に巻回し、この給水管24の巻回部分を熱交換空間65内に配置する例としてもよい。つまり、排出された混合蒸気の雰囲気内に給水タンク21の水W1を通過させることにより、この水W1に混合蒸気の排熱を回収する構成としてもよい。
【0073】
また、実施例1では、圧力調整バルブ50が混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値に応じて混合蒸気圧力を自動調整するが、例えば混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値を見ながら手動により圧力調整を行う手動弁であってもよい。また、混合蒸気排出側圧力センサ51の検出値に基づき手動により設定された設定値に応じて圧力調整を自動的に行う半自動(セミオート)弁であってもよい。
【0074】
さらに、実施例1では、混合蒸気温度自動調整バルブ26が自動弁であり、圧縮空気調整バルブ27が手動弁であるが、それぞれ自動弁であっても手動弁であってもよい。なお、圧縮空気調整バルブ27を電動弁にした場合では、空気流量計29cの検出値に応じて圧縮空気流量のみを自動調整する。
【産業上の利用可能性】
【0075】
実施例1では、熱硬化性樹脂を含浸したチューブからなる補修ライナーを混合蒸気で過熱する管路補修システムとする例を示したが、本発明は、熱可塑性樹脂の補修ライナーをライニングする管路補修システムに対しても適用することができる。要するに、混合蒸気を用いて既設管路内に樹脂をライニングする管路補修システムであれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1の管路補修システムの全体構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す管路補修システムのボイラ周辺の詳細構成を示す構成図である。
【図3】図1に示す管路補修システムのコンプレッサ周辺の詳細構成を示す構成図である。
【図4】図1に示す管路補修システムの給水タンク周辺の詳細構成を示す構成図である。
【図5】従来の管路補修システムを示す模式図である。
【図6】ライニング作業における熱勘定を模式的示した説明図である。
【図7】実施例1の管路補修システムの排熱交換管の変形例を示す構成図である。
【図8】実施例1の管路補修システムの熱回収手段の変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0077】
1 管路(既設管路)
2 補修ライナー
10 プラグ手段(プラグ装置)
11 給気口
12 排気口
14 共通プラグ部(連結治具)
15 挿入部材(挿入ホース)
20 混合蒸気供給手段(混合蒸気供給機構)
21 給水タンク
22 ボイラ
22a エコノマイザ
23 コンプレッサ
26 高温蒸気調整手段(混合蒸気温度自動調整バルブ)
27 圧縮空気調整手段(圧縮空気調整バルブ)
30 混合蒸気供給路
40 混合蒸気排出路
41 一次側管
411 一次側ドレン回収部
42 二次側管
50 圧力調整手段(圧力調整バルブ)
51 圧力検出手段(混合蒸気排出側圧力センサ)
60 熱回収手段(熱回収部)
61 排熱交換管
633 二次側ドレン回収部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気と高温蒸気とを混合した混合蒸気を供給する混合蒸気供給手段と、補修ライナー端部に取り付けられるプラグ手段と、前記混合蒸気供給手段と前記プラグ手段とを接続する混合蒸気供給路とを備え、混合蒸気により既設の管路内に前記補修ライナーをライニングする管路補修システムにおいて、
前記混合蒸気供給手段は、給水タンク内の水を加熱して高温蒸気を生成するボイラを有し、
前記プラグ手段には、途中位置に圧力調整手段を設けた混合蒸気排出路を接続し、
前記混合蒸気排出路は、前記圧力調整手段の上流側に位置する一次側管と、前記圧力調整手段の下流側に位置すると共に下流端部に熱回収手段を設けた二次側管とを有し、
前記圧力調整手段は、前記一次側管内の混合蒸気の圧力を、前記補修ライナーをライニングするための要求値に調整し、
前記熱回収手段は、前記二次側管内の混合蒸気の排熱を、前記給水タンク内の水へ回収することを特徴とする管路補修システム。
【請求項2】
請求項1に記載された管路補修システムにおいて、
前記圧力調整手段は、前記一次側管内の混合蒸気の圧力を検出する圧力検出手段の検出値に応じて、この混合蒸気の圧力を自動調整することを特徴とする管路補修システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された管路補修システムにおいて、
前記熱回収手段は、前記給水タンク内に配置されると共に前記給水タンク内の水と前記二次側管内の混合蒸気との間で熱交換させる排熱交換管と、該排熱交換管の下流端部を大気に開放する排気部と、該排気部内に発生したドレンを前記給水タンク内に回収する二次側ドレン回収部とを有することを特徴とする管路補修システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された管路補修システムにおいて、
前記一次側管には、途中位置に前記一次側管内に発生したドレンを前記給水タンクに回収する一次側ドレン回収部を設けたことを特徴とする管路補修システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された管路補修システムにおいて、
前記ボイラは、排ガスにより前記給水タンクの水を加熱するエコノマイザを有することを特徴とする管路補修システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された管路補修システムにおいて、
前記混合蒸気供給手段は、前記混合蒸気供給路内の混合蒸気の要求温度に応じて高温蒸気の流量と圧力との少なくとも一方を調整する高温蒸気調整手段と、前記混合蒸気供給路内の混合蒸気の要求流量と要求圧力との少なくとも一方に応じて圧縮空気を調整する圧縮空気調整手段とを有することを特徴とする管路補修システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された管路補修システムにおいて、
前記プラグ手段は、前記補修ライナーの一方の端部に装着されると共に、給気口及び排気口を有する共通プラグ部と、該共通プラグ部の給気口を介して前記補修ライナーに挿入される挿入部材とを有し、
前記混合蒸気供給路は、前記共通プラグ部の給気口に接続し、前記混合蒸気排出路の一次側管は、前記共通プラグ部の排気口に接続することを特徴とする管路補修システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−65722(P2010−65722A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230486(P2008−230486)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(508165490)旭テック環境ソリューション株式会社 (51)
【出願人】(591047866)株式会社カンツール (4)
【出願人】(508272293)株式会社ケーエスケー (2)
【Fターム(参考)】