説明

節電中動作監視制御装置、画像処理装置、節電中動作監視制御プログラム

【課題】節電中に起きた変化の内、節電前と節電復帰後とで設定変更が必要な変化を抽出し、かつ節電復帰後の設定変更の要否を記憶する。
【解決手段】監視対象がトレイの開閉があった場合、スイッチ素子26Aの状態が変化するが、その開放時間が短い(しきい値よりも短い)場合は、ユーザーが用紙が入っているか否かを確認するだけと判断され、節電前と状態は変化無しと認識する。一方、スイッチ素子26Aの状態が変化して、その開放時間が長い(しきい値よりも長い)場合は、用紙を追加されたり、異なるサイズ用紙に入れ替えられたりしている可能性が高いと判断され、節電前と状態は変化ありと認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節電中動作監視制御装置、画像処理装置、節電中動作監視制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、節電中にトレイ開閉動作並びにドア開閉をコントローラが検知したら、オペレータがこの機械を使用するしないに関わらず、例えば、トレイを開けて、すぐ閉めた場合でも、MCU(画像形成コントローラ)基板の電源を立ち上がることが記載されている。なお、この特許文献1では、検知する手段へ間欠に電力を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−268786公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、節電中に起きた変化の内、節電前と節電復帰後とで設定変更が必要な変化を抽出し、かつ節電復帰後の設定変更の要否を記憶することができる節電中動作監視制御装置、画像処理装置、節電中動作監視制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、節電中も常に通電され、当該節電中に操作があったか否かを検出する必要がある動作機構部のそれぞれに設置され、当該操作の有無を接点の切替で判別するスイッチ素子と、前記スイッチ素子の接点が通常状態から変化したときに計時を開始し、前記変化状態から通常状態に戻ったときに計時を終了することで、前記スイッチ素子の接点変化状態を計測する変化状態計測手段と、前記変化状態計測手段で計測する対象となるスイッチ素子が設けられた動作機構部を特定する動作機構部特定手段と、前記動作機構部特定手段で特定された動作記憶部を情報として記憶する記憶手段と、を有している。
【0006】
請求項2に記載の発明は、節電中も常に通電され、当該節電中に操作があったか否かを検出する必要がある動作機構部のそれぞれに設置され、当該操作の有無を接点の切替で判別するスイッチ素子と、前記スイッチ素子の接点が通常状態から変化したときに計時を開始し、前記変化状態から通常状態に戻ったときに計時を終了することで、前記スイッチ素子の接点変化状態を計測する変化状態計測手段と、前記変化状態計測手段で計測する対象となるスイッチ素子が設けられた動作機構部を特定する動作機構部特定手段と、前記動作機構部毎にしきい値を設定する設定手段と、前記変化状態計測手段で計測した時間が、前記設定手段により設定されたしきい値を超えた時間となった場合に、節電中に、当該スイッチ素子に対応する動作機構部に操作があったことを示す情報を記憶する記憶手段と、を有している。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記節電復帰後に、前記記憶手段の記憶情報の問い合わせがあるまで、当該情報を保持する。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記スイッチ素子が、通常の電力供給中に動作機構部の動作状態を監視し、節電中に機能しない監視制御ユニットの構成部品とは別に設けられ、オペレータの手動操作を含み、必要最小限の操作のみを検知する。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の節電中動作監視制御装置を備え、節電復帰の際に、前記節電中動作監視制御装置の記憶手段に対して、節電中に記憶された情報の有無を問い合わせて、当該情報を取得する情報送受信手段を有する画像形成装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の節電中動作監視制御装置として実行させる電力供給制御プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、請求項2、請求項5、請求項6に記載の発明によれば、節電中に起きた変化の内、節電前と節電復帰後とで設定変更が必要な変化を抽出し、かつ節電復帰後の設定変更の要否を記憶することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、情報を維持することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、他部品に関与することなく、節電中動作監視制御装置を後付けで組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図2】本実施の形態に係るメインコントローラと電源装置との概略構成図である。
【図3】本実施の形態に係る節電中の各ユニットでの監視を行うための回路図である。
【図4】本実施の形態に係る節電中監視制御部における節電中の監視を実行するための機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る節電中監視制御部における節電中の監視を実行するための制御フローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る節電中の監視対象の変化が、当該監視対象の設定更新の必要性があるか否かを判断するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部12又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0016】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0017】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、顕像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0018】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0019】
図2は、前記メインコントローラ200によって制御されるデバイス、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。
【0020】
(メインコントローラ200)
図2に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0021】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、画像読取制御部224、画像形成制御部226、画像複写制御部228、ファクシミリ受信制御部230、ファクシミリ送信制御部232が接続され、機能別に独立して制御するようになっている。
【0022】
画像読取制御部224、画像形成制御部226、画像複写制御部228、ファクシミリ受信制御部230、ファクシミリ送信制御部232は、デバイス選択I/F234に接続されている。
【0023】
デバイス選択I/F234は、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続され、前記画像読取制御部224、画像形成制御部226、画像複写制御部228、ファクシミリ受信制御部230、ファクシミリ送信制御部232における制御動作の実行に基づき、選択されるようになっている。
【0024】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである。
【0025】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図2の鎖線参照)。なお、図2では、電源線を1本の点線で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0026】
(電源装置202)
図2に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0027】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0028】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0029】
また、第2の電源部250は、高電圧電源生成部250Hと低電圧電源生成部(LVPS)250Lを備えている。高電圧電源生成部250Hは主として画像形成部240の定着部のヒータ等で使用される電源である。
【0030】
第2の電源部250の高電圧電源生成部250H及び低電圧電源生成部(LVPS)250Lは、選択的に、画像読取機能電源供給部258、画像形成機能電源供給部260、画像複写機能電源供給部262、ファクシミリ受信機能電源供給部264、ファクシミリ送信機能電源供給部266に接続されている。
【0031】
画像読取機能電源供給部258は、低電圧電源生成部(LVPS)250Lを入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0032】
画像形成機能電源供給部260は、高電圧電源生成部250Hと低電圧電源生成部(LVPS)250Lを入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0033】
画像複写機能電源供給部262は、高電圧電源生成部250Hと低電圧電源生成部(LVPS)250Lを入力源として、第4のサブ電源スイッチ272(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、画像読取部238及び画像形成部240に接続されている。
【0034】
ファクシミリ受信機能電源供給部264は、高電圧電源生成部250Hと低電圧電源生成部(LVPS)250Lを入力源として、第5のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0035】
ファクシミリ送信機能電源供給部266は、低電圧電源生成部(LVPS)250Lを入力源として、第6のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−6」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像読取部238に接続されている(通信レポート等の出力を除く)。
【0036】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ272、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。
【0037】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0038】
(節電中の監視)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。その中で、常に電力を供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0039】
この節電中監視制御部24は、装置が節電中に、トレイの引き出しが開閉されたり、筐体の扉が開閉されたり、フィニッシャーが着脱されたりしたときに、その変化状態を監視するものである。
【0040】
図3に示される如く、装置全体が通電中の場合、トレイの引き出しの開閉状態は、トレイ監視ユニット26が作動しており、メインコントローラ200のI/O210に接続されている。このトレイ監視ユニット26では、各トレイの用紙の有無、用紙のサイズ等を検出する。
【0041】
また、装置全体が通電中の場合、筐体の扉の状態は、所謂インターロッキング機能を有する扉開閉状態監視ユニット28が作動しており、メインコントローラ200のI/O210に接続されている。この扉が開いたときは、画像形成部240等への電力供給を遮断し、安全性を確保している。
【0042】
さらに、装置全体が通電中の場合、フィニッシャーの着脱状態は、フィニッシャー状態監視ユニット30が作動しており、メインコントローラ200のI/O210に接続されている。用紙の搬送に関与するため、フィニッシャーが脱落したときは、画像形成部240等への電力供給を遮断している。
【0043】
ところで、上記トレイ監視ユニット26、扉開閉状態監視ユニット28、フィニッシャー状態監視ユニット30は、装置全体が通電中のときに動作するものであり、言い換えれば、節電中は動作しない(監視しない)。このため、節電中に、トレイが開閉され、用紙のサイズが変更されたりしても、メインコントローラ200では、この変化を認識できないことになる。このため、節電復帰後、初期ルーチンとして、装置内の全ての変化状態を確認する必要があった。
【0044】
これに対して、本実施の形態では、上記トレイ監視ユニット26、扉開閉状態監視ユニット28、フィニッシャー状態監視ユニット30とは別に、節電中監視制御部24を設け、何らかの操作があったか否か等、必要最小限の情報を取得するようにした。
【0045】
すなわち、図3に示される如く、前記トレイ監視ユニット26が設けられたトレイユニットには、トレイ毎にトレイが開閉されたか否かを判別するスイッチ素子26Aが設けられている。スイッチ素子26Aの一端は節電中監視制御部24の信号源判別部32(後述)に接続され、他端は接地されている。
【0046】
また、図3に示される如く、前記扉開閉状態監視ユニット28が設けられた扉ユニットには、筐体に設けられた複数の扉が開閉されたか否かを判別するスイッチ素子28Aが設けられている。スイッチ素子28Aの一端は節電中監視制御部24の信号源判別部32(後述)に接続され、他端は接地されている。
【0047】
さらに、図3に示される如く、前記フィニッシャー状態監視ユニット30が設けられたフィニッシャーユニットには、フィニッシャーが着脱されたか否かを判別するスイッチ素子30Aが設けられている。スイッチ素子30Aの一端は節電中監視制御部24の信号源判別部32(後述)に接続され、他端は接地されている。
【0048】
各スイッチ素子26A、28A、30Aの一端は、分岐されて、それぞれプルアップ抵抗34、36、38を介して、節電中監視制御部24の節電中監視用電源供給部40(後述)に接続されている。このため、各スイッチ素子26A、28A、30Aの一端には、常に所定の電圧が印加されており、スイッチ素子26A、28A、30Aがオフ状態の場合は、電流が節電中監視制御部24の信号源判別部32に流れ、スイッチ素子26A、28A、30Aがオン状態の場合は、電流がスイッチ素子26A、28A、30Aを流れる。
【0049】
言い換えれば、節電中監視制御部24の信号源判別部32には、スイッチ素子26A、28A、30Aのオン・オフ状態で二値化された信号が入力されることになる。
【0050】
図4は、節電中監視制御部24における、監視制御のための機能ブロック図が示されている。
【0051】
節電中監視制御部24には、節電中監視用電源供給部40と信号源判別部32とが設けられている。
【0052】
節電中監視用電源供給部40には、電源線42が接続され、前述したように、プルアップ抵抗34、36、38(図3参照)を介して、それぞれのスイッチ素子26A、28A、30Aの一端へ所定の電圧を印加する。なお、プルアップ抵抗34、36、38の抵抗値は、接続されてるスイッチ素子26A、28A、30Aの数により設定される。
【0053】
なお、本実施の形態では、各ユニット(トレイユニット、扉ユニット、フィニッシャーユニット)毎にスイッチ素子26A、28A、30Aを並列接続したが、各スイッチ素子26A、28A、30Aを独立させてもよく、この場合は、より詳細な情報が得られることになる。
【0054】
各スイッチ素子26A、28A、30Aのオン・オフ状態は、前述したように、信号源判別部32へ二値化された信号として入力されるようになっている。
【0055】
信号源判別部32では、信号の変化を監視すると共に、入力される信号に基づいて、何れのユニットからの信号かを判別する。
【0056】
信号源判別部32では、信号の変化を検知すると、タイマカウンタ部44へスタート信号、ストップ信号を送出する。すなわち、スイッチ素子26A、28A、30Aの通常状態から変化したとき(例えば、通常状態がオンで、オフになっとき)、スタート信号が出力され、再び通常状態に戻ったとき(例えば、スイッチ素子26A、28A、30Aがオンに戻ったとき)、ストップ信号が出力される。
【0057】
タイマカウント部44には、クロック信号発生部46が接続されており、前記スタート信号からストップ信号までの時間を計測する。
【0058】
このタイマカウント部44で計測した時間情報は、信号源抽出部48に送出されるようになっている。この信号源抽出部48は、前記信号源判別部32に接続されており、判別されたユニット情報を取得する。
【0059】
信号源抽出部32は、しきい値読出部50及び比較判定部52のそれぞれに接続されている。信号源抽出部48からしきい値読出部50には、抽出信号源識別情報(すなわち、スイッチ素子26A、28A、30Aが変化したユニット)が送出され、信号源抽出部48から比較判定部52には、抽出信号源タイマ計測情報(すなわち、タイマカウント部44での計時情報)が送出される。
【0060】
しきい値読出部50は、信号源別しきい値メモリ54から、前記抽出したユニット毎に記憶されている計測した時間と比較するためのしきい値を読み出し、比較判定部52へ出力する。
【0061】
比較判定部52では、計測した時間としきい値とを比較し、計測した時間がしきい値を超えているか否かを判定すると共に、計測した時間がしきい値を超えた場合には、抽出したユニットを特定する情報(ユニット特定情報)を節電中操作検知情報記憶部56へ送出する。これにより、ユニット特定情報は記憶される。
【0062】
この節電中操作検知情報記憶部56は、節電中操作検知情報読出部56に接続されている。節電中操作検知情報読出部58では、節電復帰情報受信部60を介して、I/O210(図3参照)から問い合わせがあると、節電中操作検知情報記憶部56からユニット特定情報を読み出し、情報出力部62を介して、I/O210(図3参照)へ当該ユニット特定情報を読み出す。
【0063】
図2、図3に示す、メインコトローラ200では、このユニット特定情報に基づいて、節電中に変化があり、かつ何らかの操作がなされたユニットを特定し、情報の更新等が実行される。
【0064】
以下に、図5のフローチャート及び図6のタイミングチャートに従い、節電中監視制御の流れを説明する。このルーチンは、節電モードに入ったときに起動するルーチンである。
【0065】
ステップ100では、節電復帰となったか否かが判断され、否定判定されると、ステップ102へ移行する。
【0066】
ステップ102では、信号源に変化があったか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ100へ戻る。また、ステップ102で肯定判定されると、ステップ104へ移行してタイマをリセット・スタートし、ステップ106へ移行する。
【0067】
ステップ106では、スイッチ素子26A、28A、30Aが元の状態に戻ったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ108へ移行してタイマをストップさせ、ステップ110へ移行する。
【0068】
ステップ110では、信号源を識別する。すなわち、監視対象のユニットを特定し、対でステップ112へ移行して監視対象毎に設定されているしきい値を読み出す。
【0069】
次のステップ114では、信号源の変化時間の比較判定処理が実行される。
【0070】
例えば、図6のタイミングチャートの監視対象がトレイの開閉があった場合、スイッチ素子26Aの状態が変化するが、その開放時間が短い(しきい値よりも短い)場合は、ユーザーが用紙が入っているか否かを確認するだけと判断され、節電前と状態は変化無しと認識する。一方、スイッチ素子26Aの状態が変化して、その開放時間が長い(しきい値よりも長い)場合は、用紙を追加されたり、異なるサイズ用紙に入れ替えられたりしている可能性が高いと判断され、節電前と状態は変化ありと認識する。
【0071】
なお、他のユニットでも同様であるが、節電前に比べて状態が変化したと認識する時間が異なるため、それぞれにしきい値を設けている。
【0072】
次のステップ116では、節電中操作を認定したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ118へ移行して節電中操作認定を情報として記憶し、ステップ118へ戻る。すなわち、何れかのユニットにおいて、節電前とは異なる状態になっている可能性があることを情報として記憶する。また、ステップ118で否定判定された場合は、ステップ100へ戻る。
【0073】
一方、ステップ100で肯定判定されると、節電復帰時期と判断し、ステップ120へ移行する。ステップ120では、メインコントローラ200から問い合わせがあったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ122へ移行して、前記記憶した節電中操作情報を出力し、このルーチンは終了する。
【0074】
なお、ステップ122では、記憶した節電中情報としたが、情報が記憶されていない場合、「情報無し」を情報として出力するようにしてもよい。
【0075】
この情報を受け取ったメインコントローラ200では、節電中に変化があったユニットだけ情報更新のためのプログラムを起動すればよい。これは、全てのユニットの状態を監視するのに比べて、節電からの復帰を早める結果となる。或いは、何らかの動作の要求に対して動作した後に異常(用紙違い等)が発生することが回避される。
【0076】
なお、本実施の形態では、例えば、トレイユニットに設けたスイッチ素子26A、28A、30Aを全て並列接続するといった、図3に示す、トレイユニット、扉ユニット、フィニッシャーユニット単位で、監視を行うようにしたが、スイッチ素子26A、28A、30Aを全て独立させ、例えば、トレイ毎に開閉を監視、或いは扉毎に開閉を監視するようにしてもよい。
【0077】
また、スイッチ素子26A、28A、30Aは、通常状態をオン、変化があったときをオフとしたが、その逆でもよい。
【0078】
節電中監視制御部24を商用電源から常時電力を供給するようにしたが、乾電池、充電池、ソーラー電池等、商用電源以外の電源から電力の供給を受けるようにしてもよい。
【0079】
また、タイマによって、しきい値を超えた変化があったときに、情報として記憶するようにしたが、何らかの変化があった場合、その時間と共に情報として記憶し、節電前と比べて、更新が必要がどうかは、節電復帰後に、メインコントローラ200が行ってもよい。
【符号の説明】
【0080】
20 ネットワーク通信回線網
22 電話回線網
24 節電中監視制御部
26A、28A、30A スイッチ素子
32 信号源判別部
34、36、38 プルアップ抵抗
40 節電中監視用電源供給部
44 タイマカウンタ部
46 クロック信号発生部
48 信号源抽出部
50 しきい値読出部
52 比較判定部
54 信号源別しきい値メモリ
56 節電中操作検知情報記憶部
58 節電中操作検知情報読出部
60 節電復帰情報受信部
62 情報出力部
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
224 画像読取制御部
226 画像形成制御部
228 画像複写制御部
230 ファクシミリ受信制御部
232 ファクシミリ送信制御部
234 デバイス選択I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
244 入力電源線
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 高電圧電源生成部
250L 低電圧電源生成部
258 画像読取機能電源供給部
260 画像形成機能電源供給部
262 画像複写機能電源供給部
264 ファクシミリ受信機能電源供給部
266 ファクシミリ送信機能電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
272 第4のサブ電源スイッチ(「SW−4」)
274 第5のサブ電源スイッチ(「SW−5」)
276 第6のサブ電源スイッチ(「SW−6」)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
節電中も常に通電され、当該節電中に操作があったか否かを検出する必要がある動作機構部のそれぞれに設置され、当該操作の有無を接点の切替で判別するスイッチ素子と、
前記スイッチ素子の接点が通常状態から変化したときに計時を開始し、前記変化状態から通常状態に戻ったときに計時を終了することで、前記スイッチ素子の接点変化状態を計測する変化状態計測手段と、
前記変化状態計測手段で計測する対象となるスイッチ素子が設けられた動作機構部を特定する動作機構部特定手段と、
前記動作機構部特定手段で特定された動作記憶部を情報として記憶する記憶手段と、
を有する節電中動作監視制御装置。
【請求項2】
節電中も常に通電され、当該節電中に操作があったか否かを検出する必要がある動作機構部のそれぞれに設置され、当該操作の有無を接点の切替で判別するスイッチ素子と、
前記スイッチ素子の接点が通常状態から変化したときに計時を開始し、前記変化状態から通常状態に戻ったときに計時を終了することで、前記スイッチ素子の接点変化状態を計測する変化状態計測手段と、
前記変化状態計測手段で計測する対象となるスイッチ素子が設けられた動作機構部を特定する動作機構部特定手段と、
前記動作機構部毎にしきい値を設定する設定手段と、
前記変化状態計測手段で計測した時間が、前記設定手段により設定されたしきい値を超えた時間となった場合に、節電中に、当該スイッチ素子に対応する動作機構部に操作があったことを示す情報を記憶する記憶手段と、
を有する節電中動作監視制御装置。
【請求項3】
前記節電復帰後に、前記記憶手段の記憶情報の問い合わせがあるまで、当該情報を保持する請求項1又は請求項2記載の節電中動作監視制御装置。
【請求項4】
前記スイッチ素子が、通常の電力供給中に動作機構部の動作状態を監視し、節電中に機能しない監視制御ユニットの構成部品とは別に設けられ、操作者の手動操作を含み、必要最小限の操作のみを検知する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の節電中動作監視制御装置。
【請求項5】
前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の節電中動作監視制御装置を備え、
節電復帰の際に、前記節電中動作監視制御装置の記憶手段に対して、節電中に記憶された情報の有無を問い合わせて、当該情報を取得する情報送受信手段を有する画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の節電中動作監視制御装置として実行させる電力供給制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−193113(P2011−193113A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55999(P2010−55999)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】