説明

簡便型廃水処理装置および廃水処理方法

【課題】 本発明は擬集廃水処理に関して工場廃水種、生活廃水、河川廃水等に捉われない、かつ導入コスト、ランニングコストを低く抑えることが可能な簡便性に特化した廃水処理装置および廃水処理方法を得ることにある。
【解決手段】 原水の給水口と処理水の排水口を有する上蓋部、擬集沈殿汚泥を受ける下底部、上蓋部と下底部を繋ぐ可撓部とで構成された可撓性擬集沈殿処理タンク、保護筒、澄水および濁水の分岐処理弁、pH調整槽、浄水フィルター、オゾン酸化処理タンクを備えるとともに、擬集沈殿処理タンク、保護筒、オゾン酸化処理タンクを立体構成配置して施設を簡素化して導入コストを低く抑え、擬結剤による擬結処理、高分子擬集剤による擬集処理、活性炭による吸着沈降加速を同時に行うことで擬集沈殿処理工程を高速処理し、擬集沈殿処理を終えた沈降汚泥には擬集能力、吸着能力が残っているので、処理水と一緒に排出せず残留使用することにより、ランニングコストを低く抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は擬集廃水処理に対して工場廃水種、生活廃水、河川廃水等に捉われない、かつ簡便性に特化した簡便型廃水処理装置および廃水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の廃水処理施設は最初沈殿池、反応タンク、最終沈殿池、消毒設備などで構成され、汚水を一定基準まで浄化している。
【0003】
工場廃水処理では廃水種により、活性汚泥法、凝集沈殿法、油分離法、中和濾過法、その他(沈殿法、濾過法、散水濾過法、硝化処理活性汚泥法)などが運用されている。また、近年の高度水処理施設では、標準活性汚泥法、長時間エアレーション法、オキシデーションディッチ法(OD法)、回分式活性汚泥法、単槽式嫌気好気活性汚泥法(ツービート法)、好気性ろ床法、循環式硝化脱窒法、嫌気好気ろ床法、土壌被覆型礫間接触酸化法、嫌気無酸素好気法(A20法)なども運用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
さらに、畜産廃水などの有機性廃水、塗料洗浄水のような脱色が必要な廃水にはオゾン酸化、過酸化水素酸化、紫外線酸化などによる脱色処理を別に行っている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0005】
しかしながら、これらの処理施設は規模が大きく高額であり、中小の企業や畜産農家、小規模集落地、島嶼地域などでは現実的でない。また、処理方法に関しても様々で、運用に関しての専門的技術者が必要であり、コストも掛かることから低品質薬品や知識不足による2次汚染も問題化している(例えば、非特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2002−239567号広報
【特許文献2】 特開2009−274008号広報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】福島県下水道課WEBホームページ内サイト「下水の処理方法」
【非特許文献2】NNA2010年11月3日(水)8時30分配信「(ベトナム・インドシナ)排水処理薬品で環境汚染:低品質や知識不足で」
【非特許文献3】北海道水替事業共同組合WEBカタログ内サイト「これまでの凝集剤とこれからの凝集剤」
【非特許文献4】株式会社ロキテクノWEBカタログ内サイト「構造別フィルターの特徴」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、廃水処理に関して工場廃水種、生活廃水、河川廃水等に捉われない、かつ導入コスト、ランニングコストを低く抑えることが可能な簡便性に特化した廃水処理装置および廃水処理方法を提供する事を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決するために、本発明の廃水処理装置は、擬集沈殿処理タンク、保護筒、澄水および濁水の分岐処理弁、pH調整槽、浄水フィルター、オゾン酸化処理タンクを基本装置として備えたことを特徴とする。また、擬集沈殿処理タンクは原水の給水口と処理水の排水口、擬結剤注入口、高分子擬集剤注入口、活性炭注入口、攪拌装置を備えた上蓋部、擬集沈殿汚泥を受ける下底部、上蓋部と下底部を繋ぐ可撓部とで構成されていることを特徴とする。
【0010】
擬集沈殿処理タンクは上蓋部、可撓部、下底部で構成された可撓性タンクで、上蓋部を空洞の保護筒に吊り下げ固定、保護筒上程部をオゾン酸化処理タンク内に吊り下げ固定配置する。また、擬集沈殿処理タンク下底部をワイヤーで吊り下げ、上下昇降を可能とする。これにより、原水給水によるタンク下底部降下、ワイヤー引き上げによる下底部上昇によりタンク上蓋部からの処理水排水が容易に行える。ワイヤー引き上げ機構として、擬集沈殿処理タンクの上部に設けられた滑車を通じて電動ウィンチで巻き上げることを特徴とする。
【0011】
これらの発明によれば、原水の給水、擬結剤注入、高分子擬集剤注入、活性炭注入、攪拌による擬結擬集吸着、沈降待機、処理水排水を擬集沈殿処理タンク一槽で行うので、装置が簡素となる。また、ワイヤー引き上げによる下底部上昇により、擬集沈殿処理タンク上蓋部の排水口から擬集沈殿分離した上部澄水のみを排水可能となる。さらに、擬集沈殿汚泥には擬結擬集吸着能力が残っているので、処理水と一緒に排出せず、擬結擬集吸着能力がなくなるまで利用することができる。
【0012】
本発明では、擬集沈殿処理タンク、保護筒、オゾン酸化処理タンクを立体構成配置している。これにより施設スペースの削減、簡素化が可能となる。また、擬集沈殿処理タンクをオゾン酸化処理タンク内に配置することで、オゾン酸化処理水が浮力水として機能し、可撓性を有した擬集沈殿処理タンクを吊り下げ配置することが容易となる。また、保護筒が可撓性を有した擬集沈殿処理タンクの攪拌時のねじれ、上下昇降時のよれを防止する。
【0013】
本発明で用いる高分子凝集剤には無機高分子擬集剤を用いることが望ましい。無機高分子擬集剤は、事前中和を必要とせずに原水汚濁物の擬集が可能なので、原水濃度調整槽が不要となる。また、無機高分子擬集剤は有機廃水にも有効なので、有機廃水中の窒素を除去する脱窒槽なども不要となる。さらに、原水給水量計測計および原水給水制御バルブで擬集沈殿処理タンクへの給水制御を行うことにより、流入調整槽も不要となる。これらにより、施設の簡素化およびスペースの削減が可能となる。
【0014】
また、本発明では、pH調整槽を擬集沈殿処理タンクの後段に配置した。高分子凝集剤に無機高分子擬集剤を用いることにより、事前中和を必要とせずに原水の擬集沈殿処理が行われ、中和処理も施される。これにより、本工程のpH調整に用いる中和剤を減らすことができる。
【0015】
さらに、本発明では、浄水フィルターをpH調整槽の後段に配置し、pH調整後の処理水を浄水フィルターに通水して精密濾過する。これにより、擬集沈殿処理工程でフロック化しなかった濁物および雑菌、pH調整工程で使用された中和剤などの不純物を取り除くことが可能となる。
【0016】
本発明では、オゾン酸化処理タンクを施設最終位置に備えた。上述の擬集沈殿処理により、T−N(トータル窒素含有量)やCOD(有機物、無機物化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)等が低減していることや活性炭による色素吸着により脱色が進んでいることに加えて、最終pH調整工程での水素イオン濃度の基準値調整、浄水フィルターでの精密濾過によるSS(浮遊物質量)の低減および大腸菌などの雑菌除去が施されているので、少ないオゾン量で充分な脱色、殺菌およびDO(溶存酸素量)の基準値化が可能となる。
【0017】
また、本発明の廃水処理装置は、擬集沈殿処理タンク上蓋部、下底部、および保護筒にFRP(繊維強化プラスチック)、擬集沈殿処理タンク可撓部にHDPE(高密度ポリエチレン)を用い、オゾン酸化処理タンクの側面に監視窓を備えることにより、擬集沈殿処理タンク内の目視監視を可能にしている。これにより、擬集沈殿処理工程の監視管理、残存沈殿汚泥量の監視把握が可能となる。
【0018】
さらに、監視カメラを設置し、遠隔管理施設を設ければ、専任廃水処理担当がいない小規模企業、僻地施設を集中監視、管理することが出来、安定した制御管理が行える。
【0019】
本発明の廃水処理装置は、原水給水ポンプ、澄水揚水ポンプ、放流水(再利用水)配水ポンプ、返水(濁水)配水ポンプ、沈殿スレッジ強制除去用ポンプ、薬液タンク、薬液注入装置、濁度計、pH線形調節計、水位計、攪拌装置、滑車群、電動ウィンチ、オゾン発生装置、入水量計測計、澄水出水量計測計、未澄水(濁水)出水量計測計、原水給水制御バルブ、処理水排水制御バルブ、などを付帯装置として備えた。ここで、基本装置、付帯装置を上下段のラック状に配置組み合わせて施設をユニット化することにより、施工および移設が容易で、設置スペースの削減、施工期間の短縮およびコストを削減できる。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)擬集沈殿処理タンク、保護筒、澄水および濁水の分岐処理弁、pH調整槽、浄水フィルター、オゾン酸化処理タンクで基本を構成しているので、簡素で設備コストが低い。
【0021】
(2)擬集沈殿処理タンクは原水の給水口と処理水の排水口、擬結剤注入口、高分子擬集剤注入口、活性炭注入口、攪拌装置を備えた上蓋部、擬集沈殿汚泥を受ける下底部、上蓋部と下底部を繋ぐ可撓部とで構成された可撓性タンクで、下底部をワイヤーで吊り下げて上下昇降を可能にしたことを特徴としている。ワイヤー引き上げによる下底部上昇により、擬集沈殿処理タンク上蓋部の排水口から擬集沈殿分離した上部澄水のみを排水可能となる。下底部に残存した擬集沈殿汚泥には擬結擬集吸着能力が残っているので、処理水と一緒に排出せず、擬結擬集吸着能力がなくなるまで利用することが可能となり、擬結剤、高分子擬集剤および活性炭の使用量が減り、ランニングコストが下がる。
【0022】
(3)ワイヤー引き上げ機構として、擬集沈殿処理タンクの上部に設けられた滑車を通じて電動ウィンチで巻き上げることを特徴としているので、機構が簡素で設備コストが低い。
【0023】
(4)擬集沈殿処理タンクの上蓋部を空洞の保護筒に吊り下げ固定、保護筒上程部をオゾン酸化処理タンク内に吊り下げ固定配置したことを特徴としている。保護筒が可撓性を有した擬集沈殿処理タンクの攪拌時のねじれ、上下昇降時のよれを防止し、オゾン酸化処理水が浮力水として機能し、可撓性を有した擬集沈殿処理タンクを吊り下げ配置することを容易としている。擬集沈殿処理タンク、保護筒、オゾン酸化処理タンクを立体構成配置することで、施設スペースの削減および簡素化が可能で、設備コストが下がる。
【0024】
(5)pH調整槽を擬集沈殿処理タンクの後段に配置したことを特徴としている。上述の高分子凝集剤に無機高分子擬集剤を用いることにより、事前中和を必要とせずに原水の擬集沈殿処理が行われ、中和処理も施されるので、少ない調整剤で十分なpH調整を行うことができる。これにより、pH調整剤の使用量が減り、ランニングコストが下がるとともに、pH調整剤薬液タンクが小さくて済むので、施設スペースの削減および設備コストが下がる。
【0025】
(6)浄水フィルターをpH調整槽の後段に配置し、pH調整後の処理水を浄水フィルターに通水して精密濾過することを特徴としている。これにより、擬集沈殿処理工程でフロック化しなかった濁物および雑菌、pH調整工程で使用された中和剤などの不純物を取り除くことが可能となる。
【0026】
(7)オゾン酸化処理タンクを施設最終位置に備えたことを特徴としている。上述の擬集沈殿処理により、T−N(トータル窒素含有量)やCOD(有機物、無機物化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)等が低減していることや活性炭による色素吸着により脱色が進んでいることに加えて、最終pH調整工程での水素イオン濃度の基準値調整、浄水フィルターでの精密濾過によるSS(浮遊物質量)の低減および大腸菌などの雑菌除去が施されているので、少ないオゾン量で充分な脱色、殺菌およびDO(溶存酸素量)の基準値化が可能となる。これにより、オゾンの使用量が極めて少量で済むので環境にやさしいとともに、オゾン発生原料に常態空気を利用できるのでランニングコストが下がる。
【0027】
(8)擬集沈殿処理タンク上蓋部、下底部、および保護筒にFRP(繊維強化プラスチック)、擬集沈殿処理タンク可撓部にHDPE(高密度ポリエチレン)を用い、オゾン酸化処理タンクの側面に監視窓を備えて、擬集沈殿処理タンク内の目視監視を可能にしたことを特徴としている。これにより、擬集沈殿処理工程の監視管理、残存沈殿汚泥量の監視把握が可能となるので、安定した制御管理が行える。
【0028】
(9)原水給水ポンプ、澄水揚水ポンプ、放流水(再利用水)配水ポンプ、返水(濁水)配水ポンプ、沈殿スレッジ強制除去用ポンプ、薬液タンク、薬液注入装置、濁度計、pH線形調節計、水位計、攪拌装置、滑車群、電動ウィンチ、オゾン発生装置、入水量計測計、澄水出水量計測計、未澄水(濁水)出水量計測計、原水給水制御バルブ、処理水排水制御バルブ、などを付帯装置として備えている。これら基本装置、付帯装置を上下段のラック状に配置組み合わせて施設をユニット化したことを特徴としている。このことにより、施工および移設が容易となり、設置スペースの削減、施工期間の短縮およびコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 本発明の実施の形態における廃水処理装置を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態による擬集沈殿処理工程の時差分散並列処理の概念図である。
【図3】 本発明の実施の形態による擬集沈殿処理工程の時差分散並列処理の制御フローチャートである。
【図4】 浄水フィルターに用いる濾材(フィルター)の通水孔径と吸着除去対象物である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明の実施の形態における廃水処理装置を示す概略構成図である。
図1において、本発明の実施の形態における廃水処理装置は、原水の給水口と処理水の排水口、擬結剤注入口、高分子擬集剤注入口、活性炭注入口、攪拌装置を有するタンク上蓋部1A1、1A2および1A3、擬集沈殿汚泥を受けるタンク下底部1C1、1C2および1C3、タンク上蓋部とタンク下底部を繋ぐタンク可撓部1B1、1B2および1B3とで構成された擬集沈殿処理タンク1xx、保護筒21、22および23、澄水および濁水の分岐処理弁VA、pH調整槽41、浄水フィルター90、オゾン酸化処理タンク30を基本装置として備えている。
【0032】
本発明の実施の形態における廃水処理装置は、前記基本装置に加えて原水給水ポンプM1、澄水揚水ポンプM2、放流水(再利用水)配水ポンプM3、返水(濁水)配水ポンプM4、沈殿スレッジ強制除去用ポンプM5、薬液タンクYA、YB、YCおよびYD、薬液注入装置P1A、P2A、P3A、P1B、P2B、P3B、P1C、P2C、P3CおよびP4、濁度計ZA、pH線形調節計ZB、水位計ZC、攪拌装置X1、X2、X3およびXA、滑車群、電動ウィンチD1、D2およびD3、オゾン発生装置99、原水給水量計測計F1、F2およびF3、澄水出水量計測計FA、未澄水(濁水)出水量計測計FB、原水給水制御バルブIV1、IV2およびIV3、処理水排水制御バルブOV1、OV2およびOV3、などを付帯装置として備えている。
【0033】
本発明の実施の形態における廃水処理装置は、擬集沈殿処理タンク(符号略)、保護筒(符号略)、オゾン酸化処理タンク30を立体構成配置している。また、基本装置、付帯装置を上下段のラック状に配置組み合わせて施設をユニット化している。これにより、設置スペースを削減し、施工および移設を容易にしている。
【0034】
本発明の実施の形態における廃水処理装置は、原水給水ポンプM1により、擬集沈殿処理タンク(符号略)に給水する。給水量は原水給水量計測計(符号略)および原水給水制御バルブ(符号略)で制御する。これにより、流入調整槽を必要とせず、設備が簡素となる。
【0035】
ここで、原水給水ポンプM1に自吸渦巻ポンプ(例えば、横田製作所自吸渦巻ポンプ呼水強化UHNS型)を用いるものであれば、原水池(槽)から離れた場所での設備施設が可能となる。
【0036】
原水に擬結剤、高分子擬集剤、活性炭を薬液タンク(符号略)から投与して擬結擬集吸着処理をおこなう。擬結剤、高分子擬集剤、活性炭の投与量は薬液注入装置(符号略)により制御する。
【0037】
擬結剤は擬集補助として用い、固形懸濁粒子、コロイド粒子の擬結をおこない、微小フロックを形成する。擬結剤は無機、有機に大別され、有機擬結剤としてはポリアミン、DADMAC、メラミン酸コロイドおよびジシアンジアミドなどがある。無機擬結剤としては硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、塩化アルミニウムおよびPAC(ポリ塩化アルミニウム)のアルミニウム塩系、第一鉄塩、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄および塩化第二鉄の鉄塩系などがあるが、アルミニウムがアルツハイマー症に関係するのではないかとの疑念から、擬結剤をアルミニウム塩から鉄塩に切り替えた浄水場もある。塩化第二鉄は擬集pHを低くでき、砒素の除去や天然有機物の除去にアルミニウム塩系より効果が高いので、逆浸透膜による海水淡水化施設の前処理、下水汚泥や屎尿汚泥の脱水用濾過助剤としても使用されているが、強い酸性で腐食性が高く、塩素を含むため汚泥を焼却した場合のダイオキシン発生の原因も懸念されている。また、近年ではポリ硫酸第二鉄および鉄−シリカ無機擬結剤などが新しく提案されている。本発明の実施の形態による擬集沈殿処理工程に使用する擬結剤としては、ポリ硫酸第二鉄を推奨する。ポリ硫酸第二鉄は塩化第二鉄と比べて腐食性がはるかに少ないため、排水処理設備を痛めにくく、硫化水素による金属やコンクリートの腐食を抑制する。また、汚泥を焼却してもダイオキシン発生の原因にならない。リン除去、COD及びBODの除去、重金属類の除去、硫化水素の発生抑制効果と共にFe2+やFe3+イオンが下水汚泥で発生しやすい硫化水素やメチルメルカプタンなどの硫黄化合物系臭気と反応しやすく、脱臭剤としての働きを兼ね備える。
【0038】
高分子擬集剤は有機系、無機系に大別される。有機系高分子擬集剤は科学的に作られた合成剤でカチオン(陽イオン)性、アニオン(陰イオン)性およびノニオン(非イオン)性に分かれる。安価ではあるが、必ず中和剤、中和装置を必要とする。また、利用した事がない者には、使用することが難しく、2次汚染の危険性も含んでいる。無機系高分子擬集剤は水溶性塩類に有機を併用(混合)したもので、使用は有機系に比べるとさほど難しくない。しかし、有機系と比べると高価で多様な廃水の性状に満足した結果を得られないことが多い。また、場合によっては中和剤、中和装置が必要となる。本発明の実施の形態による擬集沈殿処理工程に使用する高分子擬集剤として、北海道室蘭工業大学の吉田教授と北海道水替事業共同組合技術研究所副所長の共放鳴工学博士が提携して開発したPH中性無機擬集剤を推奨する。本PH中性無機擬集剤は主原料である天然鉱物を800℃以上で加熱し有害物質を除去し無機化した後、他の天然成分を加工配合した無機高分子擬集剤で無害で、多量に使用しても公害汚染の心配がなく、様々な廃水に対応できる。また、低水温の廃水や海水の処理に対しても対応できる。無機高分子擬集剤は高価ではあるが、中和剤などが不要なため、事前原水濃度調整槽が不要になると共に、有機廃水にも有効に対応できることから有機廃水中の窒素を除去する脱窒槽なども不要となるので設備を簡素化でき(例えば、非特許文献3参照。)、トータル的なコストダウンに繋がる。
【0039】
活性炭は、大部分の炭素の他、酸素、水素、カルシウムなどからなる多孔質の物質で、表面に1ナノメートル(100万分の1ミリメートル)から1マイクロメートル(千分の1ミリメートル)の微細な穴(細孔)が無数にあり、表面積が極めて大きいために、多くの有機物質を吸着させる性質がある。また、表面が非極性の性質を持つため、水のような分子量の小さい極性分子は吸着しにくく、粒状の有機物を選択的に吸着しやすい。この性質を利用して、擬集沈殿処理タンク内の原水に無機擬結剤、無機高分子擬集剤と共に活性炭を供給して、無機擬結剤による擬結、無機高分子擬集剤による擬集でフロック化した懸濁物質を活性炭による吸着でより大きなフロックを形成し、原水中の懸濁物分離とフロックの沈降を加速する。ここで用いる活性炭は微細粉体であることが望ましい。
【0040】
擬集沈殿処理タンク上蓋部(符号略)に備えた攪拌装置(符号略)で一定時間攪拌した後、停止してフロック化した懸濁物質が沈降するまで待機する。
【0041】
所定時間静置して懸濁物質を十分沈降させた後、電動ウィンチ(符号略)でワイヤーを巻き上げて擬集沈殿処理タンク下底部(符号略)を所定高さまで引き上げ、上蓋部(符号略)に設けられた処理水の排水口から排水する。これにより、容易に擬集沈殿処理された上澄みの処理水を排出し、擬集沈殿処理タンク下底部(符号略)に沈降汚泥を残留できる。残留した沈降汚泥には擬結擬集吸着能力が残っているので、これを擬結擬集吸着能力がなくなるまで利用することで、無機擬結剤、無機高分子擬集剤、活性炭の使用量が少なくて済むことからランニングコストが低く、装置コストも低い。
【0042】
図2は本発明の実施の形態による擬集沈殿処理工程の時差分散並列処理の概念図である。また、図3は本発明の実施の形態による擬集沈殿処理工程の時差分散並列処理の制御フローチャートである。
擬集沈殿処理工程は原水給水、攪拌および沈降待機(図では擬集沈降と表記)、処理水排水(図では澄水排水と表記)の3工程を1サイクルとして処理するので、各工程を3基の擬集沈殿処理タンクで時差分散並列処理することにより、処理効率を上げる。
【0043】
ここで、本実施の形態による擬集沈殿処理タンク1基の処理容量を1m、1サイクル(原水給水、攪拌および沈降待機、処理水排水)時間を6分とした場合、「1m * 6分/サイクル * 3タンク ≒ 30m/時( * 24時間 ≒ 720m/日)」を処理することができる。
【0044】
擬集沈殿処理タンク(符号略)から排出した処理水は、澄水および濁水の分岐処理弁VAで清明な水と濁った水とに分岐し、清明な水は次工程のpH調整槽41へ導き、濁った水は返水一時待機タンク51を経由して原水池(槽)へ返水する。本実施形態では分岐処理弁VAの切り替え制御に濁度計ZAを設けている。
【0045】
また、本実施形態では分岐処理弁VAの先に澄水出水量計測計FA、未澄水(濁水)出水量計測計FBを設けている。原水給水量に対する澄水出水量および未澄水(濁水)出水量の割合を計測して無機擬結剤、無機高分子擬集剤、活性炭の投与量制御が行えるようにしている。
【0046】
返水一時待機タンク51は廃棄スレッジ除去ネットフィルター52を設けて、廃棄スレッジの除去および回収を行い、スレッジが原水池(槽)へ流れ込まないようにしている。
【0047】
本実施形態はpH調整槽41を擬集沈殿処理タンク(符号略)の後段に設けている。前述の擬集沈殿処理工程でpH中和調整が進んでいるので、最終pH調整に用いる中和剤の量を減らすことができる。このとき用いる中和剤は酸性の場合は主成分無水炭酸ナトリウムのpH(+)調整剤、アルカリ性の場合は主成分重硫酸ナトリウムのpH(−)調整剤が望ましい(例えば、日産化学工業株式会社製PHプラスマイナス調整剤。)。これら調整剤はプール用pH調整剤として用いられており、人体(生態)環境にやさしい。
【0048】
また、pH中和プロセスは、中和点近傍でプロセスゲインが大きく、偏差が大きくなる非線形プロセスで、pH線形調節計ZBで中和点付近でチューニングを行うと偏差が大きいところで応答が悪くなり、中和点から外れたところでチューニングを行うと一巡ゲインが1を超えた時点で振動する。本発明の実施形態では非線形(不感帯)ブロックを使用して調節計のゲインを中和点付近で小さくし、一巡ゲインが全レンジ範囲で均一になるようにし、安定した制御が行えるようにしている。
【0049】
本実施形態はpH調整後の処理水を澄水揚水ポンプM2で浄水フィルター90、オゾン酸化処理タンク30へ導く。
【0050】
図4は浄水フィルター90に用いる濾材(フィルター)の通水孔径と吸着除去対象物である。本実施形態は浄水フィルター90に通水してpH調整後の処理水を精密濾過する。
【0051】
浄水フィルターは、フィルター(濾材)構造により、糸巻きタイプ、ロールタイプ、サーフェスタイプ、デプスプリーツタイプ、吸着タイプなどがある(例えば、非特許文献4参照。)。糸巻きタイプはフィルターの一次側から二次側に進むにつれ徐々に細かくなる構造(濾過精度勾配)で糸を巻いており、濾材の厚みを利用して濾過を行うことを特徴としている。また、ロールタイプは繊維径の異なる数種類の不織布をロール状に巻いた構造で、一次側が粗く、二次側に進むにつれて濾過精度が細かくなる濾過精度勾配を持ち、濾材の厚みを利用して濾過を行うことを特徴としている。サーフェスタイプは不織布をプリーツ状に加工することにより、濾過面積を大きくして濾材の表面で濾過を行うことが特徴である。デプスプリーツタイプは繊維径の異なる数種類の不織布を一緒にプリーツ加工することでロールタイプの利点である優れた濾過精度勾配を持たせつつ、プリーツタイプの利点である広い濾過面積を実現し、濾材の表面、濾材の厚みにより濾過を行うことを特徴とする。吸着タイプでは濾材の繊維間空間による物理的濾過に加えて、濾材に含まれる濾過助剤(活性炭、珪藻土、パーライトなど)の働きによる吸着機能を持つ。
【0052】
本発明による実施形態ではフィルター(濾材)に株式会社ロキテクノ製Qフロータイプを推奨する。Qフロータイプは通常の糸巻きタイプ、プリーツタイプの内外径を大きくしたもので、通常のカートリッジと比較して4倍の流量(最大流量:160L/min)を流すことができるので、複数本のカートリッジによる分散通水を行うことで、本発明による実施形態に必要な流量を確保することができる。
【0053】
また、擬集沈殿処理タンク(符号略)での無機擬結剤による擬結処理、無機高分子擬集剤による擬集処理、活性炭による吸着沈降加速処理を行い、澄水および濁水の分岐処理弁で分岐した清明な水を通水濾過するので、吸着除去物質が少なく、フィルターの目詰まりによる流量低下を抑え、フィルター交換推奨差圧になるまでの使用期間が長くなることから、ランニングコストが下がる。
【0054】
本実施形態は浄水フィルター90の後段にオゾン酸化処理タンク30を配置しており、最終工程のオゾン酸化処理を行う。既に上述のように擬集沈殿処理により、T−N(トータル窒素含有量)やCOD(有機物、無機物化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)等が低減していることや活性炭による色素吸着により脱色が進んでいることに加えて、最終pH調整工程での水素イオン濃度の基準値調整、浄水フィルターでの精密濾過によるSS(浮遊物質量)の低減および大腸菌などの雑菌除去が施されているので、少ないオゾンで最終殺菌、最終脱色を行うことが可能である。これにより、オゾンの使用量が極めて少量で済むので環境にやさしいとともに、オゾン発生原料に常態空気を利用できるのでランニングコストが下がる。
【0055】
オゾン酸化処理の後、放流水(再利用水)取り出し口92より排水して放水路へ放流、または再利用水貯水槽へ配水する。本実施形態は放流水(再利用水)配送ポンプM3を装備している。これにより、放水路または再利用水貯水槽が離れた場所にある場合にも対応できる。
【0056】
本実施形態では、擬集沈殿処理タンク上蓋部(符号略)、下底部(符号略)、および保護筒(符号略)にFRP(繊維強化プラスチック)、擬集沈殿処理タンク可撓部(符号略)にHDPE(高密度ポリエチレン)を用い、オゾン酸化処理タンク30の側面に監視窓を備えて、擬集沈殿処理タンク内を目視監視できるようにしている。これにより、残存汚泥の量を把握することが容易に可能となる。規定量を超えた残存汚泥は沈殿スレッジ強制除去用ポンプM5で吸引して返水一時待機タンク51へ配送する。
【0057】
また、図示しないが、監視カメラを設置し、遠隔管理施設を設ければ、専任廃水処理担当がいない小規模企業、僻地施設を集中監視、管理することが出来、安定した制御管理が行える。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は擬集廃水処理に関して、廃水種に捉われないので各種工場廃水処理、生活廃水処理、河川廃水浄化等に有用である。
【0059】
また、本発明はオゾン酸化処理機能をも備えているので、脱色が必要な畜産廃水などの有機性廃水処理にも有用である。
【0060】
本発明は図1に示されるごとく、基本装置、付帯装置を上下段のラック状に配置組み合わせている。この下段部位、上段部位を分載して搬送することができ、被災地などでの仮施設による簡易排水、臨時生活水確保にも有用である。
【0061】
また、本発明の廃水処理装置の後段に簡便浸透濾過膜装置を設定することにより、海水より飲料水を確保することも容易である。これにより、島嶼域での生活圏確保にも有用である。
【符号の説明】
【0062】
1A1、1A2、1A3 擬集沈殿処理タンク上蓋部
1B1、1B2、1B3 擬集沈殿処理タンク可撓部
1C1、1C2、1C3 擬集沈殿処理タンク下底部
21、22、23 保護筒
30 オゾン酸化処理タンク
31、32、33 監視窓
41 pH調整槽
51 返水一時待機タンク
52 廃棄スレッジ除去ネットフィルター
71 施設架台下段
72 施設架台上段
73 施設架台頂部
90 浄水フィルター
92 放流水(再利用水)取り出し口
99 オゾン発生装置
D1、D2、D3 電動ウィンチ
F1、F2、F3 原水給水量計測計
FA 澄水排水量計測計
FB 未澄水(濁水)排水量計測計
IV1、IV2、IV3 原水給水制御バルブ
OV1、OV2、OV3 処理水排水制御バルブ
X1、X2、X3 攪拌装置
XA 攪拌装置
M1 原水給水ポンプ
M2 澄水揚水ポンプ
M3 放流水(再利用水)配送ポンプ
M4 濁水返送ポンプ
M5 沈殿スレッジ強制除去用ポンプ
YA、YB、YC 薬液タンク
YD 薬液タンク
P1A、P2A、P3A 薬液注入装置
P1B、P2B、P3B 薬液注入装置
P1C、P2C、P3C 薬液注入装置
P4 薬液注入装置
GA ガラス管
VA 澄水および濁水の分岐処理弁
ZA 濁度計
ZB pH線形調節計
ZC 水位計
PL1 配管
PL2A 配管
PL2B 濁度計測用バイパス管
PL2C、PL2D 配管
PL3、PL4、PL5 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬集沈殿処理タンク、保護筒、澄水および濁水の分岐処理弁、pH調整槽、浄水フィルター、オゾン酸化処理タンクで基本を構成している簡素で設備コストが低く、簡便性に特化した簡便型廃水処理装置。
【請求項2】
擬集沈殿処理タンクは原水の給水口と処理水の排水口、擬結剤注入口、高分子擬集剤注入口、活性炭注入口、攪拌装置を備えた上蓋部、擬集沈殿汚泥を受ける下底部、上蓋部と下底部を繋ぐ可撓部とで構成された可撓性タンクで、下底部をワイヤーで吊り下げて上下昇降を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項3】
ワイヤー引き上げによる下底部上昇により、擬集沈殿処理タンク上蓋部の排水口から擬集沈殿分離した上部澄水のみを排水可能で、下底部に残存した擬集沈殿汚泥には擬結擬集吸着能力が残っているので、処理水と一緒に排出せず、擬結擬集吸着能力がなくなるまで利用することで、擬結剤、高分子擬集剤および活性炭の使用量を低減して、ランニングコストを下げたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の簡易型廃水処理装置。
【請求項4】
原水の給水、擬結剤注入、高分子擬集剤注入、活性炭注入、攪拌による擬結擬集吸着、沈降待機、処理水の排水を擬集沈殿処理タンク一槽で行うことで設備を簡素化したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項5】
ワイヤー引き上げ機構として、擬集沈殿処理タンクの上部に設けられた滑車を通じて電動ウィンチで巻き上げることを特徴とする機構が簡素で設備コストが低い請求項1から4のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項6】
擬集沈殿処理タンクの上蓋部を空洞の保護筒に吊り下げ固定、保護筒上程部をオゾン酸化処理タンク内に吊り下げ固定配置して、保護筒が可撓性を有した擬集沈殿処理タンクの攪拌時のねじれ、上下昇降時のよれを防止し、オゾン酸化処理水が浮力水として機能し、可撓性を有した擬集沈殿処理タンクを吊り下げ配置することを容易にするとともに、擬集沈殿処理タンク、保護筒、オゾン酸化処理タンクを立体構成配置することで、施設スペースの削減および簡素化を計り、設備コストを下げたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項7】
pH調整槽を擬集沈殿処理タンクの後段に配置して、上述の高分子凝集剤に無機高分子擬集剤を用いることにより、事前中和を必要とせずに原水の擬集沈殿処理が行われ、中和処理も施されるので、少ない調整剤で十分なpH調整を行うことができることから、pH調整剤の使用量が減り、ランニングコストを下げるとともに、pH調整剤薬液タンクが小さくて済むので、施設スペースの削減および設備コストを下げたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項8】
浄水フィルターをpH調整槽の後段に配置し、pH調整後の処理水を浄水フィルターに通水して精密濾過することにより、擬集沈殿処理工程でフロック化しなかった濁物および雑菌、pH調整工程で使用された中和剤などの不純物を取り除くことを可能とした請求項1から7のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項9】
オゾン酸化処理タンクを施設最終位置に備えて、上述の擬集沈殿処理により、T−N(トータル窒素含有量)やCOD(有機物、無機物化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)等が低減していることや活性炭による色素吸着により脱色が進んでいることに加えて、最終pH調整工程での水素イオン濃度の基準値調整、浄水フィルターでの精密濾過によるSS(浮遊物質量)の低減および大腸菌などの雑菌除去が施されているので、少ないオゾン量で充分な脱色、殺菌およびDO(溶存酸素量)の基準値化が可能となり、オゾンの使用量が極めて少量で済むので環境にやさしいとともに、オゾン発生原料に常態空気を利用できるのでランニングコストを下げることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項10】
擬集沈殿処理タンク上蓋部、下底部、および保護筒にFRP(繊維強化プラスチック)、擬集沈殿処理タンク可撓部にHDPE(高密度ポリエチレン)を用い、オゾン酸化処理タンクの側面に監視窓を備えて、擬集沈殿処理タンク内の目視監視を可能にしたことで、擬集沈殿処理工程の監視管理、残存沈殿汚泥量の監視把握が可能となるので、安定した制御管理が行えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。
【請求項11】
原水給水ポンプ、澄水揚水ポンプ、放流水(再利用水)配水ポンプ、返水(濁水)配水ポンプ、沈殿スレッジ強制除去用ポンプ、薬液タンク、薬液注入装置、濁度計、pH線形調節計、水位計、攪拌装置、滑車群、電動ウィンチ、オゾン発生装置、入水量計測計、澄水出水量計測計、未澄水(濁水)出水量計測計、原水給水制御バルブ、処理水排水制御バルブ、などを付帯装置として備えている。これら基本装置、付帯装置を上下段のラック状に配置組み合わせて施設をユニット化することにより、施工および移設が容易となり、設置スペースの削減、施工期間の短縮およびコストを削減したことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の簡便型廃水処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−217988(P2012−217988A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103267(P2011−103267)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(511109870)
【Fターム(参考)】