説明

簡易作成型飲食用器具

【課題】安価で容易に作成でき、持ち運ぶのに便利な簡易作成型飲食用器具を提供する。
【解決手段】連続した1枚のシート2からなり、シート2上には、少なくとも1本の第1折れ線3と、第1折れ線3の一頂点7から第1折れ線3と鋭角x、yをなす第2折れ線4が設けられており、第1折れ線3及び第2折れ線4は、シート2の周縁上から設けられていることを特徴とする。また、第2折れ線4は第1折れ線3を挟み両側に複数本設けられており、シート2には第1折れ線3を挟んで2つの第1の孔8、第2の孔9が設けられ、この第1の孔8、第2の孔9は第1折れ線3と第2折れ線4で曲げ変形される際に対向する又は重なることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は室内外の立食パーティー時に使用する簡易作成型飲食用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、折畳み紙皿として、機械的な折畳みかつ貼合わせることで作成される3角形の紙皿がある(特許文献1参照)。この紙皿には、折り目線、折畳み線、ミシン目線や糊代片が設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
また、片手で一度に多数の簡易食器を保持しながら、食事をすることができる、簡易食器用トレイがあり、これは所定形状のシートと、シートに形成された簡易食器に対応する第1の開口と、指を通してシートを保持するためにシートに形成された第2の開口とを備えている(特許文献2参照)。このシートの材質はプラスチック段ボールを含んでいる(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】実開平5−77018号公報
【特許文献2】実開平6−79371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の考案は、形状が複雑であるため製作コストが高い。また、紙皿にする作成手順が多く複雑であったり、また、糊を使用する必要があったりするので、作成に非常に手間が掛かり、また、幼い子供や身体障害者等にとっては作成するのが困難である。
【0006】
特許文献2に記載の考案は、トレイの大きさが手のひらに比べて非常に大きく、トレイを使用する人の、手を含めた体の外側にはみ出すため、トレイを他人にぶつける可能性が高い。特に混雑している場合は、トレイを保持しながら人混みをかき分けて移動するのが大変である。
【0007】
本発明は、以上のような背景に鑑みなされたもので、その目的は安価で容易に作成でき、作成前及び作成後において持ち運びに便利な簡易作成型飲食用器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、保持されるための保持部と、飲食物が支持される支持部からなる簡易作成型飲食用器具であって、曲げ変形可能な連続した1枚のシートからなり、曲げ変形させられたときに対向する複数の孔と曲げ変形させられた状態を維持する変形維持手段とを備え、曲げ変形させられたときに前記孔において指で保持されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記シートの周縁上から前記孔の間に設けられ、前記曲げ変形を助長する第1折れ線を備えていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記シートの周縁上の一点から他点の間において設けられ、前記保持部と前記支持部の形成を助長する第2折れ線を備えていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記第2折れ線は、前記第1折れ線上で前記シートの周縁から所定距離離れた点から設けられており、前記第1折れ線と前記第2折れ線は鋭角をなし、前記第1折れ線と前記第2折れ線は前記シートに対して逆向きに折れる様に形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れかに係る発明において、前記変形維持手段は、前記孔の周縁に形成された係止片であり、曲げ変形させられたときに、前記係止片が前記他の孔を通過して、前記係止片の外周が前記他の孔の内周で係止したときに、曲げ変形させられた状態を維持することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記係止片に設けられたストッパー片と、前記第1折れ線で曲げ変形させられて、前記係止片が前記他の孔を通過し、前記係止片の一面が前記シートの反対面に対向したとき、前記ストッパー片と対峙するストッパー挿入孔とを備えていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至4の何れかに係る発明において、前記変形維持手段は、前記シートから分離し、且つ狭持機能を有しており、曲げ変形した前記シートの前記保持部を外側から狭持することにより、前記シートの曲げ変形状態を維持することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項2乃至7の何れかに係る発明において、前記第1折れ線が切断されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記の通り、保持するための保持部と、飲食物を支持する支持部からなる簡易作成型飲食用器具であって、曲げ変形可能な連続した1枚のシートからなり、曲げ変形させられたときに対向する複数の孔と曲げ変形させられた状態を維持する変形維持手段とを備え、曲げ変形させられたときに孔において指で保持されるので、安価で容易に作成でき、作成前及び作成後において持ち運びに便利な簡易作成型飲食用器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、本実施の形態においては、簡易作成型飲食用器具に料理等を載置する側(紙面上側)を表面、その反対面を裏面とする。また、本実施の形態においては、折れ線に沿って折り畳むこと及び折り曲げることも曲げ変形と称する。
【0011】
(実施の形態1)
図2は、曲げ変形される前の簡易作成型飲食用器具1を、図1は曲げ変形後(使用状態)の簡易作成型飲食用器具1を示したものである。曲げ変形される前の簡易作成型飲食用器具1は連続した1枚のシート2からなっており、例えば紙製やプラスチック製で矩形に成形されている。本実施の形態においては、シート2を曲げ変形することで作成されるものを簡易作成型飲食用器具1とする。
【0012】
シート2の第1の短辺5aの中央から長辺6と平行に所定の長さの第1折れ線(谷折れ線)3が設けられている。また、第1折れ線3のシート2内部側の一端7から2本の第2折れ線(山折れ線)4が設けられており、これらは第1折れ線3を挟んで反対側に位置して、それぞれ第1折れ線3と鋭角x、yをなしながら第1の短辺5a又は長辺6まで設けられている。ここで形成される2つの鋭角x、yは等しいことが望ましい。
【0013】
第1折れ線3と2本の第2折れ線4の間には、それぞれ指を通すことができる第1の孔8、第2の孔9が設けられている。第1の孔8、第2の孔9は第1折れ線3を対称に設けられていることが望ましい。図2中には、第1折れ線3を破線で、第2折れ線4を細線で示している。第1の孔8、第2の孔9は差し込まれる指に対応した大きさと形状に形成される。図面においては、第1の孔8、第2の孔9は円形、もしくは半円形に近い形に形成されている。
【0014】
第1の孔8の周縁には係止片10が形成されている。この係止片10は第1の孔8を成形する際に形成されるもので、シート2を所定の形状で切り込むことにより形成される。第2の孔9は、シート2を所定の形状で切り取ることにより形成される。
【0015】
係止片10には、所定の形状で切り込まれることで形成されるストッパー片11が設けられている。係止片10が設けられていない第2の孔9の近傍には、シート2を第1折れ線3で曲げ変形させて係止片10を第2の孔9に通し、係止片10を所定の位置で曲げ変形する時にストッパー片11と対峙する箇所にストッパー片11を挿入できる、矩形等のストッパー挿入孔12が設けられている。ストッパー片11は鉤状等、ストッパー挿入孔12に係止し得る形に形成される。このように、係止片10とストッパー片11とストッパー挿入孔12でシート2の曲げ変形状態を維持する変形維持手段は構成されている。
【0016】
このように、シート2の加工部分は少ないので、生産コストは低く、安価な簡易作成型飲食用器具1を提供することができる。また、1枚のシートにおいて使用しない部分は少ないので、材料を無駄なく利用でき、ゴミを発生させない。さらに、シートの形状をこのように矩形状、若しくは台形状等にすると、母材から1枚のシートを無駄なく形成できる。
【0017】
次に、簡易作成型飲食用器具1の作成方法について図1、図2を用いて説明する。第1折れ線3と第2折れ線4でそれぞれシート2を曲げ変形すると第1の孔8、第2の孔9が対向又は重なるので、係止片10をその付け根付近で折り曲げながら第2の孔9に通過させる。係止片10の表面がシート2の裏面に接触すると、ストッパー片11とストッパー挿入孔12が重なるので、ストッパー片11をストッパー挿入孔12に挿入すると、ストッパー片11がストッパー挿入孔12に引っ掛かり、シート2の曲げ変形状態が維持されて、簡易作成型飲食用器具1が完成する。
【0018】
このように作成された簡易作成型飲食用器具1は、シート2が対向又は重なる部分であり簡易作成型飲食用器具1を持つための保持部14と、料理や果物等の食べ物を載せて支持する支持部15とで構成される。支持部15は、下部に一端7を頂点とし、上部にシート2の第2の短辺5bと長辺6を底とする、略錐体に形成される。
【0019】
このように、簡易作成型飲食用器具1の作成方法は容易であるので、幼い子供等にもシート2から簡易作成型飲食用器具1を作成することができる。また、短時間で大量の簡易作成型飲食用器具1を作成することができるので、パーティー等の準備を行う人数は少なくて済むので経済的である。
【0020】
次に、簡易作成型飲食用器具1の使用方法の一例を、図3を用いて説明する。第二指20を、対向又は重なった第1の孔8と第2の孔9に通し、第三指21と第四指22で底線13を支承する。このように持つと、簡易作成型飲食用器具1は指上で指方向と略直交して載置されるので、簡易作成型飲食用器具1を指のみで持つことができ、手の平24上には何もない状態となる。したがって、指で簡易作成型飲食用器具1を持ちながら、手の平24に図示しないコップ等を同時に載置することが可能であり、片手で簡易作成型飲食用器具1とコップ等を持つことができる。
【0021】
また、図4に示すように、第二指20を、対向又は重なった第1の孔8と第2の孔9に通し、第三指21のみで底線13を支承して、簡易作成型飲食用器具1を持つこともできる。このように簡易作成型飲食用器具1を持つと、指で簡易作成型飲食用器具1を持ちながら、手の平24と第四指22と第五指23でコップ等を同時に持つことが可能であり、片手で簡易作成型飲食用器具1と図示しないコップ等を持つことができる。
【0022】
図3及び図4のような持ち方により、片手が自由になるので、簡易作成型飲食用器具1と図示しないコップ等を持ちながら、料理を食べたり、簡易作成型飲食用器具1に料理等を盛ったりすることができる。また、携帯電話で通話したり、カメラを撮影することもできる。
【0023】
また、支持部15は一端7を頂点する略錐体であるので、一端7を有する底線13を地面と平行にすると、一端7から略錐体の底を形成する第2の短辺5bへの垂線16と底線13は一定の角度を形成する。したがって、支持部15の端部である第2の短辺5bは一端7より上側に配置される。このように、支持部15は、頂点が下側に配置された略錐体に形成され、端部が上側に配置されるので、食べ物等を支持部15内から落とす可能性は少ない。さらに、簡易作成型飲食用器具1の曲げ変形された状態は立体形状となるため、形態安定性が高く、物を載せても容易に変形することはない。
【0024】
また、手の平24上で体の外側に簡易作成型飲食用器具1がほとんど突出しないので、他人に簡易作成型飲食用器具1を接触させる可能性はほとんどなく、混み合った場合においても細心の注意を払う必要がない。さらに、従来は皿を手の平に載置するのみだったので皿は不安定な状態であったが、指に通して皿を持つので、皿は確実に固定されて安定性が良くなる。
【0025】
また、支持部15に食べ物を載置する際に、直接食べ物等を載せることができるが、パーティーの趣旨に合わせて、紙や葉を介して食べ物等を載せることもできる。紙の種類、又は葉の種類は特定されるものではなく、パーティー等の趣旨に合わせて選定することができる。
【0026】
簡易作成型飲食用器具1を使用しないときは、1枚の平坦なシート2の状態で保管できるので、使用前又は使用後において収納や持ち運びに便利である。
【0027】
(実施の形態2)
図6は曲げ変形される前の簡易作成型飲食用器具31を、図5は曲げ変形後(使用状態)の簡易作成型飲食用器具31を示したものである。示したものである。これは連続した1枚のシート32からなっており、例えば紙製やプラスチック製で、角が無い略矩形(図6における実線)、又は略楕円形(図6における点線)に成形されている。シート32の長軸上に、周縁から所定の長さの切れ線33が設けられており、この切れ線33を挟んで、それぞれ指を通すことができる第1の孔38、第2の孔39が設けられている。これらの第1の孔38、第2の孔39は切れ線33を対称に設けられていることが望ましい。第1の孔38、第2の孔39は差し込まれる指に対応した大きさと形状に形成され、図面においては、第1の孔38、第2の孔39を矩形に形成されている。
【0028】
実施の形態1と同様に、係止片40、ストッパー片41が設けられている。本実施の形態において、係止片40、ストッパー片41は矩形状に形成されている。また、実施の形態1と同様な位置に、ストッパー片41を挿入させるためのストッパー挿入切れ目42が設けられている。このように、係止片40とストッパー片41とストッパー挿入切れ目42でシート32の曲げ変形状態を維持する変形維持手段は構成されている。
【0029】
次に、簡易作成型飲食用器具31の作成方法について図5、図6を用いて説明する。切れ線33を軸にシート31を曲げ変形させると2個の第1の孔38、第2の孔39が対向又は重なるので、係止片40をその付け根付近で折り曲げながら第2の孔39に通過させる。係止片40の表面がシート32の裏面に接触すると、ストッパー片41とストッパー挿入切れ目42が重なるので、ストッパー片41をストッパー挿入切れ目42に挿入すると、ストッパー片41がストッパー挿入切れ目42に引っ掛かり、シート32の曲げ変形状態が維持されて、簡易作成型飲食用器具31が完成する。このように作成された簡易作成型飲食用器具31は、実施の形態1と同様に保持部44と支持部45が構成され、同様な使用方法が適用される。
【0030】
角が無い略矩形、又は略楕円形のシート32から形成された簡易作成型飲食用器具31は、人を傷つける可能性がほとんどなく、安全面において有効である。したがって、立食パーティー等に子供がいても安心して移動することができる。
【0031】
また、実施の形態1と共通の構造、作成方法、使用方法については、同様の作用、効果が得られる。
【0032】
(実施の形態3)
図8は曲げ変形される前の簡易作成型飲食用器具51を、図7は曲げ変形後(使用状態)の簡易作成型飲食用器具51を示したものである。示したものである。これは連続した1枚のシート52からなっており、例えば形状記憶合金その他の金属製で円形に成形されている。このシート52の大部分は実施の形態1で説明したような構造をしており、構造の違いは、シート52の形状、材質と、係止片、ストッパー片、ストッパー挿入孔が設けられていないことである。ここで、実施の形態1と共通する部分は、実施の形態1と同じ名称と記号を用いることとする。
【0033】
次に、簡易作成型飲食用器具51の作成方法について図7、図8を用いて説明する。実施の形態1のように第1折れ線3と第2折れ線4で曲げ変形されたシート52は第1の孔8、第2の孔9が対向すると共に、保持部54と支持部55が形成される。曲げ変形されたシート52を維持するために、クリップ56を保持部54の外側から取り付ける。
【0034】
このように、クリップ56のような、シート52から分離して狭持機能を有するものを変形維持手段として使用すると、シート52を曲げ変形させた後に取り付けるだけなので、簡易作成型飲食用器具51の作成が容易となる。クリップの大きさ、形状、色等はシートの大きさ、形状、色等に合わせて適宜選定すればよい。
【0035】
このように作成された簡易作成型飲食用器具51の使用方法として、直接食べ物等を載せて皿として利用できるほか、ある程度大きくし、この支持部55の上にケーキやピザ等を載せた皿を載せるトレイとしても利用できる。
【0036】
また、実施の形態1と共通の構造、作成方法、使用方法については、同様の作用、効果が得られる。
【0037】
(実施の形態4)
図10は曲げ変形される前の簡易作成型飲食用器具61、図9は曲げ変形後(使用状態)の簡易作成型飲食用器具61を示したものである。を示したものである。これは、連続した1枚のシート62からなっており、例えば形状記憶プラスチックその他のプラスチック製で略十字形に成形されている。このシート62は、図示されない矩形のシートの四隅を同一矩形状に切り取ったもので、主部65と副部66で構成されている。
【0038】
主部65と副部66の境界線上に第2折れ線64が設けられている。副部66には第1の孔68、第2の孔69が、差し込まれる指に対応した大きさと形状に形成されている。図面においては、第1の孔68、第2の孔69は円形、もしくは半円形に近い形状に形成されている。
【0039】
第1の孔68の周縁にはストッパー片71が設けられた係止片70が形成されている。係止部70とストッパー片71は実施の形態1と同様に形成されている。係止片70が設けられていない第2の孔69の近傍には、ストッパー片71が挿入されるストッパー挿入孔72が設けられている。シート62を長軸方向中央辺りで副部66及び第2折れ線64が重なるように曲げ変形させて、係止片70を第2の孔69に通過させて所定の位置で折り曲げた時に、ストッパー挿入孔72とストッパー片71は対峙する。ストッパー片71は鉤状等、ストッパー挿入孔72はストッパー片71が係止し得る形状に形成させる。
【0040】
次に、簡易作成型飲食用器具61の作成方法について図9、図10を用いて説明する。最初に、第2折れ線64の山側同士及び副部66が重なるように、シート62の長軸方向中央辺りで曲げ変形させると、第1の孔68と第2の孔69は接近するので、係止片70を折り曲げながら第2の孔69に通過させる。係止片70の裏面がシート62の表面に接触するとストッパー片71とストッパー挿入孔72が重なるので、ストッパー片71をストッパー挿入孔72に挿入させる。したがって、ストッパー片71がストッパー挿入孔72に引っ掛かるので、シート62の曲げ変形状態が維持されて、簡易作成型飲食用器具61が完成し、保持部74と支持部75が形成される。
【0041】
次に、ナイロン製等の袋76を簡易作成型飲食用器具61の支持部75の中に開口部を上向きに挿入させて、袋76を開口部周辺で簡易作成型飲食用器具61の上端73に合わせて折り返す。この折り返された部分77をゴムバンド78等で強く留めると、この袋76の中にスープやシチュー等の液体や半固形状の熱い飲食物を注いで持つことができる。
【0042】
(実施の形態5)
次に、シート62を用いて作成する別態様の簡易作成型飲食用器具81についての作成方法について図10〜図12を用いて説明する。これは、完成すると図11に示すように、円柱状となる。最初に、前実施の形態で説明した、図10に示すシート62を用いて、簡易作成型飲食用器具61を前実施の形態で説明したように作成する。ただし、第2折れ線64の山側同士及び副部66同士をしっかりと重ねる。簡易作成型飲食用器具61において、曲げ変形されて第2折れ線64が重なった箇所は平面的に見ると尖っているので、この箇所を全体で簡易作成型飲食用器具61の中側へ平面的に見て環状になるように押さえ込む。そこで、シート62の形状記憶プラスチック製の性状を利用して円柱状の簡易作成型飲食用器具81を作成する。
【0043】
次に、図12に示すように、作成された簡易作成型飲食用器具81の環状に形成された上端84に、内面にナイロン製等の袋86が溶着された断面下向きに凹形状の環状リング83を嵌合させる。又は、図示しないが、ナイロン製等の袋86を簡易作成型飲食用器具81の内側に開口部が上向きになるように挿入し、環状の上端84で外側に折り返し、上から袋86の上から断面下向きに凹形状の環状リング83を上端84に嵌合させることもできる。
【0044】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態以外に、図13、14に示すように台形状のシート92から作成された簡易作成型飲食用器具91や、図15、16に示すように三角形状のシート102から作成された簡易作成型飲食用器具101等がある。これら以外にもシートの形状は支持部に載せる食べ物に応じて適宜選定すればよい。
【0045】
シートが紙である場合、紙をコーティング等の表面加工することもできる。そのようにすると、簡易作成型飲食用器具を使用した後に洗浄することで油汚れ等を落とすことができるので、何回も再利用することができて経済的である。
【0046】
パーティー等のイベントにスポンサーがいる時は、シートに社名やイベント名等を印刷することもできるので宣伝広告にも利用できる。
【0047】
また、ストッパー挿入孔の形状は特定されるものではなく、円や楕円、正方形等の多角形状、若しくは星形等どのような形状でもよい。
【0048】
また、ストッパー片やストッパー挿入孔、ストッパー挿入切れ目の形状も特定の形状に限定されるものではない。
【0049】
また、連続した1枚のシートは、複数のシートを貼合わせて全体として一枚に形成されていればよいものとする。またシートの色は特定の色に限定するものではなく、有彩色や透明色等どのような色でも良く、食器が使用されている状況に応じて設定すればよい。
【0050】
また、変形維持手段として、係止片とストッパー片とストッパー挿入孔又はストッパー挿入切れ目で構成されるものや、クリップを説明したが、これらに限定するものではなく、係止片を第2の孔に通過させた後に係止片の外面を第2の孔の内面に引っ掛けさせる方法等でも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施の形態1における簡易作成型飲食用器具の斜視図である。
【図2】実施の形態1におけるシートの平面図である。
【図3】実施の形態1における簡易作成型飲食用器具の使用状況の斜視図1である。
【図4】実施の形態1における簡易作成型飲食用器具の使用状況の斜視図2である。
【図5】実施の形態2における簡易作成型飲食用器具の斜視図である。
【図6】実施の形態2におけるシートの平面図である。
【図7】実施の形態3における簡易作成型飲食用器具の斜視図である。
【図8】実施の形態3におけるシートの平面図である。
【図9】実施の形態4における簡易作成型飲食用器具の使用状況の斜視図である。
【図10】実施の形態4におけるシートの平面図である。
【図11】実施の形態5における簡易作成型飲食用器具の斜視図である。
【図12】実施の形態5における簡易作成型飲食用器具の使用状況の斜視図である。
【図13】その他の実施の形態における簡易作成型飲食用器具の斜視図である。
【図14】その他の実施の形態におけるシートの平面図である。
【図15】その他の実施の形態における簡易作成型飲食用器具の斜視図である。
【図16】その他の実施の形態におけるシートの平面図である。
【符号の説明】
【0052】
1………簡易作成型飲食用器具
2………シート
3………第1折れ線(谷折れ線)
4………第2折れ線(山折れ線)
5a……第1の短辺
5b……第2の短辺
6………長辺
7………一端
8………第1の孔
9………第2の孔
10……係止片
11……ストッパー片
12……ストッパー挿入孔
13……底線
14……保持部
15……支持部
16……垂線
20……第二指
21……第三指
22……第四指
23……第五指
24……手の平
31……簡易作成型飲食用器具
32……シート
33……切れ線
38……第1の孔
39……第2の孔
40……係止片
41……ストッパー片
42……ストッパー挿入切れ目
44……保持部
45……支持部
51……簡易作成型飲食用器具
52……シート
54……保持部
55……支持部
56……クリップ
61……簡易作成型飲食用器具
62……シート
64……第2折れ線(山折れ線)
65……主部
66……副部
68……第1の孔
69……第2の孔
70……係止片
71……ストッパー片
72……ストッパー挿入孔
73……上端
74……保持部
75……支持部
76……袋
77……折り返された部分
78……ゴムバンド
81……簡易作成型飲食用器具
83……環状リング
84……上端
86……袋
91……簡易作成型飲食用器具
92……シート
101…簡易作成型飲食用器具
102…シート
x………第1折れ線と第2折れ線でなす鋭角
y………第1折れ線と第2折れ線でなす鋭角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持されるための保持部と、飲食物が支持される支持部からなる簡易作成型飲食用器具であって、
曲げ変形可能な連続した1枚のシートからなり、
曲げ変形させられたときに対向する複数の孔と
曲げ変形させられた状態を維持する変形維持手段と
を備え、曲げ変形させられたときに前記孔において指で保持されることを特徴とする簡易作成型飲食用器具。
【請求項2】
前記シートの周縁上から前記孔の間に設けられ、前記曲げ変形を助長する第1折れ線を備えていることを特徴とする請求項1に記載の簡易作成型飲食用器具。
【請求項3】
前記シートの周縁上の一点から他点の間において設けられ、前記保持部と前記支持部の形成を助長する第2折れ線を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の簡易作成型飲食用器具。
【請求項4】
前記第2折れ線は、前記第1折れ線上で前記シートの周縁から所定距離離れた点から設けられており、
前記第1折れ線と前記第2折れ線は鋭角をなし、
前記第1折れ線と前記第2折れ線は前記シートに対して逆向きに折れる様に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の簡易作成型飲食用器具。
【請求項5】
前記変形維持手段は、前記孔の周縁に形成された係止片であり、
曲げ変形させられたときに、前記係止片が前記他の孔を通過して、
前記係止片の外周が前記他の孔の内周で係止したときに、曲げ変形させられた状態を維持することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の簡易作成型飲食用器具。
【請求項6】
前記係止片に設けられたストッパー片と、
前記第1折れ線で曲げ変形させられて、前記係止片が前記他の孔を通過し、前記係止片の一面が前記シートの反対面に対向したとき、前記ストッパー片と対峙するストッパー挿入孔と
を備えていることを特徴とする請求項5に記載の簡易作成型飲食用器具。
【請求項7】
前記変形維持手段は、前記シートから分離し、且つ狭持機能を有しており、曲げ変形した前記シートの前記保持部を外側から狭持することにより、前記シートの曲げ変形状態を維持することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の簡易作成型飲食用器具。
【請求項8】
前記第1折れ線が切断されていることを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載の簡易作成型飲食用器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2008−68013(P2008−68013A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251400(P2006−251400)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(506314542)
【Fターム(参考)】