籾摺選別機
【課題】揺動選別型籾摺選別機において、操作を簡単化しながら籾摺ロールの初期間隙設定を正確に行なう。
【解決手段】
メイン操作レバー(46)で籾摺選別作業の各工程を操作するものにおいて、運転スイッチ(SW1)を操作して主モータ(M1)の運転を開始すると、籾摺ロール(7)の初期間隙設定を行なうべく籾摺ロール間隙調節モータ(M5)が駆動すると共に、籾摺ロール(7)の初期間隙の設定中はメイン操作レバー(46)の操作位置が循環位置(46b)又は排出位置(46c)にあってもシャッタ閉位置(46a)と判定し、シャッタ閉位置(46a)の制御を行なうことを特徴とする。
【解決手段】
メイン操作レバー(46)で籾摺選別作業の各工程を操作するものにおいて、運転スイッチ(SW1)を操作して主モータ(M1)の運転を開始すると、籾摺ロール(7)の初期間隙設定を行なうべく籾摺ロール間隙調節モータ(M5)が駆動すると共に、籾摺ロール(7)の初期間隙の設定中はメイン操作レバー(46)の操作位置が循環位置(46b)又は排出位置(46c)にあってもシャッタ閉位置(46a)と判定し、シャッタ閉位置(46a)の制御を行なうことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、籾摺選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
籾摺ロールの初期間隙設定をするにあたり、主モータがONか否かを判定し、主モータがONのときには、籾供給調節弁が閉鎖状態か否かを判定し、籾供給調節弁が開状態のときには、籾摺ロールへ穀粒が供給されて籾摺ロールの初期間隙設定を正確にできないため、表示部の籾摺ロールの初期間隙設定ができない旨のエラー表示をし、初期間隙設定を中止するものは、公知である。
【特許文献1】特開平11−253824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のような構成では、籾ホッパの籾シャッタを操作レバーにより手動操作する構成のため、籾摺ロールの初期間隙設定中に籾シャッタを誤操作して開調節した場合には、エラー表示をして籾摺ロールの初期間隙設定を停止し、籾シャッタを閉めてから籾摺ロールの初期間隙設定を再度実行しなければならず、操作が煩雑になるという不具合があった。
【0004】
そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、一対の籾摺ロール(7)と、籾を貯留する籾ホッパ(6)と、籾ホッパ(6)の籾を籾摺ロール(7)に供給する籾シャッタ(6a)と、揺動選別板(15)と、揺動選別板(15)で選別した玄米を機外取出側あるいは機内循環側に切り換える循環排出切換弁(31)と、籾摺ロール(7)を駆動する主モータ(M1)と、揺動選別板(15)を駆動する揺動モータ(M3)と、籾シャッタ(6a)の開閉を駆動する籾シャッタ開閉モータ(M2)と、籾摺ロール(7)の間隙を調節する籾摺ロール間隙調節モータ(M5)と、循環排出切換弁(31)切り換える循環排出切換モータ(M4)と、主モータ(M1)も運転を開始する運転スイッチ(SW1)と、籾シャッタ開閉モータ(M2)や揺動モータ(M3)や循環排出切換モータ(M4)を駆動制御するメイン操作レバー(46)とを設け、メイン操作レバー(46)の操作位置を第1操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を閉鎖し、揺動選別板(15)を停止し、循環排出切換弁(31)を循環側とするよう制御し、メイン操作レバー(46)の操作位置を第2操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を循環側にするよう制御し、メイン操作レバー(46)の操作位置を第3操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を排出側にするよう制御する構成とし、運転スイッチ(SW1)を操作して主モータ(M1)の運転を開始すると、籾摺ロール(7)の初期間隙設定を行なうべく籾摺ロール間隙調節モータ(M5)が駆動すると共に、籾摺ロール(7)の初期間隙の設定中はメイン操作レバー(46)の操作位置が第二操作位置又は第三操作位置にあっても第一操作位置と判定し、第一操作位置の制御を行なうことを特徴とする籾摺選別機とする。
【0006】
請求項2の発明は、とする。籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中にメイン操作レバー(46)を第1操作位置から第2操作位置、又は第3操作位置に操作したら、前記籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定手段の作動を継続し、籾摺ロール(7,7)の初期間隙の設定が終了した後にら第2操作位置、又は第3操作位置の制御を開始することを特徴とする請求項1記載の籾摺選別機とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中には混合米選別部(2)の揺動選別板(15)が必ず停止しているので、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中には揺動選別板(15)に残っている穀粒が籾摺ロール(7,7)に送り込まれることがなく、籾摺ロール(7,7)の初期間隙の設定を正確に実行することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中に操作手段(46)の誤操作により籾シャッタ(6a)が開く操作位置にあっても、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定をそのまま継続し籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定を正確に行なった後に運転を継続できる制御を行なえるため、運転のやり直しをする必要が無く、円滑な籾摺選別作業を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に示すこの発明の実施形態について説明する。
まず、図1乃至図3に基づき本発明を具備する籾摺選別機の全体構成について説明する。
【0010】
籾摺選別機は、籾摺部1,摺落米を風選する摺落米風選部2,風選後の混合米を籾・玄米に分離選別する揺動型混合米選別部3,混合米昇降機4,玄米昇降機5等により構成しいる。
【0011】
籾摺部1は、籾ホッパ6,籾摺ロ−ル7,7を内装している籾摺室8等で構成し、籾ホッパ6には籾シャッタ6aを設けている。籾摺落米風選部2は、摺落米風選箱体9、終端側ほど上り傾斜の上側摺落米選別風路10a,下側摺落米選別風路10b、下側摺落米選別風路10bの中途部下方に位置している粃選別部11、下側摺落米選別風路10bの始端側下方に位置している摺落米受樋12、上側摺落米選別風路10a及び下側摺落米選別風路10bの終端側に設けている吸引フアン13、排塵筒14等で構成している。
【0012】
前記粃選別部11は、上側粃ラセン11c付きの上側粃受樋11aと下側粃ラセン11d付きの下側粃受樋11bを上下方向に重ねて配設し、上側粃受樋11aの上側粃ラセン11cは操作側である機体正面側(図2の右側)に向かって粃を移送し、下側粃ラセン11dは伝動側(図2の左側)に向かって粃を移送するように構成している。そして、上側粃ラセン11cの終端側を、図2に示すように、摺落米風選部2の側板より外側に突出させてその突出部分を機外排出案内樋11eで覆い、その搬送終端側を下側粃受樋11bの下側粃ラセン11dの始端側に接続し、下側粃ラセン11dの終端側を籾昇降機27に接続し、選別粃を籾ホッパ6に還元するように構成している。
【0013】
また、上側粃受樋11aの上部を開口し、粃選別口11gと連通させ、上側粃受樋11aの底部には下側粃受樋11bに連通する開閉自在の開口部を形成し、下側粃受樋11bの底部にも開閉自在の開口部を形成し、摺落米風選部2の底部に抜き差し自在に設けた粃回収ボックス28に粃を回収できるように構成している。
【0014】
また、籾摺ロール7,7のロール間隙をロール間隙調節手段M5により開閉調節できるように構成し、ロール間隙調節モータM5を正転あるいは逆転することにより、ロール間隙を開閉調節できるように構成している。
【0015】
次に、揺動型の混合米選別部3について説明する。
揺動選別板15,15,…の板面には選別用の凹凸を形成し、縦方向(図1の紙面に直交する方向)の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、横方向(図1の左右方向)の一側を高い揺上側、他側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜した構成とし、揺動選別板15,…を揺動装置(図示省略)により、横方向斜め上下に往復揺動するように構成している。
【0016】
摺落米受樋12に落下選別された混合米は、混合米ラセン12aで搬送され、混合米昇降機4,混合米タンク24,分配供給樋16及び分配ケース17を経て、揺動選別板15の供給側に供給される構成である。揺動選別板15に供給された混合米は、粒形の大小,比重の大小,摩擦係数の大小等により選別され、比重の重い小形の玄米は揺上側に偏流分布し、玄米に比較して大きく比重の軽い籾は揺下側に偏流分布し、また、その中間部には分離されない籾・玄米の混合米が偏流分布しつつ選別される。このように選別された穀粒は、揺動選別板15の排出側に対向して設けている玄米仕切板18及び籾仕切板19により仕切られて取り出される構成である。
【0017】
取り出された玄米は玄米取出樋20,玄米流路21,玄米昇降機5を経て機外に取り出される。また、選別混合米は混合米取出樋22,混合米流路23,摺落米受樋12,混合米昇降機4,混合米タンク24,分配供給樋16,分配ケース17を経由して、揺動選別板15に供給され再選別される。また、選別籾は籾取出樋25から籾受樋26に流下し,籾ラセン26aで搬送され、籾昇降機27を経由して籾摺部1に揚穀還元されて、再度籾摺される構成である。
【0018】
揺動選別板15の排出側に対向配置したねじ棒で構成している仕切板移動調節手段(図示省略)により、玄米仕切板18を横方向に移動調節自在に構成し、玄米仕切板調節モータ(図示省略)を正転あるいは逆転し、玄米仕切板18を揺上側あるいは揺下側に移動調節するように構成している。また、混合米タンク24には混合米シャッタ24aを設け、玄米取出樋20には、揺動選別板15で選別された玄米を混合米流路23すなわち機内循環側に切り換えたり、あるいは、玄米流路21側すなわち機外排出側に切り換える循環/排出切換弁31を設けている。
【0019】
また、図4に示すように、籾ホッパ6の正面側には操作パネル42を設け、この操作パネル42には、左側から右側に向けて電源スイッチSW1、コントローラ41の作業モードを表示するシャッタ閉表示灯PL1、循環表示灯PL2、排出表示灯PL3、残米排出表示灯PL4、上下方向に操作できるメイン操作レバー46、運転スイッチSW2、停止スイッチSW3、強制シャッタ閉スイッチSW8、自動停止スイッチSW9及び籾切れ制御入切スイッチSW10を設けている。
【0020】
また、メイン操作レバー46を上側矢印方向あるいは下側矢印方向に操作することにより、図4(B)に示すように、籾シャッタ閉位置(第一操作位置)46aに操作すると、シャッタ閉表示灯PL1が点灯し、循環位置(第二操作位置)46bに操作すると循環表示灯PL2が点灯し、排出位置(第三操作位置)46cに操作すると排出表示灯PL3が点灯し、残米排出位置(第四操作位置)46dに操作すると残米排出表示灯PL4が点灯するように構成している。
【0021】
なお、メイン操作レバー46に代えて、ロータリスイッチ(図10参照)により前記操作位置46a〜46dを操作したり、また、押しボタンスイッチ(図9)に構成して操作するように構成してもよい。
【0022】
コントローラ41の入力側には、図5に示すように、電源スイッチSW1、運転スイッチSW2、停止スイッチSW3、シャッタ閉位置46a、循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46d、強制シャッタ閉スイッチSW8、自動停止スイッチSW9及び籾切れ制御入切スイッチSW10を接続している。
【0023】
また、籾シャッタ6aのリミットセンサ(シャッタ開)SE1、リミットセンサ(シャッタ閉)SE2、循環/排出切換弁31のリミットセンサ(循環)SE3、リミットセンサ(排出)SE4、混合米タンク24内の混合米が設定量以下を検出する混合米切れセンサSE6、混合米タンク24内の混合米が設定量以上を検出する混合米タンク混合米中間センサSE7を接続している。
【0024】
また、コントローラ41の出力側には、駆動回路を経由して、籾摺選別機の主要部を駆動する主モータM1、籾シャッタ6a開閉調節用の籾シャッタ開閉モータM2、揺動選別板15,…駆動用の揺動モータM3、循環/排出切換弁31切り換え用の循環/排出切換モータM4、ロール間隙調節手段M5を接続し、シャッタ閉表示灯PL1、循環表示灯PL2、排出表示灯PL3及び残米排出表示灯PL4を接続している。
【0025】
メイン操作レバー46の動作を図17に基づいて説明する。
メイン操作レバー46をシャッタ閉位置に操作すると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を切りにする。
【0026】
また、循環位置に操作すると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を切りにする。
【0027】
また、排出位置に操作すると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を入りに切り換える。そして、混合米切れセンサSE6が混合米無しを検出すると、籾切れ制御が作動し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止する。
【0028】
また、残米排出位置に操作すると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を切りにするようにしている。すなわち、籾が無い状態でも揺動選別板15が揺動し、玄米昇降機5が駆動する構成としている。
【0029】
次に、図6によりメイン操作レバー46の操作に関連した籾摺ロールの初期間隙設定制御ついて説明する。
電源スイッチSW1をONすると、メイン操作レバー46の操作位置が循環位置46bにあるか否かの判定をし(ステップS1)、Yesであると、次いで、籾摺ロールの初期間隙設定中か否かを判定し(ステップS2)、Yesであると、籾摺ロールの初期間隙設定が終了したか否かの判定をする(ステップS3)。Yesであると、籾シャッタ6aの開調節をし、籾摺ロールで籾摺作業を開始し(ステップS4)、次いで、揺動モータM3をONし、揺動選別板15の揺動選別作業を開始する。
【0030】
なお、籾摺ロール7,7のロール間隙初期調節設定制御は主モータM1が起動されると開始され、例えば、次のような手順でなされる。即ち、籾摺ロール7,7のロール間隙を開調節しながら負荷電流センサ(図示省略)により負荷電流値を検出し、検出負荷電流値が変化しなくなると、籾摺ロール7,7の非接触状態と判定し、ロール間隙の開調節を停止する。次いで、籾摺ロール7,7のロール間隙を閉調節しながら負荷電流センサにより負荷電流値を検出し、負荷電流値の増加を検出すると籾摺ロール7,7の微接触と判定し、ロール間隙の閉調節を停止する。次いで、所定時間(例えば8秒)にわたりロール間隙を開調節し、所定の初期ロール間隙(例えば、0.8mm)に設定する。ロール間隙の前記初期間隙設定が終了すると、タイマ制御あるいは負荷電流値制御によりロール間隙制御をしながら籾摺作業が開始される。
【0031】
従来装置では、籾ホッパ6の籾シャッタ6aを操作レバーを手動操作する構成のため、籾摺ロールの初期間隙設定中に籾シャッタを誤操作して開調節した場合には、エラー表示をして籾摺ロールの初期間隙設定を停止し、籾シャッタを閉めて籾摺ロールの初期間隙設定をやり直していた。
【0032】
前記構成によると、籾摺作業の開始操作にあたり、籾摺ロールの初期間隙設定中にメイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aから循環位置46bまで操作し、籾シャッタ6aを開調節状態としても、籾摺ロールの初期間隙設定が終了するまでは、籾ホッパ6の籾シャッタ6aの開調節がなされないので、籾摺ロールの初期間隙設定を正確に実行すると共に、籾摺ロールの初期間隙設定が終了すると自動に籾シャッタ6aが開いて籾摺作業が開始されるため、誤操作によるトラブルや操作のやり直しを防止し操作性を向上させることができる。
【0033】
次に、図7について説明する。
メイン操作レバー46が排出位置46cが入りか否かの判定をし(ステップS11)、Yesであると、次いで、籾摺ロールの初期間隙設定中か否かを判定し(ステップS12)、Yesであると、籾摺ロールの初期間隙設定制御が終了したか否かの判定をする(ステップS13)。Yesであると、籾シャッタ6aの開調節をし籾摺ロールで籾摺作業を開始し(ステップS14)、次いで、揺動モータM3をONして揺動選別板15の揺動選別作業を開始し(ステップS15)、次いで、混合米タンク24の混合米中間センサSE6が混合米タンク24内に設定量以上の混合米を検出したか否かを判定し(ステップS16)、Yesであると、循環/排出切換弁31を排出側に切り換える。
【0034】
前記構成によると、籾摺作業の開始操作にあたり、籾摺ロールの初期間隙設定中にメイン操作レバー46を排出位置46cまで操作しても、籾摺ロールの初期間隙設定が終了するまでは、籾ホッパ6の籾シャッタ6aの開調節がなされないので、籾摺ロールの初期間隙設定を正確に実行すると共に、籾摺ロールの初期間隙設定が終了すると自動に籾シャッタ6aが開いて籾摺作業が開始されるため、誤操作によるトラブルや操作のやり直しを防止し操作性を向上させることができる。また、籾摺作業の開始後は、混合米タンク24に混合米が満量になり揺動選別板15,…での選別作業が安定すると、仕上玄米の機外取出を開始するまで順次自動で行なうため、籾摺作業を能率的に行なうことができる。
【0035】
次に、図8について説明する。
メイン操作レバー46が残米排出位置46dに入りか否かの判定をし(ステップS21)、Yesであると、次いで、籾摺ロールの初期間隙設定制御中か否かを判定し(ステップS22)、Yesであると、籾摺ロールの初期間隙設定制御が終了したか否かの判定をする(ステップS23)。Yesであると、籾シャッタ6aの開調節をし籾摺ロールで籾摺作業を開始し(ステップS24)、次いで、揺動モータM3をONして揺動選別板15の揺動選別作業を開始し(ステップS25)、循環/排出切換弁31が循環側にある場合には排出側に切り換え仕上玄米を機外に取り出す(ステップS26)。
【0036】
前記構成によると、籾摺作業の開始操作にあたり、籾摺ロールの初期間隙設定中にメイン操作レバー46を残米排出位置まで操作しても、籾摺ロールの初期間隙設定が終了するまでは、籾ホッパ6の籾シャッタ6aの開調節がなされないので、籾摺ロールの初期間隙設定を正確に実行すると共に、操作のやり直しを防止し操作性を向上させることができる。
【0037】
あるいは、メイン操作レバー46が残米排出位置46dに操作すると、籾摺ロールの初期間隙設定制御は行なわず、揺動モータM3をONして揺動選別板15の揺動選別作業を開始し(ステップS25)、循環/排出切換弁31が循環側にある場合には排出側に切り換え仕上玄米を機外に取り出す(ステップS26)構成にすることで、迅速に残米を機外に排出する構成としても良い。
【0038】
次に、図11の実施形態について説明する。
メイン操作レバー46を排出位置46cに操作すると、籾切れ制御入切スイッチSW10をON、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を循環側の状態で、籾摺作業がなされる(ステップS51)。
【0039】
この時、混合米切れセンサSE6が混合米無しを判定すると、揺動選別板15及び玄米昇降機5が自動停止する。そして、作業者がメイン操作レバー46を残米排出位置46dに操作すると、籾切れ制御がOFF、すなわち、籾摺りする籾が無い状態で揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を排出側の状態で、機内に残留する残米処理がなされる(ステップS52)。
【0040】
前記構成によると、メイン操作レバー46の排出位置46cへの切り換えにより、籾切れ制御が自動的に入り、すなわち、混合米切れセンサSE6が混合米無しを判定すると揺動選別板15が停止する制御を行なえるようにして、次いで、残米排出位置に切り換えると、籾切れ制御が自動的に切り、すなわち、混合米切れセンサSE6が混合米無しを判定しても揺動選別板15が駆動する制御にするので、操作性の向上を図ることができる。
【0041】
なお、本実施の形態では混合米タンク24内の混合米が所定量以下を検出すると籾摺ホッパ6に籾無しと判定するが、籾無し判定の基準を籾摺ホッパ6の籾切れセンサSE5の検出により判定しても良い。あるいは主モータM1の負荷電流値を検出できる構成とし、該負荷電流値が設定値以下を検出したときに籾無しと判定しても良い。
【0042】
次に、図12について説明する。
メイン操作レバー46を排出位置46cに操作すると(ステップS61)、籾切れ制御がONで籾摺作業が開始され、混合米切れセンサSE6が穀粒無しを検出すると、籾切れ制御が作動し揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をOFF、循環/排出切換モータM4が排出側の状態で、籾摺作業が停止される(ステップS61)。
【0043】
次いで、メイン操作レバー46を排出位置46cから循環位置46bに切り換えると、籾切れ制御をOFF、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換えて、籾摺作業が開始される(ステップS61)。
【0044】
次いで、メイン操作レバー46を残米排出位置46dに操作すると、籾切れ制御をOFF、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換えて、残米排出をする(ステップS63)。
【0045】
本発明の実施の形態の構成によると、シャッタ閉位置46a、循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46dまで籾摺り工程順に一方向に配置するため作業者は目視しやすく、メイン操作レバー46の切り換え操作を行ない易くなり、籾摺作業開始から残米選別処理までの作業を行ない易くすることができる。
【0046】
あるいは、メイン操作レバー46を排出位置46cで籾無しによる籾切れ制御を行なう場合に、まず、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、それから所定時間(例えば1分)後に揺動選別板15の揺動を停止する構成とし、そして、メイン操作レバー46を残米排出位置46dに操作すると、揺動選別板15を駆動すると共に循環/排出切換モータM4を排出側に切り換えて、残米排出をする構成としても良い。
【0047】
この構成によると、メイン操作レバー46の操作が循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46dの順に一方向に操作すれば残米まで処理できるので操作性が向上するものである。また、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、それから所定時間(例えば1分)後に揺動選別板15の揺動を停止する構成とすることで、揺動選別板15の揺動を停止するまでに残米中の籾を籾摺ロール7に戻して脱ぷすることができ、残米排出時には玄米をそのまま排出することができるため迅速な残米排出処理を行なうことができる。
【0048】
次に、図13について説明する。
電源をONすると、メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46aにあると判定し、シャッタ閉表示灯LP1が点灯する(ステップS71)。次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS72)、戻り操作入力であるとステップS72に戻り、進行操作入力であると、循環位置46bと判定し、循環表示灯LP2を点灯する(ステップS73)。次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS74)、戻り操作入力であるとステップS71に戻り、進行操作入力であると、排出位置46cと判定し、排出表示灯LP3を点灯する(ステップS75)。
【0049】
次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS76)、戻り操作入力であるとステップS73に戻り、進行操作入力であると、残米排出位置46dと判定し、残米排出表示灯LP4を点灯し(ステップS78)、次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS79)、戻り操作入力であると、ステップS75に戻り、進行操作入力であると、ステップS79に戻る。前記構成により、オペレータは作業モードを正確に認識することができる。
【0050】
次に、図14について説明する。
メイン操作レバー46により循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46dの選択時にも、籾シャッタ6aを閉調節できる強制シャッタ閉スイッチSW8を設けている。また、籾ホッパ6の籾切れを検出時には揺動モータM3を停止する籾切れ制御機能の入切を設定する籾切れ制御入切スイッチSW10を設け、これらのセンサをコントローラ41に接続している。しかして、強制シャッタ閉スイッチSW8がONのときには、籾切れ自動停止制御機能をOFFにし、籾切れのときにも揺動モータM3を停止させないように構成している。
【0051】
図14のフローについて説明する。
強制シャッタ閉スイッチSW8のON/OFFを判定し(ステップS81)、OFFであると、次いで、シャッタ閉位置46aか否かを判定し(ステップS82)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS83)。
【0052】
また、Noであると、循環位置46bか否かを判定し(ステップS84)、Yesであると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS85)。
【0053】
また、Noであると、排出位置46cか否かを判定し(ステップS86)、Yesであると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を入りに切り換える(ステップS87)。
【0054】
また、Noであると、残米排出位置46dか否かを判定し(ステップS88)、Yesであると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を切りする(ステップS89)。
【0055】
また、強制シャッタ閉スイッチSW8のON/OFFを判定し(ステップS81)、ONであると、次いで、シャッタ閉位置46aか否かを判定し(ステップS90)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS91)。
【0056】
また、Noであると、循環位置46bか否かを判定し(ステップS92)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS93)。
【0057】
また、Noであると、排出位置46cか否かを判定し(ステップS94)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を入りに切り換える(ステップS95)。
【0058】
また、Noであると、残米排出位置46dか否かを判定し(ステップS96)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS89)。
【0059】
籾摺作業中に摺落米風選部2の不具合が発生した場合に、その対応で籾シャッタ6aを閉めて機体内の穀粒を機外に排出したい場合がある。このような場合にメイン操作レバー46をシャッタ閉位置に操作して籾シャッタ6aを閉鎖すると、揺動モータM3が停止し揺動選別板15が動かないため、機体内の穀粒を機外に排出できないという不具合が発生する。
【0060】
しかし、前記構成のように強制シャッタ閉スイッチSW8を設けることにより、籾シャッタ6aが閉状態でも揺動モータM3をONし揺動選別板15を駆動させて残米を機外に取り出すことができ、前記不具合を解消することができる。
【0061】
次に、図15により籾切れ自動停止制御ついて説明する。
籾切れ制御がONか否かの判定をし(ステップS101)、Yesであると、籾切れセンサSE5の検出情報を取り込み(ステップS102)、籾ホッパ6aあるいは混合米タンク24の穀粒切れか否かを判定し(ステップS103)、Yesであると、排出表示灯を点滅し(ステップS104)、循環/排出切換モータM4を循環側へ切り換える(ステップS105)。
【0062】
また、籾切れ制御がONか否かの判定をし(ステップS103)、Noであると、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え(ステップS106)、次いで、籾シャッタ6a及び混合米シャッタ24aを閉鎖する(ステップS107)。次いで、強制シャッタ閉スイッチSW8がONか否かを判定し(ステップS108)、Yesであると、前記ステップS101に戻り、Noであると、籾シャッタ6a,混合米シャッタ24aが閉か否かを判定し(ステップS109)、Yesであると、揺動モータM3、玄米昇降機モータM5及び籾摺部1、摺落米風選部2駆動用の主モータをOFFにする(ステップS110)。
【0063】
次に、図16について説明する。
籾摺選別機には米/麦選択スイッチSW11を設け、コントローラ41に接続している。この米/麦選択スイッチSW11で米を選択すると、籾摺ロールのロール間隙を狭めて籾の脱ぷが可能となり、また、麦を選択すると、籾摺ロール7,7のロール間隙を拡開調節し、籾ホッパ6に供給された麦を脱ぷせずにそのまま摺落米風選部2及び混合米選別部3に送り、選別作業をするものである。
【0064】
初期設定モードで米モードを選択すると(ステップS121)、米/麦選択スイッチSW11の設定変更入力の有無を判定をし(ステップS122)、設定変更入力があると、主モータがOFFか否かの判定をする(ステップS123)。Noであると、設定変更入力を受け付けず、Yesのときには、米/麦選択スイッチSW11の設定モードが米か麦かを判定し(ステップS124)、米モードのときには米モードに設定し(ステップS125)、また、麦モードのときには、麦モードに設定する(ステップS126)。前記構成によると、誤操作によるトラブルを防止することができる。
【0065】
次に、籾摺ロールの初期間隙設定制御の他の制御例について説明する。
玄米取出樋20には、揺動選別板15,…の選別玄米を機内循環側に切り換えたり、あるいは、機外排出側に切り換える循環/排出切換弁31を設け、この循環/排出切換弁31には、循環/排出切換レバー(図示せず)を設け、手動操作により切り換え可能に構成している。前記メイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aに操作すると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環位置に切り換え、籾切れ制御を切りにする。
【0066】
このようにメイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aに切り換えた状態で、循環/排出切換レバー(図示せず)を手動操作により排出側に操作すると、手動操作が優先して循環/排出切換弁31を排出位置に切り換えように構成している。そして、この排出側への切り換えに関連して、コントローラ41の指令により揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5がONし、揺動選別板15が揺動するようにし、また、循環/排出切換レバー(図示せず)の手動操作により循環/排出切換弁31を排出位置から循環位置に切り換えると、手動操作優先の制御が解除され、通常の制御に復帰するようにしている。なお、メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46a以外の循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dにある場合に、循環/排出切換レバー(図示せず)が排出側に切り換えられても誤操作としてコントローラ41への入力を受け付けず、循環/排出切換弁31はそのままの切換状態を保持するようにしている。
【0067】
前記構成によると、籾シャッタ6aを閉にした状態で揺動選別板15上の穀粒を機外に排出することができ、操作性を向上させることができる。
次に、籾摺ロール7,7の初期間隙設定制御の他の制御例について説明する。
【0068】
メイン操作レバー46及び籾摺ロール7,7の初期間隙設定制御装置を備えた籾摺選別機において、電源スイッチSW1をONし、運転スイッチSW2をONし、メイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aから籾摺作業がスタートした場合にのみ、籾摺ロールの初期間隙設定制御を実行するようにし、そのときには揺動選別板15の揺動を停止させて初期間隙設定制御を実行するようにしている。また、作業再開にあたり、例えば、メイン操作レバー46がシャッタ開位置46bからシャッタ閉位置46aに操作された場合には、前回作業時に籾摺ロールの初期間隙設定がなされているので、揺動選別板15を揺動状態で作業を再開し、籾摺ロールの初期間隙設定をしないで籾摺作業を開始する。また、メイン操作レバー46を循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dから作業が開始された場合には、揺動選別板15を揺動状態で作業を開始し、籾摺ロール7,7の初期間隙設定制御を実行しないようにする。
【0069】
前記構成によると、籾摺ロール7、7の初期間隙設定時には揺動選別板15上の穀粒が籾摺ロール7,7に還元されないので、初期間隙の設定を正確に行なうことができる。また、籾摺作業開始時に一度籾摺ロールの初期間隙設定をしている場合には、籾摺ロールの初期間隙設定を省略して揺動選別板15の選別作業を再開し残留米を迅速に排出することができる。
【0070】
次に、他の制御について説明する。
混合米タンク24には、所定量溜まったことを検出する混合米中間センサSE7、及び、混合米切れセンサSE6を設け、コントローラ41に検出情報を入力するように構成している。しかして、メイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aから循環位置46b、排出位置46cあるいは残米排出位置46dに連続で操作した場合には、籾シャッタ6aを開調節し、揺動選別板15を揺動し、循環/排出切換弁31を循環側にして籾摺作業を開始する。そして、混合米タンク24に所定量の穀粒が溜まり混合米中間センサSE7がONすると(揺動選別板15の全領域に穀粒が分布する通常選別状態になる)、循環/排出切換弁31を排出側に切り換えるようにしている。前記構成によると、メイン操作レバー46の誤操作があっても、仕上玄米に籾の混入を防止し円滑に籾摺作業をすることができる。
【0071】
次に、籾切れ自動停止制御における再起同時の籾昇降機27の穀粒詰まり防止制御について説明する。
籾ホッパ6には籾切れセンサSE5を設け、籾切れセンサSE5が籾ホッパ6の籾切れを検出すると、揺動モータM3をOFFにし、所定時間経過後に籾昇降機27駆動用の主モータM1を自動停止する。
【0072】
籾ホッパ6の籾切れ検出時に揺動選別板15駆動用の揺動モータM3及び籾昇降機27駆動用の主モータM1を同時に停止すると、籾摺作業の再開時に籾昇降機27に穀粒が詰まるという不具合が発生することがある。しかし、前記構成によりこのような不具合を解消することができる。
【0073】
次に、停止スイッチSW3をONした際の籾摺作業停止制御について説明する。
メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46aにある場合に停止スイッチSW3がONすると、リミットセンサ(シャッタ閉)SE2が籾シャッタ6aの閉鎖を検出した後に、主モータM1、揺動モータM3、玄米昇降機モータM5を停止する。また、メイン操作レバー46が循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dにある場合に、停止スイッチSW3がONすると、緊急の機体停止の可能性があるので、籾シャッタ6aが閉鎖状態でなくても即時主モータM1、揺動モータM3、玄米昇降機モータM5を停止する。その後にシャッタ開閉モータM2を閉鎖回転し、リミットセンサ(シャッタ閉)SE2が籾シャッタ6aの閉鎖を検出した後に停止させる。前記構成によると、再開籾摺作業時の穀粒詰まりなどの不具合を解消し、再起動を円滑にすることができる。
【0074】
次に、図18に基づき残米処理の他の実施形態について説明する。
籾ホッパ6に籾がなくなったことを籾切れセンサSE5が検出すると、自動的に籾シャッタ6aを閉鎖し、循環/排出切換弁31を循環側に切り換えて機内の残留穀粒を機内各部を複数回循環させて籾を総て玄米にし、その後に循環/排出切換弁31を排出側に切り換え機内の玄米の総てを機外に取り出し、その後に循環/排出切換弁31を循環側に切り換えて機体を停止する残米制御がなされる。この実施形態は残米処理制御において、メイン操作レバー46が残米排出位置46dに操作され残米処理に移行すると、籾摺ロール7,7のロール間隙を通常の作業時よりも狭く設定し、脱ぷ率を高くするものである。
【0075】
図18に示すように、制御が開始すると、籾ホッパ6の籾が切れたか否かの判定をし(ステップS131)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉め(ステップS132)、次いで、循環/排出切換弁31を排出側から循環側へ切り換える(ステップS133)。次いで、籾摺ロールのロール間隙を所定時間閉調節し、例えばロール間隙を0.1〜0.2mm程度狭くし(ステップS134)、次いで、残留穀粒が総て玄米になるために必要な所定時間が経過すると(ステップS135)、籾摺ロールのロール間隙を開調節して通常の間隔に戻す(ステップS136)。次いで、循環/排出切換弁31を排出側に切り換え(ステップS137)、次いで、総ての残米を排出するのに必要な時間が経過すると(ステップS138)、循環/排出切換弁31を排出側から循環側に切り換え(ステップS139)、揺動モータM3を停止し(ステップS140)、主モータM1を停止する。
【0076】
残米処理において通常のロール間隙で籾摺をすると、脱ぷ率が下がり小粒の籾が脱ぷされずに残り処理能率が低下し、また、籾が長時間循環することにより、肌擦れが生じるという不具合が発生していた。そのため、籾摺ロール7,7のロール間隙を手動で閉調節する必要があった。
【0077】
しかし、前記構成によると、残米処理に移行すると、自動的に籾摺ロール7,7のロール間隙を狭くするので、手間を省きながら玄米の肌擦れを防止しながら残米処理を能率的に実行することができる。
【0078】
次に、図19に基づき他の制御例について説明する。
この制御は、メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46a以外の循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dにある場合において、混合米タンク24の穀粒なしを混合米切れセンサSE6が検出すると、籾ホッパ6の籾シャッタ6aを半開に調節し、また、混合米タンク24が空でない場合には、籾シャッタ6aを全開に調節するものである。
【0079】
図19に示すように、メイン操作レバー46の操作位置を検出し(ステップS151)、シャッタ閉位置46aにあるか否かを判定し(ステップS152)、Yesであると、籾シャッタ6aを全閉に調節する(ステップS153)。また、Noであると、混合米タンク24の穀粒の溜まり具合を検出し(ステップS154)、混合米タンク24が空か否かを判定する(ステップS155)。Yesであると、籾シャッタ6aを半開に調節し(ステップS156)、Noであると、籾シャッタ6aを全開に調節する(ステップS157)。
【0080】
籾貯溜タンクや籾搬送コンベヤから籾ホッパ6に籾を供給しながら籾摺作業をすることがある。このような場合に、これら装置の不良等により、籾が間歇的に籾ホッパ6に供給されることがある。メイン操作レバー46が排出位置46cにあり、籾シャッタ6aを全開に調節して籾摺作業をしているときに、籾摺ロール7,7に一挙に大量の籾が投入されると、籾摺ロール駆動用の主モータM1が過負荷になる。
【0081】
しかし、前記構成によると、籾ホッパ6への籾供給が少なくなり、籾摺選別機の機内循環穀粒量が減少し混合米タンク24が空になると、籾シャッタ6aを半開に調節するので、籾ホッパ6に一挙に多量の籾が供給されても半開状態の籾シャッタ6aから少量の籾が籾摺ロールみ7,7に供給され、過負荷を防止しながら籾摺をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】籾摺選別機の切断側面図
【図2】籾摺選別機の切断正面図
【図3】籾摺部、摺落米風選部の切断側面図
【図4】操作パネルの正面図
【図5】制御ブロック図
【図6】フローチャート
【図7】フローチャート
【図8】フローチャート
【図9】操作手段の別実施例
【図10】操作手段の別実施例
【図11】フローチャート
【図12】フローチャート
【図13】フローチャート
【図14】フローチャート
【図15】フローチャート
【図16】フローチャート
【図17】メイン操作レバーの操作位置とその制御動作
【図18】フローチャート
【図19】フローチャート
【符号の説明】
【0083】
1 籾摺部
3 混合米選別部
6 籾ホッパ
6a 籾シャッタ
7 籾摺ロール
15 揺動選別板
31 循環/排出切換弁
41 揺動選別板自動停止手段
46 操作手段
SW4 シャッタ閉スイッチ
SW5 循環スイッチ
SW6 排出スイッチ
SW7 残米排出スイッチSW7
SW8 籾シャッタ開閉手段(強制シャッタ閉スイッチ)
SE5,SE6 籾摺穀粒なしセンサ
M1 主モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、籾摺選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
籾摺ロールの初期間隙設定をするにあたり、主モータがONか否かを判定し、主モータがONのときには、籾供給調節弁が閉鎖状態か否かを判定し、籾供給調節弁が開状態のときには、籾摺ロールへ穀粒が供給されて籾摺ロールの初期間隙設定を正確にできないため、表示部の籾摺ロールの初期間隙設定ができない旨のエラー表示をし、初期間隙設定を中止するものは、公知である。
【特許文献1】特開平11−253824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のような構成では、籾ホッパの籾シャッタを操作レバーにより手動操作する構成のため、籾摺ロールの初期間隙設定中に籾シャッタを誤操作して開調節した場合には、エラー表示をして籾摺ロールの初期間隙設定を停止し、籾シャッタを閉めてから籾摺ロールの初期間隙設定を再度実行しなければならず、操作が煩雑になるという不具合があった。
【0004】
そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、一対の籾摺ロール(7)と、籾を貯留する籾ホッパ(6)と、籾ホッパ(6)の籾を籾摺ロール(7)に供給する籾シャッタ(6a)と、揺動選別板(15)と、揺動選別板(15)で選別した玄米を機外取出側あるいは機内循環側に切り換える循環排出切換弁(31)と、籾摺ロール(7)を駆動する主モータ(M1)と、揺動選別板(15)を駆動する揺動モータ(M3)と、籾シャッタ(6a)の開閉を駆動する籾シャッタ開閉モータ(M2)と、籾摺ロール(7)の間隙を調節する籾摺ロール間隙調節モータ(M5)と、循環排出切換弁(31)切り換える循環排出切換モータ(M4)と、主モータ(M1)も運転を開始する運転スイッチ(SW1)と、籾シャッタ開閉モータ(M2)や揺動モータ(M3)や循環排出切換モータ(M4)を駆動制御するメイン操作レバー(46)とを設け、メイン操作レバー(46)の操作位置を第1操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を閉鎖し、揺動選別板(15)を停止し、循環排出切換弁(31)を循環側とするよう制御し、メイン操作レバー(46)の操作位置を第2操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を循環側にするよう制御し、メイン操作レバー(46)の操作位置を第3操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を排出側にするよう制御する構成とし、運転スイッチ(SW1)を操作して主モータ(M1)の運転を開始すると、籾摺ロール(7)の初期間隙設定を行なうべく籾摺ロール間隙調節モータ(M5)が駆動すると共に、籾摺ロール(7)の初期間隙の設定中はメイン操作レバー(46)の操作位置が第二操作位置又は第三操作位置にあっても第一操作位置と判定し、第一操作位置の制御を行なうことを特徴とする籾摺選別機とする。
【0006】
請求項2の発明は、とする。籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中にメイン操作レバー(46)を第1操作位置から第2操作位置、又は第3操作位置に操作したら、前記籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定手段の作動を継続し、籾摺ロール(7,7)の初期間隙の設定が終了した後にら第2操作位置、又は第3操作位置の制御を開始することを特徴とする請求項1記載の籾摺選別機とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中には混合米選別部(2)の揺動選別板(15)が必ず停止しているので、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中には揺動選別板(15)に残っている穀粒が籾摺ロール(7,7)に送り込まれることがなく、籾摺ロール(7,7)の初期間隙の設定を正確に実行することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中に操作手段(46)の誤操作により籾シャッタ(6a)が開く操作位置にあっても、籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定をそのまま継続し籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定を正確に行なった後に運転を継続できる制御を行なえるため、運転のやり直しをする必要が無く、円滑な籾摺選別作業を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に示すこの発明の実施形態について説明する。
まず、図1乃至図3に基づき本発明を具備する籾摺選別機の全体構成について説明する。
【0010】
籾摺選別機は、籾摺部1,摺落米を風選する摺落米風選部2,風選後の混合米を籾・玄米に分離選別する揺動型混合米選別部3,混合米昇降機4,玄米昇降機5等により構成しいる。
【0011】
籾摺部1は、籾ホッパ6,籾摺ロ−ル7,7を内装している籾摺室8等で構成し、籾ホッパ6には籾シャッタ6aを設けている。籾摺落米風選部2は、摺落米風選箱体9、終端側ほど上り傾斜の上側摺落米選別風路10a,下側摺落米選別風路10b、下側摺落米選別風路10bの中途部下方に位置している粃選別部11、下側摺落米選別風路10bの始端側下方に位置している摺落米受樋12、上側摺落米選別風路10a及び下側摺落米選別風路10bの終端側に設けている吸引フアン13、排塵筒14等で構成している。
【0012】
前記粃選別部11は、上側粃ラセン11c付きの上側粃受樋11aと下側粃ラセン11d付きの下側粃受樋11bを上下方向に重ねて配設し、上側粃受樋11aの上側粃ラセン11cは操作側である機体正面側(図2の右側)に向かって粃を移送し、下側粃ラセン11dは伝動側(図2の左側)に向かって粃を移送するように構成している。そして、上側粃ラセン11cの終端側を、図2に示すように、摺落米風選部2の側板より外側に突出させてその突出部分を機外排出案内樋11eで覆い、その搬送終端側を下側粃受樋11bの下側粃ラセン11dの始端側に接続し、下側粃ラセン11dの終端側を籾昇降機27に接続し、選別粃を籾ホッパ6に還元するように構成している。
【0013】
また、上側粃受樋11aの上部を開口し、粃選別口11gと連通させ、上側粃受樋11aの底部には下側粃受樋11bに連通する開閉自在の開口部を形成し、下側粃受樋11bの底部にも開閉自在の開口部を形成し、摺落米風選部2の底部に抜き差し自在に設けた粃回収ボックス28に粃を回収できるように構成している。
【0014】
また、籾摺ロール7,7のロール間隙をロール間隙調節手段M5により開閉調節できるように構成し、ロール間隙調節モータM5を正転あるいは逆転することにより、ロール間隙を開閉調節できるように構成している。
【0015】
次に、揺動型の混合米選別部3について説明する。
揺動選別板15,15,…の板面には選別用の凹凸を形成し、縦方向(図1の紙面に直交する方向)の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、横方向(図1の左右方向)の一側を高い揺上側、他側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜した構成とし、揺動選別板15,…を揺動装置(図示省略)により、横方向斜め上下に往復揺動するように構成している。
【0016】
摺落米受樋12に落下選別された混合米は、混合米ラセン12aで搬送され、混合米昇降機4,混合米タンク24,分配供給樋16及び分配ケース17を経て、揺動選別板15の供給側に供給される構成である。揺動選別板15に供給された混合米は、粒形の大小,比重の大小,摩擦係数の大小等により選別され、比重の重い小形の玄米は揺上側に偏流分布し、玄米に比較して大きく比重の軽い籾は揺下側に偏流分布し、また、その中間部には分離されない籾・玄米の混合米が偏流分布しつつ選別される。このように選別された穀粒は、揺動選別板15の排出側に対向して設けている玄米仕切板18及び籾仕切板19により仕切られて取り出される構成である。
【0017】
取り出された玄米は玄米取出樋20,玄米流路21,玄米昇降機5を経て機外に取り出される。また、選別混合米は混合米取出樋22,混合米流路23,摺落米受樋12,混合米昇降機4,混合米タンク24,分配供給樋16,分配ケース17を経由して、揺動選別板15に供給され再選別される。また、選別籾は籾取出樋25から籾受樋26に流下し,籾ラセン26aで搬送され、籾昇降機27を経由して籾摺部1に揚穀還元されて、再度籾摺される構成である。
【0018】
揺動選別板15の排出側に対向配置したねじ棒で構成している仕切板移動調節手段(図示省略)により、玄米仕切板18を横方向に移動調節自在に構成し、玄米仕切板調節モータ(図示省略)を正転あるいは逆転し、玄米仕切板18を揺上側あるいは揺下側に移動調節するように構成している。また、混合米タンク24には混合米シャッタ24aを設け、玄米取出樋20には、揺動選別板15で選別された玄米を混合米流路23すなわち機内循環側に切り換えたり、あるいは、玄米流路21側すなわち機外排出側に切り換える循環/排出切換弁31を設けている。
【0019】
また、図4に示すように、籾ホッパ6の正面側には操作パネル42を設け、この操作パネル42には、左側から右側に向けて電源スイッチSW1、コントローラ41の作業モードを表示するシャッタ閉表示灯PL1、循環表示灯PL2、排出表示灯PL3、残米排出表示灯PL4、上下方向に操作できるメイン操作レバー46、運転スイッチSW2、停止スイッチSW3、強制シャッタ閉スイッチSW8、自動停止スイッチSW9及び籾切れ制御入切スイッチSW10を設けている。
【0020】
また、メイン操作レバー46を上側矢印方向あるいは下側矢印方向に操作することにより、図4(B)に示すように、籾シャッタ閉位置(第一操作位置)46aに操作すると、シャッタ閉表示灯PL1が点灯し、循環位置(第二操作位置)46bに操作すると循環表示灯PL2が点灯し、排出位置(第三操作位置)46cに操作すると排出表示灯PL3が点灯し、残米排出位置(第四操作位置)46dに操作すると残米排出表示灯PL4が点灯するように構成している。
【0021】
なお、メイン操作レバー46に代えて、ロータリスイッチ(図10参照)により前記操作位置46a〜46dを操作したり、また、押しボタンスイッチ(図9)に構成して操作するように構成してもよい。
【0022】
コントローラ41の入力側には、図5に示すように、電源スイッチSW1、運転スイッチSW2、停止スイッチSW3、シャッタ閉位置46a、循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46d、強制シャッタ閉スイッチSW8、自動停止スイッチSW9及び籾切れ制御入切スイッチSW10を接続している。
【0023】
また、籾シャッタ6aのリミットセンサ(シャッタ開)SE1、リミットセンサ(シャッタ閉)SE2、循環/排出切換弁31のリミットセンサ(循環)SE3、リミットセンサ(排出)SE4、混合米タンク24内の混合米が設定量以下を検出する混合米切れセンサSE6、混合米タンク24内の混合米が設定量以上を検出する混合米タンク混合米中間センサSE7を接続している。
【0024】
また、コントローラ41の出力側には、駆動回路を経由して、籾摺選別機の主要部を駆動する主モータM1、籾シャッタ6a開閉調節用の籾シャッタ開閉モータM2、揺動選別板15,…駆動用の揺動モータM3、循環/排出切換弁31切り換え用の循環/排出切換モータM4、ロール間隙調節手段M5を接続し、シャッタ閉表示灯PL1、循環表示灯PL2、排出表示灯PL3及び残米排出表示灯PL4を接続している。
【0025】
メイン操作レバー46の動作を図17に基づいて説明する。
メイン操作レバー46をシャッタ閉位置に操作すると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を切りにする。
【0026】
また、循環位置に操作すると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を切りにする。
【0027】
また、排出位置に操作すると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を入りに切り換える。そして、混合米切れセンサSE6が混合米無しを検出すると、籾切れ制御が作動し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止する。
【0028】
また、残米排出位置に操作すると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御入切スイッチSW10を切りにするようにしている。すなわち、籾が無い状態でも揺動選別板15が揺動し、玄米昇降機5が駆動する構成としている。
【0029】
次に、図6によりメイン操作レバー46の操作に関連した籾摺ロールの初期間隙設定制御ついて説明する。
電源スイッチSW1をONすると、メイン操作レバー46の操作位置が循環位置46bにあるか否かの判定をし(ステップS1)、Yesであると、次いで、籾摺ロールの初期間隙設定中か否かを判定し(ステップS2)、Yesであると、籾摺ロールの初期間隙設定が終了したか否かの判定をする(ステップS3)。Yesであると、籾シャッタ6aの開調節をし、籾摺ロールで籾摺作業を開始し(ステップS4)、次いで、揺動モータM3をONし、揺動選別板15の揺動選別作業を開始する。
【0030】
なお、籾摺ロール7,7のロール間隙初期調節設定制御は主モータM1が起動されると開始され、例えば、次のような手順でなされる。即ち、籾摺ロール7,7のロール間隙を開調節しながら負荷電流センサ(図示省略)により負荷電流値を検出し、検出負荷電流値が変化しなくなると、籾摺ロール7,7の非接触状態と判定し、ロール間隙の開調節を停止する。次いで、籾摺ロール7,7のロール間隙を閉調節しながら負荷電流センサにより負荷電流値を検出し、負荷電流値の増加を検出すると籾摺ロール7,7の微接触と判定し、ロール間隙の閉調節を停止する。次いで、所定時間(例えば8秒)にわたりロール間隙を開調節し、所定の初期ロール間隙(例えば、0.8mm)に設定する。ロール間隙の前記初期間隙設定が終了すると、タイマ制御あるいは負荷電流値制御によりロール間隙制御をしながら籾摺作業が開始される。
【0031】
従来装置では、籾ホッパ6の籾シャッタ6aを操作レバーを手動操作する構成のため、籾摺ロールの初期間隙設定中に籾シャッタを誤操作して開調節した場合には、エラー表示をして籾摺ロールの初期間隙設定を停止し、籾シャッタを閉めて籾摺ロールの初期間隙設定をやり直していた。
【0032】
前記構成によると、籾摺作業の開始操作にあたり、籾摺ロールの初期間隙設定中にメイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aから循環位置46bまで操作し、籾シャッタ6aを開調節状態としても、籾摺ロールの初期間隙設定が終了するまでは、籾ホッパ6の籾シャッタ6aの開調節がなされないので、籾摺ロールの初期間隙設定を正確に実行すると共に、籾摺ロールの初期間隙設定が終了すると自動に籾シャッタ6aが開いて籾摺作業が開始されるため、誤操作によるトラブルや操作のやり直しを防止し操作性を向上させることができる。
【0033】
次に、図7について説明する。
メイン操作レバー46が排出位置46cが入りか否かの判定をし(ステップS11)、Yesであると、次いで、籾摺ロールの初期間隙設定中か否かを判定し(ステップS12)、Yesであると、籾摺ロールの初期間隙設定制御が終了したか否かの判定をする(ステップS13)。Yesであると、籾シャッタ6aの開調節をし籾摺ロールで籾摺作業を開始し(ステップS14)、次いで、揺動モータM3をONして揺動選別板15の揺動選別作業を開始し(ステップS15)、次いで、混合米タンク24の混合米中間センサSE6が混合米タンク24内に設定量以上の混合米を検出したか否かを判定し(ステップS16)、Yesであると、循環/排出切換弁31を排出側に切り換える。
【0034】
前記構成によると、籾摺作業の開始操作にあたり、籾摺ロールの初期間隙設定中にメイン操作レバー46を排出位置46cまで操作しても、籾摺ロールの初期間隙設定が終了するまでは、籾ホッパ6の籾シャッタ6aの開調節がなされないので、籾摺ロールの初期間隙設定を正確に実行すると共に、籾摺ロールの初期間隙設定が終了すると自動に籾シャッタ6aが開いて籾摺作業が開始されるため、誤操作によるトラブルや操作のやり直しを防止し操作性を向上させることができる。また、籾摺作業の開始後は、混合米タンク24に混合米が満量になり揺動選別板15,…での選別作業が安定すると、仕上玄米の機外取出を開始するまで順次自動で行なうため、籾摺作業を能率的に行なうことができる。
【0035】
次に、図8について説明する。
メイン操作レバー46が残米排出位置46dに入りか否かの判定をし(ステップS21)、Yesであると、次いで、籾摺ロールの初期間隙設定制御中か否かを判定し(ステップS22)、Yesであると、籾摺ロールの初期間隙設定制御が終了したか否かの判定をする(ステップS23)。Yesであると、籾シャッタ6aの開調節をし籾摺ロールで籾摺作業を開始し(ステップS24)、次いで、揺動モータM3をONして揺動選別板15の揺動選別作業を開始し(ステップS25)、循環/排出切換弁31が循環側にある場合には排出側に切り換え仕上玄米を機外に取り出す(ステップS26)。
【0036】
前記構成によると、籾摺作業の開始操作にあたり、籾摺ロールの初期間隙設定中にメイン操作レバー46を残米排出位置まで操作しても、籾摺ロールの初期間隙設定が終了するまでは、籾ホッパ6の籾シャッタ6aの開調節がなされないので、籾摺ロールの初期間隙設定を正確に実行すると共に、操作のやり直しを防止し操作性を向上させることができる。
【0037】
あるいは、メイン操作レバー46が残米排出位置46dに操作すると、籾摺ロールの初期間隙設定制御は行なわず、揺動モータM3をONして揺動選別板15の揺動選別作業を開始し(ステップS25)、循環/排出切換弁31が循環側にある場合には排出側に切り換え仕上玄米を機外に取り出す(ステップS26)構成にすることで、迅速に残米を機外に排出する構成としても良い。
【0038】
次に、図11の実施形態について説明する。
メイン操作レバー46を排出位置46cに操作すると、籾切れ制御入切スイッチSW10をON、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を循環側の状態で、籾摺作業がなされる(ステップS51)。
【0039】
この時、混合米切れセンサSE6が混合米無しを判定すると、揺動選別板15及び玄米昇降機5が自動停止する。そして、作業者がメイン操作レバー46を残米排出位置46dに操作すると、籾切れ制御がOFF、すなわち、籾摺りする籾が無い状態で揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を排出側の状態で、機内に残留する残米処理がなされる(ステップS52)。
【0040】
前記構成によると、メイン操作レバー46の排出位置46cへの切り換えにより、籾切れ制御が自動的に入り、すなわち、混合米切れセンサSE6が混合米無しを判定すると揺動選別板15が停止する制御を行なえるようにして、次いで、残米排出位置に切り換えると、籾切れ制御が自動的に切り、すなわち、混合米切れセンサSE6が混合米無しを判定しても揺動選別板15が駆動する制御にするので、操作性の向上を図ることができる。
【0041】
なお、本実施の形態では混合米タンク24内の混合米が所定量以下を検出すると籾摺ホッパ6に籾無しと判定するが、籾無し判定の基準を籾摺ホッパ6の籾切れセンサSE5の検出により判定しても良い。あるいは主モータM1の負荷電流値を検出できる構成とし、該負荷電流値が設定値以下を検出したときに籾無しと判定しても良い。
【0042】
次に、図12について説明する。
メイン操作レバー46を排出位置46cに操作すると(ステップS61)、籾切れ制御がONで籾摺作業が開始され、混合米切れセンサSE6が穀粒無しを検出すると、籾切れ制御が作動し揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をOFF、循環/排出切換モータM4が排出側の状態で、籾摺作業が停止される(ステップS61)。
【0043】
次いで、メイン操作レバー46を排出位置46cから循環位置46bに切り換えると、籾切れ制御をOFF、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換えて、籾摺作業が開始される(ステップS61)。
【0044】
次いで、メイン操作レバー46を残米排出位置46dに操作すると、籾切れ制御をOFF、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をON、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換えて、残米排出をする(ステップS63)。
【0045】
本発明の実施の形態の構成によると、シャッタ閉位置46a、循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46dまで籾摺り工程順に一方向に配置するため作業者は目視しやすく、メイン操作レバー46の切り換え操作を行ない易くなり、籾摺作業開始から残米選別処理までの作業を行ない易くすることができる。
【0046】
あるいは、メイン操作レバー46を排出位置46cで籾無しによる籾切れ制御を行なう場合に、まず、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、それから所定時間(例えば1分)後に揺動選別板15の揺動を停止する構成とし、そして、メイン操作レバー46を残米排出位置46dに操作すると、揺動選別板15を駆動すると共に循環/排出切換モータM4を排出側に切り換えて、残米排出をする構成としても良い。
【0047】
この構成によると、メイン操作レバー46の操作が循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46dの順に一方向に操作すれば残米まで処理できるので操作性が向上するものである。また、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、それから所定時間(例えば1分)後に揺動選別板15の揺動を停止する構成とすることで、揺動選別板15の揺動を停止するまでに残米中の籾を籾摺ロール7に戻して脱ぷすることができ、残米排出時には玄米をそのまま排出することができるため迅速な残米排出処理を行なうことができる。
【0048】
次に、図13について説明する。
電源をONすると、メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46aにあると判定し、シャッタ閉表示灯LP1が点灯する(ステップS71)。次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS72)、戻り操作入力であるとステップS72に戻り、進行操作入力であると、循環位置46bと判定し、循環表示灯LP2を点灯する(ステップS73)。次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS74)、戻り操作入力であるとステップS71に戻り、進行操作入力であると、排出位置46cと判定し、排出表示灯LP3を点灯する(ステップS75)。
【0049】
次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS76)、戻り操作入力であるとステップS73に戻り、進行操作入力であると、残米排出位置46dと判定し、残米排出表示灯LP4を点灯し(ステップS78)、次いで、メイン操作レバー46の操作入力の有無を判定し(ステップS79)、戻り操作入力であると、ステップS75に戻り、進行操作入力であると、ステップS79に戻る。前記構成により、オペレータは作業モードを正確に認識することができる。
【0050】
次に、図14について説明する。
メイン操作レバー46により循環位置46b、排出位置46c、残米排出位置46dの選択時にも、籾シャッタ6aを閉調節できる強制シャッタ閉スイッチSW8を設けている。また、籾ホッパ6の籾切れを検出時には揺動モータM3を停止する籾切れ制御機能の入切を設定する籾切れ制御入切スイッチSW10を設け、これらのセンサをコントローラ41に接続している。しかして、強制シャッタ閉スイッチSW8がONのときには、籾切れ自動停止制御機能をOFFにし、籾切れのときにも揺動モータM3を停止させないように構成している。
【0051】
図14のフローについて説明する。
強制シャッタ閉スイッチSW8のON/OFFを判定し(ステップS81)、OFFであると、次いで、シャッタ閉位置46aか否かを判定し(ステップS82)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS83)。
【0052】
また、Noであると、循環位置46bか否かを判定し(ステップS84)、Yesであると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS85)。
【0053】
また、Noであると、排出位置46cか否かを判定し(ステップS86)、Yesであると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を入りに切り換える(ステップS87)。
【0054】
また、Noであると、残米排出位置46dか否かを判定し(ステップS88)、Yesであると、籾シャッタ6aを開調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を切りする(ステップS89)。
【0055】
また、強制シャッタ閉スイッチSW8のON/OFFを判定し(ステップS81)、ONであると、次いで、シャッタ閉位置46aか否かを判定し(ステップS90)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS91)。
【0056】
また、Noであると、循環位置46bか否かを判定し(ステップS92)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を循環側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS93)。
【0057】
また、Noであると、排出位置46cか否かを判定し(ステップS94)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を入りに切り換える(ステップS95)。
【0058】
また、Noであると、残米排出位置46dか否かを判定し(ステップS96)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉調節、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5をONし、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え、籾切れ制御を切りにする(ステップS89)。
【0059】
籾摺作業中に摺落米風選部2の不具合が発生した場合に、その対応で籾シャッタ6aを閉めて機体内の穀粒を機外に排出したい場合がある。このような場合にメイン操作レバー46をシャッタ閉位置に操作して籾シャッタ6aを閉鎖すると、揺動モータM3が停止し揺動選別板15が動かないため、機体内の穀粒を機外に排出できないという不具合が発生する。
【0060】
しかし、前記構成のように強制シャッタ閉スイッチSW8を設けることにより、籾シャッタ6aが閉状態でも揺動モータM3をONし揺動選別板15を駆動させて残米を機外に取り出すことができ、前記不具合を解消することができる。
【0061】
次に、図15により籾切れ自動停止制御ついて説明する。
籾切れ制御がONか否かの判定をし(ステップS101)、Yesであると、籾切れセンサSE5の検出情報を取り込み(ステップS102)、籾ホッパ6aあるいは混合米タンク24の穀粒切れか否かを判定し(ステップS103)、Yesであると、排出表示灯を点滅し(ステップS104)、循環/排出切換モータM4を循環側へ切り換える(ステップS105)。
【0062】
また、籾切れ制御がONか否かの判定をし(ステップS103)、Noであると、循環/排出切換モータM4を排出側に切り換え(ステップS106)、次いで、籾シャッタ6a及び混合米シャッタ24aを閉鎖する(ステップS107)。次いで、強制シャッタ閉スイッチSW8がONか否かを判定し(ステップS108)、Yesであると、前記ステップS101に戻り、Noであると、籾シャッタ6a,混合米シャッタ24aが閉か否かを判定し(ステップS109)、Yesであると、揺動モータM3、玄米昇降機モータM5及び籾摺部1、摺落米風選部2駆動用の主モータをOFFにする(ステップS110)。
【0063】
次に、図16について説明する。
籾摺選別機には米/麦選択スイッチSW11を設け、コントローラ41に接続している。この米/麦選択スイッチSW11で米を選択すると、籾摺ロールのロール間隙を狭めて籾の脱ぷが可能となり、また、麦を選択すると、籾摺ロール7,7のロール間隙を拡開調節し、籾ホッパ6に供給された麦を脱ぷせずにそのまま摺落米風選部2及び混合米選別部3に送り、選別作業をするものである。
【0064】
初期設定モードで米モードを選択すると(ステップS121)、米/麦選択スイッチSW11の設定変更入力の有無を判定をし(ステップS122)、設定変更入力があると、主モータがOFFか否かの判定をする(ステップS123)。Noであると、設定変更入力を受け付けず、Yesのときには、米/麦選択スイッチSW11の設定モードが米か麦かを判定し(ステップS124)、米モードのときには米モードに設定し(ステップS125)、また、麦モードのときには、麦モードに設定する(ステップS126)。前記構成によると、誤操作によるトラブルを防止することができる。
【0065】
次に、籾摺ロールの初期間隙設定制御の他の制御例について説明する。
玄米取出樋20には、揺動選別板15,…の選別玄米を機内循環側に切り換えたり、あるいは、機外排出側に切り換える循環/排出切換弁31を設け、この循環/排出切換弁31には、循環/排出切換レバー(図示せず)を設け、手動操作により切り換え可能に構成している。前記メイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aに操作すると、籾シャッタ6aを閉鎖し、揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5を停止し、循環/排出切換モータM4を循環位置に切り換え、籾切れ制御を切りにする。
【0066】
このようにメイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aに切り換えた状態で、循環/排出切換レバー(図示せず)を手動操作により排出側に操作すると、手動操作が優先して循環/排出切換弁31を排出位置に切り換えように構成している。そして、この排出側への切り換えに関連して、コントローラ41の指令により揺動モータM3及び玄米昇降機モータM5がONし、揺動選別板15が揺動するようにし、また、循環/排出切換レバー(図示せず)の手動操作により循環/排出切換弁31を排出位置から循環位置に切り換えると、手動操作優先の制御が解除され、通常の制御に復帰するようにしている。なお、メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46a以外の循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dにある場合に、循環/排出切換レバー(図示せず)が排出側に切り換えられても誤操作としてコントローラ41への入力を受け付けず、循環/排出切換弁31はそのままの切換状態を保持するようにしている。
【0067】
前記構成によると、籾シャッタ6aを閉にした状態で揺動選別板15上の穀粒を機外に排出することができ、操作性を向上させることができる。
次に、籾摺ロール7,7の初期間隙設定制御の他の制御例について説明する。
【0068】
メイン操作レバー46及び籾摺ロール7,7の初期間隙設定制御装置を備えた籾摺選別機において、電源スイッチSW1をONし、運転スイッチSW2をONし、メイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aから籾摺作業がスタートした場合にのみ、籾摺ロールの初期間隙設定制御を実行するようにし、そのときには揺動選別板15の揺動を停止させて初期間隙設定制御を実行するようにしている。また、作業再開にあたり、例えば、メイン操作レバー46がシャッタ開位置46bからシャッタ閉位置46aに操作された場合には、前回作業時に籾摺ロールの初期間隙設定がなされているので、揺動選別板15を揺動状態で作業を再開し、籾摺ロールの初期間隙設定をしないで籾摺作業を開始する。また、メイン操作レバー46を循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dから作業が開始された場合には、揺動選別板15を揺動状態で作業を開始し、籾摺ロール7,7の初期間隙設定制御を実行しないようにする。
【0069】
前記構成によると、籾摺ロール7、7の初期間隙設定時には揺動選別板15上の穀粒が籾摺ロール7,7に還元されないので、初期間隙の設定を正確に行なうことができる。また、籾摺作業開始時に一度籾摺ロールの初期間隙設定をしている場合には、籾摺ロールの初期間隙設定を省略して揺動選別板15の選別作業を再開し残留米を迅速に排出することができる。
【0070】
次に、他の制御について説明する。
混合米タンク24には、所定量溜まったことを検出する混合米中間センサSE7、及び、混合米切れセンサSE6を設け、コントローラ41に検出情報を入力するように構成している。しかして、メイン操作レバー46をシャッタ閉位置46aから循環位置46b、排出位置46cあるいは残米排出位置46dに連続で操作した場合には、籾シャッタ6aを開調節し、揺動選別板15を揺動し、循環/排出切換弁31を循環側にして籾摺作業を開始する。そして、混合米タンク24に所定量の穀粒が溜まり混合米中間センサSE7がONすると(揺動選別板15の全領域に穀粒が分布する通常選別状態になる)、循環/排出切換弁31を排出側に切り換えるようにしている。前記構成によると、メイン操作レバー46の誤操作があっても、仕上玄米に籾の混入を防止し円滑に籾摺作業をすることができる。
【0071】
次に、籾切れ自動停止制御における再起同時の籾昇降機27の穀粒詰まり防止制御について説明する。
籾ホッパ6には籾切れセンサSE5を設け、籾切れセンサSE5が籾ホッパ6の籾切れを検出すると、揺動モータM3をOFFにし、所定時間経過後に籾昇降機27駆動用の主モータM1を自動停止する。
【0072】
籾ホッパ6の籾切れ検出時に揺動選別板15駆動用の揺動モータM3及び籾昇降機27駆動用の主モータM1を同時に停止すると、籾摺作業の再開時に籾昇降機27に穀粒が詰まるという不具合が発生することがある。しかし、前記構成によりこのような不具合を解消することができる。
【0073】
次に、停止スイッチSW3をONした際の籾摺作業停止制御について説明する。
メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46aにある場合に停止スイッチSW3がONすると、リミットセンサ(シャッタ閉)SE2が籾シャッタ6aの閉鎖を検出した後に、主モータM1、揺動モータM3、玄米昇降機モータM5を停止する。また、メイン操作レバー46が循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dにある場合に、停止スイッチSW3がONすると、緊急の機体停止の可能性があるので、籾シャッタ6aが閉鎖状態でなくても即時主モータM1、揺動モータM3、玄米昇降機モータM5を停止する。その後にシャッタ開閉モータM2を閉鎖回転し、リミットセンサ(シャッタ閉)SE2が籾シャッタ6aの閉鎖を検出した後に停止させる。前記構成によると、再開籾摺作業時の穀粒詰まりなどの不具合を解消し、再起動を円滑にすることができる。
【0074】
次に、図18に基づき残米処理の他の実施形態について説明する。
籾ホッパ6に籾がなくなったことを籾切れセンサSE5が検出すると、自動的に籾シャッタ6aを閉鎖し、循環/排出切換弁31を循環側に切り換えて機内の残留穀粒を機内各部を複数回循環させて籾を総て玄米にし、その後に循環/排出切換弁31を排出側に切り換え機内の玄米の総てを機外に取り出し、その後に循環/排出切換弁31を循環側に切り換えて機体を停止する残米制御がなされる。この実施形態は残米処理制御において、メイン操作レバー46が残米排出位置46dに操作され残米処理に移行すると、籾摺ロール7,7のロール間隙を通常の作業時よりも狭く設定し、脱ぷ率を高くするものである。
【0075】
図18に示すように、制御が開始すると、籾ホッパ6の籾が切れたか否かの判定をし(ステップS131)、Yesであると、籾シャッタ6aを閉め(ステップS132)、次いで、循環/排出切換弁31を排出側から循環側へ切り換える(ステップS133)。次いで、籾摺ロールのロール間隙を所定時間閉調節し、例えばロール間隙を0.1〜0.2mm程度狭くし(ステップS134)、次いで、残留穀粒が総て玄米になるために必要な所定時間が経過すると(ステップS135)、籾摺ロールのロール間隙を開調節して通常の間隔に戻す(ステップS136)。次いで、循環/排出切換弁31を排出側に切り換え(ステップS137)、次いで、総ての残米を排出するのに必要な時間が経過すると(ステップS138)、循環/排出切換弁31を排出側から循環側に切り換え(ステップS139)、揺動モータM3を停止し(ステップS140)、主モータM1を停止する。
【0076】
残米処理において通常のロール間隙で籾摺をすると、脱ぷ率が下がり小粒の籾が脱ぷされずに残り処理能率が低下し、また、籾が長時間循環することにより、肌擦れが生じるという不具合が発生していた。そのため、籾摺ロール7,7のロール間隙を手動で閉調節する必要があった。
【0077】
しかし、前記構成によると、残米処理に移行すると、自動的に籾摺ロール7,7のロール間隙を狭くするので、手間を省きながら玄米の肌擦れを防止しながら残米処理を能率的に実行することができる。
【0078】
次に、図19に基づき他の制御例について説明する。
この制御は、メイン操作レバー46がシャッタ閉位置46a以外の循環位置46b、排出位置46c及び残米排出位置46dにある場合において、混合米タンク24の穀粒なしを混合米切れセンサSE6が検出すると、籾ホッパ6の籾シャッタ6aを半開に調節し、また、混合米タンク24が空でない場合には、籾シャッタ6aを全開に調節するものである。
【0079】
図19に示すように、メイン操作レバー46の操作位置を検出し(ステップS151)、シャッタ閉位置46aにあるか否かを判定し(ステップS152)、Yesであると、籾シャッタ6aを全閉に調節する(ステップS153)。また、Noであると、混合米タンク24の穀粒の溜まり具合を検出し(ステップS154)、混合米タンク24が空か否かを判定する(ステップS155)。Yesであると、籾シャッタ6aを半開に調節し(ステップS156)、Noであると、籾シャッタ6aを全開に調節する(ステップS157)。
【0080】
籾貯溜タンクや籾搬送コンベヤから籾ホッパ6に籾を供給しながら籾摺作業をすることがある。このような場合に、これら装置の不良等により、籾が間歇的に籾ホッパ6に供給されることがある。メイン操作レバー46が排出位置46cにあり、籾シャッタ6aを全開に調節して籾摺作業をしているときに、籾摺ロール7,7に一挙に大量の籾が投入されると、籾摺ロール駆動用の主モータM1が過負荷になる。
【0081】
しかし、前記構成によると、籾ホッパ6への籾供給が少なくなり、籾摺選別機の機内循環穀粒量が減少し混合米タンク24が空になると、籾シャッタ6aを半開に調節するので、籾ホッパ6に一挙に多量の籾が供給されても半開状態の籾シャッタ6aから少量の籾が籾摺ロールみ7,7に供給され、過負荷を防止しながら籾摺をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】籾摺選別機の切断側面図
【図2】籾摺選別機の切断正面図
【図3】籾摺部、摺落米風選部の切断側面図
【図4】操作パネルの正面図
【図5】制御ブロック図
【図6】フローチャート
【図7】フローチャート
【図8】フローチャート
【図9】操作手段の別実施例
【図10】操作手段の別実施例
【図11】フローチャート
【図12】フローチャート
【図13】フローチャート
【図14】フローチャート
【図15】フローチャート
【図16】フローチャート
【図17】メイン操作レバーの操作位置とその制御動作
【図18】フローチャート
【図19】フローチャート
【符号の説明】
【0083】
1 籾摺部
3 混合米選別部
6 籾ホッパ
6a 籾シャッタ
7 籾摺ロール
15 揺動選別板
31 循環/排出切換弁
41 揺動選別板自動停止手段
46 操作手段
SW4 シャッタ閉スイッチ
SW5 循環スイッチ
SW6 排出スイッチ
SW7 残米排出スイッチSW7
SW8 籾シャッタ開閉手段(強制シャッタ閉スイッチ)
SE5,SE6 籾摺穀粒なしセンサ
M1 主モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の籾摺ロール(7)と、籾を貯留する籾ホッパ(6)と、籾ホッパ(6)の籾を籾摺ロール(7)に供給する籾シャッタ(6a)と、揺動選別板(15)と、揺動選別板(15)で選別した玄米を機外取出側あるいは機内循環側に切り換える循環排出切換弁(31)と、籾摺ロール(7)を駆動する主モータ(M1)と、揺動選別板(15)を駆動する揺動モータ(M3)と、籾シャッタ(6a)の開閉を駆動する籾シャッタ開閉モータ(M2)と、籾摺ロール(7)の間隙を調節する籾摺ロール間隙調節モータ(M5)と、循環排出切換弁(31)切り換える循環排出切換モータ(M4)と、主モータ(M1)も運転を開始する運転スイッチ(SW1)と、籾シャッタ開閉モータ(M2)や揺動モータ(M3)や循環排出切換モータ(M4)を駆動制御するメイン操作レバー(46)とを設け、
メイン操作レバー(46)の操作位置を第1操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を閉鎖し、揺動選別板(15)を停止し、循環排出切換弁(31)を循環側とするよう制御し、
メイン操作レバー(46)の操作位置を第2操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を循環側にするよう制御し、
メイン操作レバー(46)の操作位置を第3操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を排出側にするよう制御する構成とし、
運転スイッチ(SW1)を操作して主モータ(M1)の運転を開始すると、籾摺ロール(7)の初期間隙設定を行なうべく籾摺ロール間隙調節モータ(M5)が駆動すると共に、籾摺ロール(7)の初期間隙の設定中はメイン操作レバー(46)の操作位置が第二操作位置又は第三操作位置にあっても第一操作位置と判定し、第一操作位置の制御を行なうことを特徴とする籾摺選別機。
【請求項2】
籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中にメイン操作レバー(46)を第1操作位置から第2操作位置、又は第3操作位置に操作したら、前記籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定手段の作動を継続し、籾摺ロール(7,7)の初期間隙の設定が終了した後にら第2操作位置、又は第3操作位置の制御を開始することを特徴とする請求項1記載の籾摺選別機。
【請求項1】
一対の籾摺ロール(7)と、籾を貯留する籾ホッパ(6)と、籾ホッパ(6)の籾を籾摺ロール(7)に供給する籾シャッタ(6a)と、揺動選別板(15)と、揺動選別板(15)で選別した玄米を機外取出側あるいは機内循環側に切り換える循環排出切換弁(31)と、籾摺ロール(7)を駆動する主モータ(M1)と、揺動選別板(15)を駆動する揺動モータ(M3)と、籾シャッタ(6a)の開閉を駆動する籾シャッタ開閉モータ(M2)と、籾摺ロール(7)の間隙を調節する籾摺ロール間隙調節モータ(M5)と、循環排出切換弁(31)切り換える循環排出切換モータ(M4)と、主モータ(M1)も運転を開始する運転スイッチ(SW1)と、籾シャッタ開閉モータ(M2)や揺動モータ(M3)や循環排出切換モータ(M4)を駆動制御するメイン操作レバー(46)とを設け、
メイン操作レバー(46)の操作位置を第1操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を閉鎖し、揺動選別板(15)を停止し、循環排出切換弁(31)を循環側とするよう制御し、
メイン操作レバー(46)の操作位置を第2操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を循環側にするよう制御し、
メイン操作レバー(46)の操作位置を第3操作位置に操作すると、籾シャッタ(6a)を開とし、揺動選別板(15)を揺動し、循環排出切換弁(31)を排出側にするよう制御する構成とし、
運転スイッチ(SW1)を操作して主モータ(M1)の運転を開始すると、籾摺ロール(7)の初期間隙設定を行なうべく籾摺ロール間隙調節モータ(M5)が駆動すると共に、籾摺ロール(7)の初期間隙の設定中はメイン操作レバー(46)の操作位置が第二操作位置又は第三操作位置にあっても第一操作位置と判定し、第一操作位置の制御を行なうことを特徴とする籾摺選別機。
【請求項2】
籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定中にメイン操作レバー(46)を第1操作位置から第2操作位置、又は第3操作位置に操作したら、前記籾摺ロール(7,7)の初期間隙設定手段の作動を継続し、籾摺ロール(7,7)の初期間隙の設定が終了した後にら第2操作位置、又は第3操作位置の制御を開始することを特徴とする請求項1記載の籾摺選別機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−262084(P2009−262084A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116490(P2008−116490)
【出願日】平成20年4月26日(2008.4.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月26日(2008.4.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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